第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

経営の基本方針

当社は、ものづくりを通して社会に貢献することが最大の使命と認識し、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに信頼される会社を目指し、事業活動を行ってまいります。

目標とする経営指標

当社は、その時々の環境に見合った利益を確保しつつグループの全体価値を高め、事業の巾を広げつつグローバル展開を進め、売上の拡大と適正利益の確保を目指します。原材料価格やエネルギーコスト等の高騰、半導体不足による主要客先の生産調整などもあり利益確保は厳しい状況ですが、中長期的には8%以上の営業利益率確保を目標に事業を進めてまいります。

中長期的な会社の経営戦略

金属関連部品事業につきましては、既存客先へのさらなる浸透を基本戦略として展開してまいります。中でも、EVも含めた電動車等の環境対応車を中心とした製品分野への対応強化を重点課題として取り組むと共に、従来にも増して技術開発重視の「真にお客様に求められるものづくり」を目指し、問題解決型、提案型の事業展開を進めてまいります。

また、いがり産業を主体とする樹脂関連部品事業につきましては、当社の営業基盤を活用し、金属関連部品事業の既存客先や新規開拓先への提案を積極的に行い、樹脂部品単体のみならず樹脂+金属の複合部品の拡販を進め、新たな事業の柱として育ててまいります。

その他事業につきましては、既存品のグローバル市場での拡販を基本戦略として展開してまいります。ツールや新ラインナップ開発を重点課題とし、さらに次なる新商品の開発を進め、他社とのコラボレーションや産学協同事業も試行しつつ引き続き事業拡大を目指してまいります。

海外拠点につきましては、北米・アジア地域への直接販売をさらに強化するために生産・供給体制の整備と財務体質の強化を進めると共に、全拠点のネットワークを活用してのさらなる拡販と企業体質強化のための活動を推進し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要取引先であります自動車業界は、半導体等のボトルネック部品の供給不足の解消が進まず、生産が低迷しました。当社グループの売上は増収となりましたが、これは材料価格の売価反映による製品単価UP要因が大きく、実質的には主要客先であるユニットメーカーの欧米・中国自動車メーカー向け製品の減産による売上低迷を受けて生産が減少しました。また利益面では、原材料費やエネルギーコスト等の増加、減産に伴う生産効率の悪化もあり減益となりました。

このような経営環境下における当社グループの対処すべき課題は、以下の通りであります。

 

① 事業領域の拡大と見直し

ここ数年で脱炭素社会への取り組みが大きく加速したことに伴い、自動車の電動化は一気にEV化へと方向付けられ、自動車各社はEVへの生産移行を進めています。これに伴い近い将来自動車を構成する部品の種類が大きく変わり、部品点数も大きく減少します。しかしながら、EV移行には多くの課題があるのも事実です。それらの課題をいつどのように解決できるかで先行きが大きく変わって来るため、EV化の進展度合いを予測することは非常に難しいと考えます。そこで当社では、超長期の幾つかのシナリオを用意し、事業領域を見直して行きます。そして、そのシナリオとEV化の進み具合を見比べながら、既存事業と新規事業の比率をコントロールして行きたいと考えます。EV化が最も進むシナリオでは新規事業の比率を高くし、進みが遅いシナリオでは既存事業の成長を維持して利益を最大化したいと考えます。いずれにしても新規事業の種蒔きをしっかりと行い、どのシナリオにも対応できるように、既存事業でも新規事業でも供給製品の販売先や供給可能な製品の巾を広げる取り組みが必要です。いがりグループの子会社化や睦諾汽車部件(湖北)有限公司の稼働もこうした課題に対する取り組みの一環ですが、基盤となる精密プレス部品と精密樹脂成形部品の領域において、また中国という一大消費地域へのアクセスにより、持てるリソースを最大限に活用しつつグループのシナジーを十二分に発揮して、当社グループの成長につなげてまいります。

中国拠点量産開始

2019年10月に中国湖北省に設立しました「睦諾汽車部件(湖北)有限公司」は工場稼働を開始し、2021年5月より売上を計上しております。しかしながら、コロナ禍からの船出から上海のロックダウンや半導体不足による減産等もあり、計画した収益を上げられていないのが現状です。その結果今年度において、睦諾汽車部件(湖北)有限公司の累計損失が660百万円となり株式評価額が減損対象となる50%を下回ったことから、睦諾汽車部件(湖北)有限公司の株式を減損処理いたしました。中国ではゼロコロナ政策が解除され、事業活動も正常化して来ておりますので、中長期ではこれまでの損失を取り戻せるように活動を進めて行きます。EV化が進む中国市場において、これまでに無かった事業領域も開拓しながら、中国拠点を早期に黒字化し、累損解消を進めてまいります。

安全と品質の取り組み強化

ここ数年来特に重点を置いて取り組んでまいりました製造業の基本であるS・Q(安全・品質)の強化につきましては、引き続きさらなるレベルアップを目指して活動を進めております。その結果、当社では昨年度に続き今年度も品質の社内目標を達成することができました。今後もさらに高い目標を設定し、目標達成に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。また、今年度IATF16949品質マネジメントシステムの認証を取得いたしましたので、さらなる品質強化に向けて取り組んでまいります。さらに、IATF16949認証取得が取引条件となっている客先に対しましても、グループ全体で販売活動を進めてまいりたいと考えております。

④ 人材確保の取り組みと働き方の見直し

労働人口が減少して働き方も多様化する時代となり、人材の確保が難しくなっています。当社グループの課題を解決していくためには、現状の課題を引き継いで解決していく人材が必要となります。この対応として、人材確保のために中長期的な視野で既存人員も含めた人への投資を厚くし、働き方の見直しを行い、改善を進めていく必要があります。今後もグループ全体を通じて待遇改善と共に働き方の見直しを進め、生産性の向上を図ってまいります。

自動化・合理化投資の推進

人材確保の取り組みとの裏表になりますが、工数確保が難しくなる環境下においては、付加価値の低い機械的な単純作業、高度な判断を必要としない仕事等は出来る限り自動化・合理化・IT化を進めていく必要があります。当社グループはこれらの自動化・合理化・IT化投資を積極的に行い、人材が付加価値の高い仕事に従事できる環境づくりを進めてまいります。またこれからは、これらの取り組みを事務系や間接部門系にも広げてまいります。

 

⑥ 変動に合わせた稼働対応

新型コロナウイルス感染症も落ち着き、日本でも5類に分類変更されて日常が戻りつつありますが、依然として自動車向け半導体の供給不足が続き、自動車生産は減産を余儀なくされる事態が続いております。当社でもこれに伴い受注が変動する可能性があり、変動には対応していく必要があります。昨年度に引き続き、今年度も客先の生産減の影響により一部の期間ではありますが生産調整としての一時帰休を実施して稼働を減らす対応を行いました。今後も同様な稼働調整をする必要が出て来るものと考えますが、これまでの経験を活かしてしっかりと対応してまいります。

⑦ カーボンニュートラルへの対応

我国の2050年炭素排出量実質ゼロ目標を達成するため、当社でも事業活動におけるカーボンニュートラル実現のための活動を進めて行く必要があります。当社の主力事業では、大型プレス機や熱処理炉等の様々な設備を稼働させる必要があるため、カーボンニュートラル実現のハードルは非常に高いと認識しておりますが、引き続き他社事例や技術動向等を参考に活動してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

■ガバナンス

当社グループでは、社会の持続可能な発展のために地球環境との共生が重要な経営課題と認識し、特に温暖化対策にフォーカスした環境負荷低減活動を行っています。国のエネルギー政策とも相まって、生産活動に対するエネルギー効率最適化によるCO2削減の目標達成に向けて取り組んでおります。

業務執行については、経営トップが参画する省エネ推進会議のほか、エネルギー管理統括者を長とするCO2削減活動組織及びISO14001に準拠した環境マネジメントシステム活動組織の3本柱を軸とした体制で各部門の活動を推進しております。

■戦略

現在、地球環境は深刻な危機に直面しており、気候変動への具体的な対策は当社グループにとっても優先すべき課題であることから、以下の5つを環境方針として掲げ、事業活動の中で実行いたします。

1. 環境負荷を低減し、持続可能な社会を目指す

2. 法的及びその他の要求事項の順守

3. 化学物質による汚染の予防及び環境リスクの低減

4. 省資源・省エネルギー活動の推進

5. 環境保全活動の推進

上記方針に基づき、想定されるリスクの低減や事業機会の創出を図るとともに、CO2削減・省エネルギー化等の取り組みを継続的に実施し、地球環境との共生を実現することによって、当社グループの持続的な成長の実現につながるものと考えております。

■リスク管理

リスク管理においては、ISO14001に準拠した環境マネジメントシステム活動の一環で行うリスクアセスメントにより抽出した著しい環境側面を特定し、想定される緊急事態に対応する手順書の整備や訓練の実施、さらに必要な対策を施すことでリスクそのものの低減を計画的に進めております。

■指標と目標

省エネ推進活動においては、省エネ法が規定する特定事業者に求められる省エネ目標(前年度比原単位1%削減)の必達、環境マネジメントシステム活動においては以下の内容を2023年度の目標に掲げ、会社方針により環境負荷の低減を行う活動を推進しております。

1.温暖化対策(CO2削減)

  各部署による省エネルギー活動の実施

  目標値:全社のCO2削減活動により、1,280t-CO2削減

2.省資源活動の推進

  品質改善などの原価低減活動により省資源生産を行う

  目標値:原価低減目標達成率100%

3.循環型社会に向けた活動

  MGGP(ムログループグリーンプロジェクト)製品の開発・普及推進

 

 

■人的資本

1.戦略

人材戦略においては、当社のグループポリシーに基づき以下の行動指針を掲げ、社員ひとりひとりが持つ可能性を引き出し大きな活力と付加価値を生み出すとともに、その活力を源泉として社員と会社がともに成長可能な職場環境と社内風土の醸成に取り組んでおります。

 

当社グループの行動指針

1.グローバルな発想でビジネスを展開する

2.常にイノベーションを心がけ、仕事に取り組む

3.常に前向きでスピーディーな行動をする

4.何事にもベストを尽くす

5.当たり前のことをしっかりやる

 

2.指標と目標

人材育成においては、階層別教育に加え自発的な参加を促す公募型のセミナーを充実させるなど、幅広い社員層に向けた人的投資を進めております。また、社員のキャリアプランの道筋として育成ロードマップを部門毎に作成し、会社が求める人材像を可視化しております。

雇用においては、人材確保が困難となる中、働き方の見直しや待遇改善、改善提案制度や各種表彰制度等のユニークなインセンティブ制度を設定するなど、社員の満足度やモチベーションを高めるための施策を実行しております。当該施策の効果測定として、アンケートによる社員の満足度調査や離職率をKPIとした社員の定着率をモニタリングし評価しております。また、次世代法や女性活躍推進法に定める行動計画に掲げた目標達成のほか、法定雇用率を上回る障がい者雇用を今後も維持し、地域社会の雇用創出に貢献する活動を継続していきます。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)海外での事業展開リスクについて

当社グループの生産及び販売活動につきましては、北米やアジア等、日本国外に占める割合が高まる傾向にあります。そのため、当社グループが進出している国や地域において予測不可能な自然災害、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱、労働災害、ストライキ、疫病等の事象により事業の遂行に問題が生じる可能性があります。まさにこの度の新型コロナウイルス感染症の影響もこれらに当てはまりますが、そのような場合には海外事業の立上げや運営、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)特定産業への依存度が高いことへのリスクについて

当社グループは独立系の自動車部品メーカーであり、特定の顧客への依存度は高くはありませんが、自動車産業への依存度は高くなっております。したがいまして、当社グループの業績は国内及び海外の日系自動車メーカーの自動車生産台数の増減により影響を受けます。また、当社グループが供給している部品群は、内燃機関と変速機を動力・伝達機構とする従来型(ハイブリッド車含む)の車輌向けが主体であるため、動力・伝達機構が内燃機関を有さないモーターと、変速機を必要としない減速機のみによる駆動等に変更された場合、自動車の生産台数は減少せずとも部品構成の変更に伴い影響を受ける可能性があります。この対応として、内燃機関と変速機部品以外のEV化が進んでも残る車両部品や車両向け以外の部品の獲得、新規事業の立ち上げ等を進めております。また、樹脂部品事業のいがり産業につきましても、主要な事業領域は車輛関連部品となりますが、こちらは動力・伝達系以外の部品が多く、また医療等の異分野にも販売を行っているため、いがり産業のグループ加入が多少なりともリスクの低減につながるものと考えております。

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

当社グループの売上高(千円)

18,965,187

20,533,642

21,842,083

金属関連部品事業売上高(千円)

16,701,040

17,938,721

18,994,736

金属関連部品事業売上比率(%)

88.1

87.4

87.0

 

(3)在庫リスクについて

当社グループは独立系自動車部品メーカーとして、国内完成車メーカー11社との直接取引をはじめ多くの部品メーカーと取引を行っております。当社での生産におきましては、客先の生産計画に基づく、週・旬・月単位での内示情報と過去の流動傾向を基にした見込生産がかなりの部分を占めております。当社グループといたしましては、より正確な情報を得て見込みが大きく狂わないように努力いたしておりますが、見込生産量と実際の受注量に大きな差異が生じた場合には、過剰在庫となって業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当期の客先各社の生産状況は、半導体需給改善を見込んで増産の計画でしたが、半導体不足の影響から直前になって内示よりも減産となることが繰り返されました。当社では製造リードタイムの関係から客先からの内示を元に計画を立てて生産しており、直前の内示からの変更には対応が難しい面があります。結果、当社グループの当期末の在庫金額は前期末に比べて16.8%増加しました。

(4)為替変動リスクについて

当社グループの業績及び財務状況は、為替の変動によって影響を受けます。為替変動は当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算に影響を与えます。また、為替変動は、外貨建で取引されている製品の価格及び売上高の日本円換算に影響を与えます。これにより、当社グループの競争力にも影響し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

現在円安基調が定着している感がありますが、円安による当社グループへの直接的な業績影響は基本的にプラス方向となります。しかしながら、円安により資源価格等が高くなることで間接的にマイナスの影響が発生します。

 

(5)品質リスクについて

当社グループは、客先からの厳しい品質要求に応えるべく品質保証体制を確立し、常に品質向上に努めております。しかしながら、それでも製造工程等で品質不具合が発生・流出した場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(6)市況変動リスクについて

当社グループの金属関連部品の主要材料である普通鋼・特殊鋼や非鉄材料及び樹脂関連部品の主要材料である樹脂の調達価格は、市場の取引市況に大きく左右されます。生産に必要な消耗品類につきましても、原油やその他の原材料市況に影響を受けるものが多くあります。昨今のコロナ禍に伴う増減産とサプライチェーンの混乱により、最近では材料等の市況が大きく振れる傾向にあります。また、円安基調により輸入品の価格が上がり、調達品の価格も上昇する傾向にあります。これらの市況の変動により当社グループの調達価格が大きく変動した場合や鉄などのスクラップ価格が大きく変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

主要材料である鉄鋼・樹脂等の調達価格上昇に対しては、客先各社への売価反映を交渉して回収しておりますが、客先各社の対応も様々であり、全額回収が難しい客先や回収期間が遅れる客先があります。今年度は主要材料以外の消耗品や副資材、電力・ガス等の価格上昇が著しく、客先各社と交渉して一部は回収することができております。満額回収は難しいのが現状ですが、粘り強く交渉を行い、適正な費用回収ができるように進めてまいります。

(7)自然災害その他

地震・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等の蔓延によりサプライチェーンの寸断等の社会的混乱が発生した場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。この度の新型コロナウイルスも海外だけに留まらず国内需要や生産にも大きな影響を及ぼしており、まさにリスクが現実化した形となりました。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの猛威も収まり回復段階へと移行しましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化によりインフレ圧力が高まり、欧米各国はインフレ対策を優先して継続的に金利引き上げを行い、中国のゼロコロナ政策も2022年末まで堅持されたこともあって全体的には回復傾向でありながらも低調に推移しました。

 国内におきましては、新型コロナウイルスの収まりを受けてサービス業を中心に需要が戻る動きが有りましたが、日本の金融緩和継続に伴う円安により物価が上昇して消費を冷やし、こちらも全体的には回復傾向でありながらも低調に推移しました。

 当社グループの主要事業領域であります自動車業界は、全体の業績自体は円安を受けて堅調でしたが、増産を目論見ながらも半導体不足に伴う生産調整が続き、業績ほどの景況感は感じられずに推移しました。

 このような状況の中、当社グループの連結売上高は21,842百万円(前連結会計年度比6.4%増)となりましたが、これは金属関連部品事業での材料価格等の売価反映による増加分が寄与した結果であり、実質的には自動車の生産調整と主要客先であるユニットメーカーの欧米・中国自動車メーカー向け製品の減産の影響を受けて減少しました。営業利益につきましては、原材料やエネルギーコスト等の上昇と売上低迷に伴う効率悪化により410百万円(前連結会計年度比67.4%減)となりました。経常利益につきましては、円安に伴う為替差益237百万円の発生により770百万円(前連結会計年度比60.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、過年度分利益課税があり291百万円(前連結会計年度比78.4%減)となりました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

① 金属関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、18,994百万円(前年同期比5.9%増)となりました。半導体不足に伴う自動車の生産調整と主要客先であるユニットメーカーの欧米・中国自動車メーカー向け製品の減産の影響により実質的には減少しましたが、材料価格等の売価反映により数字上は増加となりました。

② 樹脂関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、1,621百万円(前年同期比4.0%減)となりました。タイでは非自動車向け売上が伸びて増加しましたが、日本では金属関連部品事業同様自動車の生産調整に伴い売上が低調に推移し、全体として売上減となりました。

③ その他事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、1,226百万円(前年同期比35.3%増)となりました。海外は経済回復傾向により、米国と欧州、韓国を中心に増加しました。国内については、建築向けの新規販売で増加しました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ695百万円増加し、28,054百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ273百万円増加し、8,318百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ421百万円増加し、19,735百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加額、有価証券の償還による収入、投資有価証券の償還による収入、長期借入れによる収入や短期借入金の純増額があったものの、為替差益、売上債権の増加額、棚卸資産の増加額、法人税等の支払額、有形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出、有価証券の取得による支出や配当金の支払額などがあり、当連結会計年度末には6,340百万円(前連結会計年度末比1.6%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,061百万円(前年同期比38.9%減)となりました。これは税金等調整前当期純利益765百万円、減価償却費1,378百万円、仕入債務の増加額224百万円、その他396百万円などの資金の流入があったものの、法人税等の支払額925百万円、棚卸資産の増加額234百万円、為替差益226百万円、売上債権の増加額236百万円などの資金の流出があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,479百万円(前年同期比10.6%増)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1,619百万円、投資有価証券の取得による支出390百万円、有価証券の取得による支出136百万円などの資金の流出があったものの、有価証券の償還による収入332百万円、投資有価証券の償還による収入500百万円などの資金の流入があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は159百万円(前年同期は1,545百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入420百万円、短期借入金の純増額150百万円などの資金の流入があったものの、配当金の支払額265百万円などの資金の流出があったことによります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

18,560,372

106.1

樹脂関連部品事業(千円)

1,645,951

96.7

  報告セグメント計(千円)

20,206,323

105.2

その他事業(千円)

1,170,579

173.1

合計(千円)

21,376,903

107.5

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

 

 

(2) 受注状況

当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、得意先の生産計画に基づく週単位、旬単位、月単位での内示情報と、過去の流動傾向を基にした見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

18,994,736

105.9

樹脂関連部品事業(千円)

1,621,155

96.0

  報告セグメント計(千円)

20,615,892

105.0

その他事業(千円)

1,226,191

135.3

合計(千円)

21,842,083

106.4

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

2,672,835

13.0

2,800,461

12.8

株式会社アイシン

2,156,291

10.5

1,878,769

8.6

 

2.従来の当社とアイシン精機㈱及びアイシン・エイ・ダブリュ㈱との取引は、2社の2021年4月1日付経営統合に伴い、㈱アイシンに承継されております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。そのため、実際の業績や財務状況は記載予想とは異なる可能性があります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 財政状態の分析

流動資産は、現金及び預金の増加196百万円、受取手形及び売掛金の増加282百万円、商品及び製品の増加162百万円により、前連結会計年度末と比較して909百万円の増加となりました。

固定資産は、有形固定資産の増加226百万円がありましたが、投資有価証券の減少302百万円により、前連結会計年度末と比較して214百万円の減少となりました。

以上の結果、資産合計は前連結会計年度末と比較して695百万円増加し、28,054百万円となりました。

負債につきましては、未払法人税等の減少386百万円がありましたが、電子記録債務の増加200百万円、短期借入金の増加150百万円、長期借入金の増加229百万円により前連結会計年度末と比較して273百万円増加して、8,318百万円となりました。

純資産につきましては、19,735百万円と前連結会計年度末と比較して421百万円の増加となりました。これは配当金の支払265百万円がありましたが、為替換算調整勘定490百万円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上291百万円によるものであります。

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における売上高は21,842百万円(前連結会計年度比+1,308百万円・6.4%増)、営業利益は410百万円(前連結会計年度比△848百万円・67.4%減)、経常利益は770百万円(前連結会計年度比△1,193百万円・60.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は291百万円(前連結会計年度比△1,056百万円・78.4%減)となりました。

売上に関しましては、当社グループの主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度における国内生産台数は8,100千台(前連結会計年度比+555千台・7.4%増)、1~12月の海外生産が16,961千台(前連結会計年度比+499千台・3.0%増)と増加、これらを合算した全世界生産台数が25,062千台(前連結会計年度比+1,055千台・4.4%増)と増加したことと材料費上昇の価格転嫁による押し上げ効果等により6.4%増加しました。利益に関しましては、売上は増加したものの材料価格反映分は実質的に利益にはプラスにならないこと、主要客先であるユニットメーカーの欧米・中国自動車メーカー向け製品が減産になったこと、増産内示からの減産の繰り返しに伴う生産効率の悪化やこれに伴い一部期間で生産調整を実施したこと等により、営業利益は67.4%減少しました。営業外では円安による為替差益が発生しましたが、営業利益の減少が大きく響き、経常利益は60.8%減少しました。税引前利益の減少に加え、過年度分利益課税が発生したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は78.4%減少しました。

現金及び現金同等物の期末残高の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

4,741,639

7,038,908

6,238,719

6,340,386

 

キャッシュポジションについては、上記の表の様に推移しておりますが、過年度より上下に大きく振れることもなく増加傾向で安定しており、経営安全度は高いと考えております。

新型コロナウイルスの対応から経済活動の急激な低迷によりキャッシュポジションも悪化することが予測されますが、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進してまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

101.1

94.3

198.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

160.8

148.9

27.4

 

(注) 1.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

2.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループでは、売上高の大半を車輌関連部品が占めています。したがいまして当社グループの売上は、自動車生産台数と生産される車種およびその生産地域の影響を強く受けます。

当社グループは鉄鋼材料を使用した製品を多く供給しており、鉄鋼市況や鉄スクラップ市況の影響を強く受けます。

近年では海外子会社の売上や利益が連結に占める割合が増加傾向にあり、為替変動による影響を受けます。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは様々なお客様とお取引をさせていただいており、このことは個社事情による業績の変動を和らげて安定させる要素になり、強みであると考えております。この戦略については、今後も基本路線として堅持していくものでありますが、お客様の多さが安定性をもたらす一方で、それ故に経営効率を落としている面もあります。このことについては、取引規模や将来性、全体像等を勘案しながら見直しをかけていく必要があると考えております。

当社グループの金属関連部品事業の競争力の源は、製品の具現化力と量産化力の高さにあると考えております。逆に言えば、簡単に形にできてすぐに良品が量産できるような製品では、当社グループの強みが十分に発揮できません。現状でも当社グループが競争力を有している製品は高難度部品、高付加価値部品でありますが、この戦略を踏襲しつつさらに深掘りし、現在手掛けていないような形状、加工、分野の製品にも挑戦していきたいと考えており、そのための研究開発についても引き続き注力していく所存であります。また、当社グループの金属関連部品事業の海外生産工場は、米国、ベトナム、インドネシア、中国の4拠点となります。これから中国でのビジネスを開拓し、これからの成長のエンジンにしていきたいと考えます。当社グループといたしましては、海外拠点を最大限有効活用しつつグローバルでの生産・供給体制をさらに充実させてまいる所存であります。

当社グループの樹脂関連部品事業につきましては、樹脂のみでなく樹脂+金属の複合的な部品の供給にも力を入れ、高付加価値部品戦略を展開していきたいと考えております。医療分野や高難度品、さらに樹脂+金属という複合部品も対応できるようになれば、さらに付加価値の高い製品を開発、提案することが可能になると考えますので、シナジー効果をしっかり出せるように連携を密にしてまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、高度化と低価格化という相反する顧客ニーズに対応するため、より技術水準の優れた製品を企画し、それらを開発し、顧客に提供していくことを基本方針としております。

現在の研究開発は、当社が単独で実施しております。主力加工分野である金属打抜(プレス)加工については、精密せん断の加工技術の開発や冷間鍛造加工技術の研究開発を行っております。また、金型部品の表面処理に関する研究や金属と樹脂の複合技術の開発を行っております。さらに、最近では環境保護や資源の有効利用を目的としての研究開発を実施しております。

その結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は82百万円となっております。今後もより多くの顧客ニーズに対応するため、加工技術の研究開発を進め、合わせて環境問題や資源の有効利用に取り組んでいきます。

① 金型表面処理及び加工油による型寿命向上技術開発

② CAEによる金型構造解析研究開発

③ 精密せん断加工技術の開発

④ 製品簡易測定技術開発

⑤ 接合・接着技術の開発

⑥ 自動化技術開発

⑦ 連続ねじ締め機の開発と新規格の高性能ねじの開発

⑧ 業務用の果物類皮むき機の開発

⑨ 連結ねじ製造技術の開発

⑩ 太陽光発電デバイス研究開発

⑪ 生分解性素材を使った製品の開発