第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針 

当社は、お客様・社会・従業員への約束として①常に新たな価値を生み出すことによるお客様の感動を創造②革新的なものづくりを通じての社会発展への貢献③リスクを恐れず挑戦し成長する喜びの共感を経営理念として掲げております。
 この経営理念のもと、『世界をリードする鍛造技術を基軸に完成品として最適提案が出来るグローバル部品メーカー』を目指し、株主様、お客様、従業員など全ての関係者の皆様にとって価値ある企業グループでありつづけることを経営の基本方針としております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社の主力の自動車業界・建設機械業界ともに今後益々、中国・東南アジア・南米等の新興国市場への現地生産・現地部品調達によるグローバル展開が進み、国内は限られた市場の熾烈な競争が続き、低コスト化の要請が更に強まってくると予測されます。
 このような環境下で他社との差別化・事業拡大を図るため、当社グループは「鍛造メーカーから部品メーカーへの進化」を目指し、精密鍛造技術をコア技術とし、素材~機械加工完成品まで全工程スルーで競争力のある部品を開発・提案してまいります。同時に原価低減活動を強化し、コスト競争力も更に強化してまいります。
 海外展開においては、インドネシア事業を軸に新規拡販に努め、アセアン地区の生産拠点として事業拡大に努めます。
 また、国内・海外での競争力向上、事業拡大を実現するためにも人材育成を最重要課題として強化してまいります。

 

(3)対処すべき課題

当社の主力の自動車業界・建設機械業界ともに今後、新興国市場での地産地消が進み、国内市場は少子高齢化・カーシェアリング等の普及もあり、縮小は避けられません。そのため、今後はさらなるコスト競争の激化が予測されます。

このような環境下で他社との差別化・事業拡大を図るため、当社グループは「鍛造技術を基軸に完成品として最適提案ができるグローバル部品メーカー」を目指し、鍛造から機械加工までの一貫事業の拡大およびEV化に対応した技術開発をすすめ、良品廉価なものづくりをしっかりとお客様へ提案していくことで競争優位性を確立してまいります。

拡大する海外市場への対応にインドネシア事業をアセアン地区の中心拠点に据え事業拡大に努めます。

また、国内・海外での更なる競争力強化のため、技能伝承を中心としたひとづくりも重要課題として取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。

なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

Ⅰ損益及び財務に関するもの

(1)素材、部品等仕入価格の変動リスク

当社グループでは、製品を製造するための鋼材、部品等を購入していますが、これらの世界市場における需要の動向、生産の環境変化等により購入価格が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)受注変動のリスク

当社グループの売上は、自動車部品及び建設機械部品が90%以上を占めているため、自動車及び建設機械の国内外の販売の状況に影響され、売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。
 また、当社グループの主要販売先である自動車業界、建設機械業界においては、今後益々、中国、東南アジア、インドなどの新興国市場への需要開拓が進むとともに、製品の低価格化並びに現地生産化が進み、それに伴い当社グループの製品価格の下落、お客様の現地調達化による受注減少により売上高及び利益が変動する可能性があります。

 

 (3)金利変動リスク

当社グループは、現状の低金利を利用し、短期借入金を中心に資金調達を行っています。一方、設備投資については長期借入金で賄うことにしており、今後、金利が上昇した場合、金利負担の増大の可能性があります。

 

 (4)為替リスク

海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。したがって、決算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱその他

(1) 環境維持

当社グループは、環境保護を経営の最重要課題の一つと捉え、ISO14001を取得し、環境対策には万全を期していますが、環境維持に対する社会的要請は年々高まり、環境関連法規制は年々厳しさを増しています。当社グループとしては、今後も社会の要請にこたえるべく全力を挙げてまいりますが、将来、環境維持に関するコストが当社グループの許容しうる範囲を超えて高まる可能性もあります。その際には、当社グループの財務状況と業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、政府の雇用・所得環境の改善が続く中で、企業の設備投資や生産の増加を受け、緩やかな回復を続けました。一方、世界経済は中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、政策に関する
不確実性による影響が依然として顕在するものの、米国を中心に緩やかに回復しています。

このような経営環境のもと自動車部門においては、国内軽・小型車の販売好調により、堅調に推移し、また、建設機械部門においては、世界的に高需要が続き、特にマイニングを中心とした大型建機の販売好調に加え、国内は排ガス規制車の駆け込み需要により堅調に推移しました。以上の市場環境に加え、鋼材価格の上昇に伴う販売価格への反映もあり、売上は増加しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は、304億5千6百万円(前年同期比14.9%増)となりました。部門別では、自動車部品は235億8百万円(前年同期比14.0%増)、建設機械部品は57億3千4百万円(前年同期比20.2%増)、農業機械部品は6億4千1百万円(前年同期比27.2%増)、その他部品は5億7千1百万円(前年同期比8.3%減)となりました。 

損益面におきましては、売上の増加、グループを挙げての原価低減により、営業利益は12億9千2百万円(前年同期比18.6%増)となりました。一方、インドネシア通貨が円・ドルに対して大きく下落したことによりPT.METALART ASTRA INDONESIA における当社からの円建借入金にかかる為替差損5億1千2百万円の発生により、経常利益は8億8千5百万円(前年同期比22.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億1百万円(前年同期比41.3%減)となりました。

総資産は、前連結会計年度末に比べ15億4千2百万円増加し、267億2千8百万円となりました。
 資産の部では、流動資産は、前連結会計年度末に比べ6億5千6百万円増加し、148億8千2百万円となり、また固定資産は前連結会計年度末に比べ8億8千5百万円増加し、118億4千6百万円となりました。
 負債の部では、流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億9千7百万円増加し、135億5千9百万円となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べ3千5百万円減少し、8億1千9百万円となりました。
 純資産は、前連結会計年度末に比べ4億8千万円増加し、123億5千万円となりました。 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億7千5百万円減少し、26億6千万円となりました。
 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は19億2千3百万円(前年同期は24億2千6百万円の増加)となりました。この主な増加要因は、減価償却費11億9千7百万円、税金等調整前当期純利益8億5千5百万円、仕入債務の増加7億1千1百万円、為替差損4億9千8百万円、また、減少要因としては法人税等の支払6億4千3百万円、売上債権の増加5億9千4百万円、未収入金の増加4億7百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は20億7千4百万円(前年同期は9億4千9百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出20億7千9百万円によるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は2億1百万円(前年同期は1億2千9百万円の減少)となりました。この主な要因は、短期借入金の返済による支出3千万円、長期借入金の返済による支出6千6百万円、配当金の支払9千4百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

23,442,038

13.7

建設機械部品

5,718,453

19.9

農業機械部品

639,870

26.7

その他部品

569,829

△8.5

合計

30,370,192

14.5

 

(注) 1 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。

2 外注製品の仕入を含んでいます。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

24,116,758

15.2

4,027,992

17.8

建設機械部品

5,469,273

2.2

1,241,233

△17.6

農業機械部品

677,354

40.7

180,804

24.6

その他部品

575,032

△12.1

149,556

2.5

合計

30,838,419

12.4

5,599,585

7.3

 

(注) 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。

 

部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品

23,508,781

77.19

建設機械部品

5,734,734

18.83

農業機械部品

641,692

2.11

その他部品

571,452

1.88

合計

30,456,660

100.0

 

(注) 1 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ダイハツ工業㈱

8,295,847

31.3

9,385,299

30.8

コベルコ建機㈱

3,192,001

12.1

3,905,288

12.8

トヨタ自動車㈱

2,620,926

9.9

2,931,941

9.6

 

2 上記金額は販売価格をもって示し、消費税等は含まれていません。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積もり

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

当連結会計年度末の財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ15億4千2百万円増加し、267億2千8百万円となりました。
 資産の部では、流動資産は、現金及び預金が3億7千5百万円減少、受取手形及び売掛金が3億7千2百万円増加、電子記録債権が1億8千7百万円増加、未収入金が4億3百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ6億5千6百万円増加し、148億8千2百万円となり、また固定資産は前連結会計年度末に比べ8億8千5百万円増加し、118億4千6百万円となりました。
 負債の部では、流動負債は、買掛金が2億2千7百万円増加、電子記録債務が4億3千5百万円増加、設備電子記録債務が4億9千9百万円増加、未払法人税等が1億8千8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ10億9千7百万円増加し、135億5千9百万円となり、固定負債は、長期借入金の返済により6千6百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ3千5百万円減少し、8億1千9百万円となりました。
 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益4億1百万円の計上による増加、剰余金の配当による9千4百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べ4億8千万円増加し、123億5千万円となりました。 

 

(経営成績の分析)

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

 

③資金の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの分析)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。

 

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、設備投資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

 

(財務政策)

当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。設備投資などの長期資金需要に対しては、内部留保、長期借入債務により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機関からの借入によって調達しております。
 資金マネジメントについては、当社と子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることにより、資金効率の向上を図っております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術供与契約は次のとおりであります。

(株式会社メタルアート)

 

契約会社名

国名

技術の種類

対価

契約期間

ムナラ・トウルス・マクムール社

インドネシア

鍛造品の製造技術

所定の技術指導料
一定率のロイヤリティー

自 1996年10月
(自動継続)

 

 

5 【研究開発活動】

 当社は、鍛造技術のみならず塑性加工全般に目を向けて常に新しい価値を生み出せるように活動しています。また、機械加工、熱処理を加えた完成品としての最適な提案が行えるグローバルな部品メーカーを目指して、技術革新とシンプル・スリム・コンパクトな視点で、ものづくりを進めてまいりました。その活動状況と研究開発成果は、次の通りです。

1.冷間鍛造で古くから使用されているボンデ処理は、多工程の処理が必要なことから環境負荷も大きくコスト高でした。この処理工程を短縮した処理装置を現有設備にインライン化することで環境負荷も低く大幅にコスト削減を可能とするボンデ代替潤滑装置を立ち上げました。

2.ファインブランキング工法は、通常、板材より高精度な専用プレス機を用いて成形します。当社では、現有の汎用プレス機にてファインブランキングと同等の精度を実現し、熱間鍛造品と組み合わせることで付加価値を高めた製品の量産立ち上げに成功しました。

3.歯車はギヤノイズ低減による静粛性向上、かみ合い損失の低減による省エネルギー化が求められ、より高精度なギヤが要求されています。当社では、塑性加工と歯車研削を組み合わせることによる付加価値化を目的に、昨年より歯車研削盤を導入しギヤの試作を開始しました。今後、鍛造から歯車研削までの一貫した工程で歩留まりが良く、高精度で安価な歯車を目指します。

4. 熱間鍛造では、欠肉や肌不良等の表面欠陥が発生し、目視による外観検査が必要となります。自動検査ラインを導入することにより、ヒューマンエラーをなくし、検査精度向上とコスト低減を図っていきます。
 

なお、当社及び連結子会社は、ともに鍛工品製造販売の単一セグメント(連結子会社は鍛工品の製品及び当社の一部部品加工組立を業としている。)であるため、事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載していません。