当社は、「環境との共生」、「品質優先」、「人間性尊重」を経営の基本理念とし、企業の発展を通じて社会に貢献するとともに、顧客の信頼に応え、職場の活性化を通じて株主の皆様の投資期待に応えるべく常に企業経営の強化をめざしております。
当社の経営理念は下記の3項目であります。
① 環境との共生のもと企業の発展を通じて社会に貢献する
② 品質優先に徹し、顧客の信頼に応える
③ 人間性を尊重し、夢と活力のある職場を創造する
当社の中長期経営ビジョンであるNITTAN Challenge 10(以下、「NC10」といいます。)では、2030年の目標達成(売上高1,000億円以上/営業利益額100億円以上/売上高営業利益率10%以上)を掲げております。NC10達成のための「VISIONⅠ」(ICE領域)では、既存技術を活かし更なる燃費等の付加価値向上製品の開発を進めております。また、「VISIONⅡ」(xEV・異業種領域)では、主に先進国を中心に脱炭素を背景とした電動化に関わる新たな開発と商品化への挑戦をしております。
すなわち、ESGにも関わる中長期経営ビジョンであるとも言えます。そのため、「多様な技術を駆使し、脱炭素化社会の実現に貢献する」ことを当社グループの「パーパス(意義)」として打ち出しました。
当社は、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を経営戦略の柱とし、その実現のため、2025年度を初年度とする5ヵ年のグローバル中期経営方針を策定いたしました。経営方針の具体的内容は次のとおりであります。
<2025-2029年度 グローバル中期経営方針>
1.基盤強化・・・事業の収益性と将来性を伸ばす
(1)事業環境の変化を正しく理解し、事業の再編・成長戦略を具現化する
(2)弱点分析とNPM改善活動を通じて、収益力を強化する
(3)安全と品質に重点を置き、お客様から常に選ばれる企業を目指す
2. 永続的発展・・・NC10達成の道筋を作る
(1)NC10 VISIONⅠアイテムの商品価値を高め、成長事業化する
(2)NC10 VISIONⅡアイテムの発掘と基礎開発により、新規事業化する
(3)CSR活動及びNCN活動を展開し、企業の社会的価値を高める
3. 企業風土改革・・・従業員の成長こそ企業の成長
(1)教育に力を入れ、全社員がプロフェッショナルを目指す
(2)手作業や煩雑業務を見直し、業務効率改善とDX化を加速させる
(3)コンプライアンス意識を高め、心も体も健やかに働ける企業体質にする
当社グループを取り巻く事業環境においては、バッテリーEV(BEV)の販売が地域によっては低迷している中、電動化の進展は必ずしも一様ではなく、各自動車メーカーにおいてパワートレインの多様性を前提とした事業戦略が再評価されています。電動化関連事業の収益性や投資回収のタイミングを含めた見直しが進む中、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含む内燃機関(ICE)を引き続き重要な収益基盤と位置付け、既存アセットの有効活用や投資効率を重視する動きが広がっています。
当社グループは、このような経営環境を踏まえ、パーパス「多様な技術を駆使し、脱炭素化社会の実現に貢献する」を掲げ、その実現に向け、ICE領域での既存製品の付加価値向上にとどまらず、新規事業領域への挑戦を加速しております。また、先行きが不透明な状況ではありますが、全社一丸となって中長期経営ビジョン「NITTAN Challenge 10(NC10)」の実現に邁進してまいります。「VISIONⅠ」では、既存の内燃機関部品における付加価値を高め、事業の拡大を図ります。自動車に加え、二輪車、船舶、発電機など幅広い用途の内燃機関向けに、燃費改善に貢献する製品開発を進め、受注獲得を目指してまいります。特にインド拠点における生産体制の強化を進めており、電動化に時間を要すると想定される地域において、当社のグローバル供給体制を活かした高付加価値エンジンバルブの安定的な供給を通じ、事業基盤の強化と収益機会の拡大を図ってまいります。一方「VISIONⅡ」では、電動化領域及び異業種領域への挑戦を本格化させており、一部製品においてはすでに受注を獲得しております。引き続き、新規事業につながる開発活動を継続してまいります。さらに、企業価値向上に向けた経営基盤の強化を目的として締結した、横浜キャピタル株式会社との事業提携も活用し、こうした海外成長投資について、投資規律と収益性を意識した形で着実に推進してまいります。本提携を通じ、事業ポートフォリオ経営の高度化や、既存事業の競争力強化、成長市場に向けた戦略的な資源配分を進めることで、変化の大きい事業環境においても持続的な成長と企業価値の向上を実現する経営体制の構築を目指してまいります。これらの取り組みにより、中長期経営ビジョンの達成と、持続的な収益拡大を目指してまいります。
次年度につきましては、品質面では、品質マネジメントシステムや製品初期管理、工程管理の再構築により品質リスクの未然防止を徹底するとともに、基幹システム刷新等のDXを通じた製造プロセスの見える化・トレーサビリティ強化により、安定した品質保証体制の確立を図ってまいります。売上面では、国内外における価格適正化に向けた取り組みを継続し、売上向上に努めてまいります。また、国内では、小型エンジンバルブ事業の受注増や機械部品の販売増による売上増を見込んでおります。海外では、新和精密株式会社グループの連結化による売上増や、高付加価値製品の販売強化による売上向上を計画しています。加えて、需要が伸びているインド拠点への更なる設備投資を予定しており、次期以降の売上向上を見込んでおります。利益面では、2026年3月期における収益改善の積み重ねを継続し、品質向上による不良率の低下、自動化・省人化投資による生産性の向上、受注動向に応じた柔軟な生産体制の構築、さらにIT化・DX推進による業務効率化を通じて労務費を削減し、収益力の強化に取り組んでまいります。
また、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を柱とする2026年度グローバル経営方針の実現に向けた施策や取り組みを展開してまいります。
<2026年度 グローバル経営方針>
1.基盤強化・・・筋肉体質に鍛え上げる
(1)事業別再編と収益改善活動を繰り返し、全事業黒字化を実現する
(2)業務の断捨離を行い、リソース配分(人・もの・金)の最適化を図る
(3)DX化とNPM活動を深化させ、安全・品質・生産性を進化させる
2.永続的発展・・・世間が認める会社を目指す
(1)NC10アイテムの見極めを行い、新規事業化の効率を高める
(2)戦略的M&Aや新規事業を具現化し、収益源多元化の目途をつける
(3)NCN、CSR、SDGs活動を愚直に展開し、企業の社会的責任を果たす
3.企業風土改革・・・ 皆がプロ意識をもって挑戦する
(1)慎重に進めるのも良いが、スピード感と競争力を意識した行動に変える
(2)挑戦する姿勢を称え合い、挑戦が当たり前の企業風土を醸成する
(3)健康経営方針をしっかり理解し、個々の健康維持・管理に努める
(注)1 NPMは、「NITTAN Total Productive Management」の略称で、当社グループで展開している生産システ
ム効率化を極限まで追求する企業体質づくりを目標とするNITTAN流の改善活動です。
2 NC10 VISIONⅠは、ICE領域において既存事業の付加価値追求を目指す取り組みです。
3 NC10 VISIONⅡは、電動化領域及び異業種への積極的なアプローチにより、新たな事業の開拓を目指す
取り組みです。
4 NCNは、NITTANカーボンニュートラルの略称で、当社グループの事業活動で発生する温室効果ガス排出
量の削減を目指す取り組みです。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社は、企業理念の実践を通じて、コーポレートスローガン「CHALLENGE・CREATION・SPEED(挑戦・創造・スピード)」のもと、当社のパーパスを「多様な技術を駆使し、脱炭素化社会の実現に貢献する」と定め、当社の保有する既存の技術力と新商品開発力を駆使し、時代のニーズを先取りした高品質な製品・技術やアイディアを提供し続けることが社会課題の解決につながり、ひいては社会の豊かさの追求につながると考えております。
当社グループは全社的なリスクとして、「外部環境リスク」、「経営プロセスリスク」、「支援プロセスリスク」、「基幹プロセスリスク」のカテゴリーに分けて管理しております。気候変動を含むサステナビリティに関するリスクにつきましては、後述するガバナンス委員会にて社内関係部署が行った評価結果を定期的に検討及び審議し、リスクの把握と適切な対応を決定のうえ取締役会へ報告することで管理する体制としております。具体的なリスク及び対応策につきましては、
(2)重要なサステナビリティ項目
ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
① 環境への取り組み
② 社会への取り組み
③ ガバナンスへの取り組み
それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
① 環境への取り組み ~NITTANカーボンニュートラルを通じ、CO₂削減を積極的に推進~
当社は、企業理念の冒頭に、「環境との共生のもと企業の発展を通じて社会に貢献する」を掲げており、持続的な事業活動を行うためには、環境保全への取り組みが重要課題であると捉えております。この社会的な課題を解決するため、これまでエネルギーや廃棄物の削減及び、省資源化に取り組んでまいりました。
また、地球温暖化対策への社会的要請の高まりを受け、自社の事業活動で発生する温室効果ガス排出量の削減を宣言し、下記に示す「環境方針」を策定・実行するだけでなく、2022年より「NITTANカーボンニュートラル(NCN)」を推進しております。NCNは、当社が新たな企業価値の創造を実現するためにも必要な取り組みであると考えております。
現在までの成果として、2025年5月には、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)に基づいた「事業者クラス分け評価制度」において、「優良事業者(Sクラス)」に認定いただきました。
<環境方針>
グローバルな事業活動を通じて地球環境保護及び地域社会との共生を果たしていきます。そして、自律した企業人として積極的に地域社会への貢献、環境保護への支援協力活動に取り組みます。更に、NITTANカーボンニュートラルの推進により、脱炭素社会を目指すことで、地球環境保護に貢献します。
1. 環境保護に関する活動は、技術的、経済的に広く、真摯に取り組み、健全な環境の維持、向上に努める。
2. CO₂を主とする温室効果ガス削減による気候変動への対応、および製品の長寿命化の為の技術開発や商
品化、生産活動を推進する。
3. ものづくり改善と改革を進め、CO₂削減、投入材料削減、廃棄物削減を加速する。
4. 環境関連法令や規制、国際社会における合意等を遵守し、環境保護の意義を浸透させる。
5. 気候変動や生物多様性への対応、水資源の保護を含む地球環境保護を考慮した環境汚染の防止に徹し企
業のESGを遂行する。
6. 地球環境保護を目的に、目標・施策を定め継続的改善を推進する。
7. 環境教育・広報活動を通じ、地球環境問題・地域社会との共存の意識向上を図る。
8. この「環境方針」を、一般に開示し、地域社会との共生を図る。
当社は、上記の環境方針に基づき、「環境保護」、「環境負荷低減」、「環境啓蒙」の3つを主軸に、以下の取り組みを実施しております。
「環境保護活動」
1. 環境保護活動及び法規制の遵守
生物多様性への対応、水資源の保護、地域環境汚染の予防
健全な環境維持活動の実践
2. 環境に配慮した製品づくり及び技術開発
環境負荷物質の低減
省資源型の製品開発
省エネ・省資源に寄与する製品開発を積極的に取り組み、環境保護につなげる。
3. 環境保護を意識した業務の遂行
気候変動や生物多様性への対応、水資源の保護を含む地球環境保護を考慮した環境汚染の防止
クリーン&グリーン活動を展開し、環境負荷物質の使用を制限する。
環境美化活動に積極的に参加し、地域環境保全に努める。
「環境負荷低減活動」
当社が掲げているネットシェイプ活動を積極的に展開し、材料・エネルギー使用量を削減する。
また、3R活動(リデュース、リユース、リサイクル)を徹底し、廃棄物の再資源化を図る。
「環境啓蒙活動」
環境保護意識の高揚を目的に、全従業員に対し環境保護に関する教育を実施し、業務に関連した環境活動を認識させ、環境マネジメントシステムの定着と運用を実施する。
<環境マネジメントシステム>
当社は、国際規格である「ISO14001」を認証取得し、国内製造拠点において、生産活動を進める上での「環境負荷」を製品開発から生産・出荷に至るまで徹底的に洗い出し、継続的改善を進め、環境負荷低減に取り組んでおります。
また、当社は、社長を最高責任者とする推進組織と環境委員会等により、環境マネジメントシステムに基づく環境改善活動を推進しております。
<NITTANカーボンニュートラル(NCN)>
2022年4月より全社をあげてNCN活動を推進しております。日本政府が掲げた「2030年でCO₂排出量を46%以上削減」の達成を指針とし、排出枠取引等を含め、CO₂排出量50%削減を目標としております。また、当該活動の進捗、具体的な施策内容は当社ホームぺージで公表している決算説明会資料にて適宜公開しております。なお、各スコープ、カテゴリーごとのCO₂削減のロードマップ策定及び推進をしており、活動の進捗に合わせホームページ等に適宜公表する予定であります。
② 社会への取り組み ~“NITTANグループ”らしい文化と社会の構築実現へ~
ものづくり企業である当社にとって、「品質」はサステナビリティを実践する上での「生命線」であると考え、品質保証の基本方針として、「品質優先」を掲げております。顧客の品質(製品、納期、コスト、サービス)への期待やニーズを理解し、法令・規制を遵守し顧客の満足度を満たし、社会的責任を果たすことを目指しております。この基本方針を実現させるため、品質方針を定め、当社グループ一丸となって取り組みを推進しております。また、会社に取って一番大切な資本は「人材」であり、その人材が安全・安心で快適な職場環境の下で活躍できるようにする事が企業としての使命とも言えるため、当社の経営理念として、「人間性を尊重し、夢と活力のある職場を創造する」を掲げております。当社の「健康経営」に向けた取り組みを通じて、従業員一人ひとりが心も体も健やかに働ける企業体質を目指しております。
その一方で、企業を永続的に発展させるためには、従業員、顧客のみならず地域社会との共生も必要不可欠であると考えております。そこで、環境にやさしい製品・技術の提供を実践するだけでなく、地域社会と連携し環境保護活動の一翼を担えるよう努め、地域環境との調和及び地域社会との共生を大切にしております。
<品質方針>
1. 全従業員は、一貫して品質優先に徹し、適用される要求事項及び法令・規制への適合を維持すると共に、
顧客の要望を満足させる。
2. 品質保証体制を整備し、維持するとともに、継続的改善により向上させる。
3. 挑戦と創造のできる人づくりに努める。
4. 安全で快適な職場づくりを目指す。
<品質マネジメントシステム>
当社は、上記記載の独自の品質方針に加え、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001」及び自動車産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格である「IATF16949」を認証取得し、当該規格に基づいた品質マネジメントシステムを構築、運用しております。
また、当社はグローバルに製造拠点を展開しておりますが、当社の手法に基づいて、各拠点に最適な作業内容・手順を十分に検証し、採用・運用しております。
<健康経営>
当社は、「お互い称え合いながら切磋琢磨し、健やかに人が育ち、活躍できる企業体質にする」を健康経
営の取り組み方針として掲げております。『ワークライフバランス』『メンタルヘルス』『食環境整備』
『運動支援』 の4つを重点項目として位置付け、健康啓蒙動画の製作・放映や社員食堂を活用した施策の企
画と取り組みを推進しております。
当期は2025年7月に外部主催による健康増進イベントへ多数の従業員が参加した他、2026年3月には経済産
業省が選定する「健康経営優良法人2026」(大規模法人部門)への認定、2026年4月には農林水産省が評価
・顕彰する「食育実践優良法人顕彰制度」における「食育実践優良法人2026」に認定されるといった成果を
あげております。
<地域環境・地域社会との共生>
近隣住民や従業員家族を招き、毎年夏に納涼祭を本社工場及び山陽工場でそれぞれ開催しております。また、その他にも文房具などの寄付、サッカー大会への協賛、競技活動へのスポンサーとしての支援などを通じた地域社会活動の支援等、地域に根差した取り組みを行っております。
特に、当社は、アジア・北米・欧州の海外9か国で、地域社会の人々に支えられ、長年事業活動を行ってまいりました。海外においても子会社を通じ、各地で社会貢献活動を推進しております。
③ ガバナンスへの取り組み ~経営の健全性、透明性、効率性の確保に向けて~
当社は、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスに関する基本的
な考え方とその枠組み、運営に係る方針を示すものとして、「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」
を制定しております。
また、当社は、企業理念の実践を通じ、社会の要請に応えられる企業を目指すには、各国・地域の法令遵守
に加え、従業員一人ひとりが、人間として求められる道徳心、倫理観を養うように努力し、常に良識と責任を
持った行動をすることが必要であると考えております。
この基本的な考え方とその枠組みを示す方針として、「NITTANグループ・グローバル行動規範」を制
定しております。
<コーポレート・ガバナンス体制の概要>
当社は、監査役会設置会社であり、会社の機関として株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しております。取締役会の経営監督機能の客観性及び中立性を一層高めるために、一般株主と利益相反のおそれのない独立社外取締役を3名選任しております。
また、独立社外取締役が半数を占める指名・報酬諮問委員会を設置し、役員指名や報酬決定等について取締役会へ助言及び提言を行っております。
取締役の監督機能と業務執行を分離し、迅速かつ的確な意思決定を行うために執行役員制度も導入しております。
監査役は、内部監査部門と随時、情報・意見交換を行うことにより相互連携を図っており、また会計監査人及び取締役と定期的な意見交換を実施し、適切、適正な監査を行うことでコーポレート・ガバナンスの充実を推進しております。
<コンプライアンス体制の概要>
当社はグローバル・コンプライアンス・プログラムを策定し、経営トップがコンプライアンスに関するコミットメントを行い、当社グループ全体にわたる管理体制を構築しております。コンプライアンス意識の向上と法令遵守を保証する仕組みとして、ガバナンス委員会を設置しております。関係会社及び各部門にコンプライアンス責任者を設置することで責任を明確化し、きめ細かな管理体制を構築しております。また、内部監査担当部門として監査室を社長直轄の独立した組織として設置し、定期的に関係会社及び各部門に対し監査を行うことで効率的な内部監査を実現しております。さらに、当社グループの全ての役員及び従業員が利用可能な内部通報制度を導入し、コンプライアンス違反等に迅速かつ適切な対応を図ることができる体制を構築し、推進しております。
<ガバナンス委員会>
当社は、当社の取締役(社内)、監査役(社内)及び執行役員で構成されるガバナンス委員会を設置すると共に、国内外の関係会社及び各部門にコンプライアンスの責任者及び担当者を設け、コンプライアンスを推進する体制を構築しております。関係会社及び各部門のコンプライアンス責任者には、当該委員会に対して自ら定めた推進計画につき定期的に進捗報告を行わせており、当該報告に加えて、当社の内部監査担当部門が行った監査結果について当該委員会で審議を行った上で、取締役会及び監査役会へ報告を行っております。また、当該委員会のグローバル事務局が、円滑な運営を図るとともに啓蒙活動にも注力しております。
<グループ内部通報制度>
法令違反・不正行為・ハラスメント行為に対して、当社グループに従事する全ての役員及び従業員が通報できるグループ内部通報制度を設け、総務部法務室を社内窓口、外部の法律事務所の弁護士を社外窓口としております。通報は、「電話」「電子メール」「郵便」「FAX」のいずれによっても受け付けることで利便性を確保し、また通報者保護も周知しております。国外からの通報手段は電子メールに限るものとしておりますが、使用言語は、日本語、英語、中国語とすることで、グローバルでの運用を可能としております。なお、内部通報については、定期的に取締役会に報告し、取り組みのモニタリングを行っております。
(3)人的資本
① 人材育成方針
当社は「基盤強化」「永続的発展」そして「企業風土改革」を方針の三本柱と定め、企業及びグループ統治に努めてきました。その核にあるのは、“ひと”であり、“ひと=従業員”の成長が企業の発展と成長に繋がるという考えに基づき、コーポレートスローガンである「CHALLENGE・CREATION・SPEED(挑戦・創造・スピード)」を体現し、“常に努力をし続け、感謝の気持ち・謙虚な姿勢・情熱”をあわせ持つ「誠実」な「NITTAN人材」の育成を進めております。
<戦略>
1. 多様な人材の活躍推進
当社では、多様な人材の活躍が中長期的な企業価値向上に繋がるものと捉えております。女性や外国籍社員の管理職登用に向けた育成や、女性の製造現場への積極的な配属の展開、正社員登用制度の拡充、高年齢者の活躍推進、キャリア人材やハンディキャップ人材の積極的な採用等、多様性を視野に入れた人材の確保と育成を推進していきます。
2. マルチスキル人材・専門人材の育成
職場異動を通じた育成やリスキリングによる新たなスキルの獲得を支援し、マルチスキルを備えた人材を育成していきます。また、従業員の適性を見極めながら、特定の専門領域に特化した経験を積んだ専門人材の育成も進めていきます。
3. 中核人材・後継者の育成
持続的な成長を実現するために、抜擢制度による若手人材へのチャレンジングな機会の提供やリーダーシップ研修等の選抜型教育による育成を強化し、計画的に中核人材や次世代を担う後継者の育成を進めていきます。
4. 従業員の自律的なキャリア形成の支援
従業員の自律的な意識を醸成するために、従業員が自律的に自身のキャリアを考え、自らの意思で希望する仕事や職場や伸ばしていきたい能力等について申請できる制度や、社内における人材の募集に対し自ら手を挙げて希望する職場や業務へ挑戦できる制度を整備していきます。
② 社内環境整備に関する方針
当社は経営理念で「人間性を尊重し、夢と活力ある職場を創造する」としており、人権を尊重し、差別のない多様な人材が活躍できる職場環境の確保に取り組んでおります。また、「安全」「安心」「安定」が実現できる企業づくりを進めており、職場の安全と従業員の心身の健康を守ることで、組織活力と創造力を最大化し、企業価値向上に繋げていきます。
<戦略>
1. 健康経営の推進
社外専門家による健康づくりセミナーの開催、産官学連携に基づく健康志向の高い社食提供・健康意識向上施策を実施していきます。また、産業医面談による健康管理や社外の臨床心理士・外部カウンセラーによるメンタルヘルスケアも推進しております。
2. 安全な職場環境の整備
社外の専門家を交えた定期的な安全教育や安全パトロールを実施し、職場における危険箇所の見える化、労働災害や火災の未然防止活動、作業者の身体的負荷軽減活動等、安全で働きやすい職場環境作りに努めております。
3. 過重労働の防止
毎月、労働組合との時間外労働に関する協議の実施や、会社による定期的な労働時間のモニタリングにより、時間外労働の抑制を進めております。また、労使で一体となった有給休暇取得の推進等を通じて、ワークライフバランスの確保に努めております。
4. ハラスメント防止
ハラスメント防止に向けて継続的に従業員への教育を実施しております。また、管理職への多面評価による意識の醸成により、上司から部下へのハラスメントの未然防止に努めています。社内相談窓口の他、社内外の内部通報窓口の設置により、ハラスメント防止に向けた体制を整えております。
③ 指標及び目標
当社グループは、国内外に複数の生産・販売拠点を展開する企業として、グローバル競争下で持続的に成長するための人的基盤の強化を人材戦略の中心に据えています。この戦略のもと、従業員一人ひとりが自身の意思・成長・変化に応じて柔軟に活躍できる組織づくりを進めており、制度や教育環境の整備にも継続的に取り組んでいます。こうした取り組みを支える仕組みとして、当社は目標管理とコンピテンシー評価を組み合わせた成果型職能資格制度を採用し、半期ごとに業務成果と行動特性を総合的に評価しています。適正な評価に基づき昇給・昇格を行っており、処遇の公平性や役割・期待との整合性を保つ観点から、今後は必要に応じて降格を含む処遇の見直しも実施する予定です。これらの評価結果は昇給・昇格・賞与などの処遇に反映され、個人の成果・行動と組織の価値創出が結びつく給与決定体系として機能しています。また、評価結果は配置や育成施策とも連動し、グループ全体の人材ポートフォリオ最適化と競争力向上につながるよう運用しています。
当社では、上記の「人材育成方針」及び「社内環境整備に関する方針、戦略」において次の指標を用いております。なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
(注)
1.女性管理職の人数について、当社は技術・技能を中心とするものづくりの会社であり、理系・工業系の女性
の採用も少なかったことが起因しており、2020年以降、新卒・キャリア採用における女性採用を積極的に推
進しています。女性リーダークラスは昨年の2名から4名と増加しており、継続して女性活躍を推進してい
きます。
2.男性の育児休業取得率について、育児休業制度の社内周知・啓蒙活動の継続により上昇しています。
3.男女の賃金の差異について、賃金制度上性別による差異はなく、階層・職位等が同等であれば男女間で賃金
差異は生じることはありません。
4.有給休暇平均取得率について、会社と労働組合とが一体となった有給取得推進により上昇しています。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるリスク及びそれに対する主な対応策は本項に記載のとおりです。ただし、これらのリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない、又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループではこのような経営ないし事業リスクを最小化するために様々な対応を行ってまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)外部環境リスク
世界経済の緩やかな持ち直しの動きが続く一方で、中東情勢の長期化をはじめとする地政学的リスクの高まりや、金融資本市場の変動、米国の通商政策をめぐる動向など先行きの不透明感が残っており、それぞれの影響への留意が必要と考えられます。
また、自動車用等の内燃機関の電動化は、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を含む内燃機関を使用する、パワートレインの多様性を前提とした自動車メーカーの事業戦略が再評価されています。しかし、世界的な環境規制の強化等の動きは続くとみられ、その進展に伴う内燃機関の生産減少は当社の既存事業領域の市場規模縮小につながり、当社グループの経営を圧迫するおそれがあります。
当社グループは大株主などと合弁事業を行っておりますが、大株主や合弁パートナーの経営方針の変化などが合弁事業の運営に影響を与えるおそれがあります。
(2)経営プロセスリスク
当社グループは海外関係会社を有し、様々な法規制の下で企業運営を行っておりますが、言語の問題や十分な人員配置が困難なことも要因となり、グループ全体に対するガバナンスが不十分となるリスクを有しております。
また、前述の外部環境の変化などにより、関係会社の業績が悪化する可能性があります。
「NITTAN Challenge 10」による新規商品の開発、生産のために新たに設備投資を行うことがありますが、投資した設備が想定していた機能を発揮できないなどの様々な要因によって、投資を回収できないリスクが考えられます。
当社では2024年10月の株式会社恵那金属製作所(現 株式会社NITTAN恵那金属)子会社化以降も、引き続きM&Aによる事業拡大を検討しております。M&A後に買収先の不正が発覚することや、M&A後の統合プロセスがうまく進まないことにより、期待通りの効果を得られないリスクが考えられます。また、昨今では、同意なき買収(敵対的買収)も目立ってきており、当社がその対象になる可能性も考えられます。
(3) 支援プロセスリスク
当社グループが必要とする、各種の優秀な人材の採用が容易ではない状況は継続しております。
また、当社グループは事業活動における法令遵守に努めており、「NITTANグループ・グローバル行動規範」の当社グループ内への浸透、ガバナンス委員会を中心とする当社グループ内のコンプライアンス強化活動の推進をしております。しかしながら、「NITTAN Challenge 10」による新規商品の開発においては知的財産権に関するリスクを十分に考慮して進める必要がある他、製造物責任、独占禁止法等の法的手続に関する当事者になり、業績に影響を及ぼすリスクがあります。各種のハラスメントが発生した場合には、被害者の労働意欲の低下、休職及び離職、職場環境の悪化による生産性の低下、ひいては当社への信用、信頼、イメージの低下を招くリスクがあります。
その他、当社グループでは情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規程等に基づくITセキュリティ対策の推進に努めておりますが、サイバー攻撃を受けた場合やシステムに予想し得ないトラブルが起きた場合、業務への支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を与えるおそれがあります。また、情報へのアクセス制御、パスワード管理の徹底等を図り不正アクセスなどによる情報漏洩対策をしておりますが、予期し得ない事象により個人情報や秘密情報の漏洩が起こるおそれがあります。
そして、当社グループでは環境汚染の防止に努める他、カーボンニュートラルに向けたCO₂削減のため、電力使用量の削減、グリーンエネルギーの活用を主とする「NITTANカーボンニュートラル」活動を実施しておりますが、環境汚染、CO₂削減等の目標の未達成により、環境の悪影響により当社グループへの信用を損なうリスクがあります。
(4) 基幹プロセスリスク
革新技術の出現による既存製品の競合先に対する製品競争力の低下、リコール・品質不良による顧客への損害の発生及び費用求償、工場火災、機械設備の故障等による生産停止、納入遅延・不能による顧客への損害の発生及び費用求償、これらによる社会的評価の低下等を通じて、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がございます。当社グループでは、継続的なコスト削減活動や顧客ニーズに沿った製品開発を進めることに加え、「品質優先に徹し、顧客の信頼に応える」という品質に関する基本方針の実現のため、ISO9001及びIATF16949規格に基づく品質マネジメントシステムの徹底による取り組みを推進しております。
また、特定の取引先への依存度が高い材料・部品の調達等が困難になり、生産及び業績が悪影響を受けるリスクが考えられます。
なお、当社は基幹システムの刷新を予定しておりますが、システム移行時に不備が発生するなどにより、企業活動の停止や財務報告の誤りを引き起こすリスクがあります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、総じて緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方で、中東情勢の長期化をはじめとする地政学的リスクの高まりや、金融資本市場の変動、米国の通商政策をめぐる動向などにより、先行き不透明な状況で推移しました。日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果などを背景に、緩やかな回復基調で推移しましたが、先行きについては、海外景気の動向に加え、物価上昇の継続や金融資本市場の変動等が景気を下押しするリスクとして懸念される状況となっています。
また、当社グループが最も影響を受ける自動車業界におきましては、日本市場では、一連の車両認証問題への対応や半導体供給制約の影響が重なり、回復のテンポは緩やかなものとなりました。グローバル市場においては、生産活動の正常化が進んだものの、地域や用途によって需要動向にばらつきがみられるほか、米国の通商政策の影響等により、先行きの不透明感が依然として残る状況となっています。
このような状況下、当社グループは、「基盤強化」、「永続的発展」、「企業風土改革」を柱とするグローバル経営方針を掲げ、当社グループのパーパスである「多様な技術を駆使し、脱炭素化社会の実現に貢献する」ことを目指し、国内外で競争力を高める施策や取り組みを積極的に展開してまいりました。その実現に向けた当社グループの中長期経営ビジョンである「NITTAN Challenge 10」につきましても、VISIONⅠ(ICE領域)及びVISIONⅡ(xEV・異業種領域)における各アイテムの拡大と事業化に向けた開発を着実に進めております。
このような経営環境のもと、当社グループは北米拠点及び舶用部品事業での収益改善を進める一方、中国市場の冷え込みや歯車事業の減速という課題に直面する一年となりました。当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は歯車の販売不振や四輪車用エンジンバルブ事業の北米拠点の転注影響や中国販売不振等の減収要因はあったものの、舶用向けエンジンバルブにおける収益改善や為替換算の円安効果、コスト上昇分の販売価格反映等により、前期に比べ横ばいとなりました。この結果、売上高516億76百万円(前期比0.4%増)となりました。
損益面につきましては、舶用部品事業における火災影響からの回復に伴う収益性の改善や、北米拠点における収益の正常化、為替換算の円安効果に加え、コスト上昇分の価格適正化等により、期初計画を上回る結果となる、営業利益39億98百万円(前期比165.2%増)、経常利益44億23百万円(前期比133.3%増)となりました。最終損益につきましては、保有株式及び土地建物の売却益を特別利益に計上する一方で、歯車事業に係る固定資産の将来の回収不能見込額を減損損失として特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益22億27百万円(前期比253.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(小型エンジンバルブ)
当セグメントの売上高につきましては、国内事業においては中空エンジンバルブの受注増加、販売価格の改定等の増収要因はあったものの、北米拠点の通商政策による受注減少や転注により、四輪車用エンジンバルブは前期に比べ減収となりました。二輪車用エンジンバルブは主力の南米・欧州向け製品の販売不振等の影響により、前期に比べ減収となりました。
海外事業においては、欧州拠点における中空エンジンバルブやASEAN諸国拠点の一部におけるエンジンバルブの受注増加、為替換算の円安効果等による増収要因はあったものの、ASEAN諸国・中国の一部拠点における自動車販売不振に伴う受注減少や北米拠点の転注等により、前期に比べ減収となりました。
汎用エンジンバルブは、海外向け製品の生産調整終了により受注回復し、前期に比べ増収となりました。
損益面につきましては、ASEAN諸国・中国の一部拠点における減収影響等による減益要因はあったものの、為替換算の円安効果に加え、北米拠点の収益性向上や中空エンジンバルブの増収効果、国内事業における販売価格の改定等により増益となりました。
この結果、売上高414億76百万円(前期比7.1%減)、セグメント利益(営業利益)38億40百万円(前期比63.2%増)となりました。
(舶用部品)
当セグメントの売上高につきましては、舶用部品の国内生産拠点である堀山下工場(舶用部品工場)における火災からの復旧後、操業の正常化が進んだことに加え、造船業の堅調な需要環境を背景に、前期に比べ増収となりました。また、火災の影響により発生していた受注残の解消及び各種価格転嫁の実施も、売上高の増加に寄与しました。
損益面につきましては、火災影響からの復旧に伴う生産効率の改善により収益性が回復したことから、前期に比べ大幅な増益となりました。
この結果、売上高51億24百万円(前期比34.5%増)、セグメント利益(営業利益)3億52百万円(前期はセグメント損失(営業損失)4億53百万円)となりました。
なお、当セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高79百万円を含んでおります。
(歯車)
当セグメントの売上高につきましては、自動車用製品及び産業機械用製品のいずれにおいても、販売価格の改定等による増収要因はあったものの、海外向け製品を中心とした販売不振や機種変更の影響等による受注減少により、前期に比べ減収となりました。
損益面につきましては、自動車用製品を中心とした販売数量減少等による減益要因はあったものの、販売価格の改定等により損失幅縮小となりました。
この結果、売上高18億30百万円(前期比20.3%減)、セグメント損失(営業損失)1億62百万円(前期はセグメント損失(営業損失)2億19百万円)となりました。
(その他)
当セグメントの売上高につきましては、バルブリフターは海外向け製品の生産調整終了に伴い、受注回復により増収となりました。可変動弁は補用品の販売減少により減収となりました。工作機械はグループ内部での取引減少により減収となりました。ロイヤルティーはグループ内部での取引減少により減収となりました。また、第1四半期連結会計期間より当セグメントに株式会社NITTAN恵那金属及び恵那金属(昆山)有限公司の損益計算書を含めております。当該連結化の効果もあり、当セグメント全体では前年同期比で増収となりました。
損益面につきましては、株式会社NITTAN恵那金属の連結子会社化による増益要因はあったものの、中国市場の環境変化に伴う受注環境の厳しさによる減益影響が大きく、損失計上となりました。
この結果、売上高47億5百万円(前期比62.8%増)、セグメント損失(営業損失)2億4百万円(前期はセグメント損失(営業損失)2億39百万円)となりました。
なお、当セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高13億80百万円を含んでおります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
当社グループは、各納入先より提示された生産計画をもとに、当社グループの生産能力を勘案して生産計画を立てる方法が主体となっている事から、受注実績は生産実績に近似するため、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 セグメント間の取引については相殺消去前の数値によっております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、669億18百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億5百万円の増加となりました。
資産の部の流動資産は、325億26百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億93百万円の増加となりました。この主な要因は、その他に含まれるもののうち未収入金が7億79百万円、受取手形及び売掛金が2億30百万円減少した一方で、現金及び預金が22億92百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は、343億92百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億88百万円の減少となりました。この主な要因は、建設仮勘定が7億91百万円、無形固定資産が3億32百万円増加した一方で、投資有価証券が8億31百万円、機械装置及び運搬具(純額)が8億42百万円減少したことなどによるものであります。
負債の部の流動負債は、145億2百万円となり、前連結会計年度末と比較して17億28百万円の減少となりました。この主な要因は、短期借入金が8億92百万円、その他に含まれるもののうち未払金が4億37百万円、支払手形及び買掛金が3億32百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、120億71百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億65百万円の減少となりました。この主な要因は、転換社債型新株予約権付社債が14億94百万円増加した一方で、長期借入金が16億69百万円減少したことなどによるものであります。
純資産の部は、403億44百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億99百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が18億53百万円、非支配株主持分が3億46百万円増加したことなどによるものであります。
なお、通貨別の為替の変動につきましては、当社の連結子会社のある国では、前連結会計年度末と比べ、米ドル・インドネシアルピア・ベトナムドン・インドルピーが円高に、人民元・台湾ドル・タイバーツ・ポーランドズロチが円安に進みました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)の残高は115億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ、22億92百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により、77億84百万円の資金増加(前連結会計年度は、43億4百万円の資金増加)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益46億30百万円や非資金取引である減価償却費39億48百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により、29億32百万円の資金減少(前連結会計年度は、37億71百万円の資金減少)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入11億10百万円を計上した一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出42億35百万円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により、25億67百万円の資金減少(前連結会計年度は、8億64百万円の資金減少)となりました。これは主として、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入14億89百万円を計上した一方で、長期借入金の返済による支出24億94百万円、非支配株主への配当金の支払額9億14百万円が発生したことによるものであります。
資金調達の基本方針、及び資金調達手段に関して、当社は円滑な事業活動に必要な流動性及び財務健全性の確保を、資金調達の基本方針としております。これに則し、金融機関との間で長期にわたり培った良好な関係に基づき、主として本邦銀行、生保等からの7年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っております。同時に長期資金の年度別償還額の集中等を避けることで借り換えリスクの低減を図っております。今期末において予定している次期の設備投資に関しては、自己資金、及び長期借入金による資金調達を行う予定です。
流動性の確保に関しましては、当連結会計年度における流動比率は224.3%、当座比率は141.6%となっており、十分な流動性を確保していると認識しております。
財務健全性に関しましては、当連結会計年度における自己資本比率は46.3%となり、円滑な業務遂行を維持するという点に関して、健全な範囲にあると認識しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要と考えている主なものは以下のとおりです。
(a) 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来減算一時差異等の解消見込額について、収益力やタックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得が十分に確保できることを前提に、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに左右されるため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の金額に影響を及ぼし、将来の税金費用に影響を与える可能性があります。
(b) 退職給付債務及び退職給付費用の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(c) 減損会計における将来キャッシュ・フロー等の見積り
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、管理会計上の区分を基準として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損損失を計上し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
(提出会社)
(1)外国との技術ライセンス契約
(2)事業提携契約
(注1)同日の当社取締役会において、第1回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集について決議いたしました。詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
(注2)「資本提携終了日」とは、第1回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債又はこれを転換又は行使して取得する当社株式のいずれも保有しないこととなる日をいいます。
1.本事業提携の目的及び意思決定に至る過程
当社グループは、「環境との共生のもと企業の発展を通じて社会に貢献する」「品質優先に徹し、顧客の信頼に応える」「人間性を尊重し、夢と活力のある職場を創造する」という経営理念を掲げ、創業以来、モビリティ社会の発展に貢献してまいりました。エンジンバルブやバルブリフター、精密鍛造歯車など、モビリティの心臓部を支える重要部品の製造・販売を通じて、人々の安心・安全な移動を陰で支えてきたことは、当社の理念の具体的な実践です。現在では、日本国内に3拠点、海外にアジア・北米・欧州を含め 15 拠点の計 18 拠点を構え、グローバルに事業を展開する企業へと成長しております。連結売上高に占める海外売上比率は約64%に達しており、日本国内売上の約 1.8 倍を海外で計上するなど、地産地消型の供給体制によって真のグローバル企業体質を実現しております。
一方、当社を取り巻く事業環境に目を向けますと、自動車業界では電動化(EV化)や自動運転、ソフトウェア定義型車両(SDV)への大きな潮流が進み、カーボンニュートラルなど企業のサステナビリティへの取り組みがこれまで以上に重要となっております。加えて、昨今の急激な為替変動や資源・原材料価格の高騰、地政学的リスクによる供給網の不安定化、中国経済の停滞などにより、当社を含む自動車部品メーカーの事業コストや受注環境には不確実性が高まっております。こうした環境の中で当社グループは、企業の存在価値と事業の成長を将来にわたり確保すべく、2019 年から 2030 年までの 10 年間を視野に入れた中長期経営ビジョン「NITTAN Challenge 10」(以下「NC10」)を策定いたしました。
当社は現在、中長期経営ビジョン「NC10」の折り返し地点を迎えております。これまでの期間においては、2020 年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大や、自動車業界における半導体不足など、想定を超える外部環境の変化が重なり、当初掲げた目標には現時点で十分に到達していない状況です。また、電動化の急速な進展を前提に策定した戦略についても、内燃機関に対する継続的な需要という新たな市場予測を受け、見直しを迫られるなど、事業環境は大きく変化しております。こうした状況を踏まえ、当社は従来のオーガニックな成長のみでは目標達成が困難であると認識し、外部リソースの積極的な活用による柔軟かつ多角的な経営戦略の再構築を進めております。さらに、外部経営支援の導入により、客観的な視点から現状を分析し、変化する市場環境に即した新たな成長戦略の策定を図っております。これらの施策を通じて、当社は組織力の抜本的な強化、体制の最適化、そして環境変化に対応できる柔軟性の獲得を目指します。残り5年間においては、実効性の高い計画を構築し、持続的な企業価値の向上を実現してまいります。
中長期経営ビジョン「NC10」において当社は、次の3つの目指す姿を掲げております。
・多様な技術で脱炭素社会に大きく貢献できる企業 – 内燃機関部品メーカーであっても持ち前の技術力を駆使し、モビリティ業界のカーボンニュートラル実現に貢献するという企業理念を掲げております。高度な環境対応技術や製品開発を通じて社会課題の解決に寄与することを目指します。
・グローバル展開し、地産地消を実現している企業 – 当社は世界 10 か国・18 拠点でグローバルに事業展開し、各地域に根ざした地産地消型の供給体制を確立しております。これにより国際的な貿易障壁の影響を受けにくい強靭な企業体質を実現しております。今後も、成長著しいインド市場への積極的な投資を通じて、グローバル事業の基盤をさらに強化してまいります。
・独自の技術で、他にはない製品を生み出す企業 – 当社グループは「挑戦・創造・スピード」をコーポレートスローガンに掲げ、革新的でスピード感のある開発風土の醸成に努めております。長年培ってきた鍛造・盛金・接合・加工の4つのコア技術を駆使してNITTAN特有の製品を世に送り出し、2024 年にM&Aでグループ化した株式会社NITTAN恵那金属の切削加工技術や表面処理技術を加えることで、さらなる独自技術の開発と他社にはない新製品の創出に取り組んでおります。当社の傘中空エンジンバルブは他社では真似できない固有技術を用いており、次世代エンジンに不可欠な唯一無二の製品として高い評価をいただいております。これら技術や知的財産への投資と活用は中長期的な企業価値向上に直結するものと捉えており、今後もビジネス拡大に必要な新たな知的財産や人材の発掘・獲得に積極的に取り組んでまいります。
当社は、2025年11月28日付で公表した「第三者割当により発行される第1回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集に関するお知らせ」のとおり、上記の目指す姿を確実に遂行していくにあたり、必要な資金調達及び各種施策に関して、自社のリソースを活用するだけでなく外部との提携等が有効であると考えていたところ、当社の取引金融機関である株式会社横浜銀行から、横浜銀行グループの中で投資コンサルティング業務を手掛ける横浜キャピタル株式会社(以下「横浜キャピタル」といいます。)にて新設した、当社のような上場企業に対して成長資金の提供及び企業価値向上にコミットした経営支援を同時に提供するYokohama Bridge投資事業有限責任組合(以下「Yokohama Bridgeファンド」といいます。)の紹介を受け、同社から当社グループへの事業上の支援や、横浜キャピタルのグループネットワークを通じた情報提供、顧客紹介、及び資金調達に関する提案がありました。当社は、2025年4月頃から横浜キャピタルと情報交換やヒアリング等をするとともに、同社と協議を続け、同社からの具体的な提案に加え、同社が企業価値向上に関して複数の支援実績があることも踏まえ慎重に検討を重ねた結果、当社が認識している経営課題に取り組むにあたり高度な経営支援を受けられること、Yokohama Bridgeファンドから提案を受けた第三者割当の方法による第1回新株予約権及び第1回新株予約権付社債の発行が当社に最も適した資金調達方法であると考えたことから、横浜キャピタルとの間で事業提携を行うとともに、同社が運用を行うファンドに対する第三者割当の方法による新株予約権及び新株予約権付社債の発行を行うことが当社グループの企業価値の向上に最も適した提案であると判断し、横浜キャピタルとの間で、2025年11月28日付で事業提携契約を締結することといたしました。
2.事業提携の内容
横浜キャピタルからは、以下の各事項を含む支援を受けております。なお、2025年11月28日付で公表した「第三者割当により発行される第1回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集に関するお知らせ」のとおり、当社は、横浜キャピタルが運用を行うファンドであるYB-3 投資事業組合に対して、第1回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を割り当てております。
(1) 事業ポートフォリオ経営体制の構築および実行支援
(2) M&A候補の探索及び実行支援
(3) 売上拡大施策及び収益性改善施策の実行支援
(4) その他当社と横浜キャピタルが別途合意する業務
3.事業提携先及び割当の概要
・事業提携先の概要
・割当先の概要
当社中長期ビジョンとして掲げた「NITTAN Challenge 10」により、「VISIONⅠ:既存事業の飽くなき進化と競争力の強化」及び「VISIONⅡ:脱炭素化社会に向けた新規事業化」の二つの柱を、市場ニーズ及び顧客戦略に合わせて展開する研究開発活動を推進しています。
当連結会計年度の研究開発活動は、既存事業として、二輪・四輪車をはじめ、船舶用等の内燃機関の性能向上に寄与する動弁系部品を主要製品と位置づけ、地球環境保護に対するエンジンの低燃費化、排気ガス規制、及び燃料多様化に対応した製品や、グローバル展開に繋がるコスト低減のための開発を継続しています。
新規事業としては、当社のコア技術を活かしたものづくり開発を推進する中で、様々な製品の鍛造化によるメリット創出や、機械加工の更なる高精度化及びその量産化技術の確立に加え、電動アシスト自転車やAGV(無人搬送車)等に利用できる減速ユニットの開発も継続しています。当連結会計年度における、既存のセグメントに直接関連しないこれらの新規事業等のための研究開発費の金額は3百万円であります。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 小型エンジンバルブ
高効率エンジン用バルブとして次世代型冷媒封入中空バルブの開発、カーボンニュートラルに対応した水素燃料、代替燃料エンジン用バルブの顧客への提案・評価に取り組んでいます。
また、市場のEV化ニーズが高まる一方で、冷静かつ総合的に環境負荷を再度考慮した結果から、各顧客においてはEV化一辺倒という流れではなく、改めて内燃機関の活用も見直されています。その様な状況から顧客の開発期間短縮化ニーズに応えるべく、DXを意識した開発効率の改善活動を進めております。
さらに、顧客エンジン生産拠点の合理化対応に合わせ、複数のグローバル拠点による供給の最適化に取り組んでいます。
四輪向け・二輪向け・汎用エンジン向け問わず、多種多様な顧客ニーズに応える体制を構築し、顧客開発期間の合理化に対応した製品開発、試作・評価への取組みを継続し、拡販活動を強化していきます。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2) 舶用部品
舶用業界各社は、電動化ではなく、GHG(温室効果ガス)フリー燃料を利用した内燃機関の開発を推進しています。そのニーズに応えるべく、長寿命化技術として耐摩耗盛金材などの高付加価値製品を開発しています。また顧客の次世代エンジン開発に向けた舶用中空バルブ及び舶用中型HLA(油圧ラッシュアジャスター)の開発を推進しており、顧客との評価試験を推進中です。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(3) 歯車
歯車は、素材投入量の削減、使用電力削減やスクラップ削減等の観点から、更なるニアネット鍛造や金型長寿命化を見据えたものづくり開発と量産適用を継続しています。また、更なる拡販や新規市場への参入を見据え、熱間鍛造技術を活かした高強度歯車の開発や高付加価値製品の開発と顧客提案を推進しています。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(4) その他
リフター事業では、国内外顧客向けHLA(油圧ラッシュアジャスター)及びRRA(ローラーロッカーアーム)拡販の取り組みを継続しています。また、弊社の既存技術と生産設備を活用し、産機・農機等の市場に向けて、性能向上やメンテナンスサイクル延長を狙ったHLAの開発を進めています。
工作機械関連では、既存事業のエンジンバルブ外観検査機の量産化を実行しました。本技術を最適かつ安価に展開できるよう小型ユニット化を推進しております、また、AI技術を活用した流出防止や完成検査の製品番号確認装置開発への展開をおこなってます。
一方で、「NITTAN Challenge 10」の事業拡販に向けて必要な製造技術/製造設備の開発に着手し、来年度を目途に量産検証ができるよう推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は