第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における経済環境は、国内では生産・輸出が増加となり、また名目賃金が所定内給与プラスを持続するなどの所得の改善により消費も回復の兆しを見せ、緩やかな持ち直し基調に転じました。また、海外においても米国を中心として回復基調で推移し、自動車販売も新興国の一部を除き増加を維持するなど緩やかな拡大基調を継続しています。一方で為替は期初の円高傾向から急激に円安へと転じるなど、不安定な動きを見せました。

この様な環境の中、当社グループは、海外市場における顧客からの堅調な受注に加え、合理化効果等のプラス要素はあったものの、為替相場が前年に対し円高で推移したことに加え、競合による影響や経費負担増もあり、当連結会計年度の売上収益は、1,571億7千6百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益120億9千6百万円(前年同期比17.4%減)、税引前利益113億3千6百万円(前年同期比15.7%減)、当期利益71億9千5百万円(前年同期比17.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益54億5千5百万円(前年同期比24.2%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(日本)

固定費削減や合理化効果はあったものの、円高影響に加え、試作売上及びサービスパーツ売上減影響や新機種立ち上げ費用の発生もあり、売上収益397億円(前年同期比6.2%減)、営業損失3億7千9百万円(前年同期は営業利益7億7千4百万円)となりました。

(北米)

売上収益は円高影響により減収、利益面では円高影響に加え、競合による利益の低下や新機種対応に伴う費用の発生もあり、売上収益535億5千万円(前年同期比14.8%減)、営業利益17億1千1百万円(前年同期比52.1%減)となりました。

(アジア)

顧客からの受注増による増収効果はあったものの、円高影響により減収、利益面ではインドネシア四輪事業やタイ新工場の立上げ費用の減少により、売上収益287億6千4百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益33億4千7百万円(前年同期比14.5%増)となりました。

(中国)

競合の拡大による利益の低下や経費の増加等に加え、円高影響はあったものの、顧客からの受注増による増収効果により、売上収益512億3千6百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益81億4千1百万円(前年同期比5.9%増)となりました。

(その他)

ブラジルにおける新機種立ち上げ費用の発生や英国でのポンド安影響があったものの、顧客からの受注増による増収効果により、売上収益は77億2千7百万円(前年同期比6.3%増)、営業損失4億4千4百万円(前年同期は営業損失5億5千9百万円)となりました。

(注)上記に記載しているセグメント別の売上収益は、外部顧客への売上収益とセグメント間の内部売上収益の合計であります。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う支出の増加がありましたが、投資活動によるキャッシュ・フローに伴う支出の減少や財務活動によるキャッシュ・フローに伴う収入の増加により、前連結会計年度末に比べ45億7百万円増加し、当連結会計年度末には258億4千9百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は168億9百万円(前連結会計年度比21.8%減)となりました。これは主に税引前利益や減価償却費及び償却費等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は108億8千4百万円(前連結会計年度比18.6%減)となりました。これは主に新機種及び合理化投資に伴う有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8億2千4百万円(前連結会計年度比72.3%減)となりました。これは主に短期借入金の純増額による収入がありましたが、長期借入金の返済による支出や配当金の支出額、非支配持分への配当金の支払額によるものであります。

(3)国際会計基準(以下「IFRS」という。)により作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

(売上認識)

 当社グループは、得意先から部品を仕入れ、加工を行い加工費等を仕入価格に上乗せして、当該得意先に対して販売する取引(以下、「有償支給取引」)を行っております。日本基準では、有償支給取引に係る売上高と売上原価を連結損益計算書上、総額表示しております。IFRSでは、当該取引の加工費等のみを売上収益で純額表示しております。この影響等により、IFRSの売上収益は日本基準に比べて、前連結会計年度74,102百万円、当連結会計年度72,185百万円それぞれ減少しております。

 

(研究開発費)

 日本基準により費用処理している一部の開発費用について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて無形資産が、前連結会計年度850百万円、当連結会計年度660百万円それぞれ増加しております。

 

(退職給付費用)

 日本基準においては数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し、一定年数にわたって償却することによって純損益への振替が行われております。IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益として認識し、即時に「利益剰余金」に振替えております。

 その結果、IFRSでは前連結会計年度360百万円、当連結会計年度915百万円を「その他の資本の構成要素」から「利益剰余金」へと振り替えております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

22,245

△2.9

北米

52,868

△13.8

アジア

25,998

3.6

中国

49,027

6.5

その他

8,163

8.8

合計

158,302

△2.8

 (注) 金額は販売価額(消費税等抜き)によっております。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

日本

21,948

△0.1

1,756

11.9

北米

51,047

△18.1

4,570

△21.4

アジア

25,665

△1.7

2,129

△13.1

中国

49,327

1.1

4,613

△2.3

その他

7,739

7.7

634

6.0

合計

155,726

△6.4

13,702

△9.6

 (注) 金額は販売価額(消費税等抜き)によっております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

21,762

△1.1

北米

52,288

△15.8

アジア

25,986

△0.8

中国

49,437

3.4

その他

7,703

6.5

合計

157,176

△4.9

 (注)1.金額は販売価額(消費税等抜き)によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

16,340

9.9

17,134

10.9

ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド

25,386

15.4

22,015

14.0

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)会社の経営基本方針

当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は基本理念の「人間尊重」に基づき、「わたしたちは、世界的な視野に立ち、豊かな創造力で、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を供給することに全力を尽くす」という社是を実践することにより、社会に貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは売上の拡大と適正な利益を確保すべく事業を行っておりますので、売上高利益率をその重要な経営指標と位置付けております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2017年4月よりスタートした第13次中期事業計画において「進化」をスローガンとし、自動車の電動化が加速し、お客様より求められる製品や技術が次々と新しくなる中においても、常に新しい独創的な技術を広げ当社グループならではの製品を開発し「独自技術を強化拡大し新しい時代に「期待される企業」となる」という経営目標へ向け事業を展開しております。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループをとりまく環境は、「国内自動車販売の縮小」「自動車メーカー系列を超えた提携拡大」「自動車電動化のさらなる加速」という大きな変化を見せています。

この様な変化にあって当社グループは、環境変化に適応しながら事業基盤を強固なものとするため、第13次中期事業計画にて電動化の加速や経済環境変化への対応、具体的には「主幹・次世代製品事業の強化」「品質・生産体質の強化」「グローバルオペレーションの再構築」を課題として位置づけ、「製品競争力の強化」「製品開発力の強化」「ものづくり競争力の強化」「品質保証力強化」「マネジメント力強化」という戦略目標を設定し、さらなる進化を果たすべく事業を展開してまいります。

4【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。これらのリスクは予測不可能な不確実性を内包しており、当社グループの将来の事業、業績並びに財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらのリスクの回避、あるいはその影響の低減の為の適切なリスク管理に努めておりますが、これらすべてのリスクを完全に回避するものではありません。なお、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、当社グループが将来にわたり影響を受けうるリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

市場の変化によるリスク

・市場環境の変化

当社グループは日本、北米、アジア、中国、その他地域を含む世界各国で広範に事業を展開しており、これらの国々における景気後退や消費者の価値観の変化等に伴う四輪車、二輪車等の需要の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの売上はその多くを本田技研工業株式会社グループに依存しており、その販売状況の変化が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・製品の価格変動

当社グループは常に独自の技術を用い、高い付加価値や世界トップレベルの競争力を持つ製品の開発と生産に努めておりますが、国内外の市場において多くのメーカーとの熾烈な競争に晒されており、強い価格変動圧力等が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

事業等の変化によるリスク

(為替、金利に関するリスク)

・為替の変動

当社グループは日本をはじめとした世界各国で生産・販売活動等の事業を行い、加えて複数国の拠点間で四輪車、二輪車等の部品を輸出入している為、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建取引において、当社グループが販売する部品及び製品の価格設定や購入する原材料の為替レート変動に起因する価格変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の資産・負債等が現地通貨から日本円に換算され連結財務諸表に反映される過程において、為替レートの変動が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・金利の変動

当社グループは財務に関わり発生が見込まれる様々なリスクの回避に努めておりますが、金利の変動は支払利息や受取利息あるいは金融資産および負債の価値等の変動に繋がり、当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

(法律、規制に関するリスク)

・法規制リスク

当社グループは日本をはじめとした世界各国に生産拠点を有している為、各国や地域が制定する環境保護、四輪車、二輪車等、工場や生産工程等に関わる法規制等の変化や当局との見解の相違等が発生した場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・知的財産の保護

当社グループは製造する製品に関連する広範な知的財産権を有しており、これは当社グループ事業の成長にとって重要なものであります。しかしながら、これらの知的財産権が広範囲にわたって違法に侵害されることにより、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは他社の知的財産権を侵害しないよう十分に注意を払いながら製品・技術の開発に当たっていますが、当社グループの開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・法的手続き

当社グループは日本をはじめとした世界各国が制定する法規制等への抵触や他者との紛争の発生の防止に最大限努めておりますが、関連法規制や訴訟に関する様々な調査や法的手続き等を受ける可能性があります。その結果として当社グループが意図しない不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

(事業特有のリスク)

・特定の原材料および部品への依存

当社グループは、多数の外部事業者から原材料および部品を購入しておりますが、購入している原材料及び部品の一部は、その供給を特定の事業者に依存している場合があります。これらの部品について、何らかの原因にて外部事業者から安定的に、あるいは効率的かつ競争力あるコストでの供給が受けられない場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・他社との業務提携・合弁

当社グループは、更なる競争力強化を狙い、あるいは事業を展開している国の要件に従い、企業買収や他社事業者との業務提携等を実施することがあります。事業の状況によっては業務提携等を解消することもあり、この様な場合当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・戦争・テロ・政情不安・ストライキ、自然災害等の影響

当社グループは日本をはじめとした世界各国で事業を展開している為、いずれかの国および地域において戦争、テロ、政情不安、ストライキ、大規模な自然災害、事故、感染症等の事象が発生した場合、原材料や部品の購入、生産活動および物流などの遅延や停止が生じ、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・情報セキュリティ

当社グループは事業展開を行うにあたり、情報通信システムを利用しています。これらは日々高度化・複雑化しており、当社としてもそのセキュリティや信頼性の向上の為、最大限の努力を行っておりますが、自然災害やテロ、コンピューターウイルスやハッキングなどの外部要因、人為的ミスや機器の不具合、故障等による内部要因などでシステムの停止や機密データの漏えい、重要データの消失、改ざんなどが発生し、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

・品質・ブランドイメージ

当社グループはお客様と社会双方から存在を期待される企業であり続ける為に、当社グループが製造した製品の品質が人命に直結するものであるとの認識のもと、開発、生産をはじめとした当社グループが行う事業活動全てにおいて世界トップレベルの品質の追及に最大限の努力を行っております。しかしながら、予期せぬ重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではなく、そうした重大な事態が発生した場合にリコールなどの対応が必要となる場合があります。この様な時、当社グループのブランドイメージが失墜し、結果として当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、地球環境を最優先に配慮した豊かなクルマ社会の創造を目指して、世界的な視野に立ち広範囲な顧客ニーズに応え、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を、的確かつタイミング良く提供することを基本方針としております。

 現在当社は、栃木開発センターで開発本部第一開発室、第二開発室、第三開発室、第四開発室、第五開発室及び生産本部技術開発室が主体となり、日本を含めた世界各拠点で生産する製品の研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。北米では連結子会社であるカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドが主体となり、主に北米市場向け製品の研究開発に関する活動を展開しております。当連結会計年度における研究開発費は、28億9千万円となっております。

 当連結会計年度における報告セグメントごとの研究目的、課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 日本

 当連結会計年度におきましては、日本を含めた世界各拠点で生産する製品のうち、主に「自動車部品四輪」(排気系部品、熱マネージメント系部品、駆動系部品、モーター系部品)及び「自動車部品二輪」に関する研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。なお、日本における研究開発費は27億5千1百万円であります。

(自動車部品四輪)

 排気系部品は、主に第一開発室、第四開発室及び技術開発室が中心となって、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、「新型CR-V」用排気触媒コンバータ及びサイレンサーの開発を完了し、北米の連結子会社であるカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドで量産を開始しました。

 熱マネージメント系部品は、主に第三開発室及び技術開発室が中心となって、燃費性能、環境技術を高める研究開発、生産技術開発を行なっております。

 当連結会計年度の主な成果としては、燃費向上、暖房性能向上デバイスである排熱回収器(ヒートコレクター)の開発を完了し、「新型アコード ハイブリッド」に適用されました。当製品は豊製作所にて量産を開始しました。

 駆動系部品は、主に第二開発室及び技術開発室が中心となって、更なる小型軽量化、燃費向上及び生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、ダウンサイジング過給機付きエンジン用の「高減衰」「軽量・コンパクト」を両立する世界初の構造であるタービンダンパートルクコンバータを拡大展開中であり、当社の豊製作所及び、北米向けにはメキシコの連結子会社であるユタカ・テクノロジーズ・デ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイでの生産に加えて、中国向けには中国の連結子会社である佛山優達佳汽配有限公司での量産を開始し、「新型ステップワゴン」「新型シビック」に加えて「新型CR-V」にも適用されました。

 モーター系部品は、主に第五開発室が中心となって開発を行っており、当連結会計年度の主な成果としては、高速積層プレス技術を用いたステータコアやステータホルダー、マグネットプレート、マグネットプレートカラーの開発を完了し、「新型フリード ハイブリッド」に適用されました。当製品は豊製作所にて量産を開始しました。

(自動車部品二輪)

 自動車部品二輪事業の主要部品であるブレーキディスクは、主に第二開発室と技術開発室が中心となって、軽量化、高性能化及び生産性向上など製品競争力を高め、更なる拡販につなげる研究開発、生産技術開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、X-ADV, CB1100などの大型バイクに当社のブレーキディスクが採用されたとともに、レース用ディスクの特徴であるトラス形状を有すフローティングディスクがCBR1000RRに採用されました。

 また、レースでは、当社のブレーキディスクを採用したチームが、Moto GP、モトクロス世界選手権のほかアジア選手権、全日本のロードレース及びモトクロス選手権など国内外でシリーズチャンピオンを獲得しました。

 

(2) 北米

 当連結会計年度におきましては、主に北米市場向け製品のうち、主に「自動車部品四輪」(排気系部品)に関する研究開発に関する活動を展開しております。なお、北米における研究開発費は1億3千9百万円であります。

(自動車部品四輪)

 排気系部品は、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドの研究開発部門において、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発を行っております。

 当連結会計年度の主な成果としては、「Ridgeline」用排気触媒コンバータ及びサイレンサーの開発を完了し、北米の連結子会社であるアラバマ・カルマン・ユタカ・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーで量産を開始しました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、特に以下の重要な会計方針が当社の重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。

 しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損)

 当社グループは、減損の兆候がある場合には、当該資産又は資産グループから得られる割引後キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

 減損の兆候の有無等については、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損損失を計上する可能性があります。

(確定給付制度債務の測定)

 当社グループは、数理計算上の仮定に基づいて当連結会計年度末における退職給付債務を算出しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

・概要

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上収益1,571億7千6百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益120億9千6百万円(前年同期比17.4%減)、税引前利益113億3千6百万円(前年同期比15.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益54億5千5百万円(前年同期比24.2%減)となりました。

(売上収益)

 当連結会計年度における当社グループの売上収益は、1,571億7千6百万円(前連結会計年度は1,653億1千5百万円)となり、81億4千万円減少しました。この減少の主な要因は、海外市場における顧客からの堅調な受注があったものの、為替相場が前年に対し円高で推移したことによるものであります。

(売上原価、販売費及び一般管理費、その他の収益及び費用)

 売上原価は、競合による影響や経費負担増があったものの、為替相場が前年に対し円高で推移したことにより、1,288億6千3百万円(前連結会計年度は1,348億8千4百万円)となり、60億2千1百万円減少しました。売上収益に対する売上原価の比率は82.0%(前連結会計年度は81.6%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、経費負担増があり、163億1百万円(前連結会計年度は157億5千3百万円)となり、5億4千7百万円増加しました。

 その他の収益及び費用は、収益純額として8千4百万円(前連結会計年度は費用純額として4千万円)となり、収益純額として1億2千5百万円増加しました。

(営業利益)

 営業利益は、120億9千6百万円(前連結会計年度は146億3千7百万円)となり、25億4千1百万円減少しました。

(金融収益及び費用)

 金融収益及び費用は、主には為替影響により、費用純額として7億6千万円(前連結会計年度は費用純額として11億8千7百万円)となり、費用純額として4億2千7百万円減少しました。

(税引前利益)

 税引前利益は、113億3千6百万円(前連結会計年度は134億5千1百万円)となり、21億1千5百万円減少しました。

(法人税等)

 税引前利益に対する法人所得税費用の比率は、36.5%(前連結会計年度は35.1%)となり、1.4ポイント増加しました。

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

 親会社の所有者に帰属する当期利益は、54億5千5百万円(前連結会計年度は71億9千4百万円)となり、17億3千9百万円減少しました。1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、368円09銭(前連結会計年度は485円47銭)となり、117円38銭減少しました。

・財政状態の概要

 当連結会計年度末における総資産の残高は、1,549億6百万円(前連結会計年度末は1,459億5百万円)となり、90億円増加しました。これは主に現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権、有形固定資産等の増加によるものであります。

(資本)

 当連結会計年度末における資本の残高は、848億2千8百万円(前連結会計年度末は802億1千7百万円)となり、46億1千2百万円増加しました。これは主に為替変動に伴う為替換算調整勘定の変動等によりその他の資本の構成要素が減少しましたが、利益剰余金の増加によるものであります。

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より46億7千9百万円減少し、168億9百万円を得ております。これは主に税引前利益や減価償却費及び償却費等によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より24億9千万円少ない108億8千4百万円を使用しております。これは主に新機種及び合理化投資に伴う有形固定資産の取得による支出によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より21億5千4百万円少ない8億2千4百万円を使用しております。これは主に短期借入金の純増額による収入がありましたが、長期借入金の返済による支出や配当金の支出額、非支配持分への配当金の支払額によるものであります。

・財務政策

 当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金ともに、内部資金又は借入により資金調達をすることとしております。このうち、借入による資金調達は、各々の連結会社が現地通貨で調達することが一般的であります。当連結会計年度末時点での長短借入金残高221億9千4百万円は、5種類の通貨の借入金から成っており、うち主な通貨は日本円と米ドルであります。

 当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力及び借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な資金を調達することが可能と考えております。