第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

① 経営の基本方針

当社グループは、経営理念に「世界に貢献する企業に向かって『尊重 信頼 挑戦』そこから生まれる夢の実現」を掲げ“多様な文化や価値観を持つ国際社会と協調・協力しながら社会ニーズに応えられる企業として発展していくこと”“先進的な加工技術への挑戦と技術の蓄積によって、期待を超える魅力あふれる自動車フレームを素早く提供し、世界中から信頼される企業となること”を目指しております。
 このような、経営の基本方針のもと、株主、顧客、従業員、社会など全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けられるよう企業活動に取り組んでまいります。

 

② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

現在の当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済に関しては、ワクチンの普及に伴い、新型コロナウイルス感染症は徐々に収束、景気も緩やかに回復傾向を辿ると予想されるものの、新たな変異株の発生により感染再拡大の可能性も懸念されるなど、当面は不透明な経営環境が続く状況にあります。また、ワクチンの普及度合いが先進国と新興国でかなり異なり、景気回復の度合いに関しても跛行性が出てくる可能性があります。

自動車業界においては、足元は新型コロナウイルス感染再拡大と半導体調達の問題に伴う影響が懸念されるところでありますが、中長期的には世界の新車販売が中国及びアジア・大洋州の成長によって増加基調を辿ると予想されています。

他方、自動車業界は世界的な環境規制の強化を受けた電動化の進展、CASE(Connectivity:つながること、Autonomous driving:自動運転、Sharing:共有・シェアリング、Electric drive systems:電動化)やMaaS(Mobility as a Service:サービスとしてのモビリティ)の拡大とそれに伴う異業種の参入といった変革期にもあります。

当社グループの主要製品である自動車フレームに対しては、燃費性能向上のための軽量化と衝突安全性能の向上といった従来からのニーズに加えて、車体設計や解析・シミュレーションなど新車開発の上流段階への参画といった新しい顧客ニーズが生まれています。また、中国を中心にいくつも誕生している新興EVメーカーは有望な新たな販路でもあります。

これらは当社グループにとりまして、強みとする研究から量産までの一貫開発体制による開発力及び生産力(自動車フレームの性能解析や金型技術、超ハイテン材のプレス・溶接加工技術)やグローバル展開による効率的な供給ネットワークをもって国内外の新規顧客への参入機会の拡大が見込める一方で、自動車メーカーの部品調達戦略に変化が生じるなかで受注競争が更に厳しさを増していくという環境であります。

以上のような経営環境にあって、当社グループでは、急速な変化にも即応しながらゆるぎない成長を遂げていくために、2030年を最終年とする長期ビジョン「2030年VISION」を策定し、その最初の中期計画である第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)とともに当社グループの中長期的な経営戦略に位置付けております。

◇2030年VISION

2030年VISION:「Be a Value Creator(価値創造者になる)」

コーポレートスローガン:「Exceed expectations(期待を超える)」

※ 2030年VISIONに関して、当社グループのコア・コンピタンス(強み・魅力)を、「テクノロジー(お客様のニーズを具現化するものづくり技術)」と「ホスピタリティ(お客様のニーズをお客様と一緒になって実現する)」と定義しております。

2030年VISIONに向けて当社グループは、ESGの取り組みと価値創造文化の醸成を基盤に、既存事業の強化と新商品の開発を進めてまいります。そして、当社グループのコア・コンピタンスとESGを礎としつつこれに全員の「Think Value」を加え、新たな価値を生み出してまいります。そのプロセスでは、自動車業界で存在感を示すとともに、社会に必要とされそして社会に役立つ価値を創出し、これらを通じて期待を超える「Value Creator」を目指しております。

 

◇第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)

経営方針:H-oneグループ全員のホスピタリティと「Think Value」で価値ある商品・サービスを追求し、すべてのステークホルダーの期待と喜びにつなげる

重点施策:

サステナビリティ強化

持続的成長のために企業の社会的責任を果たし、そして、企業価値を高めていく。

品質高位安定化

お客様の期待を超える品質水準の達成とその持続。

収益基盤の強化

当社グループの各社が、各々の持続的成長を叶える収益性を備える。

開発/生産技術の競争力強化

優れた技術とアイデアで夢のある商品開発・技術開発を進める。そして開発・生産両部門が一体で業界トップの競争力を実現する。

事業領域の拡大

自動車フレームの技術を基盤に、夢のある商品の企画・開発と技術進化でより多くのお客様に新たな価値を提供し貢献する。

人材開発の強化

新しい価値の創造に向けた志を共有し、経営理念を実践する。

 

 

経営指標:売上収益税引前利益率を経営指標とし、以下のとおり連結会計年度毎に売上収益税引前利益率の目標値を定めております。

     2021年3月期 売上収益税引前利益率 ― % ※ (実績値は、売上収益税引前利益率2.1%)

     2022年3月期 売上収益税引前利益率 4.0% 

     2023年3月期 売上収益税引前利益率 5.0%

 ※ 新型コロナウイルスの影響を合理的に見積もることが困難であったため、2021年3月期の利益率目標は示しておりません。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(新型コロナウイルスへの対応)

従業員や関係者の安全確保及び感染拡大防止を図りながら顧客への部品供給を確実に進めるとともに、地域社会への感染予防品支援などを通じて企業の社会的責任を果たします。また、不測の事態に備えて十分な手元流動性を確保してまいります。

 

(品質高位安定化)

顧客にQCDで常にご満足をいただくため工程保証能力の強化に引き続き取り組んでまいります。

 

(収益力の強化)

当社グループ最大のセグメントである北米セグメントにおける収益性の改善に注力することに加え、日本では生産変動の影響を最小化するよう諸施策を推進いたします。アジア・大洋州セグメントでは引き続き売上収益拡大と原価低減の両面から収益基盤を強化してまいります。

 

(主力得意先向け売上の確保と拡販に向けた取り組み)

主力得意先の新車種開発の早期から技術提案営業を進め新規部品の受注獲得を目指すほか、既生産部品の継続受注を図ります。拡販においても技術提案営業のほか当社グループの供給体制を活かし国内外で受注活動を積極的に進めます。また、金型や鋳物の受注拡大とその実績を活かした自動車フレーム部品の受注活動を行ってまいります。

 

(新技術及び新商品の開発推進)

顧客の多彩なニーズにお応えするため新たな技術開発や商品開発を通じて新価値創造と売上収益の拡大を図ります。

 

(人材開発)

グローバルに活躍できる人材の育成に向けた諸施策を国内外で進めるほか、日本では多様化する社会に対応するため働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの取組みを進めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の内容、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

 

(1) 依存度の高い販売先

当連結会計年度末日現在、本田技研工業株式会社は当社の発行済株式の20%以上を保有しており、同社は当社のその他の関係会社に該当しております。

当社グループは、主に自動車の車体フレームを製造し、複数の自動車メーカー等に販売しておりますが、その最大の販売先はホンダグループ(本田技研工業株式会社、同社の連結子会社及び持分法適用会社)であります。当連結会計年度の連結売上収益における同グループ向けの販売実績は約90%を占めていることから、今後、同グループからの受注量が低下した場合、売上収益の減少を通じて当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、主に前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(主力得意先向け売上の確保と拡販に向けた取り組み)」のとおりホンダグループからの受注獲得に努めると同時に、他の自動車メーカーとの取引拡大にも注力しております。

 

(2) 新技術の開発

自動車業界は、電動化の進展並びにCASEやMaaSの拡大といった変革期にあり、技術開発に対する顧客ニーズも多様化してきております。そのような中で、当社グループの既存の製品や製造方法に取って代わる新素材を用いた製品や新しい製造技術が市場や得意先に受け入れられた場合には、シェアの低下を通じて当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」のとおり第6次中期事業計画の重点施策に「開発/生産技術の競争力強化」並びに「事業領域の拡大」を据え、より高性能な自動車フレーム並びにその製造技術の研究開発に経営資源を積極的に投入するとともに、中長期で顧客の多彩なニーズにお応えするため新たな技術開発や商品開発を通じた新価値創造を図っております。

 

(3) 製品の品質

当社グループは、国際的な品質管理基準に基づいた品質保証体制を構築し、製品の品質の維持と向上に努めております。しかしながら、当社グループの製品に重要な不具合が存在し、重大な事故やクレーム、リコール等の責任に問われた場合、多額の対策費用の発生や当社グループの評価の低下による受注の減少を通じて当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」のとおり第6次中期事業計画の重点施策に「品質高位安定化」を据え、品質向上にたゆまず取り組んでいるほか、不測の事態に備えリスクの一部を生産物賠償責任保険でカバーしております。

 

(4) 財務会計上の見積り

当社グループの財政状態及び経営成績は、以下の財務会計的な要因を含む資産及び負債への財務会計上の評価、会計基準の変更及び新たな適用により影響を受ける可能性があります。

① 有形固定資産及び無形資産

事業に供する有形固定資産及び無形資産は事業環境の変化等によって、帳簿価額の回収が見込めなくなった場合には、対象資産に対する減損損失の計上により当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」のとおり第6次中期事業計画の重点施策に「収益基盤の強化」を据え、当社、連結子会社及び持分法適用会社の業績向上を図るほか、各社の事業計画の月次モニタリングを通じてリスクの早期把握に努めております。

 

 

 ② 退職給付関係

退職給付に係る負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の仮定に変動が生じた場合、又は運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。

なお、数理計算上の仮定の影響については、後記 「第5 経理の状況 Ⅰ 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 24.従業員給付」に記載しております。

 

 ③ 繰延税金資産

繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されておりますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、繰延税金資産の額が減額され、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」のとおり第6次中期事業計画の重点施策に「収益基盤の強化」を据え、当社、連結子会社及び持分法適用会社の業績向上を図るほか、各社の事業計画の月次モニタリングを通じてリスクの早期把握に努めております。

 

(5) 新型コロナウイルス感染症の影響

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が出ている国や地域で事業を行っております。新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車メーカーの生産一時休止や減産を通じて当社グループの生産をはじめとした事業や財政状態及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、主に前記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (新型コロナウイルスへの対応)」のとおり事業継続に対する取り組みを進めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度(以下、「当期」という。)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

  

 

(2) 財政状態の状況

① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a.事業全体の状況

(流動資産)

当期末の流動資産は、前連結会計年度(以下、「前期」という。)末に比べて現金及び現金同等物が減少した一方で主に営業債権及びその他の債権の増加、前期末に投資不動産に分類していた土地を売却目的で保有する非流動資産に振り替えたことなどから、657億91百万円(前期末比52億18百万円増)となりました。

現金及び現金同等物の減少は前期末において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う不測の事態に備えて在外子会社の手元流動性を高めておりましたが、当期末には平常水準に戻したためであります。営業債権及びその他の債権の増加は、主に中国セグメントにおいて前期末にかけて主力得意先の生産が大幅に減少していたことに起因しております。

なお、売却目的で保有する非流動資産に振り替えた土地は2021年4月に売却しております。

 

(非流動資産)

当期末の非流動資産は、前期末に比べ持分法で会計処理されている投資、退職給付に係る資産が増加したことなどから、981億83百万円(前期末比35億83百万円増)となりました。

退職給付に係る資産の増加は、年金資産の運用結果の良化によるもの、持分法で会計処理されている投資の増加は主に当期に設立した東風愛機汽車プレス部品有限公司への出資によるものであります。

 

(負債)

当期末の負債合計は、前期末に比べて主に借入金が減少したことから916億49百万円(前期末比2億51百万円減)となりました。

負債合計の減少は、生産変動等に起因して営業債務が増加したものの、前期末に新型コロナウイルス感染拡大に伴う不測の事態に備え、短期借入れにより手元流動性を高めていた在外子会社の借入金を返済し通常水準に戻したことによるものであります。

 

(資本)

当期末の資本合計は、723億25百万円(前期末比90億53百万円増)となりました。

資本合計の増加は、利益剰余金の増加に加え、為替相場の円安によるその他の資本の構成要素が良化した影響によるものであります。

 
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は41.0%(前期末比3.7ポイント増)、借入金の負債及び資本合計に対する比率は27.6%(同7.3ポイント減)、売買目的で保有する非流動資産を除く流動比率は118.8%(同13.0ポイント増)となり、いずれも前期末比で良化しております。

 

b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況

当社グループはIFRSに基づいて連結財務諸表を作成しており、セグメント情報に財政状態を記載しておりませんので、該当事項はございません。

 

(3) 経営成績の状況

① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a.事業全体の状況

当期における当社グループを取り巻く経営環境は、第1四半期(4~6月)は新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界経済は急激に落ち込みましたが、第2四半期(7~9月)以降は持ち直しの動きに転じ、期末にかけてはワクチンの普及に伴い回復基調を辿りました。

自動車業界においても、第1四半期に新型コロナウイルス感染拡大を受け、前期末までに感染拡大が終息した中国を除く各地域で自動車の生産及び販売が前期に比べ大幅に減少いたしました。しかしながら、第2四半期以降は各地域で回復に転じるとともに、特に中国地域では前期を上回るペースで生産が推移いたしました。ただし、期末にかけては半導体調達の問題等の影響で北米地域を中心に生産が減少いたしました。そのような中で、当期の当社主力得意先向けの自動車フレームの生産台数も前期に比べて約1.6%減少いたしました。

このような環境下、当社グループは、第6次中期事業計画の経営方針である「H-oneグループ全員のホスピタリティと「Think Value」で価値ある商品・サービスを追求し、すべてのステークホルダーの期待と喜びにつなげる」に沿って、これまでに培った技術力やグローバル展開を活かし、取引先開拓をはじめとする受注拡大に努めてまいりました。

当期の経営成績に関して、売上収益は、新型コロナウイルス感染拡大が前期末までに終息した中国地域で自動車フレームの売上収益が大幅に増加したものの、その他の地域では新型コロナ感染拡大の影響で第2四半期まで前期を大幅に下回ったこと、また、金型設備等の販売も前期を下回ったことなどから、1,639億27百万円(前期比10.3%減)となりました。

なお、当期の売上収益のうち、「商品及び製品」は1,636億68百万円(前期比10.3%減)、「サービスの提供等」は1億1百万円(同24.7%増)、「ロイヤリティ」は1億56百万円(同14.2%減)となりました。

利益面では、売上収益の減少に対して、各地域で要員削減等の製造原価低減に努めるとともに、販売費及び一般管理費の圧縮に努め、営業利益は37億32百万円(前期比3.8%増)となり、売上収益営業利益率は2.3%(同0.3ポイント増)となりました。

また、支払利息の減少とともに円安に伴い為替差益が生じたことから、税引前利益は34億23百万円(同28.8%増)、売上収益税引前利益率は2.1%(同0.6ポイント増)となりました。

当期利益は17億74百万円(前期比80.9%増)となりました。一方で、非支配持分に帰属する当期損失が△10億63百万円と前期の△2億41百万円に比べ大幅に増加したことから、親会社の所有者に帰属する当期利益は28億38百万円(同132.0%増)となりました。

 

b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
(日本)

主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて減少したことを主因に、売上収益は450億42百万円(前期比13.7%減)となりましたが、税引前利益は28億42百万円(同38.3%増)となりました。

自動車フレームの生産に関しては主力得意先の関東地区の生産台数減、関西地区への生産シフトに応じて要員の調整を行う等の施策により製造原価を低減したことに加え、出張費用など販売費及び一般管理費の削減にも努めました。また、金型取引の減少を試作取引が補ったこともあり前期比で税引前利益が増加しました。

 

(北米)

主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて大幅に落ち込んだことから、売上収益は581億36百万円(前期比24.7%減)、税引前損失は21億35百万円(前期は税引前損失8百万円)となりました。

第1四半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響から主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて大幅に落ち込みましたが、第2四半期以降は急速に回復しました。しかしながら、当期末にかけては半導体調達の問題、寒波による影響等で自動車フレームの生産量が落ち込んだことから、生産コスト削減に努めたものの税引前損失が悪化しました。

 

(中国)

主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期に比べて大幅に増加し、売上収益は539億18百万円(前期比35.5%増)、税引前利益は61億75百万円(同125.0%増)となりました。
 なお、第2四半期から東風愛機汽車プレス部品有限公司を持分法適用会社に含めております。

新型コロナウイルスの感染拡大が前期末までに終息したこともあり、主力得意先向けの自動車フレームの生産量が期初から前期を上回って推移し、特に第4四半期(1月~3月)は前年同期の生産量が低かったことから大幅に増加、通期では37.9%と大幅に増加しました。また、打切り機種に関する一時的な付加価値良化要因もあり、当期のセグメント利益は前期を大きく上回りました。

 

(アジア・大洋州)

主力得意先向けの自動車フレームの生産量が前期を大きく下回ったことから、売上収益は149億43百万円(前期比40.8%減)、税引前損失は20億14百万円(前期は税引前損失5億円)となりました。

アジア・大洋州セグメントは、3ヶ国(タイ、インド、インドネシア)の連結子会社で構成されておりますが、主力得意先向けの自動車フレームの生産量は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から各国とも第1四半期に大幅に落ち込み、第2四半期以降は緩やかに持ち直したものの、通期では前期を大きく下回り(タイ:△43.8%、インド:△13.0%、インドネシア:△31.5%)、売上収益も前期に比べ大幅に減少いたしました。要員削減等の製造原価の低減、販売費及び一般管理費の削減に努めたものの、前期に比べ税引前損失が悪化しました。

 

c.目標とする経営指標等 

当社グループでは、従来より利益指標としては税引前利益を重視しており、第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)における目標とする経営指標(KPI)として、以下のとおり連結会計年度毎の売上収益税引前利益率目標を定めております。

2021年3月期 売上収益税引前利益率 ― % 

2022年3月期 売上収益税引前利益率 4.0%

2023年3月期 売上収益税引前利益率 5.0%

 

新型コロナウイルスの影響を合理的に見積もることが困難であったため、2021年3月期の利益率目標は示しておりませんが、前記「a.事業全体の状況」のとおり売上収益税引前利益率は2.1%(前期比0.6ポイント増)となりました。

当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり経営戦略の推進及び課題への対処を通じて、第6次中期事業計画において売上収益税引前利益率の達成に鋭意取り組んでまいります。

 

② 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

報告セグメント

日  本

38,467

94.8

北  米

57,823

72.7

中  国

55,285

138.8

アジア・大洋州

14,336

57.9

合   計

165,913

89.8

 

 

 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比(%)

受注残高
(百万円)

前期比(%)

報告セグメント

日  本

38,449

93.0

3,644

119.2

北  米

57,113

74.9

5,616

93.1

中  国

54,305

138.6

4,395

116.0

アジア・大洋州

14,415

57.8

1,300

75.6

合   計

164,284

90.4

14,957

102.4

 

 

 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2.金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

報告セグメント

日  本

37,862

90.7

北  米

57,529

75.1

中  国

53,700

137.1

アジア・大洋州

14,835

59.0

合   計

163,927

89.7

 

 

 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド

41,658

22.8

30,806

18.8

東風本田汽車有限公司

18,623

10.2

26,430

16.1

本田技研工業株式会社

30,454

16.7

25,244

15.4

広汽本田汽車有限公司

18,299

10.0

24,896

15.2

 

 

 3.上記の金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債務の増加などの資金の増加要因があった一方、営業債権及びその他の債権の増加、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の減少などの資金の減少要因によって35億95百万円(前期比91億9百万円減)となりました。

営業活動の結果得られた資金は、前期に比べて9億75百万円(6.3%)減少の145億76百万円となりました。これは主に営業債務の増加額25億84百万円(前期は営業債務の減少額58億55百万円)などの資金の増加要因があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加額79億74百万円(前期は営業債権及びその他の債権の減少額59億64百万円)などの資金の減少要因によるものであります。

投資活動の結果支出した資金は、前期に比べて14億98百万円(10.9%)減少の122億15百万円となりました。これは主に持分法で会計処理されている投資の取得による支出があった一方で、有形固定資産の取得による支出が前期に比べて減少したことなどによるものであります。

財務活動の結果支出した資金は、116億46百万円(前期は99億50百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。

営業活動によるキャッシュ・フローのうち、営業債権及びその他の債権、営業債務の大幅な増加は主に中国セグメントにおいて新型コロナウイルス感染拡大の影響で少なかった前期末と比べて当期末は大幅に増加したことによるものであります。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、持分法で会計処理されている投資の取得による支出(19億23百万円)があった一方で、有形固定資産の取得による支出(109億38百万円)は前期に比べて29億86百万円減少しております。

当期のフリー・キャッシュ・フローは23億61百万円のプラスとなりましたが、前期末に新型コロナウイルス感染拡大に備えた手元流動性確保を背景に調達した資金を返済したことにより、財務活動は116億46百万円の資金の支出となった結果、当期末の現金及び現金同等物は前期に比べて91億9百万円(71.7%)減少の35億95百万円と通常の水準まで減少しております。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、上記「(4)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

翌連結会計年度は、生産関連設備の更新など一定の設備投資(後記 「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください)を予定しております。これに加えて、引き続き、新型コロナウイルスに伴う不測の事態への備えも考慮しながら、必要に応じて借入金による資金調達を行い、十分な手元流動性を確保してまいります。

  

(キャッシュ・フローに関する補足情報)

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

親会社の所有者に帰属する持分比率(%)

39.7

37.3

41.0

時価ベースの親会社の所有者
帰属持分比率(%)

15.4

8.9

14.1

債務償還年数(年)

1.8

3.6

3.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

22.1

17.9

20.6

 

 

(注) 親会社の所有者に帰属する持分比率(%)

 親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計

時価ベースの親会社の所有者に
帰属する持分資本比率(%)

 株式時価総額/資産合計

債務償還年数(年)

 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

 営業キャッシュ・フロー/利払い

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、グローバル展開を視野におき、卓越した技術と製品開発を目指し、積極的に研究開発活動を推進しております。

研究開発は、当社の開発技術本部を中心とし、ホンダグループを始めとした多くの研究開発機関と密接な連携をとり、効果的かつ効率的に進めております。

当連結会計年度における、セグメント別の主要課題及び内容は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,181百万円であり、その大半は自動車部品関連事業に係るものであります。

 

セグメントの名称

 日 本

主要課題及び内容

・溶接接合加工工法技術の開発
・高強度材料、軽量化材料のプレス加工工法技術の開発
・外板部品プレスの加工工法技術の確立
・厚板精密プレス加工方法と組付加工技術との複合による機能部品の開発
・材料の硬度化技術の開発
・CAD、CAM、CAEの技術革新にあわせたシステム開発及び技術者養成
・精密金属部品のプレス加工工法技術の開発