第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、継続的な変革の思想を明確にすべく、当社グループの果たすべき使命と行動指針を経営理念として掲げております。

IMASENの使命>

 想像力を豊かにし、これまでに存在しない全く新しい製品・サービスを創造し、これをより安く、より速く、世の中に提供することで、人々の豊かな暮らしに貢献いたします。

IMASENが大切にするモノ・行動指針>

・挑戦-「ありたい姿」を描き、高い目標を設定して、積極果敢にチャレンジしよう。

・創意工夫-既成概念にとらわれず、創意工夫を積み重ねて、問題を乗り越えよう。

・自主性-仲間との連携を大切にしつつ、自立・平等・信頼の精神で主体的に行動しよう。

 

(2)経営戦略等

 経営方針「Dream2020」では2020年に達成すべきビジョンとして以下を掲げ取り組んでおります。

   ①シートアジャスタで世界トップ

    (商品性、技術力で世界をリードする製品を提供し続ける)

   ②オンリーワン製品で環境・自動車安全に貢献

    (機構技術と電子技術の融合による環境・安全関連製品を市場に投入し、事業の柱とする)

   ③非自動車事業の存在感を高める

    (福祉機器、航空宇宙、検査機器分野などの育成により国内事業を再構築する)

   ④効率的で公平なグローバルマネジメント

    (グローバルでグループ経営最適化を追求できる管理体制を構築する)

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは中期経営計画「Dream2020」フェーズ3の経営目標として2020年度営業利益率6%を掲げておりますが、2019年度営業利益率は2.4となりました。2020年度におきましては、徹底的なロスの排除、原価低減活動、生産性向上を推進してまいりますが、新型コロナウイルス感染症による影響の見通しが不透明な中、さらに厳しい状況が予測されます

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

 今後の当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大しており、その終息への期間や影響については不確実性が大きく、移動制限などの各国の公衆衛生上の措置等を前提とすると、経済の落ち込みは深刻かつ長期化するおそれがあります。

 当社グループが関連する自動車業界におきましても、新型コロナウイルスの感染拡大による生産の停止や遅延が相次いでおり、先行きが見通せない状況となっておりますが、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)に代表される次世代自動車の研究開発や業界再編の流れは続くと見込まれます。

 当社グループにおきましては、引き続き、中期経営計画「Dream2020」のフェーズ3で掲げた重点展開方針である「技術革新」「国内事業の再構築」「グローバル拠点最適化」「人材育成」「事業の選択と集中」への取り組みに注力してまいります。

  技術革新

   (IMASENグループの『技術』『造り』『品質』『管理』のすべての総力を集結させ、イノベーションを推進する)

  国内事業の再構築

   (国内市場において事業、生産拠点をあるべき姿に再構築する)

  グローバル拠点最適化

   (グローバル拠点の競争力及びネットワークの強化を推進する)

  人材育成

   (グローバルでの人材育成を加速させ強化する)

  事業の選択と集中

   (リソースの適正配分により事業全体での収益体質強化を図る)

 特に、当社の最重要課題である北米事業に関しましては、現在の事業運営の延長線上では事業成立が厳しい状況となっております。生産ラインの自動化推進の改善施策や北米拠点の再編を含めた生産工程系列の適正化等を実施し、経営再建を図ってまいります。

 また、現状の受注環境を踏まえ、事業の選択と集中の観点から、2021年3月をもって子会社である株式会社九州イマセンにおける生産を終了し、当社生産への切り替えを実施してまいります。

 2020年度は中期経営計画Dream2020の最終年度となりますが、厳しい環境の中、区切りの年度として、2021年以降の新中期経営計画における事業成長に繋げられるよう取り組んでまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変化について

 当社グループは、日本、北中米、アジアに事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済情勢の変動により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

(2) 為替レートの変動について

 当社グループの主要基盤である自動車部品関連事業については、今後も海外展開の拡大により海外売上高の比率が高まってくるものと予想されます。他国の通貨に対する日本円の為替レートの変動は、販売価格面での競争力に影響を及ぼします。為替変動に対しては社内基準に基づき為替予約を実施しておりますが、全てを排除することは困難であり、経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、当社の外貨建取引による外貨換算額及び連結財務諸表作成に用いる海外グループ会社の財務諸表は、決済、換算時の為替レートにより円換算の価値に影響を与えることから、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

(3) 特定得意先への依存について

 当社グループは自動車部品関連事業を主たる事業とし、グループ総売上高に占める当該事業の売上高の割合は、当連結会計年度において97.0%となっております。自動車部品関連事業の売上高のうち、本田技研工業㈱系列に対する売上高36.1%、日産自動車㈱系列に対する売上高11.8%、㈱SUBARU系列に対する売上高16.9%、三菱自動車工業㈱系列に対する売上高13.3%と高い割合になっております。当社は今後ともこれまでの取引関係を維持発展させていく方針でありますが、各社の事業方針、経営施策、各社及び各社取引先における品質問題等が発生した場合の販売影響等により当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(4) 製品の不具合が生じた場合の責任について

 自動車部品関連事業において、当社は世界に通用する品質保証体制を確立し、お客様に満足いただける製品を提供
することを目的として、自動車産業における世界共通の品質管理・保証規格であるIATF6949:2016の認証を取得しており、品質管理・品質保証体制を構築しておりますが、当社グループが製造・販売した製品に何らかの不具合が生じた場合、得意先自動車メーカーが実施する改修費用のうち、責任割合に対応する負担が発生することとなります。また、当社グループは、法律上の損害賠償責任が発生した場合に備えて製造物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する補償額を十分カバーできる保証はないことから、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(5) 原材料、部品の供給状況による影響について

 当社グループの主要基盤である自動車部品関連事業で消費する原材料、部品の調達については、供給元と基本取引契約を締結し、安定的な調達を行っております。しかしながら、原材料等の世界的な供給不足や市況の変化による価格の高騰、さらには供給元に不慮の事故等が発生した場合等には、原材料等の不足及び製造原価の上昇が生じることがあります。

 当社グループは、原価低減、合理化活動等の対応策を積極的に推進して参りますが、これらの影響を吸収できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害、感染症等について

 当社グループの国内及び海外の生産拠点において、地震、洪水等の自然災害、感染症等が発生した場合、当社グループの操業に直接的又は間接的に影響を受ける可能性があります。当社グループは、そのような災害等の有事に備え、被害を最小限に抑え、事業の継続を図るべく、事業継続計画(BCP)を整備しその対応に努めておりますが、実際の発生時には当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 新型コロナウィルス感染症においては、国内外で拡大し、当社グループの国内及び海外拠点の製造・販売活動に支障をきたしております。今後の収束時期は見通しにくい状況ですが、事態が長期化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化による市場環境の悪化に加え、アジアの成長率鈍化を背景に減速傾向が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により一段と先行き不透明な状況となりました。国内では、消費税率引き上げによる大きな景気の減速はなく、緩やかな回復基調にありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により減速傾向が明確となりました。

 当社グループが関連する自動車業界におきましては、世界全体の新車販売台数は、中国、北米の2大市場やアジアにおいて前年度を下回ったこともあり、前年比マイナスに転じております。国内でも、自動車税環境性能割の軽減措置が下支えとなったものの、3年振りに前年比マイナスに転じました。

 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、さらなる収益改善と将来の成長に向け、生産ラインの自動化の推進、マザー工場である岐阜工場への生産移管、岡山工場におけるランプ一貫生産体制での立上げ等に取り組んでまいりました。その一方で、シート事業においては、米中問題や受注環境変動への対応に追われることとなりました。第二の柱として展開しております電子事業については、徐々に信頼度を高め受注の拡大ができているものの、新モデル切替時期の変更等の課題も発生しました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は112,081百万円(前期比5.5%減)、営業利益は2,720百万円(前期比27.3%減)、経常利益は2,820百万円(前期比23.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は553百万円(前期比77.6%減)となりました。

 また、当社グループは中期経営計画「Dream2020」フェーズ3の経営目標として2020年度営業利益率6%を掲げておりますが、2019年度営業利益率は2.4となりました。2020年度におきましては、徹底的なロスの排除、原価低減活動、生産性向上を推進してまいりますが、新型コロナウイルス感染症による影響の見通しが不透明な中、さらに厳しい状況が予測されます

 なお、当社における新型コロナウィルス感染症の影響につきましては、感染拡大により得意先自動車メーカーが全世界で生産調整を行っていることから、当社でも国内外の生産拠点で生産調整を行っており、特に4月以降売上高の減少影響がでております。感染が先行した広州・武漢の中国拠点については、回復してきているものの、その他の国内外の拠点については生産調整が続いております。新型コロナウィルス感染症の収束時期は不透明であり、2021年3月期の一定期間にわたり当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。影響額については、現時点において合理的に算定することは困難であります。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

(a) 自動車部品関連事業

 自動車部品関連事業につきましては、北米、中国での減産などにより、売上高は108,224百万円(前期比5.5%減)、営業利益は2,700百万円(前期比27.0%減)となりました。

 

(b) ワイヤーハーネス関連事業

 工作機械関連の受注が減少したことにより、売上高は2,849百万円(前年同期比6.2%減)営業利益は47百万円(前期比28.4%減)となりました。

 

(c) 福祉機器関連事業

 電動車いすの販売が減少したことなどにより、売上高は1,006百万円(前期比4.3%減)、営業損失は40百万円(前期は39百万円の損失)となりました。

 

 

②生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

106,808

△6.1

ワイヤーハーネス関連事業

2,849

△6.2

福祉機器関連事業

1,006

△4.3

合  計

110,664

△6.1

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 上記の金額は、販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

105,007

△8.0

7,122

△31.1

ワイヤーハーネス関連事業

3,459

37.9

1,240

96.8

福祉機器関連事業

1,016

△3.3

21

86.9

合  計

109,483

△7.0

8,384

△23.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品関連事業

108,224

△5.5

ワイヤーハーネス関連事業

2,849

△6.2

福祉機器関連事業

1,006

△4.3

合  計

112,081

△5.5

 (注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

日本発条㈱

14,357

12.1

15,901

14.2

NHK Seating of America,Inc.

17,372

14.7

14,545

13.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

財政状態の分析

a.流動資産

 当連結会計年度末における流動資産の残高は53,080百万円(前期比730百万円の減少)となりました。受取手形及び売掛金が617百万円減少したことなどによるものであります。

b.固定資産

 当連結会計年度末における固定資産の残高は27,474百万円(前期比2,866百万円の減少)となりました。有形固定資産が1,664百万円減少、投資その他の資産が1,175百万円減少したことなどによるものであります。

c.流動負債

 当連結会計年度末における流動負債の残高は25,727百万円(前期比1,849百万円の減少)となりました。支払手形及び買掛金が400百万円減少したことなどによるものであります。

d.固定負債

 当連結会計年度末における固定負債の残高は4,959百万円(前期比939百万円の減少)となりました。長期借入金が754百万円減少したことなどによるものであります。

e.純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は、49,868百万円(前期比807百万円の減少)となりました。

経営成績の分析

a.経営成績の概要

 当連結会計年度における売上高は112,081百万円(前期比5.5%減)となりました。セグメント別では、自動車部品関連事業につきましては、北米、中国での減産などにより、売上高は108,224百万円(前期比5.5%減)となりました。ワイヤーハーネス関連事業は、工作機械関連の受注が減少したことにより、売上高は2,849百万円(前年同期比6.2%減)、福祉機器関連事業は、電動車いすの販売が減少したことなどにより、売上高は1,006百万円(前期比4.3%減)となりました。

 利益につきましては、営業利益は2,720百万円(前期比27.3%減)、経常利益は2,820百万円(前期比23.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は553百万円(前期比77.6%減)となりました。

b.売上原価及び販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における売上原価は、米中問題や受注環境変動への対応などにより、売上高に対する割合は90.1%(前期は89.1%)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は、8,390百万円(前期比9.0%減)、売上高に対する割合は7.5%(前期は7.8%)となりました。

c.営業外損益

 当連結会計年度における営業外損益は、為替差損123百万円(前期比52.5%減)などがあったことから、100百万円(前期は△49百万円)となりました。

d.特別損益

 当連結会計年度における特別損益は、投資有価証券評価損を209百万円、減損損失を605百万円を計上したことなどから、△853百万円(前期は△58百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、主に税金等調整前当期純利益、減価償却費などにより、7,691百万円(前期比0.8%増)となりました。

 投資活動に使用した資金は、主に有形固定資産の取得による支出により、3,039百万円(前期比16.2%減)となりました。

 財務活動の結果減少した資金は、主にリース債務の返済による支出などにより、2,764百万円(前期比21.4%減)となりました。

 この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は13,477百万円と前連結会計年度末に比べ2,139百万円の増加となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7,691百万円の増加となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が1,967百万円、減価償却費が4,885百万円であったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,039百万円の減少となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が3,626百万円であったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、2,764百万円の減少となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出が1,273百万円、リース債務の返済による支出が1,289百万円であったことによるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新製品立ち上がりに伴う生産設備や金型投資等です。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度において4,234百万円の設備投資を実施しており、資金の調達につきましては、自己資金及び借入金によっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響については、収束時期及び今後の当社グループへの業績への影響等は見通しが立てにくい状況ですが、繰延税金資産の回収可能性の判断及び固定資産の減損に関する判断に関しては、期末時点で入手可能な情報をもとに、検証を行っております。

a.製品保証引当金

 当社グループは、製品の品質保証期間内に発生する製品保証費の支払に備えるため、過去のクレームを基礎にして発生見込額を見積り計上しております。従いまして、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

b.退職給付に係る負債

 当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率など、多くの見積りが存在しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。

c.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

d.繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産の将来の回収可能性を検討して、回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積額の変動により、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上します。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

該当事項はありません。

(2)技術援助契約

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、研究開発を企業の競争力維持のための最重要経営課題であると認識し、これに取り組んでおります。「よい品を より安く より速く」顧客に提供するために、常に「世界的な視野に立ったハイエスト・クオリティー、ローエスト・コスト」を理念として、独創技術の開発に努め、新技術及び新製品を提案できる開発型の企業として、先端技術、現行技術の革新・改良と、それらを量産に結びつけるための研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る費用の総額は2,020百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は280百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

自動車部品関連事業

(1) 機構製品

 主力製品であるシートアジャスタについては、「安全」「環境」「快適・利便」をキーワードとした製品開発を最重要テーマとして、『お客様のニーズにあった製品』の研究開発に取り組んでおります。

 「安全」については、衝突時の乗員保護をより高い次元で達成する製品や適正な姿勢を確保する製品の開発に取り組んでおります。

 「環境」については、低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による軽量化製品の開発に取り組んでおります。

 「快適・利便」については、お客様の感性領域まで考慮し、心地よい操作・作動を提供できるシートアジャスタの開発に取り組んでおります。

 また、CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮とスライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発活動を行っております。音・振動といった感覚的性能に優れたパワーシートアジャスタの開発及びパワー作動時の挟み込み防止やカメラ画像信号から適正な姿勢に調整する技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の共同開発活動を行っております。

(2) 電子電装製品

 電子ユニットについては、各種装置の複合制御を可能とした統合ユニットの製品化をはじめ、シート、サンルーフ、オープンカールーフや燃費向上に貢献するDCDCコンバータ等の電圧変換制御ECU、更には近年では交通事故時の電力ダウン時電動製品を機能させるバッテリーバックアップ電源の製品化を図り、『安全性』『快適・利便性』『環境性』に貢献できる製品を提供してまいりました。

 近年のCASE普及に伴い、特に『軽量化』『省電力化』『安全』に注力した研究開発をすべく、リチウムイオンバッテリーの充放電制御に関する新技術を活用し更なる軽量化、省電力化を可能とした電気駆動電源システムの研究開発、又新たな発音技術および制御技術を活用し車両接近通報とその他警告音製品をモジュール化し更なる軽量化を可能としたマルチサウンドシステムの研究開発を行い、『安全性』『快適・利便性』『環境性』に関し更に社会に貢献できる製品を提供してまいります。

 ランプについては、市場ニーズに対応した機能性、意匠性、先進性、低価格化を重視した研究開発活動を実施し、LED素子の採用や合せ鏡の効果を利用したリアコンビネーションランプ、シーケンシャルタイプ方向指示器、レンズ技術と光源を組合せ効率よく発光させるランプ、ルームランプなどの多種の新規ランプを開発しております。

(3) その他の製品

 その他の製品としましては、機構・電装技術に加え、IoT技術を融合し人々の豊かな暮らしに貢献する製品の研究開発を行っております。

 また、今仙グループの次世代の核となる製品、既存事業にとらわれない製品等を専門に研究・開発を行う部門にて、産学、産産連携した研究開発に取り組んでおります。

 なお、自動車部品関連事業の研究開発活動に係る費用は1,973百万円であります。

福祉機器関連事業

福祉機器の電動車いすについては、暮らしを支えるかけがえのないパートナーとして、安全性・快適性を徹底的に追求し、使われる方の快適さはもとより、介助する方や環境にも優しく、またデザインにまで心を配って開発しております。

 重度障がい者を対象とした製品に加え、既存の手動車いすを電動化する簡易形電動車いすの研究開発も行っております。そして障がい者の方にとって唯一の自力移動手段であることを踏まえ、使いやすさと安全性を重点に、一層の軽量化、小型化、高機能化を目指しております。

 義足については、「使う人の要求を、作る人の立場で考える」というコンセプトのもと、様々な日本の生活環境、体型、年齢などに合わせた最適な義足を提供するため、パーツ選択や交換、調整を容易に行えるモジュール化した義足部品の研究開発を行っております。膝継手では、安全性、快適性を追求した機能とともに、デザイン性を重視した製品を開発しており、国内外から高い評価をいただいております。更に、スポーツ用義足は、パラリンピック競技選手などトップアスリートの方々にも使用して頂いており、東京パラリンピックに向け、更なる製品開発を行います。

 歩行支援機「ACSIVE」は、名古屋工業大学の受動歩行ロボット研究から共同開発した、モーターも電源もいらない『無動力の歩行支援機』です。シンプルな軽量設計で、簡単・スタイリッシュに脚に装着でき、装着すると楽に歩くことができます。軽度の歩行障害をお持ちの方向けの「ACSIVE」、歩行不安のある健康な高齢者向けとして「aLQ」を開発し、歩く楽しみを提案しています。

 既存製品への更なる製品開発とともに、新規取組として既存製品開発及び産官学共同研究で培ってきたノウハウと新技術開発により、新たな介護・リハビリテーション医療分野への製品開発に取組んでおります。

 なお、福祉機器関連事業の研究開発活動に係る費用は47百万円であります。