第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社の経営理念は次のとおりです。

① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。

② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。

③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。

 

当社グループとして経営理念に基づき、ものづくりを本業とするメーカーとしてPQCD(Productivity 生産性、Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期)について世界最高の体制を構築し、高いCS(顧客満足)を得ることを目標に、製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。また、個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・技術・人を創造することに挑戦します。エンジンバルブの専門メーカーとして低燃費技術の進化を通じて社会に貢献してまいります。

 

(2)経営環境と対処すべき課題

現在の当社グループの経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、先行きについては不透明感が一段と増しております。当社グループの主要需要先である自動車関連の受注は、世界各地での生産活動停止を受け、回復には時間がかかることが想定され、当面は厳しい経営環境が継続するものと見込まれます。このような状況下、当社グループは、出張および来訪者受入れの自粛、従業員の健康モニタリング、一部事務の在宅勤務等、すべての関係者の皆様や従業員およびその家族の安全を最優先とし、新型コロナウイルスの感染防止に努めるとともに、固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を推し進め、影響が最小限となるよう事業活動の継続を図ってまいります。

当社グループは、長期ビジョン※「Global 10」の実現に向け、グローバル企業として確固たる基盤を構築する経営戦略に基づき、2016年に三菱重工工作機械株式会社と事業統合に合意し、同社からの中実バルブの事業譲渡を受け、また高機能バルブであります「傘中空バルブ」製造の合弁会社を設立し、そのシナジー効果を得るべく2018年度を初年度とする3ヶ年の「2020年中期経営計画」を立案し実践してまいりました。しかしながら、最終年度となる2020年度の目標達成は、冒頭記載いたしました経営環境が想定以上に大きく変化するなか、困難な状況にあると認識しております。

2020年度は、2021年度を初年度とする「次期中期経営計画」に向けた準備期間と位置づけ、原点に立ち返り、徹底した合理化・スリム化・事業構造の変革を当社グループ一丸となり取り組んでまいります。

 

【2020年度の取り組み】

国内事業は、静岡工場を当社グループのグローバルマザー工場に位置付け、生産人材育成の中核を担うのは勿論のこと「従業員の働き方」に目を向けた働き易い環境を整えることを第一に、少子高齢化等へ対応できるよう働き方の多様化に引き続き取り組んでまいります。また、生産ラインの最適化を目指した合理化、固定費を徹底圧縮し利益の出る体制の構築、製品不良の低減などコスト改善にも引き続き取り組んでまいります。

海外事業は、自動車業界のグローバル化・現地化要請に対応する為、海外子会社の体制強化として、従業員1人1人のスキルアップを目指したグローバル人材の育成、特に各拠点ごとの課題を解決する力や営業力の強化を図り、PQCDを更にレベルアップしてまいります。

 

本年度はスローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取り組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。

 

スローガン

『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』

~個人の成長=会社の成長~

基本方針

① 良品生産性の向上

② 海外拠点の基盤強化

③ 固定費の徹底圧縮

 

[重点課題1]良品生産性の向上

全ての製品の生産体制について、様々な改善(生産ラインの再編・合理化、工場環境の改善、小ロット生産改善、不良品低減活動)を行うことによる、良品の生産性向上と最適生産・最適職場の実現

 

[重点課題2]海外拠点の基盤強化

海外拠点(中国、インドネシア、メキシコ)において、各社がそれぞれ利益を出すための課題を解決し、営業力の強化やグローバル人材の育成を行う等、PQCDの更なる向上のための基盤強化

 

[重点課題3]固定費の徹底圧縮

更なるコスト改善活動、特に固定費(製品在庫・労務費・減価償却費等)を徹底的に圧縮することにより、安定的な収益確保が可能となる体制構築

 

また、引き続き会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求して行くことができる企業体質を目指します。

 

※当社グループによる自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得を「Global 10」と称しています。

 

中期経営指標                                     単位:億円

経営指標

2018年度

2019年度

2020年度

計画/実績

計画

実績

計画

実績

計画

売上高

230

232

250

228

270

営業利益

10

21

27

売上高営業利益率

4%

4%

8%

4%

10%

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)新型コロナウイルス感染症リスクについて

現在世界的大流行を起こしている新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループ全体の様々な分野において大きなリスクとなっております。最大のリスクは従業員等の生命を失うリスクであります。また、事業環境におきましても、国内外経済の悪化による景気の衰退、それに伴う当社グループの属する自動車業界における販売減による減産等が見込まれております。当社グループに与える影響は極めて重要であると考えますが、現状ではその規模は推量することが出来ません。

新型コロナウイルス感染症に関係するリスク項目は次のとおりであります。

 

① 従業員の生命又は健康被害リスク

新型コロナウイルスへの感染による最も深刻なリスクは、従業員等がその生命を失う又は健康被害を受けることでありますが、当社グループにとってその人的資産を失うことは極めて重大な影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・従業員等への感染予防・健康安全確保の呼びかけ(マスク着用、自身の体温確認、上長による体調確認)

・営業職を始めとする事務職の在宅勤務やテレワークの開始

・不要不急の出張および来訪者受入れの自粛

・食堂での食事方法の変更(食事時間帯の人数割付、対面での食事禁止)

 

② 感染者発生による業務中断リスク

従業員等が新型コロナウイルスへ感染することにより、他の多くの従業員等が濃厚接触者として隔離され、又は自宅待機となることで業務が中断し、工場の生産停止・顧客への販売停止となることは、当社グループの経営にとって極めて重大な影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・部署内の一部人員の勤務場所を隔離し、他の従業員等との接触を遮断することによる感染防止対策

・密を避けた会議の実施(TV会議や広い会議室の使用、参加人数の制限等)

 

③ 感染拡大の長期化による事業環境の悪化リスク

新型コロナウイルスの経済への影響が長期化することが、世界経済および自動車関連業界の減速を導き、当社グループの事業環境の悪化へつながることにより、各顧客から当社グループへの受注の大幅な減少となることは、当社グループの経営にとって極めて重大な影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・国内外経済環境のモニタリングおよび顧客との情報共有・情報交換の実施

・工場の生産体制(昼夜交替シフト等)の柔軟な対応および業務体制の変革

・コスト削減を含む経営陣による迅速な意思決定と経営計画の柔軟な転換・変更

 

 

④ 資金調達リスク

新型コロナウイルスの経済影響の深刻化により、多くの企業が財務の安定性を確保するため資金調達の不安定さを招くことが考えられます。このような経済環境の中、当社グループの資金調達に影響が出ることにより、資金繰りが厳しくなり、当社グループ全体の経営に重大な影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・金融機関との借入枠の拡大、コミットメントラインの導入の検討

 

(2)自然災害等のリスクについて

地球規模の気候変動による超大型台風、集中豪雨、極度な渇水等の被害規模拡大に伴い、日本各地で都市機能、ライフラインの麻痺又は一時的な機能停止をする恐れが有ります。また、当社グループの主要な国内生産拠点である静岡県西部は、南海トラフを震源とする大規模地震の防災対策強化地域となっております。

将来予測される自然災害の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が損傷・損失しないよう対策を講じておりますが、その対応には限界があります。

もし、自然災害によりライフライン等の機能停止が発生した場合、一時的に生産活動が停止する可能性があります。また、大規模地震等の自然災害や火災等の事故など、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。

当社グループの取り組み:

・自然災害に対するBCPの策定と防災訓練の継続的実施、防災備蓄品の定期的な整備

・自家発電設備の稼働訓練と定期メンテナンスの実施

 

(3)製品の欠陥によるリスクについて

当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証取得(2018年)

・品質管理委員会(年1回)および品質会議(月1回)において製品品質担保活動の立案・実行

・経営会議にて経営陣への品質クレーム案件の原因と対策の報告

 

(4)法的規制等について

当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。

当社グループの取り組み:

・内部統制システム監査(外部・内部)の実施

・定期的な全社コンプライアンス教育の実施(年1回以上)

・監査室を中心に当社各部および当社グループ各社への業務監査の実施

 

なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、消費増税や自然災害による一時的な足踏み感を残したものの、雇用や個人消費の緩やかな拡大、また設備投資の堅調基調等景気は緩やかな回復基調が見られておりました。

一方、世界経済につきましては、米国は国内の雇用情勢や個人消費の好調さが継続的に推移したことから景気は堅調に推移し、中国も政府による投資抑制策の見直し等の下支えにより、景気は底入れの兆しを見せておりました。

しかしながら、昨年末からの新型コロナウイルスの影響拡大によりわが国を含む世界各国の経済は、減速し今後急激な落ち込みが懸念されます。

当社グループの属する自動車業界につきましては、国内は、上期は好調ながら下期は大幅に落ち込み、累計では前期を下回る販売となりました。海外は、世界的にも販売マーケットが大きい北米、中国とも前期を大きく下回る結果となりました。

今後は世界各地においても新型コロナウイルスの影響により生産活動が停止しており、終息時期の見通しが困難な状況です。

このような市場環境の中、当社グループは、欧州および北米顧客への販売拡大により前期に比較し、海外販売は29.6%の増加となりました。しかしながら国内販売は、前期に比較し11.3%の減少となり、国内外を合わせると1.7%の販売減となりました。

なお、新型コロナウイルスの影響について、在外連結子会社は決算月が12月であることから、当連結会計年度への影響は無く、国内顧客の生産も3月末に一部停止がありましたが、軽微な影響にとどまりました。

経常利益につきましては、国内販売の落ち込みの中、原価改善活動に取り組み利益確保に努めてまいりましたが、低稼動設備の除却等により営業外費用が増加したため、前期を下回り経常減益となりました。

また、2016年度に三菱重工工作機械株式会社との事業統合を行った中空バルブ事業において、そのシナジー効果を最大限発揮させるよう技術開発等に取り組んでまいりましたが、当期において品質および生産性の向上を目的とする新たな製造工法への切り替えと、それに伴う生産ラインの再編成が完了したことから、不要となった設備の除却および売却を行いました。これにより特別損失として、固定資産除却損112百万円、固定資産売却損17百万円をそれぞれ計上いたしました。

以上の結果、売上高は22,794百万円(前期比404百万円減)、営業利益は811百万円(前期比85百万円減)、経常利益は669百万円(前期比272百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は386百万円(前期比237百万円減)となりました。

2020年中期経営計画の中間年度としての2019年度計画に対する実績は、売上高は計画250億円に対し実績228億円、営業利益は計画10億円に対し実績8億円、ROS(売上高営業利益率)は計画8%に対し実績4%となりました。売上高は、海外生産拠点から現地への販売はおおむね好調でしたが、国内市場での販売の落ち込みにより計画に対し未達となりました。営業利益およびROSにつきましても、売上高減少に伴い、計画に対し未達となりました。中期計画最終年度となります2020年度は、更に新型コロナウイルスの影響が大きくなることにより数値目標の達成は困難な状況ではありますが、中期経営計画方針を推し進めてまいります。

 

なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

 

① 生産実績

当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品製造

22,611,505

102.8

 

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当社グループは、一部において受注生産を行っていますが、得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

自動車部品製造

22,793,983

98.3

 

(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

2,404,061

10.4

2,312,464

10.1

東風日産乗用車公司

2,139,930

9.2

2,248,475

9.9

メルセデスベンツAG(※3)

1,226,139

5.3

2,058,854

9.0

日産自動車㈱

2,323,253

10.0

1,973,805

8.7

㈱SUBARU

1,509,862

6.5

1,454,461

6.4

 

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 ダイムラーAGは2019年11月1日付で持株会社体制に移行し、また、同日付で同社の乗用車部門を分社化しメルセデスベンツAGを設立しております。前連結会計年度および当連結会計年度の販売実績については、2019年10月31日以前のダイムラーAGの乗用車部門に対する販売実績および2019年11月1日以降のメルセデスベンツAGに対する販売実績を合算して記載しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ2,263百万円増加37,240百万円となりました。総資産の増加の主な内訳は有形固定資産の増加2,278百万円であります。

有形固定資産は、2016年度の三菱重工工作機械株式会社との事業統合以降、中空バルブ事業の拡大を目的とした設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において中空バルブの生産ライン再編成が完了したこと、また、海外子会社の生産能力拡大を行っていることから、増加しております。

当連結会計年度末の負債は、前期末に比べ2,264百万円増加11,497百万円となりました。負債の増加の主な内訳は、短期借入金が3,156百万円、長期借入金が112百万円であります。

短期借入金および長期借入金は、中空バルブ事業の拡大に伴う有形固定資産の増加および運転資金需要の増加に対して、金融機関借入による資金調達を行っていることから増加しております。

これによりリース債務を含む有利子負債は、前連結会計年度末に比べ3,520百万円増加し6,875百万円となりました。

当連結会計年度末の非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末に比べ1百万円減少25,744百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ147百万円減少し3,110百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,814百万円(前連結会計年度比10.0%減)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益541百万円、減価償却費2,134百万円であり、支出の主な要因は、たな卸資産の増加額470百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は5,031百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出5,018百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は3,085百万円(前連結会計年度比636.7%増)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増減額3,167百万円、長期借入れによる収入650百万円であり、支出の主な要因は、配当金の支払額246百万円であります。

 

 

(4) 資本の財源および資金の流動性

当社グループの資金需要は、営業活動上の運転資金に加え、生産能力の増強や研究開発など成長投資のための資金があります。これらに必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローと手元資金でまかなうことを基本としていますが、それを超える投資の場合、金融機関借入することも選択の一つとし、成長の機会を失うことにならないよう安定的な資金調達と資金調達コスト抑制の両立を目指しています。また、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい経営環境において、十分な営業キャッシュ・フローを創出できるよう、固定費の徹底圧縮を中心としたコスト改善活動に取り組んでおります。

資金の流動性については、当連結会計年度末に保有している3,110百万円の現金及び現金同等物に加え、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。また、翌連結会計年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大による事業環境の変化等に対応するため、資金の流動性をさらに確保し、資金調達リスクの最小化に取り組んでおります。取り組みの内容については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルス感染症リスクについて ④ 資金調達リスク」に記載のとおりであります。

 

 

(5) 重要な会計上の見積りおよび仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(たな卸資産)

当社グループでは、たな卸資産の保有期間および将来の需要予測に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回るものについては評価減を計上しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(有形固定資産および無形固定資産)

当社グループでは、有形固定資産および無形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。

この判定は、資産の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、算定に際しては、資産の耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループでは、繰延税金資産の算定にあたって、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期および金額を見積っております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(退職給付費用および債務)

当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付費用および債務は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数理計算上の仮定には、割引率等、様々な要素の見積りをしております。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得ております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(会計上の見積りの不確実性に関する情報)

新型コロナウイルスの感染拡大による、会計上の見積りの不確実性に関する情報については、「第5 経理の状況 注記事項 (会計上の見積りの不確実性に関する追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術供与契約(提出会社)

提携先

国籍

契約品目

契約の内容

契約期間

対価の算定

Shriram Pistons &

Rings Limited

インド

エンジンバルブ

製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾

自 2019年12月5日

至 2024年12月4日

契約品目の純売上高につき一定の比率

富士气門(広東)

有限公司

中国

エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他

製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾

自 2017年9月30日

至 2020年9月29日

契約品目の純売上高につき一定の比率

PT.FUJI OOZX

INDONESIA

インド
ネシア

エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他

製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾

自 2019年9月26日

至 2022年9月25日

契約品目の純売上高につき一定の比率

FUJI OOZX MEXICO, S.A. DE C.V.

メキシコ

エンジンバルブ、コッタ、リテーナ他

製造、販売、使用の非独占的実施権の許諾

自 2017年10月24日

至 2020年10月23日

契約品目の純売上高につき一定の比率

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、自動車部品製造の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

当期連結会計年度における研究開発活動は、自動車用から汎用に至るまで、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じて内燃エンジンの進歩発展に寄与する事により社会に貢献すべく活動を続けております。

特に自動車産業界は、近年の車に求められる環境対応や更なる燃費向上のエンジン開発を強力に推進しており、当社もこれら社会的ニーズに応えるべく、積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の軽量化、高温化対応および耐摩耗性の向上により、お客様に対して迅速、的確かつ信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。

この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は、製品の実証試験、各種シミュレーションの信頼性評価を活用した新製品・新工法技術開発に取り組み、更なる燃費改善効果を狙った高機能特性エンジンバルブの研究開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費は240百万円であります。