第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

足許の環境変化を踏まえた経営課題の認識と、今後の経営戦略の考え方は次のとおりです。なお、文中の将来に 関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

自動車業界は、地球温暖化対策としての電動化に加え、AIやIoTなどテクノロジーの発展により、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変わり、「100年に一度」の、大変革の時代を迎えています。

 

当社グループは2023年3月に、2023年度から2025年度までの中期経営計画「Challenge 2025」を発表しました。「Challenge 2025」では、これまで行ってきた構造改革により、強靭かつ機動的な経営体質を基盤にし、地域や国の独自性に適した事業の拡充を図ります。そして、全社で取り組んでいる「手取り改善活動」を継続し、安定的な収益基盤を確立します。そのうえで、更なる成長と次の時代へのチャレンジを実現するため、研究開発費や設備投資を安定的に増加させることを計画しています。以下は、具体的な主要項目の実現に向けた取組みです。

 

1. 販売台数110万台、営業利益2,200億円(営業利益率7%)を目標

2. 今後5年間で16車種(内、電動車9車種)を投入

3. アセアン・オセアニア地域での更なる成長とアセアン向け商品を活用した他地域の収益力アップ

4. アライアンスを活用した欧米をはじめとする先進技術推進地域への対応

5. カーボンニュートラルの実現に向け温室効果ガス排出削減

6. デジタル化推進と新ビジネス領域への進出

7. 更なるアライアンスとの連携強化(OEM商品相互補完等)

 

当該中期経営計画初年度であった当連結会計年度には、主に以下の取組みを行いました。

 

まず、商品面では、新型1トンピックアップトラック『トライトン』、新型コンパクトSUV『エクスフォース』、クロスオーバーMPV『エクスパンダー』『エクスパンダー クロス』のHEVモデルと、アセアン戦略車を連続投入しました。今後はこれらの販売を本格化させ、他地域へも展開を拡大していきます。また、日本国内においては、軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』の販売を開始いたしました。更に欧州市場では、新型『ASX』と新型『コルト』を、アライアンスパートナーであるルノーグループよりOEM供給を受け、販売開始しました。新型車の成功は、当社の持続的成長に向けた重要な一歩と位置付けています。

 

次に、販売の質向上については、「手取り改善活動」による売価改善に加えて為替の追い風もあり、台当たり売上高が伸長しています。地域戦略では、アセアンの一部で市場回復に遅れが生じているものの、アセアン向け商品が展開可能な中南米、中東・アフリカでは収益性が向上しています。また、北米では価値訴求販売の成功により車種ミックスが好転しています。一方で、急速に市場変化していた中国自動車産業において、当社グループの中国戦略を抜本的に見直し、現地での完成車生産を取りやめました。ロシアでの完成車組立生産については、ロシアのウクライナ軍事侵攻により停止しておりましたが、生産を再開しないことを決定しました。

 

また、持続的成長の実現に向けた投資として、電動化の加速フェーズに向けた電動車開発とアライアンスとの連携を強化するため、ルノーグループが設立するEV&ソフトウェア新会社アンペアへの出資を決定しました。

 

今後も、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくる」という当社グループビジョンのもと、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的成長を目指し、事業を行ううえでのマテリアリティ/最重要課題を整理し、カーボンニュートラルの実現のほか、人権を尊重するとともに多様な人材が活躍できる職場の確立や、全てのステークホルダーに対する透明性の高い経営を目指してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

① ガバナンス

当社は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の重要性を認識し、2018年度に環境・社会・ガバナンス各分野の様々な課題から当社が取り組むべき重要課題であるマテリアリティを特定しました。その後も、当社は、社会やステークホルダーに与える、経済、環境及び人権を含む、最も著しい影響を考慮し、必要に応じてマテリアリティを柔軟に見直しております。また、マテリアリティに取り組むことで、社会やステークホルダーのニーズや期待に応えていきたいと考えております。

当社では、当社グループ全体でサステナビリティに関する取り組みを推進することを目的に、代表執行役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会では、環境・社会・ガバナンスに関して当社が取り組むべきマテリアリティを特定した上で、それに対応する取り組みの目標を審議し、その進捗確認を行うことにより、PDCA(Plan、Do、Check、Action)を回しています。サステナビリティに関する取組方針などの重要な事項は取締役会で審議・報告され、監督を受ける体制としています。

特に、「気候変動・エネルギー問題への対応」については、サステナビリティ委員会のもとに、経営戦略・商品・生産・調達・物流などを担当する責任部門の長が参画し、執行役副社長が議長となるカーボンニュートラル協議会を設置し、気候変動リスク及び機会の評価を踏まえつつ、各領域における具体的な対応策を検討するとともに、中長期的な対応方針・目標などを立案しています。立案した方針・目標はサステナビリティ委員会で審議する体制としています。

 

取締役会で審議又は報告された気候変動関連の事案例

・TCFD(注)提言への賛同表明

・TCFD提言に沿った情報開示

・2050年カーボンニュートラル宣言と環境ビジョン2050の改定

・環境ターゲット2030の改定

(注)Task Force on Climate-related Financial Disclosuresの略称。気候関連財務情報開示タスクフォース

 

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役割

開催頻度

サステナビリティ委員会

環境ターゲット2030の進捗状況のモニタリング 等

年3回

カーボンニュートラル協議会

2050年カーボンニュートラル実現に向けた中長期的な対応方針や目標などの立案 等

年4回

事業活動CO₂削減推進分科会

事業活動領域におけるCO₂削減の実行計画の立案、具体的な対策の推進 等

年2回

TCFD検討チーム

気候変動リスク及び機会の特定・評価、シナリオ分析の検討 等

適宜開催

(2023年度実績6回)

 

② リスク管理

当社は、2021年7月のTCFD提言への賛同表明を機に、サステナビリティ委員会のもとで全社横断的な検討チームを立ち上げ、TCFD提言に基づいたシナリオ分析を行い、IEA(注)等の外部シナリオや各国の政策・規制等を考慮しつつ、事業に影響を及ぼす可能性のある気候変動リスク及び機会を抽出・特定し、発生時期と影響度による評価を行っています。特に影響度が大きい気候変動リスク及び機会への対応については、目標・実行計画に落とし込み、サステナビリティ委員会でその進捗を確認しています。

(注)International Energy Agencyの略称。国際エネルギー機関

 

(2)重要な戦略並びに指標及び目標

① 戦略

当社は、気候変動・エネルギー問題への対応をマテリアリティの一つとして特定しており、気候変動リスク及び機会を、事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えています。短期・中期・長期のリスク及び機会の洗い出し・評価を行い、特に影響度の大きい項目として、「燃費/CO、ZEV(注)1規制などの強化」、「カーボンプライシングの導入・拡大」、「気象災害の頻発・激甚化」、「電動車(注)2の需要拡大」を特定しました。これらの項目については、IEAやIPCC(注)3などが公表している複数のシナリオを参照し、当社事業への影響の分析及び対応策を検討しています。また、気候関連事項が事業や戦略及び財務計画に影響を及ぼす可能性があることを認識し、気候変動リスクや機会を踏まえて、適宜戦略や計画などの見直しを行っています。

気候変動リスク及び機会への対応策を、環境への取り組みの方向性と目標を定めた「環境計画パッケージ」(注)4や事業戦略に反映させることで、事業の持続的な成長や将来リスクの低減に繋げ、企業としてのレジリエンスを高める取り組みを推進しています。

2022年9月には、当社としてサプライチェーン全体で2050年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、あわせて「環境ビジョン2050」を改定しました。2023年2月には、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたマイルストーンとして、「環境ターゲット2030」の目標を見直しました。

製品においては、当社独自のプラグインハイブリッド車(PHEV)と軽商用EVを起点に、アライアンスの技術を活用しながら電動車の開発や内燃機関車の燃費改善などを推進し、各国・地域のエネルギー事情やインフラ整備状況、お客様のニーズに応じた最適な電動車を積極的に投入していきます。事業活動においては、エネルギーミニマム化と再生可能エネルギーへの転換を推進し、CO排出量の削減に取り組みます。サプライチェーン全体においては、取引先での原材料・部品の生産や製品・部品などの物流からのCO排出量の低減、再生可能エネルギーや充電インフラの普及、カーボンニュートラル燃料の活用、V2Xの推進など、取引先や関連企業・団体、政府・自治体と連携していきます。

また、2023年3月に公表した新中期経営計画「Challenge 2025」では、主要なChallengeの一つにカーボンニュートラル対応を掲げ、電動車強化第2フェーズ(2026-2028年度)に向けた電動車開発とアライアンスの強化に取り組むとともに、2028年度までに9車種の電動車を投入する計画であり、これまでに『ASX』(PHEV/HEVモデル)、『コルト』(HEVモデル)、『エクスパンダー/エクスパンダー クロス』(HEVモデル)の3車種を投入しました。

(注)1.Zero Emission Vehicleの略称。排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車

2.電気自動車(バッテリーEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)

3.Intergovernmental Panel on Climate Changeの略称。国連気候変動に関する政府間パネル

4.「環境計画パッケージ」の詳細は当社ホームページをご覧ください。

https://www.mitsubishi-motors.com/jp/sustainability/environment/initiatives/

 

② 指標及び目標

・指標

当社グループは、リスク・機会を管理するため、スコープ1、2(注)については「事業活動からのCO排出量」を、さらに、サプライチェーン全体の排出量の約7割を占めるスコープ3(注)のカテゴリ11(販売した製品の使用)に係る温室効果ガス排出量については 「新車からの平均CO 排出量」と「電動車販売比率」を、主な指標として設定しています。また、2022年度からは、サステナビリティへの対応が当社グループの経営上の重要課題であるとの認識のもと、執行役の中長期業績連動報酬を決定する指標として「事業活動からのCO排出量」などのESG関連項目を追加しました。

(注)スコープ1、2、3についてはGHGプロトコルに準拠

スコープ1:事業者自らによる直接排出(燃料の燃焼など)

スコープ2:他社から供給された電気、熱、蒸気の使用に伴う間接排出

スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社などの排出)

 

・目標

当社グループは、2050年までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルの実現を目指し、そのマイルストーンとして2030年度に向けた目標を設定しています。

 

<主な2030年度目標と進捗>

指標

2030年度目標

実績(2022年度)(注)1

新車からの平均CO排出量

(Tank to Wheel)

▲40%

(2010年度比)

▲18%

(2010年度比)

電動車販売比率

50%

(2035年度100%)

11%

事業活動からのCO排出量

(スコープ1、2総量)

▲50%(注)2

(2018年度比)

▲33%

(2018年度比)

 

<スコープ1、2のCO排出量の実績>                         (単位:千t-CO

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

(注)1

スコープ1

119

110

80

92

95

スコープ2

469

416

285

319

271

合計

(注)2 588

526

365

411

366

(注)1.2023年度の実績については、2024年夏発行予定のサステナビリティレポートをご覧ください。

2.2018年度の排出量実績である588千t-CO₂には、一部の持分法適用関連会社の排出量43千t-CO₂が含まれております。2023年2月の目標見直しにおいては、最新の環境マネジメント対象会社選定の考え方に沿って、当該持分法適用関連会社の排出量を除いた545千t-CO₂を基準値として2030年度目標である▲50%を設定しております。

 

(3)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標

① 戦略

当社グループでは、三菱グループ共通の基本理念として位置づけられている「三綱領」を企業活動の指針としております。事業環境が急速に変化する中、当社グループが持続的に成長し、企業価値の向上を実現していくための鍵は「人材」であると考え、「ビジョン」「ミッション」を遂行するための行動指針である「MMC WAY」を体現できる「人材育成」、また一人ひとりがやりがいを持って働き、自身の能力を存分に発揮し、エンゲージメント高く、心身ともに健康でいきいきと働ける職場環境を整えることを方針とし、各種取り組みを進めていきます。

中期経営計画「Challenge 2025」の実現に向けては、「より一層働きやすい職場への改革」「教育・リスキリングプログラムの充実」「多様で幅広い人材確保の推進」を重点項目として掲げ、取り組んでおります。本重点項目を推し進め実行していくため、代表執行役社長及び幹部からなる人材開発会議を設置し、企業競争力に直結する人材確保・育成に関する課題や打ち手・施策について月1回、計画的に議論及び検討を進めております。

 

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② 指標及び目標

「より一層働きやすい職場への改革」

- フリーロケーション化の推進

 2021年度から一人ひとりのワーク・ライフ・バランスの確立を目的としてリモートワーク制度を制定し、継続的に広く利用され、エンゲージメントの向上にも寄与していることが見えております。一方で、昨今採用が競争激化する中で、高度専門人材の獲得や障がい者の雇用促進・維持に向けた枠組みとしてさらに柔軟な働き方としての勤務場所や出社に捉われないフリーロケーションの働き方の導入に向けた検討を現在進めております。

- 育児や介護などに配慮した柔軟な勤務体系

 社員の多様な働き方やライフイベントに対応できるように様々な両立支援制度の充実に努め、社員が働きやすい基盤づくりを進めております。2017年度より在宅勤務制度や帯同休業制度を導入しました。2018年度からは、「両立支援コンシェルジュ」を社内に設置し、育児や介護等、社員の個別相談に対し適した制度の活用を案内しております。さらに、社員の声を参考に子の看護休業、短期の介護休業、在宅勤務の取得条件を緩和しました。リモートワーク制度も併用しながら、より生産性を高め柔軟な働き方が実現できるよう環境作りに取り組んでおります。

- 仕事と育児/介護の両立支援

 育児との両立支援においては、男性の育児休業取得をさらに促進するため、管理職向け研修、プレパパ・プレママ向けセミナー、eラーニングなどを行いました。その結果、2023年度の男性の育児休業取得率は70.6%(前年度比+2.2%)となりました。今後は、男性社員の育児休業取得率を、女性社員育児休業取得率に近づけることを目標に取り組みを進めております。

 介護との両立支援においては、介護専門家にメールや電話で随時相談できる窓口を設置しているほか、仕事と介護の両立の基本知識について外部講師から学ぶ「介護オンデマンド動画セミナー」の配信を継続的に実施しております。2023年度は、各自都合のよい時間に視聴できるよう、介護のポイントが理解できる「介護ショート動画」も展開しました。

 

「教育・リスキリングプログラムの充実」

- 海外との相互社員派遣研修制度の拡大

 当社の注力地域であるアセアンを中心に若手社員を1年又は2年派遣する海外業務研修プログラムを実施しております。2022年度には公募枠を新設し、要件を満たす社員は誰でも応募できるようにしました。また、本施策を海外関係会社にも拡大し、2023年度からは関係会社から当社への派遣研修を開始し、海外関係会社社員も含めた人材育成の促進を図っております。

- DXリスキリングプログラム

 IT/Digital領域における15年先の目指す姿について全役員で議論し、テクノロジーの力を最大限に活用し、未来に向けて前進するためには、全社員がIT/Digitalリテラシーを備えることが重要と考え、中期経営計画の取り組みの重要テーマとしてデジタル人材育成を掲げました。2023年度はデジタル人材育成のファーストステップとして、すべての役員と全間接従業員を対象に「IT/Digitalリテラシー向上研修」(計6時間)を展開し、全社員の変革マインドの醸成に取り組みました。今後は、当社に必要なIT/Digital人材像を定義し、より高度なデジタル人材の育成に必要な教育を段階的に実施していきます。

- 専門性評価と昇給/昇進システムとの連動

 2022年度より、行動評価の一項目として「専門性」を追加し、各組織で求められる専門的な知識/スキルの体得度及びその専門性を通じた行動の実践度を評価することで、社員一人ひとりの更なる成果創出/パフォーマンス向上を図ります。専門性の認識・動機付け、実践・フィードバック、能力開発・成長と繋がり、これらが評価結果という形で昇給/昇進と連動する仕組みとしております。2023年度は部門の評価基準を策定し、今後は、これらの部門の評価基準を踏まえて、専門性の強化を促すべく、全社及び部門がそれぞれOJT/Off-JTの双方で教育施策の充実に取り組んでいきます。

 

「多様で幅広い人材確保の推進」

- よりフレキシブルな給与体系の導入

 多様で幅広い人材確保を推進していくために、当社では管理職の等級/報酬制度に役割グレード制を導入しております。役割と報酬との紐づけを明確化して役割に応じた適切な報酬が得られるようにすることで、年次に捉われず、真に求められる役割に応じて処遇することを可能とし、当社の持続的な成長に必要となる人材を社内外から確保しやすくしております。今後、導入した役割グレードの運用をさらに活性化させ、環境の変化に対して柔軟に対応できるよう取り進めていく予定です。

- 多様な人材が活躍できる職場の構築

 多様な人材を確保するため、中途採用の強化に取り組んでおり、2023年度においては675人採用を目標として、448人を採用いたしました。採用者が三菱自動車に早く馴染み、力を発揮してもらうことを目的とした職場受け入れ体制の強化(メンター・1on1の必須化)や工場・開発施設見学による現場理解の機会創出、同時期入社の繋がり醸成のための集合研修の開催といったキャリア入社者フォロー施策を実施しております。

 当社は、「女性活躍推進」を重点課題として、継続的に取り組んでおります。2023年度においては、女性管理職比率は6.3%(前年度比+0.2%)となりました。今後は女性活躍推進法に基づき、2024年4月に「女性活躍推進行動計画」を新たに策定し、2029年3月までに、女性管理職比率と間接従業員に占める女性比率とのギャップを埋めることを目標とする取り組みを進めております。

 障がい者の雇用においては、特例子会社での採用促進に加え、三菱自動車本体での採用促進、定着を図ることにより、より多くの職場でのインクルージョンを進めようとしています。

 さらに、シニア人材がこれまでにも増して活躍いただくために、雇用年限の見直しを含めた雇用の在り方、労働条件の見直しを検討しております。また生産部門においては、シニア人材に適したより負荷の少ない仕事の創出を推進しながら、働きやすい環境整備としての施設の更新や、事務所部門でのITツールの更新、導入なども行う予定です。

 

「労働安全衛生の推進」

 従業員の安全と健康の確保は企業活動の基盤と考え、「全社安全衛生管理方針」を基に、構内協力事業場も含め、継続して対策に取り組んでおります。

 従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが、企業価値向上と持続的成長の実現に向けた原動力となります。当社は、従業員の健康を保持・増進させることを重要な経営課題の一つと位置付け、以下の「健康宣言」を掲げ、国内拠点において全社一丸となり取り組む体制で、健康経営を推進しております。2024年3月、経済産業省と日本健康会議が主催する健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において、前年度に引き続き、「健康経営優良法人2024」の認定を受けました。

 

<健康宣言>

 社員が、充実した会社生活と幸せな人生を送ること。その土台となるものは、すべての社員とその家族の心身の健康と、笑顔があふれいきいきと働ける環境づくりです。三菱自動車は、社員一人ひとりの健康増進に、積極的に取り組むことを宣言します。

 

「従業員エンゲージメント」

 当社では、2013年度からエンゲージメントサーベイ(社員意識調査)を継続実施しております。同サーベイは、企業・組織全体・社員の状態を可視化し、結果から見える課題と向き合うことで人・組織を活性化させ、従業員エンゲージメントの向上に繋げることを目的としております。

 2023年度の従業員エンゲージメントスコアは前年度比1ポイント上昇し、さらに調査結果を分析のうえ、役員、組織長、担当部門それぞれに担当領域のフィードバックを実施し、エンゲージメント向上に向けたアクションを促進しました。特に、組織・人材マネジメントの向上に向けて、組織長向けに職場内ワークショップや社外有識者を招いたセミナー“Drive your team”を開催し、マネジメントの質の向上を推進しました。これに加え、同サーベイ結果は、経営幹部が出席する人材開発会議においても、今後の人材開発の方向性を議論する際の参照データとして使用し、会社として従業員エンゲージメントを持続的に高めるためのアクションに繋げております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要な事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下はそのすべてを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスクのいずれによっても、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、以下の記載において将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と異なる可能性がありますので、ご留意ください。

 

(1)市場及び事業に係るリスク(オペレーショナルリスク)

① 部品・原材料調達の影響

当社グループは、製品の品質、コスト競争力向上の観点からグローバルに原材料、部品等を調達しており、部品・材料により集中発注、複数発注等、最適な発注形態を取ることとしておりますが、パラジウムやロジウム等、産出量が少ないだけでなく、産出が特定の国や地域に限られる希少金属も使用しております。

そのため、原材料、部品等の需給状況の急激な変動、調達先の国における政情の変化・経済安全保障に関わる輸出入規制の強化、自然災害の発生等の理由により、それらの調達先からの供給が停止した場合、又は適時に競争力のある価格で調達ができない場合には、当社製品の生産の遅延・停止やコストの増加が生じるおそれがあります。

また、各国において、企業に対して人権の取組みを求める法規の制定が進み、サプライチェーン上の人権リスク対応の必要性が急速に高まっており、これら法規に対して適時適切な対応ができない場合には、法令違反のみならず、社会的信用の低下によるブランド・イメージが毀損し、生産・開発・購買・営業等の事業活動にも影響し、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクは、当社グループの中長期的な事業計画に与える影響も大きいため、事業活動・経営成績への影響を最小化すべく、サプライチェーン上のリスク対応を強化していますが、将来顕在化する可能性はあります。

 

② 製品の品質・安全性の影響

当社グループは、製品品質の改善のため、市場からの情報に基づき関連部門が連携して迅速に不具合原因の究明及び対策を実施すること、また、潜在リスクの検証を適切に行うことに努めております。

当社グループによる製品及びサービスの品質向上及び安全性の確保の努力にかかわらず、製品の欠陥又は不具合によるリコール又は改善対策等が大規模なものとなる場合、あるいは製品の欠陥又は不具合による大規模な賠償請求がお客様からある場合には、多額の費用負担、当社製品への評価、ブランド・イメージの毀損及び販売の低下等により、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法規制等の影響

当社グループは、事業を展開する各国において自動車業界に関連する排出ガス、燃費、騒音、化学物質、リサイクル、水資源等の環境に係る様々な法律や政府による規制の適用を受けています。

また、消費者保護規制、事業及び投資に対する許認可、労働規制、外国為替規制、安全保障目的を含む輸出入貿易規制、各種税法(関税含む)、独占禁止法、贈収賄防止法等内外の広範な法令の適用を受けております。

これらの規制や法令に対応するため、当社グループは、規制や法令の遵守体制を整え、各担当部門が違反の未然防止の対策を講じ、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しております。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反が生じ、あるいは対応の内容、効果、迅速性等が不十分との指摘を受ける可能性があります。その場合、規制当局による行政調査の対象となったり、罰則を受けたり、あるいは関連する訴訟の当事者となるなどの可能性があります。これらの可能性が現実に生じた場合には、当社グループのコンプライアンス・レピュテーションに悪い影響を及ぼしたり、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 訴訟その他の法的手続の影響

当社グループは、事業活動を行っていく中で、ユーザー、取引先、第三者などとの間で様々な訴訟その他の法的手続の当事者となる可能性があります。それらの法的手続において、あるいは現在進行中の法的手続において、当社に不利な判断がなされた場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、法的手続きのうち製造物責任に関する損害賠償請求訴訟については、敗訴等の場合の損害賠償金をカバーし得ると思われる製造物責任保険に加入していますが、想定外の内容の判決が出るなどした場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。個別の製造物責任訴訟の状況については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(連結貸借対照表関係)6 偶発債務」を参照ください。

 

⑤ 知的財産権侵害の影響

当社グループは、技術・ノウハウ等の知的財産の保護の対策を講じるとともに、第三者の知的財産権の侵害防止の対策を講じております。しかしながら、当社グループの知的財産権が不法に侵害されて訴訟費用が発生した場合、又は、第三者から予期せぬ知的財産権侵害の指摘を受けることに伴い、当社グループの製品の製造販売の中止、想定外のライセンス料支払、賠償金支払、当社製品への評価及び需要の低下等が生じた場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 情報技術及び情報セキュリティの影響

当社グループの運営や製品・サービス等に利用する情報及びこれを保存するネットワーク、システム等の情報技術は、委託先管理のものを含め、多岐にわたります。コネクティッドサービスやIoT技術の進展を踏まえ、当社グループは、ハードウェア・ソフトウェアの安全管理対策を、個人情報保護対策を含めて実施する他、当社グループ従業員への情報セキュリティ教育を実施しております。それにもかかわらず、当社グループ又は取引先においてインフラや製品・サービス等へのハッキング・サイバー攻撃、当社グループ内部若しくは委託先での管理不備ないし人為的な過失、又は自然災害等の発生により、当社技術情報等の機密情報・個人情報等の漏えい、重要な業務システムやサービスの停止、当社製品の電子制御機能への悪影響、不適切な事務処理、又は重要データの破壊・改ざん等が発生することが考えられます。その結果、当社グループのブランド・イメージや社会的信用の低下による販売の減少、法的請求、訴訟、賠償責任若しくは制裁金や罰金の支払義務発生、又は生産停止等の運営の支障が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業戦略や競争力維持に係るリスク(戦略リスク)

① 営業戦略、競合他社動向への対応の影響

自動車業界では現在、世界的な規模で激しい競争が展開されています。また、電動化に加え、テクノロジーの発展により、人の移動とモノを運ぶための手段であった自動車の概念が大きく変わり、「100年に一度」の大変革の時代を迎えています。当社グループは、「安定収益基盤確立に向けた地域戦略」「カーボンニュートラル対応の促進」「デジタルトランスフォーメーション、新事業への取り組み」を主要なチャレンジとする中期経営計画「Challenge 2025」を推進し、三菱自動車らしい製品や体験をお客様に提供することで、販売台数やマーケットシェアの維持拡大、及び収益力の向上に努めております。しかしながら、今後、そういった戦略が想定通りに進まず、競合他社に対して優位な施策を講じることができない場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製品・技術開発の影響

当社グループは『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により『冒険心』を呼び覚ます心豊かなモビリティライフを提供するために、地域ごとの多様な要請、カーボンニュートラル対応等、自動車メーカーに求められる技術や姿勢が急激に変化している中において、お客様の価値観とニーズに対応した有用かつ現実的で使いやすく、「三菱自動車らしさ」を具現化した新技術や新製品をタイムリーに投入することが重要と考え、開発に日々取り組んでおります。しかしながら、きめ細かな調査に基づく研究・開発であっても、お客様の価値観とニーズを十分に捉えることができない場合、又は内部・外部的な要因により、新技術や新製品を、タイムリーに開発しお客様に提供することができない場合には、販売シェアの減少、売上高及び収益力の低下を引き起こす可能性があります。

 

③ 他社との提携等の影響

当社グループは、経営資源の効率化や相乗効果を期待し、研究開発、生産、販売等の分野において共同出資関係を含む他社と業務提携・合弁による事業運営を行っておりますが、相手先の事業戦略の変更、当事者間の提携方針の不一致、出資比率の変更等により、提携・合弁関係を変更する又は維持できなくなる可能性や期待どおりの成果を生まない可能性があります。期待どおりの成果を生まない場合、提携・合弁先の財務状態が悪化した場合、又は出資関係の変更・大幅な提携の変更・提携の解消が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人事労政戦略の影響

当社グループは、高度な専門性を持つ人材の確保と、活躍機会の提供が極めて重要であると考えており、要員構成の是正による適切な人員配置、役割に基づいた処遇制度の整備、多様な働き方を支える風土の醸成と、個々の成長を促す仕組みづくりを推進しております。

しかしながら、採用難や労働市場の流動性の高まりにより、計画通りの採用や定着化が進まなかった場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。

また、当社グループではグローバルに事業を展開し、持続的に成長するためには、人権尊重の取り組みが社会的責任を果たしていく上で不可欠な要素であると認識しており、「人権方針」で制定した差別の禁止や不当な労働慣行の排除等に取り組んでいます。しかしながら、当社グループ及び関係者が人権上問題のある行動を取った場合には、お客様の信用・信頼を失う、又は社会的信用の低下等によるブランド・イメージの毀損等が事業基盤に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 気候変動の影響

当社グループは、燃費/CO排出規制やZEV規制の強化、カーボンプライシング等の導入拡大を想定し、当社グループの環境への取り組み方針と目標を定めた「環境計画パッケージ」に基づき、電動化の推進や各拠点での省エネルギー活動と再生可能エネルギーの導入等を進めております。しかしながら、想定を超えて気候変動政策が強化され、燃費/CO排出規制やその他規制の更なる強化への対応により原価が高騰する場合、又はカーボンプライシングなどの導入拡大によって生産や調達の原価が高騰する場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、グローバルでのCOの削減が進まず、気温が上昇し続け、現在よりも広域で台風、豪雨等の自然災害が頻発・激甚化することに備えて、事業継続計画の策定などの適応策の推進にも努めております。しかしながら、当社グループや取引先の生産拠点等が所在する国・地域において、想定以上の洪水等の自然災害の頻発や激甚化により、部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延又は停止する場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)金融・経済に係るリスク(財務リスク)

① 為替変動の影響

海外売上高比率が約8割を占める当社グループでは米ドル、ユーロ、豪ドル等の外貨建債権を有しており、また、タイ子会社にてグローバルでの輸出生産を行っていることから、タイバーツを中心に外貨建債務も有しております。

円と外国通貨の為替相場が変動すると、外貨建資産(売掛金等)や外貨建負債(買掛金等)の価値が増減するため、当社グループの円ベースの損益に影響を及ぼします。

現在、インドネシア生産車の輸出、タイ生産車の現地販売拡大等、為替影響低減のために必要な措置を適宜進め、為替相場変動の影響削減に中長期的に取り組んでおりますが、大幅な為替変動が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 市場環境変化の影響

当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な国、地域で生産活動を行い、製品を販売しております。

これらの事業活動は、それぞれの国、地域の経済低迷、金融危機などにより影響を受ける可能性があり、また、輸送費の上昇、輸送のための船腹が確保できない、又は手配が遅れる場合には、生産・販売活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 取引先等の信用リスク

当社グループは、事業活動を行っていく中で、販売業者や、販売金融事業による顧客・リース先等の取引先の信用リスクを伴っております。

販売業者等の取引先に対する信用リスクについては、カントリーリスクや取引先の財務状況に対する継続的な評価を行いながら適切な債権保全を図ることで、その抑制に努めております。また、販売金融事業から生じるリスクに対しては、厳格な審査・回収管理を行い、破綻の発生及び回収不能額の抑制に努めております。しかしながら、外部環境等の悪化等を要因とし、これらのリスクに基づく損失が当社グループの想定を上回る場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 資金の流動性の影響

当社グループは、金融機関からの借入に加え、コマーシャル・ペーパーの発行等により資金調達を行っております。当社は事業環境の悪化による資金需要の増加に備えるべく、コミットメントライン約1,500億円に加えて、海外子会社においても資金調達枠を設定することで十分な流動性を確保するとともに、メインバンクをはじめ取引金融機関との良好な関係性の維持に努めております。しかしながら、経済・金融危機等の発生、又は当社グループの信用格付けの引き下げ等により、金融市場から適切な条件で必要とする金額の資金調達ができなくなった場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)事業の継続に係るリスク(ハザードリスク)

① 戦争・テロ・政治不安・治安の悪化の影響

当社グループは、日本及び世界各地に開発、製造、販売等の拠点の施設を有しており、当該各地でテロ、戦争、内戦、政治 不安、治安不安等が発生することにより、当社グループ又はその取引先の操業の中断等の重大な支障をきたす場合があります。

かかる状況を想定し、経済安全保障クロスファンクショナルチームにより想定される支障の軽減策を準備・実行するとともに、仮にこうした事象が発生した場合には、関係部門が参画した対策会議を立ち上げ、全社横断的な観点で対応を行っております。

しかしながら、想定を超える規模でテロ、戦争、内戦、政治不安、治安不安等が発生し、部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延若しくは停止する場合、又はコストの増加をもたらした場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 自然災害や事故、感染症等の影響

当社グループは、日本及び世界各地に開発、製造、販売等の拠点の施設を有しており、当該各地で大規模な地震・台風・豪雨・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症の発生により、当社グループ又はその取引先の操業の中断等の重大な支障をきたす場合があります。

これらに備え、当社グループ事業へ影響が大きいと想定されるシナリオに基づき、BCM*委員会において事業継続計画を策定するとともに、定期的な訓練による有効性検証を行い、今後の新たな脅威に備えております。

しかしながら、想定を超える規模で自然災害、事故、感染症等が発生し、開発、製造、販売等の拠点の施設の損壊、又は部品調達、製品の生産や販売、物流等が遅延若しくは停止する場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

*:Business Continuity Managementの略

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、本項において含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

当連結会計年度下期は、半導体不足等に起因する在庫不足は概ね解消され、販売現場における競争環境は正常化に向かいました。一方で、当社が軸足を置くアセアン地域では、一部の国で自動車総需要が大幅に減少するなど、当社グループを取り巻く経営環境は、全般的に厳しいものとなりました。

このように経営環境が厳しいなか、当社グループは、コストの優先順位を明確にし、販売の質向上、あるいは「手取り改善活動」に注力しました。しかし、修正した見通しには、若干届かない結果となりました。

結果、通期販売台数はグローバルで前年度比2%減の81万5千台、通期売上高は前年度比13%増の2兆7,896億円となりました。通期営業利益は、アセアン一部地域での全需低迷や、車両供給制約緩和に伴う競争激化、資材費・輸送費悪化を、販売の質向上に伴う売価改善や為替好転により打ち返し、1,910億円(前年度比+5億円)となりました。なお、経常利益は2,090億円(前年度比+270億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,547億円(前年度比△140億円)となりました。

 

当連結会計年度は、中期経営計画「Challenge 2025」の初年度でしたが、中国やロシアを含む地域ポートフォリオの見直し、アライアンスパートナーからの車種導入を含む新型車の投入・商品構成の見直し、当社グループ初めてとなるHEV車の投入など、過去からの流れを大きく変える起点となる年となりました。車種入れ替えの端境期となったことに、アセアン市場の景気低迷が重なり、対応に苦慮した面があった一方、手取り戦略は確実に進捗し、三菱自動車らしさを体現した『デリカミニ』や『トライトン』のヒット、ここ数年開発を進めてきたHEV車のヒット等で一定の収益を上げるとともに、次の成長に向けた手応えを掴んだ年でもありました。

2024年度に関しては、地政学リスクの高まりや、各国の景気先行き懸念など、引き続き外部環境は不安定です。また、自動車業界においては、BEVの需要が一旦踊り場を迎えるなか、HEVやPHEVの存在感が増すなど、わずか半年前とまったく違う動きがみられます。世の中の変化は極めて急速かつ激しいですが、一方で、大きな変化の方向性には変わりがないものとも考えています。いずれにしろ変化の節目を上手く捉え、これをチャンスに変えるべく、2024年度は一層成長に向けた打ち手を具現化してまいります。

 

事業別セグメントの状況は以下のとおりです。

 

(ⅰ)自動車

当連結会計年度における自動車事業に係る売上高は2兆7,716億円(前年度比+3,296億円)となり、営業利益は1,879億円(前年度比+18億円)となりました。

 

(ⅱ)金融

当連結会計年度における金融事業に係る売上高は380億円(前年度比+29億円)となり、営業利益は44億円(前年度比△5億円)となりました。

 

② 財政状態

当連結会計年度末の総資産は2兆4,545億円(前年度末比+2,530億円)となりました。そのうち現金及び預金は6,742億円(前年度末比+782億円)となりました。負債合計は1兆4,100億円(前年度末比+389億円)となり、そのうち有利子負債残高は、4,924億円(前年度末比+641億円)となりました。純資産は1兆445億円(前年度末比+2,141億円)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

① キャッシュ・フローの基本的な考え方

当社は、財務規律を維持しつつ健全で持続可能な成長を図り、企業価値を高めることで、株主の皆様への成果配分を安定的に維持することを基本としており、フリー・キャッシュ・フローをそのための経営管理指標の一つとして設定しております。

この考え方に基づき、当社グループにおける自動車の開発・生産・販売等の事業活動における運転資金需要(材料費、人件費、各種経費、金融事業に係る貸付資金等)や、次世代新技術や環境規制対応、生産効率向上に資する設備の維持・更新などの設備投資需要を、毎年当社が新たに生み出すキャッシュ・フローにより賄うことを基本としつつ、必要に応じ過年度までに蓄積した内部資金や金融機関借入等の外部資金を活用しております。

 

(注)フリー・キャッシュ・フローの算出においては、以下の計算式を使っております。

   営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により1,408億円の収入超(前年度比328億円の収入減少)、投資活動により1,389億円の支出超(前年度比858億円の支出増加)、財務活動により377億円の収入超(前年度比996億円の収入増加)となりました。加えて、現金及び現金同等物に係る為替換算差額による387億円の増加もあり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し783億円増加し、6,742億円となりました。

なお、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは、19億円の収入超(前年度比1,186億円の収入減少)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による収入は1,408億円の収入超となり、前連結会計年度の1,736億円の収入超に対し328億円の収入減少となりました。この収入減少は主として、仕入債務が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動は1,389億円の支出超となり、前連結会計年度の531億円の支出超に対し858億円の支出増加となりました。この支出増加は主として、前年比有形固定資産の売却収入減少、及び有形固定資産の取得増加によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動は377億円の収入超となり、前連結会計年度の619億円の支出超に対し996億円の収入増加となりました。この収入増加は主として、長期借入金が増加したことによるものであります。

 

③ 資金の流動性及び資金調達

当連結会計年度末の連結現預金残高は6,742億円、連結有利子負債残高は4,924億円となりました。当社単体において国内金融機関からは約1,500億円のコミットメントラインを設定しており、現預金残高にコミットメントラインを加えた流動性は約8,300億円となっております。

また、事業環境の悪化による資金需要の増加に備えて、上記の流動性に加え、海外子会社においても資金調達枠を設定し、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の確保に努めております。

なお、当社グループは、格付投資情報センター及びS&Pの格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、格付投資情報センター:「BBB+」、S&P:「BB+」となっております。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

数量(台)

前連結会計年度比(%)

国 内

499,497

109.2

海 外

510,856

90.9

   アジア

497,628

91.7

   その他

13,228

67.1

合計

1,010,353

99.1

(注)生産実績は当社及び連結子会社の完成車(国内はKDを含む)の生産台数を示し、他社へのOEM供給及び共同

開発車の当社生産分を含んでおります。

 

② 受注実績

 当社は、大口需要等特別の場合を除き、見込生産を行っております。

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

当連結会計年度

前連結会計年度比(%)

数量(台)

金額(百万円)

数量

金額

国 内

265,077

609,100

107.7

110.2

海 外

763,968

2,180,489

100.2

114.4

   北米

182,796

711,099

122.4

132.2

   欧州

79,795

219,377

151.0

142.3

   アジア

257,988

537,039

78.8

90.0

   オセアニア

88,938

318,988

103.2

113.2

   その他

154,451

393,984

105.1

117.9

合計

1,029,045

2,789,589

102.0

113.5

   (注)1.販売実績は、外部顧客の所在地別の当社及び連結子会社の完成車及びKDパックの卸売り台数を示しております。

          2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績の10%以上を占め

る相手先がないため、記載を省略しております。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の計上及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の計上に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積りは、過去の実績や合理的と考えられる方法に基づき行われておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が当社グループの連結財務諸表における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。なお、市場措置に関する負債及び偶発債務(訴訟損失引当金)については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

① 貸倒引当金

当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済状況の変化等により顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。

② 製品保証引当金

当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しております。実際の製品不良率又は修理コストが見積りと異なる場合、アフターサービス費用の見積額の修正が必要となる可能性があります。

③ 偶発損失引当金

当社グループは、将来発生する可能性の高い偶発損失に備え、偶発事象ごとに個別のリスク等を勘案し、合理的に算出した損失負担見込額を計上しております。

④ 退職給付費用及び債務

従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

⑤ 繰延税金資産の評価

当社グループでは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を控除し、純額を計上しております。評価性引当額は、将来の課税所得及びタックスプランニング等を勘案し算定しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。また、繰延税金資産の計上金額を上回る繰延税金資産を将来回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることとしております。

⑥ 投資有価証券の評価

当社グループは、価格変動性が高い公開会社の株式と、市場価格のない非公開会社の株式を保有しております。当社グループは、投資有価証券の評価を一定期間ごとに見直し、その評価が取得原価又は減損後の帳簿価額を一定率以上下回った場合、減損処理を実施しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理の実施が必要となる可能性があります。

 

⑦ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損会計の適用に際し、生産用資産は主として事業会社単位、販売関連資産は主として事業拠点単位、賃貸用資産及び遊休資産は個々の資産グループとしてそれぞれグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、損益に影響を与えることがあります。

5【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

相手方

契約の内容

契約締結日

名称

国籍

三菱自動車工業株式会社

(当社)

中国航天汽車有限責任公司

瀋陽建華汽車発動機有限公司

三菱商事株式会社

エムシーアイシー持株有限公司

中国

 

中国

 

日本

マレーシア

中国における自動車用エンジン事業に関して瀋陽航天三菱汽車発動機製造有限公司を設立する契約

1997年5月15日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

日産自動車株式会社

スズキ株式会社

日本

日本

ジヤトコ株式会社に関する株主間の権利義務等を定めた契約

2007年3月15日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

プジョー・シトロエン・オートモビルズ・エス・エイ

フランス

ロシアで車両を生産するための合弁事業に関する基本契約

2008年5月19日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

PT Krama Yudha

三菱商事株式会社

インドネシア

日本

インドネシアで車両を生産するための合弁事業に関する契約

2015年3月24日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

日産自動車株式会社

日本

日産自動車株式会社との資本業務提携に関する契約

2016年5月25日

三菱自動車工業株式会社

(当社)

ダイムラーAG

ルノー

ルノー・日産会社

日産自動車株式会社

ドイツ

フランス

オランダ

日本

自動車事業における戦略的協力に関する提携契約

2018年10月3日

 

(注)当連結会計年度において、終了した経営上の重要な契約は以下のとおりであります。

三菱自動車工業株式会社

(当社)

広州汽車集団股份有限

公司

三菱商事株式会社

中国

 

日本

中国における車両の生産・販売等、広汽三

菱汽車有限公司の合弁事業に関する契約

2012年9月5日

(2024年2月27日をもって終了)

 

6【研究開発活動】

当社グループは、2023年3月に発表した中期経営計画「Challenge 2025」の実現に向けて、研究開発活動に取り組んでいます。

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費(自動車事業)は114,583百万円であります。

当社グループの研究開発体制、次世代技術の開発状況及び2023年4月から2024年3月にかけて発売した主な新商品は次のとおりであります。

 

(1)研究開発体制

日本では、「技術センター」及び「EV技術センター」を中心に、デザイン・技術の先行技術開発・設計・実験を行っております。海外では、北米・欧州・中国・タイに研究開発拠点を置き、地域ごとの市場特性を踏まえた技術/商品開発を連携して行っております。また、ルノー・日産とのアライアンスを活用しながら、技術/商品開発を進めております。

 

(2)次世代技術の開発状況

中期経営計画で定義づけした、三菱自動車らしさ「『環境×安全・安心・快適』を実現する技術に裏付けられた信頼感により、『冒険心』を呼び覚ます心豊かなモビリティライフをお客様に提供すること」を具現化する魅力ある商品を実現するための技術開発を推進しております。

 

① 環境技術の開発

2023年3月に発表しました「Challenge 2025」で掲げた2030年までの電動車販売比率50%達成に向けて、当社独自の『プラグインハイブリッドEVシステム(PHEV)』をコア技術として、PHEV用コンポーネント・バッテリーを電気自動車(BEV)やハイブリッド車(HEV)に活用し、電動車ラインナップを拡大します。コアモデルの『アウトランダーPHEV』は欧州向けを追加し仕向地を拡大しており、重点戦略地域であるアセアン向けにおいては、2024年2月タイ向けにPHEV技術を活用し新開発したHEVシステムを搭載する『エクスパンダー(HEV)』『エクスパンダー クロス(HEV)』を発売し、『エクスフォース』シリーズにも展開し電動化を加速させます。BEVについては、2023年12月に国内向けに電池搭載量を増やし商品力を強化した『ミニキャブEV』を発売し、同月、インドネシアでも現地生産を開始しました。すでに販売中の軽乗用EVに加え、先進国向けにはアライアンスを活用したBEVを投入し、ラインナップを拡充していきます。なお、今後の電動化の急速な進化(バッテリー、モーター等)に対して、迅速かつ効率的に技術開発を進めるため、アライアンス間の電動コンポーネントやパワートレインの相互活用を推進していきます。

 

② 安全・安心技術の開発

・安全技術の開発

当社は、交通事故ゼロのクルマ社会に向けた安全理念を掲げ、安全技術の考え方として自動車安全フレームワークを策定しました。ここでは、1.交通事故を未然に防止する技術(予防安全)、2.交通事故の被害を軽減する技術(衝突安全)、3.工業製品としてハードウェア・ソフトウェア両面から想定される危険の回避(製品基本安全)の3点を軸として取り組んでおります。様々な安全技術を製品に反映することによって、お客様に安全、安心かつ快適な運転をしていただけることを目指しています。代表例として、先進予防安全技術『三菱eAssist*1(イーアシスト)』や衝突安全技術『衝突安全強化ボディRISE*2(ライズ)』があります。また、アセアンの交通環境で、より効果を発揮する安全技術の開発を推進しております。

 

・4WD技術・オフロード性能による安心感

どんな路面でも安心して走れる圧倒的な走破性と安心感を提供するため、当社の強みである四輪制御技術『S-AWC*3』の進化に継続して取り組んでおります。特に電動技術とS-AWCとの融合は、当社が目指す環境×安全・安心・快適な特性をさらに向上させる技術として開発を推進しており、世界中のお客様に安心・快適で、さらにワクワクする走りを提供するために活用・展開してまいります。

 

・堅牢なボディとシャシーによる耐久性・信頼性

日々変化する市場の環境や路面、お客様のクルマの使い方について毎年グローバルに調査を実施し、当社テストコースでの過酷な実験条件をアップデートすることで「いつまでも、どこへでも行ける」耐久信頼性の確保に取り組んでおります。昨今は長年使用したクルマでも「安心・快適」性能が損なわれることがないよう経時劣化品質の取り組みも強化しております。当社の継続した耐久信頼性技術開発の取り組みにより、新型『トライトン』でアジアクロスカントリーラリー2023に参戦し、総合3位を獲得、参戦したすべての車両が完走し、うち上位2台の合計タイムで争われるチーム賞を獲得しました。

③ 快適性技術の開発

当社は、製品・サービスをご利用いただくお客様一人ひとりのニーズへの理解を深め、運転しやすい環境と心地よい車内空間で、行動意欲を高め、乗る人全員にワクワク感を提供していくことを目指しています。その実現に向けて、社会環境や生活スタイルの変化を反映し日々進化するIT技術等を取り入れ、情報提示や運転装置、運転支援機能などを先進的に進化させると同時に、居住性、利便機能やコネクテッド及びおもてなし機能などの性能向上や機能性の更新・充足を図っていきます。

 

*1:三菱e-Assist:電波レーダーやカメラなどによって、安全かつ快適なドライブをサポートする予防安全技術

*2:RISE:Reinforced Impact Safety Evolution

*3:S-AWC:Super All Wheel Control

 

(3)2023年4月から2024年3月に発売した主な新商品

① 新型軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』

② 新型1トンピックアップトラック『トライトン』

③ 新型『ミニキャブEV』

④ 新型コンパクトSUV『エクスフォース』

⑤ クロスオーバーMPV『エクスパンダー(HEV)』『エクスパンダー クロス(HEV)』

各新商品の特徴は以下に記載しております。

 

① 新型軽スーパーハイトワゴン『デリカミニ』を発売しました。新型『デリカミニ』は「Reliable & Active Super Height Wagon(頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン)」をコンセプトとし『デリカ』シリーズに新しくラインナップするモデルです。デリカらしい力強いデザインと大径タイヤによるSUVらしいスタイリングに、アウトドアから日常使いまで、便利で快適な広々とした室内空間と、運転をサポートする走行性能や安全装備を特長とし、お客様の行動範囲を拡げ、家族や仲間と楽しく過ごす時間やレジャーシーンを提供します。

 

主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」をデザインテーマとした内外観

(ア)SUVらしく力強いエクステリア

・力強さと安心感を表現する立体的な「ダイナミックシールド」に、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトを組み合わせ、凛としながらも親しみやすい表情としました。

・フロントバンパーとテールゲートガーニッシュには立体的な「DELICA」ロゴを採用しました。光沢のあるブラックのホイールアーチに加え、前後バンパー下部にプロテクト感のあるスキッドプレート形状を採用し、『デリカ』ならではのSUVらしい力強さと高い質感を表現しました。

・アルミホイールは、タフさを表現した形状とスタイリッシュさを持ち合わせたダークシルバー塗装とし、足元を引き締めた印象にしました。

・ボディカラーは、新型『デリカミニ』のコンセプトに合わせて新開発した、アウトドアから都会まであらゆるシーンに馴染むアッシュグリーンメタリックを新色として採用し、2トーン6色、モノトーン6色の全12色を用意しました。

 

(イ)アウトドアでも使いやすい機能的で快適なインテリア

・ブラックを基調色とした水平基調のインストルメントパネルに、アクティブで明るい印象を与えるアイボリーをアクセントカラーとして配置し、ワイド感を強調し機能性を感じさせるインテリアとしました。

・アウトドアでの使用や小さなお子様がいるご家庭での使用を想定し、通気性の良い撥水シート生地を採用しました。また座面や背もたれ中央部に立体的なエンボス加工を施すことで、蒸れにくく座り心地のよい機能的なシートとしました。

 

(ⅱ)広くて便利な室内空間

(ア)後席ロングスライドと多彩なシートアレンジ

・リヤシートは320mmの前後スライド量を確保し、後席の足元空間は前席を一番後ろに下げた状態でも余裕を持って座れるほどの空間を確保しています。また片側ずつスライドや背もたれを倒すこともでき、乗車人数や荷物の量に応じた多彩なシートアレンジを可能としております。

 

(イ)乗り降りしやすい後席スライドドア

・後席スライドドアは、650mmの開口幅を確保するとともに、足元をフラットにし、乗降性能を確保しております。加えてハンズフリーオートスライドドアを採用することで、たくさんの荷物で両手がふさがっていても、キックセンサーでドアを開閉できるため、容易に乗降することを可能としました。

 

(ウ)汚れに強いラゲッジルーム

・簡単に汚れをふき取ることができる素材のラゲッジボードと後席シートバックの採用*4 により、濡れたものや泥の付いたアウトドア用品などを気にせず積むことができます。

 

(ⅲ)アウトドアから日常まで、毎日の運転をサポートする走行性能と安全装備

(ア)大径タイヤの採用と専用チューニングサスペンション

・165/60R15サイズの大径タイヤの採用とショックアブソーバーの専用チューニングにより、路面をしっかりと捉えながら車内には振動を伝えにくい設定とし、砂利道などの未舗装路を走行する際の安定性と快適性を高めました(4WD車のみ)。

 

(イ)安心感を高めるグリップコントロールとヒルディセントコントロール

・アウトドアから日常まで安心してドライブを楽しめるよう、滑りやすい路面での発進をサポートするグリップコントロールを標準装備しております。雪道やぬかるんだ路面で片側の駆動輪が空転した場合、スリップした駆動輪をブレーキ制御し、グリップしている駆動輪の駆動力を確保することで発進をサポートします。

・急な下り坂や滑りやすい路面を下る際、電子制御により低車速に抑えて安心して走行することができるヒルディセントコントロールを標準装備しました。

 

(ウ)充実の運転支援機能「マイパイロット」と先進安全装備「三菱 e-Assist」

・高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」*4 を搭載しております。レーダークルーズコントロールシステム[ACC]により、アクセルペダルから足を離していても車間距離の保持をアシストし、また車線維持支援機能[LKA]によるステアリング制御で、車線中央付近を走る手助けをするなど、ドライバーの運転をサポートし負担を軽減します。

・先進安全装備「三菱 e-Assist」を搭載し、サポカーSワイドに対応しております。衝突被害軽減ブレーキ[FCM]や踏み間違い衝突防止アシスト[EAPM]など8つの先進安全装備を搭載することで、毎日の安全な運転をサポートします。

 

*4:「T Premium」「G Premium」に標準装備

 

② 新型1トンピックアップトラック『トライトン』を発売しました。新型『トライトン(日本仕様)』は、SUV並みの快適性とピックアップトラックに求められる堅牢性、実用性を兼ね備えた2列シートのダブルキャブボディで、ラダーフレーム、サスペンションなど主要コンポーネントを三菱自動車独自で新開発しました。2ステージターボシステムを採用し高い環境性能と実用域で扱いやすい動力性能を実現した新開発の2.4Lクリーンディーゼルエンジンを搭載し、SS4-IIシステムにブレーキ制御式のアクティブヨーコントロール[AYC*5]や、アクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)を組み合わせることで、大型のボディでもドライバーの意のままの走行性能を発揮します。さらに各4WDモードで選択可能な7つのドライブモードを搭載することにより、様々な路面状況で高い走破性能を実現しました。また、衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]をはじめとする安全装備や、安全・安心で快適なドライブをサポートする「MITSUBISHI CONNECT」などを採用し、ハード面だけでなくソフト面でも安全、安心、快適なピックアップトラックとしております。グレード展開はベーシックな「GLS」と、フロントアンダーガーニッシュやフェンダーアーチモール、ベッドライナー、スタイリングバーを標準装備した上級仕様の「GSR」の2グレード展開としました。

 

*5:Active Yaw Control

 

主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)耐久性と信頼性を極限まで磨いた独自開発のラダーフレームに、大型ボディと高出力で扱いやすいクリーンディーゼルエンジンを搭載

・新開発となるラダーフレームは従来型から大幅に剛性を高めながら、ハイテン鋼の採用比率を大幅に増加させて重量増を最小限に抑えました。これにより走行性能や乗り心地の向上に大きく寄与することはもちろん、積載時の耐久性、衝突時のエネルギー分散性も向上するなど堅牢性を高めています。

・ボディはラダーフレームと同様に超ハイテン鋼を採用するなど軽量化を図り、衝突時のエネルギー吸収とキャビンの変形抑制を両立させた衝突安全強化ボディ「RISE*6」を採用しています。

・カーゴベッドはベッドライナー(荷台カバー)装着状態でもJIS規格パレット*7積載にも対応したほか、820㎜*8の荷台高やバンパーコーナー上面をフレームで補強し、足を乗せるスペースとして使用可能とするなど実用的な仕様としました。また、2×4(ツーバイフォー)材を使用してカーゴスペースを自由に仕切れる2×4ランバーアタッチメントを採用することで、荷物の整理を容易にしております。

・新開発の4N16型クリーンディーゼルエンジンは、回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させることで全回転域で高出力を発揮する、2ステージターボシステムを採用しました。150kWの最高出力と約1,500rpmからフラットに発生する470 N・mの最大トルクによって、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行を可能としております。また、排出ガスをクリーンに浄化する尿素SCRシステムを採用し、尿素水溶液であるAdBlue®*9により、窒素酸化物(NOx)を安定して浄化します。組み合わされるトランスミッションは6速スポーツモードA/Tとしました。

 

*6:Reinforced Impact Safety Evolution

*7:1100㎜×1100㎜×144㎜

*8:「GLS」の場合。「GSR」は825㎜

*9:AdBlue®はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。

 

 

(ⅱ)新開発のサスペンションによる良好な乗り心地や優れた操縦安定性、『パジェロ』譲りのSS4-IIシステムや7つのドライブモードによる高い走行性能を実現

・サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式を採用しております。アッパーアーム取り付け部を上方に設定したハイマウントタイプとすることで、ストロークを確保して接地性・乗り心地の向上を実現しました。リヤサスペンションは強度を確保しながら軽量化したリーフスプリング式を採用し、大径のショックアブソーバーとともに快適な乗り心地を実現しました。

・4WDシステムは、三菱自動車独自のSS4-IIシステムを採用しました。4WDモードは後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、さらに、よりローギヤの「4LLc」の4種類が選択可能です。走行中*10にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更することができ、センターディファレンシャルには、前40%、後60%に駆動力を配分し、トラクション性能とコーナリング性能を両立するトルク感応式LSDを備えております。

・それぞれの4WDモードに対応する7つのドライブモードを搭載しました。すべての4WDモードに設定されている「NORMAL」モードをはじめ、2Hには経済性を重視した「ECO」、4Hに「GRAVEL(未舗装路)」と「SNOW(氷雪路)」、4HLcにトラクション性能を引き出す「MUD(泥濘)」と「SAND(砂地)」、4LLcには「ROCK(岩場)」モードが設定され、あらゆる路面で最適なドライブモードを選択可能です。

・コーナー内側の前輪に弱くブレーキをかけることで旋回性を向上するアクティブヨーコントロール[AYC]を新たに採用しております。また、空転している車輪にブレーキをかけて路面をグリップしている車輪に駆動トルクを分配し、滑りやすい路面での安全性が向上するとともにスポーティな運転を楽しむことができるアクティブLSD(ブレーキ制御タイプ)をあわせて採用することで、大柄なボディでも意のままの走行性能を実現しています。その他、下り坂で一定のスピードを保持して安心して走行することができるヒルディセントコントロール [HDC]、坂道発進での後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]などを採用し、ドライバーの負担を軽減します。

 

*10:100km/h以下、4HLc⇔4LLc切換は停止時のみ可能

 

(ⅲ)頼もしく存在感のあるフロントフェイスとワイドで厚みのあるプロポーション、機能的で操作性に優れ、上質感を持ったインテリアデザイン

・「BEAST MODE」(勇猛果敢)はパワフルで力強いデザインを目指すコンセプトで、ピックアップトラックに求められるタフさや力強さに加え、堅牢さを持ちながら俊敏さも併せ持つ堂々とした佇まいを表現しております。水平基調のボディサイドは、ドアの厚みを演出する張りのある大きな面で構成しながら、シャープに張り出したフェンダー造形とのコントラストで引き締め、より幅広く見せることで安定感と強靭さを強調しております。フロントには力強いパフォーマンスと人とクルマを守る安心感を表現したフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を、力強く立体的なフロントグリルやフェンダーから繋がる力強い造形やそれを強調するプロテクターにより、ピックアップトラックに最適化しました。

・エアロダイナミクスを向上させたキャビン形状や大型化して握りやすく耐久性を高めたドアハンドル、幅を広げて水はけを良くしたサイドステップなど、各所に機能的なデザインを採り入れ、実用性を高めております。3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプは猛禽類を思わせる眼光鋭い造形とし、その下に立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトを組み合わせることで、圧倒的な存在感と逞しさを感じさせるデザインとしております。リヤは十分な荷台サイズを確保しながら、サイドから続く張りのある面を後端まで回しております。両端にT字型のテールランプを配しワイド感を強調するとともに厚みを持たせリヤ周りを逞しく演出します。

・走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル アクシス)」コンセプトを進化させたインストルメントパネルの採用や、プロフェッショナルユースを意識した乗員を保護するためのソフトパットを要所に採用し、実用性を確保しながら幾何学的な造形とメタリックを多用したハイコントラストでモダンな空間としております。モニターやメーター、メタリックとブラックでコントラストをつけたスイッチ類は視認性にこだわり、ダイヤルやスイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるよう程よい節度感を実現し、ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザインしました。

・フロントシートは腰回りをしっかりサポートし、肩付近は動きやすく開放的な形状とすることで、ドライバーの疲労を軽減します。また、着座位置が高くアップライトな乗車姿勢とし、室内からの視認性を確保しながら、立たせたフロントピラーによる広いドア開口部、さらに幅広く滑りにくいサイドステップを採用することで良好な乗降性を実現しております。

・ボディカラーは鮮やかさとメタリック感を強めたヤマブキオレンジメタリックと、輝度感を向上させたブレードシルバーメタリックを新たに採用しました。高品質なベーシックカラーとしてホワイトダイヤモンド、レッドソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインナップしております。

・「GSR」はフロントグリルをボディ同色に、ドアミラー、フロントバンパーガーニッシュ、ドアハンドルなどをブラックに、フロント、サイド、リヤの各アンダーガードはダークチタニウムとしました。また、ブラックのルーフレール、フェンダーアーチモール、荷台にはスタイリングバーを装着することでより一層精悍さを増しております。インテリアもメタリック加飾部分をブラック基調とすることで引き締め、オレンジのアクセントカラーを配置することで上質感と精悍さを加えております。

 

(ⅳ)衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]などの先進安全装備やコネクティッド技術による高い安全性や快適性に加え、幅広いアクセサリーをラインナップ

・運転支援機能「e-Assist」では先行車の加速・減速に追従走行し、設定した車間距離を保ちながら走行するレーダークルーズコントロールシステム[ACC]をはじめとした9つの機能を搭載しました。

[1] 衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]

[2] レーダークルーズコントロールシステム[ACC]

[3] 踏み間違い防止アシスト[EAPM]

[4] 車線逸脱警報システム[LDW]& 車線逸脱防止支援機能[LDP]

[5] 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW / LCA]

[6] 後退時交差車両検知警報システム[RCTA]

[7] オートマチックハイビーム[AHB]

[8] 標識認識システム[TSR]

[9] ふらつき警報[DAA]

 

・先進のコネクティッドサービス「MITSUBISHI CONNECT」を採用し、リモートエアコンやリモートドアロック/アンロックなどの便利機能に加え、万が一の際のSOSコールや、車両の運転状況を通知するドライブ見守り通知機能も採用することでドライバーの負担を軽減し、乗る人すべてに安全・安心を提供します。

 

・アクセサリーは新型『トライトン』の特徴をより際立たせるアイテムを幅広く設定しました。堅牢且つ洗練されたデザインのスポーツバー、よりワイドにかつ力強さを主張するフェンダーアーチモールディング、サイドドアガーニッシュで強固なイメージを演出します。また、荷台の保護には欠かせないベッドライナーに加えフューエルリッドガーニッシュなどのドレスアップアイテム、トノカバー、テールゲートアシストなどのサポートアイテムも取り揃えております。

 

③ 新型『ミニキャブEV』を発売しました。新型『ミニキャブEV』は、『ミニキャブ・ミーブ』をベースに同車の開発・メンテナンスで得られたノウハウを最大限に活かして大幅改良し、多くのお客様からご要望いただいておりました航続距離の向上と、安全装備・機能装備の拡充を図りました。2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて各方面で脱炭素化の取り組みが加速し、物流関係や自治体など軽商用電気自動車の需要が一層高まっていることを受け、三菱自動車は『ミニキャブEV』とともに商用でのラストワンマイルのCO削減に貢献します。

 

(ⅰ)商品特長

・『ミニキャブEV』はワンボックスタイプの軽商用EVで、モーターや駆動用バッテリーなど電動系コンポーネントを新世代化し、一充電あたりの航続距離を先代モデル比で約35%増となる180km(WLTCモード)に延長しました。AC200V(15A)での普通充電では約7.5時間で満充電となり、業務終了後に充電すれば、翌日の業務開始時には満充電状態でお使いいただけます。なお、急速充電*11 の場合、約42分*12 で80%までの充電が可能です。

・新採用のモーターは走り出しから最大トルクの195N・mを発生するため、荷物をたくさん積んで重くなった状態でも、電気自動車ならではのスムーズかつ力強い走りでストレスなくキビキビと走行することが可能です。また、新型モーター・インバーターを採用するとともに一体化構造とすることで、先代モデルよりさらに高い静粛性を実現し、早朝や深夜でも周囲に気兼ねなく走行することができます。なお、先代モデルから走行距離向上や安全装備の充実を図りながら販売価格は同等に抑えました。

 

*11:メーカーオプション設定

*12:急速充電器の最大出力電流が60A以上の場合

 

(ⅱ)主な変更点

(ア)三菱自動車独自のEVシステム新世代化

・駆動用バッテリーは、電池容量を約25%向上しております。またモーターとインバーターを一体化構造とするなど、モーター効率を向上させ、航続距離を約35%向上させ180㎞*13 としました。

 

*13:WLTCモード一充電航続距離

 

(イ)安全機能

・衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]*14 や車線逸脱警報システム[LDW]*15、オートマチックハイビーム[AHB]*16、誤発進抑制機能(前進時)[UMS]*17 などの予防安全技術「三菱e-Assist」を採用しております。安全機能を向上することで、サポカーSワイドに対応し、毎日の安全な運転をサポートします。

・急な坂道で発進時の後退を防止するヒルスタートアシスト[HSA]*18 を追加し、安心してスムーズな発進ができるように補助します。

 

*14:Forward Collision Mitigation System

*15:Lane Departure Warning

*16:Automatic High Beam

*17:Ultrasonic misacceleration Mitigation System

*18:Hill Start Assist

 

(ウ)装備機能

・電気を車両からいつでも取り出せる、アクセサリーコンセント*19(AC100V、最大1500W)をフロアコンソール背面に設定しました。災害時などの緊急時でも、消費電力の大きい電化製品を使用することができます。

・インストルメントパネルには、充電用USBポート*20 のタイプCとタイプAをメーカーオプション設定し、ユーザーの使いやすさを考慮しスマホトレイを併設しました。

*19:2シーターにメーカーオプション設定

*20:タイプCは3A、タイプAは2.4Aの出力が可能

 

(エ)走行性能

・前後ショックアブソーバーの減衰力特性を見直し、乗員の乗り心地の向上とともに、キャビンの揺れを抑制して荷物への負担を軽減しました。

・回生ブレーキを積極的に活用するBポジション時の回生力を強めることで実用電費を向上させました。

 

④ 新型コンパクトSUV『エクスフォース』を発売しました。新型『エクスフォース』は、アセアン地域でのコンパクトSUVの使われ方にこだわって開発した、5人乗りのコンパクトSUVです。「Best-suited buddy for an exciting life(毎日を愉しく過ごすことができる頼もしい相棒)」をコンセプトとし、スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインを特長としております。また、取り回しの良いコンパクトなボディサイズでありながら、広々とした居住空間や多彩な収納スペースなどの快適性・実用性を両立しており、様々な天候や路面において安全・安心の走破性を実現する、毎日の生活をワクワクさせてくれるコンパクトSUVです。

 

主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)「Silky & Solid」をコンセプトとした内外装デザイン

(ア)スタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインのエクステリア

・「Silky & Solid」をコンセプトに、優雅さと堅牢性を融合させたスタイリッシュかつ力強い本格的なSUVデザインとし、アセアンの都会からアウトドアシーンまで圧倒的な存在感を発揮するスタイリングを実現しました。ボディ上部はフロントのスリーダイヤからサイド、リヤへと連続的に繋がる、流れるような面と、浮いているような視覚効果を与えるフローティングルーフによって、シルクのように滑らかな軽やかさを表現しております。ボディ下部は、SUVらしい力強くソリッドなプロポーションとしました。クラストップレベルとなる222mm*21 の最低地上高や、18インチのホイールと大径タイヤによって悪路走破性を確保することで、本格的なSUVスタイリングとし、フェンダーフレアはがっしりとした筋肉を思わせる造形で、アスリートのような敏捷性を表現しております。

・フロントではデザインコンセプトに合わせて「ダイナミックシールド」を進化させました。パワートレインのパフォーマンスを象徴するフロントグリルを、左右バンパーでプロテクトする造形と立体的に一体化させることで、奥行き感のあるスポーティなフロントフェイスに仕上げております。LEDデイタイムランニングランプは、L字型とスリット状の造形を組み合わせてT字型に発光させ、遠くからでも一目で三菱車と分かるアイコニックなデザインとするとともに、ワイド感のあるスタンスを強調しております。

・ボディサイドは彫刻的な前後フェンダーフレアやキャラクターラインによって、張りのある立体的な面構成にメリハリをつけ、SUVの逞しさや躍動感を表現しています。リヤにおいてもフロントと同様にT字型のLEDテールランプを採用し、ワイドで安定感のあるデザインを実現しました。

 

*21:18インチタイヤ装着車。アンダーカバーを含まない数値

 

(イ)先進感のある洗練されたインテリア

・インストルメントパネルでは、水平基調の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトを採用し、前方の視認性を高めるとともに、悪路走行時の車体姿勢の変化をつかみやすくしております。さらに、インストルメントパネルをドアトリムまで繋がるダイナミックな形状にすることによって、広々とした開放的な空間を実現しました。

・インストルメントパネルのパッド素材には、三菱車で初めてメランジ生地を採用し、ドアトリムまで連続させることによって、包まれ感を演出しました。モダンで洗練された印象を与えながら、汚れにも強い実用性の高い生地によって、自宅のリビングルームのように落ち着いて過ごすことができる快適な空間としております。また、12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオとデジタルドライバーディスプレイを一体化させた大型のモノリス形状のパネルによって、先進感も印象付けております。

 

(ⅱ)すべての乗員が心地よく過ごせる快適性

(ア)クラストップレベルの広々とした室内空間

・コンパクトなボディサイズでありながら、すべての乗員がゆったりと過ごせる広々とした室内空間を実現しました。前席では、肩口のゆとりなど、クラストップレベルの座席空間を確保し、快適性を高めております。さらに、座席においてはサポート性とゆったり感を両立させることで、レーンチェンジや荒れた路面などでも体が左右に揺れにくく、渋滞時でも窮屈さを感じずに過ごすことが可能です。

・後席では、大人3名が乗車しても快適に過ごせる空間にこだわりました。クラストップレベルの座席空間を確保することで、ゆとりある足元スペースを実現し、3名乗車時でも快適に過ごせるよう配慮しております。また、リクライニングは8段階調整とし、乗員がゆったりと座れる角度から、荷室容量をより広く確保できる角度まで、幅広いニーズをカバーしております。

 

(イ)ワクワク感を高めるオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」

・ヤマハ株式会社と共同開発した新開発のオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」を初搭載しております。すべての座席で音楽を楽しめる8スピーカー構成とし、両サイドのAピラーにフロントツイーター、フロントドアにウーファー、リヤドアにはウーファーの同軸上にツイーターをレイアウトしたコアキシャル2-wayスピーカーを配置しております。スピーカーの性能を最大限に発揮できるよう、車両側に最適な音質向上策を施すとともに、走行時は車速に応じて音量と音質を補正することで、荒れた路面でも輪郭のはっきりした中高音と躍動感のある低音を楽しめます。また、音の好みや気分によって選択できる、ライブリー(初期設定)、シグネチャー、パワフル、リラクシングの4つのサウンドタイプもご用意しており、より快適で楽しいドライブ体験を提供します。

 

(ⅲ)日常生活を快適にする高い実用性

(ア)直感的な操作を実現する12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオと8インチデジタルドライバーディスプレイ

・先進的でありながら、安心で快適な運転環境を提供する12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオを採用しました。マルチウィジェット表示では、画面を3分割することで様々な情報を提供することが可能です。また、往年の『パジェロ』で使われていた3連メーターをオマージュしたマルチメーター表示では、高度や前後左右傾斜、方角などの情報を組み合わせて表示することで、運転の楽しさを高めています。さらに、ダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡浩監修による、三菱自動車初となるドライビングスコア機能など、多彩なコンテンツを備えております。また、当社初採用となるWebLink™ *22 のアプリケーションをワイドな画面で楽しめるほか、スマートフォンの画面のミラーリングも可能です。

・デジタルドライバーディスプレイは、多彩なコンテンツを大画面に見やすく表示します。ドライブモード切り替え時には、ディスプレイ中央に選択したモードのグラフィックを表示させることで、運転中でも直感的にドライブモードを選びやすいよう配慮しました。また、画面は先進的なエンハンスモードとアナログメーターを模したクラシックモードを選択することができ、好みに合わせて表示することが可能です。

 

*22:WebLink™はAbalta Technologies, Inc.の登録商標です。

 

(イ)便利に使える豊富な収納と多彩なラゲッジルーム

・乗員の使い勝手を考慮し、車内の各所に便利な収納スペースを豊富に用意しました。ドアトリムやフロアコンソールなどには、合計21本の600mLのペットボトルが収納可能なドリンクホルダーを設置しております。フロアコンソールには空調の冷気を利用して飲み物を冷やすことができるドリンククーラーを設けました。また、センターコンソールにワイヤレスチャージャー、前席と後席それぞれにUSB Type AとType Cのポート、各席にスマートフォンを置けるスペースを用意するなど、スマートフォンに配慮した収納スペースも充実させました。

・コンパクトなボディサイズかつ広々とした居室空間を持ちながら、十分なラゲッジルームも確保しております。クラストップレベルの床面積を確保するとともに、荷室フロアの高さも調整可能とすることで、スーツケースなどの大型の荷物でもゆとりをもって積み込むことが可能です。また、後席のシートは4:2:4分割を可能とすることで、4名がゆったりと座ったまま長尺物を積むことができるなど、高い積載性を実現しております。

 

(ⅳ)荒れた路面や冠水路など様々な天候や路面で安心・安全の走破性

(ア)高効率CVTによる低燃費と高い静粛性

・新型『エクスフォース』では、実績のある1.5L DOHC 16バルブ MIVECエンジンに高効率CVTを組み合わせました。アクセル高開度では多段変速のようなエンジン回転数の制御によって、力強くキレのある加速感を実現するとともに、アクセル低開度ではCVT特有の滑らかな変速によって、エンジン性能を最大限に引き出して低燃費と高い静粛性を実現します。また、坂道では駆動力を向上させることでアクセルペダルを強く踏み込まなくても力強い登坂性能を発揮し、降坂時はエンジンブレーキを強めることで、頻繁なブレーキ操作の煩わしさを軽減し、快適な走行が可能です。

 

(イ)アセアンの路面環境に合わせてセッティングしたサスペンション

・サスペンションは、アセアン地域の路面状況を再現した国内のテストコースでの走行試験に加え、実際に現地でも評価を繰り返してチューニングを施すことで、荒れた路面やうねりのある路面でも快適な乗り心地を実現しました。フロントではキャスタートレールの最適化とステアリングギヤ比のクイック化により、操舵感と直進安定性を向上させております。リヤではサスペンションブッシュとショックアブソーバーのシリンダーサイズの最適化により、操縦安定性を高めております。

 

(ウ)荒れた路面でも安心のクラストップレベルとなる222mm *23 の最低地上高

・18インチのタイヤとホイールを採用し、クラストップレベルとなる222mm*23最低地上高を確保しました。見晴らしの良い前方視界によって、見切りがよく、運転がしやすいため、荒れた路面や冠水路でも安心して走行することが可能です。また、クラストップレベルとなる21.0度のアプローチアングルと30.5度のデパーチャーアングルによって、大きな段差でも安心して乗り越えることができます。さらに、クラス最小レベルの5.2mの最小回転半径により、アセアン地域の街中で頻繁に見られるUターンでも、取り回しの良い運転を可能にしました。

 

*23:18インチタイヤ装着車。アンダーカバーを含まない数値

 

(エ)三菱自動車初採用となるウェットモードを含む4つのドライブモード

・三菱自動車の四輪制御技術を活用し、前輪駆動方式を採用しながらSUVならではの走破性を実現しました。路面状況に応じて選択できる「NORMAL」、「WET」、「GRAVEL(未舗装路)」、「MUD(泥濘)」の4つのドライブモードでは、前左右輪の駆動力を調整して高い操縦性を実現するアクティブヨーコントロール(AYC)、タイヤのスリップを制御するトラクションコントロール、エンジン制御、パワーステアリング制御を統合制御することで、様々な路面状況に対応することを可能としています。三菱自動車として初採用となるウェットモードでは、雨天時の濡れた路面では旋回性・安定性が向上し、激しい降雨による冠水路でもハンドルが取られにくく、不安なく走行することが可能です。

 

⑤ クロスオーバーMPV『エクスパンダー』『エクスパンダー クロス』にハイブリッドEV(HEV)モデルを新たに設定しました。今回追加するHEVモデルでは、三菱自動車が得意とする電動化技術と四輪制御技術を融合することで、『エクスパンダー』シリーズの魅力をいっそう高めました。プラグインハイブリッドEV(PHEV)から派生した新開発のHEVシステムによって電動車ならではの環境に優しく気持ちのよい走りを実現するとともに、FF方式の2WDをベースに、アクティブヨーコントロールを始めとした独自の四輪制御技術による意のままで安全・安心な走り、多彩なドライブモードによる天候や路面状況に応じた最適な走りを提供します。また、HEVでありながら任意でEV走行を選択できるため、早朝の閑静な住宅街でエンジン音が気になる時など、シチュエーションに応じた走りを可能とします。

 

主な商品特長を以下に挙げます。

(ⅰ)PHEV派生のHEVシステムによる、環境に優しく爽快で力強いモータードライブ

・新開発のHEVシステムは、EVモード、ハイブリッドモード、回生モードで構成されます。走行状況や駆動用バッテリー残量に応じてシステムが自動で最適な走行モードを選択して低燃費化するとともに、力強く気持ちのよいモータードライブを実現します。発進時や低速域では、駆動用バッテリーからの電力でモーター駆動するEVモードによって、電気の力だけで走行します。登坂時や加速時は、エンジンを発電用として動かして駆動用バッテリーの電力と合わせてモーターで走行し、高速域では、エンジンの動力で走行してモーターがアシストするハイブリッドモードに切り替わります。ハイブリッド走行時でも、エンジンが滑らかに始動するため、モーター駆動が生み出す気持ちのよい走りを楽しむことができます。回生モードでは、減速時に回生ブレーキによって減速エネルギーを回収して電力変換し、駆動用バッテリーに蓄電します。PHEV派生のHEVシステムだからこそ可能となる、燃料消費やCO排出がゼロのEVらしい静かでクリーンな走りと、電欠の心配をすることなく長距離ドライブを楽しめるHEVならではの便利で快適な走りを両立しました。

・今回のHEVシステムは、電動車ならではの滑らかで力強くレスポンスの良い加速を実現します。1.6Lガソリンエンジンに、ジェネレーターと最高出力85kWのモーターを組み合わせ、本モデル専用となる駆動用バッテリーを採用しました。力強いモーターとバッテリーの出力によって、発進時のトルクの立ち上がりが早く、ペダルを踏みこむとレスポンス良く加速できるため、高速道路でのレーンチェンジや、街中でのUターン後の合流もスムーズに行えます。

 

・新開発の1.6L DOHC 16バルブ MIVEC*24 エンジンは、高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル)化することで燃焼効率を向上し、三菱自動車のエンジンとして初めて電動ウォーターポンプを採用することで機械損失を低減しております。これにより、ガソリンエンジンCVTモデルと比べてエンジン単体燃費を約10%改善するとともに、NEDCモードで市街地走行の燃費は約34%、市街地走行と高速走行を組み合わせた燃費は約15%の低燃費化を実現しました。

 

*24:MIVEC(Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system)は、三菱自動車の可変バルブタイミング機構の総称です。

 

(ⅱ)積極的なEV走行と様々な天候や路面で安全・安心の走行性能を実現する、新開発の7つのドライブモード

・新開発の7つのドライブモードでは、EV走行のための2つのモードと、路面状況に応じて最適な走行制御を行う5つのモードを設定しました。

・EV走行のための2つのドライブモードでは、ドライバーがシチュエーションに応じて積極的にEV走行を選択することができます。エンジンを始動させることなく、駆動用バッテリーからの電力でモーター駆動する「EVプライオリティ」は、環境に優しく、静粛性が高いため、例えば早朝の閑静な住宅街などでも周囲に気兼ねなく走行することが可能です。駆動用バッテリーの残量が少なくなっても、「チャージ」に切り替えれば、バッテリーに充電することができ、再びEV走行を楽しむことができます。

・路面状況に応じて最適な操縦性と駆動力を発揮する5つのドライブモードは、FF方式の2WDをベースとしながら、前輪左右の制動力を制御するアクティブヨーコントロール、前輪のスリップを検知すると駆動力を制御するトラクションコントロール、加速時のモーターやエンジン出力を調整するアクセルレスポンス制御、速度域や路面状況に応じてステアリングの手ごたえを調整するステアリング制御などを統合制御することで、様々な路面状況に対応することが可能です。日常走行でのバランスが取れた「NORMAL」、大雨などでもタイヤのスリップを抑えて高い安定性を発揮する「WET」、未舗装路で滑りやすさを抑えて安心感のある操縦性を発揮する「GRAVEL」、ワインディングロードなどでキビキビとした走りと意のままのハンドリングを実現する「TARMAC」、ぬかるんだ悪路でも力強い走破性を発揮する「MUD」によって、日常で遭遇する様々な気候や路面状況において、安全・安心な走りを実現します。

・インテリアでは8インチカラー液晶メーターを採用し、スクリーンを広く使ってコンテンツを表示させることで、使いやすさを向上させました。アクセル操作に連動して「エコ」「パワー」「チャージ」状態を示すパワーメーターや、エネルギーフロー、EV走行比率、バッテリー残量など、HEVならではの情報を表示します。また、ドライブモード切り替え時には、ディスプレイ中央に選択したモードのグラフィックを表示させることで、運転中でも直感的にドライブモードを選びやすいよう配慮しました。画面は好みに合わせて、先進的なエンハンスモードと、アナログメーターを模したクラシックモードを選択することができます。

 

(ⅲ)家族や仲間とのドライブをより快適にする室内空間と、特別感を演出する専用エクステリアアクセント

・EV走行を優先させるHEVシステムにより、力強く静かなモータードライブを楽しむことができます。また、ボディの要所に吸音材や防音材を追加することで、EV走行時だけでなく、加速時や高速走行時などでエンジンが始動した時でも車内の高い静粛性により、ストレスなく会話を楽しめるよう配慮しました。

・HEVシステムを搭載するにあたって、駆動用バッテリーを前席フロア下に配置することで、『エクスパンダー』シリーズの特長である、市街地でも取り回し易いボディサイズでありながら、3列7名乗車に十分なクラストップレベルの居住空間を維持しました。さらに、エンジンルームやバッテリー周りの床材を変更し、バッテリー保護のためにフロントサイドメンバーとフロントクロスメンバーで囲うことで、ボディ全体の剛性を向上させるとともに、サスペンションにも専用チューニングを施すことで、優れた操縦安定性と良好な乗り心地を実現しております。

・エクステリアにおいては、「HEV」バッジをフロントグリルとテールゲート、「HYBRID EV」バッジをフロントドアにあしらうとともに、フロント下部、サイドガーニッシュ、リヤバンパー、ホイールにブルーのアクセントカラーを追加しました。ボディカラーは、硬質で高輝度かつ鮮明なカラーリングによって電動車らしいクリーンなイメージを与えるホワイトダイヤモンドを新たに設定するとともに、ブレードシルバーメタリック、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインナップし、『エクスパンダー クロス』のHEVモデルではさらにグリーンブロンズメタリックも設定しました。