第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境、経営方針、対処すべき課題、経営戦略

 自動車業界を取り巻く環境は、「100年に1度」と言われる変革期を迎えております。各国の環境規制強化や中国の新エネルギー車規制などによる「電動化」の加速に加え、IT、人工知能技術の発達とともに「自動化」は、急速に進歩を遂げており、自動運転の技術も従来をはるかに超えた速さで進展すると思われます。
 また、事業環境としては、2021年の世界全体のライトビークル販売は1億台水準を超え、引き続き成長をする見通しであるものの、当面は、2大自動車市場の米国、中国で若干の販売減少が予測され、日本市場では消費税増税などの影響が懸念されるなど、引き続き、予断を許さない厳しい環境となることが予想されます。
 当社は、2018年5月に策定・公表いたしました、第2期目(2018年度~2020年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2020』(YSP2020)の着実な実行を中心に、このような自動車業界を取り巻く環境、事業環境を踏まえ対応してまいります。 

 

     重点取り組みは次の通りです。

    ① 収益力の強化

・ 事業環境の変化を考慮し、合理性のある設備投資の実行を通じた、フリーキャッシュフロー経営を行っており

    す。

・ 目標収益計画の実現を目指し、開発初期段階からの正味現在価値(Net Present Value)評価などを通じたプロ

    ジェクト収益管理を行っております。

・ 自働化/無人化生産ラインの採用拡大などの合理化による、労務費低減の推進を図っております。

    ② 製品力・開発力の向上

・ 市場、お客様の軽量化ニーズに応えるため、新構造、新材料、新工法の採用を進めております。

・ 更なる成長を目指し、電動車両向けのサスペンションやバッテリー周辺部品などの提案をしております。

・ 顧客、製品、地域の3つの軸での積極的な拡販活動を推進しております。

    ③ 企業力の充実

・ 中長期計画に基づき、ダイバーシティを意識した採用と教育による人財育成を推進しております。

・ 働き方改革委員会(スマートワークコミッティ)の国内子会社への展開などによる働き方改革を推進しており

   ます。

・ 中期経営計画の実現のための組織の見直しによる体制の強化を計画通り実施いたしました。

・ 今後の中長期的かつ持続的な成長のための、ESG(環境、社会、ガバナンス)を意識した経営(ESG経営)を引き

    続き進めてまいります。

 

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針

(1) 基本方針

 当社は、当社の企業価値が、当社及びその子会社・関連会社が永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ及びブランドイメージ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆さま共同の利益を向上させていくことにその淵源を有していると考えております。そのため、当社は、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針としております。

(2)基本方針の実現に資する取組み

 当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、下記の企業価値の向上に向けた取組み、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み、積極的な株主還元及び当社の考える企業の社会的責任に向けた取組みを、それぞれ実施しております。

① 企業価値の向上に向けた取組み

 当社は、更なる企業価値向上のため、2015年3月に、企業ビジョンとして「サスペンションシステムを通じて新たな価値を生み出し、“ヨロズブランドを世界に”」を掲げるとともに、この企業ビジョンを実現し、今後企業として持続的に成長するためのロードマップとして、「サスペンション部品と周辺部品とを一体システムとして性能開発から量産まで行う『サスペンションシステムメーカー』を目指す」という10年間の長期ビジョンを定めました。また、当社はこの長期ビジョンを実現するためのマイルストーンとして、2017年度までの中期経営計画YSP2017を策定し、長期ビジョンの実現に努めてまいりました。2018年5月には、第2期目となる新中期経営計画YSP2020を策定し、企業価値の更なる向上に向けた取り組みを進めております。

② コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み

 当社は、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営の基本としております。取締役会は経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要な決定を行うと共に、取締役及び執行役員の業務執行状況を監督する機関として位置付けておりますが、株主の皆さまに対する経営陣の責任をより一層明確にするため、2001年6月27日開催の第56回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮しております。

 また、当社は、コーポレートガバナンスの一層の強化の観点から、2015年6月10日開催の第70回定時株主総会において、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く「監査等委員会設置会社」に移行し、監査・監督機能の強化を図りました。また、これに伴い、それまでに選任していた社外監査役2名に替え、新たに、東京証券取引所が定める独立社外取締役の要件を満たす法律・会計分野に造詣の深い女性2名を、監査等委員である取締役に選任いたしました。その後、2017年6月16日開催の第72回定時株主総会において選任された後任の監査等委員である取締役も、同様に独立社外取締役の要件を満たす法律・会計分野に造詣の深い女性2名であり、取締役会は多様性を考慮した構成となっております。
 更に2018年6月18日開催の第73回定時株主総会において、社外取締役を1名増員いたしました。この結果、監査等委員である取締役を含め、当社の取締役9名の内3名が東京証券取引所の定める独立社外取締役となり、取締役会の3分の1が独立社外取締役で構成されております。

 なお、当社は、当社が持続的に成長し中長期的に企業価値の向上を実現するため、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定し、コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方及び運営方針を明らかにしております。
 当社は、このような取組みによりコーポレートガバナンスを強化し、企業としての持続的な成長を図り、すべてのステークホルダーにとっての企業価値向上に引き続き努めてまいります。

③ 積極的な株主還元

 当社は、中期経営計画において、財務戦略の基本方針を、これまで財務安全性重視に加え、株主還元の充実に注力することといたしました。これに伴い、配当方針についても、これまでの「安定配当」から「目標配当性向の設定」へと変更し、2015年度から2017年度の連結配当性向35%を目標といたしました。この基本方針及び配当方針に従い、当社は、2015年度から2017年度において、連結配当性向35%を実現するとともに、2016年9月には、発行済株式総数の4.0%の自己株式の取得を取締役会にて決議し、取得いたしました。
 この基本方針は、新中期経営計画(YSP2020)においても継続しており、連結配当性向35%を目標としております。当社は、今後も積極的な株主還元の実施に努めてまいります。

④ 当社の考える企業の社会的責任に向けた取組み

 当社は、創立以来、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営姿勢とし、関連法令の遵守はもちろんのこと、良き企業市民として社会的責任を果たすことが必要と認識し、事業活動を行ってまいりました。今後とも、お客さまの満足と技術革新、法令等の遵守、環境問題への取組み、グローバル企業としての発展、企業情報の開示、人権の尊重、公正な取引、経営幹部の責任の明確化を図ることによって、企業の社会的責任を遂行してまいります。

 

(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため

 の取組みについて

 当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」といいます。)は、当社が発行者である株券等について、特定の株主、その特別関係者及び実質的に支配する者もしくは共同ないし協調して行動する者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求めます。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役を含む当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立諮問委員会に提供され、その検討・評価を経るものとします。独立諮問委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告します。また、独立諮問委員会は、当社取締役会に対して、株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置発動の要否や内容について賛否を求める形式により、株主の皆さまの意思を確認することを勧告できます。当社取締役会は、独立諮問委員会の上記勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行います。なお、当社は、対抗措置の発動要件をいわゆる高裁四類型(注1)及び強圧的二段階買付け(注2)のみに限定しております。具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を定めることがあります。

 本プランの有効期間は、2021年開催予定の第76回定時株主総会の終結の時までとします。          

(4)本プランの合理性について

 本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を以下のとおり充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。

① 企業価値または株主共同の利益の確保・向上

 本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆さまに対して提示すること、あるいは、株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上を目的としております。

② 事前の開示

 当社は、株主及び投資家の皆さま及び大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆さまに適正な選択の機会を確保するために、本プランを予め開示するものです。また、当社は今後も、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って必要に応じて適時適切な開示を行います。

③ 株主意思の重視

 当社は、2018年6月18日開催の第73回定時株主総会において本プランによる買収防衛策の継続を承認いただいております。また、当社株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆さまの意思に係らしめられています。

④ 外部専門家の意見の取得

 当社取締役会は、大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたり、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士等)の助言を得たうえで検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。

⑤ 独立諮問委員会への諮問

 当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のために本プランが濫用されることを防止するために、独立諮問委員会を活用するものとし、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立諮問委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。

⑥ デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと

 本プランは、当社の株主総会または株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によっていつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。
 以上から、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。
 

 

 (注1)下記に掲げる行為により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が著しく損なわれることが

         明らかである大規模買付行為である場合

① 真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的で当社株券等を取得する行為(いわゆるグリーンメイラー)

② 当社の会社経営を一時的に支配して、当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大規模買付者またはそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土経営を行う目的で、当社株券等を取得する行為

③ 当社の会社経営を支配した後に、当社の資産を当該大規模買付者またはそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で、当社株券等を取得する行為

④ 当社の会社経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券等の高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、あるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする目的で、当社株券等を取得する行為

(注2)強圧的二段階買付け(第一段階の買付けで当社株券等の全てを買付けられない場合の、二段階目の買付けの条件を不利に設定し、明確にせず、または上場廃止等による将来の当社株券等の流通性に関する懸念を惹起せしめるような形で株券等の買付けを行い、株主の皆さまに対して買付けに応じることを事実上強要するもの)に代表される、構造上株主の皆さまの判断の機会または自由を制約し、事実上、株主の皆さまに当社株券等の売却を強要するおそれがある場合 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

1.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動

①当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は2017年3月期76.9%、2018年3月期76.2%、2019年3

 月期76.2%となっており、連結決算上、為替変動が大きな影響を及ぼします。
 ②当社グループの主力製品である自動車部品の原材料(自動車用鋼板)は、国際市況に大きく影響され、2004
  年以降急激に上昇した当該市況は高止まり傾向にあります。

2.特定の取引先等で取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

当社グループは、自動車部品等の製造、販売を主な事業内容としており、取引の継続性については他の業界に比べ安定しております。しかし、当社グループの業績は得意先である自動車メーカーの販売動向の影響を受けることがあります。

3.製造者責任について

当社グループは、品質保証体系に基づく全社活動により製品の品質保証と管理を行っております。しかし、当社製品の納入先であります自動車メーカーが市場より受けるクレームやリコール等に伴い、当社もその一部について製造者責任を問われる可能性があります。

4.国際情勢の変動影響について

当社グループは、前述の通り海外売上高比率が76.2%と高い水準にあります。今後もグローバル展開を進めてまいりますので、海外売上高比率は更に高まっていくものと予想しております。そのため、海外における法規または税制の変更、経済情勢の急変、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等により、事業の遂行に問題が生じる可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用環境の改善は続いているものの、経済政策の懸念により、先行きは不透明であります。中国では、対米貿易摩擦の影響などにより、足元では減速傾向にあるものの、新興国においては、全体的に内需は堅調に推移いたしました。
  一方、日本経済は、堅調な雇用環境を背景に緩やかな回復基調となりました。しかし、米国の通商・外交政策、米中貿易摩擦、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)、ブレグジットの動向など引き続き留意が必要な状況が続いております。
  当社グループが関連する自動車産業におきましては、米国では、ピックアップトラック、SUVなど「ライトトラック」が好調に推移したものの、セダンや小型車の販売は低迷しました。自動車市場の成長をけん引してきた中国においては、2017年末の小型車減税の終了、米中貿易摩擦などの影響により、生産販売台数ともに20数年ぶりに前年割れとなっております。東南アジア等そのほかの地域の生産や販売は、おおむね好調に推移しました。一方、国内は、さまざまな自然災害はあったものの、生産・販売ともにほぼ横ばいとなりました。
  このような状況下におきまして、当社グループの売上高は前期比1.4%減の169,111百万円となりました。利益面では、米国テネシー拠点での大幅な収益改善はあったものの、日本・米国での生産の減少などにより、営業利益は前期比12.3%減の5,290百万円、経常利益は前期比7.5%減の5,222百万円となりました。更に親会社株主に帰属する当期純利益は、インド拠点において、主要得意先の生産台数の大幅減少に伴い固定資産の減損損失を計上したことにより、前期比85.2%減の402百万円となりました。
  なお、連結決算における海外子会社損益の円換算には、各子会社決算期の期中平均レートを使用しており、当連結会計年度の米ドルレート(1~12月)は、110.44円/ドル(前連結会計年度は、112.16円/ドル)であります。 
 
 セグメントの状況は、以下のとおりであります。
① 日本
 日本における当社グループの売上は、新規受注部品の量産開始はあったものの、金型・設備売上の減少に加え、主要得意先の生産台数の減少などにより、前期比6.0%減の56,563百万円となりました。
 損益面では、金型・設備損益の改善などにより、営業利益は前期比2.8%増の3,910百万円となりました。
② 米州
 米州における当社グループの売上は、米国でのセダンや小型車の販売低迷による主要得意先の減産影響や、拠点のある各国での円高に伴う為替換算影響などにより、前期比5.9%減の70,654百万円となりました。
 損益面では、米国アラバマ拠点の本格稼働に伴う立上げ費用の増加や、メキシコ2拠点の工場拡張による償却費負担増などの影響はあったものの、米国テネシー拠点での大幅な収益改善により、前期に比べほぼ横ばいの2,088百万円の営業損失にとどまりました。
③ アジア
 アジアにおける当社グループの売上は、中国の生産販売台数は前年割れとなったものの、主要得意先のSUVの増産影響や、インドネシア拠点での新車立上りに伴う金型・設備売上の増加などにより、前期比5.5%増の59,392百万円となりました。
 損益面では、中国での生産増加による利益の増加に加え、タイでの収益改善などにより、営業利益は前期比10.9%増の3,668百万円となりました。
 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年度比(%)

日本   

49,526

1.1

米州   

70,179

△8.7

アジア 

59,906

5.8

合計

179,612

△1.6

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年度比(%)

受注残高(百万円)

前年度比(%)

日本

41,877

1.0

16,169

10.5

米州

71,638

△2.3

16,957

5.7

アジア

65,434

16.9

12,073

137.1

合計

178,950

4.8

45,201

26.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年度比(%)

日本   

40,338

△2.9

米州  

70,261

△5.4

アジア  

58,511

5.0

合計

169,111

△1.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

北米日産会社

33,713

19.7

29,782

17.6

東風汽車有限公司

25,539

14.9

28,092

16.6

日産自動車株式会社

21,471

12.5

20,927

12.4

メキシコ日産自動車会社

16,389

9.6

16,415

9.7

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 
(2)財政状態

(資産の部)

流動資産は、前連結会計年度末と比べ2,168百万円減少の67,422百万円となりました。これは、「現金及び預金」が4,087百万円増加したこと、「受取手形及び売掛金」が2,445百万円、「仕掛品」が2,175百万円、「その他」に含まれるその他の流動資産が1,708百万円それぞれ減少したことなどによります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べ4,817百万円減少の100,675百万円となりました。これは、「有形固定資産」のうち「機械装置及び運搬具」が6,571百万円増加したこと、「建設仮勘定」が10,417百万円、「建物及び構築物」が1,057百万円それぞれ減少したことなどによります。
 この結果、総資産は前連結会計年度末と比べ6,986百万円減少の168,097百万円となりました。

   (負債の部)

流動負債は、前連結会計年度末と比べ5,359百万円減少の40,273百万円となりました。これは、「支払手形及び買掛金」が4,864百万円、「短期借入金」が2,251百万円それぞれ減少したこと、「未払法人税等」が986百万円増加したことなどによります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べ3,078百万円増加の35,513百万円となりました。これは、「長期借入金」が1,146百万円増加したこと、「その他」に含まれるリース債務が2,158百万円増加したことなどによります。
 この結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ2,280百万円減少の75,787百万円となりました。

  (純資産の部)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べ4,705百万円減少の92,310百万円となりました。これは、「利益剰余金」が952百万円減少したこと、「その他の包括利益累計額合計」のうち「その他有価証券評価差額金」が1,213百万円、「為替換算調整勘定」が2,156百万円それぞれ減少したことなどによります。

(3)キャッシュ・フロー

   当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,087百万円( 

  19.6%)増加し、24,970百万円となりました。
   当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動により増加した資金は17,603百万円であり、前連結会計年度と比べ8,181百万円の収入

  増加となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。

 「たな卸資産の増減額」に伴う収入増加      4,553百万円 
   「売上債権の増減額」に伴う収入増加        3,894百万円 
   「法人税等の支払額」に伴う支出減少       2,147百万円

  「その他の資産の増減額」に伴う収入増加     1,238百万円

 「仕入債務の増減額」に伴う収入減少       3,107百万円 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の投資活動により減少した資金は13,807百万円であり、前連結会計年度と比べ7,007百万円の支出

 減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。
    「有形固定資産の取得による支出」の支出減少     7,100百万円

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
   当連結会計年度の財務活動により増加した資金は1,103百万円であり、前連結会計年度と比べ5,771百万円の収入

 減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの前年度比における主な増減は次のとおりであります。  
    「短期借入れによる収入」の収入増加          524百万円

 「長期借入金の返済による支出」の支出減少      7,351百万円 
  「短期借入金の返済による支出」の支出増加     4,997百万円
  「長期借入れによる収入」の収入減少         7,723百万円
  「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の

   売却による収入」の収入減少                  1,142百万円

 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

運転資金需要の主なものは、素材や部分品などの原材料の他製造労務費・経費、販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資資金需要の主なものは、製造のための基本設備、汎用及び専用設備などの設備投資であります。国ごとに異なる事業運営を、必要な資金の流動性と源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は、グループ内余資の有効活用を前提とした自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、調達環境、資本コスト、負債・資本バランスを考慮した長期性資金の調達を基本としております。現時点での長期性資金は、金融機関からの長期借入により調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は46,459百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は24,970百万円となっております。

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

   技術援助契約

当連結会計年度末現在で継続している技術援助契約は、以下のとおりであります。

契約会社

相手先の名称

国籍

契約品目

期間

契約内容

㈱ヨロズ

Auto Chassis
International S.N.C
(ACI)

仏国

サスペンション部品

2005年5月1日~
対象となる乗用車の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

2012年12月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

2012年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

2013年7月22日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

2014年4月2日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

Jay Bharat Maruti Limited
(JBML)

印度

サスペンション部品

2015年9月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

DK AUSTECH
Co.,Ltd

韓国

サスペンション部品

2016年1月1日~
対象となる部品の生産終了まで

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

JBM AUTO LIMITED
(JBM)

印度

サスペンション部品

2016年4月1日~
7年間

技術情報及び
ノウハウの提供

㈱ヨロズ

 

 

Jay Bharat Maruti Limited
(JBML)

 

印度

 

 

サスペンション部品

 

 

2018年6月1日~

7年間

 

技術情報及び

ノウハウの提供

 

 

 

 

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、開発部と生産技術部において、新製品・新技術開発を主体とした研究開発活動を推進しております。世界中の自動車のサスペンション部品等を分析し、性能・コスト・重量・工法のベンチマーク化により、最適設計を目指しております。
 当連結会計年度における研究開発活動の主な成果としては、国内ではホンダ「ヴェゼル」のフロントサブフレームを市場投入いたしました。
 また、各自動車会社のグローバルな新車展開により、米州では米国日産「アルティマ」のフロントメンバー、フロントメンバーステー、リアメンバー、リアリンク、ペダル、他とブラジル日産「ナバラ」のフロントロアーリンク、および米国ホンダ「RDX」のリアサブフレームを市場に投入しました。
 アジアでは中国日産「アルティマ」のフロントメンバー、フロントメンバーステー、リアメンバー、リアリンク、他、中国日産「QX50」のフロントメンバー、リアメンバー、リアリンク、中国ホンダ「アコード」および「RDX」のフロントサブフレームを市場に投入しました。
 さらに、今後発表・発売される新車向けに、新材料・新構造・新工法を駆使し、軽量・高剛性・低価格を狙ったサスペンション部品の開発を行い、これらを市場に投入すべく、現在準備中でございます。
中期経営計画(YSP2020)における、製品力・開発力の向上の達成に向け、2018年度は開発中枢であるヨロズグローバルテクニカルセンター(栃木県小山市 略称YGTC)に、新たに研究開発部を新設して新製品開発活動を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費用総額は、8,179百万円となっております。