当連結会計年度における我が国経済は、上期にて政府並びに日銀による経済施策により、円安・株価上昇など景気回復の兆しが見られたものの、下期に入り円高・株価下落に振れるなど不安定な状況でありました。この状況下依然消費税増税後の個人消費の本格回復は鈍い状態で推移し、また、世界経済において北米市場では若干鈍化の兆しも見られましたが、総じて順調に推移しました。一方、新興国の経済低迷の長期化は非常に深刻な状況となりました。
このような環境のもと、自動車部門では、主力の軽自動車は自動車税増税による駆け込み需要の反動を含め市場縮小したことにより、国内販売は大きく減少致しました。一方、海外ではインドネシアの経済成長の鈍化が鮮明となるなか、PT.METALART ASTRA INDONESIA(インドネシア子会社)が本格稼働することにより、国内販売の大幅落ち込みをカバーしました。建設機械部門においては、新興国市場の経済低迷や資源価格下落による鉱山機械需要の更なる落込みにより、特に中国・東南アジア市場において大幅に販売は減少致しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、234億6千9百万円(前年同期比8.9%減)となりました。部門別売上高では、自動車部品は180億2千万円(前年同期比3.2%減)、建設機械部品は43億1千8百万円(前年同期比28.5%減)、農業機械部品は6億3千万円(前年同期比7.8%増)、その他部品は4億9千9百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
一方、損益面におきましては、売上の減少、PT.METALART ASTRA INDONESIA(インドネシア子会社)の立上げに伴う生産ロスが予想を上回り、グループを挙げて原価低減に努めたものの、営業利益は2億5千1百万円(前年同期比80.1%減)となりました。また、インドネシア通貨が円・ドルに対して大きく下落したことによりPT.METALART ASTRA INDONESIAへの当社からの円建貸付金にかかる為替差損の発生により、経常損失は1億7百万円(前年同期は経常利益16億2千9百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1億8千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益9億8千2百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億2千9百万円減少し、16億8千1百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は5億1千8百万円(前年同期は15億4千7百万円の増加)となりました。この主な増加要因は減価償却費13億2千1百万円、売上債権の減少8億4千2百万円、為替差損益3億7千7百万円、また、減少要因としては仕入債務の減少17億7千1百万円、税金等調整前当期純損失9百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は7億6千7百万円(前年同期は25億4百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出9億9千7百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は7千3百万円(前年同期は2億2千4百万円の減少)となりました。この主な要因は、短期借入金の借入による収入3億円、配当金の支払1億4千1百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
自動車部品 | 17,847,035 | △3.7 |
建設機械部品 | 4,276,786 | △28.9 |
農業機械部品 | 624,858 | 7.2 |
その他部品 | 494,568 | △2.2 |
合計 | 23,243,248 | △9.4 |
(注) 1 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。
2 外注製品の仕入を含んでいます。
当連結会計年度における受注状況を部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
自動車部品 | 18,523,764 | 0.8 | 3,100,275 | 19.4 |
建設機械部品 | 4,015,895 | △31.2 | 924,978 | △24.6 |
農業機械部品 | 623,580 | △1.3 | 168,338 | △4.2 |
その他部品 | 487,401 | △2.4 | 114,386 | △9.5 |
合計 | 23,650,642 | △6.7 | 4,307,979 | 4.4 |
(注) 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
自動車部品 | 18,020,998 | △3.2 |
建設機械部品 | 4,318,473 | △28.5 |
農業機械部品 | 630,948 | 7.7 |
その他部品 | 499,388 | △1.6 |
合計 | 23,469,810 | △8.8 |
(注) 1 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
ダイハツ工業㈱ | 10,824,915 | 42.0 | 8,828,070 | 37.6 |
コベルコ建機㈱ | 3,947,024 | 15.3 | 2,741,315 | 11.7 |
トヨタ自動車㈱ | 3,018,311 | 11.7 | 2,543,779 | 10.8 |
2 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。
当社の主力の自動車業界・建設機械業界ともに今後益々、中国・東南アジア・南米等の新興国市場への現地生産・現地部品調達によるグローバル展開が進み、国内は限られた市場の熾烈な競争が続き、低コスト化の要請が更に強まってくると予測されます。
このような環境下で他社との差別化・事業拡大を図るため、当社グループは「鍛造メーカーから部品メーカーへの進化」を目指し、精密鍛造技術をコア技術とし、素材~機械加工完成品まで全工程スルーで競争力のある部品を開発・提案してまいります。同時に原価低減活動を強化し、コスト競争力も更に強化してまいります。
海外展開においては、インドネシア事業を軸に新規拡販に努め、アセアン地区の生産拠点として事業拡大に努めます。
また、国内・海外での競争力向上、事業拡大を実現するためにも人材育成を最重要課題として強化してまいります。
当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ損益及び財務に関するもの
(1)素材、部品等仕入価格の変動リスク
当社グループでは、製品を製造するための鋼材、部品等を購入していますが、これらの世界市場における需要の動向、生産の環境変化等により購入価格が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)受注変動のリスク
当社グループの売上は、自動車部品及び建設機械部品が90%以上を占めているため、自動車及び建設機械の国内外の販売の状況に影響され、売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。
また、当社グループの主要販売先である自動車業界、建設機械業界においては、今後益々、中国、東南アジア、インドなどの新興国市場への需要開拓が進むとともに、製品の低価格化並びに現地生産化が進み、それに伴い当社グループの製品価格の下落、お客様の現地調達化による受注減少により売上高及び利益が変動する可能性があります。
(3)金利変動リスク
当社グループは、現状の低金利を利用し、短期借入金を中心に資金調達を行っています。一方、設備投資については長期借入金で賄うことにしており、今後、金利が上昇した場合、金利負担の増大の可能性があります。
Ⅱその他
(1) 環境維持
当社グループは、環境保護を経営の最重要課題の一つと捉え、ISO14001を取得し、環境対策には万全を期していますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、環境関連法規制は年々厳しさを増しています。当社グループとしては、今後も社会の要請にこたえるべく全力を挙げてまいりますが、将来、環境維持に関するコストが当社グループの許容しうる範囲を超えて高まる可能性もあります。その際には、当社グループの財務状況と業績に影響を及ぼす可能性があります。
技術供与契約は次のとおりであります。
(株式会社メタルアート)
契約会社名 | 国名 | 技術の種類 | 対価 | 契約期間 |
ムナラ・トウルス・マクムール社 | インドネシア | 鍛造品の製造技術 | 所定の技術指導料 | 自 1996年10月 |
当連結会計年度の軽自動車の販売台数は、2014年の消費税導入前の駆け込み需要や2015年の自動車税増税の影響により、対前年比で大幅に減少、更に建設機械業界の不況を受け、当社も減収減益となりました。
また、若者の自動車離れが進む中、国内の自動車全体の販売台数も頭打ちであり、自動車産業は厳しい状況にあります。しかし、新興国の自動車購入に対するポテンシャルはまだまだ高いことから、今後も海外生産の比率は益々高くなっていきます。
当社は、2015年2月から本格操業を開始したインドネシアの子会社MAI(PT. METALART ASTRA INDONESIA)の生産も当連結会計年度の第4四半期から徐々に増え始め、受注も順調に増加してきました。2016年度は、4500Tonラインに材料投入及び排出側に設備を増強し、4500Tonの生産能力をさらに高める取り組みを行っています。
国内においては、熱間鍛造の熱を利用し、冷却速度をコントロールすることで鍛造焼ならしを行い、通常熱処理の焼ならしと同等の組織と硬さを得ることで、熱処理の廃止とコストダウン活動を行っています。また、冷間鍛造の潤滑処理を従来のリン酸亜鉛皮膜処理から一液潤滑処理へ置き換える開発を行い、自動一液潤滑装置を自社開発し設置しました。これらは、コストダウン活動であると同時に、消費エネルギーの削減や廃液処理の削減など環境問題への取り組みにもつながる活動だと考えています。
更に、2015年より進めている開発品の中空軽量化やせん断打ち抜き成形、ヘリカルギャ鍛造なども一定の成果を得ましたが、2016年度も引き続き精度アップと商品化を目指して、シンプル・スリム・コンパクトな物づくりを推進してまいります。
2016年5月5日に創業100周年を迎えた当社は、これまでお客様と社会に多くの製品と信頼を提供してまいりました。そして、次の100年に向け従業員一同気持ちも新たに、信頼される物づくりと更なる開発力と商品力の向上に努め、お客様と社会に貢献できる企業を目指してまいります。
なお、当社及び連結子会社は、ともに鍛工品製造販売の単一セグメント(連結子会社は鍛工品の製品及び当社の一部部品加工組立を業としている。)であるため、事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載していません。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末に比べ29億8千7百万円減少し、223億6千万円となりました。
資産の部では、流動資産は現金及び預金が12億2千9百万円減少、電子記録債権が8億5千6百万円減少、棚卸資産が1億8千5百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ18億8千8百万円減少し、113億6千7百万円となり、また固定資産は有形固定資産が7億7千9百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ10億9千9百万円減少し、109億9千2百万円となりました。
負債の部では、流動負債は、買掛債務支払方法変更等により買掛金が53億5千万円減少、電子記録債務が35億7千1百万円増加、未払法人税等が4億6千2百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ21億5千2百万円減少し、101億9千万円となり、固定負債は、長期借入金が返済により7千2百万円減少、退職給付に係る負債が2億1千3百万円増加したことにより前連結会計年度末に比べ4千万円増加し、9億2千3百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失1億8千1百万円計上による減少、非支配株主持分が2億3千4百万円の減少、剰余金の配当による1億4千1百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べ8億7千5百万円減少し、112億4千6百万円となりました。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、上期にて政府並びに日銀による経済施策により、円安・株価上昇など景気回復の兆しが見られたものの、下期に入り円高・株価下落に振れるなど不安定な状況でありました。この状況下依然消費税増税後の個人消費の本格回復は鈍い状態で推移し、また、世界経済において北米市場では若干鈍化の兆しも見られましたが、総じて順調に推移しました。一方、新興国の経済低迷の長期化は非常に深刻な状況となりました。
このような環境のもと、自動車部門では、主力の軽自動車は自動車税増税による駆け込み需要の反動を含め市場縮小したことにより、国内販売は大きく減少致しました。一方、海外ではインドネシアの経済成長の鈍化が鮮明となるなか、PT.METALART ASTRA INDONESIA(インドネシア子会社)が本格稼働することにより、国内販売の大幅落ち込みをカバーしました。建設機械部門においては、新興国市場の経済低迷や資源価格下落による鉱山機械需要の更なる落込みにより、特に中国・東南アジア市場において大幅に販売は減少致しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、234億6千9百万円(前年同期比8.9%減)となりました。部門別売上高では、自動車部品は180億2千万円(前年同期比3.2%減)、建設機械部品は43億1千8百万円(前年同期比28.5%減)、農業機械部品は6億3千万円(前年同期比7.8%増)、その他部品は4億9千9百万円(1.6%減)となりました。
一方、損益面におきましては、売上の減少、PT.METALART ASTRA INDONESIA(インドネシア子会社)の立上げに伴う生産ロスが予想を上回り、グループを挙げて原価低減に努めたものの、営業利益は2億5千1百万円(前年同期比80.1%減)となりました。また、インドネシア通貨が円・ドルに対して大きく下落したことによりPT.METALART ASTRA INDONESIAへの当社からの円建貸付金にかかる為替差損の発生により、経常損失は1億7百万円(前年同期は経常利益16億2千9百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は1億8千1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益9億8千2百万円)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要」に記載しています。