第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

経営の基本方針

当社は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の使命と認識し、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに信頼される会社を目指し、事業活動を行ってまいります。

目標とする経営指標

当社は、その時々の環境に見合った利益を確保しつつグループの全体価値を高め、事業の巾を広げつつグローバル展開を進め、売上の拡大と適正利益の確保を目指します。新型コロナウイルスの影響やロシアのウクライナ侵攻、中国ゼロコロナ政策に伴うロックダウン等によりサプライチェーンが混乱して客先各社の稼働状況も不安定になるなど利益確保は厳しくなりますが、中長期的には8%以上の営業利益率確保を目標に事業を進めてまいります。

中長期的な会社の経営戦略

金属関連部品事業につきましては、既存客先へのさらなる浸透を基本戦略として展開してまいります。中でも、EVも含めた電動車等の環境対応車を中心とした製品分野への対応強化を重点課題として取り組むと共に、従来にも増して技術開発重視の「真にお客様に求められるものづくり」を目指し、問題解決型、提案型の事業展開を進めてまいります。

また、いがり産業を主体とする樹脂関連部品事業につきましては、当社の営業基盤を活用し、金属関連部品事業の既存客先や新規開拓先への提案を積極的に行い、樹脂部品単体のみならず樹脂+金属の複合部品の拡販を進め、新たな事業の柱として育ててまいります。

その他事業につきましては、既存品のグローバル市場での拡販を基本戦略として展開してまいります。ツールや新ラインナップ開発を重点課題とし、さらに次なる新商品の開発を進め、他社とのコラボレーションや産学協同事業も試行しつつ引き続き事業拡大を目指してまいります。

海外拠点につきましては、北米・アジア地域への直接販売をさらに強化するために、生産・供給体制の整備と財務体質の強化を図ってまいります。また、中国拠点である睦諾汽車部件(湖北)有限公司が稼働を開始しましたので、早期黒字化を目指して活動してまいります。その他の海外子会社につきましても、全拠点のネットワークを活用し、さらなる拡販と企業体質強化のための活動を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要取引先であります自動車業界は、前年度後半からの半導体等のボトルネック部品の供給不足の解消が進み、第1四半期は大きく生産を伸ばしました。しかしながら、第2四半期からはこれらボトルネック部品の供給基地である東南アジアで感染が拡大したことに伴い供給が滞り、第3四半期には部品不足に陥り失速しました。この問題は構造的なものであり、短期での根本的な解決が難しく、第4四半期も回復できずに低調に推移しました。このような状況の中、当社グループの売上は前年度が低迷したことと第1四半期の好調さもあり増収となりました。また利益面では、原材料費の高騰等経費増大もありましたが、改善効果と円安による為替差益もあり増益となりました。

このような経営環境下における当社グループの対処すべき課題は、以下の通りであります。

 

① 事業領域の拡大と見直し

新型コロナウイルスの蔓延を機に、脱炭素社会への取り組みが大きく加速しました。これに伴い自動車の電動化は一気にEV化へと方向付けられ、自動車各社はEV化に向けた野心的な目標を次々に掲げています。これらの目標が達成された場合、近い将来自動車を構成する部品の種類が大きく変わり、部品点数も大きく減少することになります。しかしながら、これらの目標を達成するためには多くの課題があるのも事実です。それらの課題をいつどのように解決できるかで先行きが大きく変わって来るため、EV化の進展を見通すことは非常に難しいと考えております。そこで当社では、超長期の幾つかのシナリオを用意し、事業領域を見直して行くことを考えています。そして、そのシナリオとEV化の進み具合を見比べながら、既存事業と新規事業の比率をコントロールしていく必要があります。EV化が最も進むシナリオでは新規事業の比率を高くし、進みが遅いシナリオでは既存事業の成長を維持して利益を最大化したいと考えます。いずれにしても新規事業の種蒔きをしっかりと行い、どのシナリオにも対応できるように、既存事業でも新規事業でも供給製品の販売先や供給可能な製品の巾を広げる取り組みが必要です。いがりグループの子会社化や睦諾汽車部件(湖北)有限公司の稼働もこうした課題に対する取り組みの一環ですが、基盤となる精密プレス部品と精密樹脂成形部品の領域において、また中国という一大消費地域へのアクセスにより、持てるリソースを最大限に活用しつつグループのシナジーを十二分に発揮して、当社グループの成長につなげてまいります。

中国拠点量産開始

2019年10月に中国湖北省に設立しました「睦諾汽車部件(湖北)有限公司」は工場稼働を開始し、2021年5月より売上を計上しております。中国のゼロコロナ政策等の影響もあり事業活動も思い通りにできている状態ではありませんが、安定稼働に向けて日々活動を進めています。現地のお客様からも引き合いや問い合わせをいただいており、EV化が進む中国市場において、これまでに無かった事業領域も開拓しながら中国拠点を早期に黒字化させてまいります。

安全と品質の取り組み強化

ここ数年来特に重点を置いて取り組んでまいりました製造業の基本であるS・Q(安全・品質)の強化につきましては、引き続きさらなるレベルアップを目指して改善を進めております。その結果、当社では今年度の品質社内目標をクリアすることができました。今後もさらに高い目標を設定し、目標達成に向けて全社一丸となって日々取り組んで参ります。また、当社はISO9001品質マネジメントシステムを取得しておりますが、サプライチェーン上位の自動車部品メーカーでは自動車産業向けに作られたIATF16949品質マネジメントシステムの認証取得が拡大しており、当社客先からも当該システムの認証取得を求められております。このようなことから、2022年度の認証取得を目標に当該システムの構築・運用を進めております。

④ 人材確保の取り組みと働き方の見直し

労働人口が減少して働き方も多様化する時代となり、人材の確保が難しくなっています。当社グループの課題を解決していくためには、現状の課題を引き継いで解決していく人材が必要となります。この対応として、人材確保のために中長期的な視野で既存人員も含めた人への投資を厚くし、働き方の見直しを行い、改善を進めていく必要があります。今後もグループ全体を通じて待遇改善と共に働き方の見直しを進め、生産性の向上を図ってまいります。

自動化・合理化投資の推進

人材確保の取り組みとの裏表になりますが、工数確保が難しくなる環境下においては、付加価値の低い機械的な単純作業、高度な判断を必要としない仕事等は出来る限り自動化・合理化を進めていく必要があります。当社グループはこれらの自動化・合理化投資を積極的に行い、人材が付加価値の高い仕事に従事できる環境づくりを進めてまいります。またこれからは、これらの取り組みを事務系や間接部門系にも広げてまいります。

 

新型コロナウイルスへの対応

発生から既に2年以上が経過している新型コロナウイルス感染症ですが、ワクチンが開発されて状況の改善が進む一方で世界各地では変異株が発生し、現在でも感染の拡大と収束を繰り返しています。現在のウイルスは、感染力は強いものの重症化し難い方向に変異しており、パンデミックからエンデミックへの移行が期待されます。しかしながら、変異の方向性がいつ変わるかも分からず、また現状ではまだまだパンデミックとしての対応が必要であることから、対応を継続していく必要があります。当社では感染者を出さないために、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置発令中の全拠点での出張自粛と都市部の営業支店を中心とした時差出勤やテレワークを実施しております。一方で、海外各国の感染状況が改善し、隔離措置が緩和されて来ている現状を受け、徐々に海外拠点への出張も再開していきたいと考えております。今後の感染状況や社会情勢の変化等により、どのように事業運営し行動しなければならないのかは変わりますが、どのような環境下でもその時々の状況に応じて適切に行動してまいります。

変動に合わせた稼働対応

新型コロナウイルス感染拡大により、様々な潜在的な弱点が顕在化しました。日本ではデジタル化や政治・行政の機能不全、危機管理対応で多くの課題が顕在化しました。産業界ではサプライチェーンの弱点が露わになり、半導体や様々な材料等の供給不足、他国生産品の物流停止による供給停止等で自動車生産が停滞する事態となっており、何が原因でいつ何のサプライチェーンが絶たれるかも分からない状態となっています。これも効率化のための分業と寡占が進んだ結果だと思われますが、一度供給不足になると挽回するだけの生産能力が無いのが現状であり、問題は長期化する傾向にあります。当社でもこれらの要因で受注が変動する可能性があり、変動には対応していく必要があります。昨年度に引き続き、今年度も客先の生産減の影響により短期間ではありますが一時帰休を実施して稼働を減らす対応を行いました。今後も日常的に同じ様な稼働調整をする必要が出て来るものと考えますが、これまでの経験を活かしてしっかりと対応してまいります。

⑧ カーボンニュートラルへの対応

我国の2050年カーボン排出量実質ゼロ目標を達成するため、当社でも事業活動におけるカーボンニュートラル実現のための活動を進めて行く必要があります。当社の主力事業では、大型プレス機や熱処理炉等の様々な設備を稼働させる必要があるため、カーボンニュートラル実現のハードルは非常に高いと認識しておりますが、他社事例や技術動向等を参考に実現のための長期ロードマップを策定して活動してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)海外での事業展開リスクについて

当社グループの生産及び販売活動につきましては、北米やアジア等、日本国外に占める割合が高まる傾向にあります。そのため、当社グループが進出している国や地域において予測不可能な自然災害、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱、労働災害、ストライキ、疫病等の事象により事業の遂行に問題が生じる可能性があります。まさにこの度の新型コロナウイルスの影響もこれらに当てはまりますが、そのような場合には海外事業の立上げや運営、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)特定産業への依存度が高いことへのリスクについて

当社グループは独立系の自動車部品メーカーであり、特定の顧客への依存度は高くはありませんが、自動車産業への依存度が高くなっております。したがいまして、当社グループの業績は国内及び海外の日系自動車メーカーの自動車生産台数の増減により影響を受けます。また、当社グループが供給している部品群は、内燃機関と変速機を動力・伝達機構とする従来型(ハイブリッド車含む)の車輌向けが主体であるため、動力・伝達機構が内燃機関を有さないモーターと変速機を必要としない減速機のみによる駆動等に変更された場合、自動車の生産台数は減少せずとも部品構成の変更に伴い影響を受ける可能性があります。樹脂部品事業のいがり産業につきましても主要な事業領域は車輛関連部品となりますが、こちらは動力・伝達系以外の部品が多く、また医療等の異分野にも販売を行っているため、いがり産業のグループ加入が多少なりともリスクの低減につながるものと考えております。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

当社グループの売上高(千円)

21,401,879

18,965,187

20,533,642

金属関連部品事業売上高(千円)

18,571,059

16,701,040

17,938,721

金属関連部品事業売上比率(%)

86.8

88.1

87.4

 

(3)在庫リスクについて

当社グループは独立系自動車部品メーカーとして、国内完成車メーカー11社との直接取引をはじめ多くの部品メーカーと取引を行っております。当社での生産におきましては、客先の生産計画に基づく、週・旬・月単位での内示情報と過去の流動傾向を基にした見込生産がかなりの部分を占めております。当社グループといたしましては、より正確な情報を得て見込みが大きく狂わないように努力いたしておりますが、見込生産量と実際の受注量に大きな差異が生じた場合には、過剰在庫となって業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当下半期の客先各社の生産状況はサプライチェーンの混乱から減産基調となりましたが、当社では製造リードタイムの関係から客先からの内示を基に計画を立てて生産しており、直前の内示修正には対応が難しい面があります。また、客先各社の増産アナウンスに対応すべく在庫を積み増していたこともあり、当社グループの当期末の在庫金額は前期末に比べて42.5%増加しました。

(4)為替変動リスクについて

当社グループの業績及び財務状況は、為替の変動によって影響を受けます。為替変動は当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算に影響を与えます。また、為替変動は、外貨建で取引されている製品の価格及び売上高の日本円換算に影響を与えます。これにより、当社グループの競争力にも影響し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

現在円安が進んでいますが、円安による当社グループへの直接的な業績影響は基本的にプラス方向となります。しかしながら、円安により資源価格等が高くなることで間接的にマイナス影響が発生します。

(5)品質リスクについて

当社グループは、客先からの厳しい品質要求に応えるべく品質保証体制を確立し、常に品質向上に努めております。しかしながら、それでも製造工程等で品質不具合が発生・流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)市況変動リスクについて

当社グループの金属関連部品の主要材料である普通鋼・特殊鋼や非鉄材料及び樹脂関連部品の主要材料である樹脂の調達価格は、市場の取引市況に大きく左右されます。生産に必要な消耗品類につきましても、原油やその他の原材料市況に影響を受けるものが多くあります。昨今のコロナ禍に伴う増減産とサプライチェーンの混乱により、最近では材料等の市況が大きく振れる傾向にあります。また、最近の円安で輸入品の価格が上がり、調達品の価格も上昇する傾向にあります。これらの市況の変動により当社グループの調達価格が大きく変動した場合や鉄などのスクラップ価格が大きく変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

主要材料である鉄鋼・樹脂等の調達価格上昇に対しては、客先各社への売価反映を交渉して回収しておりますが、客先各社の対応も様々であり、全額回収が難しい客先や回収期間が遅れる客先があります。主要材料については全額回収できるように粘り強く交渉を進めてまいりますが、主要材料以外の消耗品や副資材、電力・ガス等の価格上昇は回収の交渉も難しく、今後の課題であると考えます。

(7)自然災害その他

地震・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等の蔓延によりサプライチェーンの寸断等の社会的混乱が発生した場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。この度の新型コロナウイルスも海外だけに留まらず国内需要や生産にも大きな影響を及ぼしており、まさにリスクが現実化した形となりました。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

 当連結会計年度における世界経済は、引き続き新型コロナウイルスの影響を受けながらもワクチン接種に伴う感染者数減少を受けて経済を回す動きが取られ、全体的には回復基調で推移しました。しかしながら、経済回復に伴う急激な需要拡大と、様々な要因に起因する供給制約に伴う需給逼迫によるサプライチェーンの混乱により、物価は高騰しました。さらに今年に入ってからは、ロシアによるウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策堅持による上海のロックダウン等がサプライチェーンの混乱と物価高騰に拍車をかけ、元々先行き不透明だった近年の状況に輪をかけて先行きが全く見通せない状態となっております。

 一方国内におきましては、新型コロナウイルスの影響を受けながらもオリンピックを開催し、感染増減の波に翻弄されながらも経済を回して全体的には回復基調で推移しましたが、他地域同様にサプライチェーンの混乱と資源物価の高騰に見舞われました。加えて、直近では20年以上振りの円安により、さらに輸入品物価が上昇する厳しい環境となっております。

 当社グループの主要事業領域であります自動車産業界は、年度初めの第1四半期においては前年の半導体不足からの挽回生産を行い堅調に推移しましたが、第2四半期後半からは東南アジアでの感染拡大に伴い再びサプライチェーンが混乱し、第3四半期には再び大幅な減産となりました。第4四半期にはサプライチェーンの混乱も幾分改善されましたが、引き続き先の見通しが立たない不安定な生産状況となりました。

 このような状況の中、当社グループの連結売上高は、前年度に対して回復はしたものの下半期の落ち込みが響き、20,533百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。営業利益につきましては、原材料を含む物価の値上りと下半期の生産減に伴う経費増がありましたが、前年度ほどの稼働調整が無くなり、1,259百万円(前連結会計年度比26.3%増)となりました。経常利益につきましては、前年度計上のありました雇用調整助成金が無くなりましたが、為替が大きく円安に振れたことによる為替差益404百万円が発生し、1,963百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年度計上のありました過年度分利益課税が無くなり、1,347百万円(前連結会計年度比38.3%増)となりました。

 

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

① 金属関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、17,938百万円(前年同期比7.4%増)となりました。上半期は好調に推移しましたが、第3四半期以降はサプライチェーンの混乱により客先の稼働が低迷し、挽回のアナウンスをしては挽回できずに減産となる状態の繰り返しに陥り、売上は低迷しました。

② 樹脂関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、1,688百万円(前年同期比16.9%増)となりました。金属関連部品事業同様上半期は好調に推移しましたが、第3四半期以降は失速しました。

③ その他

当連結会計年度の当事業の売上高は、905百万円(前年同期比10.5%増)となりました。海外は経済回復傾向により、カナダと欧州、豪州で増加しました。国内についても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で経済活動に制限はありましたが、回復基調で推移したため増加しました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、27,359百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ911百万円減少し、8,045百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,517百万円増加し、19,313百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加額、定期預金の払戻による収入、有価証券の償還による収入や長期借入金による収入があったものの、為替差損益、売上債権の増額、棚卸資産の増額、法人税等の支払額、有形固定資産の取得による支出、有価証券の取得による支出や短期借入金の純減額などがあり、当連結会計年度末には6,238百万円(前連結会計年度末比11.4%減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,737百万円(前年同期比37.5%減)となりました。これは税金等調整前当期純利益2,002百万円、減価償却費1,334百万円、仕入債務の増加336百万円などの資金の流入があったものの、法人税等の支払額556百万円、棚卸資産の増加369百万円、為替差益333百万円、売上債権の増加313百万円などの資金の流出があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,336百万円(前年同期比23.4%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1,806百万円、有価証券の取得による支出327百万円などの資金の流出があったものの、有価証券の償還による収入335百万円などの資金の流入があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は1,545百万円(前年同期は1,289百万円の取得)となりました。これは、長期借入れによる収入471百万円などの資金の流入があったものの、短期借入金の純減額1,490百万円などの資金の流出があったことによります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

17,501,413

107.0

樹脂関連部品事業(千円)

1,702,338

116.4

  報告セグメント計(千円)

19,203,751

107.8

その他(千円)

676,309

108.8

合計(千円)

19,880,061

107.8

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

 

 

(2) 受注状況

当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、得意先の生産計画に基づく週単位、旬単位、月単位での内示情報と、過去の流動傾向を基にした見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

17,938,721

107.4

樹脂関連部品事業(千円)

1,688,953

116.9

  報告セグメント計(千円)

19,627,675

108.2

その他(千円)

905,967

110.5

合計(千円)

20,533,642

108.3

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

2,698,751

14.2

2,672,835

13.0

株式会社アイシン

2,156,291

10.5

 

2.従来の当社とアイシン精機㈱及びアイシン・エイ・ダブリュ㈱との取引は、2社の2021年4月1日付経営統合に伴い、㈱アイシンに承継されております。

3.前連結会計年度におけるアイシン精機㈱及びアイシン・エイ・ダブリュ㈱の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。そのため、実際の業績や財務状況は記載予想とは異なる可能性があります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 財政状態の分析

流動資産は、受取手形及び売掛金の増加232百万円、電子記録債権の増加166百万円、有価証券の増加105百万円、商品及び製品の増加260百万円、原材料及び貯蔵品の増加154百万円がありましたが、現金及び預金の減少1,231百万円により、前連結会計年度末と比較して236百万円の減少となりました。

固定資産は、投資その他の資産のその他の減少69百万円がありましたが、有形固定資産の増加837百万円、投資有価証券の増加52百万円、繰延税金資産の増加49百万円により、前連結会計年度末と比較して842百万円の増加となりました。

以上の結果、資産合計は前連結会計年度末と比較して605百万円増加し、27,359百万円となりました。

負債につきましては、支払手形及び買掛金の増加287百万円、電子記録債務の増加107百万円、長期借入金の増加313百万円がありましたが、短期借入金の減少1,490百万円、未払金の減少211百万円により前連結会計年度末と比較して911百万円減少して、8,045百万円となりました。

純資産につきましては、19,313百万円と前連結会計年度末と比較して1,517百万円の増加となりました。これは配当金の支払265百万円がありましたが、為替換算調整勘定407百万円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,347百万円によるものであります。

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における売上高は20,533百万円(前連結会計年度比+1,568百万円・8.3%増)、営業利益は1,259百万円(前連結会計年度比+261百万円・26.3%増)、経常利益は1,963百万円(前連結会計年度比+373百万円・23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,347百万円(前連結会計年度比+373百万円・38.3%増)となりました。

売上に関しましては、当社グループの主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度における国内生産台数は7,545千台(前連結会計年度比△424千台・5.3%減)と減少したものの、1~12月の海外生産が16,462千台(前連結会計年度比+1,085千台・7.1%増)と増加、これらを合算した全世界生産台数が24,007千台(前連結会計年度比+661千台・2.8%増)と増加したことによる押し上げ効果等により8.3%増加しました。利益に関しましては、売上が増加したことやコロナ対策で出張等の出費が抑えられたこと、前期のような大規模な一時帰休の実施がなかったこと等により、営業利益は26.3%増加しました。営業外では前期までの雇用調整助成金等の補助金が無くなりましたが、円安に振れて大きな為替差益が発生したこともあり、経常利益は23.5%増加しました。税引前利益の増加に加え、前期計上の有った過年度分利益課税が無くなったこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は38.3%増加しました。

現金及び現金同等物の期末残高の推移

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

5,000,312

4,741,639

7,038,908

6,238,719

 

キャッシュポジションについては、上記の表の様に推移しておりますが、過年度より上下に大きく振れることもなく増加傾向で安定しており、経営安全度は高いと考えております。

新型コロナウイルスの対応から経済活動の急激な低迷によりキャッシュポジションも悪化することが予測されますが、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進してまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

64.2

101.1

94.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

124.5

160.8

148.9

 

(注) 1.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

2.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループでは、売上高の大半を車輌関連部品が占めています。したがいまして当社グループの売上は、自動車生産台数と生産される車種およびその生産地域の影響を強く受けます。

当社グループは鉄鋼材料を使用した製品を多く供給しており、鉄鋼市況や鉄スクラップ市況の影響を強く受けます。

近年では海外子会社の売上や利益が連結に占める割合が増加傾向にあり、為替変動による影響を受けます。

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは様々なお客様とお取引をさせていただいており、このことは個社事情による業績の変動を和らげて安定させる要素になり、強みであると考えております。この戦略については、今後も基本路線として堅持していくものでありますが、お客様の多さが安定性をもたらす一方で、それ故に経営効率を落としている面もあります。このことについては、取引規模や将来性、全体像等を勘案しながら見直しをかけていく必要があると考えております。

当社グループの金属関連部品事業の競争力の源は、製品の具現化力と量産化力の高さにあると考えております。逆に言えば、簡単に形にできてすぐに良品が量産できるような製品では、当社グループの強みが十分に発揮できません。現状でも当社グループが競争力を有している製品は高難度部品、高付加価値部品でありますが、この戦略を踏襲しつつさらに深掘りし、現在手掛けていないような形状、加工、分野の製品にも挑戦していきたいと考えており、そのための研究開発についても引き続き注力していく所存であります。また、当社グループの金属関連部品事業の海外生産工場は、米国、ベトナム、インドネシアの3拠点でしたが、2019年10月に中国湖北省に設立しました睦諾汽車部件(湖北)有限公司が稼働を開始しており、同事業海外4つ目の生産拠点となりました。これにより中国にも足場ができましたので、中国でのビジネスをこれからの成長のエンジンにしていきたいと考えます。当社グループといたしましては、海外拠点を最大限有効活用しつつグローバルでの生産・供給体制をさらに充実させてまいる所存であります。

当社グループの樹脂関連部品事業につきましては、樹脂のみでなく樹脂+金属の複合的な部品の供給にも力を入れ、高付加価値部品戦略を展開していきたいと考えております。医療分野や高難度品、さらに樹脂+金属という複合部品も対応できるようになれば、さらに付加価値の高い製品を開発、提案することが可能になると考えますので、シナジー効果をしっかり出せるように連携を密にしてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、高度化と低価格化という相反する顧客ニーズに対応するため、より技術水準の優れた製品を企画し、それらを開発し、顧客に提供していくことを基本方針としております。

現在の研究開発は、当社が単独で実施しております。主力加工分野である金属打抜(プレス)加工については、精密せん断の加工技術の開発や冷間鍛造加工技術の研究開発を行っております。また、金型部品の表面処理に関する研究や金属と樹脂の複合技術の開発を行っております。さらに、最近では環境保護や資源の有効利用を目的としての研究開発を実施しております。

その結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は63百万円となっております。今後もより多くの顧客ニーズに対応するため、加工技術の研究開発を進め、合わせて環境問題や資源の有効利用に取り組んでいきます。

① 金型表面処理及び加工油による型寿命向上技術開発

② CAEによる金型構造解析研究開発

③ 精密せん断加工技術の開発

④ 製品簡易測定技術開発

⑤ 接合・接着技術の開発

⑥ 自動化技術開発

⑦ 連続ねじ締め機の開発と新規格の高性能ねじの開発

⑧ 業務用の果物類皮むき機の開発

⑨ 連結ねじ製造技術の開発

⑩ 太陽光発電デバイス研究開発

⑪ 生分解性素材を使った製品の開発