第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州経済は堅調に推移したものの、原油価格の下落による資源国経済の低迷や足元の中国での景気減速、米国でのドルの利上げによる新興国通貨下落など、先行き不透明な状態が続いております。
 一方、日本経済は、物価上昇率低下に伴う実質所得の下げ止まりを背景に個人消費主導で緩やかな回復が続いていたものの、名目賃金の伸び悩みや1月以降の急激な円高などから足踏み状態となっております。こうした中でも雇用や設備投資の拡大など足下では底堅さがみられました。
 当社グループが関連する自動車産業におきましては、海外市場では、タイ、インドネシアでの販売台数の低迷はありますが、中国は経済が減速しているものの、2015年も堅調な伸びを示しており、米国、メキシコでも増産傾向が続いております。一方、日本の2015年度の新車販売台数は、軽自動車の販売台数が大きく落ち込んだことにより、昨年度に引き続き減少しております。輸出向けについては、円安による国内生産回帰等の影響もあり、前年度比2.0%増加しております。
 このような状況下におきまして、当社グループの売上高は、前期に引き続き好調な米国・メキシコ・中国での生産や新拠点の稼働による増加などにより、前年度比14.7%増の172,797百万円となりました。
 利益面では、メキシコや中国を中心とした売上の増加効果や新拠点の操業開始コストの減少などにより、営業利益は前年度比22.3%増の10,015百万円となりました。経常利益は新興国通貨の下落に加え、1月以降の急激な円高の進行に伴う為替差損の計上により前年度比30.9%減の7,355百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比35.9%減の3,700百万円となりました。
 なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、121.10円/ドル(前連結会計年度は、105.79円/ドル)であります。 

  セグメントの状況は、以下のとおりであります。

①日本

 2015年度の新車販売台数は前年度比6.8%減の494万台となりました。500万台割れは、東日本大震災直後の2011年度以来4年振りとなります。生産台数は、輸出向けが円安の影響により増えましたが、国内販売の減少が大きく前年度比4.2%減の919万台となりました。
 こうした中、当社グル-プの売上高は、主要得意先である日産向けのエクストレイル及びローグやホンダ向けのフィット、ヴェゼルは好調に推移しましたが、金型・設備売上の減少に加え、モデル末期のセレナが減産となったこと、また、軽自動車の生産が落ち込んだことなどにより、前年度比6.7%減の49,424百万円となりました。
 営業利益は、海外からのロイヤルティが増加したものの、金型・設備売上の減少の影響などにより前年度比23.2%減の4,507百万円となりました。
 品質面では、日産からグローバル品質賞を3年連続で受賞したことに加え、マツダ及びクボタからも品質賞を受賞いたしました。

②米州

 売上高は、米国及びメキシコでの生産増加の他、12月までの円高是正による増加効果により前年度比25.5%増の81,081百万円となりました。営業利益は、メキシコ第2拠点であるヨロズオートモーティブグアナファト デ メヒコ社(YAGM)の本格稼働などにより、前年度比2.2倍の2,136百万円となりました。
 米国においては、2015年新車販売台数が前年度比5.7%増の1,747万台で過去最高、生産台数は前年度比3.6%増の1,186万台とリーマンショック前の水準となっています。
 ヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)は、サスペンション部品では、日産向けに、新型マキシマの部品を2015年5月から、新型タイタンの部品を2015年11月から生産開始しております。ホンダ向けでは、新型リッジライン部品を2016年4月から生産開始し、また、トヨタ向けでは、ハイランダーの部品を2015年10月から生産開始しております。富士重向けでは、新型車の部品を受注し、2016年秋から生産開始する予定であります。
 メキシコにおいては、2015年の生産台数は前年度比5.6%増の340万台で過去最高となりました。
 ヨロズメヒカーナ社(YMEX)は、日産から6年連続となる品質賞を受賞いたしました。また日産向けキックス(SUV車)のサスペンション部品を2016年4月より生産開始しております。YAGMでは、日産向けキックス及び次期小型車に搭載される予定の1.6リッター新型エンジン用オイルパンを2016年4月から生産開始しております。
 ブラジルにおいては、2015年新車販売台数は前年度比26.6%減の257万台、国内生産台数は前年度比22.0%減の231万台となりました。ヨロズオートモーティバ ド ブラジル社(YAB)は、サスペンション部品では、日産向けマーチの部品に加え、2015年8月よりルノー向けにダスターオロチ(SUV車)の部品を生産開始しております。また、2016年5月よりダスターの部品を、9月よりクウィッド(ルノー小型車)の部品を生産開始及び開始予定であります。

③アジア

 売上高は、タイ、インドネシアの販売台数の低迷があるものの、中国での生産増加、円高是正による増加効果などにより前年度比18.2%増の57,577百万円となりました。営業利益は、中国の増加効果などにより前年度比62.8%増の3,561百万円となりました。 
 中国においては、2015年の新車販売台数は伸び率が年初予想の7.0%増から4.7%増と鈍化したものの、引き続き堅調な成長を続けております。 
 广州萬宝井汽車部件有限公司(G-YBM)においては、サスペンション部品では、日産向けに中国専用車ラニアの部品を2015年9月から生産開始しており、武漢萬宝井汽車部件有限公司(W-YBM)では、日産向けに新型キャシュカイを2015年9月から、ルノー向けに新型車カジャールの部品を2016年1月から生産開始しております。 
 中国のSUV市場は年々拡大しており、G-YBMで生産しているホンダ向けのヴェゼル、W-YBMで生産している日産向けのエクストレイルは、好調な販売を維持しております。 
 更に、品質面では、G-YBMが広汽ホンダから2015年度優秀サプライヤー賞を、またW-YBMが東風ホンダから2015年度品質優秀サプライヤー賞を受賞いたしました。 
 タイにおいては、2015年の生産台数は前年度比1.8%増の191万台となり、国内販売の低迷を輸出分が補いプラスに転じました。 
 ヨロズタイランド社(YTC)及び、ワイ・オグラオートモーティブタイランド社(Y-OAT)では、日野向けに新型ハイラックスの車体(フレーム)部品を2015年5月から生産開始し、サスペンション部品では、トヨタ向けに新型フォーチュナー(SUV車)の部品を、またスズキ向けにシアズ(小型車)の部品を2015年7月から生産開始しております。 
 インドにおいては、2015年新車販売台数は7.8%増の343万台、生産台数は7.4%増の413万台となりました。ヨロズJBMオートモーティブタミルナドゥ社(YJAT)は、日産向けにダットサンブランドGO(ゴー)の派生車であるレディGOを2016年6月から生産開始する予定であります。トヨタ向けでは、グローバル展開車種であるイノーバ(ミニバン)の車体部品、シート部品を2016年4月から生産開始しております。2016年秋からはイノーバの派生車であるSUV車の部品も生産開始する予定であります。 
 インドネシアでは、国内経済の減速による需要低迷により、2015年の新車販売台数は前年度比16.1%減の101万台となり、国内生産台数も15.4%減の110万台となりました。ヨロズオートモーティブインドネシア社(YAI)では、2015年4月からGO、GO+(ゴープラス)のエンジン部品の生産を開始しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,328百万円増加し、21,501百万円となりました。
  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の営業活動により増加した資金は18,735百万円であり、前連結会計年度と比べ8,725百万円
(87.2%)の収入増加となりました。
 営業活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
  「仕入債務の増減額」に伴う収入増加   5,820百万円
  「為替差損益」の増減に伴う収入増加   3,827百万円
  「その他の負債の増減額」に伴う収入増加  2,753百万円  

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の投資活動により減少した資金は15,046百万円であり、前連結会計年度と比べ1,720百万円
(10.3%)の支出減少となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
  「有形固定資産の取得による支出」の支出減少  2,659百万円
  「定期預金の預入による」の支出増加       885百万円

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の財務活動により増加した資金は260百万円であり、前連結会計年度と比べ3,827百万円
(93.6%)の収入減少となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
  「株式の発行による収入」の収入減少   5,426百万円
  「短期借入れによる収入」の収入増加   4,294百万円
  「自己株式の売却による収入」の収入減少 1,515百万円
  「配当金の支払額」に伴う収入減少    1,338百万円

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年度比(%)

日本   

35,906

△6.6

米州   

80,342

24.8

アジア 

57,452

18.5

合計

173,701

14.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年度比(%)

受注残高(百万円)

前年度比(%)

日本

35,348

△3.3

8,427

△1.0

米州

82,850

24.5

21,075

23.4

アジア

55,014

16.5

6,245

△18.1

合計

173,213

15.2

35,749

7.6

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年度比(%)

日本   

35,329

△6.5

米州  

80,296

24.9

アジア  

57,171

17.5

合計

172,797

14.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

北米日産会社

30,773

20.4

36,775

21.3

東風汽車有限公司

19,927

13.2

23,991

13.9

メキシコ日産自動車会社

13,175

8.7

16,430

9.5

日産自動車株式会社

17,856

11.8

16,329

9.5

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1)対処すべき課題

 世界の自動車産業では、地球温暖化の問題から低燃費のハイブリッド車(HV・PHV)や電気自動車(EV)などの普及が進んできており、更に燃料電池車(FCV)なども市場投入が始まっております。また、自動車メーカー各社は車の安全性向上のための自動運転技術(衝突回避技術や情報処理技術)にも取り組んでおります。そして、これらによるコスト及び重量の増加を抑えるために低価格化・軽量化のニーズがますます高まってきております。

 一方、引き続き需要が旺盛な北米市場はもとより、中国やインド、アセアン地域などではモータリゼーションにより小型車や超低価格車の需要が確実に増えていくことが見込まれております。

 このような状況下で、自動車部品産業では、メガサプライヤーが進めているモジュール納入や低価格な部品を提供する新興国ローカルサプライヤーの台頭、更には日系サプライヤー同士の競争が一層激化してくることは避けられない情勢であります。

  当社グループは、この変化にいち早く対応し、競争を勝ち抜くための強靭な企業体質の構築が必要であるとの認識から長期ビジョン『サスペンションシステムメーカーを目指す』を掲げ、その達成に向けて第1期目(2015年度~2017年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2017』(YSP2017)を2015年3月に策定・公表いたしました。

 重点取り組みとして、米国アラバマ州に設立したヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を目指しております。その達成に向け、日本に「ものづくり技術」を集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバルに展開いたします。

 そのために、ヨロズエンジニアリング(YE)の拡張・能力増強を図り、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進め、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成、更に雇用機会の提供を通して社会貢献してまいります。

 当社グループは、YSP2017の必達に向けて引き続き、次の事業の3本柱に取り組んでおり、諸施策については計画通りに進捗しております。

  (1)製品力・開発力の更なる強化

 2015年度の重点取り組みとして、設計開発領域においては、高張力鋼板適用による軽量サスペンションメンバーの開発を進める一方、軽量かつ高剛性のパイプビームの量産を実現するなど、将来に向けた新素材・新構造・新工法開発への取り組みを加速するとともに、それらをささえる、解析シミュレーション技術の精度向上及び効率化を進め、製品開発期間の更なる短縮にも力を入れております。
 また、生産工程については、革新的な生産効率の向上を狙った工場無人化の取り組みとして、ヨロズ大分に当社グループ初となる組立無人化ラインを導入し、2016年7月稼働に向けて準備中であります。この組立無人化ライン(製品搬送装置、簡易ロボット含む)及び周辺設備であるAGV(無人搬送車)などは全て自社で開発・製作したものであります。
 今後の取り組み課題として、設計開発領域においては、当社のコア技術の一つであるサスペンション開発力を革新的に強化してまいります。更に、付加価値を向上させるためにサスペンション周辺部品を取り込んだシステム開発・評価技術を社内に蓄積するとともに、「軽く・強く・安く・早く」といったお客さまのニーズに確実に応えてまいります。
 また、生産工程については、前述の組立無人化ラインで得られたノウハウを今後の新規ラインに随時適用してまいります。更に、今後軽量化の要となる高張力鋼板の採用拡大を見越し、成型能力を大幅に向上させた大型3,500トン サーボトランスファープレスをグローバル拠点に順次導入してまいります。
 これにより、性能及びコスト面で競争力の高い製品を世界中のお客さまに提供すべく、設備増強計画を進めております。
 これらの実現に向けて、「ものづくり技術」を日本に集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバル展開していくために、YEの拡張・能力増強を2016年初めより開始しております。また、ヨロズエンジニアリングシステムズタイランド社(YEST)につきましても能力増強を進めております。
 品質保証については、お客さまからの信頼を一層高めていくためにダントツ品質の実現に向けて更なる品質トレーサビリティーの向上を図ってまいります。

  (2) 世界の主要自動車メーカーへの販路拡大

  2015年度は、ダイムラーからシャシー部品を初めて受注いたしました。本プロジェクトの成功に向けて全社総力をあげて取り組んでまいります。お客さまとの連携を密にするために、パリに設立しました欧州事務所を2016年3月より本格稼働しております。
 需要が旺盛な市場での受注拡大に備えて、米国ではアラバマ州に第2生産拠点、YAAを2015年10月に設立いたしました。YAAは当社グループ初となる無人化を全面的に採用する戦略的拠点であり、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を基本コンセプトとしております。稼働予定については、当初予定の2018年初めに対して、前倒しを検討しております。
 メキシコの既存2拠点拡張についても、YMEXでは2017年1月に、YAGMでは2016年11月に完了予定であります。また、中国の既存2拠点拡張については、G-YBMでは2015年4月に、W-YBMでは2015年6月に完了しております。
 今後の取り組み課題として、日系自動車メーカーに対しては、主要得意先である日産、ホンダに加え、トヨタグループを中心に他の自動車メーカーへの販路拡大も進めてまいります。欧米自動車メーカーに対しては、特にルノー、フォルクスワーゲン、ダイムラー等への販路を拡大してまいります。

  (3) 多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化

 2015年度の重点取り組みについては、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』に向けて、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成を目指し、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進めております。
 今後の取り組み課題として、将来の業容を見据え、多様性を尊重した採用と管理職等への登用を更に進めていくことにより、意欲ある優秀な人財がグローバルに活躍できる環境を整えております。
 また、ヨロズ標準を伝授・浸透させ、コアになる人財の育成を目的としたタレントマネジメントの構築を図ってまいります。

(2)株式会社の支配に関する基本方針

(1) 基本方針

 当社は、当社の企業価値が、当社及びその子会社・関連会社が永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ及びブランドイメージ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆さま共同の利益を向上させていくことにその淵源を有していると考えております。そのため、当社は、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針としております。

(2) 基本方針の実現に資する取組み 

 当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、下記の企業価値の向上に向けた取組み、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み、積極的な株主還元及び当社の考える企業の社会的責任に向けた取組みを、それぞれ実施しております。

   ① 企業価値の向上に向けた取組み

 当社は、昨年、長期ビジョンとその第1期となる2017年までの業績目標を示した中期経営計画YSP2017を公表し、「サスペンションシステムを通じて新たな価値を生み出し、“ヨロズブランドを世界に”」という新しい企業ビジョンのもと、「製品力・開発力の更なる強化」、「世界の主要自動車メーカーへの販路拡大」及び「多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化」を実践しサスペンション部品と周辺部品とを一体システムとして性能開発から量産までを行う『サスペンションシステムメーカー』となることによって、企業価値を更に向上させる取り組みを進めております。

   ② コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み

 当社は、取締役会を経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要な決定を行うとともに、取締役及び執行役員の業務執行状況を監督する機関として位置付けておりますが、株主の皆さまに対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成13年6月27日開催の第56回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮しております。
 更に、当社は、コーポレートガバナンスの一層の強化の観点から、平成27年6月10日開催の第70回定時株主総会において、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く「監査等委員会設置会社」に移行し、監査・監督機能の強化を図り、それに伴い独立性の高い社外取締役を新たに2名選任いたしました。

   ③ 積極的な株主還元

 当社は、YSP2017において、配当方針につき、これまでの「安定配当」から「目標配当性向の設定」へと変更することとし、2015年度から2017年度の連結配当性向35%を目標としております。他方、内部留保は、将来の企業価値増大に必要な資金として、研究開発費や設備投資、戦略投資等に充当する方針です。

   ④ 当社の考える企業の社会的責任に向けた取組み

 当社は、創立以来、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営姿勢とし、関連法令の遵守はもちろんのこと、良き企業市民として社会的責任を果たすことが必要と認識し、事業活動を行ってまいりました。今後とも、お客さまの満足と技術革新、法令等の遵守、環境問題への取組み、グローバル企業としての発展、企業情報の開示、人権の尊重、公正な取引、経営幹部の責任の明確化を図ることによって、企業の社会的責任を遂行してまいります。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて

 当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」といいます。)は、当社が発行者である株券等について、特定の株主、その特別関係者及び実質的に支配する者もしくは共同ないし協調して行動する者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求めます。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役を含む当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立諮問委員会に提供され、その検討・評価を経るものとします。独立諮問委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告します。また、独立諮問委員会は、当社取締役会に対して、株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置発動の要否や内容について賛否を求める形式により、株主の皆さまの意思を確認することを勧告できます。当社取締役会は、独立諮問委員会の上記勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行います。具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を定めることがあります。

 本プランの有効期間は、平成30年6月開催予定の第73回定時株主総会の終結の時までとします。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または独立諮問委員会の勧告により取締役会で本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

(4) 本プランの合理性について

 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を以下のとおり充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及びコーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議が平成27年3月5日に公表した「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。

   ① 企業価値または株主共同の利益の確保・向上

 本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆さまに対して提示すること、あるいは、株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上を目的としております。

   ② 事前の開示

 当社は、株主及び投資家の皆さま及び大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆さまに適正な選択の機会を確保するために、本プランを予め開示するものです。また、当社は今後も、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って必要に応じて適時適切な開示を行います。

   ③ 株主意思の重視

 当社は、平成27年6月10日開催の第70回定時株主総会において本プランによる買収防衛策の継続を承認いただいております。また、前述したとおり、当社株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆さまの意思に係らしめられています。

   ④ 外部専門家の意見の取得

 当社取締役会は、大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたり、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士等)の助言を得たうえで検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。

   ⑤ 独立諮問委員会への諮問

 当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のために本プランが濫用されることを防止するために、独立諮問委員会を活用するものとし、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立諮問委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。

   ⑥ デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社の株主総会または株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によっていつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。

 以上から、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

1.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

①当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は平成26年3月期73.7%、平成27年3月期76.1%、平
  成28年3月期80.0%となっており、連結決算上、為替変動が大きな影響を及ぼします。
 ②当社グループの主力製品である自動車部品の原材料(自動車用鋼板)は、国際市況に大きく影響され、2004
  年以降急激に上昇した当該市況は高止まり傾向にあります。

2.特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

当社グループは、自動車部品等の製造、販売を主な事業内容としており、取引の継続性については他の業界に比べ安定しております。しかし、当社グループの業績は得意先である自動車メーカーの販売動向の影響を受けることがあります。

3.製造者責任について

当社グループは、品質保証体系に基づく全社活動により製品の品質保証と管理を行っております。しかし、当社製品の納入先であります自動車メーカーが市場より受けるクレームやリコール等に伴い、当社もその一部について製造者責任を問われる可能性があります。

4.国際情勢の変動影響について

当社グループは、前述の通り海外売上高比率が80.0%と高い水準にあります。今後もグローバル展開を進めてまいりますので、海外売上高比率は更に高まっていくものと予想しております。そのため、海外における法規または税制の変更、経済情勢の急変、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等により、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

   技術援助契約

当連結会計年度末現在で継続している技術援助契約は、以下のとおりであります。

契約会社

相手先の名称

国籍

契約品目

期間

契約内容

㈱ヨロズ

Auto Chassis
International S.N.C
(ACI)

仏国

サスペンション部品

平成17年5月1日~
対象となる乗用車の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

Jay Bharat Maruti Limited
(JBML)

印度

サスペンション部品

平成21年3月2日~
対象となる乗用車の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

平成24年12月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成24年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成25年7月22日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成26年4月2日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

Jay Bharat Maruti Limited
(JBML)

印度

サスペンション部品

平成27年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

平成28年1月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

 

 

 

 

 

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、開発部と生産技術部において、新製品・新技術開発を主体とした研究開発活動を推進しております。世界中の自動車のサスペンション部品等を分析し、性能・コスト・重量・工法のベンチマーク化により、最適設計を目指しております。
 当連結会計年度における研究開発活動の主な成果としては、国内ではトヨタ「シエンタ」のテールゲートスロープ、いすゞ「ギガ」、日野「デュトロ」のキャブリンクなどを新規受注し、市場に投入いたしました。
 また、各自動車会社のグローバルな新車展開により、海外拠点では、韓国でルノー「SM6」にヨロズ初、軽量・高剛性のリアパイプ構造アクスルビームを新規に投入いたしました。米国では、日産「タイタン」のフロントサスペンションアッパー/ロアアーム、トヨタ「ハイランダー・レクサス RX」のリアサスペンションロアアーム、マツダ「CX-9」のリアサスペンションロアアーム、ホンダ「リッジライン」のリアサスペンションアッパー/ロアアーム、インドではルノー「クイッド」のフロントサスペンションメンバー、ロアアーム、リアアクスルビーム、スズキ「バレーノ」のリアアクスルビームなど、多くのサスペンション部品を新規受注し、市場に投入いたしました。
 さらに、今後発表・発売される新車向けに、新材料・新構造・新工法を駆使し、軽量・高剛性・低価格を狙ったサスペンション部品の開発を行い、これらを市場に投入すべく、現在準備中でございます。
 中期経営計画(YSP2017)における、製品力・開発力の更なる強化の達成に向け、開発中枢であるヨロズグローバルテクニカルセンター(栃木県小山市 略称YGTC)にて、新製品開発活動を推進しております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費用総額は、6,163百万円となっております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州経済は堅調に推移したものの、原油価格の下落による資源国経済の低迷や足元の中国での景気減速、米国でのドルの利上げによる新興国通貨下落など、先行き不透明な状態が続いております。
 一方、日本経済は、物価上昇率低下に伴う実質所得の下げ止まりを背景に個人消費主導で緩やかな回復が続いていたものの、名目賃金の伸び悩みや1月以降の急激な円高などから足踏み状態となっております。こうした中でも雇用や設備投資の拡大など足下では底堅さがみられました。
 当社グループが関連する自動車産業におきましては、海外市場では、タイ、インドネシアでの販売台数の低迷はありますが、中国は経済が減速しているものの、2015年も堅調な伸びを示しており、米国、メキシコでも増産傾向が続いております。一方、日本の2015年度の新車販売台数は、軽自動車の販売台数が大きく落ち込んだことにより、昨年度に引き続き減少しております。輸出向けについては、円安による国内生産回帰等の影響もあり、前年度比2.0%増加しております。
 このような状況下におきまして、当社グループの売上高は、前期に引き続き好調な米国・メキシコ・中国での生産や新拠点の稼働による増加などにより、前年度比14.7%増の172,797百万円となりました。
 利益面では、メキシコや中国を中心とした売上の増加効果や新拠点の操業開始コストの減少などにより、営業利益は前年度比22.3%増の10,015百万円となりました。経常利益は新興国通貨の下落に加え、1月以降の急激な円高の進行に伴う為替差損の計上により前年度比30.9%減の7,355百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比35.9%減の3,700百万円となりました。
 なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、121.10円/ドル(前連結会計年度は、105.79円/ドル)であります。    

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループを取り巻く事業環境は、グローバルレベルでの価格競争力はもとより、グローバル供給能力、システム化/モジュール化製品供給能力でのサバイバルな選別がますます加速されております。
 そのような状況下にありまして、益々製品開発力及び技術力並びに品質システムにおいて競合他社を凌駕することが経営成績に大きく影響を与えるものと認識しております。また、当社グループの経営成績における海外依存度は年毎に増しております。これは、海外戦略の効果の表れであり、国内需要の低迷を海外でカバーしているためであります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度の営業活動により増加した資金は18,735百万円であり、前連結会計年度に比べて8,725百万円の収入増加となりました。これは、仕入債務の増減額に伴う収入が5,820百万円増加、為替差損益の増減に伴う収入が3,827百万円増加、その他の負債の増減額に伴う収入が2,753百万円増加したことなどによります。
 当社グループ内で生じた余剰資金については、資金不足が生じているグループ会社に貸し付けることにより、外部からの借入を最小限に留めると共にグループ内の資金の有効活用を基本方針としております。
 2015年度においては、昨今の円高状況を鑑み、為替リスク回避の対策としまして、親会社のグループ会社に対するドル建貸付金の一部を外部借入に切替えいたしました。
 また、財政状態の分析については、下記のとおりであります。

(イ)資産の部

流動資産は、前連結会計年度末と比べ5,381百万円増加の67,117百万円となりました。これは、「現金及び預金」が4,142百万円増加し、「仕掛品」が1,335百万円増加したことなどによります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べ2,735百万円減少の84,233百万円となりました。これは、「有形固定資産」のうち「機械装置及び運搬具」が1,805百万円増加しましたが、「工具、器具及び備品」が1,758百万円減少したこと、「建設仮勘定」が1,124百万円減少したこと、また、株価下落に伴い「投資その他の資産」のうち「投資有価証券」が1,027百万円減少したことなどによります。
 この結果、総資産は前連結会計年度末と比べ2,646百万円増加の151,351百万円となりました。

(ロ)負債の部

流動負債は、前連結会計年度末と比べ13,796百万円増加の43,092百万円となりました。これは、「支払手形及び買掛金」が1,245百万円増加したこと、「短期借入金」が4,455百万円増加したこと、「1年内返済予定の長期借入金」が7,361百万円増加したことなどによります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べ9,466百万円減少の12,230百万円となりました。これは、「長期借入金」が9,600百万円減少したことなどによります。
 この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ4,329百万円増加の55,323百万円となりました。

(ハ)純資産の部

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,682百万円減少の96,027百万円となりました。これは、「利益剰余金」が1,867百万円増加しましたが、「その他の包括利益累計額」のうち「為替換算調整勘定」が3,184百万円減少したことなどによります。

 

(5)経営者の問題意識と今後の方針について

世界の自動車産業では、地球温暖化の問題から低燃費のハイブリッド車(HV・PHV)や電気自動車(EV)などの普及が進んできており、更に燃料電池車(FCV)なども市場投入が始まっております。また、自動車メーカー各社は車の安全性向上のための自動運転技術(衝突回避技術や情報処理技術)にも取り組んでおります。そして、これらによるコスト及び重量の増加を抑えるために低価格化・軽量化のニーズがますます高まってきております。
 一方、引き続き需要が旺盛な北米市場はもとより、中国やインド、アセアン地域などではモータリゼーションにより小型車や超低価格車の需要が確実に増えていくことが見込まれております。
 このような状況下で、自動車部品産業では、メガサプライヤーが進めているモジュール納入や低価格な部品を提供する新興国ローカルサプライヤーの台頭、更には日系サプライヤー同士の競争が一層激化してくることは避けられない情勢であります。
 当社グループは、この変化にいち早く対応し、競争を勝ち抜くための強靭な企業体質の構築が必要であるとの認識から長期ビジョン『サスペンションシステムメーカーを目指す』を掲げ、その達成に向けて第1期目(2015年度~2017年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2017』(YSP2017)を2015年3月に策定・公表いたしました。
  重点取り組みとして、米国アラバマ州に設立したヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を目指しております。その達成に向け、日本に「ものづくり技術」を集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバルに展開いたします。
 そのために、ヨロズエンジニアリング(YE)の拡張・能力増強を図り、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進め、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成、更に雇用機会の提供を通して社会貢献してまいります。

当社グループは、YSP2017の必達に向けて引き続き、次の事業の3本柱に取り組んでおり、諸施策については計画通りに進捗しております。

①製品力・開発力の更なる強化

2015年度の重点取り組みとして、設計開発領域においては、高張力鋼板適用による軽量サスペンションメンバーの開発を進める一方、軽量かつ高剛性のパイプビームの量産を実現するなど、将来に向けた新素材・新構造・新工法開発への取り組みを加速するとともに、それらをささえる、解析シミュレーション技術の精度向上及び効率化を進め、製品開発期間の更なる短縮にも力を入れております。
 また、生産工程については、革新的な生産効率の向上を狙った工場無人化の取り組みとして、ヨロズ大分に当社グループ初となる組立無人化ラインを導入し、2016年7月稼働に向けて準備中であります。この組立無人化ライン(製品搬送装置、簡易ロボット含む)及び周辺設備であるAGV(無人搬送車)などは全て自社で開発・製作したものであります。
 今後の取り組み課題として、設計開発領域においては、当社のコア技術の一つであるサスペンション開発力を革新的に強化してまいります。更に、付加価値を向上させるためにサスペンション周辺部品を取り込んだシステム開発・評価技術を社内に蓄積するとともに、「軽く・強く・安く・早く」といったお客さまのニーズに確実に応えてまいります。
 また、生産工程については、前述の組立無人化ラインで得られたノウハウを今後の新規ラインに随時適用してまいります。更に、今後軽量化の要となる高張力鋼板の採用拡大を見越し、成型能力を大幅に向上させた大型3,500トン サーボトランスファープレスをグローバル拠点に順次導入してまいります。
 これにより、性能及びコスト面で競争力の高い製品を世界中のお客さまに提供すべく、設備増強計画を進めております。
 これらの実現に向けて、「ものづくり技術」を日本に集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバル展開していくために、YEの拡張・能力増強を2016年初めより開始しております。また、ヨロズエンジニアリングシステムズタイランド社(YEST)につきましても能力増強を進めております。
 品質保証については、お客さまからの信頼を一層高めていくためにダントツ品質の実現に向けて更なる品質トレーサビリティーの向上を図ってまいります。

② 世界の主要自動車メーカーへの販路拡大

2015年度は、ダイムラーからシャシー部品を初めて受注いたしました。本プロジェクトの成功に向けて全社総力をあげて取り組んでまいります。お客さまとの連携を密にするために、パリに設立しました欧州事務所を2016年3月より本格稼働しております。
 需要が旺盛な市場での受注拡大に備えて、米国ではアラバマ州に第2生産拠点、YAAを2015年10月に設立いたしました。YAAは当社グループ初となる無人化を全面的に採用する戦略的拠点であり、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を基本コンセプトとしております。稼働予定については、当初予定の2018年初めに対して、前倒しを検討しております。
 メキシコの既存2拠点拡張についても、YMEXでは2017年1月に、YAGMでは2016年11月に完了予定であります。また、中国の既存2拠点拡張については、G-YBMでは2015年4月に、W-YBMでは2015年6月に完了しております。
 今後の取り組み課題として、日系自動車メーカーに対しては、主要得意先である日産、ホンダに加え、トヨタグループを中心に他の自動車メーカーへの販路拡大も進めてまいります。欧米自動車メーカーに対しては、特にルノー、フォルクスワーゲン、ダイムラー等への販路を拡大してまいります。
 成長のために不可欠な設備投資と最適なリソース配分により、アライアンスも含めて供給拠点を検討するとともに、更に市場の拡大が見込まれる中国では第3生産拠点の検討を引き続き進めてまいります。

③ 多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化

2015年度の重点取り組みについては、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』に向けて、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成を目指し、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進めております。
 今後の取り組み課題として、将来の業容を見据え、多様性を尊重した採用と管理職等への登用を更に進めていくことにより、意欲ある優秀な人財がグローバルに活躍できる環境を整えております。
 また、ヨロズ標準を伝授・浸透させ、コアになる人財の育成を目的としたタレントマネジメントの構築を図ってまいります。