文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「①常に新たな価値を生みだしお客様の感動を創造します。②革新的なものづくりを通じて社会の発展に貢献します。③リスクを恐れず挑戦し成長する喜びを共感します。」を経営理念とし、お客様、取引先及び株主、従業員がともに満足を得られる経営を行い、社会・環境に貢献することを基本方針としております。
(2)対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、国内景気は、雇用や所得の改善、インバウンド需要の回復などを背景に、緩やかな回復基調が続くと見込まれます。一方で、米国の通商・金融政策や世界経済の減速が国内にも影響を及ぼす可能性があり、景気の先行きには依然として不透明感が強く残っています。海外においては、米国の通商政策に伴う各国との貿易摩擦の再燃や地政学的リスクの高まりに加え、北米での高金利の長期化により個人消費の勢いが鈍化し、設備投資にも抑制傾向が見られます。さらに、欧州におけるインフレの継続と景気後退への懸念、中国経済の回復の遅れ、為替の変動なども重なり、世界経済全体としても先行き不透明な状況が続くと予想されます。
中長期的には、主力の自動車市場の世界的なカーボンニュートラル実現への動きを受け、自動車メーカーの更なる電動化への加速に加え、国内の超少子高齢化による市場縮小と生産年齢人口減少による人材確保の深刻化等、先行きは厳しいと認識しております。
このような経営環境に対応するため、「原点回帰と変革」を基本に、「2030年グループビジョン」を策定し、各種施策に取り組んでおります。
「2030年グループビジョン」の骨子は以下のとおりです。
1 めざす姿
・ダントツものづくりのグローバル企業
・新規事業を創出し大変革に対応できる企業
・地域貢献活動を通じ地域に愛される企業
2 2030年グループビジョン スローガン
「ワクワクする会社になろう!」
3 めざす姿を実現するための4つの戦略
1)マーケティング戦略 ~新たな価値の創出~
・新商品・新事業の創出とその具現化
・収益性に重点を置いた中長期販売戦略の実行
・海外ビジネスモデルの完成と次期戦略実行
2)ものづくり戦略 ~技能伝承とデジタル技術の融合~
<基盤>
・マーケティング戦略と連動したロードマップ実行
・AI導入と産学連携
・人員適正化
<現場力>
・ICT活用による効率化
・TQM、TPM活動をベースとした全員参加の競争力向上活動
<開発力>
・オンリーワン商品を生み出す先行開発強化
・IoTを活用したDE進化
3)ひとづくり戦略 ~原点に帰ったひとづくり・文化づくり~
・経営理念、メタルアートウェイ、行動指針の浸透
・タフ&マルチ、グローバル人材の育成
・スペシャリスト人材の育成
・従業員のためのしあわせづくり活動
4)コトづくり戦略 ~地域貢献を積極的に推進~
・地域密着活動の参画・企画
・環境負荷低減
この「2030年グループビジョン」を基軸に、グループ社員全員参加で挑戦しつづけ、めざす姿の実現に向け取り組んでまいります。併せてESG経営を実践し、当社の企業価値を高めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値を拡大するために、売上高経常利益率並びに自己資本比率を向上させることが重要と考えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは気候変動を含む環境・社会課題を経営上の重要事項として捉え、社長直轄の「安全衛生委員会」、「環境管理委員会」及び「品質会議」を設置しております。
「安全衛生委員会」、「環境管理委員会」及び「品質会議」では重要課題に関するグループ全体の取り組みの進捗をモニタリングするとともに対応方針の立案と関連部署への展開を行っております。
また、これらの結果は年4回取締役会に報告され、当該報告内容に関する管理・監督を行っております。
(注)ガバナンスの体制については「
当社グループの主力市場である自動車市場はCASEやカーボンニュートラルなど、大きな構造変化と社会課題に直面しております。このような環境のもと、次のような取り組みをしております。
①気候変動を含む環境課題方針
当社グループは2050年カーボンニュートラル実現にむけたロードマップを策定し、推進しております。

(注)当社グループは国内のスコープ1及びスコープ2を対象としております。
スコープ1:自社の工場・オフィス等から直接排出量
スコープ2:自社が購入した熱・電力の使用に伴う間接排出量
なお、上記目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況変化によって柔軟に見直しを行っております。
②人材の多様性を含む人材育成及び社内環境整備方針
当社グループのさらなる成長を支える人材の育成は最重要課題のひとつであり、「ものづくりはひとづくり」の考えに基づき、人材育成センターを設立し、全従業員に対して具体的な取り組みを進めてまいります。
(具体的な取り組み)
1 メタルアートウェイ(注)の浸透と実践
当社では、メタルアートウェイを従業員に浸透させ、実践することを重視しております。
社長自らが語りべとなり、6ヶ月間かけて従業員全員に向けた教育活動を毎年実施しております。
(注)メタルアートウェイとは、「挑戦」「人間性尊重」「感動と感謝」「持続的成長」の4つからなる代々受け継がれていくべきグループ共通の価値観を明文化したものであります。
2 ランクや役割に応じた知識教育の実施
当社では、従業員のランク・役割に応じた専門知識・技能・マネジメントスキル向上などの階層別教育を実施しております。
3 海外子会社及び社外を活用したグローバル人材育成
当社では、文化や価値観の多様性を学び、グローバルに活躍できる人材を育成するため、海外子会社での業務や社外との人的交流を積極的に実施しております。
当社グループは「経営会議」、「安全衛生委員会」、「環境管理委員会」および「品質会議」において、財務的影響、環境・社会に与える影響及び発生可能性を踏まえて優先的に対応すべきリスクの絞り込みが行われております。
重要なリスクは、経営会議の協議を経て戦略・計画に反映され、取締役会へ報告及び監督されております。
当社グループでは、上記「(2)」において記載した、気候変動を含む環境課題方針は下記の指標を用いております。
また、人材の多様性を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
Ⅰ損益及び財務に関するもの
(1)素材、部品等仕入価格の変動リスク
当社グループでは、製品を製造するための鋼材、部品等を購入しておりますが、これらの世界市場における需要の動向、生産の環境変化等により購入価格が変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)受注変動のリスク
当社グループの売上は、自動車部品及び建設機械部品が90%以上を占めているため、自動車及び建設機械の国内外の販売の状況に影響され、売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。
また、当社グループの主要販売先である自動車業界、建設機械業界においては、今後益々、中国、東南アジア、インドなどの新興国市場への需要開拓が進むとともに、製品の低価格化並びに現地生産化が進み、それに伴い当社グループの製品価格の下落、お客様の現地調達化による受注減少により売上高及び利益が変動する可能性があります。
加えて、一部お客様での出荷停止問題につきましては、国土交通省による安全性基準の適合確認の結果、順次生産再開されております。また、当社の今期における業績予測は現時点におけるこれらの情報をもとに当社にて予測したものでございます。
本件は当社グループの売上高及び利益に大きく影響を受ける為、引続きの情報収集とその精査を行ってまいります。
(3)金利変動リスク
当社グループでは、金利動向などを踏まえ、運転資金については主に短期借入金で調達しており、設備投資については基本的に長期借入金で対応しております。今後、金利が上昇した際には、支払利息の増加による業績への影響が生じる可能性があります。
(4)海外活動に関するリスク
① 為替リスク
海外子会社の財務諸表は原則として現地通貨で作成後、連結財務諸表作成のため円換算されております。したがって、決算時の為替レートにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 政治・経済状況の変化などに伴うリスク
当社グループが事業展開するインドネシアにおいて、法律・規制の大きな変化、政治・経済状況の急激な変化、テロ・戦争等の社会的・政治的混乱など予測し難い事態が発生した場合、また米国による相互関税等通商政策による直接的な影響は限定的でありますが、この通商政策による世界経済の後退につながった場合は、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害・事故災害に関するリスク
① 大規模な自然災害によるリスク
当社グループは、自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災、減災、さらには危機管理体制を重要なものと位置付けて取り組んでおりますが大規模な自然災害、特に東南海沖を中心とした大規模な地震の発生とそれに伴う想定以上の大津波、また、地球温暖化が要因のひとつとされる巨大台風による大規模な水害が発生した場合は、顧客に安定して製品を供給できなくなるなど、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
② 火災、爆発事故によるリスク
当社グループは、危険物及び化学薬品の取扱いについて、事故発生の未然防止のための安全操業体制の強化に日々取り組んでおりますが、当社グループにおいて、火災事故、爆発事故が発生した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。
③ 新型コロナウイルス等、感染拡大によるリスク
当社グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。
④ 情報セキュリティによるリスク
当社グループは、事業活動において顧客情報・個人情報等を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しております。当社グループはサイバー攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しかし、顧客情報・個人情報等の漏洩等の事故が発生した場合には、当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生した場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
Ⅱその他
(1) 環境維持
当社グループは、環境保護を経営の最重要課題の一つと捉え、ISO14001を取得し、環境対策には万全を期しておりますが、環境保護に対する社会的要請は年々高まり、環境関連法規制は年々厳しさを増しております。
当社グループとしては、今後も社会の要請にこたえるべく全力を挙げてまいりますが、将来、環境維持に関するコストが当社グループの許容しうる範囲を超えて高まる可能性もあります。その際には、当社グループの財務状況と業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド消費の増加を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、エネルギー価格の変動や円安の進行に伴う物価上昇の影響が引き続き見られ、個人消費や企業のコスト構造に一定の影響を及ぼしました。世界経済においては、米国を中心とした景気の持ち直しやインフレ率の鈍化を背景に、緩やかな回復基調が見受けられましたが、欧州の景気減速や中国経済の回復の遅れ、地政学的リスクの高まりに加え、米国による相互関税措置をめぐり、各国との通商摩擦が再び懸念される状況となり、これにより金融市場では一時的な混乱や為替の変動が生じるなど、世界経済全体としては依然として不透明感の強い状況が続きました。
このような経済環境のもと、当社グループの受注環境は、自動車市場で一部のお客様の出荷停止による影響は次第に回復が見られたものの、アセアン市場向け車両の減産の影響を受け、全体としては低調に推移しました。また、建設機械並びに農業機械では、欧米を中心に需要の減退により受注は悪化いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は439億5千4百万円(前年同期比2.4%減)となりました。部門別では、自動車部品は369億9千2百万円(前年同期比3.0%増)、建設機械部品は50億5千4百万円(前年同期比29.7%減)、農業機械部品は7億3千8百万円(前年同期比22.9%減)、その他部品は11億6千8百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
損益面におきましては、 開発費と減価償却費の増加、また材料価格変動の影響があったものの、グループを挙げての特別収益対策に努めた結果、営業利益は29億9千5百万円(前年同期比2.5%増)となり、経常利益は32億5千3百万円(前年同期比2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は一部のお客様の出荷停止に伴う補償金を加え、19億9千8百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加し、442億6千1百万円となりました。
資産の部では、流動資産は、現金及び預金が2億4千3百万円増加、受取手形及び売掛金が2億1千9百万円増加、電子記録債権が5億4千万円減少、その他に含まれる営業外電子記録債権が9億9千万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ11億5千3百万円減少し、244億6千1百万円となり、固定資産は、有形固定資産が13億9千6百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ13億9千万円増加し、198億円となりました。
負債の部では、流動負債は、電子記録債務が1億7百万円増加、短期借入金が13億8千万円減少、その他には一部のお客様からの出荷停止による売上減少に伴う仮受金15億1千6百万円減少が含まれていること等により、前連結会計年度末に比べ20億4千4百万円減少し、146億7千3百万円となり、固定負債は、長期借入金が10億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ10億4千4百万円増加し、30億7千3百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益19億9千8百万円の計上による増加、剰余金の配当による3億6千5百万円の減少、為替換算調整勘定が3億8千5百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ12億3千7百万円増加し、265億1千4百万円となりました。
連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億4千3百万円増加し、97億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は54億8千2百万円(前年同期は38億9千9百万円の増加)となりました。この主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益33億2千9百万円、減価償却費22億3千5百万円、売上債権の減少2億7千8百万円、また、減少要因としては法人税等の支払8億8千6百万円等によるものであります。
なお、その他には一部のお客様からの出荷停止による売上減少に伴う仮受金の返済15億1千6百万円が含まれています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は40億1百万円(前年同期は35億5千8百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出39億9千9百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は8億9千4百万円(前年同期は7億1千1百万円の増加)となりました。この主な増加要因としては、長期借入れによる収入20億円、また、減少要因としては配当金の支払3億6千3百万円、短期借入金の返済による支出16億8千万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額は販売価格をもって示しております。
2 外注製品の仕入を含んでおります。
当連結会計年度における受注実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は販売価格をもって示しております。
当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
総資産は、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加し、442億6千1百万円となりました。
資産の部では、流動資産は、現金及び預金が2億4千3百万円増加、受取手形及び売掛金が2億1千9百万円増加、電子記録債権が5億4千万円減少、その他に含まれる営業外電子記録債権が9億9千万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ11億5千3百万円減少し、244億6千1百万円となり、固定資産は、有形固定資産が13億9千6百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ13億9千万円増加し、198億円となりました。
負債の部では、流動負債は、電子記録債務が1億7百万円増加、短期借入金が13億8千万円減少、その他には一部のお客様からの出荷停止による売上減少に伴う仮受金15億1千6百万円減少が含まれていること等により、前連結会計年度末に比べ20億4千4百万円減少し、146億7千3百万円となり、固定負債は、長期借入金が10億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ10億4千4百万円増加し、30億7千3百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益19億9千8百万円の計上による増加、剰余金の配当による3億6千5百万円の減少、為替換算調整勘定が3億8千5百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ12億3千7百万円増加し、265億1千4百万円となりました。
(経営成績の分析)
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上高経常利益率の推移につきましては、以下の通りであります。
(キャッシュ・フローの分析)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。設備投資などの長期資金需要に対しては、内部留保及び主に長期借入債務により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機関からの借入によって調達しております。
資金マネジメントについては、当社と子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることにより、資金効率の向上を図っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2024年3月28日開催の取締役会において、当社連結子会社である株式会社メタルフォージを吸収合併することを決議し、2025年4月1日付で吸収合併いたしました。
詳細は、「「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
当社は、鍛造を基軸に機械加工・熱処理までを一貫して行い、お客様に完成部品として提供できる体制を構築しております。「世界的な脱炭素の動きによる自動車の電動化の進展に伴う、当社主力の自動車向けエンジン・トランスミッション部品の需要縮小」や、「国内の人口減少、若年層の自動車離れなどによる自動車市場の縮小」等に対応するため、新事業の創出や自動車以外の鍛造品の拡販に向けた「部品開発」「生産技術開発」「DX活用」を進めております。
このような状況のもと、当連結会計年度における研究開発費は
〈部品開発〉
・自動車業界における電動化の進展を踏まえ、当社においても将来を見据え、HEV・BEVに対応する部品の開発を推進しております。具体的には、モータ、モータシャフト、長軸シャフトギヤ等に焦点を絞り、素材から機械加工までの一貫体制のもと、高い競争力を持つ部品をお客様に提供できる体制整備に取り組んでおります。また、既存製品ではありますが、HEV向けの大型ギヤ等についても競争力向上を目的とした生産技術開発を進めております。
・自動車以外の分野においては、今後需要の拡大が見込まれる産業用ロボット部品について、一貫体制のもとで少ロットでも効率的に生産可能な工程開発を推進しております。
〈生産技術開発〉
・工場の生産性向上に向け、「AI技術等を活用した自動検査の導入」や「ロボット・AGV等を活用した省人化ラインの構築」に注力し、将来を見据えたものづくりの開発を進めております。2025年度には、これらの技術を活用した、より効率的な検査工場の稼働を予定しております。
・また、カーボンニュートラル・脱炭素化への対応として、「エネルギー原単位の向上」や「脱炭素エネルギーの積極的な活用」にも取り組んでおります。
〈DX活用〉
・2022年度よりDXの推進に取り組んでおり、徐々にその成果が現れてきております。2024年5月には、国による「DX認定」を取得し、また一昨年から継続してきた社内教育の成果もあり、活動は本社工場だけでなく各工場へも広がりを見せております。
当社は、「2030年グループビジョン」を軸に、これらの取り組みを通じて、多くのお客様やパートナー企業、そして優秀な学生・採用希望者から選ばれる、ワクワクする会社への進化を目指してまいります。
なお、当社グループの報告セグメントは鍛工品製造販売のみとしているため、事業の種類別セグメントに関連付けた説明は記載しておりません。