(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策等を背景に緩やかな回復基調にあるものの、消費者マインドの落ち込みにより個人消費は低調に推移しました。また、海外においては、アジア新興国等の経済の先行き、英国のEU離脱問題や米国新政権の政策運営の動向等、先行きは不透明な状況にありました。
当社の関係する自動車業界では、国内における新車販売台数は伸び悩んでおり、海外輸出においても、米国向けが伸びているものの、欧州、中東向けが減少しており、全体的に前年を下回る結果となっております。このような状況のなか、当社では、品質管理及び原価低減に取り組み、収益の拡大に努めてまいりました。
この結果、売上高は10,341百万円(前年同期比13.1%減少)、営業利益497百万円(前年同期比43.9%減少)、経常利益512百万円(前年同期比44.0%減少)、当期純利益346百万円(前年同期比60.4%減少)となりました。なお、経常利益につきましては、シンジケートローンのリファイナンスによるシンジケートローン手数料25百万円、当期純利益につきましては、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益35百万円、保有している投資有価証券(三菱自動車工業株式会社株式)の時価評価の下落による投資有価証券評価損5百万円を計上しております。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,831百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金は1,676百万円の収入となりました。主な要因としては、税引前当期純利益512百万円、減価償却費736百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金は1,716百万円の支出となりました。主な要因としては、金型投資を積極的に行い、固定資産の取得及び売却の差額支出1,770百万円、政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却収入45百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金は502百万円の支出となりました。主な要因としては、借入金の返済454百万円、今後の資金調達の安定化を目的とした新規借入金の調達1,000百万円によるものです。
当社は生産・販売体制を基礎とした日本の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)生産実績
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
7,188,267 |
△10.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度の受注状況は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
日本 |
10,156,084 |
△14.6 |
679,104 |
△21.5 |
(注)1.数量については同一品目のなかでも種類が多く、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
2.金額は、販売価格で表示しております。
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
10,341,989 |
100 |
△13.1 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
総販売実績に対する割合 (%) |
金額(千円) |
総販売実績に対する割合 (%) |
|
|
三菱自動車工業㈱ |
5,609,061 |
47.2 |
4,832,630 |
46.7 |
|
三菱ふそうトラック・バス㈱ |
1,746,988 |
14.7 |
1,670,700 |
16.2 |
|
いすゞ自動車㈱ |
1,189,838 |
10.0 |
1,053,809 |
10.2 |
|
合計 |
8,545,888 |
71.8 |
7,557,140 |
73.1 |
2.数量については同一品目のなかでも種類が多く、かつ仕様も多岐にわたるため記載を省略しております。
3.上記金額には消費税等は含まれておりません。
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、長年にわたり樹脂成型品の分野でお客様に満足いただける素材製品の提供を目指してまいりました。今後も長年培った技術、経験を活かしながら、企業の社会的責任や安全性に十分配慮しつつ、お客様との信頼関係を深めて業績の向上を図るとともに、株主の皆様をはじめ地域社会、取引先、社員など多くのステークホルダーの方々に貢献し、企業価値を継続的に高めてゆくことを、企業の基本方針としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略等
当社は、将来にわたって安定的な収益を確保し、ステークホルダーの皆様から評価される企業を目指し、より厳しい経営環境にも耐え得る筋肉質な経営基盤の構築に取り組むことを経営戦略の基本としております。
当社の主力製品である自動車用樹脂成型品については、市場熟成分野で需要の伸びが期待できず、厳しい業界内競争が続いております。このような事業環境のなかで中長期的視点に立ち、次の時代を切り拓く取り組みとして、以下の項目に経営資源を配分し、企業価値の増大に努めてまいります。
① コンプライアンスの順守徹底
② 品質・環境方針の順守徹底
③ 既存及び新規部品の営業強化による受注獲得、売上拡大
④ 生産会社としての技術力の向上、品質管理の徹底、顧客サービス力の向上
⑤ 生産工場として更なる生産性向上と原価低減を推進
⑥ 人財育成による企業強化、社内教育・社外教育による活性化の推進
(3)目標とする経営指標
当社は経営効率の向上を目指し、経営資源の有効活用による利益拡大、資産の有効活用及び負債圧縮等により経営効率を高め、営業利益率を高水準で維持していくことを重要な経営指標としています。
(4)経営環境
当社をとりまく環境は、自動車業界においては、自動車メーカーの新興国展開により、現地調達比率が拡大するとともに、性能・品質・コストへの要求も一層高まっており、競争環境はより厳しい時代になっております。また、主要取引先である三菱自動車工業株式会社のルノー・日産アライアンスよる「共同購買政策」が少なからず影響し、経営環境は厳しい状況となっております。
一方で、日産自動車株式会社との販売チャネルを活かして、新たなビジネスチャンスも生まれてくるとの期待もあります。
このような事業環境のなか、当社が継続的に事業規模の拡大を図るために、次のような取り組みを行ってまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社が対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 業務管理体制、内部統制の強化
当社は、継続的に成長可能な企業体質を確立するため、内部統制の強化が重要な課題と認識しております。その基本理念に基づいた「内部統制システムの基本方針」を策定しており、適宜見直しを行い必要に応じて改定を行っています。また、業務の有効性及び効率性を高めるべく、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への適切な対応を推進してまいります。さらに、財務報告に係る内部統制が有効かつ適正に行われる体制の運用・評価を継続的に行うことで、経営の公正性・透明性の確保に努めるとともに、当社の業務管理体制を確立し、更なる内部統制の強化に努めてまいります。
② 技術力確保と品質向上及び生産性向上
当社は、品質第一を徹底するため、経営資源を設備投資等に振り向ける一方で、採算改善、原価低減活動の推進等のコスト低減に努め、品質管理のレベルアップに取り組み、更なる品質管理体制の強化に努めてまいります。
③ 安定的な収益基盤の強化
当社は、新規受注及び既存部品の営業強化による売上拡大を図り、顧客満足度の向上と生産・品質管理体制の強化を図り、いかなる事業環境の変化にも対応すべく更なる原価低減活動と生産性の向上に取り組んでまいります。
④ 新技術の創出による成長路線への布石
当社は、自らの新技術の創出に取り組み、受注拡大・生産技術力向上による新工法の提案のための技術力の向上を図り、お客様の要望に応える最適な生産体制の整備を進めてまいります。
⑤ 人財育成による企業強化
当社は、事業環境の変化に対応し、永続的に事業を継続し成長させるため、人財育成強化が重要な課題と認識し、働きがいのある企業体質づくりに取り組んでおります。
当社の経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
① 国内外の経済情勢及び社会情勢の影響
当社は、国内での事業活動を行っておりますが、主要な市場である国内及び国外の景気変動や社会情勢等の影響を受けるため、当社の関連市場における国内外の景気後退は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
したがいまして、当社の取引先または取引先のエンド・ユーザーの所在する国または地域において、法制や税制の変更、政治・経済情勢の変化、インフラの未整備、人材確保の困難性、テロ等の非常事態、伝染病の流行等といったリスクが内在しており、当該リスクが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の取引先への依存度が高いことについて
当社は、自動車部品の製造及び販売を主な内容とした事業活動を行っており、当社の主要な取引先は、三菱自動車工業株式会社であります。同社は、当社の売上実績に対する依存度が約50%と高い割合になっており、同社への依存度が高いことから同社との取引が大幅に減少した場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品の原価変動の影響
当社は、国内外の複数の仕入先から原材料、半製品等を購入しております。調達する原材料等の購入価格は市況変動の影響を受け、原油関連製品価格の上昇に伴い、仕入価格が上昇する可能性があります。これに対しては販売価格の改定及び製造工程における原価低減に努めておりますが、これら原材料等の価格上昇を製品の販売価格に十分に反映出来ない場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金調達環境の影響
当社は、新規受注部品の金型資金等を主に金融機関からの借入金により調達しております。そのため、今後の環境等の変化により、資金調達が出来ない場合及び金利動向に著しい変化が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害や事故等の影響
当社は、国内に製造拠点等の設備を有しており、当該各地の生産・販売拠点における地域で大規模な地震・台風・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等が発生した場合、事業活動が中断または停滞することにより、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 環境・安全に関する法規制等の影響
当社は、事業活動を行う上で、環境に関する規制および自動車の安全性への規制の適用を受けております。法令または公的規制等の重要な変更等により、環境・安全規制に対する多額の費用が生じる場合などは、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 製品の品質に関するリスク
当社は、「品質第一」「顧客第一」「改善活動の推進」を基本方針とし、特に品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。
自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。万が一、製品の欠陥等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 人財育成および確保に関するリスク
当社は、人材が経営の基盤であり、事業環境の変化に対応し、永続的に事業を継続し成長させるため、人財育成強化が重要な課題と認識し、働きがいのある企業体質づくりにより、高齢化に対する技術を伝承する人財を計画的に育成することに取り組んでおります。
特に、積極的な新卒採用活動、研修・教育の充実などの施策を講じていますが、これらの施策にもかかわらず、人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点から、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、樹脂射出成形製品の総合メーカーとして、市場の動向やニーズを迅速かつ的確に捉え、タイムリーに製品価値を提供できる提案型企業を目指しています。そのため自動車、材料メーカー等との情報交換や学協会等との技術交流に力を入れております。また、スピーディな技術開発を進めるべく、社外ネットワークの構築と社内開発体制強化に取り組んでおります。
なお、当事業年度における研究開発費は37百万円であり、以下のような商品価値を高める、競争力の高い新技術開発に取り組んでおります。
1.軽量化への取組み
・樹脂成形技術の高度化による自動車内外装部品の軽量化
・金属機能部品の樹脂化
2.高付加価値塗装技術への取組み
・メッキ代替塗装の開発
・機能性向上塗装の開発
3.次世代商品への取組み
・電動化関連樹脂部材の開発
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に賞与引当金、退職給付引当金および法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積りおよび判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、10,341百万円となりました。その主な概要につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1)業績」に記載の通りであります。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、1,016百万円となりました。これは主に、運搬費および人件費等によるものであります。
その結果、当事業年度の営業利益は、497百万円となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は、82百万円となりました。これは主に、受取配当金9百万円、金型精算差益67百万円を計上したためであります。
当事業年度の営業外費用は、67百万円となりました。これは主に、支払利息30百万円、シンジケートローン手数料25百万円、金型精算差損8百万円を計上したためであります。
その結果、当事業年度の経常利益は、512百万円となりました。
(特別損益・税引前当期純利益)
当事業年度の特別利益は、35百万円となりました。これは主に、保有している政策保有株式の一部売却による投資有価証券売却益35百万円を計上したためであります。
当事業年度の特別損失は、35百万円となりました。これは主に、金型の除却等による固定資産除却損29百万円、保有している投資有価証券(三菱自動車工業株式会社株式)の時価評価の下落による投資有価証券評価損5百万円を計上したためであります。
その結果、当事業年度の税引前当期純利益は、512百万円となりました。
(当期純利益)
法人税68百万円、法人税等調整額98百万円を計上しました。
以上の結果、当期純利益は、346百万円となりました。
(3) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,280百万円となり、前事業年度末に比べ418百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金(462百万円)が増加、売掛金(358百万円)減少したこと等によるものです。固定資産は5,874百万円となり前事業年度末に比べ1,297百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産(1,082百万円)及び投資その他の資産の繰延税金資産(232百万円)が増加したこと等によるものです。
この結果、総資産は10,154百万円となり、前事業年度末に比べ878百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は3,669百万円となり、前事業年度末に比べ294百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形(280百万円)が減少したこと等によるものです。固定負債は2,528百万円となり、前事業年度末に比べ493百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金(526百万円)が増加したこと等によるものです。
この結果、負債合計は6,198百万円となり、前事業年度末に比べ198百万円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,956百万円となり、前事業年度末に比べ680百万円増加いたしました。主な要因は当期純利益の計上(346百万円)等によるものです。
この結果、自己資本比率は39.0%(前事業年度末は35.3%)となりました。
なお、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」を当事業年度から適用し、繰延税金資産の回収可能性に関する会計処理の方法の一部を見直しております。この結果、当事業年度の期首において、繰延税金資産(流動資産)3百万円、繰延税金資産(投資その他の資産)338百万円、利益剰余金342百万円がそれぞれ増加しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金状況は、当事業年度末における現金及び預金の残高では、前事業年度末と比べて462百万円増加して1,831百万円となりました。
なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。