(1)業績
当連結会計年度における世界経済は実体経済が好調な米国を中心に緩やかな成長が継続する一方、中国をはじめとする新興国経済の減速懸念や英国のEU離脱、保護主義政策の拡大懸念等、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が続いており全体的に勢いを欠く状況となっております。日本経済においては、個人消費が底堅く推移し、企業収益の改善により設備投資が持ち直すなど緩やかな景気回復基調で推移しました。
自動車業界におきましては、国内の自動車生産台数は前年同期比6.5%増の971万台となりました。海外におきましては、米国では前年同期比6.6%減の1,143万台となり、中国では前年同期比8.5%増の2,900万台となりました。
当連結会計年度の業績は、主に日本及びアジアでの販売が堅調に推移したことと、欧州の新規連結子会社の売上計上により、売上高は2,572億8千4百万円(前年同期比215億7千4百万円増、9.2%増)となりました。営業利益は、コストダウンの徹底による収益確保に努めましたが、原材料コストの上昇、生産能力増強に伴う設備償却費の増加、のれん償却費用の発生等の影響もあり、145億8百万円(前年同期比23億7千4百万円減、14.1%減)となりました。経常利益は、受取配当金5億4千5百万円、受取利息5億円及び為替差益4億9千1百万円等により、167億4千4百万円(前年同期比1千7百万円増、0.1%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、貸倒引当金繰入額19億1千5百万円等により87億1千5百万円(前年同期比22億6百万円減、20.2%減)となりました。
設備投資につきましては、米国及びハンガリー子会社での工場拡張及び生産設備増強、韓国子会社の新工場への移転、日本とチェコでの新設子会社の工場建設を中心に、総額123億2千4百万円を実施いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度よりブラジル子会社2社を連結の範囲に含めたことから、同地域を「南米」として区分しております。
① 日本
日本におきましては、主に顧客への販売が堅調に推移したことにより、売上高は604億5千8百万円(前年同期比71億5千6百万円増、13.4%増)となりました。営業利益は、販売の増加に伴う操業度効果の影響等により、66億6千1百万円(同8億9千2百万円増、15.5%増)となりました。
② 北米
北米におきましては、顧客への販売が伸び悩んだことから、売上高は892億4千5百万円(同41億7千万円減、4.5%減)となり、営業利益は、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、45億1千8百万円(同23億7千7百万円減、34.5%減)となりました。
③ 中国
中国におきましては、ローカル自動車メーカー向け販売が堅調に推移したものの、中国での韓国製品不買運動の影響もあり、売上高は483億9千3百万円(同12億8千6百万円減、2.6%減)となりました。営業利益は、現調化等のコストダウンの推進に取り組んだものの、生産量の低下に伴う利益減少、開発費用の増加及び為替変動(元安)による材料費上昇等の影響で、35億7千9百万円(同3億6千8百万円減、9.3%減)となりました。
④ アジア
アジアにおきましては、主に韓国、インド及びインドネシアの顧客への販売が堅調に推移し、売上高は604億円(同60億9千4百万円増、11.2%増)となりました。営業利益は、韓国及びインドネシア子会社の業績が好調に推移し、30億3千2百万円(同4億1千3百万円増、15.8%増)となりました。
⑤ 欧州
欧州におきましては、イタリア・スペイン子会社の新規連結と、ハンガリー子会社において販売が堅調に推移したこと等により、売上高は214億9百万円(同143億7千2百万円増、204.2%増)となりました。利益面では、ハンガリー子会社の業績が伸張したものの、スペインにおける生産減少及びチェコ新工場の立ち上げ費用の増加の影響等もあり、5億6千9百万円の営業損失(前年同期は2億9百万円の営業損失)となりました。
⑥ 南米
南米におきましては、ブラジル子会社の新規連結により、売上高は、1億5千4百万円となりました。利益面では、原価低減と生産性改善に取り組んだものの、ブラジル自動車市場の低迷による生産の伸び悩みによる影響もあり、8千5百万円の営業損失となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が170億1千2百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が72億6千3百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が31億7千2百万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額21億1百万円及び連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額14億6千5百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ101億4千3百万円増加し、474億6千2百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ16億6千2百万円(同10.8%)増加し、170億1千2百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期利益146億1千5百万円に加え、減価償却費67億7百万円による増加、法人税等の支払額41億2千1百万円による減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ92億6千万円(同56.0%)減少し、72億6千3百万円となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入33億円に加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入5億8百万円による増加、有形固定資産の取得による支出116億4千4百万円による減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ20億4千5百万円(同181.5%)増加し、31億7千2百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減少額11億8千8百万円に加え、配当金の支払額20億1千4百万円の支出等によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年11月1日 至 平成29年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 (百万円) |
52,320 |
114.4 |
|
北米 (百万円) |
76,701 |
95.6 |
|
中国 (百万円) |
42,512 |
97.6 |
|
アジア(百万円) |
55,061 |
107.3 |
|
欧州 (百万円) |
19,902 |
346.9 |
|
南米 (百万円) |
183 |
- |
|
合計(百万円) |
246,682 |
108.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.新たにブラジル子会社2社を連結の範囲に含めたことから、当連結会計年度より報告セグメント「南米」を追加しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
54,112 |
115.2 |
3,502 |
110.5 |
|
北米 |
88,593 |
95.7 |
4,437 |
98.3 |
|
中国 |
41,476 |
95.5 |
5,239 |
98.0 |
|
アジア |
52,229 |
113.6 |
2,093 |
119.6 |
|
欧州 |
21,650 |
309.8 |
888 |
199.6 |
|
南米 |
171 |
- |
17 |
- |
|
合計 |
258,234 |
109.5 |
16,179 |
106.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.新たにブラジル子会社2社を連結の範囲に含めたことから、当連結会計年度より報告セグメント「南米」を追加しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年11月1日 至 平成29年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 (百万円) |
53,778 |
114.7 |
|
北米 (百万円) |
88,671 |
95.4 |
|
中国 (百万円) |
41,585 |
96.5 |
|
アジア(百万円) |
51,887 |
113.2 |
|
欧州 (百万円) |
21,207 |
304.8 |
|
南米 (百万円) |
154 |
- |
|
合計(百万円) |
257,284 |
109.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.新たにブラジル子会社2社を連結の範囲に含めたことから、当連結会計年度より報告セグメント「南米」を追加しております。
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年11月1日 至 平成28年10月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年11月1日 至 平成29年10月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
本田技研工業株式会社 |
36,184 |
15.4 |
34,232 |
13.3 |
|
起亜自動車株式会社 |
30,172 |
12.8 |
28,533 |
11.1 |
|
FIAT CHRYSLER AUTOMOBILES US LLC |
25,588 |
10.9 |
- |
- |
|
Ford Motor Company |
24,025 |
10.2 |
- |
- |
4.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、創業の理想「この仕事を通じて社会に貢献する。」、「この仕事を通じて立派な人を創る。」を経営の基本理念・企業文化とし、守り育ててまいりました。創業の理想を実現するための両輪として、経営信条「良品・安価・即納」を定めて社会貢献への道を示し、社訓「信義誠実」「和衷協力」「不撓不屈」「業務奉仕」を定めて人間形成の道を示しております。
この創業の理想の実践・実現に向けて努力し続けることが、企業価値の向上につながるものと考えております。
(2)経営環境、経営戦略等、事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、自動車メーカーの新興国への現地生産シフト、EV等の環境規制対応により加速するバイワイヤ化によるコントロールケーブル用途の減少、新興国コントロールケーブルメーカーとの競争激化等、大きな変化に直面しております。そのような経営環境の中で、当社グループの強みであります世界15ヶ国に展開した拠点が相互に協力・連携しながら、お客様の要望に即応することでシェアを拡大していくことやお客様の期待を上回る新製品開発・拡販が、重要な経営課題となっております。
当社グループは次の3つを基本戦略として、その経営課題に取り組んでまいります。
Ⅰ.顧客へ安心と喜びを届ける
Ⅱ.安心品質・高付加価値・低価格製品の実現
Ⅲ.グローバル人材の育成
そのための方策として、以下の5つを柱としております。
①市場開拓
欧州自動車メーカーをはじめ新興国ローカル自動車メーカーからの受注を更に拡大し、世界シェアのアップを図ってまいります。
また、非自動車分野における新市場の開拓を積極的に推進してまいります。
②開発強化
既存製品の素材と設計を見直し軽量化を図るだけでなく、お客様の期待を上回る新製品を提案し、世界中のお客様に安心と喜びを届けてまいります。
また、パワーリフトゲート、電動パーキングブレーキ等のシステム製品の開発及び医療、住宅関連機器等の非自動車分野の新製品開発に注力してまいります。
③グローバル価格
自動車メーカーの生産販売は世界がボーダレス化しており、どの地域であっても安心品質・高付加価値・低価格な製品を供給し、お客様の多様なニーズを先取りし即応してまいります。
④安心品質
製造現場での徹底検証により図面を鍛え上げることで不良発生を未然防止する等、4つの安心(図面、生産環境、設備、作業)で品質管理を徹底し、世界中のどの拠点からでも安心してお客様に買っていただける体制を築いてまいります。
⑤グローバル人材
世界中のどこでもプロの技術で教え導くことのできるスキルと国際適応力をもつグローバル人材を育て、海外子会社に派遣することによって、現地の人材を育成してまいります。
お客様の期待に即応することによって、安心と喜びを届ける企業づくりを追求してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは以下の指標の安定的な確保と拡大を重視しております。
①社業の健全性を示す自己資本と営業利益
②株主の皆様にとっての収益性を示すROE(株主資本利益率)と配当の原資となる親会社株主に帰属する当期純利益
(4)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本方針の内容
当社は上場会社である以上、当社の株式が市場で自由に取引されるべきことは当然であり、当社取締役会の賛同を得ずに行われる大規模買付等(特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。)のうち、当社の取締役会の同意を得ていないものをいいます。)に応じるか否かの判断も、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、会社の支配権の移転を伴う大規模買付等の中には、当社の企業価値・株主共同の利益に反するものが幾つか存在しており、これらの大規模買付等が行われることを未然に防止できなければ、当社の強みである製造技術を支える優秀な従業員の流出を招き、お客様・仕入先様・社会からの強固な信頼を失い、当社における企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に向けた取り組みの遂行に大きな影響を与えかねません。
そこで、当社は、大規模買付等が一定の合理的なルールに従って進められることが当社株主共同の利益及び当社の企業価値の確保・向上に資すると考え、平成28年12月12日開催の当社取締役会において、「当社株式の大規模買付等に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」(以下「本プラン」といいます。)を決議しました。本プランは、平成29年1月28日開催の当社第73期定時株主総会において、株主の皆様のご承認を得ております。
② 不適切な支配の防止のための取り組み
本プランは、当社株式等に対する大規模買付等が行われる場合の手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、当社取締役会が買付者等との交渉を行う機会を確保することにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
すなわち、本プランは、大規模買付等を実施しようとする買付者等には、必要な情報を事前に当社取締役会に提出して頂き、当社取締役会がその大規模買付等を評価・交渉・代替案を提出する期間を設けることとする大規模買付ルールを定めるものです。
当社取締役会は、独立性の高い社外取締役及び社外監査役で構成する独立委員会を設置し、独立委員会は、買付者等や当社取締役会から情報を受領した後、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、大規模買付等の内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討等を行います。
買付者等が本プランの手続を遵守しない場合や、当社の企業価値・株主の共同の利益を著しく損なうと認められる場合には、当社取締役会は、独立委員会に諮問した上で、独立委員会の判断を最大限尊重して対抗措置の発動、不発動を決定します。
なお、本プランの詳細は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレスhttp://www.hi-lex.co.jp/)に「当社株式の大規模買付等に関する対応方針(買収防衛策)」として掲載されております。
③ 不適切な支配の防止のための取り組みについての取締役会の判断
当社取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
ア.株主意思の反映
本プランは、平成29年1月28日開催の当社第73期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得ており、その有効期間は平成32年1月頃までに開催される当社第76期定時株主総会の終結のときまでの3年間とされており、株主の皆様の意思の尊重に最大限の配慮を行っております。また、大規模買付等を受け入れるか否かは最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきという方針で貫かれており、対抗措置を発動するのは、買付者等が本プランの手続を遵守しない場合や当社の企業価値・株主の共同の利益を著しく損なうと認められる場合に限定されております。
イ.独立性の高い社外者の判断と情報開示
独立性の高い社外取締役及び社外監査役により独立委員会を構成することにより、当社の業務を執行する経営陣の恣意的判断を排し、その客観性、合理性を担保すると同時に、独立委員会は当社の実情を把握し当社の企業価値を構成する要素を十分に把握した上で、当該大規模買付等が当社の企業価値・株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断できると考えております。
さらに、当社取締役会は、買付者等から大規模買付等の提案がなされた事実とその概要及び本必要情報の概要その他の情報のうち株主の皆様のご判断に必要であると認められる情報がある場合には、適切と判断する時点で開示いたします。
ウ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動の勧告がなされないように設定されています。これにより、当社取締役会による恣意的な発動を防止します。
エ.第三者専門家の意見の取得
独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができます。これにより、独立委員会による判断の公正さ、客観性がより強く担保されます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場環境の変化
当社グループは、主として自動車部品業界で活動し、取引先であります国内及び海外の主要自動車関連メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造並びに販売を行っております。自動車関連メーカーは製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があるため、日本はもとより、主要な市場である北米並びにアジアにおける景気及びそれに伴う需要の変動、あるいは、当社グループ製品の装着率によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動の影響
当社グループは、全世界で幅広く生産、販売活動を行っていることから、当社グループの業績及び財務状況は為替相場の変動によって大きな影響を受けてきております。このため、短期的には一部先物為替予約による、為替リスクヘッジを実施するとともに、中長期的には、世界各地域での原材料、部品の調達体制の整備を進めておりますが、現在のところ、リスクを完全に回避することは困難であり、為替相場の急激な変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原材料の価格変動
当社グループの製品の主要原材料である鋼材及び樹脂の購入価格は、国内及び海外の市況並びに為替相場の変動の影響を受けます。それにより予期せぬ異常な変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)技術革新
自動車業界ではEV等の進展によるバイワイヤ化が進む方向にあり、今後中長期的には、自動車機能の変革、進化が予想されます。当社グループでは、このようなバイワイヤ化の動きに対応した新製品の開発・商品化に取組んでおりますが、今後の技術革新が急速に進展した場合、当社グループが新製品の分野でもコントロールケーブルと同様の高い競争力を維持できるかについては、不確実であります。
(5)知的財産
当社グループは、自社が製造並びに販売する製品に関する特許及び意匠・商標を保有し、もしくは権利を取得しております。これらの知的財産は、当社の事業拡大において過去・現在・将来にわたり重要性は変わりません。この様な知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、また違法に侵害されることにより、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)品質保証
当社グループは品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかしながら、全ての製品に欠陥が無く将来に損失が発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては多額の追加コストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それにより当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外進出に存在するリスク
当社グループは海外(主に北米及びアジア)においても事業活動を行っており、その重要性は高まる傾向にあります。これらの海外進出には以下のようなリスクが考えられます。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④ストライキ等の労働争議
⑤テロ、戦争及びその他の要因による社会的混乱
(8)地震等の自然災害に係わる影響
当社グループでは、生産を維持するため、計画的に工場はじめ各施設の保守、点検に努めておりますが、地震、風水害などで予想を超える災害が発生した場合には、これら施設に甚大な損害が生じ、それにより当社グループの財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)投資有価証券の時価変動
当社グループは、主として営業上の取引関係維持・強化のため、取引先の株式を中心に当連結会計年度において投資有価証券を保有しておりますが、子会社株式及び関連会社株式以外の時価を有するものについては全て時価にて評価されており、株式相場等の時価変動の影響を受けております。なお、その他有価証券について、時価又は実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復の可能性を考慮のうえ減損処理を行うこととしております。それにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、エンジニアリング会社としてさらに研究開発体制の強化拡充を図り、環境、安全をキーワードに多様なユーザーニーズに対応し、自動車分野のみならず医療・住宅関連機器等の非自動車分野に永年にわたって培った技術を応用すべく活動しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発は、主に日本、北米、中国、アジア、欧州の研究開発拠点において、新素材、新技術、新製品の開発を中心に行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費は、総額で39億2千3百万円であります。
1.日本
日本の研究、製品開発におきましては、当社の研究開発グループ、システム設計グループ、ケーブル設計グループ、宇都宮技術センターが担当し、自動車関連、産業機器及び住宅関連機器の新素材、新技術、新製品の開発を中心に行っております。医療関連機器におきましては、医療機器事業部が担当し、同様の開発を行っております。
ケーブルに関する基礎技術開発としましては、高性能潤滑油の開発と併せて表面処理・添加剤の新たな開発により、ディーゼル車やEV車バッテリー等の高温下でも小曲げで使用できる高効率ケーブルの開発に取り組んでおります。
新素材の活用技術につきましては、軽量・高強度・低伸長に対応すべく、ハイテン鋼板、アルミニウム材等に加え複合材である炭素繊維材を使った加工技術の研究を進めております。
また、従来から培った遠隔操作するケーブル技術を進化させ、ロボットハンド操作用ケーブル等、自動車以外の新しい用途にも活用出来るものを目指して、さらに「細く、軽く」を技術開発のトレンドとして、その開発に取り組んでおります。
ウィンドレギュレータにつきましては、自動車の電動化に伴い軽量化のニーズが益々高まり、構成部品の新素材・新構造を適用した開発を進めております。
海外においては、ドアモジュール化の採用が増加しており、高剛性・高強度でありながら軽量化につながる新工法の樹脂製ドアモジュールパネルの開発を行っております。ドア開閉システム・電動パーキングブレーキなどのシステム商品は、より利便性と安全性を向上させた製品を上市すべく、各種センサーと最適制御の開発を進めております。
医療機器開発におきましては、「顧客の期待に即応する」をテーマに取り組んでおります。ワイヤレスマイクロカテーテルは、ガイドワイヤを使用せずとも血管選択が可能であり、治癒時間の短縮が可能で患者の負担を軽くするものです。共同開発した医師とともに、ガイドワイヤレス手技を国内外に広める活動を企業と連携して行っております。人工血管に関しては、体内に埋め込む際にダメージを低減させる機器の開発を進めております。設計時には、現場の医師よりニーズを汲み取り、医師が使い易い、ひいては患者への負担を軽くする設計を第一にしております。
また、株式会社サンメディカル技術研究所においては国内唯一の体内植込み型補助人工心臓システム(EVAHEART)の設計・製造メーカーとして、継続的な製品改良及び新製品として次世代の送脱血管の開発を進めております。小柄な患者にも無理なく植込み可能な次世代の高流量性能小型ポンプの申請状況については、国内及び米国では間もなく申請承認される見込みであり、欧州では審査段階に入り、販売間近に至っております。
日本における研究開発費は15億8千万円であります。
2.北米
北米におきましては、HI-LEX CONTROLS INC.のオートモーティブセンターが担当し、主に北米の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。
北米における研究開発費は5億1千9百万円であります。
3.中国
中国におきましては、重慶海徳世拉索系統集団有限公司が、主に中国の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。
中国における研究開発費は7億5千4百万円であります。
4.アジア
アジアにおきましては、大同ハイレックス株式会社及び大同ドア株式会社が、主に自動車関連のドアモジュール製品を中心としたシステム製品の新技術、新製品の開発を行っております。
アジアにおける研究開発費は7億5千3百万円であります。
5.欧州
欧州におきましては、HI-LEX EUROPE GMBHが、主に欧州の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。
欧州における研究開発費は3億1千4百万円であります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、得意先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
②繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③固定資産の減損
当社グループは管理会計上の単位を資産グループの基礎とし、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングして、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。
④退職給付に係る負債
退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等の多くの見積りが存在します。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、法改正や採用する退職給付制度の変更がある場合、過年度における数理差異の累計は、将来の退職給付に係る負債残高や退職給付に係る調整累計額、退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
⑤製品保証引当金
当社グループは製品に係るクレーム費用の支出に備えるため、クレーム費用の発生可能性を勘案し、将来支出見込額を製品保証引当金として計上しております。支出するクレーム費用は見込と異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末における流動資産は1,349億2千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ239億6千4百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が109億6千7百万円、受取手形及び売掛金が74億8千9百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は1,158億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ230億6千1百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が127億3千6百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,507億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ470億3千4百万円増加いたしました。
②負債
当連結会計年度末における流動負債は591億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ137億6千3百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が62億2千2百万円、流動負債のその他が54億5千6百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は168億4千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億8千3百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債(長期)が35億9千8百万円増加したことによるものであります
この結果、負債合計は、760億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ196億4千6百万円増加いたしました。
③純資産
当連結会計年度末における純資産合計は1,747億6千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ273億8千7百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が96億5千5百万円、その他有価証券評価差額金が71億8千3百万円、利益剰余金が65億1千2百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ9.2%増加の2,572億8千4百万円、経常利益が0.1%増加の167億4千4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が20.2%減少の87億1千5百万円となりました。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
①売上高
当連結会計年度の売上高は2,572億8千4百万円でありますが、これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは主に北米での販売が減少した一方で、中国・アジア地域では増加したことから、前連結会計年度に比べ0.2%増加の859億5千3百万円となり、ウインドレギュレータの販売は、主に欧州の新規連結子会社の売上計上により14.7%増加の783億6千2百万円となり、ドアモジュールは主に欧州の新規連結子会社の売上計上による増加により5.1%増加の712億2百万円となり、その他部門は、主に日本でのシステム製品(パワーリフトゲート等)販売の増加により56.9%増加の217億6千5百万円となりました。
②営業損益
当連結会計年度の営業利益は、主に原材料コストの上昇、生産能力増強に伴う設備償却費の増加、のれん償却費用の発生等の影響により、前連結会計年度(168億8千2百万円)に比べ14.1%減少の145億8百万円となりました。
③営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、主として前連結会計年度で14億9千4百万円の為替差損が発生したのに対して、当連結会計年度では4億9千1百万円の為替差益に転じたこと等の影響により、前連結会計年度(1億5千4百万円の損失(純額))に比べ減少し22億3千6百万円の利益(純額)となりました。
④特別損益
当連結会計年度の特別損益は、主として貸倒引当金繰入額19億1千5百万円、減損損失4億2千万円及び段階取得に係る差損3億3千4百万円の損失が発生した一方で、負ののれん発生益3億6千7百万円が発生したこと等により、前連結会計年度(3億9千7百万円の利益(純額))に比べ減少し21億2千9百万円の損失(純額)となりました。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は474億6千2百万円となっており、前連結会計年度と比較して101億4千3百万円増加しております。これは主に「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
②資金需要について
当連結会計年度におきまして海外における事業拡大に伴い、有形固定資産の取得として116億4千4百万円を支出しております。更なるグローバル化、新製品の開発・拡販が見込まれ、そのために必要な投資は、主に自己資金での充当を予定しております。