第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是である「よい品、より安く」の精神に徹し、成形技術と接合技術によるものづくりを通じて安心、安全で環境に優しい商品をお客様に提供し、株主の皆様をはじめ得意先、社員、取引先などすべてのステークホルダーの期待と信頼にこたえるべく、長期安定的な成長を続けることのできる経営基盤を確立し、社会情勢や経営環境をふまえ、新たなビジネスの開拓、経営資源の最適な配置と効率的な投入により、企業価値の増大に努めてまいります。

また、当社の経営理念は以下のとおりであります。

私達は

1.お客様に信頼され、なくてはならない会社

2.共に働く仲間が、生きがいと誇りを持てる会社

3.地域社会から広く支持され、愛される会社

であるよう、たゆまぬ努力を続けます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社では、企業価値の向上を目指すにあたり、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組むとともに、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上にも取り組んでおります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

自動車業界におきましては、今後もグローバル競争は激しくなるものの、更なる成長が期待されます。当社グループはものづくりの基本を徹底し、品質の確保に努めるとともに、更なる構造改革、ものづくり改革を進め、近年の大きな環境変化に対応していきます。さらに、コア技術の新規分野への活用とオンリーワン技術の強化にも取り組んでまいります。

① 「安全、品質、ものづくり」の基本の徹底

② 安定した収益確保のための構造改革と原価マネジメントの強化

③ 拠点最適化と経営資源の効率的な配分

④ コア技術の更なる進化と新規分野への活用

⑤ 人材育成と組織力の強化

これらの基本方針をもとに、コンプライアンス、環境経営、企業としての社会的責任を果たし、全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業を目指し、努力してまいります。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題と取組み

近年の自動車産業を取り巻く環境変化としまして、以下の項目が挙げられます。

・海外市場での自動車販売数の増加

・電動車の普及加速

・CASE対応によるバリューチェーンの上流へのシフト

 

それらを鑑みまして、当社グループでは、以下の項目を今後の課題と捉えております。

・グローバル経営体制の構築強化

・電動化に対応した商品開発強化

・高付加価値領域のビジネスモデルへのシフト

 

そのため、マネジメント・ガバナンス強化、管理体制の効率化といった取り組みをグローバルで行い、経営・収益基盤を確固たるものとした上で、「グローバルにおける部品事業の利益最大化」「電動化に対応した開発強化」「ボデー部品の新たなビジネスモデルに向けた開発・生産体制構築」などを推進してまいります。

 また、SDGsに対しても、全社を挙げて推進してまいります。

しかしながら、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、全世界にて経済活動が抑制され、足下で景気は非常に強く下押しされております。当社グループの主要取引先であります自動車業界においても新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響が長引く様相となっております。当社グループもその影響を受け、先行きの見通しが立たない状況ではありますが、先に記載した中長期経営戦略やその目標達成に向けて努力してまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社では、組織目標の達成を阻害する要因、あるいは事業の継続に影響を与えうる要因をリスクとして識別し、分析、評価、対応を行うPDCAサイクルを回すため、各種委員会を立上げております。例えば、情報漏えいリスクには機密管理委員会、品質問題には重要品質問題再発防止委員会、不正リスクには企業倫理委員会、内部統制やガバナンスには内部統制委員会などによりリスクアセスメントを行い、リスクの低減や回避などの適切な措置を図っております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要な得意先に関するリスク

当社グループにおきましては、自動車等車両部品が連結売上高の大半を占め、なかでもトヨタ自動車株式会社向けの依存度が高く、同社の生産動向・購買政策などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 資材調達に関するリスク

 生産に必要な資材の調達につきましては、品質・コストの維持・改善を図りつつ安定調達の確保に努めておりますが、需給の状況などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 海外事業展開に関するリスク

 海外生産拠点の拡充に伴って、法律・規制・租税制度の予期しない変更や社会的混乱など、各国における諸事情の変化や為替・金利などの市場動向により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 製品の欠陥に関するリスク

 当社グループは製品の品質の確保・向上に努めておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、品質の確保・向上に努めております。

(5) コンプライアンスに関するリスク

 当社におけるコンプライアンスとは、「法令遵守はもとより、社会の構成員たる企業人として求められる価値観・倫理観をもって誠実に行動すること。それを通じて公正かつ適切な経営を実現し、市民社会との調和を図り、企業を創造的に発展させていくこと。環境問題を重視し、自らが行動を起こし、環境の保全に努めること。」を定めております。当社は、企業の社会的責任と公共的使命を自覚し、高い倫理観を持って企業活動を行い、社会的責任を果たし、また、国内外の文化・習慣を尊重し、環境保全に努め、地域とともに成長し、地域に喜ばれる企業であるよう様々な活動を展開しております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 情報セキュリティに関するリスク

 当社では、機密情報の保護・管理のため、フタバセキュリティガイドラインを策定し、従業員への機密管理意識の徹底を図っています。しかしながら、情報セキュリティ上のリスクを完全には回避できない可能性があり、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 (7) 為替・金利変動に関するリスク

 当社グループの海外売上高は全体の売上高の約半分を占めており、円換算後の価値が変動するなど為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、業容の拡大に伴い借入調達を行っておりますが、金利変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、為替予約の締結や変動金利から固定金利へのスワップ等を通じて、為替・金利変動リスクを低減しております。

(8) 固定資産の減損に関するリスク

当社グループは生産活動に使用する固定資産を多額に保有しておりますが、これら固定資産は事業採算の悪化などにより、投下資本の回収リスクを負っており、合理的な基準に基づく固定資産の減損処理を行っております。将来、事業採算悪化により更なる減損処理を行うことがあり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 税効果の変動に関するリスク

 当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積りに変動があることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 退職給付債務に関するリスク

 当社では、退職給付制度を採用しておりますが、退職給付費用及び債務は数理計算上の前提条件、期待収益率により算出されており、実際の結果との相違、前提条件の変更により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 自然災害等に関するリスク

 発生が予想されている東海地震などの天災の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では、震災リスクに注目し、人命第一をベースとした一刻も早い復旧に向けた事業継続計画(BCP)活動に取り組んでおります。緊急地震速報や安否確認システムの導入、避難経路の安全確保や設備の転倒・落下防止対策など、防災・減災の取り組みとともに、有事に力を発揮できる要員確保に向けた人材教育や、想定被害からの早期復旧に向けた事業継続計画(BCP)を策定しております。また、岡崎市との間で災害時の施設協力の協定を締結しております。

(12) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関するリスク

 当社におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による政府等からの要請や、主な得意先である自動車メーカー各社の新車需要の低迷に伴い、4月以降に稼働調整を行っており、製品の売上高の減少の影響が生じております。また、海外における外出禁止措置等や新車需要低迷による得意先の稼働調整に伴い、4月以降も一部の現地法人において操業停止や稼働調整を行っており、当社グループの北米、欧州、アジアといった各報告セグメントにおきましても、製品の売上高の減少の影響が生じております。提出日現在におきまして、これらの環境下においては、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は未だ不透明であり、経済活動への影響を予測できない状況となっております。このため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による稼働調整や操業停止の影響は、翌期以降の当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、北米では景気の回復基調が続き、欧州においても景気は緩やかに回復しておりました。アジア地域においては、中国では景気が緩やかな減速傾向、インドやインドネシアなどでは内需を中心に景気が緩やかに回復しておりました。しかしながら、年度の終わりに発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、全世界にて経済活動が抑制されており、足下で景気は非常に強く下押しされております。国内経済は、雇用環境の改善が続くなかで、緩やかな回復基調が続いておりましたが、こちらも新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、足下で大幅に下押しされ、先行きについても厳しい状況が続くと見込まれております。

当社グループの主要取引先であります自動車業界においては、日本、北米、欧州、アジア地域共に軒並み販売台数が前年同期に比べ減少しているなか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、サプライチェーンの混乱が長引く様相となっております。

こうした状況のなか、当社グループにおいては新5ヵ年計画を策定し、「安全、品質、ものづくり」の基本を徹底し、構造改革と原価マネジメントの強化により収益確保に努めております。

当連結会計年度の業績は、売上高は4,761億円(前年度比3.1%増)となりました。利益につきましては、合理化改善や部品事業の売上増加等の増益要因により、営業利益は106億円(前年度比56.3%増)、経常利益は99億円(前年度比54.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は63億円(前年度比81.2%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

a. 日本

売上高は2,642億円と前年度に比べ19億円(0.7%減)の減収となりました。売上高全体では減収となりましたが、部品事業の売上高については増収となっております。セグメント利益は51億円(前年度比89.7%増)となりました。これは、部品事業の売上高増加及び合理化改善等によるものであります。

b. 北米

売上高は1,004億円と前年度に比べ47億円(4.5%減)の減収となりました。部品事業及び部品以外の事業において減収となりました。セグメント利益は15億円(前年度比31.6%減)となりました。これは、売上高の減少等によるものであります。

c. 欧州

売上高は292億円と前年度に比べ41億円(12.4%減)の減収となりました。売上高全体では減収となりましたが、部品事業の売上高については増収となっております。セグメント利益は7億円(前年度は9億円のセグメント損失)となりました。これは、部品事業の売上高増加等によるものであります。

d. アジア

売上高は991億円と前年度に比べ213億円(27.4%増)の増収となりました。中国における新規車種立上がり及びインドにおける新拠点の設立などにより増収となりました。セグメント利益は33億円(前年度比14.6%増)となりました。これは、売上高の増加等によるものであります。

 

財政状態は次のとおりであります。

当連結会計年度の総資産については、現金及び預金、売上債権、機械装置及び運搬具等の増加により、前連結会計年度末に比べて44億円増加し、2,535億円となりました。負債については、仕入債務等の増加により、前連結会計年度末に比べて31億円増加し、1,770億円となりました。純資産については、利益剰余金等の増加により、前連結会計年度末に比べて12億円増加し、764億円となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当社グループの現金及び現金同等物は、前年度末に比べ18億円増加し、93億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動の結果、得られた資金は340億円であり、前年度に比べ86億円(33.9%増)の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は264億円、前年度に比べて45億円(14.6%減)の支出の減少となりました。これは、有形固定資産の取得支出が減少したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は55億円(前年度は14億円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済支出などによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

231,489

100.6

北米

92,720

94.8

欧州

26,404

82.0

アジア

91,431

129.3

合計

442,045

102.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当連結会計年度における当社製品におきましては、納入先より3ヶ月程度の生産計画の提示を受け、生産能力を考慮して生産計画をたてております。

なお、治具溶接機については、納入先からの注文に基づき生産しており、受注状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

6,641

110.2

4,396

125.1

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

248,347

101.1

北米

99,745

94.9

欧州

29,185

87.7

アジア

98,886

127.2

合計

476,165

103.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

139,982

30.3

148,694

31.2

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であり、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度における経営成績の前連結会計年度との比較分析、報告セグメントごとの詳細及び財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下の5つの基本方針を取り組んできたことが挙げられます。

① 「安全、品質、ものづくり」の基本の徹底

② 安定した収益確保のための構造改革と原価マネジメントの強化

③ 拠点最適化と経営資源の効率的な配分

④ コア技術の更なる進化と新規分野への活用

⑤ 人材育成と組織力の強化

また、5ヵ年計画を達成すべく「グローバルにおける部品事業の利益最大化」「電動化に対応した開発強化」「ボデー部品の新たなビジネスモデルに向けた開発・生産体制構築」を推進してまいりました。

 企業価値の向上を目指すにあたっては、売上高、営業利益率、経常利益率、ROE(株主資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置づけ、その向上に取り組んでまいりました。

財政面におきましては、財務体質の強化として有利子負債の削減と自己資本比率の向上に取り組んでまいりました。

各セグメントにつきましても上記基本方針に取り組んでまいりました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、2020年3月中旬より、日本、北米、欧州、アジアの各セグメントにおいて主要得意先の稼働休止、非稼働日の設定等が相次ぎました。この影響もあり、各セグメントにおいて当連結会計年度の売上高及び利益の減少が生じております。4月以降も主要得意先の稼働調整が続いており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は長期にわたって当社グループに影響を与えると考えております。

 なお、重要な経営指標に掲げられている指標の分析については次のとおりです。

 売上高につきましては、部品事業の売上増加等により4,761億円(前年度比3.1%増)となりました。営業利益率につきましては、前年度と比べて0.7%良化しました。この主な要因は、合理化改善や部品事業の売上増加等の増益要因により営業利益が増加したためです。経常利益率につきましては、前年度と比べて0.7%良化しました。この主な要因は、営業利益の増加に伴い経常利益も増加したためです。ROEにつきましては、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により前年度と比べて4.2%良化しました。有利子負債につきましては、IFRS16号適用に伴うリース債務の増加があったものの、資金効率の向上等により前年度と比べて26億円減少しております。自己資本比率につきましては、有利子負債の減少や親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により26.6%(前年度比0.2%良化)となりました。

 

重要な経営指標の推移

回次

第104期

第105期

第106期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

売上高

4,404億円

4,617億円

4,761億円

営業利益率

2.6%

1.5%

2.2%

経常利益率

2.5%

1.4%

2.1%

ROE

17.9%

5.3%

9.5%

有利子負債残高

813億円

849億円

823億円

自己資本比率

25.8%

26.4%

26.6%

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

 当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べて18億円増加し、93億円となりました。これは、安定した収益確保のための構造改革と原価マネジメントの強化に取り組んできた結果、営業キャッシュフローが改善したためです。

 なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の前連結会計年度との比較分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

b. 財務政策

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び外注部品等の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。また、剰余金の配当につきましては、配当政策に基づき実施してまいります。

 当社グループの運転資金、設備投資資金及び剰余金の配当等は、主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。

 当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金、資本市場からの調達及び借入により充当いたしました。

 今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。

c. 今後のキャッシュ・フロー

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を踏まえ、今後は手許現預金の水準を高めていく予定です。

2021年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化・省力化投資、新規受注に伴う金型等投資及び海外生産拠点への投資を中心に実施する予定です。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載しております。

当該資金調達につきましては、内部資金又は借入にて充当する予定です。

 

(参考)

新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)

回次

第103期

第105期

第107期

決算年月

2017年3月

2019年3月

2021年3月

連結売上高

4,070億円

4,200億円

4,400億円

連結営業利益率

1.0%

1.8%

3.5%

 

 

直近2ヵ年の実績及び連結業績予想

回次

第105期(実績)

第106期(実績)

第107期(連結業績予想)

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

連結売上高

4,617億円

4,761億円

未定

連結営業利益率

1.5%

2.2%

未定

 

 

 「新5ヵ年計画の公表(2016年5月23日)」の連結売上高及び連結営業利益率については、2016年5月において、入手可能な情報と一定の前提に基づき策定したものであります。経営・収益基盤の足元固めのため、効率化及び管理面強化を中心とした取組みを行ってまいりましたが、現状の取り巻く環境を踏まえ、既に将来の成長に向けたグローバルでの取組みを開始しており、今後更に強化していきます。なお、実際の業績は、その情報の不確実性のほか、今後の経済情勢、市場動向、株価・為替動向等の状況変化により予想数値と異なる可能性があります。

 なお、第107期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により有価証券報告書の提出日現在においては未定となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えられます。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、不確実性が大きいものの、期末時点で入手可能な情報を基に将来の見込数値に反映させております。

a. 貸倒引当金

当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

b. 製品保証引当金

当社製品の品質保証に伴う損失の支出に備えるため、売上高に対する過去のクレーム実績率を基礎として発生したクレーム費用の個別の実情を考慮した上で、当社が求償を受けると見込まれる金額を見積って計上しておりますが、実際に求償される額が見積り額と乖離した場合には利益に影響を与える可能性があります。

c. 退職給付に係る資産・負債

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、又は法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。

d. 繰延税金資産

当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに当たって、将来の課税所得を合理的に見積っております。この見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を与える可能性があります。

e. 有価証券の減損処理

当社グループは長期的な取引関係維持のため、得意先及び金融機関の株式を保有しておりますが、これら株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づく有価証券の減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化又は投資先の業績不振により、評価損を計上することがあり、その場合、利益に影響を与える可能性があります。

f. 固定資産の減損処理

当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループは、世界のお客様に喜ばれる商品づくりを目指し、「魅力ある商品の開発」、「高性能・高機能商品の開発」を基本方針として、新技術・新工法に挑戦しております。当社の商品開発技術とそれを支える当社独自の生産技術を組み合わせることにより独創的な商品の開発を推進する一方、自動車メーカー及び専門メーカーとの交流・協業・共同開発活動により、鉄・非鉄・樹脂等の材料開発から、新構造・新工法を含めた幅広い分野で研究開発活動を行っております。

 当連結会計年度は、主力商品の開発強化とともに、10年後を見据えた技術開発計画を策定しながら、部品共通化やモジュール化、また、機能統合による新たな価値を創造する商品開発や、産学官の連携強化による環境対応商品の開発に注力してまいりました。

排気系・燃料系の各商品においては、低燃費化への貢献のため、軽量化や低コスト化を図ると共に、付加価値の高い商品開発を進めております。排出ガス対策においては、ガソリン車のCO(一酸化炭素)/HC(ハイドロカーボン)及びディーゼル車のPM(粒子状物質)/NOx(窒素酸化物)処理装置の開発に継続して取組み、解析・評価設備の充実を図りながら自動車のみならず建設機械、農業機械への展開も進めております。

 ボデー系商品においては、車体の軽量化と衝突安全性向上に対応するために、ホットスタンプや1180MPa級の高張力鋼板の新成形工法を量産化し、更に1470MPa級の高張力鋼板の成形工法に取組み、軽量かつ高強度なボデー骨格部品の構造開発を進めております。これら開発の効率を更に上げるべく、MBD(モデルベース開発)を取り入れ、開発のスピードアップを図っております。

電動車については、HV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)の更なる燃費向上のため、マフラーや排気熱回収装置の小型・高性能化に向けた新技術開発に積極的に取り組んでおります。また、EⅤ(電気自動車)などの電動化商品への対応としましては、2040年目線での開発ロードマップに基づき、当社のコア技術に更に付加価値を高める為、素材メーカーや関連企業とも協業しながら新商品の企画・開発を今まで以上に強化して進めております。

当社のコア技術を活かせる非自動車分野の新規事業については、COを回収し貯留・供給する農業装置の開発を完了し、製品ラインナップを充実させております。

 今後も「排出ガスのクリーン化」「CO排出量の削減」など環境規制強化に対応し、より積極的な環境対応商品の企画・開発を進め、将来ビジネスの基盤の一つとなるよう育成してまいります。また、当社のコア技術である成形技術と接合技術を磨き、「安全」「環境」「省エネ」をキーワードに自動車部品事業を中心に環境関連分野への商品を拡大してまいります。さらに、海外のお客様のニーズにも素早く対応できるように、現地での研究開発体制の整備を継続して進めてまいります。

研究開発活動は主に国内にて行っており、当連結会計年度における自動車等車両部品の事業を中心とした研究開発費は3,443百万円であります。