第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による成長戦略のもと、企業収益の向上に伴い、設備投資の増加や雇用環境の改善が見られたものの、個人消費が伸び悩んだこともあり、全体として景気回復は穏やかなものとなりました。また、世界経済は、中国の景気減速やアジア新興国の成長に鈍化が見られたものの、米国における雇用や個人消費の拡大、欧州経済の持ち直しなどにより、全体としては緩やかながら堅調に推移いたしました。

主要取引先であります自動車業界におきましては、軽自動車の生産台数の落ち込みなどにより、国内の自動車生産台数は前年に比べ減少いたしました。また、海外におきましては、米国・中国・欧州などでの需要拡大により世界の自動車生産台数は前年を上回ることとなりました。

このような状況下において当社グループは、グローバル市場での事業拡大に総力を挙げて取り組むとともに、生産性の向上、原価低減及び経費削減の活動を推進し、企業体質の強化を図ってまいりました。

セグメントごとの業績は次のとおりです。

①日本

主力の自動車用バックミラーの販売数量は前年実績を下回ったものの、付加価値の高い製品の販売が増加した結果、売上高は36,890百万円となり、前連結会計年度に比べて1,581百万円(4.5%)の増加となりました。営業利益につきましては、減価償却費や欧州事務所運営費用の増加もあり、2,840百万円と前連結会計年度に比べて120百万円(4.1%)の減少となりました。

②アジア

中国での自動車用バックミラーの販売数量が増加したものの、円高による為替換算上の影響により、売上高は17,483百万円となり、前連結会計年度に比べて516百万円(2.9%)の減少となりました。営業利益は、合理化諸施策の効果などにより、2,347百万円となり、前連結会計年度に比べて655百万円(38.8%)の増加となりました。

③北米

米国での自動車用バックミラーの販売数量が増加したものの、当連結会計年度において発生した港湾ストライキの影響などにより、売上高は11,309百万円となり、前連結会計年度に比べて36百万円(0.3%)の減少となりました。営業利益はメキシコに設立した新会社の立上げ費用の増加などにより、394百万円となり、前連結会計年度に比べて640百万円(61.9%)の減少となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は65,683百万円となり、前連結会計年度に比べて1,028百万円(1.6%)の増加となりました。

また、経常利益は6,361百万円となり、前連結会計年度に比べて△387百万円(5.7%)の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は4,072百万円となり、前連結会計年度に比べて775百万円(16.0%)の減少となりました。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して762百万円増加し、当連結会計年度末には19,547百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、6,725百万円(前連結会計年度は6,098百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益6,273百万円、減価償却費3,112百万円、売上債権の増加1,612百万円、仕入債務の増加399百万円、法人税等の支払1,543百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、4,279百万円(前連結会計年度は3,606百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出3,932百万円、無形固定資産の取得による支出101万円、有形固定資産の売却による収入57百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、1,263百万円(前連結会計年度は896百万円の減少)となりました。これは、主に短期借入金の純減額603百万円、長期借入金の返済による支出51百万円、配当金の支払額323百万円、非支配株主への配当金の支払額264百万円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

35,149

3.8

アジア

17,426

△4.9

北米

11,442

△0.2

報告セグメント計

64,018

0.6

その他

合計

64,018

0.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

36,942

5.8

3,219

17.5

アジア

17,736

△2.4

1,757

16.9

北米

11,354

△2.8

1,008

4.6

報告セグメント計

66,033

2.0

5,985

14.9

その他

合計

66,033

2.0

5,985

14.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

36,890

4.5

アジア

17,483

△2.9

北米

11,309

△0.3

報告セグメント計

65,683

1.6

その他

合計

65,683

1.6

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

22,020

34.1

23,962

36.5

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

今後の経済見通しにつきましては、国内においては、個人消費の持ち直しや企業収益の改善も見られるものの、年明けから進んだ急激な円高の影響による先行きの不透明感が強く、景気回復のペースは緩慢なものになると予測されます。また、世界経済においては、中国経済の景気減速やアジア新興国の成長減速が懸念される中、全体としては、緩やかではあるものの米国経済が牽引する形での景気拡大が持続することが予想されます。

このような状況の中で、当社グループは、バックミラーをはじめとする自動車用安全視認システムメーカーとして、世界トップレベルのサプライヤーを目指してまいります。また、自動車メーカー各社が開発を進めている自動運転車や安全運転支援システムなどへの対応や、法改正に伴う後方視認装置の新基準に対応する新製品開発力の強化にも努めてまいります。さらに、自動車メーカー各社の生産量の変動に柔軟な対応がとれるよう、国内外の生産体制の適正化・効率化に努め、世界最適調達の推進を含めた原価低減活動を展開するとともに、品質レベルのさらなる向上を図ってまいります。

海外の事業展開では、当社グループの北米第2の事業拠点として本年4月より生産を開始した「Murakami Manufacturing Mexico, S.A. de C.V.」の早期本格操業に向けた活動を進めてまいります。また、昨年4月に開設した欧州事務所においては、欧州の自動車メーカー及び部品メーカーからの受注を目指し、引き続き、営業・設計の窓口活動を続けてまいります。

オプトロニクス関連分野では、薄膜技術を核とした光学薄膜製品や車載用ヘッドアップディスプレイの凹面鏡などの売上拡大を目指すとともに、お客様のニーズを満足させる新製品開発体制及び技術対応力の強化、品質改善活動を推進し、コスト競争力のある生産体制の確立を図ってまいります。

また、国内の自動車生産台数の減少に対応するべく、これまでに培ったガラス加工のノウハウを活かした新分野へのガラス加工製品の販売、新規事業の早期事業化に向けた活動を積極的に進めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車業界の動向

 当社グループ総売上のうち、約9割は自動車業界及び自動車部品業界向けが占めており、自動車生産及び自動車販売の影響を受けております。自動車業界、自動車部品業界においては、グローバル化の一層の進展、世界規模での販売競争の激化、調達コスト削減が進展しており、国内自動車メーカーにおける海外生産へのシフトも更に進んでおります。各自動車メーカーは、当社を含む部品メーカーに対して、高品質や納期遵守のほかに抜本的な原価低減、画期的な技術革新、グローバル化への対応などを求めており、今後においても、当社グループの業績は自動車業界の動向に大きな影響を受ける可能性があります。

(2)技術変化への対応について

 当社グループは、主に自動車業界の要求に対応すべく、各分野にわたって研究開発に取り組んでおります。長年にわたり蓄積した薄膜技術、機械設計技術等を基盤とした新製品の開発を進めており、自動車業界における技術革新や品質向上、原価低減に対する不断の要求に的確に対応するための技術水準向上にも取り組んでおります。自動運転技術の向上や法改正に伴う後方視認装置の新基準への対応など、外部環境の変化や社会の動向により影響を受ける可能性があります。

(3)海外市場での事業展開について

 当社グループはタイ国、インドネシア、中国、米国、メキシコにおいて事業展開をしており、当社グループの売上高に占める海外子会社売上高は年々高まっております。今後も需要拡大が見込めると考えた場合は投資を行う事も考えられ、これらの地域における法規・政策・税制等の変更など予期せぬ事象により事業の遂行に影響を受ける可能性があります。

(4)製品の品質・クレームについて

 当社グループの製品は万全の品質管理を行っておりますが、万一、不具合・クレームが発生した場合、その内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの業績・財務内容に直接的な影響を与える可能性があります。

(5)自然災害等について

 地震、津波、台風などの自然災害や、火災、停電等の事故が発生した場合、当社グループの建物・設備等に被害が及び、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、被害を被った建物・設備等の修復費用の発生や生産調整などによる稼働率の低下、原材料・購入部品等の調達不足により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

技術援助契約

会社名

相手方の名称

所在地

契約の内容

契約期間

当社

健生工廠股份有限公司

台湾

福特六和汽車を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成28年2月1日から

平成29年1月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

AMPAS INDUSTRIES

CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年12月29日から

平成28年12月28日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

DELLOYD INDUSTRIES(M)

SDN. BHD.

マレーシア

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年12月5日から

平成28年12月4日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

福華明鏡股份有限公司

台湾

國瑞汽車を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年4月1日から

平成28年3月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

TATA FICOSA

Automotive Systems

,LTD.

インド

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成16年9月1日から

契約対象製品の納入終了まで

当社

 

FICOSA Do Brasil

,LTDA.

ブラジル

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成16年9月1日から

契約対象製品の納入終了まで

当社

FICOSA INTERNATIONAL

S.A.

スペイン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年6月30日から

平成28年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

MURAKAMI AMPAS
(THAILAND) CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年7月1日から

平成28年6月30日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
U.S.A. Inc.

米国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成28年1月1日から

平成28年12月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
(Thailand) Co.,Ltd.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年6月30日から

平成28年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

嘉興村上汽車配件

有限公司

中国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成27年8月1日から

平成28年7月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Metagal Argentina S.A.

アルゼンチン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成28年1月27日から

平成29年1月26日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

 (注) 上記については、対象製品売上高の一定割合をロイヤリティーとして受取っております。

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、日本及び全社において、研究開発グループ並びに技術グループを中心に、自動車用情報伝達システムの研究及び高機能ファインガラスの開発をメインテーマに進めております。

現在、研究開発スタッフは開発グループ、技術グループを含め43名であります。

また、当連結会計年度における研究開発費は641百万円であり、セグメント区分は日本及び全社であります。

 

研究開発の主な注力領域は、以下のとおりであります。

(1)電子視認システムの開発

 

(2)ドライブレコーダー開発

 

(3)調光ミラーの開発

 

(4)用品向け 視界改良商品の開発

 

(5)EV向け 給電システム関連製品の開発

 

(6)遮光素子、調光素子の開発

 

(7)高機能ファインガラス

 ・各種光学フィルター、光学ミラーの開発

 ・調光フィルター(ミラー)の開発

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)財政状態

①資産、負債、純資産の状況

当連結会計年度末における資産の残高は、66,592百万円となり、前連結会計年度末に比べて927百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が865百万円増加、受取手形及び売掛金が1,111百万円増加、有形固定資産が97百万円減少、無形固定資産が502百万円増加、投資有価証券が1,016百万円減少したことなどによるものであります。

負債の残高は、17,600百万円となり、前連結会計年度末に比べて791百万円減少いたしました。これは、主に支払手形及び買掛金が414百万円増加、短期借入金が440百万円減少、長期借入金が325百万円減少、繰延税金負債(固定)が422百万円減少したことなどによるものであります。

純資産の残高は、48,991百万円となり前連結会計年度末に比べて1,718百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が3,749百万円増加、その他有価証券評価差額金が644百万円減少、為替換算調整勘定が1,051百万円減少したことなどによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2事業の状況」の「1業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。

(2)経営成績

当連結会計年度における売上高は、65,683百万円となり、前連結会計年度に比べ1,028百万円の増収となりました。売上原価は、54,276百万円となり、前連結会計年度に比べ811百万円の増加となりました。売上原価率は、原価低減活動、生産効率化等の合理化を推進したことなどにより、前連結会計年度に比べ0.1ポイントの減少となりました。

以上の結果、営業利益は、5,811百万円となり、前連結会計年度に比べ36百万円の減益となりました。経常利益は、6,361百万円となり、前連結会計年度に比べ387百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、4,072百万円となり、前連結会計年度に比べ775百万円の減益となりました。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

ミラーシステム事業は近年、自動車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を図っております。当連結会計年度は、連結売上高に占める海外向け売上高が45.9%となっております。今後、更に海外売上高比率は高まる見込みであり、それに対応すべく海外拠点での設備投資額も増加することが予想され、これらは当社グループの連結業績に重要な影響を与える要因と考えております。引き続き、各海外拠点において、安定した品質を確保出来る生産体制の確立とともに製造コストの低減により収益基盤を固めていくことが、対処すべき経営課題と認識しております。

(4)経営戦略の現状と見通し

当社グループは、バックミラーをはじめとする自動車用安全視認システムメーカーとして、世界トップレベルのサプライヤーを目指してまいります。また、自動車メーカー各社が開発を進めている自動運転車や安全運転支援システムなどへの対応や、法改正に伴う後方視認装置の新基準に対応する新たな製品開発の強化にも努めてまいります。

また、国内の自動車生産台数の減少に対応するべく、これまでに培ったガラス加工のノウハウを活かした新分野へのガラス加工製品の販売、新規事業の早期事業化に向けた活動を積極的に進めてまいります。