文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の経営の基本方針は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
ものづくりを本業とするメーカーとしてQCD(品質、コスト、納期)について世界最高の体制を構築し、
高いCS(顧客満足)を得ることを目標にしています。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。
エンジンバルブの専門メーカーとして社業の発展を通じて社会的責任を全うします。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・
技術・人を創造することに挑戦します。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
今後の当社グループの属する自動車業界を取り巻く経営環境は、当面は国内需要は伸び悩むものの、海外需要は増加傾向が続くものと予測されます。しかしながら、中国のEV(電気自動車)化政策や将来の欧州のディーゼル車販売禁止等厳しい状況が迫ってきており、更にEVのみならず自動運転やコネクティッドカーの開発によりこれまでの枠組みを超えた合併や提携による合従連衡が行なわれると予想されるため、当社に求められる商品特性が大きく変化することが予測されます。
このように目まぐるしく変化する経営環境に備えるために、バルブ製品の二極化(高性能/特殊品と汎用/低廉品)に対応する必要があること、そのための開発・生産体制を柔軟に構築する必要があることを経営課題として捉えております。
この経営課題に対処するために、当社では長期ビジョン※「Global 10」を設定し、本年度は、スローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取組みの具体化による中長期目標の実現を目指してまいります。
※当社グループの長期ビジョンであり、自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得、ROS10%、世界10拠点に向けた経営目標を「Global 10」と称しています。
スローガン
『会社と共に良くなろう!』~個人が成長し、会社も成長する~
基本方針
① 中空バルブ世界拡販への基盤強化
② QCD刷新とグローバル体制進化
③ モノ造り改善へ原点回帰と新展開
[重点課題1]中空バルブ世界拡販への生産基盤の強化
当社グループの主力製品である中空バルブの世界市場への販売拡大を目指した国内・海外の生産基盤の更なる強化。
[重点課題2]QCDの刷新とグローバル体制の進化
世界市場拡販への、製品の品質(Quality)・価格(Cost)・納期(Delivery)の刷新とグローバル最適生産の確立と進化。
[重点課題3]モノ造り改善への原点回帰と新たな活動への展開
静岡工場の新たなモノ造り改善活動を展開し抜本的な生産性改善の実現と最大効果の追求。
また、徹底したコスト改善に向けた会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められるよう、理想を追求していくことができる体質を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①世界市場について
現在の自動車産業は海外での販売が大きなウエイトを占めていることから世界不況等のあおりで自動車産業に影響が出た場合には生産台数が落ち込み、これに比例し大きく当社グループの売上高も減少する可能性があります。
②国内市場への依存について
自動車メーカー各社は海外での現地生産・現地調達を進めており、国内での生産は将来的に漸減するとの予測もあります。これに伴い当社グループの国内顧客への売上高が同じような傾向で漸減するのと併せて、生産設備の余剰等が発生する可能性があります。
③競合について
当社グループが事業を展開する自動車メーカーのエンジン市場は、メーカーのグローバル調達が拡大し、国内の競合ばかりでなく全世界の規模で競合状態となっております。これに加えて、自動車メーカーの合従連衡に伴い同一エンジンが大量に作られることになり、ひとつの受注を失することが生産面・販売面へ深刻な圧力となって作用しており、当社グループの販売量や収益力を悪化させる可能性があります。
④原材料等の調達について
当社グループ製品の原材料は、国際市場価格に大きく左右される金属元素を多く含んでおり、これらの金属元素価格が高騰することにより入手する原材料価格が上昇し、製品価格へ転嫁できない部分で業績が悪化する可能性があります。
⑤為替のリスクについて
当社グループの製品事業において一部外貨建て取引があり、急激な円高は売上高・収益に悪影響を与える可能性があります。
⑥地震等のリスクについて
当社グループの主要な事業であるエンジンバルブ・コッタ・リテーナの国内における生産拠点は静岡県西部であります。
静岡県西部はマグニチュード8クラスの巨大地震である東海地震の防災対策強化地域となっております。
将来予測される大地震の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が地震により損傷・損失しないよう対策を講じるなど充分配慮しておりますが、その対応には限界があります。また大地震発生後は一時的に生産活動が停止する可能性があります。
このように、主要な事業拠点である静岡県西部において大地震等の自然災害や火災等の事故等、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。
⑦法的規制等について
当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。
⑧製品の欠陥によるリスクについて
当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当期連結会計年度における世界経済は、米国につきましては、雇用情勢・企業収益の好調を背景に個人消費や設備投資も概ね堅調に推移しました。欧州につきましても、雇用環境の改善を受けた個人消費の緩やかな回復や世界経済回復の影響を受けた輸出増などを背景に回復基調で推移しました。
中国は、個人消費の堅調な拡大や設備投資の持ち直し、輸出増を背景に底堅く推移し、アジアの新興諸国経済も緩やかな成長を続けました。一方、欧米・中国の政策動向による海外経済の不確実性や北朝鮮等の地政学的リスク等により先行き不透明な状態が続いております。
国内経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費や設備投資が持ち直し、底堅く推移するなど、景気は全般的に緩やかな回復基調が続いております。
当社グループの属する自動車業界につきましては、北米全需は前期並みの水準で底堅く推移しており、日系メーカーも概ね前期同様好調な販売を確保しております。中国全需につきましても、前期を上回る好調の中、日系メーカーは全需を更に上回る販売となりました。
一方、国内需要は、軽自動車の好調さにも牽引され全体的には前期の震災・燃費不正問題から回復し堅調に推移しました。
このような市場環境の中、当社グループは、海外の生産拠点を活用した現地市場への販売が増加し、前期に比較し海外販売が29%の増加となりました。
国内は、三菱重工工作機械株式会社との事業統合による相乗効果等により、前期比11%の販売増となり、国内外を合わせると15%の販売増となりました。
また、利益につきましても、拡販・事業統合効果等により、前期を上回る利益となりました。
これにより、売上高は20,823百万円(前期比2,658百万円増)、営業利益は1,619百万円(前期比834百万円増)、経常利益は1,723百万円(前期比1,188百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,162百万円(前期比1,117百万円増)となりました。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品製造 |
19,660,598 |
108.2 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、一部において受注生産を行っていますが、得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品製造 |
20,822,986 |
114.6 |
(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
日産自動車㈱ |
2,840,912 |
15.6 |
2,420,559 |
11.6 |
|
トヨタ自動車㈱ |
2,190,332 |
12.1 |
1,845,010 |
8.9 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は34,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,237百万円増加となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、16,638百万円と前連結会計年度末に比べ2,032百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・資金の借入等により現金及び預金が324百万円増加しております。
・受取手形及び売掛金が541百万円増加しております。
・商品及び製品等のたな卸資産が992百万円増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は17,610百万円と前連結会計年度末に比べ3,204百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・設備購入により有形固定資産が3,213百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は7,381百万円と前連結会計年度末に比べ2,656百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・支払手形及び買掛金が468百万円増加しております。
・資金の借入により短期借入金が324百万円増加しております。
・未払法人税等が276百万円増加しております。
・流動負債(その他)に含まれる未払金が、設備購入の増加等により1,024百万円増加しております。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は1,649百万円と前連結会計年度末に比べ1,574百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・資金の借入により長期借入金が1,564百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は25,219百万円と前連結会計年度末に比べ1,006百万円増加しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ322百万円増加し、5,771百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,021百万円(前連結会計年度は465百万円の支出)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益1,723百万円、減価償却費1,311百万円であり、支出の主な要因は、たな卸資産の増加額981百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は3,352百万円(前連結会計年度比22.6%増)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,336百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は1,659百万円(前連結会計年度比190.7%増)となりました。収入の主な要因は、長期借入れによる収入1,596百万円、支出の主な要因は、配当金の支払額247百万円であります。
資金調達
成長投資に必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローと手元資金でまかなうことを基本とし、それを越える投資の場合、金融市場から調達することも選択の一つとし、成長の機会を失うことにならないよう安定的な資金調達と資金調達コスト抑制の両立を目指しています。
(技術供与契約(提出会社)
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提携先 |
国籍 |
契約品目 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価の算定 |
|
Shriram Pistons & Rings Limited |
インド |
エンジンバルブ |
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 |
自平成24年12月5日 至平成31年12月4日 |
契約品目の純売上高につき一定の比率 |
|
富士气門(広東) 有限公司 |
中国 |
エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他 |
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 |
自平成29年9月30日 至平成32年9月29日 |
契約品目の純売上高につき一定の比率 |
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PT.FUJI OOZX INDONESIA |
インド |
エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他 |
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 |
自平成28年9月26日 至平成31年9月25日 |
契約品目の純売上高につき一定の比率 |
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FUJI OOZX MEXICO, S.A. DE C.V. |
メキシコ |
エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他 |
製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾 |
自平成29年10月24日 至平成32年10月23日 |
契約品目の純売上高につき一定の比率 |
当社グループは、自動車部品製造の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当期連結会計年度における研究開発活動は、自動車用から汎用に至るまで、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じて内燃エンジンの進歩発展に寄与する事により社会に貢献すべく活動を続けております。
特に自動車産業界は、近年の車に求められる環境対応や更なる燃費向上のエンジン開発を強力に推進しており、当社もこれら社会的ニーズに応えるべく、積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の軽量化、高温化対応および耐摩耗性の向上により、お客様に対して迅速、的確かつ信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。
この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は、研究体制の拡充を図り、シミュレーション技術の精度向上による機能予想や新技術の実証試験の推進等により、更なる燃費改善効果を狙った高特性を有するエンジンバルブの研究開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費は282百万円であります。