第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは基本理念の「人間尊重」に基づき、「私たちは、世界的視野に立ち、豊な創造力で、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を供給することに全力を尽くす」という社是を実践することにより、社会に貢献して参ります。

経営戦略(経営目標)を達成するうえで、2030年ビジョンとして「独自技術を強化拡大し、新しい時代に期待される企業となる。」を掲げ、3つの方向性を定め推進して参ります。

1.Yutaka製品を世界のお客様に広め、地球環境に貢献する。

2.電動化時代に向けて、新しい価値を生み出す商品を創造する。

3.地域を超えて英知を結集し、グループの総合力を発揮する。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループをとりまく環境は、「主要市場での自動車販売の鈍化」「自動車メーカー系列を超えた提携拡大」「経済構造の変化」、そして「脱炭素社会に向けた自動車電動化のさらなる加速」という大きな変化を見せています。自動車業界では環境変化に対応した全世界的な自動車生産体制の見直しなどの動きがみられ、当社グループにおいても各地域での役割機能の見直しを行って参りました。今後も当社グループをとりまく環境は、さらに厳しい状況へ移行していると認識し以下のとおり、中・長期のコンセプトを定め環境変化に対応した施策を強化して参ります。

 


 

第14次中期においては、さらに進化する電動化の波に追従できるモータービジネスの確立を進めるとともに、主幹事業の足固めを展開し、第14次中期末時点で全拠点の黒字化を目指すために以下の戦略テーマを掲げ取り組んでおります。

1.「主幹部品の収益性向上」

各領域の戦略を見直し、課題改善と施策を遂行し強化を進めております。主幹部品のライン最適化を確実に展開し収益確保できる体質づくりを行います。さらに日本・地域本部の役割を明確にしていきます。

2.「事業基盤の強靭化」

主幹事業の将来を見据え、事業の「選択と集中」で、事業性の向上を図っております。また、系列に頼らない主幹部品拡大のために体制強化を行います。併せてモノづくりの進化と応用部品の採用を目指していきます。

3.「環境変化への適応力向上」

次世代を担えるリーダーの育成と適正配置、そしてデジタルツール活用で業務効率向上、新時代をリードできる新価値製品の仕込みを行います。

4.「CSR活動の強化」

安全、環境、内部統制、リスクマネジメントなどサステナビリティの強化を図り、社会的責任を果たすとともに、持続可能な企業活動を通じ、ステークホルダーにとって安心・信頼のできる企業を目指していきます。さらに、脱炭素社会に向けた取り組み強化を進めて参ります。

 

その中でも、以下6点を個別優先課題と認識し、推進しております。

①.モーター部品の安定生産・収益性向上

②.生産体質強化による国内黒字化

③.北米地域の再建、安定化

④.英国子会社工場閉鎖

⑤.新型コロナウイルス感染症等のリスクへの対応

⑥.環境課題への取り組み強化

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは適正な利益及び財務状況を確保すべく事業を行っておりますので、営業利益額をその重要な経営指標と位置付けております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。これらのリスクは予測不可能な不確実性を内包しており、当社グループの将来の事業、業績並びに財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらのリスクの回避、あるいはその影響の低減の為の適切なリスク管理に努めておりますが、これらすべてのリスクを完全に回避するものではありません。なお、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、当社グループが将来にわたり影響を受けうるリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1) 市場環境の変化

当社グループは日本、北米、南米、欧州、中国、アジア地域を含む世界各国・地域で広範に事業を展開しており、これらの国々における景気後退や消費者の価値観の変化等に伴う四輪車、二輪車等の需要の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの売上はその多くを本田技研工業株式会社グループに依存しており、その販売状況の変化が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、市場環境の変化を適宜把握し、柔軟に対応して参ります。さらに、顧客の拡大によりリスクの軽減に努めて参ります。

 

(2) 製品の価格変動

当社グループは常に独自の技術を用い、高い付加価値や世界トップレベルの競争力を持つ製品の開発と生産に努めておりますが、国内外の市場において多くのメーカーとの熾烈な競争に晒されており、強い価格変動圧力等が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新型コロナウイルス感染症等のリスクへの対応

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で事業を展開している為、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症等の状況により、需要の低迷や生産活動の遅延・停止が継続し、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、従業員の安全確保、雇用維持を重要課題と認識し継続的な展開を行うとともに、収益面、資金課題等については、当社グループ全体で対応を推進して参ります。

 

(4) 為替の変動

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で生産・販売活動等の事業を行い、加えて複数国の拠点間で四輪車、二輪車等の部品を輸出入している為、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建取引において、当社グループが販売する部品及び製品の価格設定や購入する原材料の為替レート変動に起因する価格変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の資産・負債等が現地通貨から日本円に換算され連結財務諸表に反映される過程において、為替レートの変動が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、為替予約等により為替相場の変動リスク軽減に努めております。

 

(5) 貿易リスク

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で生産・販売活動等の事業を展開し、加えて複数国の拠点間で四輪車、二輪車等の部品を輸出入している為、関税率の変動、新たな輸出入規制、規制対象の変更等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、現地調達化の促進や調達方法の見直し等の検討により、リスク軽減に努めております。

 

(6) 金利の変動

当社グループは財務に関わり発生が見込まれる様々なリスクの回避に努めておりますが、金利の変動は支払利息や受取利息あるいは金融資産および負債の価値等の変動に繋がり、当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社としてはグループ全体の財政状態を把握し、長期借入金に対して支払利息の固定化等の適切な対応をすることによりリスクの軽減に努めております。

 

(7) 法規制リスク

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域に生産拠点を有している為、各国や地域が制定する環境保護、四輪車、二輪車等、工場や生産工程等に関わる法規制等の変化や当局との見解の相違等が発生した場合、関連法規制や訴訟に関する様々な調査や法的手続き等を受ける可能性があります。その結果として当社グループが意図しない不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループとしては地域ごとの、関連法規制や訴訟に関する様々な調査や法的手続き等を把握する体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。

 

(8) 知的財産の保護

当社グループは製造する製品に関連する広範な知的財産権を有しており、これは当社グループ事業の成長にとって重要なものであります。しかしながら、これらの知的財産権が広範囲にわたって違法に侵害されることにより、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループが他社の知的財産権を侵害しないよう体制整備を行い、製品・技術の開発に当たっております。

但し、当社の開発した製品・技術が第三者の知的財産権を侵害していると判断された場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定の原材料および部品への依存

当社グループは、多数の外部事業者から原材料及び部品を購入しておりますが、購入している原材料及び部品の一部は、その供給を特定の事業者に依存している場合があります。これらの部品について、何らかの原因にて外部事業者から安定的に、あるいは効率的かつ競争力あるコストでの供給が受けられない場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、調達体制の整備により、リスク軽減に努めております。

 

(10)他社との業務提携・合弁

当社グループは、一層の競争力強化を狙い、あるいは事業を展開している国の要件に従い、企業買収や他社事業者との業務提携等を実施することがあります。事業の状況によっては業務提携等を解消することもあり、この様な場合当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)戦争・テロ・政情不安・ストライキ、自然災害等の影響

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で事業を展開している為、いずれかの国および地域において戦争、テロ、政情不安、ストライキ、大規模な自然災害、事故、感染症等の事象が発生した場合、原材料や部品の購入、生産活動および物流などの遅延や停止が生じ、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループとしては地域ごとの情報収集及び状況に応じた体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。

 

 

(12)情報セキュリティ

当社グループは事業展開を行うにあたり、情報通信システムを利用しています。これらは日々高度化・複雑化しており、当社としてもそのセキュリティや信頼性の向上の為、最大限の努力を行っておりますが、自然災害やテロ、コンピューターウイルスやハッキングなどの外部要因、人為的ミスや機器の不具合、故障等による内部要因などでシステムの停止や機密データの漏えい、重要データの消失、改ざんなどが発生し、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループでは、セキュリティのさらなる強化、データのバックアップ、システムのクラウド化を含め、不測の事態による事業停止からの早期復旧に関しての対策を講じております。また、基幹システム及びグループインフラの情報セキュリティに対する内部評価を実施し、リスクの軽減に努めております。

 

(13)品質・ブランドイメージ

当社グループはお客様と社会双方から存在を期待される企業であり続ける為に、当社グループが製造した製品の品質が人命に直結するものであるとの認識のもと、開発、生産をはじめとした当社グループが行う事業活動全てにおいて世界トップレベルの品質の追求をするため、品質管理体制の整備・運用を行っております。

しかしながら、予期せぬ重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではなく、そうした重大な事態が発生した場合にリコールなどの対応が必要となる場合があります。この様な時、当社グループのブランドイメージが失墜し、結果として当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

また、製品の不良等による万が一の重大なトラブルの発生に備え、賠償責任保険へ加入しリスクの低減を図っております。

 

(14)事業環境の変化

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域において、主要顧客である本田技研工業株式会社グループ各社との連携のもとに主要事業を展開している為、本田技研工業株式会社グループの生産体制等の変更が、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、本田技研工業株式会社グループの生産体制等の変更・変化を適宜把握し、柔軟に対応して参ります。さらに、顧客の拡大によりリスクの軽減に努めて参ります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

第14次中期事業計画では、「主幹部品の収益性向上」「事業基盤の強靭化」「環境変化への適応力向上」「CSR活動の強化」を戦略テーマとして設定し、グループ全体の事業基盤をさらに強固にすると共に、電動化を見据え新たな成長の創出を目指し事業を展開して参りました。

1.「主幹部品の収益性向上

各部品の戦略チームが中心となり各領域、各地域での戦略を見直し、課題抽出及び改善施策立案を確実に実行して参りました。主幹部品のライン最適化により収益確保に向けた体質づくりを進めており、確実な完了に向け展開中です。さらに日本・地域本部の役割を明確にするよう取り組んでおります

2.「事業基盤の強靭化」

主幹事業の将来を見据え、事業の「選択と集中」を進めるために、グローバルな視点で経営資源の最適化、将来に向けた企業基盤の強化を目的とした事業戦略機能を設置し、展開をしております。主には、生産の最適化及び経営判断スピードアップを目指し、北米地域等の子会社再編を実施しました。また、国内子会社の黒字化に向けた事業再編及び収益体質強化に取り組んでおります。

3.「環境変化への適応力向上」

人材領域においては、従来の人材育成プログラムに加え、グローバル人材を目的とした教育プログラムの展開、採用適正化、活性化施策等を実施して参りました。

デジタルツールを活用した次世代工場確立を目指し、IoT化モデル工場を定め、一部ラインの運用を開始しました。また、新時代をリードできる柱づくりとして保有技術を活かした新製品の探索及び検討を進めております。

4.「CSR活動の強化」

安全、環境、内部統制、リスクマネジメントなどの主要施策を推進しております。また、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大リスク対応については、グローバルでの感染状況のモニタリングを行い、従業員の健康と安全を第一に配慮した取り組みを継続しております。

さらに、脱炭素社会に向けた取り組みを強化しステークホルダーにとって安心・信頼できる企業を引き続き目指して参ります。

 

また個別優先課題への対応状況としては、

①モーター部品の安定生産・収益性向上

生産及び品質安定化については、目標達成することができました。収益性向上については、製造原価低減の目標を達成する目途が立ちました。

引き続き、施策の継続推進を確実に進めるとともに、将来の事業性向上に向けた取り組みを強化展開して参ります。

②生産体質強化による国内黒字化

国内生産体質強化への取り組みとして各部品戦略チームによる各領域の戦略の見直し、課題抽出及び改善施策を実行して参りました。目標に向け施策を確実に推進することにより、国内黒字化に向けた体質づくりができました。

その結果、当社個別業績は半導体供給不足による減収影響があったものの、生産体質強化に伴う効果に加え、経費削減、円安効果、海外からの収入増等により営業黒字を確保することができました。なお、固定資産減損損失等については引き続き課題認識しております。

また、当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得の見込み及び利益計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。この会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積を伴う判断」に記載しております。

今後においては、引き続き施策を確実に実行し継続した国内黒字化に向けた取り組みを推進して参ります。

③北米地域の再建、安定化

北米地域では、地域の再建に向け、日本と合同プロジェクトによる改善活動により、着実に収益改善を行って参りました。

さらに、経営のスリム化、収益改善のスピードアップ及び財務体質向上を目論み、米国オハイオ州の連結子会社であるカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドと米国アラバマ州の連結子会社であるアラバマ・カルマン・ユタカ・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの統合手続きを完了し2021年4月1日より新会社を発足し運用を開始致しました。

今後においては、北米収益強化に向け統合による経営判断及び収益改善を加速し、収益面での安定化を進めて参ります。

なお、財務課題として認識していた日米移転価格については、日米APA(事前確認制度)の相互協議において合意が成立いたしました。これにより、合意に伴う価格調整金を当社からカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドへ支払うこととしました。また、固定資産減損等については引き続き課題認識しております。

④英国子会社工場閉鎖

英国における、生産子会社であるユーワイエス・リミテッドは2021年7月に生産を終了し、2022年3月に土地・建物の売却が完了しております。引き続き、最終清算完了に向けて推進して参ります。

⑤新型コロナウイルス感染症等の状況

世界的に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により日本及び当社グループ海外拠点においても生産停止、国際的な物流課題等が発生しておりました。2022年3月期は新型コロナウイルス感染症からの回復により収益面においては改善が図られております。しかし、今後においても、中国地域ロックダウン等の不透明な状況は継続していくことが予測されますので、従業員の安全確保、雇用維持を重要課題と認識し継続的な展開を行って参ります。

また、新型コロナウイルス感染症に加え、世界的な半導体供給不足等による生産調整や原材料・物流費等の高騰が懸念される状況ではありますが、収益面、資金課題等については、引き続き当社グループ全体で対応を推進して参ります。

⑥環境課題への取り組み強化

全社戦略テーマであるCSR活動強化として、CO2削減、廃棄物削減等の環境改善への取り組みを進めております。そのような中で世界では脱炭素社会に向けた取り組みがさらに加速する状況を課題認識し、当社グループとしての対応をより一層強化して参ります。

 

当連結会計年度の売上収益は、2,133億9千5百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益88億5千3百万円(前年同期比143.1%増)、税引前利益113億6千5百万円(前年同期比196.2%増)、当期利益68億7千9百万円(前年同期は当期損失2億4百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益44億6千6百万円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失13億3千5百万円)となりました。

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(日本)

半導体供給不足による影響はありましたが、新型コロナウイルス感染症からの回復に伴う顧客からの受注増や海外からの収入増に加え円安効果により増収となりました。利益面では、増収効果に加え前期での固定資産減損損失計上に伴う影響がなくなったことによる増加があったものの、当期において日米APAの合意に伴う価格
調整金を引当計上したことにより、売上収益379億8千8百万円(前年同期比1.6%増)、営業損失83億3千9百万円(前年同期は営業損失68億8千8百万円)となりました。

(北米)

半導体供給不足に伴う顧客からの受注減影響はあるものの、新型コロナウイルス感染症からの回復に伴う顧客からの受注増に加え、日米APAの合意に伴う価格調整金を収入計上したことにより、売上収益346億円(前年同期比16.8%増)、営業利益50億6千4百万円(前年同期比1,352.4%増)となりました。

(アジア)

半導体供給不足に伴う顧客からの受注減影響はあるものの、主にインドネシアとタイにおいて新型コロナウイルス感染症からの回復に伴う顧客からの受注増により、売上収益229億8千4百万円(前年同期比29.3%増)、営業利益13億6千7百万円(前年同期は営業損失1千8百万円)となりました。

(中国)

顧客からの受注増により売上収益1,320億7百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益109億7千5百万円(前年同期比6.7%増)となりました。

(その他)

イギリスの工場閉鎖に伴う売上収益の減少があったものの、会社清算手続きに伴う固定資産売却等があり、売上収益29億7千7百万円(前年同期比46.5%減)、営業利益9千2百万円(前年同期は営業損失2千万円)となりました。

 

(注) 上記に記載しているセグメント別の売上収益は、外部顧客への売上収益とセグメント間の内部売上収益

の合計であります。

 

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

  1.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

24,606

△4.1

北米

38,926

34.8

アジア

21,561

39.9

中国

145,025

25.3

その他

2,786

△38.2

合計

232,904

22.4

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。

 

  2.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期末比(%)

日本

25,555

3.7

2,483

△9.3

北米

32,493

9.5

3,885

△35.8

アジア

20,881

32.1

1,955

24.2

中国

128,861

9.9

16,646

45.8

その他

2,877

△37.8

77

△85.7

合計

210,667

9.7

25,046

12.3

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.当連結会計年度において、受注高及び受注残高に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。

 

 

  3.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

24,801

5.3

北米

34,499

18.2

アジア

20,955

32.6

中国

130,288

10.2

その他

2,853

△37.7

合計

213,395

11.5

 

(注) 1.金額は販売価額によっております。 

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況に記載しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東風本田汽車有限公司

80,136

41.9

94,219

44.2

本田技研工業株式会社

17,537

9.2

21,352

10.0

ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド

12,701

6.6

7,260

3.4

 

 

(3) 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権、棚卸資産の増加
により、前連結会計年度末に比べ191億5千5百万円増加し、2,083億3千4百万円となりました。

負債につきましては、主に営業債務及びその他の債務の増加により、前連結会計年度末に比べ99億4千5百万円増加し、1,133億6千万円となりました。

資本につきましては、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末に比べ92億1千1百万円増加し、949億7千4百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

①資金需要の動向

当社グループの財務戦略の基本的な考え方は、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを基本方針としております。

強固な財務体質の維持に関しては、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に厳格な財務規律の下で負債の活用も進めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上に努めて参ります。

当社グループの2022年3月期の資本コストは、加重平均資本コスト(WACC)で算出すると1.1%であります。今後も、利益の向上に努め資本コストを上回る高い付加価値を生み出し、企業価値の向上を目指します。

収益計画の基本的な方針については、事業環境の変化に対し、部門及び案件ごとの正確な収益分析を行い、主幹部品の収益性の向上、事業の選択と集中で事業性の向上を図り、利益を確保することとしております。

当社グループとしての、利益配分の基本方針としては、「成長投資への支出」「株主還元の充実」「有利子負債の返済と内部留保の充実」をバランスよく配分することを目標としております。

成長投資への支出としては利益成長への資本活用として、新機種投資、次世代製品投資、改善合理化、開発投資、グローバル最適化に向けた資本投資と位置づけ将来への収益拡大を図って参ります。

株主還元の充実としては安定的及び持続的な配当額の向上を基本方針とし株主還元の充実を図って参ります。

有利子負債の返済と内部留保の充実については、事業活動により得られた資金のうち、投資と株主還元を差し引いたフリーキャッシュフローについては、有利子負債の返済を進め、無借金経営を目指して参ります。

返済完了後は、内部留保の充実を図って参ります。

②資金調達の方法

当社グループは事業活動維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。

設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、安定的な資金調達手段としては、金融機関からの借入等を一部活用しております。

また、緊急時の対応として国内金融機関において、アンコミットメントラインを設定しており、柔軟な対応ができる流動性を確保しております。

当連結会計年度としては、成長投資及び株主還元については、予定通り配分し、内部留保についても確保することができております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、402億4千9百万円(前年同期末比25.3%増)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は121億4千2百万円(前連結会計年度比24.8%減)となりました。これは主に法人所得税等の支払額や棚卸資産の増加による支出がありましたが、税引前利益や減価償却費及び償却費による収入が上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は39億4千7百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりましたこれは主にイギリス工場の閉鎖に伴う固定資産の売却による収入がありましたが、新機種投資及び合理化投資に伴う有形固定資産の取得による支出が上回ったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は27億9千3百万円(前連結会計年度比346.8%増)となりました。これは主に配当金の支出によるものであります。

 

4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、地球環境を最優先に配慮した豊かなクルマ社会の創造を目指して、世界的な視野に立ち広範囲な顧客ニーズに応え、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を、的確かつタイミング良く提供することを基本方針としております。

現在当社は、栃木開発センターが主体となり、日本を含めた世界各拠点で生産する製品の研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。北米では連結子会社であるカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドが主体となり、主に北米市場向け製品の研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費は2,454百万円となっております。

当連結会計年度における報告セグメントごとの研究目的、課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1) 日本

当連結会計年度におきましては、日本を含めた世界各拠点で生産する製品のうち、主に「自動車部品四輪」(排気系部品、熱マネジメント系部品、駆動系部品、モーター系部品)及び「自動車部品二輪」に関する研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。なお、日本における研究開発費は2,385百万円であります。

(自動車部品四輪)

排気系部品は、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、グローバル機種である「新型CIVIC」用のキャタリティックコンバータの開発を完了し、国内の嵐山製作所、北米のカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド、中国の佛山市豊富汽配有限公司及び武漢金豊汽配有限公司、タイのワイエス・テック(タイランド)カンパニー・リミテッドにて量産を開始、排気サイレンサーについても開発も完了して国内の嵐山製作所、中国の佛山市豊富汽配有限公司、武漢金豊汽配有限公司、タイのワイエス・テック(タイランド)カンパニー・リミテッドにて量産を開始しました。また、インドネシア生産の「新型BR-V」用の排気サイレンサーの開発を完了してピー・ティー・ユタカ・マニファクチャリング・インドネシアにて量産を開始しました。更に「新型アキュラTLX Type S」用、及び「新型アキュラMDX Type S」用のキャタリティックコンバータの開発を完了し、北米のカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドにて量産を開始しました。

熱マネジメント系部品は、燃費性能、環境技術を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

駆動系部品は、さらなる小型軽量化、燃費向上及び生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

モーター系部品は、電動化が進む次世代の自動車に向けて、高性能モーター部品の研究開発・生産技術開発を行っております。

(自動車部品二輪)

自動車部品二輪事業の主要部品であるブレーキディスクは、軽量化、高性能化技術に加え機能進化や生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、インドネシア生産の「VARIO 160 ABS」用のパルサーリング一体FRディスクの開発を完了し、ピー・ティー・ユタカ・マニファクチャリング・インドネシアにて量産を開始しました。

 

(2) 北米

当連結会計年度におきましては、主に北米市場向け製品のうち、「自動車部品四輪」(排気系部品)に関する研究開発を行っております。なお、北米における研究開発費は69百万円であります。

(自動車部品四輪)

排気系部品は、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドの研究開発部門において、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、北米生産の「新型アキュラMDX Type S」用の排気サイレンサーの開発を完了し、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドにて量産を開始しました。