(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に改善の動きが見られ、また、個人消費の持ち直しの動きも見られるなど、緩やかな回復基調が続いております。一方、海外においては、米国を中心とした先進国経済に回復の兆しが見られるものの、米国の新政権発足、新興国経済の下振れリスクおよび英国のEU離脱の影響等により先行き不透明な状況となっております。
このような状況の中で、当連結会計年度における売上高は、為替換算による売上高の減少影響などにより前期比7.5%減の128,652百万円となりました。損益面では、減収となったものの材料費及び経費の合理化影響などにより、営業利益は前期比19.2%増の5,670百万円、経常利益は前期比45.0%増の5,104百万円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比88.4%増の3,986百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 日本
国内の売上高は、主要得意先の増産影響により36,706百万円と前期に比べ4,043百万円(12.3%)の増収となりました。セグメント利益は、諸経費の減少等より903百万円と前期に比べ631百万円(232.2%)の増益となりました。
② 北米
北米の売上高は、為替換算による売上高の減少影響及び主要得意先の減産影響により64,780百万円と前期に比べ12,583百万円(△16.2%)の減収となりました。セグメント利益は、車種構成差および合理化による材料費率改善はあったものの、減産影響により1,978百万円と前期に比べ148百万円(△6.9%)の減益となりました。
③ 中国
中国の売上高は、為替換算差により23,562百万円と前期に比べ550百万円(△2.2%)の減収となりました。セグメント利益は、諸経費の減少等により2,546百万円と前期に比べ379百万円(17.4%)の増益となりました。
④ 東南アジア
東南アジアの売上高は、為替換算による売上高の減少影響により3,603百万円と前年同期に比べ1,441百万円(△28.5%)の減収となりました。セグメント利益は、車種構成差による材料費率改善等により322百万円と前期に比べ160百万円(99.0%)の増益となりました。
なお、売上高は消費税抜きで記載しております。また、以下、「生産、受注及び販売の状況」、「設備の状況」についても同様であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、2,911百万円(44.7%)増加し、当連結会計年度末は9,424百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は8,719百万円(前年同期は10,251百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益5,421百万円をはじめ、減価償却費4,865百万円等の資金増加要因が、法人税等の支払額1,207百万円等の資金減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は4,758百万円(前年同期は5,526百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,781百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は844百万円(前年同期は10,217百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出5,522百万円をはじめ、自己株式の取得による支出676百万円等の資金減少要因が、長期借入による収入5,620百万円等の増加要因を上回ったことによるものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
36,838 |
12.5 |
|
北米(百万円) |
64,709 |
△16.0 |
|
中国(百万円) |
23,656 |
△0.8 |
|
東南アジア(百万円) |
3,811 |
△21.0 |
|
合計(百万円) |
129,015 |
△6.8 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比 (%) |
|
|
日本 |
36,534 |
12.1 |
2,434 |
△6.6 |
|
|
北米 |
63,055 |
△17.6 |
4,214 |
△29.0 |
|
|
中国 |
23,444 |
△2.6 |
1,895 |
△5.8 |
|
|
東南アジア |
3,490 |
△29.1 |
274 |
△29.0 |
|
|
合計 |
126,525 |
△8.4 |
8,819 |
△19.4 |
|
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
36,706 |
12.3 |
|
北米(百万円) |
64,780 |
△16.2 |
|
中国(百万円) |
23,562 |
△2.2 |
|
東南アジア(百万円) |
3,603 |
△28.5 |
|
合計(百万円) |
128,652 |
△7.5 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高 (百万円) |
割合(%) |
販売高 (百万円) |
割合(%) |
|
|
Honda of America Mfg., Inc. |
22,433 |
16.1 |
18,522 |
14.3 |
|
本田技研工業㈱ |
- |
- |
13,076 |
10.1 |
|
日産自動車㈱ |
- |
- |
13,007 |
10.1 |
|
Nissan North America, Inc. |
14,314 |
10.2 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「常に誇り得る商品をつくり 顧客に奉仕し 社会に寄与する」を経営理念として、創業以来自動車部品業界での事業活動に取り組んでまいりました。今後もこの経営理念を旗印に、日本プラストグループの企業価値を高めることが、株主、顧客をはじめとする企業の利害関係者の期待に応えることであると考えております。企業環境はますます厳しく、またグローバル展開における的確な舵取りが従来にも増して不可欠であり、当社は常に「顧客に奉仕」・「社会に寄与」を念頭に経営に取り組んでまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、品質目標を最重要経営目標に掲げ、加えて営業利益額を経営目標とし、更なる高みを目指してまいります。
(3)経営環境、経営戦略並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、北米では米国の政権交代に伴う貿易政策の転換、欧州では主要国のEU離脱や反社会勢力によるテロ活発化、アジアでは北朝鮮による武力的挑発行為など、為替や市場動向も不透明さを増している状況であります。そうした中、より迅速なグローバルオペレーションを実現するために、今年度からの「第4中期」では“SPEED”をスローガンに掲げ、仕様・調達・造り・人材育成 全ての領域での改革をスピードをもって推し進め、“固有技術の確立と進化”と“お客様からの満足度と企業魅力度”の向上を遂行してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の産業、得意先への依存
当社グループは、自動車メーカー及び自動車関連部品メーカーに対し製品を供給しております。このため、各メーカーが製品を販売している日本、北米、欧州、アジアにおける経済情勢等の変化に伴う自動車需要の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その中でも、当社グループは、平成29年3月期において本田技研工業㈱及び同社グループへの販売割合が50.6%、日産自動車㈱及び同社グループへの販売割合が45.7%となっております。このため、これら得意先の販売が減少した場合や経営戦略や購買方針の変更が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競争の激化
当社グループは、品質、コスト、供給、開発すべての領域において、お客様からの支持を得られるよう日々企業努力を重ねておりますが、グローバルでの自動車部品業界の競争はますます熾烈さを増してきております。このため、当社グループが競合先に対して優位な品質競争力、価格競争力の維持ができない場合や魅力ある商品開発ができない場合には、将来の成長を阻害し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業進出
当社グループは、北米及び中国等に子会社を設立しており、海外生産の比率は近年高まる傾向にあります。このため、これら地域において、予期しない法律・規制の制定及び変更、各国の政治情勢の変化、人材確保の困難等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 製品の品質
当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001や自動車産業品質マネジメントシステムISO/TS16949:2009の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。
しかしながら、万一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 原材料市況の変動
ハンドル、エアバッグ、樹脂部品等の当社グループの製品に用いられる鋼材、樹脂原料、マグネシウム地金等の原材料及び部品は、世界規模での需給バランスや各生産地域における経済情勢等により価格が変動しております。
当社グループでは、部品種類の統合化や仕入先の絞込みによるスケールメリットの追求など、仕入コスト増加の回避に努めておりますが、原材料価格の高騰が、販売価格に転嫁できない場合や製造方法改善によるコストダウン等により吸収できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の原材料及び部品の外部事業者への依存
当社グループは、多数の外部の取引先から原材料及び部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの部品については、一部の取引先にその多くを依存しております。このため、これらの部品について、何らかの理由により主要な取引先から安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替・金利変動
当社グループの海外事業における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、通貨の異なる国・地域間の仕入・販売取引に関して、為替動向によっては、為替予約等を実施することにより為替変動リスクのヘッジを行っております。しかしながら、為替変動リスクを完全に排除することは困難であり、大幅な為替変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、設備投資資金や運転資金等を金融機関からの借入により賄っております。固定金利借入による調達やデリバティブ等の活用により、金利変動リスクの低減を図っておりますが、金利変動リスクを完全に排除することは困難であり、大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産保護
当社グループは、製造する製品に関する特許及び商標を保有し、もしくはその権利を取得することで当社グループが保有する技術等について保護を図っております。また、他社の知的財産権に対する侵害のないようリスク管理に努めております。
しかしながら、当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性や損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの事業は自然災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響を受ける可能性があり、これらの事象が発生した地域においては、原材料や部品の購入、製品の生産・販売及び物流サービス等に遅延、混乱及び停止が生じる可能性があります。また、一つの地域でこれらの事象が発生した場合には、それ以外の地域へ影響する可能性もあり、これらの遅延、混乱及び停止が生じ、それが長引くようであれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付債務による影響
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。このため、実際の運用結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制
当社グループは、事業展開する各国において、安全基準、有害物質や生産工場からの汚染物質排出レベルなどの様々な法的規制の適用を受け、これらの関連法規を遵守した事業活動を行っております。
しかしながら、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は自動車部品を主な事業とし安全部品、樹脂部品の専門メーカーとして材料技術や成形技術を基盤に、シミュレーション解析技術を駆使した性能開発や軽量化、また特定化学物質等の環境対応など、社会の要請とお客様に喜ばれる価値ある製品の創出に努めております。
当企業集団の開発活動は親会社(当社)を主体として行っております。日本では当社テクニカルセンターの先行開発部、安全開発部、内外装開発部、匠工房、新機種技術部が主体となり、北米ではニートン・オート・プロダクツの開発センター、中国では中山富拉司特工業有限公司の開発センターにより魅力ある製品を提案してまいります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は1,968百万円であり、各部門別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
自動車部品事業
(1)安全部品部門
ハンドル製品では、軽量化を軸にヒーターグリップや制振機構による機能性と操作性の向上、自動運転に関連した支援技術、新規加飾工法による高品位製品の開発を進めております。また、エアバッグとのセット開発による安全性能の向上も重要なテーマです。
助手席・側面衝突対応のエアバッグ製品では、各国の新たな安全法規制に対応する乗員保護性能の実現とともに、独自の加工技術と生産・品質管理システムとの連携により、高品質な製品を提供しております。
環境に配慮した材料開発リサイクル分野では、微生物によるウレタン分解技術の開発、関連商品開発を進めております。
当研究開発の成果は安全部品の専門メーカーとしての地位を確たるものとし、さらに自動車社会の発展、生活環境への対応等に貢献できるものと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は1,119百万円であります。
(2)樹脂部品部門
外装樹脂製品では、超薄肉射出成形技術と高流動材料を用いたフェンダープロテクター、歩行者保護性能を兼ね備えたカウルトップカバーの開発を、また、中空成形技術によるホイールレゾネーターの製品化を実現し、走行時のロードノイズ低減に寄与しております。
内装樹脂製品では、薄型・多機能ベンチレーターの開発、コンソール、グローブボックス等の利便性の向上、各部パネルに手作業によるミシン縫いで立体縫製された表皮を適用させた加飾技術も工法開発と連携し、製品化を実現しております。
当研究開発活動の成果としましては、機能、性能、コストを高次元で融合させ、新規受注の拡大や魅力ある商品の提供に貢献するものと考えております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は848百万円であります。
(1) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、44,448百万円(前連結会計年度末は40,940百万円)となり、3,508百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金の増加等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、36,699百万円(前連結会計年度末は37,449百万円)となり、749百万円減少いたしました。その主な要因は、有形固定資産の減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、41,703百万円(前連結会計年度末は40,049百万円)となり、1,654百万円増加いたしました。その主な要因は、その他流動負債の増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、13,726百万円(前連結会計年度末は14,577百万円)となり、850百万円減少いたしました。その主な要因は、社債及び退職給付に係る負債の減少等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、25,718百万円(前連結会計年度末は23,763百万円)となり、1,955百万円増加いたしました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加等及び為替換算調整勘定の減少等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの分析
「1 業績等の概要 、(2) キャッシュ・フローの状況」を参照願います。
(3) 経営成績の分析
「1 業績等の概要 、(1) 業績」を参照願います。