文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営理念は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
当社グループとして経営理念に基づき、ものづくりを本業とするメーカーとしてPQCD(Productivity 生産性、Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期)について世界最高の体制を構築し、高いCS(顧客満足)を得ることを目標に、製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。また、個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・技術・人を創造することに挑戦します。エンジンバルブの専門メーカーとして低燃費技術の進化を通じて社会に貢献してまいります。
(2)経営環境と対処すべき課題
現在の当社グループの経営環境は、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、先行きは不透明感が続いておりますが、ワクチンの開発・投与が始まったことによる経済活動の再開により、景気は緩やかな回復の基調に変わってきております。当社グループの主要需要先である自動車関連の受注は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は小さくなってきた一方で、半導体不足による生産影響が表れているなど、不透明で下振れリスクを含む経営環境は継続するものと見込まれます。このような状況下、当社グループは、すべての関係者の皆様や従業員およびその家族の安全を最優先とした新型コロナウイルスの感染防止に努めるとともに、昨年から実施しております固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を継続して推し進め、収益上の影響が最小限となるよう事業活動の継続を図ってまいります。
当社グループは、長期ビジョン※「Global 10」の実現に向け、グローバル企業として確固たる基盤を構築する経営戦略に基づき、2016年に三菱重工工作機械株式会社と事業統合に合意し、同社からの中実バルブの事業譲渡を受け、また高機能バルブであります「傘中空バルブ」製造の合弁会社を設立し、そのシナジー効果を得るべく2018年度を初年度とする3ヶ年の「2020年中期経営計画」を立案し実践してまいりました。しかしながら、最終年度となる2020年度を含め「2020年中期経営計画」は、冒頭記載いたしました経営環境が想定以上に大きく変化したことにより、遺憾ながら目標を達成することが出来ませんでした。
※当社グループによる自動車用エンジンバルブ世界シェア10%獲得を「Global 10」と称しています。
中期経営指標 単位:億円
2021年度からは、新たなスタートとして長期ビジョンを新たに設定し、現在策定中の2021年から2023年の3ヶ年の「2023年中期経営計画」で新たな目標を掲げます。原点に立ち返り、徹底した合理化・スリム化による収益確保・新規事業スタートへ向けた社内構造の改革・ESG経営の実践や社会貢献についても、当社グループ一丸となり取り組んでまいります。
(社業について)
当社は1952年の創業以来、輸送機、産業機械、農機、発電機、船舶などあらゆる内燃機関を製造するお客様に吸気、排気用バルブとその関連製品を供給してまいりました。その間独自の高機能バルブ開発に加え、親会社である大同特殊鋼株式会社とも連携した材料開発、工法・検査技術開発などにより、高度化するお客様のニーズに応えて内燃機関技術の向上を支え、産業基盤の発展に貢献してきたと自負しております。
国として宣言が出されたカーボンニュートラルへの対応として電気自動車への移行が喧伝されておりますが、現在の電源構成においては電気自動車はCO2フリーではありません。日本を含め多くの地域でLCAでの電気自動車のCO2排出量はガソリン車・ディーゼル車を上回っています。高エネルギー密度という最大の利点をもつ液化燃料をカーボンニュートラルで利用するべくE-Fuelの開発や、水素を直接燃焼する水素エンジンの開発も行われており、輸送機器における脱炭素は電動、そしてカーボンニュートラルである内燃機関の合わせ技で達成されていくものと考えられます。当社としましても本業においては今後も引き続き予想される燃焼技術や燃料の変化に備え、先読みによるシーズ開発によって引き出しを充実させ、短期化する開発期間においてもご満足いただける提案でお客様のご要望に応えていく所存であります。
しかしながら現在の社会情勢に鑑みて、当社が本業で更なる成長を図っていくことには困難が予想されます。そこでSDGs達成貢献を念頭に置いた新事業開発に取り組みます。今後10年で本業に並び立つ成長事業とすることを目標に今新中期計画をそのスタート点と位置づけ経営資源を配分していきます。
(2021年度の取り組み)
国内事業は、静岡工場を当社グループのグローバルマザー工場に位置付け、生産人材育成の中核を担うのは勿論のこと、「従業員の働き方」に目を向けた働き易い環境を整えることを第一に、少子高齢化等へ対応できるよう働き方の多様化に引き続き取り組んでまいります。また、生産ラインの最適化を目指した合理化、固定費の徹底圧縮による収益基盤のさらなる強化、製品不良の低減などコスト改善にも引き続き取り組んでまいります。
海外事業は、自動車業界のグローバル化・現地化要請に対応する為、海外子会社の体制強化として、従業員1人1人のスキルアップを目指したグローバル人材の育成、特に各拠点ごとの課題を解決する力や営業力の強化を図り、PQCDを更にレベルアップしてまいります。
更に、先に述べた新規事業の開発について、その初年度として有望分野の選定、具体的行動の着手に取り組んでまいります。
本年度はスローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取り組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。
スローガン
『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』
~個人の成長=会社の成長~
基本方針
① 自動車部品事業の安定収益確保
② 新規事業の開拓
③ 効率経営推進による環境と社会への貢献
[重点課題1] 自動車部品事業の安定収益確保
コスト構造のあるべき姿と現状とのギャップ解決手段の検討を行い、比例費低減と固定費の削減を実行する。
[重点課題2] 新規事業の開拓
拡大市場のマーケティングや新規事業の立案を検討・実行する。
[重点課題3] 効率経営推進による環境と社会への貢献
働き方改革・DX推進・財務改善・BCP等経営基盤強化を図っていくとともに、CO2削減の拡大・SDGsの取り組みを開始し、ESG経営を実践する。
また、引き続き会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求して行くことができる企業体質を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染症リスクについて
現在世界的大流行を起こしている新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループ全体の様々な分野において大きなリスクとなっております。最大のリスクは従業員等の生命を失うリスク、また従業員等に感染者が発生することによる業務中断のリスクであります。長期化による事業環境悪化および資金調達のリスクも重要でありますが、現状では高くはないと判断しております。
新型コロナウイルス感染症に関係するリスク項目は次のとおりであります。
① 従業員の生命または健康被害リスク
新型コロナウイルスへの感染による最も深刻なリスクは、従業員等がその生命を失うまたは健康被害を受けることでありますが、当社グループにとってその人的資産を失うことは極めて重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・従業員等への感染予防・健康安全確保の呼びかけ(マスク着用、自身の体温確認、上長による体調確認)
・営業職を始めとする事務職の在宅勤務やテレワークの実施
・不要不急の出張および来訪者受入れの自粛
・食堂での食事方法の変更(食事時間帯の人数割付、対面での食事禁止)
② 感染者発生による業務中断リスク
従業員等が新型コロナウイルスへ感染することにより、他の多くの従業員等が濃厚接触者として隔離され、または自宅待機となることで業務が中断し、工場の生産停止・顧客への販売停止となることは、当社グループの経営にとって極めて重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・隣席および正面の席との間にアクリル製の仕切りを置き、従業員同士の飛沫や接触を遮断することによる感染防止対策
・密を避けた会議の実施(WEB会議や広い会議室の使用、参加人数の制限、窓開け換気の実施、等)
(2)自然災害等のリスクについて
地球規模の気候変動による超大型台風、集中豪雨、極度の渇水等の被害規模拡大に伴い、日本各地で都市機能、ライフラインの麻痺または一時的な機能停止をする恐れが有ります。また、当社グループの主要な国内生産拠点である静岡県西部は、南海トラフを震源とする大規模地震の防災対策強化地域となっております。
将来予測される自然災害の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が損傷・損失しないよう対策を講じておりますが、その対応には限界があります。
もし、自然災害によりライフライン等の機能停止が発生した場合、一時的に生産活動が停止する可能性があります。また、大規模地震等の自然災害や火災等の事故など、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。
当社グループの取り組み:
・自然災害に対するBCPの策定と防災訓練の継続的実施、防災備蓄品の定期的な整備
・自家発電設備の稼働訓練と定期メンテナンスの実施
(3)製品の欠陥によるリスクについて
当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証取得(2018年)
・品質管理委員会(年1回)および品質会議(月1回)において製品品質担保活動の立案・実行
・経営会議にて経営陣への品質クレーム案件の原因と対策の報告
(4)法的規制等について
当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・内部統制システム監査(外部・内部)の実施
・定期的な全社コンプライアンス教育の実施(年1回以上)
・監査室を中心に当社各部および当社グループ各社への業務監査の実施
(5)新製品の開発リスクについて
当社グループでは、現在の製品についての新技術・新工法、また新たな製品の開発について、研究開発を続けております。しかしながら、新製品、新技術や新工法の開発遅れや工法の陳腐化により、顧客からの要望に応えられず、製品の販売に大きな打撃を受ける可能性があります。
当社グループの取り組み:
・研究開発に対する人的・金銭的経営資源の投入
・顧客との共同開発への積極的な参加
(6)ハラスメント事件の発生リスクについて
当社グループでは工場内の製造ラインや部課等の組織で従業員が業務をおこなっておりますが、組織内外において、パワーハラスメント行為やセクシャルハラスメント行為、その他のハラスメントが発生することにより、被害従業員の身体的・精神的悪影響や退職や休職となるリスク、職場内の意欲低下による生産性低下、社会的事件となることでの会社の信用度やイメージが低下するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・ハラスメント防止の社則化および全従業員対象のハラスメント教育の実施
・内部通報制度の社則化および周知
(7)グループ事業の失敗リスクについて
当社グループでは、海外4社・国内4社の子会社があり、グループを形成していますが、特に一部の海外子会社は、設立から10年以内でまだ収支が安定せず、経営(販売・生産・資金)に問題が起きた場合、当社含むグループ全体に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・海外子会社に対し、事業内容・経営内容の把握のため、毎月経営者への報告会議を実施
・海外子会社の収支・資金繰り等を担当部署が把握し、各子会社へ改善を指示
(8)CO2削減(カーボンニュートラル)への対策失敗リスクについて
当社グループは、地球環境を守るためのCO2削減活動を推進する活動を行います。しかしながら、目標に対し未達成(施策が未実施・不十分)となることによる周辺環境の悪化、企業イメージの低下を起こすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
(目標:CO2排出量の削減目標(2013年度比)…2023年度20%減、2030年度50%減)
・太陽光発電の積極的採用(国内外の工場・建物に発電パネルの設置)
・脱炭素へ向けた新エンジン向け製品の開発
(9)ESG経営の取組失敗リスクについて
当社グループは、「ESG」を意識した経営を行っていくことにより環境や社会に貢献できる企業を目指しておりますが、産業廃棄物などの環境問題や人権侵害、差別等の社会問題、内部統制不備等のガバナンスに関する問題が発生するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・産業廃棄物の2030年度排出ゼロ化に向けた計画実施
・SDGs活動への積極的な取り組み
・ガバナンス委員会(任意の指名・報酬等の諮問委員会)の設置
なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に向けた2度の緊急事態宣言等により企業活動は大きな影響を受け、極めて不透明かつ厳しい状況となりましたが、企業の生産活動や個人消費、輸出の持ち直し等により、景気は夏以降緩やかな回復基調が継続しました。
一方、世界経済につきましても、新型コロナウイルス感染症は、米国や欧州を中心に感染者の拡大が続いているなど依然終息が見えない状況は続いておりますが、ワクチンの開発・投与が始まったことによる経済活動の再開により、景気は緩やかな回復の基調に変わってきております。中国経済におきましては、感染症からいち早く回復し、更に経済促進策や輸出入の回復に下支えされた景気は引き続き回復傾向で推移しています。
しかしながら、世界全体では、感染症拡大の影響による経済の落ち込みは大きく、更に変異ウイルスが世界的な広がりを見せるなど再拡大によるロックダウンや非常事態宣言など今後も非常に厳しい状況が続くことが予想されます。
当社グループが属する自動車業界につきましては、国内では、新車販売は回復基調ではあるものの、1年を通じると新型コロナウイルス感染症影響により、前期を大きく下回る販売となりました。海外では、北米市場は9月以降の販売は前年比プラスに転じたものの、昨年前半のロックダウン等の影響により全体では前期を下回る販売となりました。中国も感染症から回復した4月以降は自動車販売も回復傾向で推移しましたが、昨年前半の影響は大きく前期をやや下回る販売となりました。
このような市場環境の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、海外販売につきましては、中国販売は最終的に微増であったものの米国や欧州顧客を中心に上期の販売不振による受注落ち込みが続いたため前期に比較し4.6%の減少となりました。国内販売につきましても、下期以降回復基調ではあったものの上期の受注落ち込みが響き、前期に比較し21.2%の減少となり、国内外を合わせると16.1%の販売減となりました。
利益につきましては、上記のとおり販売は大幅に落ち込みましたが、固定費の徹底圧縮による原価改善活動、より無駄のない生産体制への見直しなど利益確保を目指した対策を継続的に取り組んだことにより、経常利益は前期比増とすることが出来ました。
以上の結果、売上高は19,121百万円(前期比3,673百万円減)、営業利益は714百万円(前期比97百万円減)、経常利益は828百万円(前期比158百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は614百万円(前期比228百万円増)となりました。
また、当社は2016年に三菱重工工作機械株式会社と事業統合を行い、合弁会社として設立したフジホローバルブ株式会社において、中空バルブ事業における中空製造工程の製造事業を行ってまいりましたが、合弁事業開始から4年以上経過し、当初の目的である中空バルブ事業において一定の成果が得られて来たことから、2021年3月31日付で合弁事業契約を解消し、同日付でフジホローバルブ株式会社を完全子会社化しております。本合弁事業の解消が当連結会計年度の業績に与える影響は軽微であります。
2020年中期経営計画の最終年度としての2020年度計画に対する実績は、売上高は計画270億円に対し実績191億円、営業利益は計画27億円に対し実績7億円、ROS(売上高営業利益率)は計画10%に対し実績4%となりました。売上高は、新型コロナウイルスの影響の全世界への拡大により海外市場、国内市場ともに販売の大幅な落ち込みにより計画に対し未達となりましたが、営業利益およびROSにつきましても、売上高減少に伴い計画に対し未達となりました。
2018年から2020年の3年間の中期経営計画全体としては、売上高は計画750億円に対し、実績651億円、営業利益は計画58億円に対し、実績24億円、ROSは計画に対し、2018年度は達成したものの2019年度および2020年度は未達となりました。特に2020年度は新型コロナウイルスの影響が大きく、中期の数値目標を達成することは出来ませんでした。
2021年度から2023年度までの中期経営計画(2023年中期経営計画)につきましては、現在作成中であり、新型コロナウイルスの影響や当社を取り巻く環境を考慮した方針・数値目標を掲げ、目標達成に向け邁進してまいります。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、一部において受注生産を行っていますが、得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 ダイムラーAGは2019年11月1日付で持株会社体制に移行し、また、同日付で同社の乗用車部門を分社化しメルセデスベンツAGを設立しております。前連結会計年度の販売実績については、2019年10月31日以前のダイムラーAGの乗用車部門に対する販売実績および2019年11月1日以降のメルセデスベンツAGに対する販売実績を合算して記載しております。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,267百万円減少し35,973百万円となりました。総資産の増加の主な内訳は現金及び預金が2,279百万円、減少の主な内訳は受取手形及び売掛金が344百万円、商品及び製品が254百万円、仕掛品が186百万円、原材料及び貯蔵品が389百万円、有形固定資産が2,181百万円であります。
現金及び預金は、新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境の変化に対応するため、必要運転資金を抑制し、資金のさらなる手元流動性を確保していることから増加しております。商品及び製品、仕掛品、および、原材料及び貯蔵品は、在庫水準の適正化に取り組んでいることから減少しております。有形固定資産は、減価償却等により減少しております。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,264百万円減少し10,233百万円となりました。負債の減少の主な内訳は支払手形及び買掛金が516百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が554百万円であります。
支払手形及び買掛金は、在庫適正化を目的とした仕入抑制により減少しております。長期借入金は、返済等により減少しております。
(純資産)
当連結会計年度末の非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末に比べ3百万円減少し25,740百万円となりました。純資産の増加の主な内訳は、利益剰余金が511百万円、減少の主な内訳は非支配株主持分が480百万円であります。
非支配株主持分は、三菱重工工作機械株式会社との合弁事業の解消に伴うフジホローバルブ株式会社の完全子会社化により減少しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,280百万円増加し、5,390百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は4,092百万円(前連結会計年度は1,814百万円の獲得)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益823百万円、減価償却費2,367百万円、たな卸資産の増減額792百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は657百万円(前連結会計年度は5,031百万円の使用)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出648百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,133百万円(前連結会計年度は3,085百万円の獲得)となりました。支出の主な要因は、長期借入金の返済による支出511百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出519百万円、配当金の支払額103百万円であります。
当社グループの資金需要は、営業活動上の運転資金に加え、自動車部品事業の安定収益の確保に向けた生産能力の増強や技術研究、新規事業の創出に向けた研究開発など、成長投資のための資金があります。これらに必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローと手元資金でまかなうことを基本としていますが、それを超える投資の場合、金融機関借入することも選択の一つとし、成長の機会を失うことにならないよう安定的な資金調達と資金調達コスト抑制の両立を目指しています。また、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい経営環境において、十分な営業キャッシュ・フローを創出できるよう、固定費の徹底圧縮を中心としたコスト改善活動に取り組んでおります。
資金の流動性については、当連結会計年度末に保有している5,390百万円の現金及び現金同等物に加え、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による事業環境の変化等、不測の事態への対応手段確保として、2020年10月1日に取引銀行3行と総額20億円のコミットメントライン契約を締結しております。
(5) 重要な会計上の見積りおよび仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(たな卸資産)
当社グループでは、たな卸資産の保有期間および将来の需要予測に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回るものについては評価減を計上しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(有形固定資産および無形固定資産)
当社グループでは、有形固定資産および無形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。
この判定は、資産の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、算定に際しては、資産の耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
減損の有無の判定に際して用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループでは、繰延税金資産の算定にあたって、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期および金額を見積っております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(会計上の見積りの不確実性に関する情報)
新型コロナウイルスの感染拡大による、会計上の見積りの不確実性に関する情報については、「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1) 技術供与契約(提出会社)
(2) 合弁事業の解消およびフジホローバルブ株式会社の完全子会社化について
当社は、2021年3月26日開催の取締役会において、三菱重工工作機械株式会社との間の合弁事業を解消し、三菱重工工作機械株式会社の保有するフジホローバルブ株式会社の株式を譲り受け完全子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(3) 完全子会社の吸収合併について
当社は、2021年5月27日開催の取締役会において、2021年7月1日を効力発生日として、当社の完全子会社であるフジホローバルブ株式会社を、2021年6月22日開催の当社定時株主総会での承認を条件として吸収合併することを決議し、2021年5月27日付で合併契約を締結いたしました。また、本合併に関する議案は2021年6月22日開催の当社定時株主総会において承認決議されました。
詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、自動車部品製造の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当連結会計年度における研究開発活動は、自動車用から汎用に至るまで、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じて内燃エンジンの進歩発展に寄与する事により社会に貢献すべく活動を続けております。
特に自動車産業界は、近年の車に求められる環境対応や更なる燃費向上のエンジン開発を強力に推進しており、当社もこれら社会的ニーズに応えるべく、積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の高温化およびエンジン熱効率向上への対応により、お客様に対して迅速、的確かつ信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。
この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は、製品の実証試験、各種シミュレーションの信頼性評価を活用した新製品・新工法技術開発に取り組み、カーボンニュートラル促進に向けた高機能特性エンジンバルブの研究開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発費は