第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、主力製品である自動車用のバックミラー製造を中心としたミラーシステム事業と光学薄膜部品の製造を中心としたオプトロニクス事業を展開しております。これらの事業を通じて、顧客・ユーザーの満足を得られる高品質で価格競争力のある商品を提供し、それぞれの産業の発展に寄与することを経営の基本方針としております。また、顧客、株主、取引先、社員、社会に貢献し、あわせて環境問題にも取り組み、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

 

今後の経済見通しにつきましては、米国、中国、日本、ASEAN諸国をはじめ世界同時進行での景気回復が継続し、世界経済の成長がさらに加速すると見込まれます。一方で保護主義的な通商政策の拡大や地政学的リスクによる世界経済への影響も懸念されます。自動車業界では、新興国の需要拡大を背景に引き続き販売台数の増加が見込まれます。また、自動運転をはじめ新たな社会ニーズを満たす様々な技術の登場によって、産業のさらなる活性化が予想されます。

 

このような状況の中で、当社グループは、バックミラーの世界シェア拡大に向けて、海外生産拠点の拡充、世界最適調達の推進や生産性向上を目的とした設備増強など、戦略的投資を進めてまいります。また、自動車用安全視認システムのトップメーカーとして、電子ミラーやヘッドアップディスプレイなどの製品開発に注力するとともに、自動運転車や安全運転支援システムに向けた新技術開発にも取り組んでまいります。

 

海外生産拠点の拡充につきましては、一昨年に設立した「佛山村上汽車配件有限公司」に続き、中国3番目となるバックミラーの生産拠点として、平成30年1月天津市に「天津村上汽車配件有限公司」を設立いたしました。現在、平成31年4月の生産開始に向け工場建設を進めております。これら中国への取り組みに加え、需要拡大の見込まれる他の新興国地域への進出も視野に活動してまいります。

 

世界シェア拡大の取り組みにおきましては、欧州事務所での現地営業活動により、欧州自動車メーカーからの受注が決まりました。引き続き、欧州での顧客基盤の構築を進めるとともに、先進技術や市場トレンドの情報収集に努め、製品開発に活かしてまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車業界の動向

当社グループの売上高は約9割が自動車業界向けであり、自動車生産及び自動車販売の変動に左右される一面があります。また、自動車業界ではグローバル化の進展とともに世界規模で販売競争が激化しており、当社を含む部品メーカーに対しても、自動車メーカーの方針に基づき新技術の開発、生産のグローバル化や原価低減など競争力強化のための変革が求められており、当社グループの企業活動や業績は自動車メーカー各社の戦略に強い影響を受ける場合があります。

 

(2)技術変化への対応について

当社グループ売上高の約9割を自動車用バックミラーが占めており、当社グループでは品質向上やコストダウン、新機能提案など不断の努力で事業成長に取り組むとともに、電子ミラーをはじめ次世代技術の開発にも積極的な投資をおこなっております。しかし、ニーズの変化に対してタイムリーに新製品を提供できない場合や、予期せぬ新技術の台頭があった場合、収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外市場での事業展開について

当社グループはタイ、インドネシア、中国、米国、メキシコにおいて海外事業を展開しており、海外における事業活動の重要性が年々高まっております。これらの地域における景気の急変や法規・政策・税制等の変更など予期せぬ事象により事業の遂行が影響を受ける可能性があります。

 

(4)製品の品質・クレームについて

当社グループの製品は万全の品質管理を行っておりますが、万一、不具合・クレームが発生した場合、その内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの業績や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害等について

当社グループでは日本国内に4拠点、海外5カ国で工場が稼動しており、生産及び調達活動を分散するとともに、地震等災害に備えた事業継続体制を整備しています。しかし、本社およびグループの中核工場は静岡県の中部地域に集中して立地していることから、大規模地震等の災害が発生した場合は企業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度は、世界各国において同時進行で緩やかな景気回復となりました。当社の主要市場について、日本では企業収益が最高水準となり個人消費が増加するなど景気回復が続きました。米国経済も堅調に推移し、中国の景気も持ち直しの動きが見られました。また、タイやインドネシアの経済も緩やかに回復しました。

 

当社グループの主要な取引先である自動車業界におきましては、日本国内では軽自動車を含む新車販売台数の高い伸びが見られました。米国では新車販売台数が減少した一方、中国では前年の減税特需の反動により伸び率が低下したものの依然として自動車市場は拡大基調にあります。タイやインドネシアでは景気回復とともに内需が伸び生産台数も堅調に増加しました。これらの結果、世界全体の自動車生産台数は前年を上回りました。

 

このような状況下において当社グループは、グローバル市場での事業拡大に向け海外拠点を拡充し、原材料の現地調達化や生産性向上などの原価低減活動を推進し、グループ一丸となって企業体質の強化を図ってまいりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(日本)

売上高は、主力の自動車用バックミラーの販売数量の増加により44,697百万円となり、前連結会計年度に比べて4,635百万円(11.6%)の増加となりました。営業利益は、売上高の増加や生産性向上による原価低減効果により4,082百万円となり、前連結会計年度に比べて665百万円(19.5%)の増加となりました。

(アジア)

売上高は、主にタイにおける自動車用バックミラーの販売数量の減少により17,109百万円となり、前連結会計年度に比べて986百万円(5.5%)の減少となりました。営業利益は、中国における利益率の改善があったものの、タイにおける売上高の減少により2,964百万円となり、前連結会計年度に比べて130百万円(4.2%)の減少となりました。

(北米)

売上高は、米国における自動車用バックミラーの販売数量の減少などにより10,422百万円となり、前連結会計年度に比べて1,326百万円(11.3%)の減少となりました。営業利益は、メキシコ新工場における創業赤字が縮小したものの、米国における売上高の減少により660百万円となり、前連結会計年度に比べて62百万円(8.7%)の減少となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は72,229百万円となり、前連結会計年度に比べて2,322百万円(3.3%)の増加となりました。

また、経常利益は8,489百万円となり、前連結会計年度に比べて922百万円(12.2%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は5,262百万円となり、前連結会計年度に比べて241百万円(4.8%)の増加となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して686百万円減少し、当連結会計年度末には22,783百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、8,921百万円(前連結会計年度は9,118百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益8,539百万円、減価償却費3,207百万円、売上債権の増加979百万円、たな卸資産の増加220百万円、仕入債務の増加279百万円、法人税等の支払2,004百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、7,878百万円(前連結会計年度は3,917百万円の減少)となりました。これは、主に定期預金の預入による支出4,745百万円、定期預金の払戻による収入2,071百万円、有形固定資産の取得による支出4,532百万円、関係会社株式の取得による支出442百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、1,881百万円(前連結会計年度は948百万円の減少)となりました。これは、主に短期借入金の純減額482百万円、長期借入金の返済による支出320百万円、配当金の支払額424百万円、非支配株主への配当金の支払額641百万円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

44,059

11.4

アジア

17,124

△5.1

北米

10,494

△8.8

報告セグメント計

71,677

3.8

その他

合計

71,677

3.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

44,555

12.4

3,755

15.3

アジア

17,176

△3.3

1,500

4.7

北米

10,277

△12.0

793

△15.5

報告セグメント計

72,009

4.2

6,049

7.5

その他

合計

72,009

4.2

6,049

7.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

44,697

11.6

アジア

17,109

△5.5

北米

10,422

△11.3

報告セグメント計

72,229

3.3

その他

合計

72,229

3.3

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

25,257

36.1

24,771

34.3

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、会計基準につきましては日本基準を適用しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

資産、負債、純資産の状況

 当連結会計年度末における資産の残高は、75,716百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,391百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が2,064百万円増加、受取手形及び売掛金が825百万円増加、電子記録債権が257百万円増加、有形固定資産が1,684百万円増加、投資有価証券が409百万円増加したことなどによるものであります。

 負債の残高は、17,171百万円となり、前連結会計年度末に比べて111百万円増加いたしました。これは、主に支払手形及び買掛金が426百万円増加、短期借入金が458百万円増加、未払法人税等が132百万円増加、長期借入金が1,300百万円減少、繰延税金負債が61百万円増加、退職給付に係る負債が94百万円増加したことなどによるものであります。

 純資産の残高は、58,545百万円となり前連結会計年度末に比べて5,280百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が4,837百万円増加、為替換算調整勘定が321百万円増加、退職給付に係る調整累計額が88百万円増加、非支配株主持分が26百万円増加したことなどによるものであります。

 

2)経営成績

 当連結会計年度における売上高は、72,229百万円となり、前連結会計年度に比べ2,322百万円の増収となりました。売上原価は、58,406百万円となり、前連結会計年度に比べ1,683百万円の増加となりました。売上原価率は、原価低減活動、生産効率化等の合理化を推進したことなどにより、前連結会計年度に比べ0.3ポイントの減少となりました。

以上の結果、営業利益は、7,701百万円となり、前連結会計年度に比べ440百万円の増益となりました。経常利益は、8,489百万円となり、前連結会計年度に比べ922百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、5,262百万円となり、前連結会計年度に比べ241百万円の増益となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 ミラーシステム事業は近年、自動車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を図っております。当連結会計年度は、連結売上高に占める海外向け売上高が40.1%と海外拠点の重要性が高く、今後も安定した収益確保の為に設備投資が増加することが予想されます。また日本においては、電子ミラーなどの新製品・新技術に対する研究開発関連費用も増加する傾向にあり、これらは当社グループの連結業績に重要な影響を与える要因と考えております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ミラーシステム事業とオプトロニクス事業により構成される製造業に関わる原材料購入費及び製造経費、一般管理費等があります。また、設備資金需要としては各事業における生産性向上並びに新技術開発を目的とした設備投資等があります。

 当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術援助契約

会社名

相手方の名称

所在地

契約の内容

契約期間

当社

健生工廠股份有限公司

台湾

福特六和汽車を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成30年2月1日から

平成31年1月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

AMPAS INDUSTRIES

CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年12月29日から

平成30年12月28日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

DELLOYD INDUSTRIES(M)

SDN. BHD.

マレーシア

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年12月5日から

平成30年12月4日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

 

FICOSA Do Brasil

,LTDA.

ブラジル

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成16年9月1日から

契約対象製品の納入終了まで

当社

FICOSA INTERNATIONAL

S.A.

スペイン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年6月30日から

平成30年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

MURAKAMI AMPAS
(THAILAND) CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年7月1日から

平成30年6月30日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
U.S.A. Inc.

米国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成30年1月1日から

平成30年12月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
(Thailand) Co.,Ltd.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年6月30日から

平成30年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

嘉興村上汽車配件

有限公司

中国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成29年8月1日から

平成30年7月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Metagal Argentina S.A.

アルゼンチン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

平成30年1月27日から

平成31年1月26日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

 (注) 上記については、対象製品売上高の一定割合をロイヤリティーとして受取っております。

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、日本及び全社において、研究開発グループ並びに技術グループを中心に、自動車用情報伝達システムの研究及び高機能ファインガラスの開発をメインテーマに進めております。

現在、研究開発スタッフは開発グループ、技術グループを含め52名であります。

また、当連結会計年度における研究開発費は1,077百万円であり、セグメント区分は日本及び全社であります。

 

研究開発の主な注力領域は、以下のとおりであります。

(1)電子視認システムの開発

 

(2)ドライブレコーダーの開発

 

(3)調光ミラーの開発

 

(4)用品向け 視界改良商品の開発

 

(5)EV向け 給電システム関連製品の開発

 

(6)遮光素子、調光素子の開発

 

(7)高機能ファインガラス

 ・各種光学フィルター、光学ミラーの開発

 ・調光フィルター(ミラー)の開発