(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や金融政策のもと、企業収益の回復による設備投資の増加や雇用環境の改善による個人消費の持ち直しなど、全体としては穏やかな回復基調となりました。世界経済においては、米国や欧州の景気が堅調に推移したものの、中国やアジア新興国の成長鈍化や南米の景気後退、米国の政策転換による影響、英国のEU離脱問題など、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な取引先であります自動車業界においては、国内では新車販売効果などにより、自動車生産台数は前年を上回り、海外では北米でのライトトラックの販売増や中国・インドネシアなどでの需要拡大により、世界自動車生産台数は前年を上回ることとなりました。
このような状況下において当社グループは、グローバル市場での事業拡大に向け、海外拠点の拡充や材料の現地調達化、生産性の向上などの原価低減活動を推進し、グループ一丸となって企業体質の強化を図ってまいりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
①日本
主力の自動車用バックミラーの販売数量が前年実績を上回った結果、売上高は40,061百万円となり、前連結会計年度に比べて3,171百万円(8.6%)の増加となりました。営業利益は、合理化施策の効果などにより3,417百万円となり、前連結会計年度に比べて576百万円(20.3%)の増加となりました。
②アジア
タイ国における自動車用バックミラーの販売数量の減少があったものの、中国やインドネシアにおける自動車用バックミラーの販売数量の増加により、売上高は18,095百万円となり、前連結会計年度に比べて612百万円(3.5%)の増加となりました。営業利益は、合理化施策の効果や材料の現地調達化などにより3,095百万円となり、前連結会計年度に比べて748百万円(31.9%)の増加となりました。
③北米
メキシコ新工場の稼働による自動車用バックミラーの販売数量の増加により、売上高は11,748百万円となり、前連結会計年度に比べて438百万円(3.9%)の増加となりました。営業利益は、米国での生産性向上や不良低減活動の効果により723百万円となり、前連結会計年度に比べて329百万円(83.6%)の増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は69,906百万円となり、前連結会計年度に比べて4,223百万円(6.4%)の増加となりました。
また、経常利益は7,567百万円となり、前連結会計年度に比べて1,205百万円(19.0%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は5,020百万円となり、前連結会計年度に比べて947百万円(23.3%)の増加となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して3,922百万円増加し、当連結会計年度末には23,469百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、9,118百万円(前連結会計年度は6,725百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益7,404百万円、減価償却費3,076百万円、たな卸資産の減少303百万円、仕入債務の増加356百万円、退職給付信託の設定額1,370百万円、法人税等の支払1,529百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、3,917百万円(前連結会計年度は4,279百万円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出4,023百万円、有形固定資産の売却による収入128百万円、関係会社株式の取得による支出258百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、948百万円(前連結会計年度は1,263百万円の減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出325百万円、配当金の支払額360百万円、非支配株主への配当金の支払額451百万円、非支配株主からの払込みによる収入315百万円によるものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
39,537 |
12.5 |
|
アジア |
18,040 |
3.5 |
|
北米 |
11,504 |
0.5 |
|
報告セグメント計 |
69,082 |
7.9 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
69,082 |
7.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
39,646 |
7.3 |
3,256 |
1.2 |
|
アジア |
17,771 |
0.2 |
1,432 |
△18.5 |
|
北米 |
11,679 |
2.9 |
938 |
△6.9 |
|
報告セグメント計 |
69,097 |
4.6 |
5,628 |
△6.0 |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
69,097 |
4.6 |
5,628 |
△6.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
40,061 |
8.6 |
|
アジア |
18,095 |
3.5 |
|
北米 |
11,748 |
3.9 |
|
報告セグメント計 |
69,906 |
6.4 |
|
その他 |
- |
- |
|
合計 |
69,906 |
6.4 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
23,962 |
36.5 |
25,257 |
36.1 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、主力製品である自動車用のバックミラー製造を中心としたミラーシステム事業と光学薄膜部品の製造を中心としたオプトロニクス事業を展開しております。これらの事業を通じて、顧客・ユーザーの満足を得られる高品質で価格競争力のある商品を提供し、それぞれの産業の発展に寄与することを経営の基本方針としております。また、顧客、株主、取引先、社員、社会に貢献し、あわせて環境問題にも取り組み、企業としての社会的責任を果たしてまいります。
今後の経済見通しにつきましては、国内においては、企業収益の改善や個人消費の持ち直しも見られるものの、不安定な世界情勢により、景気回復のペースは鈍化すると予測されます。また、世界経済におきましても、中国やアジア新興国の成長鈍化傾向の継続、欧州諸国のEU離脱問題や米国の政策方針の影響が懸念されるなど、先行きの不透明な状況が継続すると予測されます。
このような状況の中で、当社グループは、バックミラーをはじめとする自動車用安全視認システムメーカーとして、世界トップレベルのサプライヤーを目指し、海外生産拠点の拡充、世界最適調達の推進や生産性向上を目的とした設備投資を進めてまいります。また、自動車メーカー各社が開発を進めている、自動運転車や安全運転支援システムなどへの対応や、電子ミラーをはじめとした法改正に伴う新しい後方視認装置の開発にも注力してまいります。
海外の事業展開では、中国におきましては、昨年10月に広東省佛山市に「佛山村上汽車配件有限公司」をバックミラーの製造・販売の新拠点として設立し、中国市場での需要拡大に対応してまいります。欧州事務所につきましては、継続して欧州自動車メーカーからの受注獲得に向け、営業・設計の窓口活動を継続してまいります。なお、インドネシアの拠点である「PT. Murakami Delloyd Indonesia」では受注の増加に対応した生産能力の拡大を目的に、また、タイ国のインナーミラーの製造拠点である「Murakami Manufacturing (Thailand) Co.,Ltd.」では洪水被害リスクの回避を目的に、新工場を稼働させる予定であり、それぞれ遅滞無く工場立ち上げを進めてまいります。
そのほか、今後も拡大が期待される車載用ヘッドアップディスプレイの凹面鏡などの拡販活動に加え、快適、安全/安心をキーワードに、当社の強みであるガラス加工技術や光学多層膜技術の融合・進展させる技術を蓄積し、ADAS(先進運転支援システム)、次世代コックピットなど、新しい市場に対応した新製品の開発を強化してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)自動車業界の動向
当社グループ総売上のうち、約9割は自動車業界及び自動車部品業界向けが占めており、自動車生産及び自動車販売の影響を受けております。自動車業界、自動車部品業界においては、グローバル化の一層の進展、世界規模での販売競争の激化、調達コスト削減が進展しており、国内自動車メーカーにおける海外生産へのシフトも更に進んでおります。各自動車メーカーは、当社を含む部品メーカーに対して、高品質や納期遵守のほかに抜本的な原価低減、画期的な技術革新、グローバル化への対応などを求めており、今後においても、当社グループの業績は自動車業界の動向に大きな影響を受ける可能性があります。
(2)技術変化への対応について
当社グループは、主に自動車業界の要求に対応すべく、各分野にわたって研究開発に取り組んでおります。長年にわたり蓄積した薄膜技術、機械設計技術等を基盤とした新製品の開発を進めており、自動車業界における技術革新や品質向上、原価低減に対する不断の要求に的確に対応するための技術水準向上にも取り組んでおります。自動運転技術の向上や法改正に伴う後方視認装置の新基準への対応など、外部環境の変化や社会の動向により影響を受ける可能性があります。
(3)海外市場での事業展開について
当社グループはタイ国、インドネシア、中国、米国、メキシコにおいて事業展開をしており、当社グループの売上高に占める海外子会社売上高は年々高まっております。今後も需要拡大が見込めると考えた場合は投資を行う事も考えられ、これらの地域における法規・政策・税制等の変更など予期せぬ事象により事業の遂行に影響を受ける可能性があります。
(4)製品の品質・クレームについて
当社グループの製品は万全の品質管理を行っておりますが、万一、不具合・クレームが発生した場合、その内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの業績・財務内容に直接的な影響を与える可能性があります。
(5)自然災害等について
地震、津波、台風などの自然災害や、火災、停電等の事故が発生した場合、当社グループの建物・設備等に被害が及び、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、被害を被った建物・設備等の修復費用の発生や生産調整などによる稼働率の低下、原材料・購入部品等の調達不足により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
技術援助契約
|
会社名 |
相手方の名称 |
所在地 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
当社 |
健生工廠股份有限公司 |
台湾 |
福特六和汽車を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成29年2月1日から 平成30年1月31日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
AMPAS INDUSTRIES CO., LTD. |
タイ |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年12月29日から 平成29年12月28日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
DELLOYD INDUSTRIES(M) SDN. BHD. |
マレーシア |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年12月5日から 平成29年12月4日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
FICOSA Do Brasil ,LTDA. |
ブラジル |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成16年9月1日から 契約対象製品の納入終了まで |
|
当社 |
FICOSA INTERNATIONAL S.A. |
スペイン |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年6月30日から 平成29年6月29日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
MURAKAMI AMPAS |
タイ |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年7月1日から 平成29年6月30日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
Murakami Manufacturing |
米国 |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成29年1月1日から 平成29年12月31日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
Murakami Manufacturing |
タイ |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年6月30日から 平成29年6月29日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
嘉興村上汽車配件 有限公司 |
中国 |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成28年8月1日から 平成29年7月31日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
|
当社 |
Metagal Argentina S.A. |
アルゼンチン |
バックミラーに関する設計、製造技術の供与 |
平成29年1月27日から 平成30年1月26日まで ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新 |
(注) 上記については、対象製品売上高の一定割合をロイヤリティーとして受取っております。
当社グループの研究開発活動は、日本及び全社において、研究開発グループ並びに技術グループを中心に、自動車用情報伝達システムの研究及び高機能ファインガラスの開発をメインテーマに進めております。
現在、研究開発スタッフは開発グループ、技術グループを含め55名であります。
また、当連結会計年度における研究開発費は1,382百万円であり、セグメント区分は日本及び全社であります。
研究開発の主な注力領域は、以下のとおりであります。
(1)電子視認システムの開発
(2)ドライブレコーダーの開発
(3)調光ミラーの開発
(4)用品向け 視界改良商品の開発
(5)EV向け 給電システム関連製品の開発
(6)遮光素子、調光素子の開発
(7)高機能ファインガラス
・各種光学フィルター、光学ミラーの開発
・調光フィルター(ミラー)の開発
(1)財政状態
①資産、負債、純資産の状況
当連結会計年度末における資産の残高は、70,325百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,733百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が3,537百万円増加、商品及び製品が392百万円減少、原材料及び貯蔵品が220百万円減少、投資有価証券が835百万円増加したことなどによるものであります。
負債の残高は、17,060百万円となり、前連結会計年度末に比べて540百万円減少いたしました。これは、主に未払法人税等が356百万円増加、支払手形及び買掛金が183百万円増加、電子記録債務が30百万円増加、短期借入金が16百万円増加、長期借入金が320百万円減少、退職給付に係る負債が1,412百万円減少したことなどによるものであります。
純資産の残高は、53,264百万円となり前連結会計年度末に比べて4,273百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が4,659百万円増加、その他有価証券評価差額金が421百万円増加、為替換算調整勘定が1,245百万円減少、非支配株主持分が495百万円増加したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2事業の状況」の「1業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における売上高は、69,906百万円となり、前連結会計年度に比べ4,223百万円の増収となりました。売上原価は、56,722百万円となり、前連結会計年度に比べ2,445百万円の増加となりました。売上原価率は、原価低減活動、生産効率化等の合理化を推進したことなどにより、前連結会計年度に比べ1.5ポイントの減少となりました。
以上の結果、営業利益は、7,261百万円となり、前連結会計年度に比べ1,450百万円の増益となりました。経常利益は、7,567百万円となり、前連結会計年度に比べ1,205百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、5,020百万円となり、前連結会計年度に比べ947百万円の増益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
ミラーシステム事業は近年、自動車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を図っております。当連結会計年度は、連結売上高に占める海外向け売上高が44.4%となっております。今後、更に海外売上高比率は高まる見込みであり、それに対応すべく海外拠点での設備投資額も増加することが予想され、これらは当社グループの連結業績に重要な影響を与える要因と考えております。引き続き、各海外拠点において、安定した品質を確保出来る生産体制の確立とともに製造コストの低減により収益基盤を固めていくことが、対処すべき経営課題と認識しております。