第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境、経営方針、対処すべき課題、経営戦略

  自動車業界を取り巻く環境は、今後、2つの変化があると予想されます。
 第一に、地球温暖化の問題から、ヨーロッパ、中国、インドなどの主要国でガソリン車やディーゼル車への規制などが厳しくなり、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV・PHV)などの環境対応車の比率が高まって行くと予想されます。
 第二に、「安全」技術の動向は、「衝突安全」から「事故回避」への動きが中心になると考えられます。事故回避技術はいかに危険を検知するか、そしていかに車両の動きをコントロールするかという技術が中心になります。それらの技術はITの発達とともに急速に進歩を遂げており、自動運転の技術も従来をはるかに超えたスピードで進展すると思われます。
 当社グループは、これらの変化に対応するとともに、中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2017』(YSP2017)の結果を踏まえ、第2期目(2018年度~2020年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2020』(YSP2020)を2018年5月に策定・公表いたしました。

 

重点取り組みは次の通りです。

 ①収益力の強化

・  ヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)設立やメキシコでの生産能力の増強などで先行した設備投資の着実な回収と、今後の投資採算性評価の強化と管理を通じたキャッシュフロー経営を進めてまいります。

・  機能軸・事業軸管理にプロジェクト収益管理を加えた経営管理の強化を行ってまいります。機能軸・事業軸管理にプロジェクト収益管理を加えた経営管理の強化を行ってまいります。

・  米国アラバマ州に設立したYAAに導入した組立無人化ライン(製品搬送装置、簡易ロボット含む)や周辺設備であるAGV(無人搬送車)などの「ものづくりの革新技術」を他の生産拠点にも拡大し、生産コストの低減を行ってまいります。

・  ものづくり機能であるヨロズグローバルテクニカルセンター(YGTC)と生産設備、金型の生産会社であるヨロズエンジニアリング(YE)による開発初期段階からのサイマル活動の強化により、新車の生産コストと設備投資の低減を進めてまいります。

 ②製品力・開発力の向上

・  当社は軽量化のため、構造、材料と工法の3つの側面からアプローチしております。これまで主力製品に採用してきた鋼板材料では超ハイテン鋼板の利用技術開発に取り組んでおります。また、鋼板以外では、樹脂材料や炭素繊維強化プラスチック及びアルミとの複合構造の開発も行っております。また、これらの新構造を製品化するうえで必要な、接合・成形・防錆に関する新工法の技術開発も行い、高付加価値の製品開発に、今後も取り組んでまいります。

・  更なる成長を目指し、今後、環境対応車や自動運転等による車両重量増に対応する更なる軽量化やコスト低減に対応すべく、当社のプレス、溶接技術などを生かした製品の提案を進めてまいります。

・  当社では、世界各国で生産するサスペンションの生産技術を日本に集約することで技術力をみがき、世界同一品質と徹底した競争力アップに取り組んでおります。そのため、日本のヨロズエンジニアリング(YE)を拡張・能力増強し、ヨロズグループとして更に競争力を高めてまいります。また、日本以外では、ヨロズエンジニアリングシステムズタイランド社(YEST)でも、能力増強を進めております。

・  そして、顧客のニーズに基づき開発されたこれらの製品を、顧客・製品・地域の3つの軸の観点から積極的に拡販を行ってまいります。

 ③企業力の充実

 永続的な成長の証である100年企業を目指し、競争を勝ち抜くための強靭な企業体質の構築に取り組んでおります。

 

・ 人財育成

全社を挙げて「働き方改革」に取り組むとともに、日本の労働人口の減少を見据え、女性、外国人と海外拠点の人財、高齢者、障がい者が更に活躍できるダイバーシティに積極的に取り組むことにより、優秀な人財の確保に努めてまいります。また、全従業員が共有する共通能力と、各機能での業務に必要な専門能力の開発と育成を推進してまいります。更には、山形県鶴岡高等専門学校との産学協同や、ヨロズオートモーティブグアナファト デ メヒコ社(YAGM)での、JICA(国際協力機構)主催メキシコ自動車産業人財育成プログラム支援など地域に密着した人財育成に引き続き取り組んでまいります。

・ 組織の見直し

YSP2020を確実に推進していく体制の強化を実施してまいります。
ものづくり機能の迅速な意思決定のため、ヨロズグローバルテクニカルセンター(YGTC)にセンター長を任命し、ものづくり機能の強化を図ります。
研究開発部を新設し、将来に向けた生産技術、新製品の開発を促進します。
プロジェクト収益管理体制の強化を図ってまいります。
ダイバーシティ推進グループを新設し、働き方改革やダイバーシティを推進してまいります。

・ ESG経営

当社は、今後の中長期的かつ持続的な成長のためには、ESG(環境、社会、ガバナンス)は非常に重要な要素と捉えております。当社は、社会貢献と経営に及ぼすリスク低減を目的としてESGを意識した経営(ESG経営)を推進してまいります。各項目の取り組みとして、環境(E)では環境負荷の低減、社会(S)では、働き方改革とダイバーシティの推進、ガバナンス(G)では、更なるコンプライアンスの推進に取り組むとともに、積極的な情報開示に努めてまいります。

 

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針

(1) 基本方針

 当社は、当社の企業価値が、当社及びその子会社・関連会社が永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ及びブランドイメージ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆さま共同の利益を向上させていくことにその淵源を有していると考えております。そのため、当社は、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針としております。

(2) 基本方針の実現に資する取組み 

 当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、下記の企業価値の向上に向けた取組み、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み、積極的な株主還元及び当社の考える企業の社会的責任に向けた取組みを、それぞれ実施しております。

   ① 企業価値の向上に向けた取組み

 当社は、更なる企業価値向上のため、2015年3月に、企業ビジョンとして「サスペンションシステムを通じて新たな価値を生み出し、“ヨロズブランドを世界に”」を掲げるとともに、この企業ビジョンを実現し、今後企業として持続的に成長するためのロードマップとして、「サスペンション部品と周辺部品とを一体システムとして性能開発から量産まで行う『サスペンションシステムメーカー』を目指す」という10年間の長期ビジョンを定めました。また、当社はこの長期ビジョンを実現するためのマイルストーンとして、2017年度までの中期経営計画YSP2017を策定し、長期ビジョンの実現に努めてまいりました。2018年5月には、第2期目となる新中期経営計画YSP2020を策定し、企業価値の更なる向上に向けた取り組みを進めております。

 

   ② コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み

 当社は、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営の基本としております。取締役会は経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要な決定を行うと共に、取締役及び執行役員の業務執行状況を監督する機関として位置付けておりますが、株主の皆さまに対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成13年6月27日開催の第56回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮しております。
 更に、当社は、コーポレートガバナンスの一層の強化の観点から、平成27年6月10日開催の第70回定時株主総会において、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く「監査等委員会設置会社」に移行し、監査・監督機能の強化を図りました。また、これに伴い、それまでに選任していた社外監査役2名に替え、新たに、東京証券取引所が定める独立社外取締役の要件を満たす法律・会計分野に造詣の深い女性2名を、監査等委員である取締役に選任いたしました。その後、平成29年6月16日開催の第72回定時株主総会において選任された後任の監査等委員である取締役も、同様に独立社外取締役の要件を満たす法律・会計分野に造詣の深い女性2名であり、取締役会は多様性を考慮した構成となっております。
 更に平成30年6月18日開催の第73回定時株主総会において、社外取締役を1名増員いたしました。この結果、監査等委員である取締役を含め、当社の取締役9名の内3名が東京証券取引所の定める独立社外取締役となり、取締役会の3分の1が独立社外取締役で構成されることとなります。
 なお、当社は、当社が持続的に成長し中長期的に企業価値の向上を実現するため、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方及び運営方針を明らかにしております。
 当社は、このような取組みによりコーポレートガバナンスを強化し、企業としての持続的な成長を図り、すべてのステークホルダーにとっての企業価値向上に引き続き努めてまいります。

   ③ 積極的な株主還元

 当社は、中期経営計画において、財務戦略の基本方針を、これまで財務安全性重視に加え、株主還元の充実に注力することといたしました。これに伴い、配当方針についても、これまでの「安定配当」から「目標配当性向の設定」へと変更し、2015年度から2017年度の連結配当性向35%を目標といたしました。この基本方針及び配当方針に従い、当社は、2015年度から2017年度において、連結配当性向35%を実現するとともに、平成28年9月には、発行済株式総数の4.0%の自己株式の取得を取締役会にて決議し、取得いたしました。
 この基本方針は、新中期経営計画においても継続しており、配当性向については、新中期経営計画においても、連結配当性向35%を目標といたします。当社は、今後も積極的な株主還元の実施に努めてまいります。

   ④ 当社の考える企業の社会的責任に向けた取組み

 当社は、創立以来、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営姿勢とし、関連法令の遵守はもちろんのこと、良き企業市民として社会的責任を果たすことが必要と認識し、事業活動を行ってまいりました。今後とも、お客さまの満足と技術革新、法令等の遵守、環境問題への取組み、グローバル企業としての発展、企業情報の開示、人権の尊重、公正な取引、経営幹部の責任の明確化を図ることによって、企業の社会的責任を遂行してまいります。

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて

 当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」といいます。)は、当社が発行者である株券等について、特定の株主、その特別関係者及び実質的に支配する者もしくは共同ないし協調して行動する者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求めます。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役を含む当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立諮問委員会に提供され、その検討・評価を経るものとします。独立諮問委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告します。また、独立諮問委員会は、当社取締役会に対して、株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置発動の要否や内容について賛否を求める形式により、株主の皆さまの意思を確認することを勧告できます。当社取締役会は、独立諮問委員会の上記勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行います。なお、当社は、対抗措置の発動要件をいわゆる高裁四類型及び強圧的二段階買付けのみに限定しております。具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を定めることがあります。
 本プランの有効期間は、平成33年開催予定の第76回定時株主総会の終結の時までとします。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または独立諮問委員会の勧告により取締役会で本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

(4) 本プランの合理性について

 本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を以下のとおり充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。

 

   ① 企業価値または株主共同の利益の確保・向上

 本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆さまに対して提示すること、あるいは、株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上を目的としております。

   ② 事前の開示

 当社は、株主及び投資家の皆さま及び大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆さまに適正な選択の機会を確保するために、本プランを予め開示するものです。また、当社は今後も、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って必要に応じて適時適切な開示を行います。

   ③ 株主意思の重視

 当社は、平成30年6月18日開催の第73回定時株主総会において本プランによる買収防衛策の継続を承認いただいております。また、前述したとおり、当社株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆さまの意思に係らしめられています。

   ④ 外部専門家の意見の取得

 当社取締役会は、大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたり、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士等)の助言を得たうえで検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。

   ⑤ 独立諮問委員会への諮問

 当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のために本プランが濫用されることを防止するために、独立諮問委員会を活用するものとし、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立諮問委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。

   ⑥ デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社の株主総会または株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によっていつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。

 以上から、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

1.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

①当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は平成28年3月期80.0%、平成29年3月期76.9%、平成        30年3月期76.2%となっており、連結決算上、為替変動が大きな影響を及ぼします。
 ②当社グループの主力製品である自動車部品の原材料(自動車用鋼板)は、国際市況に大きく影響され、2004
  年以降急激に上昇した当該市況は高止まり傾向にあります。

2.特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

当社グループは、自動車部品等の製造、販売を主な事業内容としており、取引の継続性については他の業界に比べ安定しております。しかし、当社グループの業績は得意先である自動車メーカーの販売動向の影響を受けることがあります。

3.製造者責任について

当社グループは、品質保証体系に基づく全社活動により製品の品質保証と管理を行っております。しかし、当社製品の納入先であります自動車メーカーが市場より受けるクレームやリコール等に伴い、当社もその一部について製造者責任を問われる可能性があります。

4.国際情勢の変動影響について

当社グループは、前述の通り海外売上高比率が76.2%と高い水準にあります。今後もグローバル展開を進めてまいりますので、海外売上高比率は更に高まっていくものと予想しております。そのため、海外における法規または税制の変更、経済情勢の急変、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等により、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

  当連結会計年度における世界経済は、米国での景気拡大が持続したものの、米国政権の保護主義的政策や欧州の政治情勢への懸念、地政学的リスクの顕在化などがありました。また、中国及び新興国では景気減速の兆しが見られ始めました。

 一方、日本経済は、企業収益や雇用環境の改善が継続しており、緩やかな回復基調となりました。こうした中、データ改ざんや無資格検査など「日本のものづくり」への信頼を揺るがす多くの問題が顕在化しました。 

 当社グループが関連する自動車産業におきましては、2017年の世界のライトビークルの新車販売台数は、前年度比2.4%増の9,531万台となりました。地域別に見ると、米国の販売台数は前年度比1.8%減となりましたが、中国が過去最高を更新、欧州も4年連続で拡大など、米国以外の地域では増加となっております。日本においては、2017年度の国内新車販売台数は、軽自動車の販売台数が回復したことにより、昨年度に引き続き500万台を超え、全体としては堅調に推移いたしましたが、一部では無資格検査問題の影響により10月以降の生産・販売が落ち込みました。

  このような状況下におきまして、当社グループの売上高は前年度比2.3%増の171,536百万円となりました。利益面では、米国テネシー拠点では収益改善が進んだものの、アラバマ新拠点での立ち上げ費用の発生やメキシコでの償却負担増加、ブラジル、インドネシアでの収益悪化などにより、営業利益は前年度比4.7%減の6,029百万円、経常利益は前年度比9.9%減の5,648百万円となりました。更に親会社株主に帰属する当期純利益は、米国における法人税率の引き下げ決定に伴う税効果の影響により、前年度比31.7%減の2,717百万円となりました。

 なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、112.16円/ドル(前連結会計年度は、108.77円/ドル)であります。

  重要な会計方針及び見積りについて、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 経営成績に重要な影響を与える要因については、次のとおりであります。

当社グループを取り巻く事業環境は、グローバルレベルでの価格競争力はもとより、グローバル供給能力、システム化/モジュール化製品供給能力でのサバイバルな選別がますます加速されております。
 そのような状況下にありまして、益々製品開発力及び技術力並びに品質システムにおいて競合他社を凌駕することが経営成績に大きく影響を与えるものと認識しております。また、当社グループの経営成績における海外依存度は年毎に増しております。これは、海外戦略の効果の表れであり、国内需要の低迷を海外でカバーしているためであります。

 

  セグメントの状況は、次のとおりであります。

 a. 日本

 2017年度の新車販売台数は、前年度比2.3%増の520万台となりました。その内訳は、登録車が前年度比0.6%減の334万台、軽自動車が、増税、燃費不正問題で落ち込んでいた販売が回復したことにより、前年度比8.1%増の186万台となっています。
 生産台数は、前年度比3.4%増の968万台となりました。
 こうした中、日本における当社グループの売上高は、主要得意先での10月以降の減産影響はあるものの、新車効果による部品売上の増加や金型・設備売上の増加などにより、前年度比5.3%増の60,147百万円となりました。
 営業利益は、研究開発費や自働化のための設備原価の増加などにより、前年度比10.6%減の3,804百万円となりました。
 品質面では、トヨタ自動車東日本から品質賞を3年連続で受賞いたしました。

  b. 米州

 米州における当社グループの売上高は、ブラジルでの生産の増加はあるものの、米国やメキシコでの生産の減少などにより、前年度比3.8%減の75,085百万円となりました。
 損益面では、米国での労働市場の逼迫に伴う離職者の増加とそれに伴う生産性の低下は改善されつつありますが、2017年1月より稼動を開始したヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)の立ち上げ時コストやメキシコ2拠点の工場拡張による償却費負担増、ブラジルにおける連続した新車立ち上げに伴う費用の増加などにより、前年度比242百万円減の2,105百万円の営業損失となりました。 米国においては、2017年の新車販売台数は、全体で前年度比1.8%減の1,723万台で8年ぶりに前年実績を下回りました。SUVなど大型車の人気が継続した反面、セダンなど乗用車は売上減少が続いています。ヨロズオートモーティブテネシー社(YAT)は、2017年にトヨタ新型カムリ向け、ホンダ新型アコード向け、そして日産新型リーフ向けにそれぞれ生産を開始しております。

 ヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、当初計画より1年以上前倒しして、2017年1月より生産を開始いたしました。また、日産新型セダン向けを2018年秋より生産開始いたします。
 メキシコにおいては、2017年の生産台数は前年度比8.9%増の377万台と8年連続で過去最高を更新しましたが、新車販売台数は8年ぶりに減少し、前年度比4.6%減の153万台に留まりました。

 ヨロズメヒカーナ社(YMEX)は、ダイムラーとルノー日産の生産合弁会社であるCOMPAS社のインフィニティQX50向けに2017年11月より生産を開始しております。また北米日産から2年連続の品質賞をメキシコ日産からも8年連続となる品質賞を受賞いたしました。

 ヨロズオートモーティブグアナファト デ メヒコ社(YAGM)では、フォルクスワーゲン ティグアン及びジェッタ向けに2018年2月より生産を開始しております。

 ブラジルにおいては、2017年の新車販売台数は前年度比9.2%増の224万台、生産台数は前年度比25.1%増の250万台となりました。
 ヨロズオートモーティバ ド ブラジル社(YAB)は、2017年に日産キックス向け、ルノー クウィッド向けにそれぞれ生産を開始しております。また、ホンダより新車開発優秀賞を受賞いたしました。

  c. アジア

 アジアにおける当社グループの売上高は、タイ、インドネシアでの生産の減少はあるものの、中国での生産の増加などにより、前年度比7.8%増の56,309百万円となりました。
 営業利益は、生産の伸び悩むインドや減少しているインドネシアでの損益悪化などにより、前年度比6.7%減の3,308百万円となりました。
 中国においては、2017年の新車販売台数は、前年度比3.0%増の2,888万台、生産台数は、前年度比3.2%増の2,902万台となりました。その中でも日系各社の国内向け販売は前年度比10.9%増と全体伸び率を大きく上回る結果となっております。
 广州萬宝井汽車部件有限公司(G-YBM)は、2017年に日産キックス向け、ホンダ アキュラ向けに、更に武漢萬宝井汽車部件有限公司(W-YBM)では、日産ナバラ向けに生産を開始しております。また、G-YBMは東風日産から日産品質賞を受賞いたしました。
 タイにおいては、2017年の新車販売台数は、前年度比13.4%増の87万台、特に乗用車は、前年度比23.7%増の35万台となりました。
 ピックアップ車は、堅調な販売を維持しており、ヨロズタイランド社(YTC)では、いすゞD-MAX向け、ワイ・オグラオートモーティブタイランド社(Y-OAT)では、トヨタ ハイラックス向けに、それぞれ生産しております。

 インドにおいては、2017年の新車販売台数は、前年度比9.5%増の402万台、生産台数は前年度比6.5%増の478万台となりました。
 ヨロズJBMオートモーティブタミルナドゥ社(YJAT)は、2017年にルノー日産キャプチャー向けに生産を開始しております。
 インドネシアでは、国内の景気回復が緩やかに続いており、2017年の新車販売台数は、前年度比1.6%増の108万台、生産台数も前年度比3.4%増の122万台となりました。ヨロズオートモーティブインドネシア社(YAI)では、日産クロス向けに2018年2月より、スズキ エルティガ向けに2018年4月より生産を開始しております。
 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年度比(%)

日本   

48,997

28.5

米州   

76,898

△1.7

アジア 

56,638

15.3

合計

182,535

10.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年度比(%)

受注残高(百万円)

前年度比(%)

日本

41,459

△2.3

14,630

△0.5

米州

73,346

△3.9

16,044

△3.5

アジア

55,994

7.8

5,092

15.8

合計

170,799

0.1

35,767

0.1

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年度比(%)

日本   

41,530

5.9

米州  

74,287

△3.7

アジア  

55,718

8.4

合計

171,536

2.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

北米日産会社

35,405

21.1

33,713

19.7

東風汽車有限公司

21,684

12.9

25,539

14.9

日産自動車株式会社

19,795

11.8

21,471

12.5

メキシコ日産自動車会社

15,597

9.3

16,389

9.6

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 
(2)財政状態

(資産の部)

流動資産は、前連結会計年度末と比べ168百万円増加の72,186百万円となりました。これは、「現金及び預金」が4,314百万円減少したこと、「受取手形及び売掛金」が2,477百万円、「製品」が596百万円、「仕掛品」が1,389百万円それぞれ増加したことなどによります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べ9,322百万円増加の104,474百万円となりました。これは、「有形固定資産」のうち「機械装置及び運搬具」が8,737百万円、「建物及び構築物」が7,691百万円それぞれ増加したこと、「建設仮勘定」が7,013百万円減少したことなどによります。
 この結果、総資産は前連結会計年度末と比べ9,490百万円増加の176,661百万円となりました。

   (負債の部)

流動負債は、前連結会計年度末と比べ10,034百万円減少の45,632百万円となりました。これは、「1年内返済予定の長期借入金」が7,543百万円減少したこと、「電子記録債務」が3,924百万円減少したことなどによります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べ16,268百万円増加の34,013百万円となりました。これは、「長期借入金」が15,893百万円増加したことなどによります。
 この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ6,233百万円増加の79,645百万円となりました。

  (純資産の部)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,256百万円増加の97,015百万円となりました。これは、「利益剰余金」が1,172百万円増加したこと、「非支配株主持分」が1,745百万円増加したことなどによります。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,314百万円(17.1%)減少し、20,882百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の営業活動により増加した資金は9,421百万円であり、前連結会計年度と比べ7,770百万円の収入減少となりました。
 営業活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
  「減価償却費」の増加に伴う収入増加      1,322百万円
  「その他の資産の増減額」に伴う収入増加   1,658百万円

  「売上債権の増減額」に伴う収入減少      2,193百万円
  「仕入債務の増減額」に伴う収入減少     6,704百万円 
  「法人税等の支払額」に伴う支出増加     1,675百万円

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の投資活動により減少した資金は20,814百万円であり、前連結会計年度と比べ1,812百万円の支出減少となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
  「有形固定資産の取得による支出」の支出減少   2,970百万円
  「定期預金の払戻による収入」の収入減少       770百万円

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の財務活動により増加した資金は6,875百万円であり、前連結会計年度と比べ3,199百万円の収入減少となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。  
  「短期借入れによる収入」の収入減少      3,085百万円
  「短期借入金の返済による支出」の支出増加  3,140百万円
  「長期借入れによる収入」の収入減少      1,072百万円
  「長期借入金の返済による支出」の支出減少   1,514百万円
  「自己株式の取得による支出」の支出減少     1,592百万円
  「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入」の収入増加  1,142百万円 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

運転資金需要の主なものは、素材や部分品などの原材料の他製造労務費・経費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資資金需要の主なものは、製造のための基本設備、汎用及び専用設備などの設備投資であります。国ごとに異なる事業運営を、必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は、グループ内余資の有効活用を前提とした自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、調達環境、資本コスト、負債・資本バランスを考慮した長期性資金の調達を基本としております。現時点での長期性資金は、金融機関からの長期借入により調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は44,211百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は20,882百万円となっております。

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

   技術援助契約

当連結会計年度末現在で継続している技術援助契約は、以下のとおりであります。

契約会社

相手先の名称

国籍

契約品目

期間

契約内容

㈱ヨロズ

Auto Chassis
International S.N.C
(ACI)

仏国

サスペンション部品

平成17年5月1日~
対象となる乗用車の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

平成24年12月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成24年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成25年7月22日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成26年4月2日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

Jay Bharat Maruti Limited
(JBML)

印度

サスペンション部品

平成27年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

平成28年1月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

平成28年4月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

 

 

 

 

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、開発部と生産技術部において、新製品・新技術開発を主体とした研究開発活動を推進しております。世界中の自動車のサスペンション部品等を分析し、性能・コスト・重量・工法のベンチマーク化により、最適設計を目指しております。

当連結会計年度における研究開発活動の主な成果としては、国内では日産「リーフ」のリアアクスルビーム、ホンダ「N-BOX」のリアアクスルビーム、フロントロアーアームを市場に投入いたしました。

また、各自動車会社のグローバルな新車展開により、米州ではアメリカでホンダ「オデッセイ」のリアサブフレーム、アーム、メキシコでインフィニティ「QX50」のフロントメンバー、リアメンバー、リアサスペンションリンク、ブラジルではルノー「KWID」フロントメンバー、リアアクスルビーム、トランスバースリンク、「ダスター」のリアアクスルビームを市場に投入いたしました。

アジアでは、中国で日産「ナバラ」のフロントアッパーリンク、フロントロアーリンクを市場に投入いたしました。

さらに、今後発表・発売される新車向けに、新材料・新構造・新工法を駆使し軽量・高剛性・低価格を狙ったサスペンション部品の開発を行い、これらを市場に投入すべく、現在準備中でございます。

中期経営計画(YSP2020)における、製品力・開発力の更なる強化に向け、開発中枢であるヨロズグローバルテクニカルセンター(栃木県小山市 略称YGTC)にて、新製品開発活動を推進しております。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は、9,435百万円となっております。