第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

(1)経営方針

当社グループは、主力製品である自動車用のバックミラー製造を中心としたミラーシステム事業と光学薄膜部品の製造を中心としたオプトロニクス事業を展開しております。これらの事業を通じて、顧客・ユーザーの満足を得られる高品質で価格競争力のある商品を提供し、それぞれの産業の発展に寄与することを経営の基本方針としております。また、顧客、株主、取引先、社員、社会に貢献し、あわせて環境問題にも取り組み、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は売上高、営業利益及び経常利益を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

今後の経済見通しにつきましては、米中貿易摩擦や英国のEU(欧州連合)離脱に対する懸念などから、2019年の世界経済の成長率は前年を下回ることが予想されています。自動車業界では、日本国内においては消費税増税後の自動車販売の駆け込み需要の反動減が懸念され、世界最大市場である中国においては自動車販売台数が前年を若干下回るとの予想もあり、世界需要の伸びは鈍化する見通しとなっております。

 

このような状況の中で、当社グループは、自動車用バックミラーの世界シェア拡大に向けて、受注活動の強化、海外生産拠点の拡充、世界最適調達の推進や生産性向上を目的とした設備増強など、戦略的投資を進めてまいります。また、自動車用安全視認システムのトップメーカーとして新製品開発に注力するとともに、自動運転車や安全運転支援システムに向けた新技術の開発、当社の強みであるガラス加工技術、光学多層膜技術を融合・進展させた新製品の開発強化に努めてまいります。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)自動車業界の動向

当社グループの売上高は約9割が自動車業界向けであり、自動車生産及び自動車販売の変動に左右される一面があります。また、自動車業界ではグローバル化の進展とともに世界規模で販売競争が激化しており、当社を含む部品メーカーに対しても、自動車メーカーの方針に基づき新技術の開発、生産のグローバル化や原価低減など競争力強化のための変革が求められており、当社グループの企業活動や業績は自動車メーカー各社の戦略に強い影響を受ける場合があります。

 

(2)技術変化への対応について

当社グループ売上高の約9割を自動車用バックミラーが占めており、当社グループでは品質向上やコストダウン、新機能提案など不断の努力で事業成長に取り組むとともに、電子ミラーをはじめ次世代技術の開発にも積極的な投資をおこなっております。しかし、ニーズの変化に対してタイムリーに新製品を提供できない場合や、予期せぬ新技術の台頭があった場合、収益の悪化等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外市場での事業展開について

当社グループはタイ、インドネシア、中国、米国、メキシコにおいて海外事業を展開しており、海外における事業活動の重要性が年々高まっております。これらの地域における景気の急変や法規・政策・税制等の変更など予期せぬ事象により事業の遂行が影響を受ける可能性があります。

 

(4)製品の品質・クレームについて

当社グループの製品は万全の品質管理を行っておりますが、万一、不具合・クレームが発生した場合、その内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの業績や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害等について

当社グループでは日本国内に4拠点、海外5カ国で工場が稼動しており、生産及び調達活動を分散するとともに、地震等災害に備えた事業継続体制を整備しています。しかし、本社およびグループの中核工場は静岡県の中部地域に集中して立地していることから、大規模地震等の災害が発生した場合は企業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業における設備投資の増加や輸出が伸び、回復基調となりました。世界経済においては、総じて堅調さを維持したものの、米中の貿易摩擦の影響などにより先行きが不透明な状況が続きました。

 

当社グループの主要な取引先である自動車業界におきましては、日本国内では、自動車販売台数の増加と輸出増加により、前年に比べて生産台数は増加いたしました。また、米国・タイ・インドネシアでは前年に比べて、生産台数は増加した一方で、中国では自動車販売の低迷により生産台数が減少いたしました。

 

このような状況下において当社グループは、グローバル市場での事業拡大に向けた海外拠点の拡充や、原材料の現地調達化及び合理化推進などの原価低減活動を推進してまいりました。また、次世代製品の研究開発にも積極的に取り組み、グループ一丸となって持続的事業成長のための企業体質の強化を図ってまいりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(日本)

主力の自動車用バックミラーの販売数量は前年並みに推移し、高機能製品の販売数量が増加した結果、売上高は前連結会計年度に比べて908百万円(2.0%)増加し、45,605百万円となりました。営業利益は、研究開発関連費用の増加などにより3,690百万円となり、前連結会計年度に比べて391百万円(9.6%)の減少となりました。

(アジア)

タイ及び中国における自動車用バックミラーの販売数量が増加した結果、売上高は前連結会計年度に比べて249百万円(1.5%)増加し、17,358百万円となりました。営業利益は、減価償却費及び生産準備費用の増加などにより2,695百万円となり、前連結会計年度に比べて269百万円(9.1%)の減少となりました。

(北米)

自動車用バックミラーの販売数量の増加により、売上高は前連結会計年度に比べて346百万円(3.3%)増加し、10,769百万円となりました。営業利益は、555百万円となり、前連結会計年度に比べて105百万円(15.9%)の減少となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は73,732百万円となり、前連結会計年度に比べて1,503百万円(2.1%)の増加となりました。

また、経常利益は7,688百万円となり、前連結会計年度に比べて801百万円(9.4%)の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は4,860百万円となり、前連結会計年度に比べて401百万円(7.6%)の減少となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して3,445百万円増加し、当連結会計年度末には26,228百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、8,844百万円(前連結会計年度は8,921百万円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益7,378百万円、減価償却費3,321百万円、役員退職慰労引当金の増加500百万円、たな卸資産の増加299百万円、受取保険金204百万円、法人税等の支払額2,395百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、3,925百万円(前連結会計年度は7,878百万円の減少)となりました。これは、主に定期預金の預入による支出2,270百万円、定期預金の払戻による収入4,236百万円、有形固定資産の取得による支出4,473百万円、関係会社株式の取得による支出837百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、1,089百万円(前連結会計年度は1,881百万円の減少)となりました。これは、主に短期借入金の純増額27百万円、長期借入れよる収入1,600百万円、長期借入金の返済による支出1,300百万円、自己株式の取得による支出246百万円、配当金の支払額508百万円、非支配株主への配当金の支払額656百万円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

44,809

1.7

アジア

17,274

0.9

北米

10,526

0.3

報告セグメント計

72,609

1.3

その他

合計

72,609

1.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当社は見込み生産を行っており、前連結会計年度においては見込み生産を受注高として読み替えて開示しておりましたが、当連結会計年度より省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

45,605

2.0

アジア

17,358

1.5

北米

10,769

3.3

報告セグメント計

73,732

2.1

その他

合計

73,732

2.1

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

24,771

34.3

25,705

34.9

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、会計基準につきましては日本基準を適用しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

資産、負債、純資産の状況

 当連結会計年度末における資産の残高は、78,298百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,920百万円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が1,472百万円増加、受取手形及び売掛金が91百万円減少、電子記録債権が48百万円減少、有形固定資産が800百万円増加、投資有価証券が201百万円増加したことなどによるものであります。

 負債の残高は、17,128百万円となり、前連結会計年度末に比べて295百万円増加いたしました。これは、主に支払手形及び買掛金が238百万円減少、電子記録債務が132百万円増加、短期借入金が1,290百万円減少、未払法人税等が244百万円減少、長期借入金が1,600百万円増加、繰延税金負債が140百万円減少、退職給付に係る負債が114百万円増加、役員退職慰労引当金が500百万円増加したことなどによるものであります。

 純資産の残高は、61,169百万円となり前連結会計年度末に比べて2,624百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が4,345百万円増加、その他有価証券評価差額金が469百万円減少、為替換算調整勘定が822百万円減少、退職給付に係る調整累計額が59百万円減少、非支配株主持分が123百万円減少したことなどによるものであります。

 

2)経営成績

 当連結会計年度における売上高は、自動車用バックミラー販売数量が増加したこと等により73,732百万円となり、前連結会計年度に比べ1,503百万円の増収となりました。

 営業利益は研究開発関連費用、減価償却費及び生産準備費用の増加等により7,148百万円となり、前連結会計年度に比べ553百万円の減益となりました。経常利益は7,688百万円となり、前連結会計年度に比べ801百万円の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は4,860百万円となり、前連結会計年度に比べ401百万円の減益となりました。

 

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 2018年5月11日に公表いたしました業績予想(以下、「業績予想」という。)との分析は以下の通りです。

 当連結会計年度の売上高は、日本での売上高が増加したことにより、業績予想と比べて732百万円(1.0%)の増加となりました。

 営業利益は売上増加による影響に加え、原価低減活動及び生産性向上等の合理化を推進したことにより、業績予想と比べて448百万円(6.7%)の増加となりました。経常利益は業績予想と比べて488百万円(6.8%)の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は業績予想と比べて460百万円(10.5%)の増加となりました。

 

 なお、ミラーシステム事業は近年、自動車メーカーの現地生産化の拡大に対応すべく海外拠点の拡充を図っております。当連結会計年度は、連結売上高に占める海外向け売上高が40.0%と海外拠点の重要性が高く、今後も安定した売上高確保の為に設備投資が増加することが予想されます。日本においては、電子ミラーなどの新製品・新技術に対する研究開発関連費用も増加する傾向にあり、これらは当社グループの連結業績に重要な影響を与える要因と考えております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、ミラーシステム事業とオプトロニクス事業により構成される製造業に関わる原材料購入費及び製造経費、一般管理費等があります。また、設備資金需要としては各事業における生産性向上並びに新技術開発を目的とした設備投資等があります。

 当社グループは事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術援助契約

会社名

相手方の名称

所在地

契約の内容

契約期間

当社

健生工廠股份有限公司

台湾

福特六和汽車を除く日系自動車メーカーを含む台湾自動車メーカー向けバックミラーに関する設計、製造技術の供与

2019年2月1日から

2020年1月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

AMPAS INDUSTRIES

CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年12月29日から

2019年12月28日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

DELLOYD INDUSTRIES(M)

SDN. BHD.

マレーシア

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年12月5日から

2019年12月4日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

 

FICOSA Do Brasil

,LTDA.

ブラジル

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2004年9月1日から

契約対象製品の納入終了まで

当社

FICOSA INTERNATIONAL

S.A.

スペイン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年6月30日から

2019年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

MURAKAMI AMPAS
(THAILAND) CO., LTD.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年7月1日から

2019年6月30日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
U.S.A. Inc.

米国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2019年1月1日から

2019年12月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Murakami Manufacturing
(Thailand) Co.,Ltd.

タイ

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年6月30日から

2019年6月29日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

嘉興村上汽車配件

有限公司

中国

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2018年8月1日から

2019年7月31日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

当社

Metagal Argentina S.A.

アルゼンチン

バックミラーに関する設計、製造技術の供与

2019年1月27日から

2020年1月26日まで

ただし、双方が契約の更新を望むときは、1年毎に自動的に更新

 (注) 上記については、対象製品売上高の一定割合をロイヤリティーとして受取っております。

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、開発センターを中心に、自動運転車や安全運転支援システムに向けた新技術の開発及び当社の強みであるガラス加工技術、光学多層膜技術を融合・進展させた新製品の開発をメインテーマに進めております。

現在、研究開発スタッフは50名であります。

 

また、当連結会計年度における研究開発費は1,242百万円であり、セグメント区分は日本及び全社であります。

 

研究開発の主な注力領域は、以下のとおりであります。

(1)電子視認システムの開発

 

(2)視界改良製品の開発

 

(3)HMI(Human Machine Interface)関連製品の開発

 

(4)遮光素子、調光素子の開発

 

(5)高機能ファインガラス

・各種光学フィルター、光学ミラーの開発