文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「独創的なアイデアと技術でお客様に喜ばれる製品・サービスを供給することで社会へ貢献する」ことを企業理念の基本方針としております。
そのために、「安全と環境に配慮した企業活動を行う」「独創性を生かして積極的に活動する」「常に自己研鑽に励み、改革・改善を行う」「スピーディーかつタイムリーに行動する」「人の和を大切にし、明るい職場をつくる」ことを当社グループの役職員の行動指針としております。
(2) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題等
今後の経営環境は、各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復が継続することが期待されます。一方、米国における関税や物価上昇、不安定な国際情勢、金融資本市場の変動等の影響による景気下振れリスクに留意する必要があり、先行きの不確実性が高まることも想定されます。
中長期では、サステナビリティへの意識の高まりやデジタル技術の進展が今後一層加速することが予想され、「電動化」をはじめとするCASE時代において新たな価値を提供できるよう、会社・事業の変革が求められる状況となっております。
このような経営環境の中、当社グループは2026年度を初年度とする第13次中期経営計画を策定いたしました。「第二の創業 未来へ拓く、新たな価値創造へ」の事業方針のもと、事業構造の転換と経営基盤の強化を進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
① 外部環境の変化・足元の状況と当社の対応
・クラッチビジネス環境は、外部環境により急速に変化
・そのような環境の中、当社はフレキシブルに対応
二輪事業:インド市場に追従 四輪事業:北米のICE・HEV需要高まり
② 目指す事業ポートフォリオ(各事業位置づけ)
・各事業の位置づけを明確化し、最適戦略を推進
③ 財務目標の設定
・持続的成長の実現に向け、第13次中計にて創出される資金を戦略的に活用し、2030年度(第13次中期最終年
度)の財務目標ROEは9.0%以上を掲げる
④ 事業別戦略
○二輪事業
・グローバル市場への全方位対応により、基幹事業の圧倒的シェアを確保し、収益力を強化するとともに、次
の電動化転換に対応可能な強固な事業基盤を構築する
○四輪事業
・基幹事業については需要変動に応じたフレキシブル生産体制を構築し、収益力を維持
・EV/CASE向け事業化を加速し、業容転換を推進
○環境エネルギー事業(非モビリティ領域)
・コア技術を活かし、社会課題解決(脱炭素・エネルギー創出)に繋がる製品開発を加速
・協業を含め、商品開発・販路を拡大し、ポートフォリオ転換を推進
⑤ 経営基盤強化の概要
・将来の企業成長を支える経営基盤の構築を、大きく3つに分類し、事業を推進
⑥ 財務戦略(キャッシュアロケーション:5か年累計)
・財務の健全性を維持しつつ、成長投資へ優先的に資金配分することで、収益力の強化および資本効率の向上
・5か年で創出したキャッシュについては、キャッシュポジションが過剰にならないよう、適切に配分
⑦ サステナビリティ
サステナビリティ関連のリスク・機会に対処するためにマテリアリティ(重要なリスク及び機会)を特定しております。詳細については、「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」 に記載しております。課題解決に向けた取り組みを通じて、モビリティ業界および新分野における価値創造を目指してまいります
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
・ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、取締役会が監督し経営会議が業務執行する体制となっております。サステナビリティ関連のリスクと機会については、中期経営計画策定時に抽出し、それに基づき中期経営計画を作成しております。中期経営計画は年次の事業計画に細分化され落し込まれます。年次の事業計画は戦略・施策・目標を定めたもので大区分は、財務、事業(二輪、四輪、非モビリティ)、ものづくり競争力、基礎研究、ESG、人材・業務となっております。
① 取締役会(監督側)
サステナビリティ関連項目を含む中期経営計画の業務執行は経営会議が主体として行われており、取締役会は当該事項の報告を受けてサステナビリティ関連項目を含む中期経営計画の審議と承認を行っております。また3月の取締役会で次年度の事業計画を承認し、年次の事業計画の実績を四半期毎に年4回審議、監督しております。
② 経営会議(執行側)
経営会議は代表取締役社長が議長を務め、執行役員を含む各担当役員から構成されており、サステナビリティ関連項目を含む中期経営計画及び年次の事業計画の作成を統括する責任と権限を有しております。また経営会議では、年次の事業計画の進捗状況について、四半期毎に年4回と必要がある場合は随時開催してモニタリングしております。
・戦略/指標及び目標
当連結会計年度において、第13次中期経営計画を策定する際に、経営方針・経営戦略等に重要な影響を与えるサステナビリティ関連のリスク・機会に対処するためにマテリアリティ(重要なリスク及び機会)を特定しております。「事業を通じた社会課題の解決」を実現するマテリアリティと「活動を支える経営基盤」を構築するマテリアリティを設定しました。当社グループは、各マテリアリティについての2030年度の目指す姿を特定し、それに紐づいたKPIを設定し、これらの達成に向けて取り組みを進めてまいります。
(マテリアリティ)
なお、外部環境及び内部環境において最大のリスクは、内燃機関車の規制強化と気候変動問題による市場価値観の変化に伴う基幹クラッチ事業の構造的な売上減少が見込まれる点が挙げられます。さらにそれにまつわる電動化、自動化技術革新への対応遅れによるリスク、また社会及び経済を取り巻く環境におけるリスクが挙げられます。
一方、カーボンニュートラルの実現に向けたEV/CASE関連分野ならびに環境・エネルギー分野は、当社グループにとって重要な事業機会であると認識しております。これらの機会に対応するため、技術開発の推進、人材育成の強化及びデジタル技術の活用に取り組んでおります。
これらの取り組みは、2023年度から2025年度までの第12次中期経営計画において推進してきましたが、2026年度を初年度とする第13次中期経営計画(5年間)においても継続的に取り組む方針としております。
詳細については、「
・リスク管理
① リスク及び機会の抽出
サステナビリティ関連のリスクと機会の抽出は、業界動向、顧客動向、規制動向等の外部環境、経営資源、対応技術等の内部環境の情報をもとに、経営方針を踏まえて中期経営計画立案時に抽出しております。
② リスク及び機会の分析評価
抽出されたリスク及び機会について、財務的影響及び事業への影響の観点から分析・評価を行い、当社グループにとってのマテリアリティを設定しております。その結果に基づき、経営戦略を策定し、具体的な施策及び目標値を設定しております。
③ リスク及び機会の管理
当該施策の進捗状況と目標値については、中期経営計画から年次の事業計画に細分化し、具体的に落し込んでおります。サステナビリティ関連項目を含む年次の事業計画において、四半期毎に経営会議でモニタリングされ、取締役会へ報告されることで審議及び監督が行われております。
(2)主な取組 気候変動
当社グループは、気候変動をマテリアリティの1つとして設定しており、気候変動に伴うリスク及び機会の把握と対応を通じて、持続可能な社会の実現及び企業価値の向上に取り組んでおります。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の枠組みに沿った情報開示の充実を図っております。
・ガバナンス
当社グループにおける気候変動関連の推進体制として、環境管理責任者を委員長とする国内拠点の全社環境保全委員会及び海外拠点の海外環境保全委員会を設置しています。これらの委員会は定期的に開催され、気候変動対応を含む環境領域の中長期目標達成に向けた取り組み、リスクと機会の特定、影響の分析、対応策の推進・モニタリングを行っています。また、「環境保全委員会」を通じて付議・報告される気候関連の重要事項については、必要に応じて年次の事業計画を変更し、経営会議へ報告、取締役会で承認する体制をとっております。さらに、各事業所でも環境マネジメント組織を整備し、全社委員会等で決定された方針や取り組みを反映させ、CO2削減に向けた省エネ、省資源、廃棄物削減活動を目標達成に向けて積極的に推進しています。
取締役会は、気候変動に関連するリスクと機会についての報告を受けて、適切な対応がなされているかを監督しています。
・戦略
当社グループは、気候変動が事業に及ぼす影響を把握するため、国際エネルギー機関(IEA)及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する外部シナリオを参照し、シナリオ分析を実施しております。
分析にあたり、自動車産業に関する外部環境の変化も踏まえ、当社グループの長期ビジョン「VISION2035」における事業環境認識と整合を図りながら、複数の将来シナリオを設定しております。具体的には、海外子会社を含む全事業を対象として、移行リスク及び物理的リスクの観点から、「4℃シナリオ(温暖化が進行する世界)」及び「1.5℃シナリオ(低炭素社会へ移行する世界)」の2つのシナリオを想定し、それぞれのシナリオにおけるリスク及び機会を抽出しております。
これらの分析結果を踏まえ、事業への影響評価及び対応策の検討を行い、中長期的な事業戦略へ反映しております。
気候変動のリスクと機会(主に1.5℃/4℃シナリオに至るリスク)
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区分 |
リスク・ 機会の種類 |
主なリスク/機会 |
影響度 |
時間軸 |
主な対応 |
具体的な取組み |
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移行 リスク |
政策 法規制 |
炭素税や再生可能エネルギー導入などの政策による事業コスト負担増
サプライヤーの環境配慮型原材料への変更・価格転嫁による事業コスト負担増 |
大 |
短~長期 |
サプライヤーを含めた生産・輸送時の脱炭素化の推進
インターナルカーボンプライシング導入検討 |
・生産、輸送などの効率化 ・脱炭素・低炭素エネルギー利用 ・高効率設備導入促進 ・国内外における再エネ・非化石証書・クレジットなどの選択肢情報の収集、検討 ・サプライヤーを含めた省エネ活動の継続推進 ・省エネ活性化・省エネ設備導入促進に向けたインターナルカーボンプライシング導入検討 |
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技術 |
技術開発の遅れによる、販売機会の逸失
脱炭素化に向けた設備等の対策コスト負担増 |
大 |
中~長期 |
FCCコア技術を生かし、モビリティ電動化への新たな価値の提供
省エネ設備の導入による脱炭素化の促進
環境配慮設計の促進 |
・二輪EV/CASE事業領域の開発 ・四輪モータコアSUBモジュール事業領域の開発 ・次世代モビリティのニーズに応える様々なアルミダイカスト製品の開発 ・生産省人化・効率化によるエネルギー使用量の最小化 ・製品・サービス設計時に軽量化、化学物質の使用量低減などの「環境配慮設計」による使用原材料の削減 |
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市場動向 |
LCA対応の遅延による顧客からの需要低下
化石燃料から再生可能エネルギーへの転換による電源及び電力量の確保 |
中 |
中~長期 |
市場動向・顧客要求からLCA観点でのCO2削減対応強化 |
・サプライチェーン全体でのLCA対応の強化、CO2排出量削減にむけた省エネ展開 ・FCC拠点所在地の地域特性を生かした太陽光発電などクリーンエネルギー・再生可能エネルギーのグローバル導入実施 ・エネルギーソリューションでカーボンニュートラルへ貢献する製品の拡販 |
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評判 |
気候変動問題への取組みに関する評価や市場の価値観の変化に伴う売上減少 |
中 |
中~長期 |
策定したロードマップの実行及び目標達成状況のモニタリング |
生産活動に伴う省エネ活動、再生可能エネルギー導入、製品を通じたCO2削減、環境貢献 |
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物理的 リスク |
急性・ 慢性的な 物理リスク |
気候変動や気象災害による事業継続リスク |
大 |
短~長期 |
各リスク想定からの対応計画の立案・対応強化 |
・工場新設時には洪水被害を念頭に置いて立地条件や設備の配置、気候パターンの変化などを考慮 ・リスク評価の結果をもとに、製造拠点ごとのリスクに応じた対策を強化 ・サプライチェーンのBCP強化 |
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機会 |
製品 サービス 市場 |
・電動化の推進による関連製品の需要拡大 ・カーボンニュートラル達成に向けたCO2などの大気浄化製品のニーズ増加 ・再生可能エネルギービジネスの拡大 ・低炭素・省エネルギー製品の需要拡大 |
大 |
中~長期 |
当社のコア技術及び他社との協業による、カーボンニュートラルに貢献する新製品の開発 |
・発電効率が高く、バイオ燃料による発電が可能な改質一体型SOFCの開発 ・カーボンナノチューブ活用によりバッテリーの高効率化に貢献(導電助剤等) ・独自の抄造・塗膜・触媒技術(ハニカム構造)を活かした気体(CO2など)吸着などの大気浄化技術及び熱効率の良い焼成用治具の開発 ・高効率で長寿命の水処理膜(UF膜/RO膜)の開発 ・基幹事業で培った接合技術を活かした、異種材接合による車両などの軽量化やサイクルタイム短縮による省エネに貢献する技術の提供 |
※影響度
大:事業の継続に重大な影響を及ぼし、事業の停止、または大幅な縮小・拡大につながる可能性があるもの
中:事業の一部に影響を及ぼす可能性があるもの
小:影響が限定的であり、開示対象から除外
※時間軸
短期:1年以内、中期:1年~3年、長期:5年以上
・リスク管理
当社グループは、ISO14001の環境マネジメントシステムを活用して、気候変動リスクの評価と管理を行っています。これにより、物理的リスク(自然災害など)や移行リスク(規制の変化など)を特定し、適切な対策を講じています。
・指標及び目標
当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、事業活動に伴う温室効果ガス(GHG)排出量を、2013年度比で2030年度までに50%削減、2050年にはカーボンニュートラル(実質排出量ゼロ)とすることを目指し、省エネルギー施策の推進や再生可能エネルギー由来電力の導入拡大等を推進しております。
当連結会計年度(2025年度)のGHG排出量(Scope1及びScope2)は153,873トンとなり、前連結会計年度(2024年度)の154,606トン(第三者検証受審後の値)に対して約0.5%減少しました。事業活動量が増加する中、省エネルギー施策の推進や再生可能エネルギー由来電力の導入拡大等を進めた結果、GHG排出量は前連結会計年度を下回りました。
当社グループは、当該目標の達成に向け、今後もエネルギー効率の向上および再生可能エネルギーの活用拡大等に継続的に取り組んでまいります
2025年度温室効果ガス(GHG)排出量実績
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区分 |
2025年度実績 |
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Scope1※自社での燃料の使用などによる温室効果ガスの直接排出量 |
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Scope2※自社で他社から供給された電気などの使用による温室効果ガスの間接排出量 |
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合計(Scope1+2) |
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(注)1.当社グループ基準にて算定しています(国内マーケット基準、海外は一部ロケーション基準にて算定)。今後、排出量実績額は、第三者検証受審予定のため数値が変動する可能性があります。
2.当社グループのScope2排出量には、非化石証書や再生可能エネルギー等による削減効果が含まれています。
2025年度温室効果ガス(GHG)削減量実績
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区分 |
2025年度実績 |
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省エネルギー活動における削減 |
5,241t-CO2 |
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再生可能エネルギーにおける削減 |
24,852t-CO2 |
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施策によるCO2総削減量 |
30,093t-CO2 |
(3)主な取組 人的資本
当社グループは、人的資本をマテリアリティの1つとして設定しており、持続可能な成長の実現に向け、人的資本の強化を経営戦略の中核と位置付けています。当社は企業理念の行動指針として、「常に自己研鑽に励み、改革・改善を行う」こと、そして「人の和を大切にし、明るい職場をつくる」ことを掲げ、人材育成を企業の持続的成長の源としてきました。
第12次中期経営計画においては、「エンゲージメント向上」「多様性の推進」「人材育成・能力開発」の3つを柱に、人的資本経営の基盤整備を進めてまいりました。これらの基盤を踏まえ、第13次中期経営計画では、事業ポートフォリオの変革と競争力強化を実現するため、人的資本を経営戦略とより一層連動させていきます。事業ポートフォリオの拡充を見据えた人材戦略のもと、事業成長を支える採用・育成・配置を一体的に推進するとともに、多様な人材の働きがいと働きやすさの向上を図り、持続的な成長を支える組織基盤の強化に取り組みます。
また、これらの取り組みの実効性を高めるため、人的資本に関する指標及び目標を整備し、進捗を可視化しながら推進してまいります。
・戦略
■経営戦略に基づいた人材戦略
当社グループでは、第13次中期経営計画において、「基幹事業の深化と新たな事業の柱の創出」、「企業成長を支えるゆるぎない経営基盤の構築」、「持続的な企業価値向上に向けた成長投資と資本効率の改善」、「ESG経営の推進」を経営の4つの重点戦略としております。これに対応するため、人的資本の観点からは、事業の成長領域及び変革領域を支える人材の確保・育成・配置を一体的に推進することを人材戦略としております。
第13次中期経営計画の実現に向け、各事業領域において求められる人材像を明確化しました。具体的には、クラッチ領域における技術進化と開発効率の高度化、EV/CASE領域における専門人材及びデジタル領域の強化、環境エネルギー事業における新たな価値創出を担う人材の育成・獲得を進めるとともに、全社共通で次世代経営人材の育成やグローバル人材の強化に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、経営戦略と連動した人材戦略の高度化を図り、持続的な成長を支える人的基盤の強化を推進してまいります。
(必要な人物像)
■人材育成方針
当社グループは、事業の変革と成長を担う人材の育成を重要な経営課題と位置付けています。第13次中期経営計画の推進にあたり、経営戦略と連動した人材育成を強化し、従業員一人ひとりの能力発揮と成長を支える取り組みを推進しています。具体的には、階層別教育や専門教育の体系的な実施に加え、デジタル領域を含む新たな知識・スキルの習得機会の拡充を図るとともに、自律的な学びを支援する環境整備を進めています。
また、キャリア形成支援や適切な配置を通じて、従業員が主体的に成長し挑戦できる機会の創出に取り組むとともに、次世代を担う人材の計画的な育成を推進してまいります。
■社内環境整備方針
当社グループは、第13次中期経営計画における事業の変革と成長を支える基盤として、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の整備を推進しています。人材育成と一体となり、持続的な成長を支える組織基盤の強化を図ります。
<従業員エンゲージメント>
組織風土の実態を把握し、従業員の働きがいや満足度を向上させるため、当社では2023年度より全従業員を対象としたエンゲージメント調査をしています。調査を通じて、課題の特定と施策実行・改善のPDCAを回すため、従業員エンゲージメント指標としてeNPS(Employee Net Promoter Score)を主要KPIとして採用しています。
なお、エンゲージメントスコアは単なる数値の推移だけでなく、数値を構成する要素の変化や、改善施策との関連性を示すことが重要であるとの観点から、当社では「推奨者/中立者/批判者の構成比」及び[回答に影響を与えた要素(待遇面やワークライフバランス、人事評価や会社風土等、15項目を設定)]についても併せてモニタリングしています。今後も、キャリア支援や対話機会の充実などの取り組みを通じて、従業員の主体的な成長と組織へのエンゲージメント向上を図り、働きがいのある職場環境の実現に取り組んでまいります。
<多様性の推進>
多様な人材がその能力を最大限に発揮できる環境の整備は、事業の成長と競争力強化を支える重要な基盤であると認識しています。その中でも、管理職層における女性比率の向上を優先課題とし、女性のキャリア形成支援や意識改革を促す研修の実施、柔軟な働き方の拡充を通じて、ライフイベントとキャリアの両立を支援しています。
また、男性の育児参画を促進する風土醸成にも取り組み、性別を問わず多様な人材が活躍できる組織づくりを進めています。加えて、女性管理職の育成・登用に向けては、昇格機会の公平性確保に取り組むとともに、母集団となる女性従業員比率の向上に向けた採用の強化や、働きやすさの改善による定着支援にも取り組んでいます。今後も、関連指標の進捗を踏まえながら、多様な人材の活躍を支える環境整備の高度化を図ってまいります。
<人材育成・能力開発>
事業の変革と成長を担う人材を継続的に育成するため、教育体系の整備とあわせて、人材育成・能力開発を支える制度基盤の強化に取り組んでいます。階層別研修や専門教育に加え、デジタル領域を含む新たな知識・スキルの習得機会を拡充するとともに、従業員の自律的な学びを支援する環境整備を進めています。また、キャリア形成支援やジョブローテーションの充実を通じて、従業員が主体的に成長できる仕組みの構築に取り組んでいます。さらに、人事評価制度・等級制度・報酬制度の見直しを通じて、挑戦と成長を促す仕組みの高度化を図るとともに、適材適所の配置を推進し、組織全体の活性化と競争力の強化につなげてまいります。
<労働安全衛生>
当社グループでは、「健康で災害のない明るい職場」を目指し、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)に準拠し、国内外の社内体制を構築しています。PDCAサイクルの運用を通じて、充実した安全衛生活動を実施しています。国内外の拠点では、内部監査員による三現主義(現場・現物・現実)に基づいた監査を行い、不安全箇所の改善や不安全行動の是正に取り組むことで、安全で魅力ある職場づくりを推進しています。
<健康経営>
「従業員一人ひとりが明るく、楽しく、元気よく働ける環境の実現」を目指し、健康経営を推進しています。企業の持続的な成長には、従業員が心身ともに健康であり、最大限のパフォーマンスを発揮できる職場環境の整備が不可欠であると考えています。そのため、当社では「従業員のパフォーマンス向上」を健康経営で解決したい経営課題として掲げ、「からだの健康」、「こころの健康」、「働き方改革」の3つを主要な取り組みとしてワークエンゲージメントを高めるための職場環境改善に取り組んでいます。これらの取り組みを通して、当社は4年連続で「健康経営優良法人」に認定されております。今後も、従業員の健康維持・向上に向けた施策を強化し、職場環境の継続的な改善を通じて、ワークエンゲージメントの向上と持続可能な企業成長を支える基盤の構築に努めてまいります。
・指標及び目標
第13次中期経営計画においては、事業の変革と成長を人的資本面から支えるため、人的資本に関する主要指標を設定し、進捗を定量的に管理してまいります。
各指標については、中期的な改善目標を設定し年次で進捗をモニタリングしながら施策を推進してまいります。
<管理項目とKPI>
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管理項目 |
実績(2025年度) |
KPI |
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△ |
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‐ |
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(注) エンゲージメントスコア(eNPS)は、従業員に対し「親しい友人・知人に勤務先として当社をどの程度推奨したいか」を0~10点で評価してもらい、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いて算出する指標です。一定水準はマイナス60前後とされる中で、当社ではスコアの絶対値のみならず、その改善傾向や回答要因を踏まえて組織課題を把握しています。
なお、当社グループでは、人的資本に関する基盤となる指標と目標の整備を進めてきた一方で、事業ポートフォリオの変革と連動した人材戦略の観点からは、さらなる高度化が必要な段階にあると認識しています。
第13次中期経営計画においては、採用・育成・配置・定着を含めた人材戦略の具体化を進める中で、経営戦略と連動した人材要件や取り組みの方向性を整理し、人的資本のさらなる強化に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) クラッチ製品に特化した事業展開について
当社グループは13次中期経営計画で掲げた「第二の創業 未来を拓く、新たな価値創造へ」の事業方針のもと、基幹クラッチ事業における収益力の向上や新規事業創出を進めておりますが、現状、当社グループの事業展開は基幹事業のクラッチ製品に特化しております。クラッチ製品は、内燃機関を動力とする自動車や二輪車等の動力伝達機構を構成する重要な機能部品の一つでありますが、今後、内燃機関を動力としない自動車や二輪車等の普及および内燃機関車の規制と気候変動問題による市場の価値観の変化により、クラッチ製品が不要となる可能性があります。
自動車業界は現在、大きな構造変化の時代を迎えております。二輪車用クラッチ、四輪車用クラッチともに当面の成長は見込まれますので、基幹事業を確実に進化させて対応してまいります。また、電動化製品やエネルギーソリューション、環境浄化等をテーマとした新事業開発を積極的に進めてまいります。
(2) 特定の産業や取引先への依存について
当社グループが製造販売しているクラッチ製品の大半は自動車産業や二輪車産業向けであり、当社グループの業績は、今後の自動車産業や二輪車産業の動向により影響を受ける可能性があります。また、当社グループの売上収益に占めるホンダグループに対する売上収益の割合は当連結会計年度において約36%を占めており、当社グループの業績は、今後のホンダグループの事業戦略や購買政策等により影響を受ける可能性があります。
当社グループは、ホンダグループ向けの販売に加え、拡販による新規顧客の獲得に注力し、受注につなげてまいりましたが、引き続き積極的な顧客提案を進めてまいります。
(3) 海外展開について
当社グループは、日本、米国、アジアを中心にグローバルな事業を展開しております。このため、当社グループの業績は、各国の政治や経済の動向、為替相場の動向、予期しない法律または規則の変更、移転価格税制等の国際税務リスク、災害の発生等により影響を受ける可能性があります。
当社グループは、カントリーリスクを的確に把握し低減しながら事業を遂行していくため、海外子会社等を通じて現地の情報収集に努めるとともに、グループ間の相互補完体制を活用しながら適切に対処しております。
(4) 競合について
世界の自動車産業や二輪車産業における競合環境は非常に厳しくなっております。当社グループは、製品開発から製造、品質保証に至るまで競争力の維持、強化に努めておりますが、今後、何らかの理由により競争力の維持、強化が困難となった場合、市場シェアや収益力が低下する可能性があります。
当社グループは、品質、コスト、デリバリーをはじめとする製品競争力の向上によりグローバルシェアの更なる拡大に努めております。
(5) 製品の欠陥に対する補償
当社グループは、製品の品質には万全を期しておりますが、全ての製品に不具合、欠陥等が発生しないという保証はありません。当社グループが納入した製品の欠陥等に起因して完成車メーカーが大規模なリコール等を行うような事態が発生した場合、多額のコストの発生や、当社グループの評価が重大な影響を受けることにより、当社グループの業績と財政状態に深刻な影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、事業活動全体を通じて更なる品質向上を目指し、品質保証体制の強化に取り組んでおります。
(6) 災害や地震等による影響
当社グループは、自然災害および人的災害の大規模災害等により製造ラインが中断するといった潜在的なリスクを最小化するため、各種の対策を講じておりますが、それらによって全ての影響を防止または軽減できる保証はありません。特に、国内においては当社グループの主要施設は静岡県西部地域に集中しているため、将来、想定されている東海地震・東南海地震が発生した場合、生産設備に甚大な影響を受け、生産能力が著しく低下する可能性があります。
当社グループは、大規模災害等の非常時に事業継続を図るべく、リスク対応マニュアル等を整備し、サプライチェーンを含めた事業継続計画(BCP)を構築するなどの対応を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済状況を概観しますと、緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、米国の通商政策や中国経済の先行き懸念に加え、中東情勢の緊迫化や物価上昇等もあり、先行き不透明な状況で推移しました。日本では、景気は足踏みもみられたものの、緩やかな回復基調で推移しました。海外では、米国の景気は堅調な拡大を維持しました。アジアでは、中国の景気は緩やかに減速し、アセアン地域では景気は緩やかな回復基調で推移し、インドでは景気拡大が継続しました。
自動車業界におきましては、四輪車市場は、日本の新車販売は通期で前期比微減となりました。また、EV販売が復調する動きもみられました。海外では、米国は回復基調も関税導入前の駆け込み需要があった前期に対し微減、HEV比率は過去最高を更新する動きもありました。中国は、中東情勢悪化に伴うガソリン価格の高騰もあり、電気自動車などの新エネルギー車(NEV)への需要シフトが顕著化しつつあります。また、二輪車市場は、インドで更なる需要拡大、アセアン地域は堅調に推移、国内では前期比微増となりました。
このような状況の中、当社グループは、第12次中期経営計画の最終年度として、経営基盤の強化に向けた基幹クラッチ事業の収益最大化と、事業ポートフォリオ転換に向けたEV/CASE領域や非モビリティ分野における新事業開発を積極的に推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、インドやブラジルの二輪車用クラッチの販売が増加したこともあり、売上収益は、260,836百万円(前期比1.6%増)となりました。営業利益は、18,927百万円(前期比9.2%増)、税引前当期利益は21,567百万円(前期比7.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,760百万円(前期比18.3%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(二輪事業)
円高やベトナムのガソリン二輪車の規制による買い控えの影響があったものの、インドやブラジルの二輪車用クラッチの販売が増加したことより、売上収益は124,691百万円(前期比3.6%増)となりました。営業利益は、製品保証引当金繰入額の計上や中国の生産拠点の集約に伴う引当計上があったことや一部の国での材料費の増加等があったものの、増収効果もあり12,230百万円(前期比1.2%増)となりました。
(四輪事業)
北米の四輪車用クラッチの販売が増加したものの、円高の影響もあり、売上収益は135,975百万円(前期比0.1%減)となりました。営業利益は、米国関税の影響(△2,158百万円)があったものの、製品保証引当金繰入額の減少や米国の減価償却費の減少などにより、9,156百万円(前期比13.0%増)となりました。
(非モビリティ事業)
売上収益は169百万円(前期比79.1%増)、営業損益は2,459百万円の営業損失(前期は2,855百万円の営業損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ2,864百万円増加し、71,360百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,779百万円となりました。主な増加の要因は、税引前当期利益21,567百万円、減価償却費及び償却費11,305百万円によるものであります。主な減少の要因は、金融収益及び金融費用2,778百万円、営業債務及びその他の債務の減少額2,873百万円、法人所得税の支払額6,658百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16,486百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出15,767百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7,843百万円となりました。これは主に配当金の支払額8,131百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
二輪事業(百万円) |
125,232 |
103.6 |
|
四輪事業(百万円) |
137,327 |
100.8 |
|
非モビリティ事業(百万円) |
169 |
211.5 |
|
合計(百万円) |
262,730 |
102.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
二輪事業 |
126,333 |
104.3 |
10,925 |
117.7 |
|
四輪事業 |
137,250 |
101.9 |
12,182 |
111.7 |
|
非モビリティ事業 |
179 |
189.4 |
9 |
- |
|
合計 |
263,762 |
103.0 |
23,117 |
114.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
二輪事業(百万円) |
124,691 |
103.6 |
|
四輪事業(百万円) |
135,975 |
99.9 |
|
非モビリティ事業(百万円) |
169 |
179.1 |
|
合計(百万円) |
260,836 |
101.6 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Ford Motor Company |
51,659 |
20.1 |
52,574 |
20.1 |
|
General Motors Company |
23,747 |
9.3 |
24,089 |
9.2 |
|
本田技研工業㈱ |
10,563 |
4.1 |
9,926 |
3.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は260,836百万円(前期比1.6%増)となりました。
インドやブラジルの二輪車用クラッチの販売が増加したこともあり増収となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は18,927百万円(前期比9.2%増)となりました。
営業利益は、製品保証引当金繰入額の減少や米国の減価償却費の減少、増収効果もあり増益となりました。
(税引前当期利益)
当連結会計年度の税引前当期利益は21,567百万円(前期比7.6%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、繰延税金資産の増加もあり18,760百万円(前期比18.3%増)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は168,343百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,430百万円増加しました。これは主にその他の金融資産が3,726百万円減少したものの、棚卸資産が3,554百万円、現金及び現金同等物が2,864百万円増加したことによるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末の非流動資産は96,009百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,714百万円増加しました。これは主に有形固定資産が6,787百万円、その他の金融資産が4,596百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は48,303百万円となり、前連結会計年度末に比べ214百万円減少しました。これは主に引当金が1,850百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が2,663百万円減少したことによるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末の非流動負債は9,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,496百万円減少しました。これは主に繰延税金負債が1,684百万円、その他の金融負債が1,013百万円減少したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は206,299百万円となり、前連結会計年度末に比べ20,854百万円増加しました。これは主に利益剰余金が10,762百万円、その他の資本の構成要素が10,015百万円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための資金を確保する上で、適切な流動性等を勘案しつつ健全なバランスシートを維持することを財務方針としております。運転資金、設備投資、研究開発投資につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金および銀行借入により調達しており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5) 重要な会計上の見積り及び判断、3.重要性がある会計方針」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、輸送機器の機能部品メーカーとして顧客ニーズを捉え、独創的なアイデアと技術で性能の優れた製品を供給することを基本方針に、二輪車・四輪車用クラッチおよび汎用機用クラッチの摩擦材に関する基礎研究から生産技術を含むコンポーネントとしてのクラッチの研究開発を進めております。
また、既存製品の改良および摩擦材を含めたクラッチの製造で蓄積された技術を活かし、多孔質ファイバー触媒シート(ペーパー触媒)の研究とその応用としてエンジンの排ガス浄化用ペーパー触媒の研究開発を行ってまいりました。現在は、クラッチ以外の事業分野への展開を目指し、電動化製品やエネルギーソリューション、環境浄化等をテーマとした新事業開発に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費の総額(開発資産として資産計上したものを含む)は
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発費は次のとおりであります。
(二輪事業)
基幹クラッチ事業では、モーターサイクル用湿式摩擦材、スクーター用乾式摩擦材の研究開発を骨格に、クラッチの操作性を含む商品性向上およびコスト低減のための研究開発を行っております。
新規事業では、EV/CASE領域において、モータコア等の電動基幹部品やモータASSY、PCU、e-Axle等の電動パワーユニットの研究開発を行っております。また、デジタルソリューション活用によるコネクテッド・サービス等の更なる付加価値となる研究開発を行っております。
二輪事業に係る研究開発費は
(四輪事業)
基幹クラッチ事業では、オートマチックトランスミッション、CVTおよびハイブリッド用の湿式摩擦材の研究開発を骨格に、小型軽量化、低コスト化及び燃費向上に寄与するクラッチの研究開発を行っております。
新規事業では、EV/CASE領域において、モータコアSUBモジュールの事業化に向けた研究開発やアルミダイキャストを中心とした熱マネジメントの研究開発を行っております。
四輪事業に係る研究開発費は
(非モビリティ事業)
環境分野では水と大気の浄化、循環システムに繋がる製品、エネルギー分野では燃料電池や触媒等の研究開発を行っております。
非モビリティ事業に係る研究開発費は