第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは新たに中長期経営計画を策定・推進するにあたり、経営理念・行動指針についても時代の流れにあったものに見直しするとともに、新たに合言葉を改定することで浸透を促進させ、全社員が一丸となって計画達成を目指します。

<経営理念体系と内容>

 社 是 :よい品をより安くより速く

 経営理念:「信頼される企業」、「挑戦し続ける企業」であることで「社会に選ばれる企業」になれ

 合言葉 :Trust & Challenge (信頼と挑戦)

 行動指針:「Trust」

       ・相互の関係を理解し相手の身になって考える

       ・他責ではなく自責で行動する

       ・感謝の気持ちを常に忘れない

 

      「Challenge」

       ・失敗を恐れず、困難を厭わず、高い目標に向かって挑戦する勇気を持ち続ける

 

       ※信頼関係を構築した上で新しいことに挑戦する(ひとりの力では成し得ない大きな成長のために)

(2)経営戦略等

 新しい経営理念のもと、以下のとおり中長期経営計画を策定し達成施策を確実に実行してまいります。

 持続的成長に向けた事業の変革

  ・量から質への転換(収益重視)

   「シート・電装事業」顧客との関係強化による事業基盤固め

  ・新たな事業基盤の創出

   「電子事業」持続的成長に向け資本を重点投入

   「新事業」第3の柱になる事業創造

  ・企業文化の進化

   「ESG経営の推進」

 

(3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴う影響に加えてウ

クライナ情勢などの地政学リスクも重なり、不確実性が大きく依然不透明な状況が続くものと予想されま

す。

 当社グループが関連する自動車業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加え半導体不

足による自動車の減産、原材料価格の高騰、国際物流の混乱が見込まれるなど、引き続き厳しい経営環境

が予想されます。一方で社会的なカーボンニュートラルへの取り組み、電動化への動きは今後も一層加速

することが見込まれます。

 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、昨年に続き、「中長期経営計画2029」フェ

ーズ1(2021~2023年)の取り組みを継続してまいります。シート・電装事業は、引き続き、原価低減活

動、テイ・エス テック株式会社とのシナジー創出活動、得意先のオーダー変動に追従し、ロスなく生産

できる体制の構築、先行開発品におけるコンカレントエンジニアリングの展開による低コスト、高品質な

魅力ある製品開発に取り組み、収益体質の改善を図ってまいります。電子事業では、新規取引先の開拓及

び付加価値の高い製品群へ移行することによって、将来の大幅な売り上げ増加を図る基盤作りを行ってお

り、パワーエレクトロニクス領域の開発力を強化して、電気自動車、ハイブリッド車に搭載されるインバ

ータの製品、バックアップ電源及び車載二次電池等の各種電源製品の拡販を推進しております。また、従

来製品では、サイバーセキュリティー規制に対応した情報と業務の管理体制を構築するとともに、製品に

搭載するソフトウエア開発技術力の拡充を図ってまいります。新規事業の創出に向けた取り組みとしては、産

学連携による歩行研究において、無動力歩行支援機aLQを軸とした開発に力を入れており、人の歩行を

簡便に可視化するシステムや福祉事業の義足・電動車いすなどで、人々のQoL (Quality of Life) 向上を通

じて、社会に貢献できる事業の確立を目指してまいります。なお、2020年末のデット・エクイティ・ス

ワップ及び減資により財務改善を図り、収益体質化に向けて再スタートを切った北米地域では、急激な輸

送費高騰が収益を圧迫していることから、現地生産への切り替えを進めてまいります。当期において減損

損失を計上した日本地域では、選択と集中の観点から最適な人員体制の再配置、費用構造の見直しを進め

てまいります。また、経営基盤の強化を目的に、デジタル技術の活用を目指す「IMASEN-DXプロジェク

ト」、及びESG経営の推進や気候変動問題の解決に向けた専門委員会である「ISP(IMASEN

Sustainable Plan) 2030委員会」を2022年4月に発足し、全社一丸となって、持続的成長に向け事業

の変革に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変化について

 欧州における地政学的なリスクの高まりは、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の経済情勢の変動を招いているとともに、石油・天然ガスなどの資源価格の高騰や、金融市場にも大きな影響を与えています。加えて、SDGsやTCFDなど、人権や環境に対する社会的な意識の高まりについても、今後の経済動向に大きな変化をもたらすとみられ、当社グループの経営成績、財政状態も影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、SDGsについては、今仙のサスティナビリティ活動施策である「ISP(Imasen Sustainable Plan)2030 ‐地球とIMASENを持続可能にする‐」を策定し、21年度から推進・展開しております。加えて、当社は気候関連問題も重要な社会課題のひとつとして認識しており、TCFD提言に沿った対応の検討をしております。また、欧州における地政学的なリスクについては、そのリスクによって引き起こされる資源価格の高騰、金融市場の混乱等について、影響度合いを注視しながら、個別に対応を検討してまいります。

(2) 為替レートの変動について

 当社グループの主要基盤である自動車部品関連事業については、今後も海外展開の拡大により海外売上高の比率が高まってくるものと予想されます。他国の通貨に対する日本円の為替レートの変動は、販売価格面での競争力に影響を及ぼし、延いては経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 また、当社の外貨建取引による外貨換算額及び連結財務諸表作成に用いる海外グループ会社の財務諸表は、決済、換算時の為替レートにより円換算の価値に影響を与えることから、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、為替変動に対しては社内基準に基づき為替予約を実施するとともに、外貨建取引については、その影響を抑えるべく、地産地消に向けた現地調達、現地生産の検討を進めております。

(3) 特定得意先への依存について

 当社グループは自動車部品関連事業を主たる事業とし、グループ総売上高に占める当該事業の売上高の割合は、当連結会計年度において95.5%となっております。自動車部品関連事業の売上高のうち、本田技研工業㈱系列に対する売上高43.0%、㈱SUBARU系列に対する売上高16.5%、マツダ㈱系列に対する売上高10.9%、日産自動車㈱系列に対する売上高6.1%、三菱自動車工業㈱系列に対する売上高8.6%と高い割合になっており、各社の事業方針、経営施策、各社及び各社取引先における品質問題等が発生した場合の販売影響等により当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、2021年度に開示した「中長期経営計画2029 ‒ Trust & Challenge ‒」において、シート事業の事業基盤の強化を推進し収益重視の事業体質へと転換を図るとともに、電子事業の拡大、新事業の採算事業化に取り組むことにより、シート、電子、新事業の3事業のバランス化を推進し、特定得意先への依存リスクの軽減を図ります。

(4) 製品の不具合が生じた場合の責任について

 自動車部品関連事業において、当社グループが製造・販売した製品に何らかの不具合が生じた場合、得意先自動車メーカーが実施する改修費用のうち、責任割合に対応する負担が発生することとなり、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、法律上の損害賠償責任が発生した場合に備えて製造物賠償責任保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する補償額を十分カバーできる保証はないことから、世界に通用する品質保証体制を確立し、お客様に満足いただける製品を提供することを目的として、自動車産業における世界共通の品質管理・保証規格であるIATF16949:2016の認証を取得しており、品質管理・品質保証体制を構築して、製品不具合リスクの軽減を図っております。

(5) 原材料、部品の供給状況による影響について

 当社グループにて消費する原材料、部品の調達については、昨年度より原材料や半導体などの世界的な供給不足や市況の変化による価格の高騰に加えて、海上輸送の混乱に伴う輸送費高騰の影響を受けておりますが、本事業年度においても先行きが不透明であり、収束時期が見通しにくい状況にあります。今後、事態がさらに長期化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、日頃より原価低減活動に取り組むとともに、世界的な供給状況の混乱を受けて、調達先の複数化や在庫日数の延長等、環境や調達先起因によるリスクを分析し、供給維持に向けた対応を進めております。

(6) 自然災害、感染症等について

 当社グループの国内及び海外の生産拠点において、地震、洪水等の自然災害、感染症等が発生した場合、当社グループの操業に直接的又は間接的に影響を受ける可能性があります。新型コロナウイルス感染症においては、国内外で拡大し、当社グループの国内及び海外拠点の製造・販売活動に支障をきたしております。今後の収束時期は見通しにくい状況ですが、事態が更に長期化した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、災害等の有事に備え、被害を最小限に抑え、事業の継続を図るべく、事業継続計画(BCP)を整備しその対応に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症についても、テレワークの推進、外出の抑制等をはじめとした感染防止対策に取り組んでおります。

(7)固定資産の減損損失について

 当社グループが保有する有形固定資産、無形固定資産において、資産の価値が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、減損の兆候を捉えた場合、減損回避に取り組むとともに、適時に減損損失額の把握を行い、業績及び財務状況に及ぼす影響を最小限とするよう、対応を行います。

(8)情報漏洩、サイバー攻撃について

 当社グループが行う生産、販売活動および各種事業活動は、ITシステム及びシステム間を繋ぐ通信ネットワークを利用しており、通信ネットワークにおける障害や、ランサムウェアに代表されるサイバー攻撃、ハードウェアの故障等のリスクに晒されており、その影響を受けた場合は、事業活動に支障が出る可能性があるとともに、社会的信頼を損ない、多額の費用負担が発生する可能性があります。

 当社グループでは、事業活動を維持するために、セキュリティ意識の向上を図るべく、標的型攻撃の疑似メールによる訓練等を進め、ウイルス感染、情報漏洩リスク防止に向けグループ全体でアンチウイルス、ファイヤーウォールシステムを運用するとともに、バックアップ体制を構築し、セキュリティ対策を実施しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な落ち込みからの持ち直しがみられたものの、変異株による感染再拡大もあり、厳しい状況となりました。

 当社グループが関連する自動車業界におきましては、世界的な半導体不足による自動車の減産、原材料価格の高騰、国際物流の混乱などもあり、先行き不透明な状況が続きました。

 このような経営環境の中、当社グループにおきましては、「中長期経営計画2029」を策定し、2021年4月よりその取り組みを開始しました。「持続的成長に向けた事業の変革」を経営目標とし、ESG経営推進による経営基盤強化の下、シート・電装事業の収益体質強化を図りつつ、電子事業及び新規事業を成長・拡大させ、2029年にはバランスのとれた3本足の事業を展開することを目指しており、その第一歩として、「Challenge to New IMASEN」をテーマとしたフェーズ1(2021~2023年)を展開しております。

 シート・電装事業では、国内において中部地区における老朽化した工場建屋の統廃合を含んだ工場再編が完了し、工場間・工程間の物流コスト低減を図っております。また、テイ・エス テック株式会社とのシナジー創出に向けた7つのチーム活動を展開しており、物流改善などにおいて成果が出始めているほか、今後の新製品立ち上げに向けて商品力、コスト競争力強化を推し進めております。電子事業におきましては、更なる事業規模の拡大に向けて開発体制の一層の強化を図ることを目的として、2021年5月に広島第2テクニカルセンターを建設いたしました。また、新規事業の創出に向けた取り組みとして、福祉機器等で培った知見を活かし新しい歩行測定システムを開発し、産学連携を図りつつ、2023年の製品化を目指しております。

 このような施策に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大、半導体不足、原材料価格高騰などの影響を受けた結果、当連結会計年度の売上高は85,155百万円(前期比2.2%減)、営業損失は70百万円(前期は790百万円の損失)、経常利益は616百万円(前期は581百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は、当社において固定資産の減損損失を計上したことなどにより1,210百万円(前期は3,081百万円の損失)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期末比較については、前連結会計

年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 (a) 日本

 新型コロナウイルス感染症の再拡大による部品供給不足や半導体供給不足による影響を受け、売上高は34,950百万円(前期比4.5%減)、営業損失は987百万円(前期は1,734百万円の損失)となりました。

 

 (b) 北米

 半導体供給不足による影響と海上輸送費高騰の影響を受け、売上高は21,109百万円(前期比13.4%減)、営業損失は975百万円(前期は942百万円の損失)となりました。

 

 (c) アジア

 新型コロナウイルス感染症が一時落ち着きを見せたことから、中国・タイにおいて生産が増加し、売上高は29,095百万円(前期比11.3%増)、営業利益は2,069百万円(前期比19.2%増)となりました。

 

②生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

35,135

△3.2

北米

21,515

△11.3

アジア

28,638

11.2

合  計

85,289

△1.2

 (注) 上記の金額は、販売価格によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

日本

35,463

△4.9

4,263

13.7

北米

20,309

△14.9

1,583

△33.6

アジア

28,973

9.9

2,545

△4.6

合  計

84,747

△3.2

8,391

△4.6

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

34,950

△4.5

北米

21,109

△13.4

アジア

29,095

11.3

合  計

85,155

△2.2

 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

(百万円)

割合(%)

販売高

(百万円)

割合(%)

日本発条㈱

12,727

14.6

10,705

12.6

NHK Seating of America,Inc.

10,541

12.1

(注) 当連結会計年度のNHK Seating of America,Inc.については、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

財政状態の分析

a.流動資産

 当連結会計年度末における流動資産の残高は53,742百万円(前期比1,243百万円の減少)となりました。棚卸資産が2,306百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が1,453百万円、電子記録債権が1,201百万円減少したことなどによるものであります。

b.固定資産

 当連結会計年度末における固定資産の残高は26,414百万円(前期比879百万円の減少)となりました。有形固定資産が781百万円減少したことなどによるものであります。

c.流動負債

 当連結会計年度末における流動負債の残高は22,853百万円(前期比1,177百万円の減少)となりました。短期借入金が979百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が690百万円、電子記録債務が737百万円減少したことなどによるものであります。

d.固定負債

 当連結会計年度末における固定負債の残高は7,525百万円(前期比1,129百万円の減少)となりました。長期借入金が863百万円減少したことなどによるものであります。

e.純資産

 当連結会計年度末における純資産の残高は、49,777百万円(前期比184百万円の増加)となりました。

経営成績の分析

a.経営成績の概要

 当連結会計年度における売上高は85,155百万円(前期比2.2%減)となりました。セグメント別では、日本につきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大による部品供給不足や半導体供給不足による影響を受け、売上高は34,950百万円(前期比4.5%減)となりました。北米は、半導体供給不足による影響と海上輸送費高騰の影響を受け、売上高は21,109百万円(前期比13.4%減)、アジアは、新型コロナウイルス感染症が一時落ち着きを見せたことから、中国・タイにおいて生産が増加し、売上高は29,095百万円(前期比11.3%増)となりました。

 利益につきましては、営業損失は70百万円(前期は790百万円の損失)、経常利益は616百万円(前期は581百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,210百万円(前期は3,081百万円の損失)となりました。

b.売上原価及び販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における売上原価は、新型コロナウイルス感染症の再拡大による部品供給不足や半導体供給不足などによる大幅な売上減少に対し、固定費削減等に取り組んだものの、売上高に対する割合は91.8%(前期は93.1%)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は、7,019百万円(前期比3.1%増)、売上高に対する割合は8.2%(前期は7.8%)となりました。

c.営業外損益

 当連結会計年度における営業外損益は、為替差益343百万円(前期は49百万円)、受取配当金168百万円(前期は128百万円)などがあったことから、687百万円(前期は209百万円)となりました。

d.特別損益

 当連結会計年度における特別損益は、減損損失を935百万円、固定資産処分損を364百万円計上したことなどから、△1,024百万円(前期は△493百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は18,455百万円と前連結会計年度末に比べ375百万円の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、3,504百万円(前期比15.1%増)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失が407百万円、減価償却費が3,871百万円であったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に使用した資金は、3,457百万円(前期比27.1%増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が3,647百万円であったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は、1,327百万円(前期は4,604百万円の増加)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出が1,986百万円であったことによるものであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払い、新製品立ち上がりに伴う生産設備や金型投資等です。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度において3,946百万円の設備投資を実施しており、資金の調達につきましては、自己資金及び借入金によっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、繰延税金資産の回収可能性の判断及び固定資産の減損に関する判断に関しては、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

a.製品保証引当金

 当社グループは、製品の品質保証期間内に発生する製品保証費の支払に備えるため、過去のクレームを基礎にして発生見込額を見積り計上しております。従いまして、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

b.退職給付に係る負債

 当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で使用される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率など、多くの見積りが存在しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。

c.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

d.繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産の将来の回収可能性を検討して、回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたって、将来の課税所得を合理的に見積もっております。この見積額の変動により、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を税金費用として計上します。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、研究開発を企業の競争力維持のための最重要経営課題であると認識し、これに取り組んでおります。「よい品を より安く より速く」顧客に提供するために、常に「世界的な視野に立ったハイエスト・クオリティー、ローエスト・コスト」を理念として、独創技術の開発に努め、新技術及び新製品を提案できる開発型の企業として、先端技術、現行技術の革新・改良と、それらを量産に結びつけるための研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発活動に係る費用の総額は2,137百万円であります。なお、当該金額には既存製品の改良、応用等に関する費用が含まれており、「研究開発費等に係る会計基準」(企業会計審議会)に規定する「研究開発費」は195百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

なお、研究開発活動は、主に自動車部品関連事業及び福祉機器関連事業の分野において日本で行っており、北米、アジアにおいては行っておりません。日本における研究開発活動に係る費用は、2,137百万円であります。

日本

(自動車部品関連事業)

(1) シート機構・電装製品

 主力製品であるシートアジャスタについては、「安全」「環境」「快適・利便」をキーワードとした製品開発を最重要テーマとして、『お客様のニーズにあった製品』の研究開発に取り組んでおります。

 「安全」については、衝突時の乗員保護をより高い次元で達成する製品や適正な姿勢を確保する製品の開発に取り組んでおります。

 「環境」については、低燃費を実現させるため、部品の削減、新素材、新加工による軽量化製品の開発に取り組んでおります。

 「快適・利便」については、お客様の感性領域まで考慮し、心地よい操作・作動を提供できるシートアジャスタの開発に取り組んでおります。

 また、CAE解析技術を活用した製品開発期間の短縮とスライド、リクライニング、ハイトなどの基本機能向上、低コスト化を目指した研究開発活動を行っております。パワー作動時の挟み込み防止やカメラ画像信号から適正な姿勢に調整する技術などシートの動作を制御する電子ユニットとの融合開発を行い、自動車メーカー、シートメーカーへの提案と新製品の開発活動を行っております。

 ランプについては、市場ニーズに対応した機能性、意匠性、先進性、低価格化を重視した研究開発活動を実施し、LED光源の採用や導光レンズを活用したリアコンビネーションランプ、シーケンシャルタイプ方向指示器、レンズ技術と光源を組合せ効率よく発光させるランプなどの多種の新規ランプを開発しております。

(2) 電子製品

 電子製品領域については、以下を研究開発の重点テーマに位置付けております。

①高効率パワーエレクトロニクス技術開発

 DC-DCコンバータ、インバータ等の電力変換装置において、電力損失を最低限に抑えることで製品コスト低減とエネルギー損失の抑制を図る新技術開発を行っております。

②モデルベース開発

 複雑で大規模・高度なソフトウエア開発を短納期で行うべく、最先端の開発プロセスを導入しております。

③EMC開発

 車載電子機器が発生する電磁ノイズを抑制する為の製品コスト上昇と開発期間増加が問題になっています。これに対して社内での測定環境を整備して、技術ノウハウの蓄積と効率的な開発を行っております。

④電源システム開発

 車載電源は従来の鉛バッテリーのシステムから、リチウムイオン電源、キャパシター電源等の多彩なパワーソースの組み合わせへ変遷しています。これらは電動化の一環であることから重要なビジネスアイテムであると位置づけ独自の先行技術開発を行っております。

(3) その他の製品

 その他の製品としましては、機構・電装技術に加え、IoT・画像技術を融合し人々の豊かな暮らしに貢献する製品の研究開発を行っております。

 また、今仙グループの次世代の核となる製品、既存事業にとらわれない製品等を専門に研究・開発を行う部門にて、産学、産産連携した研究開発に取り組んでおります。

(福祉機器関連事業)

 福祉機器の電動車いすについては、暮らしを支えるかけがえのないパートナーとして、安全性・快適性を徹底的に追求し、使われる方の快適さはもとより、介助する方や環境にも優しく、またデザインにまで心を配って開発しております。

 重度障がい者を対象とした製品に加え、今後の高齢化に向け、既存の移動機器のコア技術など、高齢者向けへの研究開発も行っております。そして障がい者、高齢者の方にとって唯一の自力移動手段であることを踏まえ、使いやすさと安全性を重点に、一層の軽量化、小型化、高機能化を目指しております。

 義足については、「使う人の要求を、作る人の立場で考える」というコンセプトのもと、様々な日本の生活環境、体型、年齢などに合わせた最適な義足を提供するため、パーツ選択や交換、調整を容易に行えるモジュール化した義足部品の研究開発を行っております。膝継手では、国内のみではなく海外に向けた、安全性、快適性を追求した機能とともに、デザイン性を重視した製品を開発しており、国内外から高い評価をいただいております。更に、スポーツ用義足は、東京パラリンピックでは、2名のパラアスリートに使用していただきました。この技術をもとに、2021年にはエントリー向けを発売開始し、アスリート向けの開発のみではなく、障がい者スポーツの普及にも取り組んでいきます。

 歩行支援機「ACSIVE」は、名古屋工業大学の受動歩行ロボット研究から共同開発した、モーターも電源もいらない『無動力の歩行支援機』です。シンプルな軽量設計で、簡単・スタイリッシュに脚に装着でき、装着すると楽に歩くことができます。軽度の歩行障がいをお持ちの方向けの「ACSIVE」、歩行不安のある健康な高齢者向けの歩行支援機「aLQ」についても、更なる製品開発に加え新たに開発した歩行を簡便に可視化できる歩行測定システムなど、歩行研究と産学共同研究で獲得したノウハウにより、新たな介護・リハビリテーション医療分野への製品開発に取組んでおります。