以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、次の経営理念とそれらを実現するための経営ビジョン(当社の進むべき方向性)を策定し、これらの経営方針とビジョンの下、グローバル競争に打ち勝つ企業規模と展開力を実現し、安全・環境に即した先進技術の追求を通じ、車体部品とトランスミッション部品の専門メーカーとして世界TOPを目指し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。
<経営理念>
社是
・人間性尊重
・技術革新
・堅実経営
行動指針
・愛情と相互信頼をモットーに自己啓発に努めよう
・先進技術を追求し良質廉価な製品を提供しよう
・自主性をもち英知と機敏さで社会に貢献しよう
<経営ビジョン>
先進技術と良質廉価技術の融合で低炭素社会に貢献し、世界中のお客様に満足される企業
(2)経営指標
当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、自己資本に対する収益性を高めること、そのために、売上・利益の持続的な拡大を図ることを目指しています。
健全な財務体質を維持向上するため、自己資本比率は50%以上を維持すること、同時に、資本効率の面では資本利益率(ROE)は8%以上を目指します。そのためには、安定した利益成長が求められます。当社は売上・利益の拡大を図るため、売上高成長率及び売上高営業利益率の向上を目指します。また、設備産業の特性から、売上拡大のための設備投資と資産は効率性を重視し、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)の向上を目指します。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループが属する自動車業界は、電動化、自動運転における急速な技術革新と異業種参入、さらには、世界各国の政府が定める温暖化・気候変動にかかる環境基準への対応のため、大きな転換点を迎えています。
このような経営環境の中、当社は、「情熱と革新を融合させ、人とクルマのより良い未来をかたちづくる」をビジョンに掲げ、開発から量産までを担う車体専門メーカーとなり環境と安全性で車づくりをリードする企業を目指し、以下の取り組みを加速させていきます。
① 成長加速、売上・利益の拡大
気候変動問題への対応として、各OEMは戦略を見直し、EV化を加速させています。当社は、今後のEVの需要増加を事業拡大に繋げるため、EV関連事業を確立します。
新規事業創出として、従来から取り組んできた車体1台解析技術を土台として、EV専用プラットフォームの開発への参入を目指します。
また、EV関連商品のラインナップ拡充のため、顧客のニーズに合わせてカスタマイズできるバッテリーハウジングや電動パワートレイン関連部品領域での事業創出にも取り組んでまいります。
② 企業の変革
新たにDX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトを立ち上げ、デジタル技術を活用した自社内のバリューチェーンの革新を進めてまいります。
顧客との信頼の基礎である品質保証領域では、グローバルでグループの品質情報を可視化し、モニタリングすることで、予知予防による管理を目指します。
③ 人財の育成・確保
多様な社員が、互いに尊重し合い、能力や個性を発揮し、働くことを通じてやりがいや成長を感じられる組織を目指して、マネジメント力のレベルアップに取り組み、「管理」から、人や組織に光を当てるマネジメントに転換します。
また、それぞれの社員には、公正かつ継続的に教育機会を提供し、一人一人が強みを認識し持ち味を存分に高め発揮できる育成施策を講じます。
さらには、公正な採用選考、平等な登用制度、ジョブ型処遇制度を掲げ、ジェンダー、国際性、職歴、年齢の面を含む多様な人財の育成・確保に努めてまいります。
④ 社会貢献
企業の持続的な成長のため、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、あらゆるステークホルダーとの適切な協働により、サステナビリティの課題に取り組んでまいります。
⑤ 気候変動問題への取り組み
地球環境問題の中でも、とりわけ気候変動に関する問題は喫緊の課題であり、世界的にも対応が加速しています。当社はグループ全体でCO₂削減に強力に取り組み、企業の社会的責任を果たすべく、2021年4月にGX(グリーン・トランスフォーメーション)プロジェクトを発足しました。具体的な取り組みとして、生産性向上による電力使用量の削減、再生可能エネルギーへの置換、太陽光発電の導入拡大と自家消費への切り替えを推進しております。再生可能エネルギーの利用状況に関しましては、2021年4月時点で国内の生産工程で使用する電力の約30%を再生可能エネルギーに切り替えました。以上の日本国内における取り組みを順次海外拠点へ展開していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあることを認識しております。
なお、以下に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。
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リスクの分類 |
リスクの項目 |
リスクの説明 |
リスクの対策 |
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事業環境 |
経済環境の変化 |
当社グループは、日本、北米、中国及びその他のアジア地域、南米、欧州と、世界各国において事業を展開し、現地の完成車メーカー及び関連部品メーカーに対し製品を供給しております。これらの市場における経済の後退による消費の低迷や税制による消費者の購買意欲の低下は、自動車の販売低下につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、事業展開をしている世界各国の市場の動向を注視し、設備投資の判断や適正な要員配置・経費管理等の面で迅速かつ的確な対応が取れるように努めております。 |
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自動車市場の変化 |
自動車業界では、車の電動化、自動運転等における急速な技術革新と異業種参入、さらには、温暖化・気候変動にかかる世界的な環境規制強化の目標が打ち出されるなど、大きな転換点を迎えています。 当社グループには、事業展開にあたり、多くの競合他社との競合・価格競争にさらされていますが、他業種からの新規参入が増加している状況下にあって、今後も市場シェアを維持・獲得できる保証はありません。また、製品に適用される環境基準は、受注獲得にとって更に重要度を増していくことが想定されます。 シェアの変動及び環境基準への適合に当社が適切に対応できない場合、受注を失い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
自動車の完成車メーカーが、サプライチェーン全体での脱炭素化を求める状況を想定し、当社として2050年カーボンニュートラルを宣言し、GX(グリーン・トランスフォーメーション)プロジェクトを立ち上げて、当社の事業活動におけるゼロエミッションを目指しております。 また、EV専用プラットフォーム開発、顧客ニーズに合わせてカスタマイズできるバッテリーハウジング、電動パワートレイン関連部品などのEV関連事業の取り組みを行っております。 |
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事業運営 |
技術 |
研究開発中の技術について他者が当社グループに先行して知的財産権を取得するなど、技術の権利化に劣後した場合には、製品化することができない、又は追加の費用が発生する可能性があります。また、顧客ニーズの変化を予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合や適時に提供できない場合、想定よりも需要が伸びなかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、投資負担が当社グループの財政状態又は業績に影響を与える可能性があります。 当社グループの取扱分野において新素材の普及が進んだ場合には、当社グループの製品と競合することとなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、知的財産の管理に特化した専門の部署を設置し、知財戦略に基づいた知的財産の管理を行っております。 また、北米・欧州・中国に所在する開発・リサーチ拠点が収集した情報を、当社グループの研究開発の中核拠点であるGTL(ジーテクト東京ラボ)に集約し、市場ニーズの把握に努めるとともに、GTLを中心に欧州ESP(Engineering Service Provider)と協業して新たな技術の研究開発に取り組んでおります。 |
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リスクの分類 |
リスクの項目 |
リスクの説明 |
リスクの対策 |
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事業運営 |
リスクマネジメント |
当社グループは、海外において積極的な事業展開を図っております。これらの国、地域においては、予期することのできない法律又は諸規制の決定又は変更、知的財産をはじめとする各国間の制度・法令の相違、政府による外貨規制・投資政策・関税政策など諸政策の発動、政治経済情勢の変化、賃金水準上昇等の社会・労働環境の変化等による人材確保の困難などの様々なリスクがあります。これらのリスクに対して当社グループが適切に対処できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、当社グループ全体でのリスク管理の重要性に鑑み、当社グループが進出している国ごとにリスクマップを作成しており、これに基づいて各子会社が最優先対応リスクを選定し、対策を推進しております。 |
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特定の販売先への依存 |
当社グループは、本田技研工業株式会社が総議決権の30%以上を所有しており、同社は当社のその他の関係会社に該当している他、連結売上高の概ね6割強を本田技研工業株式会社及びそのグループ会社が占めております。同社とは、資本的関係及び継続的かつ安定した取引上の関係にあり、同社グループの国内外における生産及び販売の動向、事業戦略や購買方針等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、得意先グループとの長期にわたる緊密な取引関係を通じ、生産及び販売の見通し、事業戦略や購買方針に関する将来の方向性を共有し、自社グループの投資・事業戦略の判断に活用しております。 また、既存の取引先以外の取引先との取引を拡大するため、価格競争力のある開発提案による営業戦略を展開しており、これによって、特定の販売先への依存リスクの低減を図っております。 |
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品質 |
当社グループの製品について、予期できない品質問題が発生した場合には、コストの発生や当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、関連法規を遵守し、国際的な品質管理基準に従って設計・製造を行い、品質ガバナンスを徹底することで品質向上に努めております。また、カメラ映像や画像解析技術を活用した品質保証を進め、生産ライン内部での制度・品質検査の実現により、質の信頼性向上に取り組んでおります。 さらには、新たに立ち上げたDX(デジタル・トランスフォーメーション)プロジェクトを通じて、グローバルでグループの品質情報を可視化し、モニタリングすることで、予知予防による管理を目指します。 |
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サプライチェーン |
当社グループは、主要な部分品・購入品の調達について、当社グループ内外の調達先から供給を受けております。このため、感染症の拡大あるいは洪水等の天災等により、調達先の操業が停止することで、調達ができない状況が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
製品の原材料である鋼材は高炉メーカーより供給されております。サプライチェーンの途絶について、金型の制作を金型メーカーにも委託しておりますが、金型製作のリードタイム短縮、工程分散をはかり、万一の際の物流確保などによるリスク低減・早期復旧を図っております。また、量産外注品については、協力メーカーに加工を委託しておりますが、ハザードマップを確認し、代替先を確保することなどにより、リスクに備えております。 |
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リスクの分類 |
リスクの項目 |
リスクの説明 |
リスクの対策 |
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事業運営 |
為替 |
当社グループは、国際的な事業展開の結果、本邦通貨に対する外貨の価値変動が当社グループの業績に影響します。当社グループの連結売上高の8割は海外子会社による現地生産であり、為替変動は本邦通貨への換算差額として、財政状態及び業績に影響があります。 また、海外の販売先に対し金型・治工具等の生産設備を販売するなど、一部の製品及び部品等を輸出しております。急激又は大幅な為替変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、製品及び部品の輸出に関して、為替予約等の手段で為替変動による影響の軽減を図っており、為替リスクに対する対策を行っております。 |
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コンプライアンス |
当社グループは国内外の広範な法令に従って事業活動を展開しており、万が一、役職員による法令等の違反があった場合には、各種の訴訟や規制当局の訴追により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、コンプライアンスオフィサーを委員長とするコンプライアンス小委員会が主導して、自己検証、コンプライアンスに関する研修、社内啓発、企業倫理改善提案内容のレビューなどを行っており、例えば不正競争防止や腐敗防止などに関するグループ共通の基本方針を策定し、従業員への周知展開を行うなど、法令及び社内規程を遵守する体制を構築しております。 |
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感染症・自然災害等 |
新型コロナウイルス感染症等の新たな感染症の発生 |
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、当社でも、当初、得意先の生産休止等に伴う現地生産施設の操業一時停止等が発生し、業績に影響を与えました。当社の生産状況は回復傾向にありますが、気候変動やグローバリゼーションの影響による新たな感染症の流行も懸念されることから、今後も予断を許さない状況にあり、感染の再拡大等によって、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、感染症の拡大に伴う操業停止中も支出が継続する労務費等の固定費に対して、日本・北米などで金融機関からの資金調達を適宜行うことで、グループ全体の手元流動性を確保しております。また、株式会社格付投資情報センター(R&I)から信用格付「A-」を取得しており、資金調達の多様化を図っております。 中長期的には、生産領域の自動化、工場・事務所のレイアウト見直しによる感染リスクの低減を図るとともに、リモートワーク導入を機に間接部門の働き方を再構築することで労働生産性の向上に取り組み、収益性の改善に努めてまいります。 |
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自然災害等 |
当社グループは、国内外において工場を設け、プレス、溶接加工等の生産設備を活用し、現地で従業員を採用し、自動車部品の生産、販売を行っております。大地震、洪水、津波、竜巻などの自然災害、感染症などの疾病の流行、戦争及びテロ、大衆運動、現地従業員のストライキ等の労働問題、電力やエネルギーの使用制限などに影響される可能性があります。これらが発生した場合には、原材料や部品の調達、生産、販売に遅延や停止を生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント小委員会が主導して、リスクの把握・対策の実施・被害の最小化に向けた取り組みを継続的に行っています。具体的には、有事の際の代替取引先の検討などのサプライヤーマネジメントに取り組んでおります。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、世界各地で移動が制限
され、経済活動が停滞しました。各国の巨額の財政出動や金融緩和により、第1四半期を底に回復しましたが、第3~4四半期は欧米を中心に感染が再拡大し、活動制限が再び強化され、雇用回復は鈍化しました。今後、ワクチン接種の普及拡大による経済回復が期待されています。
自動車業界は、第1四半期に生産活動停止や販売縮小で大変な打撃となりましたが、生産再開後は、中国は好調
な生産状況が続き、米国や欧州も回復しました。新興国は他の地域と比べ生産再開に遅れが生じていましたが、回復傾向にあります。一方で、第4四半期における半導体や原材料不足の影響による生産停止など、依然として先行の不確実性が高い状況が続いています。
このような環境の中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末より5,767百万円増加し、237,955百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末より7,686百万円減少し、92,903百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末より13,453百万円増加し、145,052百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は209,420百万円(前期比8.3%減)、営業利益は8,050百万円(前期比7.2%減)経常利益は8,653百万円(前期比1.0%減)、親会社株主に属する当期純利益は6,532百万円(前期比15.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1)日本
売上高は49,712百万円(前期比4.0%減)となり、営業損益は、500百万円の営業損失(前期は146百万円の利益)となりました。
2)北米
売上高は、70,043百万円(前期比13.1%減)となり、営業損益は、75百万円の営業損失(前期は1,533百万円の損失)となりました。
3)欧州
売上高は、17,680百万円(前期比14.5%減)となり、営業利益は、2,765百万円(前期比6.8%増)となりました。
4)アジア
売上高は、23,593百万円(前期比32.1%減)となり、営業損益は、499百万円の営業損失(前期は2,608百万円の利益)となりました。
5)中国
売上高は、56,185百万円(前期比26.9%増)となり、営業利益は、6,335百万円(前期比34.1%増)となりました。
6)南米
売上高は、5,140百万円(前期比36.7%減)となり、営業損益は、244百万円の営業損失(前期は226百万円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、25,970百万円となり、前連結会計年度に比べ5,870百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは25,120百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは15,527百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは、17,343百万円の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
43,396 |
△10.4 |
|
北米 |
66,709 |
△16.5 |
|
欧州 |
11,288 |
△28.2 |
|
アジア |
23,664 |
△22.4 |
|
中国 |
48,316 |
25.9 |
|
南米 |
4,683 |
△36.5 |
|
合計 |
198,059 |
△10.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
46,880 |
16.0 |
12,006 |
43.4 |
|
北米 |
96,514 |
60.3 |
20,101 |
453.4 |
|
欧州 |
23,317 |
35.6 |
4,501 |
177.5 |
|
アジア |
38,102 |
34.3 |
6,100 |
128.2 |
|
中国 |
43,319 |
△2.0 |
14,031 |
12.9 |
|
南米 |
9,837 |
54.3 |
1,803 |
1,870.9 |
|
合計 |
257,972 |
31.1 |
58,545 |
103.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
39,335 |
△9.0 |
|
北米 |
69,587 |
△13.1 |
|
欧州 |
17,486 |
△14.4 |
|
アジア |
23,203 |
△33.1 |
|
中国 |
54,694 |
31.1 |
|
南米 |
5,112 |
△37.1 |
|
合計 |
209,420 |
△8.3 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
本田技研工業㈱ |
24,919 |
10.9 |
26,559 |
12.7 |
|
Honda of America Mfg.,Inc. |
21,555 |
9.4 |
22,770 |
10.9 |
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度双方について、当該割合が100分の10未満の相手先は記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
a.繰延税金資産
繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。マネジメントは、将来の利益計画に基づく課税所得の見積りは合理的に行われたものと考えておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しております。マネジメントは、前提や検討は妥当なものと考えておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
c.退職給付に係る負債及び退職給付費用
退職給付に係る負債及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付に係る負債の割引率、年金資産の期待運用収益率等の仮定に基づいて算出しております。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有する優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定し、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等に基づいて決定しております。マネジメントは割引率、年金資産の期待運用収益率に使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ5,767百万円増加し、237,955百万円となりました。流動資産は、主に受取手形及び売掛金が増加したものの、現金及び預金の減少により、前連結会計年度末と比べて1,713百万円減少し、90,565百万円となりました。固定資産は、主に設備投資により、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、工具、器具及び備品(純額は減少)が増加し、有形固定資産が前連結会計年度末と比べて6,686百万円増加し、135,463百万円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末より7,686百万円減少し、92,903百万円となりました。流動負債は、主に買掛金、未払金等が増加したものの、短期借入金が減少し、前連結会計年度末と比べて6,991百万円減少し、62,261百万円となりました。固定負債は、主に長期借入金や退職給付に係る負債が減少し、前連結会計年度末と比べて695百万円減少し、30,641百万円となりました。
(純資産合計)
主に、為替換算調整勘定、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の増加により、前連結会計年度末と比べて13,453百万円増加し、145,052百万円となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、第2四半期以降回復基調となり、中国では好調な市場環境により生産台数が増加し、他地域においても生産回復しましたが、第1四半期における新型コロナウイルス感染拡大に伴う稼働停止や第4四半期における一部地域の半導体不足の影響で、量産売上が減少し、売上高は209,420百万円(前期比8.3%減)となりました。利益につきましては、増益となった中国、欧州を除く地域の減収の影響等により、営業利益は8,050百万円(前期比7.2%減)となりました。経常利益は、金融緩和による金利低下やドル安の結果、為替差益など金融収支が改善し、8,653百万円(前期比1.0%減)となりました。親会社株主に属する当期純利益は、非支配株主に帰属する純損失があった一方で、日本及び中国の税負担が減少し、6,532百万円(前期比15.9%増)となりました。
受注生産台数(千台)
当連結会計年度の本田技研工業株式会社グループから受注した生産台数をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
合計 |
4,413 |
4,240 |
△173 |
△3.9 |
|
日本 |
807 |
687 |
△120 |
△14.9 |
|
北米 |
1,556 |
1,268 |
△289 |
△18.5 |
|
欧州 |
96 |
70 |
△26 |
△27.0 |
|
アジア |
452 |
266 |
△186 |
△41.2 |
|
中国 |
1,369 |
1,877 |
508 |
37.1 |
|
南米 |
132 |
72 |
△60 |
△45.5 |
(注)上記数値は千台未満を四捨五入して表示しています。増減率は一台単位まで計算しています。
セグメントの業績は次のとおりであります。
1)日本
売上高は、生産が第3四半期に回復した一方、第1四半期、第4四半期の減産及び機種構成変化の影響による量産売上の減少等により、49,712百万円(前期比4.0%減)となりました。営業損益は、製造経費や販管費等を削減した一方で、減収の影響や海外ロイヤルティの減少等により、500百万円の営業損失(前期は146百万円の利益)となりました。
2)北米
売上高は、第2~3四半期にかけて生産が回復した一方、第1四半期の工場操業停止や、第4四半期の寒波及び半導体不足による得意先の生産停止の影響で生産台数が減少し、70,043百万円(前期比13.1%減)となりました。営業損益は、75百万円の営業損失(前期は1,533百万円の損失)となりましたが、政府支援による労務費削減のほか、品質コストの減少等により、前期と比べ、損失は大幅に縮小しました。
3)欧州
売上高は、本格稼働したスロバキア新拠点が量産売上を伸ばした一方で、イギリス拠点の生産台数減少の影響が大きく、17,680百万円(前期比14.5%減)となりました。営業利益は、増収効果やスロバキア拠点の黒字化、得意先の未償却補償及び英国政府の補助金等により、2,765百万円(前期比6.8%増)となりました。
4)アジア
売上高は、コロナ禍の生産停止から回復しつつありますが、従来からの自動車市場の低迷に加え、機種構成の変化や緩慢な生産回復により、23,593百万円(前期比32.1%減)となりました。営業損益は、減収の影響等により、499百万円の営業損失(前期は2,608百万円の利益)となりました。
5)中国
売上高は、コロナ禍からの経済急回復や旺盛な日系電動車需要に支えられ、量産売上の増加等により、56,185百万円(前期比26.9%増)となりました。営業利益は、増収効果に加え、労務費及び製造経費の増加を抑えたことにより、6,335百万円(前期比34.1%増)となりました。
6)南米
売上高は、第2四半期で生産が再開した一方、得意先の減産が影響し量産売上が減少したこと等により、5,140百万円(前期比36.7%減)となりました。営業損益は、製造費用等の削減を進めましたが、減収の影響が大きく、244百万円の営業損失(前期は226百万円の利益)となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、5,870百万円減少し、25,970百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動のキャッシュ・フローは、25,120百万円の資金増加となり、前連結会計年度が22,933百万円の増加であったことに比べて、2,187百万円の増加となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益8,308百万円、減価償却費19,721百万円です。減少要因は、売上債権の増加4,445百万円、法人税等の支払額2,028百万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動のキャッシュ・フローは、15,527百万円の資金減少となり、前連結会計年度が25,004百万円の減少であったことに比べて、9,477百万円の増加となりました。主な減少要因は、海外拠点の工場拡張及び生産能力拡大投資に伴う有形固定資産の取得による支出19,205百万円、無形固定資産の取得による支出362百万円です。増加要因は、定期預金の減少3,947百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動のキャッシュ・フローは、17,343百万円の資金減少となり、前連結会計年度が13,532百万円の増加であったことに比べて、30,876百万円の減少となりました。主な減少要因は、短期借入金の減少14,083百万円、配当金の支払額2,126百万円です。
(3)資本の財源及び資金の流動性
a.資本政策
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、成長投資とリスクを許容できる株主資本の水準を維持すること、及び安定的・継続的な株主還元を実施することを基本方針としております。
事業活動によって得られた資金は、まず、成長投資及び研究開発費に向けられます。敏速な投資実行と危機対応を可能にする自己資本の水準を維持するため、内部留保に充てられます。こうした良好な財務基盤の上で、株主還元としての増配を安定的・継続的に行うこととしています。
b.資金調達の状況
当社グループは、運転資金及び設備投資資金を、内部資金又は借入により資金調達することとしています。
運転資金需要は、新規車種開発に伴い得意先に売却予定の金型・専用設備等の制作費用、量産部品製造のための原材料、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用などによるものです。
また、設備投資需要は、量産部品生産用汎用設備の取得や生産能力増強、あるいは新規生産拠点設立にかかる出資及び設備投資などによるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。また、設備投資に関しては、将来の資金創出能力を見積もり、当該能力の範囲内で設備投資を行うことを基本としております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としております。長期運転資金や設備投資資金は、金融機関からの長期借入を基本としています。2020年4月、株式会社格付投資情報センター(R&I)から信用格付「A-」を取得しました。長短期の資金調達の多様化を図ってまいります。
海外子会社については、自己資金及び子会社が取引通貨、通貨の安定性等を勘案して最も適切な通貨で金融機関からの資金調達を基本としております。調達通貨の金利・為替の状況、子会社の財務状態等を勘案して、当社からの資金貸出を行うこともあります。
新型コロナウイルス感染症の影響による工場操業停止や減産に対応し、手元資金を確保するため、2021年3月期の期初から銀行借入れを拡大しました。早期の生産再開で営業活動によるキャッシュ・フローが回復したことにより、短期借入金を一部返済し、期末現在において手元流動性は正常化しています。
主要な借入先の状況(百万円)
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借入先 |
前連結会計年度末 |
当連結会計年度末 |
増減額 |
|
㈱三菱UFJ銀行 |
21,724 |
13,063 |
△8,661 |
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㈱三井住友銀行 |
11,342 |
10,535 |
△807 |
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㈱みずほ銀行 |
10,308 |
7,545 |
△2,763 |
|
三井住友信託銀行㈱ |
4,575 |
4,014 |
△561 |
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日本生命保険相互会社 |
2,929 |
2,932 |
3 |
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㈱埼玉りそな銀行 |
3,892 |
2,887 |
△1,005 |
(1)当社が技術援助等を与えている契約
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相手先 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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Jefferson Industries Corporation |
米国 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2013年2月1日 至2016年1月31日 以降1年毎に自動延長 |
|
Jefferson Elora Corporation |
カナダ |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自1997年3月31日 至2002年3月30日 以降5年毎に自動延長 |
|
Jefferson Southern Corporation |
米国 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2013年3月31日 至2016年3月30日 以降1年毎に自動延長 |
|
G-TEKT MEXICO CORP. S.A. DE C.V. |
メキシコ |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2017年1月1日 至2019年12月31日 以後1年毎に自動延長 |
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G-ONE AUTO PARTS DE MEXICO S.A. DE C.V. |
メキシコ |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2013年4月1日 至2015年3月31日 以後1年毎に自動延長 |
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Austin Tri-Hawk Automotive, Inc. |
米国 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2015年1月1日 至2017年12月31日 以降1年毎に自動延長 |
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G-KT do Brasil Ltda. |
ブラジル |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2016年4月22日 至2021年4月21日 |
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Auto Parts Alliance (China) Ltd. |
中国 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2016年6月30日 至2021年6月29日 以降1年毎に自動延長 |
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Wuhan Auto Parts Alliance Co., Ltd. |
中国 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2017年4月1日 至2022年3月31日 以降1年毎に自動延長 |
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相手先 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
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G-TEKT Europe Manufacturing Ltd. |
イギリス |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2000年2月1日 至2004年1月31日 以降4年毎に自動延長 |
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G-TEKT (Thailand) Co., Ltd. |
タイ |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自1997年4月1日 至2002年3月31日 以降1年毎に自動延長 |
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G-TEKT Eastern Co., Ltd. |
タイ |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自1996年5月1日 至2001年4月30日 以降1年毎に自動延長 |
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G-TEKT India Private Ltd. |
インド |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2014年6月1日 至2017年5月31日 以降1年毎に自動延長 |
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PT.G-TEKT Indonesia Manufacturing |
インド ネシア |
自動車用部品、プレス金型及び治工具 |
自動車用部品、プレス金型及び治工具に関する技術及び製造ノウハウ供与につき、その製造権、使用権、販売権を非独占的に付与する契約 |
自2013年9月1日 至2016年8月31日 以降1年毎に自動延長 |
(注) 上記については、ロイヤルティとして売上高の一定率を受け取っております。
(2)研究開発基本契約
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相手先 |
契約内容 |
契約期間 |
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G-TEKT North America Corporation |
G-TEKT North America Corporationが当社に対して当社が北米で製造・販売する製品についての研究開発支援を行う旨の契約 |
自2013年10月1日 至2018年9月30日 以降5年毎に自動延長 |
(3)業務委託契約
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相手先 |
契約内容 |
契約期間 |
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G-TEKT (Deutschland) GmbH. |
自動車開発・生産における最新技術の情報、テーマ、及びニーズの調査を委託する契約 |
2015年6月29日から無期限 ただし、3ヶ月間の事前通知にて解除可 |
当社グループは、環境負荷低減と脱炭素社会の実現、安全性の高い自動車づくりを実現するため、軽量・高強度な車体部品の開発・製造に関わる研究開発活動を推進しております。
このなかで、環境規制、安全、車両電動化に関する先行技術や新製品の研究開発は、2018年4月から稼働している日本のジーテクト東京ラボにおいて当社の開発本部開発部がその役割を担っています。当連結会計年度の開発本部の研究開発費の総額は
<先進技術開発>
EV化の加速を受けて、従来の車体のマルチマテリアル化のための新素材の加工、接合技術の早期量産化に加え、電動化によりさらに厳しくなる強度要件、軽量化要求に対応していくための要素技術開発にも着手しております。具体的には、以下のテーマに取り組んでおります。
・低歪の高速連続接合
・異種材料接合技術
・接着接合
・テーラードプロパティ
・重量増となる電動車に対応する高強度軽量素材の成形技術開発(鉄/アルミ/複合材)
<電動化対応>
電動車車体は、旗艦車種向けの高性能で最軽量の仕様、普及車種には価格と軽量化のバランス仕様という2つのニーズを想定しています。そのニーズに応えるために、今期は以前より開発を進めていたバッテリーハウジングのコンセプトを提案し、技術展示会への出展を行いました。最軽量の仕様には、先進の軽量化素材を高効率かつ高精度に組み合わせる設計能力と接合技術が必要であり、普及仕様についてはコスト低減と生産性の向上が望まれます。それらの要素を踏まえて今期は鉄・アルミのハイブリッド型のコンセプトとしました。
また、EVには、バッテリーハウジングと車体構造が複合的な機能をもつ非常に重要な部品群となっていくことが求められるため、仕様構築には高度な設計検討能力が必要となります。この課題に対しては軽量化提案活動により獲得した車体一台解析技術を駆使することで、EVの2極化のニーズに向けて、バッテリーハウジングを含めたEV車体の開発を進め、EV専用プラットフォーム提案につなげてまいります。主な開発内容は以下のとおりです。
・多くの顧客向けの仕様を容易に構成できるフレキシブル性
・ボリュームゾーンに対応できる高い生産性をもった環境負荷の低い工法の選択と仕様構築
・鉄主体とした価格と軽量化の両立
・上記の3つの要素を織り込んだ例として具現化したバッテリーハウジングコンセプトの提案
・ボディとパワートレインをつなぐシャーシ部品領域の仕様構築ノウハウの蓄積
・電動車両としての衝突安全性に配慮した車一台分の最適仕様の構築
電動パワートレイン関連部品は世界的なEV需要の急拡大に伴いニーズも急拡大すると想定しており、ジーテクトの基盤技術を活かして貢献することができる領域についてのリサーチを開始しました。リサーチの内容は以下のとおりです。
・電動車駆動用モーター関連部品の量産化技術
・電動車駆動系減速装置関連部品の量産化技術
また、生産技術開発の領域では、技術・営業領域で蓄積した技術基盤や専門の知見をもって、お客様と連携しながら、新規車種の生産準備である機種開発に従事するとともに、既存技術の進化に取り組み、コスト低減・開発期間の短縮・品質の信頼性向上を図り、企業競争力の強化に努めております。
(1)冷間ウルトラハイテンの加工技術開発
車体軽量化に伴う高強度部材の適用拡大が進む中、金型構造・型材・表面処理進化による耐荷重・摩耗性の向上、成型ひずみ予測技術進化による精度熟成工数の削減、新工法による成型課題の克服に取り組んでおります。
(2)ホットスタンプの加工技術開発
新冷却構造の開発、レーザーレスの実現に向けた取り組みを進め、部品1個あたりの電力使用量削減を目指しております。
(3)溶接ラインにおける生産性・品質の信頼性向上の取り組み
ビジョンシステムを活用した部品投入・払い出しの要員削減、レーザースキャン・非破壊検査機器を組み合わせた部品精度・溶着強度保証のインライン化に取り組んでおり、生産性・品質の信頼性向上に努めています。
(4)トランスミッション部品の開発
トランスミッションメーカーのHEV・EVモーター一体形変速システム開発に追従した新規部品開発に取り組んでおり、電動化拡大による新たな価値創造を目指しております。
<知的財産権の活用と管理>
技術開発や生産活動の過程で生み出される知的財産権を積極的に保護管理・運用を行い、経営計画に基づく知財戦略を進めることにより、当社の企業価値向上に注力しております。
グループ全体を取りまとめる知財管理体制を構築し、技術開発部門及び各生産拠点と、知財部門との円滑な連携のため、知財推進担当を置き、隠れた技術やアイデアを抽出し特許取得につなげております。