第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、継続的な変革の思想を明確にすべく、当社グループの果たすべき使命と行動指針を経営理念として掲げております。

IMASENの使命>

 想像力を豊かにし、これまでに存在しない全く新しい製品・サービスを創造し、これをより安く、より速く、世の中に提供することで、人々の豊かな暮らしに貢献いたします。

IMASENが大切にするモノ・行動指針>

・挑戦-「ありたい姿」を描き、高い目標を設定して、積極果敢にチャレンジしよう。

・創意工夫-既成概念にとらわれず、創意工夫を積み重ねて、問題を乗り越えよう。

・自主性-仲間との連携を大切にしつつ、自立・平等・信頼の精神で主体的に行動しよう。

 

(2)経営戦略等

 長期経営方針「Dream2020」では2020年に達成すべき長期ビジョンとして以下を掲げ取り組んでまいります。

   ①シートアジャスタで世界トップ

    (商品性、技術力で世界をリードする製品を提供し続ける)

   ②オンリーワン製品で環境・自動車安全に貢献

    (機構技術と電子技術の融合による環境・安全関連製品を市場に投入し、事業の柱とする)

   ③非自動車事業の存在感を高める

    (福祉機器、航空宇宙、検査機器分野などの育成により国内事業を再構築する)

   ④効率的で公平なグローバルマネジメント

    (グローバルでグループ経営最適化を追求できる管理体制を構築する)

 

 フェーズ3(2018-2020年度)<重点展開方針>

  技術革新

   (IMASENグループの『技術』『造り』『品質』『管理』のすべての総力を終結させ、イノベーションを推進する)

  国内事業の再構築

   (国内市場において事業、生産拠点をあるべき姿に再構築する)

  グローバル拠点最適化

   (グローバル拠点の競争力及びネットワークの強化を推進する)

  人材育成

   (グローバルでの人材育成を加速させ強化する)

  事業の選択と集中

   (リソースの適正配分により事業全体での収益体質強化を図る)

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおきましては、昨年度からスタートした中期経営計画「Dream2020」フェーズ3の経営目標として、2020年度営業利益率6%を掲げております。

 

(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の当社グループを取り巻く環境につきましては、先進国・新興国ともに景気は堅調に推移すると思われますが、米中貿易摩擦や中国経済の減速等の動向に注視する必要があります。国内では消費税率の引き上げ等による影響を受けつつも、政府の経済対策の効果により景気回復が続くものと思われます。

 当社グループが関連する自動車業界におきましては、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)に代表される次世代自動車の研究開発や業界再編が加速しており、当社グループをとりまく環境も大きく変化しております。

 当社グループにおきましては、引き続き、中期経営計画「Dream2020」のフェーズ3で掲げた重点展開方針である「技術革新」「国内事業の再構築」「グローバル拠点最適化」「人材育成」「事業の選択と集中」への取り組みに注力し、売上拡大と収益体質強化を実現してまいります。

 特に、当社グループは、得意先メーカーのグローバル車種を受注するためにも海外における生産・供給体制を維持する必要があります。北米の経営不振に対する改善策として、メキシコ拠点の活用を推進してまいりましたが、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の影響等を見極めつつ、北米事業3拠点の生産体制の再見直しをはじめとした収益改善の施策を推し進め、経営再建を図ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社及びグループ各社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経済状況の変化について

 当社グループは、日本、北中米、アジアに事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済情勢の変動により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 為替レートの変動について

 当社グループの主要基盤である自動車部品関連事業については、今後も海外展開の拡大により海外売上高の比率が高まってくるものと予想されます。他国の通貨に対する日本円の為替レートの変動は、販売価格面での競争力に影響を及ぼします。為替変動に対しては社内基準に基づき為替予約を実施しておりますが、全てを排除することは困難であり、経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、当社の外貨建取引による外貨換算額及び連結財務諸表作成に用いる海外グループ会社の財務諸表は、決済、換算時の為替レートにより円換算の価値に影響を与えることから、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

(3) 取引先との関係について

 当社グループは自動車部品関連事業を主たる事業とし、グループ総売上高に占める当該事業の売上高の割合は、当連結会計年度において97.0%となっております。自動車部品関連事業の売上高のうち、本田技研工業㈱系列に対する売上高38.2%、日産自動車㈱系列に対する売上高16.8%、㈱SUBARU系列に対する売上高13.3%、三菱自動車工業㈱系列に対する売上高12.4%と高い割合になっております。当社は今後ともこれまでの取引関係を維持発展させていく方針でありますが、各社の事業方針、経営施策、各社及び各社取引先における品質問題等が発生した場合の販売影響等により当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(4) 製品の不具合が生じた場合の責任について

 自動車部品関連事業において、当社は世界に通用する品質保証体制を確立し、お客様に満足いただける製品を提供
することを目的として、自動車産業における世界共通の品質管理・保証規格であるIATF6949:2016の認証を取得しており、品質管理・品質保証体制を構築しておりますが、当社グループが製造・販売した製品に何らかの不具合が生じた場合、得意先自動車メーカーが実施する改修費用のうち、責任割合に対応する負担が発生することとなります。また、当社グループは、法律上の損害賠償責任が発生した場合に備えて製造物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する補償額を十分カバーできる保証はないことから、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(5) 原材料、部品の供給状況による影響について

 当社グループの主要基盤である自動車部品関連事業で消費する原材料、部品の調達については、供給元と基本取引契約を締結し、安定的な調達を行っております。しかしながら、原材料等の世界的な供給不足や市況の変化による価格の高騰、さらには供給元に不慮の事故等が発生した場合等には、原材料等の不足及び製造原価の上昇が生じることがあります。

 当社グループは、原価低減、合理化活動等の対応策を積極的に推進して参りますが、これらの影響を吸収できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 地震等災害について

 当社グループの国内及び海外の生産拠点において、地震、洪水等の自然災害が起こった場合には、当社グループの操業に直接的又は間接的に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱等による影響が懸念されたものの、総じて着実な成長が続きました。国内では、自然災害の影響による一時的な景気の減速はみられましたが、設備投資や個人消費の持ち直し等により、景気は緩やかに拡大しました。

 当社グループが関連する自動車業界におきましては、国内では軽自動車の販売増加や新型車の投入効果はありましたが、西日本豪雨災害や完成車検査問題等の影響もあり、販売台数は横ばいとなりました。世界全体においては、中国や欧州では販売台数が減少したものの、米国や新興国における需要は堅調に推移し、前年度を上回りました。

 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、さらなる収益改善、将来の成長に向けた展開を重点に推進してまいりました。

 収益改善につきましては、グローバルでの品質要求や、先進国における人口減少と新興国の賃金上昇に対応するため、グローバルでの競争力強化に向けて、ロボットやカメラを活用したオートメーション化による省人化と品質向上に取り組んでまいりました。また、国内事業の再構築として岡山工場にランプ事業を集約することで成形から組立までの一貫生産体制を構築いたしました。さらに、グローバル拠点の最適化の取り組みとして、増産対応及びコスト競争力強化を図ることを目的とし中国武漢工場を拡張いたしました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高につきましては、売上高は118,579百万円(前期比1.1%増)、営業利益は3,740百万円(前期比14.0%増)、経常利益は3,691百万円(前期比8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,474百万円(前期比14.1%減)となりました。

 また、当社グループは中期経営計画「Dream2020」フェーズ3の経営目標として2020年度営業利益率6%を掲げております。2018年度は、原価低減活動を強力に推し進めたものの、西日本豪雨の影響(工場生産停止と社員の被災)や新製品立ち上げ時のロス、北米事業における業績改善の遅れ等から営業利益率3.2%となりました。2019年度におきましては、中国市場の減速、米中貿易摩擦やアメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)による生産コストの上昇等の影響が懸念されますが、2019年度営業利益率4.1%を目指し、徹底的なロスの排除、原価低減活動、生産性向上を推進してまいります。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 自動車部品関連事業

 自動車部品関連事業につきましては、北米では当社受注車種の販売低迷により減産しましたが、国内、中国等で増産となり、売上高は114,489百万円(前期比0.6%増)、営業利益は3,700百万円(前期比7.5%増)となりました。

 

(b) ワイヤーハーネス関連事業

 航空機関連の受注が増加したことにより、売上高は3,037百万円(前期比21.3%増)、営業利益は66百万円(前期は152百万円の損失)となりました。

 

(c) 福祉機器関連事業

 電動車いすの販売が減少したことなどにより、売上高は1,052百万円(前期比1.7%減)、営業損失は39百万円(前期は20百万円の損失)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、主に税金等調整前当期純利益、減価償却費により、7,628百万円(前期比5.6%増)となりました。

 投資活動に使用した資金は、主に有形固定資産の取得による支出により、3,625百万円(前期比4.2%増)となりました。

 財務活動の結果減少した資金は、主にリース債務の返済による支出などにより、3,514百万円(前期比36.3%増)となりました。

 この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は11,337百万円と前連結会計年度末に比べ425百万円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,628百万円の増加となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が3,632百万円、減価償却費が4,598百万円であったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,625百万円の減少となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が3,274百万円であったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,514百万円の減少となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出が1,962百万円、リース債務の返済による支出が1,339百万円であったことによるものであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

113,789

1.1

ワイヤーハーネス関連事業

3,037

21.4

福祉機器関連事業

1,052

△1.7

合  計

117,878

1.5

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記の金額は、販売価格によっております。

 

②受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

114,109

△0.6

10,339

△3.6

ワイヤーハーネス関連事業

2,509

△7.7

630

△45.5

福祉機器関連事業

1,051

△1.0

11

△7.3

合  計

117,670

△0.8

10,982

△7.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

③販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

114,489

0.6

ワイヤーハーネス関連事業

3,037

21.3

福祉機器関連事業

1,052

△1.7

合  計

118,579

1.1

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

NHK Seating of America,Inc.

19,860

16.9

17,372

14.7

日本発条㈱

15,769

13.4

14,357

12.1

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

① 製品保証引当金

 当社グループは、製品の品質保証期間内に発生する製品保証費の支払に備えるため、過去のクレームを基礎にして発生見込額を見積り計上しております。従いまして、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付に係る負債

 当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率など、多くの見積りが存在しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

① 流動資産

 当連結会計年度末における流動資産の残高は53,811百万円(前期比1,319百万円の減少)となりました。受取手形及び売掛金が1,981百万円減少したことなどによるものであります。

② 固定資産

 当連結会計年度末における固定資産の残高は30,340百万円(前期比635百万円の減少)となりました。有形固定資産が195百万円減少、投資その他の資産が296百万円減少したことなどによるものであります。

③ 流動負債

 当連結会計年度末における流動負債の残高は27,576百万円(前期比1,099百万円の減少)となりました。支払手形及び買掛金が990百万円減少したことなどによるものであります。

④ 固定負債

 当連結会計年度末における固定負債の残高は5,898百万円(前期比714百万円の減少)となりました。長期借入金が1,189百万円減少したことなどによるものであります。

⑤ 純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は、50,676百万円(前期比141百万円の減少)となりました。

 

(3)経営成績の分析

① 経営成績の概要

 当連結会計年度における売上高は118,579百万円(前期比1.1%増)となりました。セグメント別では、自動車部品関連事業につきましては、北米では当社受注車種の販売低迷により減産しましたが、国内、中国などで増産となり、売上高は114,489百万円(前期比0.6%増)となりました。ワイヤーハーネス関連事業は、航空機関連の受注が増加したことにより、売上高は3,037百万円(前期比21.3%増)、福祉機器関連事業は、電動車いすの販売が減少したことなどにより、売上高は1,052百万円(前期比1.7%減)となりました。

 利益につきましては、営業利益は3,740百万円(前期比14.0%増)、経常利益は3,691百万円(前期比8.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,474百万円(前期比14.1%減)となりました。

② 売上原価及び販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における売上原価は、西日本豪雨災害による影響があったものの、国内外において総原価の低減に取り組んだことにより、売上高に対する割合は89.1%(前期は89.5%)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は、9,219百万円(前期比1.7%増)、売上高に対する割合は7.8%(前期は7.7%)となりました。

③ 営業外損益

 当連結会計年度における営業外損益は、為替差損260百万円(前期は為替差益120百万円)などがあったことから、△49百万円(前期は119百万円)となりました。

④ 特別損益

 当連結会計年度における特別損益は、投資有価証券評価損を44百万円を計上したことなどから、△58百万円(前期は33百万円)となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新製品立ち上がりに伴う生産設備や金型投資等です。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度において4,681百万円の設備投資を実施しており、資金の調達につきましては、自己資金及び借入金によっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

該当事項はありません。

(2)技術援助契約

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、研究開発を企業の競争力維持のための最重要経営課題であると認識し、これに取り組んでおります。「よい品を より安く より速く」顧客に提供するために、常に「世界的な視野に立ったハイエスト・クオリティー、ローエスト・コスト」を理念として、独創技術の開発に努め、新技術及び新製品を提案できる開発型の企業として、先端技術、現行技術の革新・改良と、それらを量産に結びつけるための研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る費用の総額は1,903百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は246百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

自動車部品関連事業

(1) 機構製品

 主力製品であるシートアジャスタについては、「安全」「環境」「快適・利便」をキーワードとした製品開発を最重要テーマとして研究開発に取り組んでおります。

 「安全」については、衝突時の乗員保護をより高い次元で達成する製品や適正な姿勢を確保する製品の開発に取り組んでおります。

 「環境」については、低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による小型軽量化製品の開発に取り組んでおります。

 「快適・利便」については、将来の自動車社会に向け快適で利便性に優れ、リラクッスできる空間を提供でき、操作時は、心地よく思い通りの作動をする安全なシートアジャスタの開発に取り組んでおります。

 また、CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮とスライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発活動を行っております。音・振動といった感覚的性能に優れたパワーシートアジャスタの開発及びパワー作動時の挟み込み防止やカメラ画像信号から適正な姿勢に調整する技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の共同開発活動を行っております。

(2) 電子電装製品

 電子ユニットについては、各種装置の複合制御を可能とした統合ユニットの製品化をはじめ、シート、サンルーフ、オープンカールーフや電動化普及にともなったサポート製品などの各種ECUを製品化し、更に各種シートアレンジ制御やなど機構と電子を融合したメカトロニクス製品の研究開発及び画像処理技術により運転者の状態を監視し、ドライバーに対する安全性、快適性を追求した安全快適性装備製品の研究開発にも取り組んでおります。

 更に、燃費向上に貢献する電圧変換制御ECUを製品化し、次世代環境対応車(EV、HEV)の電子機器製品及び車載カメラの映像信号から人の目では見落としがちな前方車両との距離、歩行者等を人の目の代わりとなって交通事故の減少に繋がる技術や事故時の電力ダウン時のバックアップ制御についても、研究開発を行っております。

 ランプについては、市場ニーズに対応した機能性、意匠性、先進性、低価格化を重視した研究開発活動を実施し、LED素子の採用や合せ鏡の効果利用したリアコンビネーションランプ、シーケンシャルタイプ方向指示器、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発しております。

(3) その他の製品

 その他の製品としましては、機構・電装技術に加え、IoT技術を融合し人々の豊かな暮らしに貢献する製品の研究開発を行っております。

 また、今仙グループの次世代の核となる製品、既存事業にとらわれない製品等を専門に研究・開発を行う部門を立ち上げ、産学、産産連携した研究開発に取り組んでおります。

 なお、自動車部品関連事業の研究開発活動に係る費用は1,861百万円であります。

福祉機器関連事業

福祉機器の電動車いすについては、暮らしを支えるかけがえのないパートナーとして、安全性・快適性を徹底的に追求し、使われる方の快適さはもとより、介助する方や環境にも優しく、またデザインにまで心を配って開発しております。

 重度障がい者を対象とした製品に加え、既存の手動車いすを電動化する簡易形電動車いすの研究開発も行っております。そして障がい者の方にとって唯一の自力移動手段であることを踏まえ、使いやすさと安全性を重点に、一層の軽量化、小型化、高機能化を目指しております。

 義足については、「使う人の要求を、作る人の立場で考える」というコンセプトのもと、様々な日本の生活環境、体型、年齢などに合わせた最適な義足を提供するため、パーツ選択や交換、調整を容易に行えるモジュール化した義足部品の研究開発を行っております。膝継手では、安全性、快適性を追求した機能とともに、デザイン性を重視した製品を開発しており、国内外から高い評価をいただいております。更に、スポーツ用義足は、パラリンピック競技選手などトップアスリートの方々にも使用して頂いており、今後も2020年の東京パラリンピックに向け、更なる製品開発を行います。

 歩行支援機「ACSIVE」は、名古屋工業大学の受動歩行ロボット研究から共同開発した、モーターも電源もいらない『無動力の歩行支援機』です。シンプルな軽量設計で、簡単・スタイリッシュに脚に装着でき、装着すると楽に歩くことができます。軽度の歩行障害をお持ちの方向けの「ACSIVE」、歩行に障害のない健常者向けとして「aLQ」を開発し、歩く楽しみを提案しています。

 既存製品への更なる製品開発とともに、新規取組として既存製品開発及び産官学共同研究で培ってきたノウハウと新技術開発により、新たな介護・リハビリテーション医療分野への製品開発に取組んでおります。

 なお、福祉機器関連事業の研究開発活動に係る費用は41百万円であります。