(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府による景気対策や日銀の金融緩和を背景に企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国をはじめとした新興国の経済成長の減速や原油価格の下落、個人消費の停滞などから、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
当社の関係する自動車業界では、国内自動車生産台数は前年割れとなりましたが、北米市場では円安効果もあり自動車販売台数は堅調に推移している状況です。
当社は、第3四半期累計期間において、非連結子会社であるPT. IKUYO INDONESIAが、主要客先からの新規受注獲得に伴う開発及び生産準備のため、同社が実施する資本増強を目的とした第三者割当増資を引き受けました。
その結果、株式の保有比率が51.0%から75.5%に変更となりましたが、財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ、重要性が乏しいため、非連結子会社としております。
このような状況のなか、当社では、主要取引先の海外向け売上が安定的に推移したこと、社内合理化、原価低減により、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益について、当初目標を上回る結果となりました。また、当期純利益については、資産効率の向上を目的として、保有している有価証券の売却を行い、投資有価証券売却益114百万円を計上しました。
また、前事業年度から計上している、繰延税金資産の洗い替えにより、利益の悪化要因として、法人税等調整額24百万円を計上しました。
この結果、当事業年度における業績は、売上高11,894百万円(前年同期比13.0%増加)、営業利益886百万円(前年同期比2.7%減少)、経常利益914百万円(前年同期比10.0%増加)、当期純利益874百万円(前年同期比9.5%減少)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,368百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金は1,750百万円の収入となりました。主な要因としては、税引前当期純利益1,026百万円、減価償却費731百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金は880百万円の支出となりました。主な要因としては、固定資産の取得及び売却の差額により支出が968百万円、資産効率の向上を目的とした投資有価証券の売却による収入143百万円によるものです。
したがいまして、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリーキャッシュ・フローは869百万円の黒字(収入超過)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金は289百万円の支出となりました。主な要因としては、借入金の返済987百万円、今後の資金調達の安定化を目的とした新規の長期借入金700百万円によるものです。
当社は生産・販売体制を基礎とした日本の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
8,030,386 |
16.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度の受注状況は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|||
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受注高(千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
日本 |
11,886,867 |
11.3 |
865,009 |
△0.9 |
(注)1.数量については同一品目のなかでも種類が多く、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
2.金額は、販売価格で表示しております。
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
11,894,565 |
100 |
13.0 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
総販売実績に対する割合 (%) |
金額(千円) |
総販売実績に対する割合 (%) |
|
|
三菱自動車工業㈱ |
4,239,534 |
40.3 |
5,609,061 |
47.2 |
|
三菱ふそうトラック・バス㈱ |
1,692,303 |
16.1 |
1,746,988 |
14.7 |
|
いすゞ自動車㈱ |
950,990 |
9.0 |
1,189,838 |
10.0 |
|
合計 |
6,882,828 |
65.4 |
8,545,888 |
71.8 |
2.数量については同一品目のなかでも種類が多く、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社をとりまく環境は、自動車業界においては、自動車安全技術の普及や燃料電池車の展開等、大きな変化の時代を迎えております。
また一方で、グローバル化が進む自動車産業の環境変化に対応すべく国内完成車メーカーによる生産及び販売拠点の海外シフトが加速して、業界の淘汰・再編が進み、グローバルで高いシェアを有するメーカーのみが生き残れるという厳しい時代になっております。
このような事業環境のなか、当社が継続的に事業規模を拡大させていくためには、下記の課題への対応が必要であると考えております。
① 業務管理体制、内部統制の強化
当社は、業務管理の強化を図り、品質管理、業務運営管理をより一層緻密化して取り組んでおります。また、内部統制の適切な構築、運用のための見直しを継続して行っております。さらに企業価値を高め、社会から信頼される企業として経営の透明性と健全性を確保し、ステークホルダーの皆様との信頼関係の構築に取り組んでまいります。
② 技術力確保と品質向上及び生産性向上
当社は、お客様第一を徹底するため、新規技術・工法の開発による技術力のアップを図り、より高品質な製品の製造により、お客様の要望に応える製品提供に取り組んでまいります。
③ 安定的な収益基盤の強化
当社は、既存及び新規部品の営業強化による受注獲得及び売上拡大を図り、材料調達コストの低減化及び利益確保を目指しながら、財務基盤の健全化に取り組んでまいります。
④ 人財育成による企業強化
当社は、人材が重要な財産であると認識し、会社を発展成長させるための重要な課題として、社内教育、社外教育活用による社員のレベルアップ及び後継者の人財育成を図り、会社全体の収益力向上に取り組んでまいります。
当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
①国内外の経済情勢及び社会情勢の影響
当社は、国内での事業活動を行っておりますが、主要な市場である国内及び国外の景気変動や社会情勢等の影響を受けるため、当社の関連市場における国内外の景気後退は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
したがいまして、当社の取引先または取引先のエンド・ユーザーの所在する国または地域において、法制や税制の変更、政治・経済情勢の変化、インフラの未整備、人材確保の困難性、テロ等の非常事態、伝染病の流行等といったリスクが内在しており、当該リスクが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②特定の取引先への依存度が高いことについて
当社は、自動車部品の製造及び販売を主な内容とした事業活動を行っており、当社の主要な取引先は、三菱自動車工業株式会社であります。同社は、当社の売上実績に対する依存度が約50%と高い割合になっており、同社への依存度が高いことから同社との取引が大幅に減少した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③製品の原価変動の影響
当社は、国内外の複数の仕入先から原材料、半製品等を購入しております。調達する原材料等の購入価格は市況変動の影響を受け、原油関連製品価格の上昇に伴い、仕入価格が上昇する可能性があります。これに対しては販売価格の改定及び製造工程における原価低減に努めておりますが、これら原材料等の価格上昇を製品の販売価格に十分に反映出来ない場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④資金調達環境の影響
当社は、新規受注部品の金型資金等を主に金融機関からの借入金により調達しております。そのため、今後の環境等の変化により、資金調達が出来ない場合及び金利動向に著しい変化が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤自然災害や事故等の影響
当社は、国内に製造拠点等の設備を有しており、当該各地の生産・販売拠点における地域で大規模な地震・台風・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等が発生した場合、事業活動が中断または停滞することにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥法規制等の影響
当社は、事業活動を行う上で、環境法令の適用を受けております。法令または公的規制等の重要な変更等により多額の費用が生じる場合などは、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、樹脂射出成形製品の総合メーカーとして、市場の動向やニーズを迅速かつ的確に捉え、タイムリーに製品価値を提供できる提案型企業を目指しています。そのため自動車、材料メーカー等との情報交換や学協会等との技術交流に力を入れております。また、スピーディな技術開発を進めるべく、社外ネットワークの構築と社内開発体制強化に取り組んでおります。
なお、当事業年度における研究開発費は12百万円であり、以下のような商品価値を高める、競争力の高い新技術開発に取り組んでおります。
1.軽量化への取組み
・樹脂成形技術の高度化による自動車内外装部品の軽量化
・金属機能部品の樹脂化
2.高付加価値塗装技術への取組み
・メッキ代替塗装の開発
・機能性向上塗装の開発
3.次世代商品への取組み
・電動化関連樹脂部材の開発
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に賞与引当金、退職給付引当金および法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末の総資産は9,275百万円となり、前事業年度末に比べ1,244百万円増加いたしました。流動資産は4,698百万円となり、1,062百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金(580百万円)、受取手形(145百万円)が増加したこと等です。固定資産は4,577百万円となり181百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産の増加であり、将来の回収に繋がる金型投資を積極的に行い、工具、器具及び備品(270百万円)が増加したことです。負債合計は5,999百万円となり、前事業年度末に比べ456百万円増加いたしました。流動負債は3,964百万円となり、240百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形(453百万円)の増加及び短期借入金(630百万円)が減少したこと等です。固定負債は2,035百万円となり、215百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金(243百万円)が増加したこと等です。純資産は3,276百万円となり、前事業年度末に比べ787百万円増加いたしました。主な要因は当期純利益(874百万円)の影響により利益剰余金が増加したこと等です。
また、期首において欠損填補を実施しており、この結果、資本準備金及び利益準備金はゼロとなっております。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、11,894百万円となりました。その主な概要につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1)業績」に記載の通りであります。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,078百万円となりました。これは主に、運搬費および人件費等によるものであります。
その結果、当事業年度の営業利益は、886百万円となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は、71百万円となりました。これは主に、受取配当金10百万円、金型精算差益52百万円を計上したためであります。
当事業年度の営業外費用は、42百万円となりました。これは主に、支払利息40百万円を計上したためであります。
その結果、当事業年度の経常利益は、914百万円となりました。
(特別損益・税引前当期純利益)
当事業年度の特別利益は、114百万円となりました。これは主に、保有している有価証券の売却を行い、投資有価証券売却益114百万円を計上したためであります。
当事業年度の特別損失は、2百万円となりました。これは主に、保管期間を経過した金型の売却による固定資産売却損2百万円を計上したためであります。
その結果、当事業年度の税引前当期純利益は、1,026百万円となりました。
(当期純利益)
法人税127百万円、法人税等調整額24百万円を計上しました。
以上の結果、当期純利益は、874百万円となりました。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社は、将来にわたって安定的な収益を確保し、ステークホルダーの皆様から評価される企業を目指し、より厳しい経営環境にも耐え得る筋肉質な経営基盤の構築に取り組むことを経営戦略の基本としております。
当社の主力製品である自動車用樹脂成型品については、市場熟成分野で需要の伸びが期待できず、厳しい業界内競争が続いております。このような事業環境のなかで中長期的視点に立ち、次の時代を切り拓く取り組みとして、以下の項目に経営資源を振り当てて、企業価値の向上に努めてまいります。
① コンプライアンスの順守徹底
② 品質・環境方針の順守徹底
③ 既存及び新規部品の営業強化による受注獲得、売上拡大
④ 生産会社としての技術力の向上、品質管理の徹底、顧客サービス力の向上
⑤ 生産工場として更なる生産性向上と原価低減を推進
⑥ 人財育成による企業強化、社内教育・社外教育による活性化の推進
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金状況は、当事業年度末における現金及び預金の残高では、前事業年度末と比べて580百万円増加して1,368百万円となりました。
なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
「3.対処すべき課題」をご参照ください。