文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営理念は次のとおりです。
① 技術を極め、顧客の高い満足と強い信頼を頂く商品を提供する。
② 地球環境を守り、企業責任を全うし、社業を通じて社会に貢献する。
③ 世界を視野に高い目標に挑戦し、企業の発展と個人の成長を実現する。
当社グループとして経営理念に基づき、ものづくりを本業とするメーカーとしてPQCD(Productivity 生産性、Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期)について世界最高の体制を構築し、高いCS(顧客満足)を得ることを目標に、製品の開発・生産・販売から廃棄までの全工程で地球保護に積極的に取り組みます。また、個人を尊重し、相手の立場で考え、意欲・能力を最大限に発揮することで、世界に飛躍する製品・技術・人を創造することに挑戦します。エンジンバルブの専門メーカーとして低燃費技術の進化を通じて社会に貢献してまいります。
(2)経営環境と対処すべき課題
現在の当社グループの経営環境は、新型コロナウイルスの感染が依然世界経済全体に大きな影響を及ぼしており、更にロシアのウクライナ侵攻等に起因する原材料価格やエネルギーコストの高騰、物流の混乱等、先行きは不透明感が続いております。ただ、ワクチンの接種が浸透してきたことによる経済活動の再開により、景気は緩やかな回復の基調に変わってきております。当社グループの主要需要先である自動車関連の受注は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は小さくなってきた一方で、半導体不足や部品調達不足により生産減少が続くなど、引き続き不透明で下振れリスクを含む経営環境は継続するものと見込まれます。このような状況下、当社グループは、すべての関係者の皆様や従業員およびその家族の安全を最優先とした新型コロナウイルスの感染防止に努めるとともに、固定費を中心とした徹底的なコスト圧縮策を継続して推し進め、収益上の影響が最小限となるよう事業活動の継続を図ってまいります。
当社グループは、新たなスタートとして、昨年6月23日に2021年から2023年の3ヶ年の「2023年中期経営計画」により新たな目標を公表いたしました。原点に立ち返り、徹底した合理化・スリム化による収益確保・新規事業スタートへ向けた社内構造の改革・ESG経営の実践や社会貢献についても、当社グループ一丸となり取組んでまいります。
2023年中期経営計画基本方針
1.自動車部品事業の安定収益の確保
2.新規事業のスタートおよび基軸への成長
3.効率経営推進による社会貢献
定量目標
●エンジンバルブ事業の合理化推進による利益率向上
●新規事業、ESG関連中心の積極的な投資
●株主への利益還元目標は連結配当性向30%以上
中期経営指標と実績 (単位:億円)
(社業について)
当社は1952年の創業以来、輸送機、産業機械、農機、発電機、船舶などあらゆる内燃機関を製造するお客様に吸気・排気用バルブとその関連製品を供給してまいりました。その間独自の高機能バルブ開発に加え、親会社である大同特殊鋼株式会社とも連携した材料開発、工法・検査技術開発などにより、高度化するお客様のニーズに応えて内燃機関技術の向上を支え、産業基盤の発展に貢献してきたと自負しております。
国として宣言が出されたカーボンニュートラルへの対応として電気自動車への移行が広く伝えられておりますが、現在の電源構成において電気自動車はCO2フリーではありません。日本を含め多くの地域でライフサイクルアセスメント(LCA)での電気自動車のCO2排出量はガソリン車・ディーゼル車を上回っています。これはバッテリー製造および廃棄時のCO2排出が大きいことによるものです。またバッテリーには希少金属が必要で、昨今のブームによって資源価格の高騰が発生しております。
現在のバッテリーのエネルギー密度は400Wh/kg程度で、次世代では1,000Wh/kgを超える電池が期待されていますが、例えば液体燃料の10,000Wh/kg以上という高エネルギー密度とは比較になりません。物を運ぶということにおいて重量は大変重要なファクターで、貨物より重いバッテリーを運ぶわけにはいきませんので、一定の領域において内燃機関の活用は今後とも必要と思われます。しかしながらそのための燃料は化石由来から脱却する必要があります。最近メタネーション、e-fuel、水素エンジンなどのキーワードに象徴される代替燃料の議論が行われるようになってきました。このように輸送機器における脱炭素は電動、そしてカーボンニュートラル燃料の内燃機関の合わせ技で達成されていくものと考えられ、当社もすでにお客様との共同基礎開発を始めております。当社の本業においては今後も引き続き予想される燃焼技術や燃料の変化に備え、先読みによるシーズ開発によって引き出しを充実させ、短期化する開発期間においてもご満足いただける提案でお客様のご要望に応えていく所存であります。
しかしながら現在の社会情勢に鑑みて、当社が本業で更なる成長を図っていくことには困難が予想されます。そこでSDGs達成貢献を念頭に置いた新事業開発(新事業探索3つのアプローチとして有望企業のM&A探索、成長分野・シナジーを活かした新事業探索、連結子会社関連の新事業探索)にも取り組んでおります。今後10年で本業に並び立つ成長事業とすることを目標に現中期経営計画期間をそのスタート点と位置づけ経営資源を配分していきます。
(太陽光発電について)
昨年度より稼働を開始した本社工場900kW、メキシコ工場500kWの太陽光発電は概ね計画どおりの発電量が得られております。パネル1kW当たりの年間発電量は日本では約1,000kWh程度と言われており、またメキシコは日照条件が良好で日本の二倍の発電量が期待できます。グループ全体で2022年第二ステップ4,700kW、2023年第三ステップ4,000kW以上の追加設置を計画しておりましたが、電気単価の急騰を受けこれらの設置時期の前倒しや、規模の拡大を検討してまいります。
(2022年度の取り組み)
本年度はスローガンと基本方針を以下のように定め、それぞれの重点課題への取り組みの具体化による年度目標の実現を目指してまいります。
スローガン
『自分のためにチャレンジしよう。皆のために助け合おう』
~個人の成長=会社の成長~
基本方針
1.自動車部品事業の安定収益確保
効率的な生産体制の追求の推進を行うこと、特に人員の機動化・稼働ロス低減・検査自動化を進めてまいります。
2.新規事業のスタートおよび基軸への成長
事業戦略に基づく具体策を展開し、新分野事業・シナジーを活かした事業・地域関連事業の立案を検討・実行してまいります。
3.効率経営推進による社会貢献
働き方改革・DX推進・BCP等により経営基盤強化を図っていくとともに、SDGs活動の全社展開および推進によりESG経営を実践してまいります。
引き続き、会社全体の構造改革を推進するとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、世界のなかで存在価値のある会社として認められる、理想を追求して行くことができる企業体質を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染症リスクについて
現在世界的大流行を起こしている新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループ全体の様々な分野において大きなリスクとなっております。最大のリスクは従業員等の生命を失うリスク、また従業員等に感染者が発生することによる業務中断のリスクであります。長期化による事業環境悪化および資金調達のリスクも重要でありますが、現状では高くはないと判断しております。
新型コロナウイルス感染症に関係するリスク項目は次のとおりであります。
① 従業員の生命または健康被害リスク
新型コロナウイルスへの感染による最も深刻なリスクは、従業員等がその生命を失うまたは健康被害を受けることでありますが、当社グループにとってその人的資産を失うことは極めて重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・従業員等への感染予防・健康安全確保の呼びかけ(マスク着用、自身の体温確認、上長による体調確認)
・営業職を始めとする事務職の在宅勤務やテレワークの実施
・食堂での食事方法の変更(食事時間帯の人数割付、対面での食事禁止)
② 感染者発生による業務中断リスク
従業員等が新型コロナウイルスへ感染することにより、他の多くの従業員等が濃厚接触者として隔離され、または自宅待機となることで業務が中断し、工場の生産停止・顧客への販売停止となることは、当社グループの経営にとって極めて重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・隣席および正面の席との間にアクリル製の仕切りを置き、従業員同士の飛沫や接触を遮断することによる感染防止対策
・密を避けた会議の実施(WEB会議や広い会議室の使用、参加人数の制限、窓開け換気の実施、等)
(2)自然災害等のリスクについて
地球規模の気候変動による超大型台風、集中豪雨、極度の渇水等の被害規模拡大に伴い、日本各地で都市機能、ライフラインの麻痺または一時的な機能停止をする恐れが有ります。また、当社グループの主要な国内生産拠点である静岡県西部は、南海トラフを震源とする大規模地震の防災対策強化地域となっております。
将来予測される自然災害の発生に備え人的安全を第一に考え、なおかつ建物、生産設備、仕掛品、製品などの資産が損傷・損失しないよう対策を講じておりますが、その対応には限界があります。
もし、自然災害によりライフライン等の機能停止が発生した場合、一時的に生産活動が停止する可能性があります。また、大規模地震等の自然災害や火災等の事故など、重大な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループが受ける影響は甚大なものになる恐れがあります。
当社グループの取り組み:
・自然災害に対するBCPの見直しと防災訓練の継続的実施、防災備蓄品の定期的な整備
・自家発電設備の稼働訓練と定期メンテナンスの実施
(3)製品の欠陥によるリスクについて
当社グループでは、製品の製造にあたって、品質安定化の追求と、厳格な検査・保証管理体制を構築するとともに、損害保険加入等の対策をとるなど、品質不適合リスクその他事業活動に伴う種々のリスクについて対策を講じております。しかしながら、大規模な製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、その結果によっては、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証取得(2018年)
・品質管理委員会(年1回)および品質会議(月1回)において製品品質担保活動の立案・実行
・経営会議にて経営陣への品質クレーム案件の原因と対策の報告
(4)法的規制等について
当社グループは国内、海外において事業活動を行っており、その遂行にあたっては、法令その他社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を展開しております。しかしながら、将来における法令、規範の変更や社会の諸要求の厳格化による解釈の変更などによって発生する事態が、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの取り組み:
・内部統制システム監査(外部・内部)の実施
・定期的な全社コンプライアンス教育の実施(年1回以上)
・監査室を中心に当社各部および当社グループ各社への業務監査の実施
(5)新製品の開発リスクについて
当社グループでは、現在の製品についての新技術・新工法、また新たな製品の開発について、研究開発を続けております。しかしながら、新製品、新技術や新工法の開発遅れや工法の陳腐化により、顧客からの要望に応えられず、製品の販売に大きな打撃を受ける可能性があります。
当社グループの取り組み:
・研究開発に対する人的・金銭的経営資源の投入
・顧客との共同開発への積極的な参加
(6)ハラスメント事件の発生リスクについて
当社グループでは工場内の製造ラインや部課等の組織で従業員が業務をおこなっておりますが、組織内外において、パワーハラスメント行為やセクシャルハラスメント行為、その他のハラスメントが発生することにより、被害従業員の身体的・精神的悪影響や退職や休職となるリスク、職場内の意欲低下による生産性低下、社会的事件となることでの会社の信用度やイメージが低下するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・ハラスメント防止の社則化および全従業員対象のハラスメント教育の実施
・内部通報制度の社則化および周知
(7)グループ事業の失敗リスクについて
当社グループでは、海外4社・国内3社の子会社があり、グループを形成していますが、特に一部の海外子会社は、設立から10年以内でまだ収支が安定せず、経営(販売・生産・資金)に問題が起きた場合、当社含むグループ全体に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・海外子会社に対し、事業内容・経営内容の把握のため、毎月経営者への報告会議を実施
・海外子会社の収支・資金繰り等を担当部署が把握し、各子会社へ改善を指示
(8)CO2削減(カーボンニュートラル)への対策失敗リスクについて
当社グループは、地球環境を守るためのCO2削減活動を推進する活動を行います。しかしながら、目標に対し未達成(施策が未実施・不十分)となることによる周辺環境の悪化、企業イメージの低下を起こすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
(目標:CO2排出量の削減目標(2013年度比)…2023年度20%減、2030年度50%減)
・太陽光発電の積極的採用(国内外の工場・建物に発電パネルの設置)
・脱炭素へ向けた新エンジン向け製品の開発
(9)ESG経営の取組失敗リスクについて
当社グループは、「ESG」を意識した経営を行っていくことにより環境や社会に貢献できる企業を目指しておりますが、産業廃棄物などの環境問題や人権侵害、差別等の社会問題、内部統制不備等のガバナンスに関する問題が発生するリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・産業廃棄物の2030年度排出ゼロ化に向けた計画実施
・SDGs活動への積極的な取り組み
・ガバナンス委員会(任意の指名・報酬等の諮問委員会)の設置
(10)エンジン車の減少リスクについて
当社グループは、自動車をはじめとするエンジンに使用される部品(主にエンジンバルブ)を生産・販売することを事業としております。しかしながら、電気自動車等の普及により、エンジンを使用する自動車が大きく減少し売上が減少することで、グループ経営が厳しくなるリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・専門部署(構造改革部)を設置し、保有技術を活用した新規事業を模索・検討
また、自動車業界に拘らない広い視野での事業の拡大の検討(M&A含む)
(11)サイバーセキュリティリスクについて
当社グループは、業務遂行に際しコンピュータを使用し、インターネット等も利用しておりますが、社内からの情報漏洩インシデント、また外部からの重大なコンピュータインシデント(サイバー攻撃やウイルス感染)や大規模な停電、火災等が発生した場合の重要なデータの破損・喪失および復旧の遅れにより、グループ経営や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・情報管理に関する取り組み(社則、情報管理体制)の見直し
・サイバー攻撃・ウイルス感染等に対するセキュリティ対策の見直し
(12)原材料・エネルギー価格の高騰リスクについて
当社グループで使用する原材料(鋼材)は、親会社グループより購入しておりますが、価格の大幅な高騰に対し販売先への価格転嫁の遅れ等により経営に影響を与えるリスクが生じる可能性があります。また、電力等のエネルギー価格が大幅に高騰することにより、グループ経営や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの取り組み:
・原材料の成分毎の価格の変動に対応し、購入・販売価格のサーチャージ制度の導入
・電力会社との個別契約の取り交わし
・太陽光発電による電力の活用と他の自然エネルギー(風力等)の検討
なお、上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、従来、決算日が12月31日であった在外連結子会社4社につきましては、当連結会計年度より、決算日の3月31日への変更および連結決算日に仮決算を行う方法への変更を行っております。これに伴い、当連結会計年度は、当該連結子会社について2021年1月1日から2022年3月31日までの15か月間を連結しております。詳細は、「第4 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.連結子会社の事業年度等に関する事項」に記載のとおりであります。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第4 経理の状況 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、前期から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に向けた緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による経済活動の自粛等により企業活動に大きな影響を及ぼしましたが、ワクチン接種の拡大等の効果による消費拡大等の効果もあり、総合的には景気は緩やかな持ち直しとなりました。
世界経済につきましては、新たな変異株を含む新型コロナウイルス感染者の発生は続いておりますが、欧米や中国を中心にワクチン接種等の効果が発現し経済活動は正常化に戻る国が多くなってきております。企業活動につきましても、景気の緩やかな回復と共に回復基調に向かっております。ただ、世界全体では半導体不足や感染症原因による部品不足等による影響は未だ続いており、経済の停滞は今後もしばらく続くことが懸念されます。それに加え、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う国際情勢の悪化は、原材料価格、エネルギーコストの高騰や物流の混乱を招き世界経済に大きな影響を与えており、経済への不安要素は拡大する方向にあります。
当社グループの属する自動車業界につきましては、世界的な半導体不足に加え、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大を含めた部品調達不足による各メーカーの減産の影響が続いております。北米・中国および国内の新車販売は各メーカーの減産の影響等により前年よりも低い水準となりました。(在外連結子会社の会計期間が15か月の場合、北米・中国は前年比増加)
このような市場環境の中、当社グループは、半導体不足や部品調達不足による自動車メーカー減産の影響を受けましたが、前期と比較し、顧客への販売が徐々に回復したことに加えて、在外連結子会社4社におきましては、決算日の変更および連結決算日に仮決算を行う方法への変更により2021年1月1日から2022年3月31日の15か月間の経営成績を連結していることから、海外販売は28.6%の増加(在外連結子会社について2021年4月1日から2022年3月31日までの12か月間を連結した場合は6.5%の増加)、国内販売につきましても、自動車メーカー減産の一方でトラック・バス・産機・建機・農機向けの販売が好調であったことから前期と比較すると9.9%の増加となり、国内外を合わせると16.5%の販売増(在外連結子会社について2021年4月1日から2022年3月31日までの12か月間を連結した場合は8.7%の販売増)となりました。
利益につきましては、売上の回復に加え引き続き固定費の徹底圧縮による原価改善活動など収支対策にも取り組んでまいりました。また円安による為替変動の影響も加わり前期と比較すると大幅な利益改善となりました。
以上の結果、売上高は22,269百万円(前期比3,148百万円増)、営業利益は1,571百万円(前期比857百万円増)、経常利益は1,784百万円(前期比957百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は985百万円(前期比372百万円増)となりました。
また、在外連結子会社4社につきまして、当連結会計年度が2021年4月1日から2022年3月31日までの12か月間であった場合の連結経営成績は、売上高は20,786百万円(前期比1,665百万円増)、営業利益は1,198百万円(前期比484百万円増)、経常利益は1,418百万円(前期比591百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は720百万円(前期比106百万円増)であります。
2023年中期経営計画の初年度としての2021年度計画に対する実績は、売上高は計画230億円に対し実績223億円、営業利益は計画22億円に対し実績16億円、ROS(売上高営業利益率)は計画10%に対し実績7%となりました。売上高は、半導体不足や部品調達不足による自動車メーカーの減産の影響を受けましたが、顧客への販売が徐々に回復したこと、またトラック・バス・産機・建機・農機向け販売が好調により、計画に対し約3%(7億円)の未達となりましたが、営業利益およびROSにつきましては、売上高減少に伴い計画に対し約28%(6億円)、ROSは3%の未達となりました。
2021年から2023年の3年間の中期経営計画全体としては、売上高は計画680億円、営業利益は計画73億円、ROSは10%以上を計画しております。引き続き2022年度も半導体不足や部品調達不足による自動車メーカー減産の影響や原材料価格・エネルギーコストの高騰や物流の混乱等、当社を取り巻く厳しい環境は続きますが、方針・数値目標の達成に向け邁進してまいります。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループは、一部において受注生産を行っていますが、得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。
当社グループは自動車部品製造事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,301百万円減少し34,672百万円となりました。総資産の減少の主な内訳は、有形固定資産が1,165百万円であります。有形固定資産は、減価償却等により減少しております。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,922百万円減少し7,311百万円となりました。負債の減少の主な内訳は、短期借入金が2,099百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が786百万円であります。短期借入金および長期借入金は、いずれも返済等により減少しております。
(純資産)
当連結会計年度末の非支配株主持分を含めた純資産は、前連結会計年度末に比べ1,621百万円増加し27,362百万円となりました。純資産の増加の主な内訳は、利益剰余金が713百万円、為替換算調整勘定が880百万円であります。為替換算調整勘定は、円安の影響により増加しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ176百万円増加し、5,566百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は3,948百万円(前連結会計年度は4,092百万円の獲得)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益1,623百万円、減価償却費2,607百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は500百万円(前連結会計年度は657百万円の使用)となりました。支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出468百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は3,462百万円(前連結会計年度は1,133百万円の使用)となりました。支出の主な要因は、短期借入金の純増減額2,316百万円、長期借入金の返済による支出863百万円、配当金の支払額267百万円であります。
当社グループの資金需要は、営業活動上の運転資金に加え、自動車部品事業の安定収益の確保に向けた生産能力の増強や技術研究、新規事業の創出に向けた研究開発など、成長投資のための資金があります。これらに必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フローと手元資金でまかなうことを基本としていますが、それを超える投資の場合、金融機関借入することも選択の一つとし、成長の機会を失うことにならないよう安定的な資金調達と資金調達コスト抑制の両立を目指しています。また、半導体および部品調達不足による各自動車メーカーの減産や、国際情勢の悪化に伴う原材料価格、エネルギーコストの高騰、物流の混乱など、厳しい経営環境が続いておりますが、十分な営業キャッシュ・フローを創出できるよう、固定費の徹底圧縮を中心としたコスト改善活動に取り組んでおります。
資金の流動性については、当連結会計年度末に保有している5,566百万円の現金及び現金同等物に加え、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。
(5) 重要な会計上の見積りおよび仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(棚卸資産)
当社グループでは、棚卸資産の保有期間および将来の需要予測に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回るものについては評価減を計上しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(有形固定資産および無形固定資産)
当社グループでは、有形固定資産および無形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。
この判定は、資産の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上することとなります。回収可能価額は、主に割引キャッシュ・フロー・モデルにより算定しており、算定に際しては、資産の耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
減損の有無の判定に際して用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループでは、繰延税金資産の算定にあたって、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期および金額を見積っております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(会計上の見積りの不確実性に関する情報)
新型コロナウイルスの感染拡大による、会計上の見積りの不確実性に関する情報については、「第5 経理の状況 注記事項 (会計上の見積りの不確実性に関する追加情報)」に記載のとおりであります。
技術供与契約(提出会社)
当社グループは、自動車部品製造の単一セグメントであるため、研究開発活動は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当連結会計年度における研究開発活動は、自動車用から汎用に至るまで、陸用、舶用を含む動弁系部品専門メーカーとして、新製品、新技術の研究開発を通じてカーボンニュートラルに向けた内燃エンジンの進歩発展に寄与する事により社会に貢献すべく活動を続けております。
特に自動車産業界は、近年の車に求められる環境対応や更なる燃費向上のエンジン開発を強力に推進しており、当社もこれら社会的ニーズに応えるべく、積極的にエンジンバルブを主体とした動弁系部品の高温化およびエンジン熱効率向上への対応により、お客様に対して迅速、的確かつ信頼性の高い製品を提供すべく、各種の研究開発に努力しております。
この様な背景を踏まえつつ当連結会計年度は、製品の実証試験、各種シミュレーションの信頼性評価を活用した新製品・新工法技術開発に取り組み、カーボンニュートラル促進に向けた高機能特性エンジンバルブの研究開発に加えて、既存製造技術を活用した異分野製品の開発取組みを進めております。
当連結会計年度における研究開発費は