第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

足許の環境変化を踏まえた経営課題の認識と、今後の経営戦略の考え方は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)経営環境

当事業年度にコロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ世界の自動車需要は、元の水準まで回復しないものの、各国の景気刺激策の後押しもあり、2021年度において一定の回復はみられると予想しております。しかしながら、足許では、新型コロナウイルス感染症の収束の不透明感、材料市況の高騰、半導体供給不足を主とするサプライチェーン途絶リスクが浮上しており、当社を取り巻く事業環境は引き続き不安定な状況です。

 

 (2)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題

このような不透明な外部環境の下、当社グループは収益基盤の強化と黒字化の達成を図るべく、引き続き中期経営計画「Small but Beautiful」に沿って、構造改革等の施策を進めてまいります。

 

  <当社グループが目指す姿>

当社グループは、中長期的な持続的成長に向けて、「三菱自動車らしさ」の再定義を行いました。当社グループが目指す姿、つまり「三菱自動車らしさ」とは、環境を軸とした、安全・安心・快適であると考えております。具体的には、当社が強みを持つ①電動化技術と、②オフロードの高い走破性を持ったSUV技術、そして、③機能的で愉しい空間での快適性能を、お客様に体感して頂けるようなクルマづくりをしていくことを想定しております。

当社グループの電動化技術の根幹にあるプラグイン・ハイブリッド技術は、急速に普及する脱炭素社会への最適解として大きな武器となる可能性を有しております。このプラグイン・ハイブリッド技術を、どのような道路環境においても高いパフォーマンスを維持できるSUVに搭載することによって、電欠を気にすることなく、どこまでも走れる走行性能を持つ、唯一無二のモデルとして、訴求していきたいと考えております。

また、当社グループには、アライアンスと独自技術による様々なオプションを選択できるという強みがあります。幅広いコンポーネントのオプションを組み合わせることで、それぞれの国や地域のニーズに合致させ、三菱自動車らしさを加味した魅力的なクルマづくりを順次展開してまいります。

さらに、当社グループは、電動技術を搭載した製品を通じて、あらゆるユーザーの皆様の環境への取り組みに対し、様々な価値を提供していきたいと考えております。例えば、法人に向けては、事業運営に関わるCO2削減や、緊急時の電力の供給源としてご提案できると考えております。自治体に向けては、災害時における電力の供給源や、本格化するワクチン輸送時の電力サポートなどの付加価値提供が実現できると想定しております。消費者の皆様に向けては、個人レベルでのSDGs(持続可能な開発目標)実現にお役立ていただけるだけではなく、災害時における電力の供給源としてご活用いただけます。

加えて、地域への貢献として、二次的な活用としてのV2Xの取り組みを進めております。具体的には、電動車両を電力の調整リソースとして活用する実験をしており、今後ビジネスとして発展させたいと考えております。

 

グローバル自動車需要は、先進国を中心に徐々に回復してきているものの、我々を取り巻く環境は引き続き厳しく、不透明な状況です。そういった環境下においても、当社グループは中期経営計画「Small but Beautiful」を確実に実行し、経営基盤を一層強固なものにしてまいります。

 

  <地域戦略>

コア地域であるアセアンやオセアニアでは、さらなるシェアアップや販売拡大の為、それぞれの国に適した取り組みを行ってまいります。

まず、当事業年度においてコロナ禍で激しい競争に晒されたタイ・フィリピンにつきましては、2021年度も厳しい市場環境状況が続くと想定しており、それぞれの課題に対する対応は実施しているものの、シェア奪回には一定の時間を要すると認識しております。これらの地域では、厳しい環境の下、反転攻勢の準備として、販売ネットワークの強化を加速いたします。

一方で、堅調な市場回復が見られるインドネシア、エクスパンダーやトライトンが好調に推移し、売上・利益ともに拡大を続けるマレーシア、著しい市場拡大の中、当事業年度に過去最高販売台数を記録したベトナム等は、2021年度も好調な販売モメンタムが続くと想定しており、そういった地域では、需要の増加を確実に捕捉すべく拡販に努めます。

また、当事業年度において過去最高のマーケットシェアを達成したニュージーランド、為替の影響もあり好調に推移しているオーストラリアでは、発表以来高い評価を頂いている新型『アウトランダー』や『エクリプス クロス』PHEVモデルの投入などを通じ、さらなる販売台数の拡大を図ります。

このように、厳しい環境が続く国ではやるべき施策を着実に実行し、オポチュニティが期待できる国では機会をしっかりと捉えてまいります。

 

  <商品戦略>

当社グループは、現在、2022年度以降のさらなる商品ラインナップの充実に向けて、開発を加速させております。アセアンでは、次世代型のトライトンを皮切りに、当社の既存商品の刷新、ラインアップの強化を図り、更にはアセアンプラットフォームを活用した全く新しい商品を、計画通り順次市場に投入してまいります。これらにより各セグメントでのラインアップを充実させ、当社のブランドをさらに強化いたします。

 

  <固定費削減>

固定費削減につきましては、当初の想定以上に進捗し、2年間で20%以上の削減計画を1年前倒しで当事業年度に達成することができました。当事業年度に取り組んだ多くの施策は、2021年度も通年で効果を発揮する見込みです。

一方で、当社グループの新車投入向けの広告宣伝費や2022年度以降市場投入が予定されている新商品開発など、成長に向けた投資は必須です。2021年度におきましては、それらの投資を積極的に行いつつ、構造改革による固定費削減の通年貢献効果で打ち返し、費用総額を当事業年度並みに抑制してまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると経営者が認識しているリスクには以下のようなものがあります。ただし、以下は当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、当社グループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)市場及び事業に係るリスク(オペレーショナルリスク)

① 新型コロナウイルスの感染拡大の影響

昨年初めより、世界的に感染が広がった新型コロナウイルス感染症については、外出規制などの感染拡大防止策による経済活動の制限により、世界経済及び自動車需要に大きな影響を及ぼしました。

足許では、ワクチン接種が始まり徐々に落ち着きを取り戻しつつありますが、当社が主力地域とするアセアンなどの一部の国では、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大などにより依然厳しい状況が続いており、未だ予断を許さない状況です。今後、同感染症の世界的な再流行等により、新たな外出規制やサプライチェーンへの影響が発生し、想定を上回る経済活動の停滞が続いた場合、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定調達先への依存の影響

当社グループは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しております。より高い品質、技術をもったものをより競争力のある価格で調達しようとする場合、発注が特定の調達先に集中することがあります。また特別な技術や性能を要する材料、部品等については、供給可能な調達先が限定されることがあります。そのため、予期せぬ事由によりそれらの調達先からの供給が停止した場合又は適時に競争力のある価格で調達ができない場合、当社製品の生産停止やコストの増加をもたらし、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

またこれらのリスクは、一次調達先、及び二次以降の調達先における予期せぬ事由の他に、自然災害や火災、テロ等の非常事態、新型コロナウイルス感染症などの感染症の流行などの影響により顕在化する可能性があります。この為当社グループは一次調達先と連携し、一次調達先、及び二次調達先以降を含むサプライチェーン情報の収集・更新していくことで、これらリスクが顕在化した際に迅速に対応し、この影響を抑えるように努めております。

足許では、世界的な半導体の供給不足が、当社を含めて自動車の製造に大きな影響を及ぼすことが予測されております。当社としては、サプライチェーンとの連携を強化し、影響を極小化すべく努めておりますが、想定を上回る需給の逼迫やこの影響が更に長期化した場合には、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 製品の原価変動の影響

当社グループは、多数の取引先から原材料及び部品等を購入し、製品の製造を行っております。また、パラジウムやロジウムなど、産出量が少ないだけでなく、産出が特定の国や地域に限られる希少金属も使用しているため、需給状況の急激な変動や、災害、産出国における政情の変化等のリスクにさらされており、材料価格の上昇は、部品代や製造コストの上昇につながります。市況変動については、アナリストなどの情報を元に先行き見通しを可能な範囲で予測を行い、当社収益への影響を織り込むようにしておりますが、予測を超えた需要及び市況変動により当社製品の製造原価が上昇した場合、当社グループの経営成績又は財政状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 製品の品質・安全性の影響

当社グループによる製品の品質向上及び安全性の確保の努力にかかわらず、製品の欠陥又は不具合によるリコール又は改善対策等が大規模なものとなり、又は大規模な製造物責任を追及された場合には、多額の費用負担、当社製品への評価及び需要の低下等により、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

経営への影響を低減するために、製品品質の改善については市場からの情報に基づき関連部門が連携して迅速に原因究明及び対策を実施すること、また、潜在リスクの検証を適切に行うことに努めています。

 

⑤ 訴訟等の影響

当社グループが、事業を遂行していく上で、ユーザー、取引先や第三者との間で訴訟等が発生し、また規制当局による法令順守に関する調査の対象となり、それらの結論によっては、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、現時点で係争中の訴訟等についての判決等が当社グループの主張や予測と異なる結果となった場合、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、製造物責任に関する損害賠償請求又は訴訟において原告側が勝訴した判決による債務及び訴訟費用について、製造物責任保険で十分にカバーできるような保険に加入していますが、当社の想定を越えた内容の判決が出た場合、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

個別の訴訟等について、当社は、2010年2月20日、当社のエジプトにおける旧販売会社であるMASRIA Co., Ltd(以下「原告」)から、当社による同社との販売店契約の解約について、9億米ドルの損害賠償請求を含む訴訟(以下「本訴訟」)を提起されております。本訴訟につき、2010年10月26日に第一審裁判所、2012年7月3日に控訴審裁判所において、それぞれ、本訴訟の裁判管轄がエジプトの裁判所にはないことを理由として原告の訴えを却下する旨の判決がありましたが、原告がこれに対し、2012年7月21日付でエジプト最高裁判所に上告したため、本訴訟は上告審に係属中であります。

本訴訟の裁判管轄がエジプトの裁判所にないことは、前記販売店契約上明らかであること、また、実質的にも、当社による販売店契約の解約は、当該契約の定めに従ってなされた合法的なものであり、原告の請求原因には合理性がないことなどから、現時点において、本訴訟は当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼすものではないと判断しております。

 

⑥ 法規制等の影響

当社グループは、事業を展開する各国において排出ガス、燃費、騒音、化学物質、リサイクル、水資源等の環境に係る様々な法律や政府による規制の適用を受けています。当社グループが当該法規制に適応し又はこれを遵守できない場合、またそれにより制裁を受けた場合や改正・強化された新たな規制への適応又は遵守のために多額の費用が生じるなどの場合には、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、上述の法規制以外にも、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、労働規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法、独占禁止法、贈収賄防止法など内外の広範な法令の適用を受けております。当社グループの事業は、場合によっては、十分に整備されていない法基盤の下で遂行されることがあり、又は包括的な法令体系の欠如や、一貫性のない法令の適用及び解釈、監督当局による規制措置の一方的変更などに対応する費用負担が増大することがあります。また、これらの事業が供給する製品或いはサービスに賦課される税率、環境規制に係る技術的要件、所得税及び関税、投資元本及び配当の還流に関する為替規制などの諸法令などについて、予想外の変更が行われることがあります。

これらの法令に対応するため、当社グループは、法令等の遵守体制を整え、各担当部門が未然防止の対策を講じております。さらに、当社グループの従業員として厳守すべきことを「三菱自動車グローバル行動規範」として定め、グループで統一的に運用するなど、社内ルールの浸透と徹底、規範遵守の企業風土の醸成と、そのための社内体制や仕組みの構築を推進するとともにコンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える悪影響が発生する可能性を低減するよう努めております。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には、当社グループのコンプライアンス・レピュテーションに悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 知的財産権侵害の影響

当社グループは、他社製品との差別化のため、技術・ノウハウ等の知的財産を保護するとともに、第三者の知的財産権に対する侵害の予防に努めております。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似商品を製造・販売することや、世界各国における法規制上、当社グループの知的財産権の保護に限界があることで販売減少や訴訟費用が発生した場合、あるいは、当社グループによる予期せぬ第三者の知的財産権侵害のために製造販売の中止、賠償金支払、当社製品への評価及び需要の低下等が生じた場合、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 情報技術及び情報セキュリティの影響

当社グループの運営や製品及びサービス等に利用する情報及びこれを保存するネットワークやシステム等の情報技術は、委託先によって管理されているものを含め、多岐にわたります。コネクティッドサービスやIoT技術の進展を踏まえ、当社グループは、ハードウェア及びソフトウェアの安全管理対策を実施しております。それにもかかわらず、社外からのサイバー攻撃や当社グループ内部若しくは委託先での管理不備ないし人為的な過失により、当社技術情報等の機密情報・個人情報等の漏えい、重要な業務やサービスの停止、不適切な事務処理、又は重要データの破壊・改ざん等が発生し、当社グループのブランド・イメージや社会的信用の低下、販売の減少、法的請求、訴訟、賠償責任又は制裁金や罰金の支払義務が発生し、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業戦略や競争力維持に係るリスク(戦略リスク)

① 営業戦略、競合他社動向への対応の影響

自動車業界では現在、世界的な規模で激しい競争が展開されています。また、新興企業の台頭や次世代技術開発に係る異業種からの参入などを背景に、今後さらに競争が熾烈化する可能性があります。当社グループは、厳しい競争環境においても持続的な成長を実現すべく、「選択と集中」の基本概念に沿って、主力地域のアセアンやオセアニアを中心とした地域戦略を進めるとともに、当社グループが強みを持つ電動化技術やSUV技術をベースとした商品・技術開発に注力し、販売台数やマーケットシェアの維持拡大に努めています。然しながら、今後、そういった戦略が想定通りに進まず、競合他社に対して優位な施策を講じることが出来ない場合などにおいて、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 商品・技術開発の影響

脱炭素化に向けた世界規模での急速な動き、カーシェアリング化伸長の傾向、また特に日本ではドライバーの高齢化が進むなど、自動車メーカーに求められる技術や姿勢が急激に変化している中においては、お客様の価値観とニーズに対応した有用かつ現実的で使いやすい新技術や新商品を、三菱自動車ならではの魅力を加味した上で、タイムリーに投入することが重要と考え、開発に日々取り組んでいます。しかし、きめ細かな調査に基づく研究・開発であっても、お客様の価値観とニーズを十分にとらえることができない可能性があります。また、お客様の価値観とニーズを十分にとらえることができたとしても、内部・外部的な要因により、新技術や新商品を、タイムリーに開発しお客様に提供することができない可能性があり、その場合には、販売シェアの低下から、売上高と利益率の低下を引き起こすリスクがあります。

また、当社は、主力地域であるアセアンを中心に将来のニーズを予測し、優先順位をつけ、新技術の開発に投資していることで、その他地域における環境の変化やニーズの変化との間にアンマッチが生じ、アセアン地域以外のお客様にその新技術が受け入れられない可能性があり、その結果、上記同様に、販売シェア低下から、売上と利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループが開発する技術は、世の中のニーズに即し、有用かつ現実的で使い易いものでなくてはなりません。この目的のため当社グループは、主力地域であるアセアンを中心に将来のニーズを予測し、優先順位をつけ、新技術の開発に投資しています。しかしながら、予測を超えた環境の変化や世の中のニーズの変化、相対的な開発競争力の低下により、最終的にお客様にその新技術が受け入れられない可能性もあり、その結果、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 人事労政戦略の影響

当社グループは、業界を取り巻く激しい環境変化に対応し、持続的な成長を実現していくために、高度な専門性を持つ人材の確保と、活躍機会の提供が極めて重要であると考えています。そのために、要員構成の是正による適切な人員配置、役割に基づいた処遇制度の整備、多様な働き方を支える風土の醸成と、個々の成長を促す仕組みづくりを推進しています。

しかしながら、採用難や労働市場の流動性の高まりにより、計画通りの採用や定着化が進まなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 気候変動の影響

産業革命以降の世界の気温上昇を受けて、2015年にパリ協定が採択され、世界全体で平均気温の上昇を抑える努力をするように定められました。昨今、日本、米国、欧州各国などが2050年カーボンニュートラルを宣言するなど、グローバルで脱炭素社会に向けた動きが加速しています。

当社グループは、2018年にマテリアリティ(重要課題)を特定し、気候変動・エネルギー問題への対応を最重要課題の一つに掲げており、2020年10月には中長期的な方針と目標を「新環境計画パッケージ」として策定するとともに、排出ガスの少ない自動車や電動車の開発、事業所での省エネ活動、再生可能エネルギーの活用促進などに努めております。

気候変動が進行した場合、気象災害による工場の操業停止などの物理的リスクにより、当社グループの経営成績又は財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルに気候変動対策が進み、当社のマーケットである国・地域において、燃費/CO2排出規制や電動車販売比率の規制等の更なる強化・導入が進んだ場合、これに対応するための投資や規制不適合による市場からの撤退などの移行リスクにより、当社グループの経営成績又は財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)金融・経済に係るリスク(財務リスク)

① 為替変動の影響

円と外国通貨の為替相場が変動すると、外貨建資産(売掛金等)や外貨建負債(買掛金等)の価値が増減し、円ベースの損益が変動します。円高になると外貨建債権の価値は低下し、円安になると増加します。外貨建負債ではその逆となります。海外売上高比率が約8割を占める当社グループでは米ドル、ユーロ、豪ドル等の外貨建債権を有しております。更にタイ子会社にてグローバルでの輸出生産を行っており、タイバーツを中心に外貨建債務も有しております。2020年度は、前連結会計年度比、米ドルに対し、4円の円高となった一方、ユーロと豪ドルに対してはそれぞれ3円、2円の円安となり、また外貨建債務のタイバーツ安もあり、合計37億円の連結営業利益改善要因となりました。

現在、インドネシア生産車の輸出、タイ生産車の現地販売拡大等、為替影響低減のために必要な措置を適宜進め、中長期的に為替相場変動の影響削減に取り組んでおりますが、引き続き大幅な為替変動が当社グループの経営成績や事業計画の実現に大きく影響する可能性がある状況です。

 

② 顧客、取引先等の信用リスクの影響

当社グループは、販売業者や、販売金融事業による顧客・リース先等の取引先の信用リスクを有しております。

販売業者等の取引先については、カントリーリスクや取引先の財務状況に対する継続的な評価を行い適切な債権保全を図ることで、信用リスクの抑制に努めており、また、販売金融事業においては、独自の審査・回収管理を行うことで、破綻の発生並びに回収不能額の抑制に努めておりますが、外部環境等の悪化に伴い、かかる信用リスクに基づく損失が当社グループの想定を上回る場合には、当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 資金の流動性の影響

当社グループは、金融機関からの借入に加え、CPの発行等により資金調達を行っています。しかしながら、経済・金融危機等の発生もしくは当社グループの信用格付けの引き下げ等により、金融市場から適切な条件で必要とする金額の資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、未使用のコミットメントライン約1,500億円に加えて、今年度には、単体において新たに2,000億円の資金調達を行うと共に、海外子会社においても約1,000億円の資金調達枠の設定や資金調達を実施し、十分な流動性を確保しておりますが、そのような事態に対処するため、メインバンクをはじめ取引金融機関との良好な関係性の維持に努めております。

 

(4)事業の継続に係るリスク(ハザードリスク)

① 自然災害や事故、感染症等の影響

当社グループは、日本及び世界各地に製造拠点等の設備を有しており、当該各地で大規模な地震・台風・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症の発生により、当社グループ又はその取引先の操業の中断等の重大な支障をきたす場合があります。これらは発生可能性が高く、当社グループ事業へ影響が大きいと想定されるシナリオに基づき、BCM委員会において事業継続計画を策定するとともに、定期的な訓練による有効性検証を行い、今後の新たな脅威に備えております。また、新型コロナウイルス感染症などの感染症への対策としては、感染拡大防止と事業継続の体制維持の観点から、従業員等の健康・安全確保のため対応要領を作成・周知し、これに則った行動を要請するとともに、在宅勤務、オフピーク出勤の推進、出張の厳格運用、接待・贈答、イベント開催を原則禁止とするなどの対策を行っております。

但し、想定を超える規模で自然災害や事故、感染症等が発生した場合は当社グループの経営成績又は財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります

なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

昨年初めより顕在化してまいりました新型コロナウイルスの感染拡大等による世界的な自動車需要低迷は、先進国では徐々に落ち着きを取り戻しつつありますが、当社が得意とする市場の回復は遅れ、厳しい状況が続きました。

そのような状況の下、当社グループは収益力の抜本的な改善を図るべく新中期経営計画「Small but Beautiful」を策定し、「選択と集中」の基本概念に沿って構造改革を進めてまいりました。

結果、通期販売台数はグローバルで80万1千台と前事業年度を下回り、通期売上高は1兆4,555億円(前年度比△8,148億円、同△36%)となりましたが、全社的な諸経費・固定費削減や構造改革活動などの効果により、営業損益は本年2月に公表した通期見通し1,000億円の損失から改善し、通期で953億円の損失(前年度は営業利益128億円)となりました。収益モメンタムは上期で底を打ち、着実に回復しております。なお、経常損益は1,052億円の損失(前年度は経常損失38億円)、親会社株主に帰属する当期純損益は3,123億円の損失(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失258億円)となりました。

 

主な地域別の販売状況は次のとおりです。

 

・ アセアン        : 189千台(前年度比△101千台)

・ 豪州・ニュージーランド :  72千台( 同上 △ 16千台)

・ 日本          :  73千台( 同上 △ 22千台)

・ 中国他         : 105千台( 同上 △ 38千台)

・ 北米          : 113千台( 同上 △ 47千台)

・ 欧州          : 144千台( 同上 △ 71千台)

・ 中南米、中東、アフリカ他: 105千台( 同上 △ 31千台)

 

 

主力地域のアセアンでは、厳しい状況が続いたインドネシア、新型コロナウイルス感染症の抑え込みに成功したベトナムなど、国によってばらつきがありましたが、全体的な回復ペースは緩やかでした。また、前年度末より確認されている新型コロナウイルス感染再拡大により経済活動が停滞しているタイは、引き続き厳しい状況が続いております。一方で、最も回復が遅れていたインドネシアに関しましては、足許回復が確認されてきております。

豪州・ニュージーランドにおける自動車需要は、穏やかな回復基調が続きました。当社も、市場の回復に沿った販売となりました。

日本においては、自動車需要全体は一定の回復が見られましたが、当社はフリート販売の抑制や売価の見直しといった構造改革を優先した事や、市場の回復を牽引していたセグメントに当社ラインアップが不足している事などにより、前年度比23%減となりました。

中国及び北米は、日本同様に販売の質改善を優先した結果、前年度比30%弱程度の減少となり、欧州、中南米、中東・アフリカ等は、市場の減少に沿った販売台数実績となりました。

 

事業別セグメントの状況は以下の通りです。

 

(ⅰ)自動車

当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は1兆4,365億円(前年度比△8,154億円)となり、営業損益は1,013億円の損失(前年度は営業利益78億円)となりました。営業減益は、主として販売台数の減少によるものです。

 

(ⅱ)金融

当連結会計年度における金融事業に係る売上高は358億円(前年度比△46億円)となり、営業利益は48億円(前年度は営業利益56億円)となりました。

 

② 財政状態

当連結会計年度末の総資産は1兆8,563億円(前年度末比△818億円)となりました。そのうち現金及び預金は4,557億円(前年度末比+561億円)となりました。負債合計は1兆3,310億円(前年度末比+1,813億円)となり、そのうち有利子負債残高は、4,833億円(前年度末比+1,839億円)となりました。純資産は5,253億円(前年度末比△2,631億円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フローの基本的な考え方

当社は、財務規律を維持しつつ健全で持続可能な成長を図り、企業価値を高めることで、株主の皆様への成果配分を安定的に維持することを基本としており、フリー・キャッシュ・フローをそのための経営管理指標の一つとして設定しております。

この考え方に基づき、当社グループにおける自動車の開発・生産・販売等の事業活動における運転資金需要(材料費、人件費、各種経費、金融事業に係る貸付資金等)や、MaaSやCASEなどの新技術や環境規制対応、老朽化した生産用設備の維持・更新などの設備資金需要の一元管理を行い、斯かる資金需要に対する対応は毎年、当社が新たに生み出すキャッシュ・フローを原資とすることを基本とし、必要に応じて過年度まで蓄積された内部資金の活用や金融機関からの借入やCPの発行により資金調達を行っております。

 

(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。

   営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により415億円の支出(前年度比603億円の支出増加)、投資活動により1,013億円の支出(前年度比44億円の支出減少)、財務活動により1,683億円の収入(前年度比1,587億円の収入増加)となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額等による194億円の増加もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し450億円増加し、4,446億円となりました。

なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業環境の悪化による減収減益に加え、事業構造改革費用の影響に伴う営業活動による支出の増加が大きく、1,428億円の支出(前年度比559億円の支出増加)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による支出は415億円となり、前連結会計年度の188億円の収入に対し603億円の支出増加となりました。この支出増加は主として、新型コロナウイルス感染症の拡大や事業構造改革に伴う減収減益によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による支出は1,013億円となり、前連結会計年度の1,057億円の支出に対し44億円の支出減少となりました。この支出減少は主として、設備投資の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による収入は1,683億円となり、前連結会計年度の96億円の収入に対し1,587億円の収入増加となりました。これは主として、借入金の増加によるものであります。

 

③ 資金の流動性及び資金調達

当連結会計年度末の連結預金残高は4,557億円、連結有利子負債残高は4,833億円となりました。また当社単体において、国内金融機関からは約1,500億円のコミットメントラインを設定しており、現預金残高にコミットメントラインを加えた流動性は約6,000億円となっております。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大等に伴う事業環境の悪化による資金需要の増加に備えて、単体において新たに2,000億円の資金調達を行うとともに、海外子会社においても資金調達枠の設定や新規の資金調達を実施し、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の確保に努めております。

なお、当社グループは適切な国内2社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB+」、S&P:「BB」となっております。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

数量(台)

前連結会計年度比(%)

国 内

366,772

59.0

海 外

447,057

62.3

   アジア

434,489

62.3

   その他

12,568

62.3

合計

813,829

60.8

(注)1.生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同開発車の当社生産分を含んでおります。

2.海外生産台数には、従来統計に含めていた中国での現地ブランド車を2012年4月の統計より含めておりません。

 

② 受注実績

 当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

当連結会計年度

前連結会計年度比(%)

数量(台)

金額(百万円)

数量

金額

国 内

232,144

422,077

88.0

91.6

海 外

592,109

1,033,399

54.8

57.1

   北米

93,261

194,572

59.0

61.7

   欧州

89,844

183,281

37.7

38.6

   アジア

257,892

336,930

55.8

56.7

   オセアニア

70,398

173,304

81.8

97.9

   その他

80,714

145,309

59.5

58.2

合計

824,253

1,455,476

61.3

64.1

   (注)1販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。

          2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車株式会社

186,853

12.8

        3.上記金額は、消費税等を含んでおりません。

 

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当り、連結会計年度末日における資産・負債の計上及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。なお、市場措置に関する負債及び固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

① 燃費試験関連損失引当金

当社は、燃費試験に関連した損失に備えるため、当連結会計年度末において合理的に見積もることが可能な金額を計上しております。

② 製品保証引当金

当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率または修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

③ 貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

④ 退職給付費用及び債務

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

⑤ 繰延税金資産の評価

当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得及びタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。

⑥ 投資有価証券の評価

当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価または減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

相手方

契約の内容

契約締結日

名称

国籍

三菱自動車工業株式会社

(当社)

中国航天汽車有限責任公司

中国

中国における自動車用エンジン事業に関して瀋陽航天三菱汽車発動機製造有限公司を設立する契約

1997年5月15日

 

瀋陽建華汽車発動機有限公司

中国

 

 

三菱商事株式会社

日本

 

 

 

エムシーアイシー持株有限公司

マレーシア

 

 

三菱自動車工業株式会社

(当社)

日産自動車株式会社

 

スズキ株式会社

日本

 

日本

ジヤトコ株式会社に関する株主間の権利義務等を定めた契約

2007年3月15日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

福建省汽車工業集団有限公司

中華汽車工業股份有限公司

中国

 

台湾

 

車両の生産・販売等、東南(福建)汽車工業有限公司の合弁事業に関する契約

2006年3月27日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

プジョー・シトロエン・オートモビルズ・エス・エイ

フランス

ロシアで車両を生産するための合弁事業に関する基本契約

2008年5月19日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

広州汽車集団股份有限

公司

三菱商事株式会社

中国

 

日本

中国における車両の生産・販売等、広汽三

菱汽車有限公司の合弁事業に関する契約

2012年9月5日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

PT Krama Yudha

三菱商事株式会社

インドネシア

日本

インドネシアで車両を生産するための合弁事業に関する契約

2015年3月24日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

日産自動車株式会社

 

日本

 

日産自動車株式会社との資本業務提携に関する契約

2016年5月25日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

ダイムラーAG

ルノー

ルノー・日産会社

日産自動車株式会社

ドイツ

フランス

オランダ

日本

自動車事業における戦略的協力に関する提携契約

2018年10月3日

 

(注)当連結会計年度において、目的達成により終了した経営上の重要な契約は以下のとおりであります。

三菱自動車工業株式会社

(当社)

ハルピン東安発動機製造公司

中国

中国における自動車用エンジン事業に関してハルピン東安汽車発動機製造有限公司を設立する契約

1998年6月16日

 

ハルピン飛機製造公司

中国

 

 

ハルピン東安動力股份有限公司

中国

 

 

 

三菱商事株式会社

日本

 

 

 

エムシーアイシー持株有限公司

マレーシア

 

 

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、2020年7月に発表した中期経営計画“Small but Beautiful”の実現に向けて、研究開発活動に取り組んでいます。

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費(自動車事業)は101,365百万円であります。

当社グループの研究開発体制、次世代技術の開発状況、及び、2020年4月から2021年3月にかけて発売した主な新商品は次のとおりであります。

 

(1)研究開発体制

日本では、「技術センター」及び「EV技術センター」を中心に、デザイン・技術の先行技術開発・設計・実験を行っております。海外では、北米・欧州・中国・タイに研究開発拠点を置き、地域ごとの市場特性を踏まえた技術/商品開発を連携して行っております。また、ルノー・日産とのアライアンスを活用しながら、三菱自動車の特長である電動化、四輪制御などの技術/商品開発を進めております。

 

(2)次世代技術の開発状況

中期経営計画の集中ポイントである「ASEANを基盤とした成長促進」「環境技術強化」「4WD技術・オフロード性能による安心感の提供」の実現と、環境計画パッケージで掲げた2030年の目標値を実現するために、低炭素化を実現する環境技術の開発と交通事故を削減する安全技術の開発、さらに当社の強みとする電動化技術と四輪制御技術を活かした三菱自動車らしい魅力ある商品を実現する技術開発を推進しています。

 

① 環境技術の開発

  2020年11月に発表しました「新環境計画パッケージ」において、新車でのC02排出量を2010年比 40%削減することを2030年の目標としました。その目標を実現するため、次世代の電動車両やエンジンの開発、車体・コンポーネントの軽量化などの開発を推進しております。特に、電動化技術に関しては、長距離走行と環境性能を両立させた、当社独自の『プラグインハイブリッドEVシステム[PHEV]』を搭載した『アウトランダーPHEV』に加え、『エクリプスクロスPHEV』を2020年12月に発売し、お客様から高い評価を得ております。今年度は新型アウトランダーPHEVの発売を計画しており、引き続き電動化技術のリーディングカンパニーを目指し開発に取り組んでいきます。また、ASEAN地域のお客様に電動車両をご購入し易くするため、PHEVの技術を活用したHEVの開発をしており,2023年度以降の販売を予定しています。なお、今後の電動化の急速な進化(バッテリ、モータ等)に対して、速く効率的に技術開発するため、電動技術は最重要課題としてアライアンス内で強い協業を推進しており、2022年度には日産と共同開発した軽EVの発売を計画しています。

 

② 4WD技術・オフロード性能による安心感を提供する技術の開発

  当社の強みである四輪駆動の統合制御技術『S-AWC*1』の進化には継続して取り組んでおります。特に、モータードライブと『S-AWC』の融合を「e-EVOLUTION(イーエボリューション)」と位置付け、走る歓びと環境性能の両立を目指して開発を推進しております。この技術は、電動車両も含め、他の車種へも活用・展開していきます。また、ASEANのお客様にも安心・快適な走りを提供するため、二輪駆動車にも活用・展開していきます。

 

安全技術の開発

  当社は、1.交通事故を未然に防止する技術、2.交通事故の被害を軽減する技術、3.工業製品として想定される危険の回避という安全理念を共有し、お客様に安心してお乗りいただけるように、死亡事故ゼロに向けた安全技術の開発と普及に一体となって取り組んでいます。代表例として、先進予防安全技術『三菱e-Assist*2(イーアシスト)』や衝突安全技術『衝突安全強化ボディ RISE*3(ライズ)』があります。また、ASEANの交通環境で、より効果を発揮する安全技術の開発を推進しています。

 

④ その他

  快適な室内環境(乗り心地、静粛性、利便性向上など)を提供するための技術や車内でのスマートフォン等の情報機器との接続技術の開発にも取り組んでおります。また、自動運転やコネクティッドカーなどの将来技術は、アライアンスのメリットを十分活かしつつ、当社の商品力を向上するように効率的に取り組んでおります。

 

*1:S-AWC:Super All Wheel Control

*2:三菱e-Assist:電波レーダーやカメラなどによって、安全かつ快適なドライブをサポートする
         予防安全技術

*3:RISE:Reinforced Impact Safety Evolution

 

(3)2020年4月から2021年3月に発表(プレスリリース)した主な新商品

『エクリプスクロスPHEV』 ~ 20年12月発表

新型『アウトランダー』 ~ 21年2月発表

 各新商品の特徴は以下に記載

 

 ① エクリプスクロスのガソリンモデルに加えて、『エクリプスクロスPHEV』を発売しました。『エクリプス クロス』は三菱のクルマづくり100周年となる2017年にグローバルで発売したクロスオーバーSUVで、スタイリッシュなクーペフォルムとSUVの機動力を融合させた三菱自動車らしいSUVとして好評を博してきました。今回はいっそう伸びやかで流麗なフォルムとしながら、SUVとしてのダイナミズムを高めました。そして、新たにPHEVモデルを設定。PHEVカテゴリーにおいて累計販売台数で世界ナンバー1*4を誇る『アウトランダーPHEV』と同様にツインモーター4WD方式のPHEVシステムを採用しています。

*4:2013年1月~2020年9月累計販売台数。当社調べ

 

(ⅰ) グレード展開

PHEVモデルは、予防安全機能を標準装備したベーシックな「M」、100V AC電源(最大1500W)やヘッドアップディスプレイなど充実装備の「G」、専用外観としスマートフォン連携ナビゲーションなどを標準装備した上級仕様「P」の3グレード展開としています。

ガソリンモデルは、予防安全機能を標準装備したベーシックな「M」、ヘッドアップディスプレイやレーダークルーズコントロールシステム[ACC]など充実装備の「G」、スマートフォン連携ナビゲーションなどを標準装備した上級仕様「G Plus Package」の3グレード展開としています。

 

(ⅱ) 行動意欲を掻き立てる個性的なデザイン[PHEVモデル/ガソリンモデル共通]

デザインコンセプトは「Daring Grace(大胆にして、優雅)」。全長の延長と前後デザインの一新により、より流麗で上質なフォルムを実現するとともに、フロントとリヤでSUVとしてのダイナミズムを高めています。

フロントデザインは、SUVの力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現する「ダイナミックシールド」を進化させ、各種ランプレイアウトの変更により、いっそう精悍でスポーティな表情としました。また、バンパー下部にスキッドプレートを採用し、SUVとしての力強さを表現しています。

リヤデザインでは、従来のダブルガラスから、流れるようなシルエットとなるシングルガラスに変更し、より洗練された伸びやかなフォルムを実現するとともに、すっきりした後方視界を確保。三方向に延びる立体的なリヤランプを高い位置に配置することで被視認性の良さと独自性を持たせました。また、分厚いボディパネルやバンパーは、強さや頑丈さを表現しつつ、背面装着式スペアタイヤからインスパイアした六角形のモチーフと相まって、SUVならではのスタビリティと走破性を表現しました。

インテリアでは、ブラックを基調色とし、エンボス加工のスエード調素材と合成皮革のコンビネーションシートを上級グレード*5に採用したほか、メーカーオプションの本革シートは従来のブラックに加えてライトグレーを新たに設定。ドアトリムも同色でコーディネートし、上質でスポーティな空間としています。

ボディカラーには、三菱自動車独自の高輝度塗装であるダイヤモンドカラーを2色ラインアップしました。従来からのレッドダイヤモンド*6に加え、ホワイトダイヤモンド*7を新たに追加しました。このホワイトダイヤモンドは、パールの白い輝きと金属の陰影を併せ持つ色としており、爽快でありながら艶やかな大人のエレガントさを演出しています。

*5:PHEVモデルは「P」「G」に標準装備、ガソリンモデルは「G Plus Package」「G」に標準装備

*6:有料色 77,000円(消費税10%込)

*7:有料色 77,000円(消費税10%込)

 

(ⅲ) モータードライブを心ゆくまで楽しめるPHEV

前後1基ずつの高出力モーター、大容量駆動用バッテリー、2.4L MIVECエンジンなどで構成するツインモーター4WD方式のPHEVシステムを、『アウトランダーPHEV』から継承し、『エクリプス クロス』に合わせて制御を最適化させ、電動車ならではの滑らかで力強い加速、軽快感と安心感のあるハンドリングを実現しました。

駆動用バッテリーは13.8kWhでEV航続距離を57.3km(WLTCモード)とし、日常生活の大半でEV走行を可能としています。走行モードは、駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行し、モーターがアシストする「パラレル走行モード」の3つの設定で、走行状況に応じて自動で切り替え、様々な状況においてモータードライブを楽しむことができます。

車内に設置した100V AC電源(最大1500W)により電化製品に電力供給が可能*8で、アウトドアレジャーでは便利な、非常時では頼もしい電力源となります。さらに、急速充電口を使いV2H*9機器と接続すると、車に蓄えた電力を家で使うことができる家庭用の蓄電池となります。また、自ら発電することができるため、満タン・満充電の状態からでは、一般家庭の最大約10日分*10に相当する電力を供給することができます。

*8:定格消費電力1500W以下でも使用できない機器があります。使用する電気製品に付属の取扱説明書や、
   製品に記載されている注意事項をご覧の上でご使用ください。

*9:Vehicle to Home

*10:供給可能電力量は当社試算による(一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh/日として
   算出)。

 

(ⅳ) 四輪制御技術による安心して楽しめるドライビングフィール

高いボディ剛性と前後サスペンションの最適化により、S-AWC(Super All Wheel Control)の効果をいっそう引き出し、ドライバーの思い通りの操縦性の実現に大きく貢献するとともに、乗り心地と静粛性を向上させています。

PHEVモデルは、伝達ロスがなく自由自在に前後駆動力配分を行えるツインモーター4WDをベースとした、S-AWCを採用。高応答・高精度・高自由度という電動車の特性を生かし、「走る」「曲がる」「止まる」という車両運動をより高次元で制御します。さらに、大容量の駆動用バッテリーを床下中央に配置することで前後重量バランスの最適化と低重心化を図ることで、より上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しました。

ガソリンモデルは、前後輪へ最適なトルク配分を行う電子制御4WDをベースに、前輪左右の制動力を調整して旋回性を高めるアクティブヨーコントロール(AYC)と、制動力を制御するABS & アクティブスタビリティコントロール(ASC)を協調させるS-AWCを採用し、ドライバーの運転操作に忠実で安心感の高い車両挙動を実現しています。また、サスペンションの最適化と相まって、日常でのより正確で安定したハンドリング、滑りやすい路面での操縦性を向上させています。

路面状態や走行状況、ドライバーの好みに合わせて選べるドライブモードを設定しました。様々な状況において適切な操縦性と安定性を提供する「NORMAL(ノーマル)モード」、雪道などの滑りやすい路面で車両挙動を安定させる「SNOW(スノー)モード」、悪路において優れた走破性と安定性を発揮する「GRAVEL(グラベル)モード」を設定。PHEVモデルでは、主に乾燥舗装路での旋回性と安定性を高次元で両立させた「TARMAC(ターマック)モード」も設定し、ドライバーに運転する楽しさと安心感を提供します。

 

(ⅴ) 機能装備

三菱自動車独自のプレミアムサウンドシステムである「ミツビシパワーサウンドシステム」*11を、『エクリプス クロス』専用に設計しました。車両形状に合わせて音響チューニングが行われたハイパワーアンプと8個のスピーカーで構成。フロントにはアルミ蒸着グラスファイバー製スピーカーとカーボン製コーンを採用したミッドツイーターを、リヤドアにはツイーターを同軸に配置したコアキシャル2Wayスピーカーを搭載し、なめらかでみずみずしい音質を実現しました。

新たに設定した「スマートフォン連携ナビゲーション」は、内蔵地図によるルート案内やVICS交通情報対応といった便利な機能に加え、AndroidTMスマートフォンやiPhone®をUSBポートにつなぐだけで、Android AutoTMやApple CarPlay®のお気に入りのアプリケーションを満喫できます。また、ディスプレイ画面を8インチに拡大し、見やすさや操作性を向上させました。

*11:PHEVモデルは「P」、ガソリンモデルは「G Plus Package」にオプション装備

 

 

 ② クロスオーバーSUV『アウトランダー』をフルモデルチェンジし、21年4月より米国、カナダ、プエルトリコで発売しました。『アウトランダー』は、グローバルに展開するクロスオーバーSUVでこれまで累計約260万台*12を販売してきました。北米では2002年に三菱自動車初のクロスオーバーSUVとして投入し、SUVとしての実用性と機動力、そして環境性能と経済性で3世代にわたって好評を博してきました。

*12:ガソリン、ディーゼル、PHEV含む。2001年1月~2020年12月累計販売台数。当社調べ

 

(ⅰ) 力強く存在感のあるスタイリング

デザインコンセプトに「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」を掲げ、ドライバーが自信をもって新しい一歩を踏み出せる力強さや頼もしさを全身で表現しています。パッケージから大きく見直し、フロントからリヤへと伸びる水平基調で力強くスタンスの良いプロポーションや、張りのある豊かな面とエッジの効いたシャープなキャラクターラインのコントラスト、大径20インチタイヤとワイドボディを強調する張り出したフェンダーにより、堂々とした佇まい、そして存在感と安定感を実現しています。

フロントでは、力強いパフォーマンスと、人とクルマを守る安心感を表現した「ダイナミックシールド」を次世代化し、SUVとしての力強さをいちだんと高めました。デイタイムランニングランプとターンランプを薄くシャープな形状として上部に配置し、対向車や歩行者からの被視認性を向上。また、ヘッドライトはその下のバンパーサイドに配置することで、より路面を明るく照らすとともにワイドボディを強調しています。

リヤでは、一つの面から切り出したようなシャープな六角形のテールゲートは、タイヤを背負った『パジェロ』伝統のリヤスタイルからインスピレーションを受けた個性的で洗練された造形で、上部は安定感、下部はSUVらしい機動性の高さを表現しています。また、水平基調のTシェイプテールランプはワイドなイメージで安定感を更に強調しています。

ボディカラーでは、三菱自動車独自の高輝度塗装であるダイヤモンドシリーズとして、レッドダイヤモンド、ホワイトダイヤモンドに続く第3弾となるブラックダイヤモンドを新たに設定。3コートの特別なカラーで、ガラスを使った密度の高い光る層を追加することで、光の当たらないところでは漆黒、光が当たると力強い輝きを放ちます。これらにベーシックな6色を加えた全9色のボディカラー展開としています。

 

(ⅱ) 安心・安全な走行性能

新開発プラットフォームの採用により、衝突安全性を大幅に高め、高次元の操縦安定性を実現しました。キャビン周りには三菱自動車初のホットスタンプ式超高張力鋼板を採用し、変形の少ない高耐力キャビン構造としながら軽量化を実現しています。また、エンジンルーム及びキャビン周りには連続した環状構造を採用し、従来車よりボディの曲げ、及びねじり剛性を大幅に向上しました。マルチリンク式のサスペンション、及びデュアルピニオン式の電動パワーステアリングの採用などにより、上質な乗り心地でありながら、リニアでダイレクト感のある操縦性を実現。直進安定性はもちろんコーナリング時のトレース性も大きく向上し、運転する楽しさを提供します。

2.5Lガソリンエンジンを新開発し、従来車に対して最高出力で約8.9%、燃料消費率(WLTCモード)で約2.6%向上しました。低中回転域はトルクフルで力強く高回転域ではなだらかで扱いやすいため、街乗りからスポーツドライブまで幅広く対応します。トランスミッションは8速スポーツモードCVTを搭載しました。加速時は多段A/Tのようなメリハリのある変速を行うステップシフト制御を採用し、アクセルを強く踏み込んだときは力強く俊敏な加速フィーリングが得られます。クルージング時にはCVTの特長を活かした静かで滑らかな走りを実現しました。

4WD車では前後トルク配分を行うセンターカップリングのデバイスに、電動モーターによる油圧クラッチを取り入れた電子制御4WDを採用しました。停車中から前輪と後輪を強く拘束できるため、走り出しの瞬間から後輪駆動力が発生し、4WDらしい力強さを体感できます。特に凍結路面での坂道発進といったシビアコンディションで、より威力を発揮します。

4WD車では、さらに進化した車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載しました。ブレーキ制御「ブレーキAYC*13」を後輪にも採用することで、前後輪の分散制御に発展させています。ハンドル角、ヨーレイト、駆動トルク、ブレーキ圧、車輪速などをセンサーで検知し、ドライバーの操作と車両の状態を常に正確に把握。旋回時には「ブレーキAYC」が前後左右輪の駆動力/制動力差を最適化することで、タイヤのグリップ能力をさらに引き出し、ドライバーの意のままの操縦性を実現しています。また、2WD車にも前後輪の分散制御に発展させた「ブレーキAYC」を取り入れ、「ASC*14」「ABS*15」と統合制御し、さまざまな路面で走行安定性を実現しました。

様々な運転スタイルと走行シーンに最適化された車両運動特性を選べるドライブモードを採用しました。4WD車には6モード、2WD車には5モードを設定。フロアコンソール上のモードセレクターにより、道路の状態で選べるドライブモード、運転スタイルで選べる「ECO」が選択できます。ドライブモードでは、通常使用するモード「NORMAL」、舗装路でスポーティに走れる「TARMAC」、未舗装路で高いトラクション性能と安定性を発揮する「GRAVEL」、雪道などの滑りやすい路面に適した「SNOW」、ぬかるんだ道や深雪などで走破性を高める「MUD」*16を設定しました。ドライブモードは4WD車の高い走破性を引き出すことはもちろん、2WD車でも、いざというときのポテンシャルを高めて、運転時の安心感や信頼感を向上させます。モード選択時にはメーター内に走行シーンがイメージできる画像を表示し、直感的にモード選択ができます。

*13:Active Yaw Control

*14:Active Stability Control

*15:Anti-lock Braking System

*16:4WD車のみ設定

 

(ⅲ) 上質な室内空間

インテリアでは、力強い水平基調のインストルメントパネルは、広々としたゆとりある印象を与えながら、車体姿勢の変化をつかみやすくなる機能性を併せ持っています。また上部には触感の良いレザー巻きのソフトパッドを採用、さらにステッチをあしらうことで質感の向上を追求しました。ドアパネルには、広い面積にドアインサートを配し、インストルメントパネルやフロアコンソールサイドと同様のソフトパッドを採用し、上質で居心地の良い空間を目指しました。

インテリアのカラーバリエーションは、Pグレードにはシックなブラックと開放感あるライトグレーの本革シートを設定。インストルメントパネルとドアトリムも同色とし、アルミニウムの加飾をシフトパネルに採用しています。また、サドルタンのアクセントカラーも用意し、シートには上級本革(セミアニリン)を使用したオプションカラーも設定しています。Hグレードにはスエード調コンビネーション素材のブラックシートとピアノブラックの内装を、Mグレードにはファブリック素材のブラックとライトグレーのシートとピアノブラックの内装をそれぞれ設定しています。

フロントシートは2層ウレタン構造として、座った瞬間の掛け心地の良さと、長時間座っていても疲れにくい快適なシートを実現しました。車体を幅方向に拡大し、また1、2列目のシート足元スペースを拡大しているため、ゆとりある居住空間を演出し、快適性を高めています。さらに、シートヒーターや3ZoneAutoエアコン、リアドアガラスサンシェードなどファミリーSUVとして後席でも快適に過ごせる機能をグレード別装備として用意しました。

メーターはグレード別に2種類の設定としました。三菱自動車初の全画面のフルカラー液晶(12.3インチサイズ)を搭載したメーター「フルデジタルドライバーディスプレイ」は、鮮明な画像と大画面により、多彩なコンテンツ表示でもすっきりとした見やすさを実現。様々な情報を自由に組み合わせて表示できるカスタマイズ機能も搭載しています。もうひとつのハイコントラストメーターは、中央のインフォメーションディスプレイに簡易的な矢印ナビなどの表示が可能で、7インチ液晶を搭載しながらも、アナログ表示による高い視認性の利点を活かしつつ、立体的な文字盤と加飾付き指針により高級感を演出しています。

センターディスプレイにはグレード別装備として9インチの大画面を採用したスマートフォン連携ナビゲーションを設定しました。内蔵地図と連携したナビゲーション機能で高精度なルート案内をスムーズに提供します。画面下に常時表示されるランチメニューのアイコンをワンタッチするだけで、ナビやオーディオなど様々な機能が簡単にセレクトできます。またAndroid™スマートフォン*17やiPhone®*18をつなげることで、Android Auto™*17やApple CarPlay®*18*19のアプリケーション機能を楽しむことができます。最新の交通情報の取得やソフトの更新がオンラインで可能になる機能にも順次対応予定です。

目線移動が少なく、安全により早く走行情報を認識できるよう、三菱自動車初のウインドシールドタイプの10.8インチヘッドアップディスプレイ[HUD]を搭載し、運転に必要な情報をフルカラーで投写します。このHUDはマニュアルでオンオフが選べ、表示コンテンツのカスタマイズも可能。表示内容は、走行情報や車線逸脱などの各種警報のほか、センターディスプレイと連携したナビ情報やオーディオ楽曲情報などを投写し、これらの情報を複数同時に表示することができます。

スピーカーには、BOSEプレミアムサウンドシステムを採用。10個のスピーカーで構成したサウンドシステムを搭載しました。大型ドアウーハーとデュアルサブウーハーを組み合わせることで、迫力ある重低音の再現性に優れ、臨場感のあるクオリティの高いサウンドを実現しています。

格納式3列シートを搭載する7人乗りファミリーSUVとして乗車人数や荷物に合わせて多彩なシートアレンジが可能。可倒式のセカンドシートはスライド及びリクライニング機能はもちろん4:2:4分割タイプとし、スキーなどの長物積載時も大人2人がゆったり過ごせます。

フロアコンソールトレイ、フロアコンソールサイドポケット、運転席シートバックポケット、クォータートリムポケットにスマートフォンの収納スペースを設置しました。フロアコンソールトレイには、スマートフォンを置くだけで充電できるワイヤレス充電機能(15W)を設定。充電用のUSBポートもType-C/Aの2つをフロアコンソール前面と背面にそれぞれ装備しました。

*17:AndroidTM 、Android AutoTMはGoogle LLCの商標または登録商標です。

*18:iPhone®、Apple CarPlay®は米国その他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
   iPhone®の商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。

*19:Apple CarPlay®はワイヤレス接続が可能

 

(ⅳ) 先進安全機能

高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイ・パイロット)」を搭載。レーダークルーズコントロールシステム[ACC]とレーンキープアシスト[LKA]を統合した制御で、 車間距離と車線中央をキープしながらの走行をサポート。さらにナビリンク機能搭載車は、速度標識を読み取って設定速度を自動で切り換えたり、ナビゲーションの地図情報を活用して高速道路のカーブや分岐などで適切な車速に自動で調整したりすることが可能です。また高速道路では、渋滞時でも停車後約30秒以内なら自動発進でき、走行中の煩わしい設定操作を低減します。

運転席にフロントセンターエアバッグ、セカンドシートにサイドエアバッグを全車標準設定し、計11個のエアバッグを装備しました。フロントセンターエアバッグは、側面衝突時に運転席と助手席の間で展開し、乗員同士の衝突を防止します。

カーライフをもっと快適に、安心してドライブを楽しむためのカーサポートシステムとして、「三菱コネクト」を搭載。ドライバーの安全を守るために、事故や故障時にボタンひとつでコールセンターへの救助依頼が可能で、エアバッグが展開した場合は自動的に通報します。さらに、車両の盗難警報や盗難にあった車両の位置情報を取得してユーザーに通報するなど、様々なアクシデントに対応しています。
また、スマートフォンを使い、車両を駐車した位置を表示させることや、ライトを点滅させて自車位置の確認ができます。リモート操作では、乗車前にエンジンを始動させて空調を作動させておくことで、寒い冬や暑い夏でも快適な室内を準備しておくことや、離れた場所からドアロックの解除ができるなど便利な機能を充実。さらに車両が設定した時間外に運転された場合、設定したスピードの超過や設定エリア外を走行した場合などに通知を受けることができ、家族の運転管理を行うことができます。

 

 ③ 上記のほかに、安全・機能装備の充実や、内外装の差異化、環境性能向上を図った商品を一部機種に設定し発売しました。