当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは経営理念及び企業文化を普遍的な価値と位置付け経営活動を行っております。その経営理念とは「顧客の立場に立って価値の高い製品を提供することにより社会の繁栄に貢献する」であり、常にグループ一丸となってお客様に満足していただける商品をお届けすることをモットーに事業活動を展開しております。また当社グループの企業文化とは、「質・実・簡・迅」(本質的なことを現実に基づきシンプルに素速く実行する。)であり、この企業文化を築きあげることにより“芯から強い会社”になることを目指しております。
次にグループビジョンとして「NEMS433」を掲げ、当社グループの保有技術の更なる進化及びそのシナジー効果により、他社との優位性を確立し「ものづくり企業集団」として事業の拡大を図っております。
「NEMS433」とは以下の要素を表しております。
“4”「4つの大切」
1)志 志(強い意志)をもって努力を重ねることにより、高い目標を実現する。
2)社会 法令遵守や環境保全、株主の皆様との良好な関係の構築などを通じ、社会的な責任を果た
していく。
3)お客様 負けないQ(品質)D(納期)C(コスト)D(技術)により、お客様の満足度向上に努
める。
4)人 社員個々人の能力を高め、それを存分に発揮できる仕組みにより、個人と会社の両方が成
長していける関係を大切にする。
“3”「3つの価値」
NEMSによって3つの「つなげる価値」をかたちにする。
1)人と人をつなげる
お客様、サプライヤー、社員のつながりを大切にし、求める価値を共有していく。
2)人と技術をつなげる
技術進化を追求し、人と技術をつなげることで、新しい価値を提供していく。
3)人と情報をつなげる
グループ保有情報を人とつなげることにより、共通の価値を拡張していく。
“3”「売上高3,000億円/営業利益300億円」
グループ全体の持続的成長により、連結売上高3,000億円、連結営業利益300億円を達成する。
今後の世界経済につきましては、米中貿易摩擦、中国経済の減速、欧州の混迷などが世界経済全体へ波及し、成長の停滞が懸念されます。日本においても、世界経済減速による外需減退に加え、消費税増税を控える中、成長率は鈍化する見通しであります。
また、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる次世代自動車開発はますます加速し、ヘッドアップディスプレイを含む自動車用計器の機能や役割の変化が予測されます。
このような状況に加えて、国内外を問わず従来のサプライヤーとのコスト競争の激化、メガサプライヤーの攻勢、さらには異業種からの参入等、当社を取り巻く経営環境はますます厳しくなっていくものと予想されます。
このような変化が速く激しい世界経済にあって、当社グループはグローバルマーケットにおける販売台数拡大及び製品の高付加価値化を実現すべく、保有技術の更なる進化及びそのシナジー効果により、他社との優位性を確立し、“ものづくり企業集団”としての事業の拡大成長に取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グル―プは、日本をはじめ、米州、欧州、アジア地域を含む世界各地域で製造及び販売活動を行っております。市場となる国や地域の景気悪化、それに伴い著しく需要縮小となった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外事業展開には以下のリスクが考えられ、これらの事態が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律又は規制の変更
・不利な政治的又は経済的要因
・人材の採用と確保の難しさ
・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的混乱
当社グループは、今後も積極的に海外で事業展開を行ってまいりますが、当社グループの売上高に占める海外売上高の比率は年々増加し、為替変動の影響もより大きくなります。一般的に円高が進行した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、価値の高い製品づくりを目指し研究開発に取り組んでおりますが、長期的に市場ニーズに合致した新技術を創造し続けられるとは限りません。想定外の市場ニーズの変化や、急激な業界の技術革新に追随できず優位性のある製品を提供できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業の優位性を確保する為に、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保持しております。これら知的財産の保護には注力しておりますが、第三者が当社グループの知的財産を無断使用して製造することを防止できず損害を被る可能性があります。もう一方では、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受け、当社が第三者から訴訟を提起された場合、その結果によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、品質第一の考えのもと顧客ニーズを満たし、業界一の品質・技術の確立を目指して全力をあげて取り組んでおります。しかしながら、万一、製品に欠陥が生じ顧客に重大な損失をもたらし、社会的信用の低下、また多額な損害賠償が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、一部のものについては、その特殊性から調達先が限定されているものや、調達先の切替の困難なものがあります。調達先の生産能力不足や品質不良又は倒産、火災、地震等の自然災害、その他の理由により調達が出来なくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となる可能性があります。各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によって多額な損害賠償となった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保持しております。これら情報の漏洩を防止するため社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等様々な対策を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩し、社会的信用の低下、また多額な損害賠償が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
大規模な地震、洪水、台風等の自然災害や火災等の災害事故が生じ、設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難となり操業を停止せざるを得ない事態となれば、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復の為に多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、米国では、良好な雇用・所得環境と、税制改革を背景として個人消費や設備投資が堅調に推移したことで、回復基調が継続しました。欧州は、英国のEU離脱交渉による不透明感が増し、成長が鈍化しました。アジアでは、中国における個人消費の伸び悩み、米中貿易摩擦の影響により、減速基調が続きました。日本経済においては、雇用の改善が続くなか、個人消費は底堅い推移となり、概ね安定した成長となりました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、263,239百万円(前期比0.0%増)、営業利益は、14,215百万円(前期比0.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、11,569百万円(前期比4.2%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
自動車及び汎用計器事業は、アジアで四輪車用計器や二輪車用計器が増加したものの、日本や欧州で四輪車用計器が減少し、売上収益206,237百万円(前期比0.1%減)となりましたが、営業利益11,509百万円(前期比1.8%増)となりました。
コンポーネント事業は、アミューズメント向け基板ユニット等の減少により、売上収益15,454百万円(前期比12.0%減)、営業損失956百万円(前期は491百万円の営業損失)となりました。
自動車販売事業は、新車販売等が増加し、売上収益24,563百万円(前期比7.6%増)、営業利益1,253百万円(前期比9.9%増)となりました。
その他は、樹脂材料の販売等が増加し、売上収益16,983百万円(前期比3.9%増)となりましたが、営業利益2,638百万円(前期比1.1%減)となりました。
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末に比べ9,532百万円増加し、307,665百万円となりました。
負債については、前連結会計年度末に比べ633百万円減少し、121,217百万円となりました。
資本については、前連結会計年度末に比べ10,166百万円増加し、186,447百万円となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、42,128百万円(前連結会計年度末と比較して508百万円減少)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,815百万円の収入となりました。前連結会計年度と比較して営業債権及びその他の債権の増減額が2,829百万円減少したものの、棚卸資産の増減額が9,249百万円増加したこと等により、5,707百万円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、16,085百万円の支出となりました。前連結会計年度と比較して定期預金の純増減額が2,585百万円増加したこと等により、2,821百万円の支出増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,314百万円の支出となりました。前連結会計年度と比較して長期借入れによる収入が6,000百万円減少したものの、短期借入金の純増減額が9,483百万円増加したこと等により、3,147百万円の支出減となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定しております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループは、NS型EMS(NEMS)及びそのシナジー効果により、他社との優位性を確立し、“ものづくり企業集団”として事業の拡大成長を図るとともに、NEMSビジネスの新展開とグローバル化を目指し、市場(顧客)要求を実現するための事業視点での機能連携と、横断的な機能軸でのグループ連携により、持続的な利益創出の実現を推進してまいりました。
自動車及び汎用計器事業においては、車両並びに車載部品の機能の高度化、競合サプライヤーの増加及びヘッドアップディスプレイの市場拡大等の変化に対し、次世代コックピットを見据えた技術開発、ヘッドアップディスプレイ事業の拡大、ものづくり競争力の強化及び設計開発体制の強化を行ってまいりました。
次世代コックピットにおいて重要な役割を担うヘッドアップディスプレイにつきましては、当社が得意とするハイエンドクラス車用の最先端技術の追求の他、ミドルクラス・ローエンドクラス車用の拡販のため、小型化や軽量化、コスト競争力強化を進めるなど既存技術の改良と営業活動を進めてまいりました。
また、ヘッドアップディスプレイの事業拡大に対応すべく、日本国内にて基幹部品である凹面鏡の設備増強を決定するとともに、欧州大陸内での設計から、製造、販売までの一貫供給体制確立を進めるために、ポーランド共和国に新工場の建設を決定し、2019年2月にその新会社を設立いたしました。
ものづくり競争力強化においては、生産ラインの自動化を推進することで生産性向上等による利益創出体質の強化に取り組むとともに、IoTを活用して国内外の工場を連携させることでグローバルでのQDC強化を行い、工場稼働状態の見える化による最適な経営判断の実現を目指してまいりました。
製品の高機能化に伴い、グローバルでの設計開発力強化に取り組むとともに、日本国内においては採用活動の強化により設計開発人員を増員し、また、ポーランドの設計開発事務所を移転・拡大するなど、設計開発リソースの確保と将来ビジネスに向けた準備を進めてまいりました。さらに、拠点間での設計資産・ノウハウの共有と相互補完体制を構築し、設計開発機能の強化とコスト削減に取り組んでまいりました。
加えて、周辺事業への拡大として、2018年4月にEMS・コンポーネント本部を設立いたしました。自動車の電動化が進むことを踏まえ、計器事業で培った高品質な基板実装の設計・生産受託サービスの提案を進めてまいりました。
このように、当社グループは取り巻く環境の変化に柔軟に対応しつつ、将来を見据えた体制構築を行い、一層の競争力強化を図るとともに、新たな価値創出を図ってまいります。
経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度に比べ0.0%増収の263,239百万円となりました。国内売上収益は、前連結会計年度に比べ1.2%増収の91,178百万円となり、海外売上収益は、0.6%減収の172,060百万円となりました。セグメント別の売上収益については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ0.5%増の249,476百万円となり、売上高に対する比率は0.4ポイント上昇して94.8%となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ0.7%増益の14,215百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における金融収益(費用)は、前連結会計年度の1,744百万円の収益(純額)から2,075百万円の収益(純額)となり、これは主に受取利息が前連結会計年度から増加したこと等によります。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度の11,105百万円に対し、4.2%増益の11,569百万円となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産は、棚卸資産及びその他金融資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ9,532百万円増加し、307,665百万円となりました。
(負債)
負債は、借入金が増加したものの、営業債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ633百万円減少し、121,217百万円となりました。
(資本)
資本は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ10,166百万円増加し、186,447百万円となりました。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追及しながら、会社の将来の成長のため当社グループの新たな成長につながる戦略的研究開発への先行投資及びグローバル事業展開に向けた国内外の生産販売体制の整備・強化のために必要な資金として内部留保の確保を行っております。
当社グループはグローバルな経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金の循環による有利子負債の削減、金融費用の削減を図るため、国内グループ会社及び海外グループ会社に対し、提出会社を通じた資金調達体制を確立しております。
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は次のとおりであります。
なお、当社グループは日本基準に基づく連結財務諸表を作成していないため、当該差異の金額については、概算額で記載しております。
(開発費の資産計上)
日本基準において費用処理している一部開発費について、IFRSではIAS第38号「無形資産」に規定される要件を満たすことから資産計上しております。その結果、「無形資産」の金額が272百万円増加しております。
(有給休暇に係る債務)
日本基準においては認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、「短期従業員給付」の金額が1,091百万円増加しております。
該当事項はありません。
当社の企業集団における研究開発活動は、R&Dセンター及びNSテクニカルセンターを中核として、各事業分野を担当する量産製品の開発、設計組織及び生産技術部門の緊密な連携によって、車載関係及びその他の多角化領域の製品開発、技術開発を進めております。当社以外では当企業集団に影響を及ぼす研究開発活動は行っておりません。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
セグメントごとの主な研究開発活動は、次のとおりであります。
自動車及び汎用計器事業
・ヘッドアップディスプレイ等の運転支援型情報表示システム開発
・次世代HMI(ヒューマン マシン インターフェイス)機器開発
・車載用ディスプレイユニット開発
・スマートフォン連携技術開発
・車載用光学技術開発
・車載用センサ開発
研究開発費の金額は、
コンポーネント事業
・UI(ユーザ インターフェイス)機器開発
・リモートコントロール機器開発
・IoTシステム及び機器の開発
・液晶光学デバイスの開発
研究開発費の金額は、
自動車販売事業
該当事項はありません。
その他
該当事項はありません。