本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営方針として『グローバル企業として成長・進化し、持続可能な社会の実現に貢献する(サステナビリティ)』を掲げています。また、「安全最優先」「最高品質」「納期厳守」「競争力あるものづくり」「スピード」「働いてよかったと思える会社」「ESG重視(環境・社会的課題・経営管理体制)」という7つの柱(7 Values)のもと、お客様に満足していただける商品をグローバルに提供していくことを目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
既存事業につきましては、自動車の燃費向上に直結する摩擦、振動、流体コントロール技術を柱に、駆動系製品の軽量化やCO2削減技術を駆使し、社会・お客様との共生を図ります。
中長期的に内燃機関車の販売停止や電気自動車への移行加速が想定される中、当社の強みである回転エネルギー伝達時の効率を高める機能を持った電気自動車向けの製品開発を進めてまいります。
永年に亘り構築してきた海外での製造販売ネットワークと日本で生まれる先進技術を融合させ、最も競争力のあるユニーク製品を当社グループの現地工場からお客様の海外工場へ提供し続けることで、存在価値を高め、駆動系を中心とした総合メーカーとして現地のお客様にとって必要不可欠な企業に成長・進化いたします。
(3) 経営環境および優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
自動車業界におきましては、電動化や自動運転を始めとする技術革新が進展する中、新型コロナウイルスの世界的な蔓延、原材料価格の高騰、半導体不足や物流の混乱など、事業を取り巻く環境はなお厳しい状況にあります。
このような中であっても、グローバル企業として成長・進化し、持続可能な社会の実現に貢献するため、「ルール遵守による安全及び品質保証」「ハイブリッド(HEV)用ダンパーの拡販」「デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務改革」「次世代・電動化商品の2022年度量産開始と更なる拡販」といった課題に、グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
また、当社グループは「喜びの創造(お客様、社会、私たち)」を企業理念に掲げ、高い技術力を通じて、省エネ製品を開発するとともに、地域社会への貢献、ダイバーシティの推進などに取り組み、環境や社会課題の解決に挑戦してきました。
また、SDGs※の17の目標の中から選定したマテリアリティ(優先課題)を中心とした活動をさらに進化させるべく、「サステナビリティ(持続的成長)活動」として、2050年を展望した長期ビジョン、長期目標及びスローガンを策定しました。
特に、国際的な課題である「地球温暖化防止」については、2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を達成することを目標に、省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギーの導入、次世代電動化商品や未来商品の開発に取り組んでまいります。
※2015年、国連採択の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
なお、各セグメントにおける課題は下記のとおりです。
・MT(手動変速装置関連事業)
中国市場向けの製品開発を行うとともに、補修用部品についても重点市場において積極的な販売拡大活動に取り組んでまいります。
・AT(自動変速装置関連事業)
事業環境の変化に合わせた、柔軟な増産・減産対応を進めるとともに、コスト競争力強化による市場シェアの拡大や、電動化商品の量産開始、更なる販売拡大にむけて取り組んでまいります。
・その他事業
2輪用クラッチや建設機械、フォークリフト向け製品分野では、コスト競争力強化により収益力確保を目指すほか、未来商品・新ビジネス創出に向けて取り組んでまいります。
(4) 目標とする経営指標
当社グループでは、ROE 10%以上、ROA 6%以上、親会社所有者帰属持分比率 60%以上、固定比率 100%以下を中長期的な目標とする経営指標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであるため、不確実性を内在しており、実際の結果と異なる可能性を含んでおります。
(1) 自動車メーカーの生産動向の影響について
当社グループは、自動車用伝導装置(MT及びAT)の製造販売を主な事業としており、自動車用伝導装置事業の外部顧客への売上高の連結売上収益に占める割合は、2022年3月期で 89.4%と高い割合となっております。
従って、当社グループの業績は、主要な顧客である自動車メーカー全般の生産動向及び販売動向の影響を受ける可能性があります。また、当社グループは資本関係の有無にかかわらず、世界の主要自動車メーカーグループに対して製品を供給しており、特定顧客に対する依存度が集中していることはありませんが、顧客の生産動向及び販売動向に大きな変動が生じた場合、その影響を受けて業績が変動する可能性があります。
(2) 海外展開について
当社グループは、自動車メーカーの世界最適調達方針に応じ、現地生産への対応を進めております。2022年3月期における所在地別の概況は次のとおりであります。
|
|
日本 |
米州 |
アジア・ オセアニア |
その他 |
消去又 は全社 |
連結 |
|
売上収益(百万円) |
118,927 |
42,303 |
92,077 |
7,788 |
- |
261,095 |
|
構成比(%) |
45.5 |
16.2 |
35.3 |
3.0 |
- |
100.0 |
|
営業利益(百万円) |
11,213 |
△1,280 |
9,091 |
598 |
△1,295 |
18,328 |
|
構成比(%) |
61.2 |
△ 7.0 |
49.6 |
3.3 |
△7.1 |
100.0 |
当社グループの海外展開において、米州及びアジア・オセアニアでの販売拡大は最重要戦略であります。特にアジア・オセアニアは、自動車生産台数が大きく伸びる可能性のある有望なマーケットであり、今後、積極的に事業展開を行う方針ではありますが、それらの地域の政治動向及び金融情勢の変化に伴うマーケットの変動が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 為替リスクについて
当社グループは、全世界において製品の生産と販売を行っております。海外各国における収益、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成時に円換算されていますが、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが日本で生産し、輸出する事業においては、他の通貨に対する円高は、当社製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループの業績及び財政状態は、為替変動による影響を受け変動する可能性を含んでおります。
(4) 原材料・部品の調達リスク
当社グループの製品は、原材料の大部分と一部の部品をグループ外部より調達しております。調達先と安定的な取引が行えるよう努めておりますが、価格高騰や需給逼迫、調達先の不慮の事故等により、原材料・部品不足が生じ、結果として当社グループの業績に悪影響を与えるリスクが存在します。
(5)新製品開発
当社グループは、高い環境性能を有したコスト競争力のある製品を開発するよう努めております。今後も、魅力的な製品の開発を進めてまいりますが、当社の開発した製品が顧客や市場のニーズに合致しない、或いはタイムリーな開発と市場への投入ができない場合、特に自動車業界の電動化の流れに対応した新製品開発が出来ない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与えるリスクが存在します。
これに対応するため、社内にビジネス開発部や電動商品開発部を設置し、未来商品の創出、オープンイノベーションを通じ、脱炭素社会へ向けた商品開発を行っております。
(6) 製品の品質不具合
当社グループは、品質維持が事業を支える最重要項目と位置づけ、世界中の工場で製造される各種の製品に対して品質管理を行っております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が発生した場合、多額の対応コストや当社グループの品質管理に対する評価の低下による取引の減少等が、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与えるリスクが存在します。
(7) 災害や停電等による影響
当社グループは、生産設備に対し定期的な修繕及び点検を行うことで、故障等による製造ラインの中断ロスを最小限に抑制するように努めております。しかし、当社グループの生産施設で発生する災害、電力供給等のインフラの中断による影響を完全に防止又は軽減できる保証はなく、その結果、生産・納入活動が停止するリスクが存在します。
特に、日本における風水害リスクに対し、設備のかさ上げや工場移転等の対策実施してまいります。
(8) 世界的な感染症の流行による影響
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、当社グループの生産拠点においても、一時的に操業を停止や減産するなどの対応をとりました。今後の感染再拡大の規模や各国政府の対応についての見通しはたっておらず、現時点で業績に与える影響を予測することは困難です。
(9) 気候変動による影響
当社グループは気候変動への対応を重要な課題の一つととらえ、シナリオ分析(2℃、4℃シナリオ)を通じた気候変動リスクを特定し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。
①気候変動によるリスク
(移行リスク)脱炭素社会への急速な移行による、炭素規制等の導入による操業コスト増加や、内燃機関車の販売停止や電気自動車への移行の加速に伴う当社の既存製品への需要の変化に対応できず、企業価値の低下を招くリスクが存在します。
(物理リスク)異常気象による工場操業停止や、サプライチェーンの寸断による製品サービスの供給停止が起こるリスクが存在します。
②リスクへの対策
(移行リスク)脱炭素社会への移行に対処すべく、代表取締役社長を委員長とする、環境・気候変動に関する基本方針や重要事項についての審議推進委員会を設置し、変化する国際情勢を常に確認し、リスクの未然防止・迅速な対処に努める体制を整備しております。
また、製品需要の変化に対応するため、社内にプロジェクトチームを設置し、未来商品の創出、オープンイノベーションを通じ、脱炭素社会へ向けた商品開発を行っております。
(物理リスク)サプライヤーも含めたBCP(事業継続計画)を策定、ハザードマップを活用した事業所ごとのリスク評価などを行い、ハード・ソフトの両面での対応や、有事を想定した訓練などを実施し事業継続能力向上に取り組んでおります。
経営成績等の状況の概要
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的にIFRSを適用しております。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、国・地域によっては新型コロナウイルス感染症再拡大によるロックダウンや緊急事態宣言が発令されたものの、経済活動は一定の回復を見せており、売上収益は大幅に増加しました。利益面におきましては、世界的な原材料の価格の高騰、半導体不足やサプライチェーンの混乱などの影響があるものの、売上収益の増加に加え、設備の稼働率向上や諸経費の削減など、グループをあげた経営全般にわたる効率化に努めた結果、増益となりました。当連結会計年度の業績は、売上収益2,611億円(前年同期比14.8%増)、営業利益183億円(前年同期比92.7%増)、税引前利益195億円(前年同期比114.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益125億円(前年同期比150.4%増)となりました。
(セグメント情報)
報告セグメントの種類別の概況は下記のとおりであります。
〔MT(手動変速装置関連事業)〕
売上収益は650億円(前年同期比26.6%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加などにより、79億円(前年同期比45.2%増)となりました。
〔AT(自動変速装置関連事業)〕
売上収益は1,685億円(前年同期比9.4%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加及びメキシコ子会社で前期に計上した減損損失がなくなったことなどにより86億円(前年同期比211.6%増)となりました。
〔その他〕
売上収益は276億円(前年同期比25.2%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加により20億円(前年同期比90.5%増)となりました。
所在地別の概況は下記のとおりであります。
〔日本〕
売上収益は1,189億円(前年同期比11.5%増)となりました。営業利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加により112億円(前年同期比98.2%増)となりました。
〔米州〕
売上収益は423億円(前年同期比16.7%増)となりました。売上収益の増加及び上述の前期メキシコ子会社で計上した減損損失がなくなったことなどがあるものの、営業損失は13億円(前年同期は46億円の営業損失)となりました。
〔アジア・オセアニア〕
売上収益は921億円(前年同期比17.5%増)となりました。営業利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加により91億円(前年同期比22.6%増)となりました。
〔その他〕
売上収益は78億円(前年同期比26.2%増)、営業利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加により6億円(前年同期比54.4%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金は、前連結会計年度(301億円)から 17億円(5.5%)減少し、 284億円となりました。これは売上収益増加によって税引前利益が 104億円増加したものの、棚卸資産の増減額が 50億円の減少、減損損失が 50億円の減少、営業債権及びその他の債権の増減額が 30億円の減少となったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は、前連結会計年度(168億円)から 13億円(7.6%)減少し、 155億円となりました。これは無形資産の取得による支出が5億円の増加となった一方、有形固定資産の取得による支出が27億円減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローで使用した資金は、前連結会計年度(85億円)から 21億円(24.7%)増加し、 105億円となりました。これは借入と返済の収支によって支出が 25億円増加したことなどによるものです。
上記に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加 14億円(前連結会計年度は13億円の増加)があり、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末(516億円)から 38億円(7.4%)増加し、554億円となりました。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
MT(百万円) |
66,942 |
129.3 |
|
AT(百万円) |
170,298 |
110.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
237,240 |
115.0 |
|
その他(百万円) |
28,203 |
126.0 |
|
合計(百万円) |
265,442 |
116.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前期比 (%) |
|
MT |
65,114 |
121.6 |
5,594 |
102.1 |
|
AT |
166,904 |
103.8 |
12,747 |
88.9 |
|
報告セグメント計 |
232,018 |
108.3 |
18,341 |
92.6 |
|
その他 |
27,848 |
121.6 |
2,538 |
110.5 |
|
合計 |
259,866 |
109.5 |
20,879 |
94.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記はすべて継続的な受注であるため、受注残高は1ヵ月間相当額を記載しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
MT(百万円) |
64,996 |
126.6 |
|
AT(百万円) |
168,493 |
109.4 |
|
報告セグメント計(百万円) |
233,489 |
113.7 |
|
その他(百万円) |
27,606 |
125.2 |
|
合計(百万円) |
261,095 |
114.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、主要な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであるため、不確実性を内在しております。とりわけ、新型コロナウイルス感染症再拡大により、国・地域によっては大規模なロックダウンや行動制限が行われるなど、企業活動が停滞する状況が続いており、実際の結果と大きく異なる可能性を含んでおります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。その作成に当たり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の各数値を算出するための見積りを行っております。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断してはいるものの、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における資産合計は 3,328億円(前連結会計年度末は 3,127億円)となり、前連結会計年度末比 200億円(6.4%)増加いたしました。内訳としては、営業債権及びその他の債権の増加 76億円、棚卸資産の増加 73億円、現金及び現金同等物の増加 38億円であります。
当連結会計年度末における負債合計は 968億円(前連結会計年度末は 960億円)となり、前連結会計年度末比 8億円(0.8%)増加いたしました。内訳としては、借入金の返済に伴う、社債及び借入金の減少 44億円、未払法人所得税等の増加 25億円であります。
当連結会計年度末における資本合計は 2,360億円(前連結会計年度末は 2,167億円)となり、前連結会計年度末比 193億円(8.9%)増加いたしました。内訳としては、利益剰余金の増加 93億円(親会社の所有者に帰属する当期利益による増加 125億円、剰余金の処分(配当金)による減少 33億円)、為替が円安に推移したことによる、その他の資本の構成要素の増加 85億円 であります。なお、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の 65.2%から 66.6%となりました。
(3) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上収益 2,611億円(前年同期比 14.8%増)、営業利益 183億円(前年同期比 92.7%増)、税引前利益 195億円(前年同期比 114.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益 125億円(前年同期比150.4%増)となりました。
MT(手動変速装置関連事業)における売上収益は 650億円(前年同期比 26.6%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加などにより、79億円(前年同期比 45.2%増)となりました。
AT(自動変速装置関連事業)における売上収益は 1,685億円(前年同期比 9.4%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加及びメキシコ子会社で前期に計上した減損損失がなくなったことなどにより 86億円(前年同期比 211.6%増)となりました。
その他における売上収益は 276億円(前年同期比 25.2%増)となりました。セグメント利益は原材料価格の高騰などがあるものの、売上収益の増加により 20億円(前年同期比 90.5%増)となりました。
また、当社グループの当連結会計年度に係る経営指標はROE 5.9% (10%以上)、ROA 3.9% (6%以上)、親会社所有者帰属持分比率 66.6% (60%以上)、固定比率 80.1% (100%以下)となりました。(カッコ内はいずれも、中長期的な目標とする経営指標)
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの連結売上収益の約9割が自動車用部品であり、主要な販売先である自動車メーカーの生産・販売動向及び調達方針の影響を受ける可能性があります。特にアジア・オセアニアでの販売拡大は最重要戦略でありますが、それらの地域の政治動向及び金融情勢の変化に伴うマーケットの変動に多大な影響を受けるものと予想されます。また、海外事業の拡大に伴う為替リスクの増加、原材料・部品の調達リスク、製品の品質不具合及び災害や停電等のリスクについても業績に重要な影響を与えるものと予想されます。
(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入もしくは社債の発行による資金調達を実施することを基本方針としています。
当連結会計年度における設備投資等の資金については、自己資金及び借入金により充当しました。
今後の資金需要の主なものは、環境性能の高い新製品の開発投資や現地でのニーズに対応するための海外投資等であります。これらの資金需要に対しては、主に自己資金で充当する予定ではありますが、資金の不足時に備え、直接金融においては格付機関による企業格付の向上を図ること、また、間接金融では金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。さらに金融機関との関係を強化することにより有利な調達条件の維持に努め、負債と資本のバランスに配慮しつつ、適切で柔軟な資金調達体制を構築してまいります。
従い、当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
(1) 業務提携契約
|
国名 |
契約者 |
契約先 |
契約内容 |
契約日 |
|
日本 |
エクセディ |
株式会社アイシン |
海外事業を中心とした業務提携 |
2001年7月3日 |
|
日本 |
エクセディ |
株式会社アスター |
次世代モビリティ及び環境対応製品に関する業務提携 |
2022年1月14日 |
(2) 当社グループ(当社及び連結子会社)が与える技術援助契約
|
国名 |
契約者 |
契約先 |
契約内容 |
契約期間 |
ロイヤリティ算出方法 |
|
台湾 |
エクセディ |
至舜企業股份有限公司 |
2輪用クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 |
2022年4月2日より 1ヵ年間 |
売上高の一定 |
|
コロンビア |
〃 |
ボーネム社 |
クラッチ製造に関する技術援助契約、技術指導 |
2020年7月1日より 5ヵ年間 |
〃 |
(3) 合弁事業契約
|
国名 |
契約者 |
契約先 |
合弁会社名称 |
出資比率 (%) |
契約日 |
|
ドイツ |
エクセディ |
フォイトターボ社 |
ニッポンリターダシステム |
50 |
1988年12月20日 |
|
タイ |
〃 |
サイアムオートパーツ社 |
エクセディタイランド |
67 |
1994年9月15日 |
|
オーストラリア |
〃 |
クラッチコインポーツPTY. リミテッド |
エクセディオーストラリア |
75 |
1995年5月24日 |
|
中国 |
〃 |
重慶機電股份有限公司 他1社 |
エクセディ重慶 |
70 |
2007年7月31日 |
|
マレーシア |
〃 |
HICOM社 他1社 |
エクセディマレーシア |
50 |
1995年7月18日 |
|
インド |
〃 |
シーケーグループ |
エクセディインディア |
73 |
2010年1月21日 |
|
アメリカ |
〃 |
アイシンホールディングスオブアメリカ |
エクセディアメリカ |
60 |
2001年10月31日 |
|
タイ |
〃 |
アイシン化工株式会社 |
エクセディフリクションマテリアル |
66 |
2002年2月11日 |
|
アラブ首長国連邦 |
〃 |
ハプコグループフリーゾーンカンパニー |
エクセディミドルイースト |
73 |
2002年4月7日 |
|
ベトナム |
〃 |
ベトナムプレシジョンインダストリーNo1カンパニーリミテッド |
エクセディベトナム |
80 |
2006年1月26日 |
|
ニュージーランド |
〃 |
クラッチコインポーツPTY. リミテッド |
エクセディニュージーランド |
60 |
2008年9月9日 |
|
パナマ共和国 |
〃 |
ジャパンインターナショナルパーツS.A. |
エクセディラテンアメリカ |
80 |
2012年7月8日 |
|
メキシコ |
〃 |
メルキャップS.A. |
エクセディメキシコアフターマーケットセールス |
80 |
2014年12月26日 |
|
シンガポール |
〃 |
Chip Yew Company |
エクセディシンガポール |
90 |
2015年9月9日 |
|
中国 |
エクセディ |
沈陽金客汽車配件有限公司 |
エクセディ北京 |
70 |
2013年12月5日 |
|
インドネシア |
エクセディ |
PT.インドプリマゲミラン |
エクセディプリマインドネシア |
25 |
2014年2月3日 |
|
タイ |
エクセディタイランド |
サイアムモーターパーツ社 |
エクセディサイアムセールス(タイランド) |
30 |
2020年11月20日 |
(注)出資比率は、当社グループから合弁会社への出資比率であります。
当社は企業理念のひとつとして「お客様の喜びを創造しよう」を掲げ、「高い技術力」と「きめこまやかで手際のよい対応」をもった駆動系を中心とする総合メーカーとしてお客様に喜んでいただける高品質、低コストの商品開発のために研究開発活動を強化しております。当社グループの主な研究開発は、当社を中心に国内ではダイナックス、海外ではエクセディ重慶、エクセディダイナックス上海、エクセディフリクションマテリアル、エクセディエンジニアリングアジア、エクセディグローバルパーツでおこなっております。
現在の当社グループの研究開発活動は、MT事業、AT事業と電動化対応を中心に推進しております。研究開発スタッフはグループ全体で 513名にのぼり、これは総従業員数の約4%に当たっております。
当連結会計年度における各事業セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。なお、研究開発費については、各事業セグメントに配賦できない新製品開発費 1,614百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は
[MT]
手動変速装置(マニュアルトランスミッション)の乗用車系部品では、趣味性の高い車両のクラッチや燃費向上に対応するエンジン及び駆動系の低フリクション化に伴う振動を効率的に吸収する高性能ダンパー付きクラッチを開発しております。
商用車系部品では、燃費・騒音規制などに対応するエンジン用のクラッチをはじめ、発進・変速操作を自動化したAMT(オートメーテッドマニュアルトランスミッション)用として、コントロールユニットの指令に従ってクラッチを操作するモータドライバ及びアクチュエータユニットなどの製品も開発しています。
なお、当セグメントに要した研究開発費は
[AT]
自動変速装置(オートマチックトランスミッション)用部品では、トルクコンバータ、ロックアップクラッチ、湿式クラッチなどを開発しており、湿式クラッチに関しては、内部の油の流れ,面圧を解明し、スリップ性能改善につなげる研究を最新のコンピューターシステムを駆使して継続的に進めております。
また、低燃費を実現するために低速度域までロックアップ領域を拡大し、低速のクラッチ締結時の振動を減衰するトルクコンバータの開発に成功いたしました。これらの研究成果に基づく新製品により新たな受注を獲得しております。
子会社のダイナックスでは、高性能なロックアップクラッチ用摩擦材や自動変速機の部品を開発しております。
また、2系統のクラッチにより動力を途切れなく伝達でき、MTに近い燃費を得ることが出来るデュアルクラッチトランスミッションへの適用部品として、ダイナックスでは湿式デュアルクラッチなどの製品を開発しています。
なお、当セグメントに要した研究開発費は
[その他]
ハイブリッド車用に、エンジン/モータ切替え時、およびエンジン走行時に発生する振動を吸収するダンパー装置、タイヤ側からの過大負荷入力を緩和するトルクリミッター付きダンパー、エンジンスタータやジェネレータ機能を統合してトルクコンバータなどの発進デバイスと組み合わせるモータなどの新しい製品分野の開発を行っております。また駆動システムとしては、電気自動車用にはモータに独自のデバイスを組み合わせたものや、ハイブリッド車用には専用トルクコンバータとモータを組み合わせた省スペースと高トルクを両立させたシステムを開発中です。
さらに種々の小型モビリティの電動化ニーズに応えるため、駆動モータのラインナップを拡充しているところです。
また、建機・産業車両用製品としてフォークリフトやラフテレーンクレーンなどの運転性・作業性向上及び伝達効率の追求を目的とした、トランスミッションの性能向上開発を継続的に行っております。
アセアン・インドを中心に2輪市場が拡大しつづけております。当社は、独自の技術を生かし、高品質で安価な2輪用クラッチを開発しております。さらに市場の電動化ニーズに応えるため、駆動系ユニットの開発を進めております。
なお、当セグメントに要した研究開発費は 1,331百万円であります。