第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はない。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約は次のとおりであります。

 

契約会社名

相手方

契約の内容

契約締結日

名称

国籍

三菱自動車工業株式会社

(当社)

日産自動車株式会社

 

日本

 

日産自動車との資本業務提携に関する契約

平成28年5月25日

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

当第1四半期連結会計期間の当社グループの業績は、売上高は、4,287億円(前年同期比△718億円、同△14%)となった。営業利益は、日本での燃費不正問題による軽自動車の生産・販売停止によるマイナス影響や市場措置費用の増加などにより、46億円(前年同期比△140億円、同△75%)となった。経常利益は、44億円(前年同期比△197億円、同△82%)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、燃費試験関連損失として特別損失1,259億円を計上したことなどにより、△1,297億円(前年同期比△1,537億円)となった。

当期の販売台数(小売)は、合計で221千台(前年同期比△41千台、同△16%)となった。

地域別には、日本では登録車は前年同期並となったが、生産・販売停止の影響により、軽自動車は前年同期を大きく下回り、10千台(前年同期比△8千台、同△43%)となった。

北米では、『アウトランダー』を中心に販売が好調に推移したことなどにより、37千台(前年同期比+2千台、同+5%)となった。

欧州では、経済停滞の続くロシア市場で販売台数が落ち込んだものの、西欧で『アウトランダー』の販売が増加したこともあり、欧州全体では47千台(前年同期比△8千台、同△15%)にとどまった。

アジアでは、インドネシアで『パジェロスポーツ』の販売が好調に推移したことや、タイやフィリピンで『ミラージュ』、『アトラージュ』の販売が増加したことなどから、アセアンで50千台(前年同期比+1千台、同+3%)となった。一方、中国は昨年10月から始まった小型車減税の対象車が少なく、北アジアで21千台(前年同期比△8千台、同△27%)となった。その結果、アジア全体では71千台(前年同期比△7千台、同△8%)となった。

その他地域では、市場の景気低迷により中東・アフリカ、中南米で販売が伸び悩み、56千台(前年同期比△20千台、同△26%)となった。

 

当社及び連結子会社の所在地を基礎として区分した業績(注)は次のとおりである。

① 日本

売上高は、燃費不正問題に伴い、売上台数が減少したことなどにより、3,666億円(前年同期比△283億円、同△7%)となり、営業利益は売上台数の減少及び市場措置費用の増加などにより△229億円(前年同期比△212億円)となった。(減収、減益)

② 北米

売上高は、売上台数は増加したものの、為替影響などにより、728億円(前年同期比△76億円、同△9%)となり、営業利益は22億円(前年同期比△20億円、同△46%)となった。(減収、減益)

③ 欧州

売上高は、売上台数の減少、為替影響などにより、148億円(前年同期比△31億円、同△17%)となり、営業利益は18億円(前年同期比△5億円、同△23%)となった。(減収、減益)

④ アジア・オセアニア・その他地域

売上高は、売上台数の増加などにより、2,239億円(前年同期比+15億円、同+1%)となり、営業利益は利益率の良い車種の増加などにより211億円(前年同期比+96億円、同+84%)となった。(増収、増益)

 

(注)売上高、営業損益は連結財務諸表の注記事項(セグメント情報等)の補足情報の内容を記載している。具体的には、日本については当社及び国内連結子会社、海外については、各地域に所在する海外連結子会社の業績を説明している。

 

(2)財政状態

当第1四半期連結会計期間末の総資産は1兆2,853億円(前年度末比△1,484億円)となり、そのうち現金及び預金は4,166億円(前年度末比△368億円)となった。負債合計は7,646億円(前年度末比+163億円)となり、そのうち有利子負債残高は、395億円(前年度末比+124億円)となった。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上や配当金の支払いなどにより5,207億円(前年度末比△1,647億円)となった。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 当社製車両の燃費試験における不正行為

平成28年4月に当社製車両の燃費試験において不正行為が行われていたことが判明した。

この問題に関し、当社は、客観的かつ徹底的な調査を行うため独立性のある外部有識者による特別調査委員会を設置し、事実関係の調査を進め、8月2日に調査結果を公表した。当社は、本件を最優先すべき事項として対応し、今後の再発防止策を講じてゆく。また、当社は、該当車種のユーザー及び全て関係者に対して誠実に対応する所存である。

② 経営戦略

グローバル化する自動車産業においては、成熟国地域における燃費と排ガス浄化の両立、高度なIT技術を要する予防安全技術の高度化、コネクティッド・カーのような付加価値に関わる性能の向上が求められており、将来において更なる研究開発の高度化、長期化、開発競争の激化が予想される。具体的には、環境規制は、成熟国市場・新興国市場を問わず規制が強化されることが予定されている。当社においても、環境規制を満たすための内燃機関車の研究開発や、電気自動車・プラグインハイブリッド車の商品力強化に向けた研究開発費及び設備投資の増加が見込まれる。また、高度化した予防安全技術やコネクティッド・カーといった領域では、大規模な自動車部品・電機メーカーから高付加価値な部品を購入するために、これまで以上に長い開発期間と大規模購入が必要となる。

当社は、平成28年5月12日付で日産自動車株式会社(以下「日産自動車」という。)との間で資本業務提携の実現に向けて協議・検討を進めていくことに関する基本合意書(Basic Agreement)(以下「本基本合意書」という。)を締結し、日産自動車に対する第三者割当による新株式の発行を決定した(以下「本第三者割当」という。)。また、本基本合意書に基づき、平成28年5月25日付で日産自動車との間で戦略提携契約(Strategic Alliance Agreement)(以下「本提携契約」という。)を締結した。当社による本第三者割当及び日産自動車による引き受けに係る条件は、本提携契約に従うものとしており、本第三者割当において発行される予定の株式数は506,620,577株、発行価額の総額は2,373億円である。本第三者割当が実施された場合、当社の総議決権に対して日産自動車が保有することとなる当社普通株式に係る議決権割合は34%となる。

当社グループは、日産自動車との間で資本関係を含む強固な提携関係を構築することによって、ルノー・日産アライアンスの一員として当社グループのブランド及び信用の回復を図り、また、ルノー・日産アライアンスの中で商品・技術開発領域の一体運用を行うことで、開発資源を有効活用し、商品力の強化と高付加価値部品を中心とした部品購買の効率性強化を図りたいと考えている。具体的には、本提携契約において、既存・新規・将来の技術に係る研究開発、車両・予備部品及び付属品を含めた製品の開発、商品及びサービスの購入、製品の製造、当社と日産自動車の各ブランドを守りながら行う、販売金融やアフターサービス等の製品・技術及びサービスに係る流通・販売及びマーケティング、風洞設備等の研究開発施設や専門設備・車両組立工場・倉庫施設・流通設備・販売網・知的財産権等の、車両サプライチェーンの全ての段階における資産の共同利用、共同研究開発、共同購買、製品の相互製造・相互供給、製品のOEM、相手方の顧客に対するサービスや製品の供給、両社間の役員交流、最善な業務慣行の共有、相手方製品の評価といった項目において業務提携を推進することを日産自動車との間で合意している。

当社は、平成12年、平成16年の品質問題を機に、「コンプライアンス第一」、「お客様第一」、「安全第一」を掲げ、平成14年の品質問題においては、「カスタマーファースト・プログラム」を設定し、品質問題の再発防止のため社内ルールの整備や業務プロセスの見直しなど、各種改革に取り組んできた。しかしながら、今般、当社製車両の燃費試験に不正行為があったことが判明した。過去の不祥事後もなお、企業倫理遵守を徹底することができていなかったと言わざるを得ない状況である。燃費試験における不正行為を含む不祥事は開発部門を中心に生じていたことから、日産自動車から、開発部門のトップの派遣を含めた人的・技術的支援を受け、開発部門の改革を進めると共に、組織体制および業務プロセスを抜本的に見直し、社員教育の強化を図り、不退転の決意で社内改革を進めてゆく。

以上の取り組みにおいて当社グループは、コンプライアンスを最優先に考え、顧客や社会からの信頼を一日でも早く回復できるよう、経営体制の再構築に向けて不断の努力を続けてゆく。また、内部統制・ガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的な改革を行うことで、一層のガバナンス強化を図り、法令の遵守、業務執行の適正性・効率性の確保等に向けた改善、充実に努めてゆく。そしてこれらの取り組みを通じて企業の成長と企業価値向上を実現できるよう取り組んでゆく。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、12,295百万円である。

 なお、平成28年4月に当社製車両の燃費試験において不正行為が行われていたことが判明し、開発部門の改革や組織体制および業務プロセスを抜本的に見直し、社員教育の強化を図るなどの再発防止策を検討、実施している。また、平成28年5月25日付で日産自動車との間で戦略提携契約を締結し、開発資源の有効活用、商品力強化と高付加価値部品を中心とした部品購買の効率性強化、既存・新規・将来の技術に係る研究開発、研究開発施設の共同利用などを検討している。

 

(5)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

 当第1四半期連結累計期間における生産実績は次のとおりである。

 

第1四半期連結累計期間

数量(台)

第1四半期連結累計期間比(%)

国 内

99,921

71.5

海 外

127,084

91.4

合計

227,005

81.4

 

② 販売実績

 当第1四半期連結累計期間における販売実績は次のとおりである。

セグメントの名称

第1四半期連結累計期間

第1四半期連結累計期間比(%)

数量(台)

金額(百万円)

数量

金額

自動車

221,362

428,732

84.5

85.7

合計

221,362

428,732

84.5

85.7

(注)1. 上記金額は、消費税等を含んでいない。

      2. 当第1四半期会計期間より報告セグメントを「自動車事業」の単一セグメントに変更している。なお、第1四半期連結累計期間比については、前第1四半期累計期間の数値を組替えて算定している。

 

なお、前連結会計年度の有価証券報告書提出日時点において、燃費試験で不正の有った軽自動車4車種の生産及び販売を一時停止していたが、平成28年7月4日に生産を再開、5日には販売を再開した。