第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

① 経営の基本方針

当社は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の使命と認識し、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに信頼される会社を目指し、事業活動を行ってまいります。

② 目標とする経営指標

当社は、その時々の環境に見合った利益を確保しつつグループの全体価値を高め、事業の巾を広げつつグローバル展開を進め、売上の拡大と適正利益の確保を目指します。今回の新型コロナウイルスの影響、中国進出に伴う負担増等により目先の利益確保は厳しくなりますが、中期的には5%以上、長期的には8%以上の営業利益率確保を目標に事業を進めてまいります。

③ 中長期的な会社の経営戦略

金属関連部品事業につきましては、既存客先へのさらなる浸透を基本戦略として展開してまいります。中でも、従来の内燃機関車に加えて電動車等の環境対応車を中心とした製品分野への対応強化を重点課題として取り組むと共に、従来にも増して技術開発重視の「真にお客様に求められるものづくり」を目指し、問題解決型、提案型の事業展開を進めてまいります。
 当期から加わったいがり産業を主体とする樹脂関連部品事業につきましては、当社の営業基盤を活用し、金属関連部品事業の既存客先や新規開拓先への提案を積極的に行い、樹脂部品単体のみならず樹脂+金属のハイブリッド部品の拡販を進め、新たな事業の柱として育ててまいります。
 その他事業につきましては、ビスライダー既存品のグローバル市場での拡販を基本戦略として展開してまいります。また、ツールや新ラインナップ開発を重点課題とし、さらに次なる新商品の開発を進め、他社とのコラボレーションも試行しつつ引き続きこの事業分野を大きくしてまいります。
 海外拠点につきましては、北米・アジア地域への直接販売をさらに強化するために、生産・供給体制の整備と財務体質の強化を図ってまいります。また、2019年10月に設立いたしました睦諾汽車部件(湖北)有限公司の立上げ・稼働も中長期での大きな課題となります。年初からのコロナ禍の影響により立上準備計画も軌道修正しながら進めておりますが、来春立上げ、来夏量産開始のスケジュールには変更ありませんので、万難を排して予定通り立上げ、軌道に乗せられるように進めてまいります。その他の海外子会社につきましても、全拠点のネットワークを活用し、さらなる拡販と企業体質強化のための活動を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要取引先であります自動車業界は、期初から全体的に低調に推移し、駆け込み需要も感じられないまま10月の消費税増税によりさらに落ち込み、年が明けてからは新型コロナウイルスの感染に見舞われながらも何とか大崩れせずに推移しました。これを受けてのいがり産業グループを除いた当社グループの業績も前年割れとなり、実質的に減収減益となりました。2021年3月期に入ってからは新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響が大きくなり、先が見通せない状態が続いております。現状ではこの「コロナ禍」からの早期V字回復は難しい状況であり、短期的にはダメージを減らす対応が、中長期では「WITHコロナ」の新しい環境下で事業を続けていくための対応が必要となっております。
 このような経営環境下における当社グループの対処すべき課題は、以下の通りであります。
 

① グループ会社の体制強化

特に2019年4月に子会社化しましたいがり産業グループを中心に、グループ会社の体制強化を引き続き進めてまいります。今後、全グループ会社に対し収益力を高めるための改善指導を進めると共に、内部統制をはじめとした経営体制強化を進めてまいります。

 

② 中国拠点立上げ

2019年10月に中国湖北省に設立しました「睦諾汽車部件(湖北)有限公司」は、現在計画通り工場を建設中です。同社は、合弁会社も含めると現存する当社グループ10社目の子会社、7社目の海外子会社、4社目の金属関連部品事業製造・販売子会社となり、新型コロナウイルスの発生地である武漢市に隣接する孝感市に位置します。このことにより今後の立上げスケジュールや人材獲得等のイベントにおいて、コロナ禍の影響を受ける可能性があります。しかしながら、中国市場にも回復の兆しが見られ事業計画も予定通り進んでいることから、来春の立上げ、来夏の量産開始に向けての準備をしっかりと行い、計画通り立上げてまいります。

③ 販売領域の拡大

自動車電動化進展時の部品構成の変化に備え、また今回のコロナ禍のような事態に備え、供給製品の販売先や供給可能な製品の巾を広げる取り組みが必要だと考えます。いがり産業グループの子会社化や睦諾汽車部件(湖北)有限公司の設立もこうした課題に対する取り組みの一環ですが、基盤となる精密プレス部品と新たに加わった精密樹脂成形部品の販売領域において、また新たに加わる中国という一大消費地域へのアクセスにより、持てるリソースを最大限に活用しつつグループのシナジーを十二分に発揮して販売増につなげてまいります。

④ 安全と品質の取り組み強化

ここ数年来特に重点を置いて取り組んでまいりました製造業の基本であるS・Q(安全・品質)の強化につきましては、引き続きさらなるレベルアップを目指して改善を進めてまいります。来春立上げとなります睦諾汽車部件(湖北)有限公司につきましても、稼働当初からしっかりと取り組んでまいります。また、当社は「ISO9001品質マネジメントシステム」を取得しておりますが、サプライチェーン上位の自動車部品メーカーでは自動車産業向けに作られた「IATF16949品質マネジメントシステム」の認証取得が拡大しており、当社客先からも当該システムの認証取得を求められております。このようなことから2022年度内の認証取得を目標に、当該システムの構築・運用を進めてまいります。

⑤ 人材確保の取り組みと働き方の見直し

労働人口が減少し、働き方も変化する時代となり、人材の確保が難しくなっています。当社グループの課題を解決していくためには、それらを引き継いでいく人材が必要となります。人材確保のために中長期的な視野で既存人員も含めた人への投資を厚くし、働き方の見直しを行い、改善を進めていく必要があります。今後もグループ全体を通じて待遇改善と共に働き方の見直しを進め、生産性の向上を図ってまいります。

⑥ 自動化・合理化投資の推進

人材確保の取り組みとの裏表になりますが、工数確保が難しくなる環境下においては、付加価値の低い機械的な単純作業、高度な判断を必要としない仕事等は出来る限り自動化・合理化を進めていく必要があります。当社グループはこれらの自動化・合理化投資を積極的に行い、人材が付加価値の高い仕事に従事できる環境づくりを進めてまいります。

⑦ 新型コロナウイルスへの対応

今年中国から世界に広がった新型コロナウイルスに対し、我国では4月7日に緊急事態宣言が発令され、緩やかな自粛要請による抑え込みが進められました。日本人の真面目で忍耐強い国民性もあってか、諸外国の様な強権的な都市封鎖をしていない割に不思議と抑え込めているように思えます。これを受けて5月25日には緊急事態宣言が全面解除され、自粛要請も段階を踏んで解除されてきており、徐々に経済活動が戻ってきております。しかしながら、このウイルスとは長期戦を覚悟しなければならず、一旦抑え込めても第2波、第3波と波状的に戦いが継続すると言われています。企業がこのウイルスに対応するためには、「新しい生活様式」なる行動変容を軸に事業を継続して行く必要があります。当社では感染者を出さないために、緊急事態宣言発令中の全拠点での出張禁止と都市部の営業支店を中心とした時差出勤やテレワークを実施、国内全工場では売上減少に応じた一時帰休とその時間を利用した教育訓練を実施しております。また、これらの実施に伴い、4~6月の役員報酬を10%減給しました。

この新型コロナウイルスによる影響が今後どのようになっていくのかは予断を許しませんが、今年度中には落ち着き、自動車の需要も年度末には9割方戻って来るのではないかと期待しております。とは言え、今後の顧客各社の稼働状況や社会情勢の変遷等により、どのように事業運営し行動しなければならないのかは変わって来ると考えますが、この環境下でも生き残っていけるように、最善を尽くしてまいります。そして「WITHコロナ」時代の環境に適応して事業を継続して行けるように、その時々の状況に応じて迅速に行動してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価および財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 海外での事業展開リスクについて

当社グループの生産及び販売活動につきましては、北米やアジア等、日本国外に占める割合が高まる傾向にあります。そのため、当社グループが進出している国や地域において予測不可能な自然災害、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱、労働災害、ストライキ、疫病等の事象により事業の遂行に問題が生じる可能性があります。まさに今回の新型コロナウイルスの影響もこれらに当てはまりますが、そのような場合には海外事業の立上げや運営、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定事業への依存度が高いことへのリスクについて

当社グループは独立系の自動車部品メーカーであり、特定の顧客への依存度は高くはありませんが、自動車産業への依存度が高くなっております。したがいまして、当社グループの業績は国内及び海外の日系自動車メーカーの自動車生産台数の増減により影響を受けます。また、当社グループが供給している部品群は、内燃機関と変速機を動力・伝達機構とする従来型(ハイブリッド車含む)の車輌向けが主体であるため、動力・伝達機構が内燃機関を有さないモーターと変速機を必要としない減速機のみによる駆動等に変更された場合、自動車の生産台数は減少せずとも部品構成の変更に伴い影響を受ける可能性があります。この度子会社化しましたいがり産業グループにつきましても主要な事業領域は車輛関連部品となりますが、こちらは動力・伝達系以外の部品が多く、また医療等の異分野にも販売を行っているため、今回のグループ加入が多少なりともリスクの低減につながるものと考えております。

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

当社グループの売上高(千円)

20,083,804

20,368,940

21,401,879

金属関連部品事業売上高(千円)

19,137,672

 19,416,371

18,571,059

金属関連部品事業売上比率(%)

95.3

95.3

86.8

 

(3) 在庫リスクについて

当社グループは独立系自動車部品メーカーとして、国内完成車メーカー11社との直接取引をはじめ多くの部品メーカーと取引を行っております。当社での生産におきましては、客先の生産計画に基づく、週・旬・月単位での内示情報と過去の流動傾向を基にした見込生産がかなりの部分を占めております。当社グループといたしましては、より正確な情報を得て見込みが大きく狂わないように努力いたしておりますが、見込生産量と実際の受注量に大きな差異が生じた場合には、過剰在庫となって業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替変動リスクについて

当社グループの業績及び財務状況は、為替の変動によって影響を受けます。為替変動は当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算に影響を与えます。また、為替変動は、外貨建で取引されている製品の価格及び売上高の日本円換算に影響を与えます。これにより、当社グループの競争力にも影響し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 品質リスクについて

当社グループは、客先からの厳しい品質要求に応えるべく品質保証体制を確立し、常に品質向上に努めております。しかしながら、それでも製造工程等で品質不具合が発生・流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6) 市況変動リスクについて

当社グループの金属関連部品の主要材料である普通鋼・特殊鋼の調達価格は、鉄の取引市況に大きく左右されます。また、生産に必要な消耗品類につきましても、原油やその他の原材料市況に影響を受けるものが多くあります。これらの市況の変動により当社グループの調達価格が大きく変動した場合や鉄などのスクラップ価格が大きく変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害その他

地震・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等の蔓延によりサプライチェーンの寸断等の社会的混乱が発生した場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。今回の新型コロナウイルスも海外だけに留まらず国内需要や生産にも大きな影響を及ぼしており、まさに今回リスクが現実化した形となりました。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦等国家間の政治的な駆け引き等も絡んでやや減速気味になりながらも全般的には比較的堅調に推移しました。しかしながら、今年に入り中国から世界へと広がった新型コロナウイルスの影響により、各国の主要都市は封鎖され、工場も稼働を停止し、世界中で経済活動が停滞して需要が消失しました。このような状況の中、発生源の中国武漢市では徹底した封鎖措置により2.5ヶ月で感染拡大を抑え込み、経済活動を再開させています。武漢市同様都市封鎖という厳しい措置を取っていた欧米諸国も封鎖措置から徐々に規制を緩め、経済活動を再開し始めています。しかしながら、現状ではうまく行くのかぶり返すのかもまだ何とも言えず、先の見通せない状態が続いております。
 一方国内経済につきましては、10月の消費税増税で失速気味になり、第4四半期に新型コロナウイルスの影響も少し有ったものの、3月末までは何とか大崩れせずに推移しました。しかしながら、4月7日に緊急事態宣言が発令され、経済活動は著しく停滞しました。この緊急事態宣言は当初の設定期間を超えて継続し、5月25日に全面解除されましたが、これからの経済活動に対する制約は大きく残ることとなり、経済の先行き不透明感は依然として大きなままとなっています。
 このような状況の中、当社グループの連結売上高は21,401百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりましたが、これについては今期より連結対象となりましたいがり産業グループの売上加算によるものであり、いがり産業グループを除いた純粋な前年対比では4.2%の減少となっております。営業利益につきましては、資源価格の上昇とスクラップ価格の下落、労務人件費や設備償却費の上昇等により1,256百万円(前連結会計年度比38.1%減)となりました。経常利益につきましては、1,395百万円(前連結会計年度比42.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、846百万円(前連結会計年度比51.4%減)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

① 金属関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、18,571百万円(前連結会計年度比4.4%減)となりました。売上が低迷した一部客先の生産減が顕著であったことと海外で苦戦するトラックメーカーの引きが弱かったこと、中国絡みで弱含んだ客先があったこと等により、1年を通じてやや低調に推移しました。

② 樹脂関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、1,886百万円(前連結会計年度比―)となりました。

③ その他

当連結会計年度の当事業の売上高は、943百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。海外は豪州と欧州が減少しましたが米国と韓国で増加し、全体としては増加しました。国内は家庭用製品のメディア紹介による特需もありましたが連続ねじ締め機関連が1月以降低調に推移し、全体として減少しました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ70百万円増加し、23,784百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ47百万円減少し、7,038百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ118百万円増加し、16,745百万円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費や有価証券の償還による収入があったものの、仕入債務の増減額、法人税等の支払額、定期預金の預入による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、有形固定資産の取得による支出、有価証券の取得による支出、長期借入金の返済による支出や配当金の支払額などがあり、当連結会計年度末には4,741百万円(前連結会計年度末比5.2%減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,605百万円(前年同期比42.7%減)となりました。これは受取利息及び受取配当金113百万円、仕入債務の増減額945百万円、法人税等の支払額718百万円などの資金の流出があったものの、税金等調整前当期純利益1,337百万円、減価償却費1,302百万円、退職給付に係る負債の増減額95百万円、売上債権の増減額425百万円、利息及び配当金の受取額114百万円などの資金の流入があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は862百万円(前年同期比44.5%減)となりました。これは定期預金の払戻による収入112百万円、有価証券の償還による収入1,797百万円などがあったものの、定期預金の預入による支出413百万円、有価証券の取得による支出342百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出275百万円、有形固定資産の取得による支出1,430百万円などの資金の流出があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は975百万円(前年同期比51.2%増)となりました。これは長期借入金の返済による支出402百万円、配当金の支払額281百万円、自己株式の取得による支出212百万円などがあったことによります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

18,338,448

94.7

樹脂関連部品事業(千円)

1,870,816

  報告セグメント計(千円)

20,209,264

104.3

その他(千円)

835,349

97.4

合計(千円)

21,044,614

104.0

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、得意先の生産計画に基づく週単位、旬単位、月単位での内示情報と、過去の流動傾向を基にした見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

18,571,059

95.6

樹脂関連部品事業(千円)

1,886,856

  報告セグメント計(千円)

20,457,915

105.4

その他(千円)

943,963

99.1

合計(千円)

21,401,879

105.1

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

2,525,600

12.4

2,651,551

12.4

本田技研工業株式会社

2,187,932

10.7

2,336,233

10.9

 

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。そのため、実際の業績や財務状況は記載予想とは異なる可能性があります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 財政状態の分析

流動資産は、現金及び預金の増加145百万円、売掛金及び受取手形の増加265百万円、商品及び製品の増加92百万円、仕掛品の増加118百万円がありましたが、電子記録債権の減少179百万円、有価証券の減少920百万円により、前連結会計年度末と比較して495百万円の減少となりました。

固定資産は、投資有価証券の減少501百万円がありましたが、有形固定資産の増加784百万円、無形固定資産の増加153百万円、繰延税金資産の増加85百万円、投資その他の資産のその他の増加54百万円により、前連結会計年度末と比較して565百万円の増加となりました。

以上の結果、資産合計は前連結会計年度末と比較して70百万円増加し、23,784百万円となりました。

負債につきましては、電子記録債務の減少775百万円、未払法人税等の減少178百万円がありましたが、支払手形及び買掛金の増加138百万円、短期借入金の増加335百万円、流動負債のその他の増加167百万円、退職給付に係る負債の増加134百万円、固定負債のその他の増加198百万円により前連結会計年度末と比較して47百万円減少して、7,038百万円となりました。

純資産につきましては、16,745百万円と前連結会計年度末と比較して118百万円の増加となりました。これは配当金の支払281百万円、新規連結による変動額の計上24百万円、自己株式の取得212百万円、その他の包括利益累計額合計の変動額210百万円の減少がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上846百万円の増加によるものであります。

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における売上高は21,401百万円(前連結会計年度比+1,032百万円・5.1%増)、営業利益は1,256百万円(前連結会計年度比△773百万円・38.1%減)、経常利益は1,395百万円(前連結会計年度比△1,012百万円・42.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は846百万円(前連結会計年度比△894百万円・51.4%減)となりました。

売上に関しましては、当社グループの主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度における国内生産台数が9,489千台(前連結会計年度比△259千台・2.7%減)、1~12月の海外生産が18,852千台(前連結会計年度比△1,113千台・5.6%減)、これらを合算した全世界生産台数が28,341千台(前連結会計年度比△1,374千台・4.6%減)と減少したことによる押し下げの影響と、業績が振るわなかった客先の売上が大きく減少したこと等により、前連結会計年度までの連結対象部分での売上では4.2%減少しましたが、いがり産業グループの売上が加わったことにより5.1%増加しました。

利益に関しましては、国内・海外共に改善は例年並みに推移したものの原材料が高止まりしている割に鉄等のスクラップ価格が下落したことと設備費や人件費・労務費の増加等により、営業利益は38.1%減少しました。営業外では前期の為替差益109百万円が当期は為替差損93百万円となったこともあり、経常利益は42.0%減少しました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は51.4%減少しました。

現金及び現金同等物の期末残高の推移

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

4,086,130

4,482,752

5,000,312

4,741,639

 

キャッシュポジションについては、上記の表の様に推移しておりますが、2019年度末は休日のため、支払が翌営業日にずれている事から実質的には過年度より増加傾向で安定しており、経営安全度は高いと考えております。

新型コロナウイルスの対応から経済活動の急激な低迷によりキャッシュポジションも悪化することが予測されますが、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進してまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

34.1

27.2

64.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

104.6

320.9

124.5

 

(注) 1.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

2.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループでは、売上高の大半を車輌関連部品が占めています。したがいまして当社グループの売上は、自動車生産台数とその生産地域の影響を強く受けます。

当社グループは鉄系材料を使用した製品を多く供給しており、鉄鋼市況や鉄スクラップ市況の影響を強く受けます。

近年では海外子会社の売上や利益が連結に占める割合が増加傾向にあり、為替変動による影響を受けます。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは様々なお客様とお取引をさせていただいており、このことは個社事情による業績の変動を和らげて安定させる要素になり、強みであると考えております。この戦略については、今後も基本路線として堅持していくものでありますが、お客様の多さが安定性をもたらす一方で、それ故に経営効率を落としている面もあります。このことについては、取引規模や将来性、全体像等を勘案しながら見直しをかけていく必要があると考えております。

当社グループが製品を受注する上での競争力の源は、製品の具現化力と量産化力の高さにあると考えております。逆に言えば、簡単に形にできてすぐに良品が量産できるような製品では、当社グループの強みが十分に発揮できません。現状でも当社グループが競争力を有している製品は高難度部品、高付加価値部品でありますが、この戦略を踏襲しつつさらに深掘りし、現在は手掛けていないような形状、加工、分野の製品にも挑戦していきたいと考えております。また、そのための研究開発についても引き続き注力していく所存であります。

当社グループの金属関連部品事業の海外生産工場は、米国、ベトナム、インドネシアの3拠点でしたが、2019年10月に中国湖北省に設立しました睦諾汽車部件(湖北)有限公司が来春立上げ、来夏量産開始予定となっており、同事業海外4つ目の生産拠点となります。今回の中国進出は、現在国内で生産・供給している部品を中国現地でも生産・供給をというお客様からの要望もあり、実現したものです。これにより中国にも足場ができますので、中国でのビジネスをこれからの成長のエンジンにしていきたいと考えます。当社グループといたしましては、海外拠点を最大限有効活用しつつグローバルでの生産・供給体制をさらに充実させてまいる所存であります。

また、いがり産業グループが加わったことで当社グループに樹脂という新たな事業領域が加わり、樹脂のみで無く樹脂+金属の複合的な部品も生産できるようになりました。いがり産業も当社同様金型の設計・製作から手掛けている企業であり、高付加価値部品戦略を展開できるだけの技術力を備えております。樹脂+金属というコラボレーションもできるようになれば、さらに付加価値の高い製品を開発、提案することが可能になると考えますので、シナジー効果をしっかり出せるように連携を密にしてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、更なる自動車部品需要の増加が期待される中国地域において、自動車部品需要への対応、海外事業の一層の拡大を図ることを目的として、新たに子会社設立を決定いたしました。

 

1.設立する子会社の概要

むろきしゃぶけん(こほく)ゆうげんこうし

(1)商号    睦諾汽車部件(湖北)有限公司

英文表記:MURO TECH XIAOGAN HUBEI CO.,LTD

こほくしょう こうかんし こうしんぎじゅつかいはつく

(2)所在地      湖北省 孝感市 高新技術開発区

(3)代表者   総経理 舩山 博

(4)事業内容  自動車部品の製造販売並びに輸出入

(5)資本金   US$7,360,000(約8億円)

(6)出資比率  当社 100

(7)設立年月日 201910

(8)稼動開始    2021年4月(予定)

 

2.今後の見通し

当該子会社設立による連結業績に与える影響は軽微であります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、高度化と低価格化という相反する顧客ニーズに対応するため、より技術水準の優れた製品を企画し、それらを開発し、顧客に提供していくことを基本方針としております。

現在の研究開発は、当社が単独で実施しております。主力加工分野である金属打抜(プレス)加工については、精密せん断の加工技術の開発や冷間鍛造加工技術の研究開発を行っております。また、金型部品の表面処理に関する研究や金属と樹脂の複合技術の開発を行っております。さらに、最近では環境保護や資源の有効利用を目的としての研究開発を実施しております。

その結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は36百万円となっております。今後もより多くの顧客ニーズに対応するため、加工技術の研究開発を進め、合わせて環境問題や資源の有効利用に取り組んでいきます。

(1) 金属関連部品事業

① 摺動部材及び金型部品に関する表面処理とトライボロジーに関する研究

② CAEを用いた金属材料の塑性加工に関する解析

③ 精密せん断加工技術の開発

④ プレス加工品のバリ取り工法の開発

⑤ 接合・接着技術の開発

⑥ 研削砥石加工技術の開発

金属関連部品事業に係る研究開発費は26百万円であります。

(2) その他

① 連続ねじ締め機の開発と新規格の高性能ねじの開発

② 業務用の果物類皮むき機の開発

③ 連結ねじ製造技術の開発

その他に係る研究開発費は9百万円であります。

なお、当連結会計年度における上記の金属関連部品事業の開発は技術本部が担当、その他事業の開発は特販部が担当しております。