第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、「私達は技術の創造を通じて、世界のお客様に信頼と感動を与える商品を提供し、社会に貢献する」を企業理念として掲げております。 
 この企業理念のもと、時代の進化に対応した『グローバル・シート・システム・クリエーター』を目指し、グループを挙げて精力的に取り組んでおります。

  グループがチームとして一体感を保ち、共通の価値観を持って業務を遂行できるようにするために、当社の目指す姿としての『グローバル・ビジョン』“人と社会と共生し、快適で豊かな生活空間を創造し続けることで人々を笑顔にする”を策定しています。

  また、当社のステークホルダーに対する約束であり当社が果たす役割・使命『ミッション』とグループを構成する一人ひとりの心構え・行動を10箇条にまとめた『バリュー』を当社グループ世界14ケ国 69拠点に浸透させ、グローバルメンバーが目線を合せ、同じ方向を向き仕事を進めることに取り組んでおります。

  このような企業活動を展開していくことにより、株主・社員・取引先・社会から信頼され、期待に応え得る企業価値の永続的創造に努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、事業の発展・拡大とともに、グループ競争力を高め、投資効率の高い経営を目指しております。具体的には、新技術の開発・拡販及びグローバル事業の強化による事業成長の確保に努め、合わせて徹底したコスト低減活動を行い、「品質No.1」「連結営業利益率7%」「世界生産シェア7%」を持続的に達成できる企業体質基盤を2020年度中に構築することを目指した中期経営計画『Global Teamwork 2020』を策定し、諸活動を推進しており、2020年度が最終年度となります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループが関連する自動車業界におきましては、二大市場である中国と中南米は、伸びは鈍化しているものの、依然として将来的な需要が見込まれ、また市場規模も大きなことからも売り上げに対しては今後も貢献が見込まれます。

しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響による生産停止や生産減少の波が広がり、先行きについては依然不透明な状況が続くことが予想されます。

 自動運転や電動化については多様な技術革新により、自動車業界を取り巻く環境は大きく変貌しつつあり、技術競争は熾烈を極める状況です。また、競争力を高めるには、将来を見据えた新たな技術開発力やモノづくり力をグローバルで強化していくことが求められております。

 このような環境に対応し、お客様の期待・ニーズに対してフレームを含めたシート開発業務ができ、グローバルで生産できる『グローバル・シート・システム・クリエーター』として、お客様からの信頼をベースに『選ばれ続ける企業』となることが当社グループの目指す方向であります。

 そのために、以下を重点活動方針に掲げ取り組んでまいります。

 

①効率的なモノづくり活動により、お客様にとって価値のある技術・コスト競争力を備えた提案を生み出し、受注に繋げられるマーケティング・販売活動を推進する。

②モノづくり業務プロセスの各々の業務品質の改善、モノづくりチーム一体となったフロントローディング活動の徹底及び適切なプログラムマネジメントにより目標とするQCTを達成した商品とサービスを提供する。

③地域事業本社及び各事業会社における諸活動をより効率的に促進するために、リージョン・グローバル本社機能が連携を深め、スピード感のあるグローバルPDCAサイクルマネジメントを実行する。

 

 また、グローバル競争に打ち勝ち、企業価値を向上させるため、コーポレート・ガバナンスの強化にも取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 業績変動

当社グループの事業は自動車用座席及び座席部品の製造並びに販売であり、特定の自動車メーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーからの受注に基づいて生産・販売を行っております。従いまして、特定の自動車メーカーへの依存度は高くありませんが、販売先である自動車メーカー各社の市場での評価や支持、当社グループの製品を採用した車種の販売動向、あるいは新型車種投入時期により、業績に影響を受ける場合があり、また、売上高及び利益が上期、または下期に偏る場合があります。

さらに、自動車メーカーによる発注方針の変更、生産調整、特定車種の生産工場移管、工場再編等により、業績に影響を受ける場合があります。

また、当社グループはグローバルに事業活動を展開しております。これに伴い、各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算されており、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(2) 製品の欠陥

製品品質については、品質保証体系に基づく全社活動を通して日常管理を行っていますが、当社グループの製品すべてについて欠陥がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては多額の追加コストが発生する可能性があります。また、製造物責任賠償については保険を付保しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を充分カバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストにつながり業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新製品開発力

当社グループは、技術力とコスト競争力に裏打ちされた確固たる『グローバル・シート・システム・クリエーター』としての地位確立が急務であるとの認識から、業界標準たり得る差別化商品・新工法をユーザー及び自動車メーカーに提供するため、長期的視野に立ってシート技術の研究開発活動を展開しております。しかしながら、ユーザーと自動車メーカーの変化を充分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合やタイムリーに提供できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、更には投下資金の負担が業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) グローバル展開

当社グループは、特定のメーカーの系列に属さず、複数の自動車メーカーとの取引を行っていることは前述のとおりです。自動車メーカー各社は各様のグローバル展開を実践し、当社グループは、この施策に追従する必要性が出てきております。生産拠点を設けるにあたっては、予期しない法規または税制の変更、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

(5) 自然災害、事故等

地震・台風等の自然災害、火災等の事故、感染症の発生等により、当社グループの生産活動が停止する可能性があります。これらのリスクに対応するため、防災や事故等の未然防止の取り組み、得意先及び取引先と連携した生産対応策の整備等を進めていますが、影響の規模によっては事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症リスク

今般の新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、当社の海外リスクマネジメント委員会において、従業員及びその家族、行政機関、得意先、取引先等の情報を収集し、従業員の安全を最優先にした対策の徹底、得意先の生産活動への影響を防止するためのサプライチェーンの管理等をグローバルで実施し、新型コロナウイルスによる影響の極小化を図っております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善傾向が続き、緩やかな回復基調で推移しましたが、本年1月以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、社会不安が急速に強まり、先行きが不透明な状況となりました。一方、海外におきましては、長期化する米中の通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国、欧州経済の減速懸念、また新型コロナウイルスの影響など、依然として先行きは不透明な状況が継続しております。

当社グループが関連する自動車業界におきましては、国内市場では昨年10月の消費税増税の影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大で消費が低迷した影響により、販売台数は減少傾向となりました。中国市場では米中貿易摩擦、環境基準の強化、新エネルギー車補助金の削減などの影響を受け、販売台数は前年実績割れが続いていました。米国市場は好景気に支えられ、販売台数は前年並みで推移しましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で新車購入の機会が大きく制限され、減少となりました。また、新興国市場においては、ブラジル市場では引き続き販売台数が好調に推移しましたが、東南アジア市場では販売は鈍化し、減少傾向となりました。

当連結会計年度の主な活動といたしましては、北米でのEVメーカー向け次世代シート開発の本格稼動、メキシコでのトリムカバービジネスの拡大、南米での新規顧客向けの生産開始、上海モーターショー出展に伴う中国市場での拡販など、グローバルで堅実な収益性と売上シェアの向上に努めております。フレーム事業強化のための取組みとしては日本・米州・中国を中心としたタチエスグループの開発から生産まで一貫した対応で、品質及びコスト競争力の強化と一元管理によるオペレーションの効率化に取組みシナジーを創出しております。また中国では浙江泰極愛思汽車部件有限公司と浙江富昌泰汽車零部件有限公司を結合した新会社を設立し、今後、集中生産体制による更なる生産力の強化を実現し、新規受注の獲得と次世代自動車シート部品の生産を目指してまいります。縫製事業においては、グループ一体となり、縫製製造技術力強化へ取組んでおります。

このような経営環境のもと、当連結会計年度における業績は、新規子会社の連結による売上高の増加はあったものの、国内外ともに総じて販売が落ち込み、売上高は2,823億2百万円(前年同期比6.1%減)となりました。また、売上高減少の影響に加え、販売製品構成変化の影響や新型車向け製品の量産準備費用及び研究開発費の増加等により、営業損失は2千7百万円(前年同期は営業利益54億1千1百万円)、経常利益は10億8千万円(前年同期比84.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は15億6千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益19億5千1百万円)となりました。

 

 

  セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

日      本

売上高は1,275億8千4百万円(前年同期比5.1%減)、売上高減少の影響に加え、販売製品構成変化の影響や収益改善活動の遅れ等により営業損失は5億1千5百万円(前年同期は営業利益9億6千8百万円)となりました。

 

北      米

売上高は435億9千1百万円(前年同期比13.4%減)、販売製品構成変化の影響や研究開発費の増加等により営業損失は10億2千1百万円(前年同期は営業損失3億7千万円)となりました

 

中  南  米

売上高は576億2千9百万円(前年同期比3.4%増)となりましたが、販売製品構成変化の影響や新型車向け製品の量産準備費用の発生等により営業損失は21億9千1百万円(前年同期は営業損失13億6千4百万円)となりました。

 

欧      州

売上高は16億7千1百万円(前年同期比46.4%減)、営業利益は6千5百万円(前年同期比104.4%増)となりました。

 

中      国

新規子会社の連結による売上高の増加はありましたが、既存連結子会社の販売落ち込みにより、売上高は482億9千8百万円(前年同期比8.1%減)、売上高減少の影響に加え、販売製品構成変化の影響等により営業利益は39億4千1百万円(前年同期比36.0%減)となりました。

 

東南アジア

売上高は35億2千5百万円(前年同期比19.0%減)、営業損失は4億5千6百万円(前年同期は営業利益1億6千9百万円)となりました。

 

 

セグメントごとの生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日      本

127,361

△5.3

北      米

43,602

△13.6

中  南  米

57,801

3.7

欧      州

1,671

△46.4

中      国

48,305

△7.9

東南アジア

3,532

△18.9

合計

282,275

△6.1

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は販売価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②受注実績

当社グループは主に自動車座席及び座席部品を製造・販売しており、主要な顧客である自動車メーカー各社に対する納品までの期間が極めて短期間であるため、受注高及び受注残高の記載を省略しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日      本

127,584

△5.1

北      米

43,591

△13.4

中  南  米

57,629

3.4

欧      州

1,671

△46.4

中      国

48,298

△8.1

東南アジア

3,525

△19.0

合計

282,302

△6.1

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3  主な相手先別販売実績及びそれぞれの総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

 35,060

 11.7

34,743

12.3

メキシコ日産自動車会社

35,868

11.9

32,492

11.5

三菱自動車工業株式会社

 34,888

11.6

32,086

11.4

トヨタ紡織株式会社

30,508

10.8

東風本田汽車有限公司

31,957

10.6

 

(注) 前連結会計年度のトヨタ紡織株式会社につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   当連結会計年度の東風本田汽車有限公司につきましては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、1,621億7千1百万円と前連結会計年度末に比べ112億6千1百万円減少しております。これは主に、在外子会社においてリース取引を資産計上したこと等により有形固定資産が60億9千6百万円増加したものの、現金及び預金が67億6千6百万円、受取手形及び売掛金が64億6千8百万円それぞれ減少したことによるものであります。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

日      本

総資産は1,021億6千4百万円と前連結会計年度末に比べ47億1千5百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券が減少したことによるものであります。

 

北      米

総資産は413億4千万円と前連結会計年度末に比べ37億4百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が減少したことによるものであります。

 

中  南  米

総資産は344億6千8百万円と前連結会計年度末に比べ23億8千8百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が減少したことによるものであります。

 

欧      州

総資産は22億1千万円と前連結会計年度末に比べ3億6千4百万円の減少となりました。これは主に、売掛金が減少したことによるものであります。

 

中      国

総資産は350億1千2百万円と前連結会計年度末に比べ25億8千4百万円の減少となりました。これは主に、売掛金が減少したことによるものであります。

 

東南アジア

総資産は67億6百万円と前連結会計年度末に比べ12億3千7百万円の増加となりました。これは主に、リース取引を資産計上したことによるものであります。

 

 負債合計は、701億9千万円と前連結会計年度末に比べ57億3千6百万円減少しております。これは主に、支払手形及び買掛金が86億6千2百万円減少したことによるものであります。

 純資産合計は、919億8千万円と前連結会計年度末に比べ55億2千5百万円減少しております。これは主に、その他有価証券評価差額金が21億7千3百万円減少したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、299億2千9百万円と前連結会計年
度末に比べ77億9千7百万円(20.7%)減少しました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1億9千8百万円であり、前連結会計年度と比べ8億7千4百万円(81.5%)減少しました。これは主に、売上債権の減少により94億7千3百万円資金が増加したものの、税金等調整前当期純利益の減少により54億2百万円、仕入債務の減少により76億5千万円資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、77億2千6百万円であり、前連結会計年度と比べ22億3千万円(40.6%)増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が20億円増加したことによるものであります。

 

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、1億1千7百万円であり、前連結会計年度と比べ44億4千3百万円(前連結会計年度は43億2千5百万円の支出)増加しました。これは主に、長期借入により105億円資金を調達したことによるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 

当社グループは営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、自己資金及び金融機関との間で締結した短期借入枠により資金の流動性を十分に確保しております。また、設備投資資金については、投資計画に基づき自己資金及び長期借入による資金調達を基本方針としておりますが、これらを機動的、効率的に運営することで金融コストの削減及び長期短期のバランスも考慮した安定調達と財務の健全性の確保に努めております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

①貸倒引当金

当社グループは債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については主として貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

②退職給付に係る資産・負債

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の長期期待運用収益率など多くの見積りが含まれており、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、または法改正や退職給付制度の変更があった場合、その影響は累積されて将来にわたり規則的に認識されることとなり、将来の退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。

③繰延税金資産

当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたって、将来の課税所得を合理的に見積っております。見積りに変動があった場合、繰延税金資産の調整により、利益に影響を与える可能性があります。

④有価証券の評価

当社グループは価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損が発生し、利益に影響を与える可能性があります。

⑤固定資産の減損

当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。

 

なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を慎重に検討し、会計処理を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症による影響」及び 「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症による影響」をご参照ください。 
 

 

 

(5) 経営上の目標の達成状況

2020年の基盤構築を目指した当社の中期経営計画『Global Teamwork 2020』は4つの戦略である『受注戦略』『モノづくり戦略』『プログラムマネジメント戦略』、そして土台となる『コーポレート・ガバナンス戦略』を核に活動し、お客様の信頼をベースに『選ばれ続ける企業』を目指して戦略的かつ精力的に海外展開にも挑戦してまいりました。現在、更なるグループのグローバル発展に向けて、関係会社や業務提携メーカーとも連携し、共同開発や海外での部品共通化や生産拠点の相互活用により、価格競争力や電動化・自動化に求められる技術開発力、グローバル供給体制等の強化を推し進めています。当連結会計年度の成果として、品質面では顧客からの品質賞や開発賞、日本及び米国市場調査においては高評価を獲得しております。また、北米でのEVメーカー向け次世代シート開発の本格稼動、メキシコでのトリムカバービジネスの拡大、南米での新規顧客向けの生産開始、上海モーターショー出展に伴う中国市場での拡販など、グローバルで堅実な収益性と売上シェアの向上に努めております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、社会・経済環境が大きく変化していく中、長期的視点に立ちシートに関連する技術のトレンドを的確にとらえ、ユーザー及び自動車メーカー(関連メーカー)各社のニーズに積極的に応える新製品、新工法を提供するため、競争力ある商品の開発、基盤技術・先行技術開発の推進を重点に研究開発活動を展開しております。
  新製品の開発及び新技術の基礎研究は、主に国内の開発拠点を中心にグローバルでの開発拠点の相互補完体制を構築、関係会社㈱TF-METALの機構部品開発も含めて、『グローバル・シート・システム・クリエーター』として、世界的レベルでの研究開発を視野に入れた活動を進めております
 なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は5,554百万円であり、主として日本で発生したものであります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

日      本

開発業務の効率化を図るために、技術・モノづくりセンターを中心として、コア技術を日本で確立・標準化し、世界に展開することにより、世界同一品質の実現と低コスト化を推進しております。

主たる成果は以下のとおりであります。

①シート及びオリジナル機構部品開発

自動車用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、リフター装置、パワーシートデバイス、シートアレンジデバイス、ロングスライドレール及びその付属機構等を含めた開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ提案し採用されております。

②安全性向上技術開発

サイドエアバック組込シート、スマートエアバック対応乗員検知式シート、頸部傷害軽減構造等の開発をシートシステムとして行い、得意先各社へ提案し、採用されております。また前後面、側面衝突時の荷重入力に対応した安全シート構造の研究開発を行っております。

③環境対応技術開発

各種環境負荷物質の全廃に向けての対応や、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ軽量シートの開発等を行い、得意先各社へ提案し採用されております。

④福祉車両商品の開発

福祉車両用に、乗降が容易にできるシートの開発を行い、得意先各社へ提案し採用されております。

⑤原価低減商品の開発

市場環境変化のスピードへの対応として、開発期間短縮のニーズを反映した積極的な取組を行い、また、標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発し、国内外の得意先各社に採用されております。

⑥生産技術開発

接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等、活発な技術開発を展開しております。また、多品種少量生産に対応した混流ラインを開発し、車種数や商品構成の増加に対応することにより、時代のニーズにお応えしております。

⑦シートの研究分野

より快適なシートを開発すべく、「座り心地」評価と、あるべきシートの構造方式、および快適性向上について自主研究を継続して行っております。さらに、CAE解析によるバーチャル試験技術の開発により、開発期間短縮、コストダウン等に貢献しております。

⑧シートデザインの開発

将来シートコンセプト、新商品のデザイン開発、コーポレートデザインなどシートを含めタチエスに関するあらゆる分野のデザイン開発にタチエス独自で取組んでおります。また、国内外得意先各社へ、シート製造要件を織り込んだデザイン提案をし、採用されております。

⑨標準フレーム

グローバルで多様な車種で共通して使うことが出来る汎用性が高く、軽量、低コストの標準フレームをタチエス独自で開発し、得意先各社へ提案し採用されております。

 

 

北      米

米国ミシガン州にTACHI-S Engineering U.S.A., Inc.を構え、主に、米国内での各自動車メーカーの新製品開発に独自に対応し、米国やメキシコでの量産化に貢献しております。

 

中  南  米

メキシコ アグアスカリエンテス州にTACHI-S Engineering Latin America, S.A. de C.V.を構え、開発拠点および中南米地域における地域統括会社として、主に米国やメキシコでの量産化に貢献しております。

 

欧      州

フランス ムードン・ラ・フォレ市にTACHI-S Engineering Europe S.A.R.L.を構え、欧州での営業、開発拠点として体制の強化を図っております。

 

中      国

中華人民共和国広東省広州市に泰極愛思(中国)投資有限公司、同河南省鄭州市に泰極愛思(鄭州)汽車座椅研発有限公司を構え、現地で開発し得意先へ提案できるよう体制の強化を図っており、中国生産車種のマイナーチェンジへの対応や、今後の中国国内の自動車メーカーからのご要望にお応えしております。

 

東南アジア

ベトナム ホーチミン市に開発拠点としてTACHI-S Engineering Vietnam Co., Ltd.を構え、設計開発強化を進めております。