(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に改善の動きが見られましたが、中国経済の減速懸念に伴う世界同時株安等もあり、依然として先行き不透明な状況にあります。一方、海外においては、中国を中心にアジアで成長の鈍化が見られましたが、米国の堅調な推移などを背景に全体的には緩やかな拡大基調が続きました。
このような状況の中で、当連結会計年度における売上高は、国内得意先の減産はあったものの、為替換算による売上高の増加影響及び北米得意先の増産影響などにより前年同期比12.8%増の139,183百万円となりました。損益面では、増収影響及び材料費合理化効果などにより、営業利益は前年同期比63.0%増の4,754百万円、経常利益は前年同期比11.4%増の3,517百万円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比11.4%減の2,115百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内の売上高は、主要得意先の生産台数減により32,663百万円と前期に比べ715百万円(△2.1%)の減収となりました。セグメント利益は、諸経費増より271百万円と前期に比べ1,163百万円(△81.0%)の減益となりました。
② 北米
北米の売上高は、為替換算差及び主要得意先の増産影響により77,363百万円と前期に比べ12,374百万円(19.0%)の増収となりました。セグメント利益は、増収効果及び材料費合理化により2,127百万円(前年同期は546百万円のセグメント損失)となりました。
③ 中国
中国の売上高は、為替換算差により24,112百万円と前期に比べ3,226百万円(15.4%)の増収となりました。セグメント利益は、諸経費増により2,167百万円と前期に比べ58百万円(△2.6%)の減益となりました。
④ 東南アジア
東南アジアの売上高は、新規車種の受注増及び為替換算差により5,044百万円と前年同期に比べ973百万円(23.9%)の増収となりました。セグメント利益は、材料費率改善により161百万円(前年同期は264百万円のセグメント損失)となりました。
なお、売上高は消費税抜きで記載しております。また、以下、「生産、受注及び販売の状況」、「設備の状況」についても同様であります。
また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、5,337百万円(△45.0%)減少し、当連結会計年度末は6,512百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は10,251百万円(前年同期は4,308百万円の獲得)となりました。これは、減価償却費5,014百万円をはじめ、税金等調整前当期純利益3,358百万円等の資金増加要因が、仕入債務の増減額1,854百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は5,526百万円(前年同期は8,473百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,088百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は10,217百万円(前年同期は5,122百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額8,611百万円をはじめ、長期借入金の返済による支出4,951百万円等の資金減少要因が、長期借入による収入3,936百万円等の増加要因を上回ったことによるものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
32,719 |
△1.8 |
|
北米(百万円) |
77,101 |
20.7 |
|
中国(百万円) |
23,866 |
15.9 |
|
東南アジア(百万円) |
4,825 |
17.4 |
|
合計(百万円) |
138,513 |
13.6 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
日本 |
32,566 |
△2.4 |
2,606 |
△3.5 |
|
|
北米 |
76,590 |
14.8 |
5,938 |
△11.5 |
|
|
中国 |
24,088 |
15.1 |
2,013 |
△1.2 |
|
|
東南アジア |
4,930 |
16.8 |
386 |
△22.8 |
|
|
合計 |
138,176 |
10.3 |
10,946 |
△8.4 |
|
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
32,663 |
△2.1 |
|
北米(百万円) |
77,363 |
19.0 |
|
中国(百万円) |
24,112 |
15.4 |
|
東南アジア(百万円) |
5,044 |
23.9 |
|
合計(百万円) |
139,183 |
12.8 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
Honda of America Mfg., Inc. |
17,368 |
14.0 |
22,433 |
16.1 |
|
Nissan North America, Inc. |
- |
- |
14,314 |
10.2 |
3.Nissan North America, Inc.の前連結会計年度における販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以下のため記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く環境は、北米地域(アメリカ、メキシコ)での好調な新車販売など明るい話題はあるものの、中国及び東南アジアの新車販売不振など厳しい状況は続いております。そうした中、グローバルで多角的に高利益を安定的にあげる企業に変貌を遂げるべく、”3つの変革「品質体質の変革」「収益体質の変革」「経営体質の変革」”を遂行してまいります。中でも、品質問題は重点課題と捉え、グローバルでの「品質体制の変革」を加速させ、市場・顧客からの信頼を勝ち取ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の産業、得意先への依存
当社グループは、自動車メーカー及び自動車関連部品メーカーに対し製品を供給しております。このため、各メーカーが製品を販売している日本、北米、欧州、アジアにおける経済情勢等の変化に伴う自動車需要の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その中でも、当社グループは、平成28年3月期において本田技研工業㈱及び同社グループへの販売割合が55.6%、日産自動車㈱及び同社グループへの販売割合が40.6%となっております。このため、これら得意先の販売が減少した場合や経営戦略や購買方針の変更が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競争の激化
当社グループは、品質、コスト、供給、開発すべての領域において、お客様からの支持を得られるよう日々企業努力を重ねておりますが、グローバルでの自動車部品業界の競争はますます熾烈さを増してきております。このため、当社グループが競合先に対して優位な品質競争力、価格競争力の維持ができない場合や魅力ある商品開発ができない場合には、将来の成長を阻害し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業進出
当社グループは、北米及び中国等に子会社を設立しており、海外生産の比率は近年高まる傾向にあります。このため、これら地域において、予期しない法律・規制の制定及び変更、各国の政治情勢の変化、人材確保の困難等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品の品質
当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001や自動車産業品質マネジメントシステムISO/TS16949:2009の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。
しかしながら、万一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 原材料市況の変動
ハンドル、エアバッグ、樹脂部品等の当社グループの製品に用いられる鋼材、樹脂原料、マグネシウム地金等の原材料及び部品は、世界規模での需給バランスや各生産地域における経済情勢等により価格が変動しております。
当社グループでは、部品種類の統合化や仕入先の絞込みによるスケールメリットの追求など、仕入コスト増加の回避に努めておりますが、原材料価格の高騰が、販売価格に転嫁できない場合や製造方法改善によるコストダウン等により吸収できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の原材料及び部品の外部事業者への依存
当社グループは、多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの部品については、一部の取引先にその多くを依存しております。このため、これらの部品について、何らかの理由により主要な取引先から安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替・金利変動
当社グループの海外事業における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、通貨の異なる国・地域間の仕入・販売取引に関して、為替動向によっては、為替予約等を実施することにより為替変動リスクのヘッジを行っております。しかしながら、為替変動リスクを完全に排除することは困難であり、大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、設備投資資金や運転資金等を金融機関からの借入により賄っております。固定金利借入による調達やデリバティブ等の活用により、金利変動リスクの低減を図っておりますが、金利変動リスクを完全に排除することは困難であり、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産保護
当社グループは、製造する製品に関する特許及び商標を保有し、もしくはその権利を取得することで当社グループが保有する技術等について保護を図っております。また、他社の知的財産権に対する侵害のないようリスク管理に努めております。
しかしながら、当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性や損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの事業は自然災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響を受ける可能性があり、これらの事象が発生した地域においては、原材料や部品の購入、製品の生産・販売及び物流サービス等に遅延、混乱及び停止が生じる可能性があります。また、一つの地域でこれらの事象が発生した場合には、それ以外の地域へ影響する可能性もあり、これらの遅延、混乱及び停止が生じ、それが長引くようであれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付債務による影響
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。このため、実際の運用結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制
当社グループは、事業展開する各国において、安全基準、有害物質や生産工場からの汚染物質排出レベルなどの様々な法的規制の適用を受け、これらの関連法規を遵守した事業活動を行っております。
しかしながら、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 借入金の財務制限条項について
当社グループにおける借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、期限の利益を喪失する等、当社グループの財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は自動車部品を主な事業とし安全部品、樹脂部品の専門メーカーとして材料技術や成形技術を基盤に、シミュレーション解析技術を駆使した性能開発や軽量化、また特定化学物質等の環境対応など、社会の要請とお客様に喜ばれる価値ある製品の創出に努めております。
当企業集団の開発活動は親会社(当社)を主体として行っております。日本では当社テクニカルセンターの先行開発部、安全開発部、内外装開発部、新機種技術部が主体となり、北米ではニートン・オート・プロダクツの開発センター、中国では中山富拉司特工業有限公司の開発センターにより魅力ある製品を提案してまいります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は1,657百万円であり、各部門別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
自動車部品事業
(1)安全部品部門
ハンドル製品では、軽量化を軸にヒーターグリップや制振機構による機能性と操作性の向上、新規加飾工法による高品位製品の開発を進めております。またエアバッグとのセット開発による安全性能の向上も重要なテーマです。
助手席・側面衝突対応のエアバッグ製品では新たな安全法規制に対応する乗員保護性能の実現とともに、独自の加工技術と生産・品質管理システムとの連携により、高品質な製品を提供しております。また環境に配慮した有機溶剤低減、リサイクル分野では微生物によるウレタン分解技術の開発を進めております。
当研究開発の成果は安全部品の専門メーカーとしての地位を確たるものとし、さらにコスト低減、環境対応等に貢献できるものと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は859百万円であります。
(2)樹脂部品部門
外装樹脂製品では、超薄肉射出成形技術や合わせ品質向上技術を用いたフェンダープロテクター、カウルトップカバーを開発いたしました。また新分野では中空成形技術によるホイールレゾネータの製品化を実現し、走行時のロードノイズ低減に寄与しております。
内装樹脂製品では、薄型・多機能ベンチレーターの開発、コンソール、グローブボックス等の利便性の向上、各部パネルへの多彩な加飾技術も工法開発と連携し、製品化を実現しております。
当研究開発活動の成果としましては、機能、性能、コストを高次元で融合させ、新規受注の拡大や魅力ある商品の提供に貢献するものと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は798百万円であります。
(1) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、40,940百万円(前連結会計年度末は51,579百万円)となり、10,639百万円減少いたしました。その主な要因は、現金及び預金の減少、原材料及び貯蔵品の減少等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、37,449百万円(前連結会計年度末は37,913百万円)となり、464百万円減少いたしました。その主な要因は、無形固定資産の減少及び繰延税金資産の減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、40,049百万円(前連結会計年度末は49,954百万円)となり、9,905百万円減少いたしました。その主な要因は、短期借入金の減少等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、14,577百万円(前連結会計年度末は16,611百万円)となり、2,034百万円減少いたしました。その主な要因は、長期借入金の減少等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、23,763百万円(前連結会計年度末は22,926百万円)となり、836百万円増加いたしました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加等及び為替換算調整勘定の減少等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの分析
「1 業績等の概要 、(2) キャッシュ・フローの状況」を参照願います。
(3) 経営成績の分析
「1 業績等の概要 、(1) 業績」を参照願います。