文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の経営の基本方針は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
ものづくりを本業とするメーカーとしてQCD(品質、コスト、納期)について世界最高の体制を構築し、
高いCS(顧客満足)を得ることを目標にしています。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。
エンジンバルブの専門メーカーとして社業の発展を通じて社会的責任を全うします。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・
技術・人を創造することに挑戦します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは2016年に三菱重工工作機械株式会社と業務提携を開始し、そのシナジー効果を得るための準備を行ってまいりました。長期ビジョン※「Global 10」の実現に向け、2018年度を初年度とする3ヶ年の「2020年中期経営計画」では、そのシナジー効果の発現とグローバル企業として確固たる基盤を構築する経営戦略に基づき、以下の内容に注力してまいります。
・中空バルブの世界拡販
新市場/新顧客の獲得
軸中空バルブの海外量産化
・QCD刷新とグローバル体制進化
国内マザー拠点の充実(グローバル対応力強化)
物造り力の強化(安定生産と安定品質の実現)
・モノ造り改善へ原点回帰と新展開
稼ぐ力の回復(新たなモノ造り改革・強化・改善活動の展開)
老朽化設備のリフレッシュとプロダクトミックスの変化に対応したライン再編
自主改善活動の進化と中核となる人材の育成
※当社グループによる自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得を「Global 10」と称しています。
中期経営指標
(3)対処すべき課題
今後の当社グループの属する自動車産業を取り巻く経営環境は、海外需要は米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、中東をはじめとする国際情勢の悪化、また自動車業界は電動化・情報化・AI化等の大きな変革が見られますが、業界自体は新興国をはじめとする底堅い成長が続くことが期待されます。国内需要に関しても、景気は回復基調が続く見通しとなっており、今後も堅調に推移することが見込まれております。
このように変化する経営環境のなか、当社グループといたしましては、自動車エンジンの燃焼効率の更なる改善に貢献する新たな主力製品であります傘中空バルブにおきまして、更なる生産性改善による生産能力アップ、低コスト化による収益の安定的な確保、そして、その先を見据え、傘中空バルブを超える低廉高機能バルブの開発を行ってまいります。
海外は、グローバル化・現地化要請に対応する為、海外子会社の増産体制強化として、従業員1人1人のスキルアップの上での生産性向上を推進し、中空バルブのマルチ供給基盤の構築に取組むとともに、PQCD(Production、Quality、Cost、Delivery)を更にレベルアップしてまいります。
国内は、静岡工場を当社グループのグローバルマザー工場に位置付け、生産人材育成の中核を担うのはもちろんのこと「従業員の働き方」に目を向けた働き易い環境を整えることを第一に、少子高齢化等へ対応出来るよう働き方の多様化に取り組んでまいります。また、経年劣化設備のリフレッシュや労働生産性向上、品質改善など徹底したコスト改善にも引き続き取組んでまいります。
グループ全体として更なる成長を目指し、中空バルブをはじめとする高機能バルブの事業基盤を確立し、更なる海外拠点の強化に取り組んでまいります。
本年度は、スローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。
スローガン
『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』
~個人の成長=会社の成長~
基本方針
① 高機能バルブの事業基盤確立
② グローバル生産体制の進化
③ 働き方の改革
[重点課題1]高機能バルブの事業基盤確立
当社グループの主力製品である高機能バルブ(中空バルブ)の更なる販売拡大を目指し、国内での傘中空バルブおよび軸中空バルブの生産量と収益を確保できるための生産基盤を確立する。
[重点課題2]グローバル生産体制の進化
海外でのPQCD(生産(Production)、品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery))の更なるレベルアップを目指すとともに、中国・インドネシア・メキシコの各海外子会社でのグローバル最適生産体制の確立と軸中空バルブの海外生産の開始によるマルチ供給への基盤を構築する。
[重点課題3]働き方の改革
当社グループの理想の働き方の改革を目指し、ロボット化や無駄の排除を実行するとともに、少子高齢化に対応する多様な働き方への取り組みを追い求める。
また、引続き徹底したコスト改善に向けた会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求していくことができる体質を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 世界市場について
現在の自動車産業は海外での販売が大きなウエイトを占めていることから、米中の貿易摩擦等による世界不況等のあおりで自動車の生産・販売に大きな影響が出た場合には、これに比例し大きく当社グループの売上高も減少する可能性があります。
② 国内市場への依存について
自動車メーカー各社は海外での現地生産・現地調達を進めており、国内での生産は将来的に漸減するとの予測もあります。これに伴い当社グループの国内顧客への売上高が同じような傾向で漸減するのと併せて、生産設備の余剰等が発生する可能性があります。
③ 競合について
当社グループが事業を展開する自動車メーカーのエンジン市場は、メーカーのグローバル調達が拡大し、国内の競合ばかりでなく全世界の規模で競合状態となっております。これに加えて、自動車メーカーの合従連衡に伴い同一エンジンが大量に作られることになり、ひとつの受注を失することが生産面・販売面へ深刻な圧力となって作用しており、当社グループの販売量や収益力を悪化させる可能性があります。
④ 為替のリスクについて
当社グループの製品事業において一部外貨建て取引があり、急激な円高は売上高・収益に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 自然災害等のリスクについて
地球規模の気候変動による台風、集中豪雨、極度な渇水等の被害規模拡大に伴い、都市機能、ライフラインの麻痺又は一時的な機能停止をする恐れが有ります。又、当社グループの主要な国内生産拠点である静岡県西部は、南海トラフを震源とする大規模地震の防災対策強化地域となっております。
将来予測される自然災害の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が損傷・損失しないよう対策を講じておりますが、その対応には限界があります。
もし、自然災害によりライフライン等の機能停止が発生した場合、一時的に生産活動が停止する可能性があります。又、大規模地震等の自然災害や火災等の事故など、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。
⑥ 法的規制等について
当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 製品の欠陥によるリスクについて
当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 海外の事業展開について
当社グループは、海外の事業展開において様々なリスクにされされており、自然災害、疫病、戦争、テロ、ストライキ、さらに政治的・社会的な不安定性や困難に起因するものがあります。これらの予期せぬ事象が発生すると原材料や生産設備の購入、製品の生産・販売および物流やサービスの提供に遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延や停止が起こり、長引くようであれば、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
「『税効果会計に係る会計基準』」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は雇用環境の着実な改善が追い風になるものの物価上昇が実質賃金を押し下げ、やや緩やかな回復となりました。また企業収益の改善や良好な投資マインドを背景にした省力化を中心とした設備投資が堅調に推移しており、景気は全般的に緩やかな回復基調が続いております。
一方、世界経済につきましては、米国は、中国との貿易摩擦に対する先行きの不透明感もありましたが、個人消費や雇用情勢の好調さが継続したこともあり、企業業況はやや減速傾向ではありながら堅調な推移となりました。中国は、米国との貿易摩擦の影響による輸出入の鈍化や個人消費の減速が国内販売へ大きく影響するなど景気は停滞基調となり、所得税減税やインフラ投資等の金融・財政政策による政府による下支えがありながらも引き続き内外需要とも成長鈍化感が増しております。
当社グループの属する自動車業界につきましては、国内需要は、全体を通して前期を上回る好調さを継続して推移いたしました。一方、北米需要は前期と同等の高水準で推移しておりますが、若干の減速感が見られており、日系メーカーにつきましても前期をやや下回る販売となりました。中国需要は、当期後半から前期を下回る販売となる中、日系メーカーは前期並みの販売を維持してまいりましたが、足元では大きく減少傾向となっております。
このような市場環境の中、当社グループは、海外の生産拠点を活用した現地市場への販売の好調さにより前期に比較し、海外販売が39%の増加となりました。国内は、2016年からの三菱重工工作機械株式会社との事業統合効果に加え、中空バルブの好調な販売により、前期に比較し、国内販売は4%の増加となり、国内外を合わせると11%の販売増となりました。
しかしながら、利益につきましては、中空バルブの事業拡大に伴う生産設備の先行投資や製造コストの増加、海外子会社の生産能力増強投資や国内の経年劣化設備のリフレッシュ、生産ライン再編成等による費用増から、前期を下回る利益となりました。
これにより、売上高は23,198百万円(前期比2,375百万円増)、営業利益は895百万円(前期比724百万円減)、経常利益は942百万円(前期比781百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は623百万円(前期比540百万円減)となりました。
2020年中期経営計画の初年度としての2018年度計画に対する実績は、売上高は計画230億円に対し実績232億円、営業利益は計画10億円に対し実績9億円、ROS(売上高営業利益率)は計画4%に対し実績4%となりました。売上高は、海外生産拠点から現地への販売および国内市場での中空バルブの好調な販売によりおおむね計画どおりに達成することが出来ました。営業利益およびROSにつきましても、中空バルブの事業拡大に伴う生産設備の先行投資での費用増がありましたが、生産性向上活動等のコストダウンによりおおむね計画どおりとなりました。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、一部において受注生産を行っていますが、得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は34,977百万円となり、前連結会計年度末に比べ729百万円増加しております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は14,766百万円と前連結会計年度末に比べ1,710百万円減少しております。
主な要因は次のとおりであります。
・法人税の納付および固定資産の取得等により現金及び預金が2,519百万円減少しております。
・販売増加により商品及び製品が523百万円、仕掛品が115百万円、原材料及び貯蔵品が312百万円、それぞれ増加しております。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は20,211百万円と前連結会計年度末に比べ2,439百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・設備購入により有形固定資産が2,389百万円増加しております。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は7,827百万円と前連結会計年度末に比べ447百万円増加しております。
主な要因は次のとおりであります。
・設備投資資金の借入により短期借入金が518百万円、1年内返済予定の長期借入金が435百万円、それぞれ増加しております。
・納付等により未払法人税等が280百万円減少しております。
・流動負債(その他)に含まれる未払金が、設備代金の支払い等により321百万円減少しております。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は1,405百万円と前連結会計年度末に比べ244百万円減少しております。
主な要因は次のとおりであります。
・1年内返済予定の長期借入金へ振替えたこと等により長期借入金が274百万円減少しております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は25,745百万円と前連結会計年度末に比べ526百万円増加しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,515百万円減少し、3,257百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は2,016百万円(前連結会計年度比0.3%減)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益942百万円、減価償却費1,870百万円であり、支出の主な要因は、たな卸資産の増加額974百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は4,941百万円(前連結会計年度比47.4%増)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出4,885百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は419百万円(前連結会計年度比74.8%減)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増減額485百万円、長期借入れによる収入222百万円であり、支出の主な要因は、配当金の支払額246百万円であります。
資金調達
成長投資に必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローと手元資金でまかなうことを基本とし、それを越える投資の場合、金融機関借入することも選択の一つとし、成長の機会を失うことにならないよう安定的な資金調達と資金調達コスト抑制の両立を目指しています。
技術供与契約(提出会社)
当社グループは、自動車部品製造の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当期連結会計年度における研究開発活動は、自動車用から汎用に至るまで、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じて内燃エンジンの進歩発展に寄与する事により社会に貢献すべく活動を続けております。
特に自動車産業界は、近年の車に求められる環境対応や更なる燃費向上のエンジン開発を強力に推進しており、当社もこれら社会的ニーズに応えるべく、積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の軽量化、高温化対応および耐摩耗性の向上により、お客様に対して迅速、的確かつ信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。
この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は、新製品の実証試験、各種シミュレーションの信頼性評価、新製品の新工法技術開発などを活用し、更なる燃費改善効果を狙った高機能特性を有するエンジンバルブの研究開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費は