第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは基本理念の「人間尊重」に基づき、「私たちは、世界的視野に立ち、豊な創造力で、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を供給することに全力を尽くす」という社是を実践することにより、社会に貢献して参ります。

経営戦略(経営目標)を達成するうえで、2030年ビジョンとして「独自技術を強化拡大し、新しい時代に期待される企業となる。」を掲げ、3つの方向性を定め推進して参ります。

1.Yutaka製品を世界のお客様に広め、地球環境に貢献する。

2.電動化時代に向けて、新しい価値を生み出す商品を創造する。

3.地域を超えて英知を結集し、グループの総合力を発揮する。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループをとりまく環境は、「主要市場での自動車販売の鈍化」「自動車メーカー系列を超えた提携拡大」「経済構造の変化」、そして「脱炭素社会に向けた自動車電動化のさらなる加速」という大きな変化を見せています。自動車業界では環境変化に対応した全世界的な自動車生産体制の見直しなどの動きがみられ、当社グループにおいても各地域での役割機能の見直しを図り、第14次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)にて「主幹部品の収益性向上」「事業基盤の強靭化」「環境変化への適応力向上」「CSR活動の強化」という戦略テーマを設定し、グループ全体の品質や生産体質を向上させ、さらなる進化を果たすべく事業を展開しており、その中でも、以下6点を個別優先課題と認識し、推進して参りました。

①.モーター部品の安定生産・収益性向上

②.生産体質強化による国内黒字化

③.北米地域の再建、安定化

④.英国子会社工場閉鎖

⑤.新型コロナウイルス感染症等のリスクへの対応

⑥.環境課題への取り組み強化

 

2023年4月から当社グループにおいては第15次中期事業計画(2023年4月~2026年3月)が始まります。

今後も当社グループをとりまく環境は、さらに厳しい状況へ移行していると認識し以下のとおり、中・長期のコンセプトを見直し、環境変化に対応した施策を加速展開して参ります。

 


第15次中期においては、さらに加速する電動化時代に向け、新価値商品の創造と基盤確立に向けた仕込み、事業効率の追求を展開し、全拠点の黒字化を目指すために以下の戦略テーマを掲げ取り組んで参ります。

1.「電動化時代をリードできる柱の創造」

2030年を見据え、新たな事業の「柱」となる製品を創造し事業転換を図ります。さらに電動化時代へ向けた新しい市場の開拓、電動化時代を支える各本部の役割/戦略を明確にしていきます。

2.「新価値商品の創造」

新時代へ向けた新商品を創造し、事業構築を図ります。

全従業員で新価値商品へ取り組み、当社グループの風土改革を行います。

さらにスピード感を持った新価値商品化フローの構築と運用を目指していきます。

3.「主幹部品の収益性追求と販路拡大」

将来の事業転換に向けた主幹部品の収益最大化を図ります。

日本/海外地域と連携した販路拡大に取り組み、環境変化に強いボトム体質の構築を目指していきます。

4.「デジタルを基軸とした運営基盤強化」

将来を見据えたデジタル化へのロードマップの構築を図り、グループ全体で管理業務のスリム化を目指していきます。デジタルツールを活用した業務改革の推進、データ管理と適切な教育/運営/活用を行います。

5.「SDGs/Carbon Neutralへの挑戦」

社会から信頼される企業であり続ける為にサステナビリティ活動の浸透を図ります。SDGs対応の明確化と発信、低炭素グローバルサプライチェーンの具現化に向けて取り組みます。また、人的資本の拡充に向け、ダイバーシティ&インクルージョンを加速させることにより、女性が働きやすい職場環境の充実に努めると共に、性別や国籍を問わない採用活動や風土づくりを拡大させていきます。

 

その中でも、以下5点を個別優先課題と認識し、取り組んで参ります。

①.モーター部品の収益性向上・ビジネス拡大

②.生産体質・管理体質強化による国内黒字化

③.主幹部品の他販拡大

④.SDGs対応に向けた取り組み強化と発信

⑤.半導体不足、インフラ高騰等のリスクへの対応

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは適正な利益及び財務状況を確保すべく事業を行っておりますので、営業利益額をその重要な経営指標と位置付けております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) サステナビリティに関する考え方及び取組み

当社グループは「Clean for the Future」をカンパニースローガンに掲げ、将来に亘って働く場を取り巻く社会問題を解決するため、サステナビリティに関する重要課題を定め、事業活動と融合させるべく体制の構築や具体的な取り組みを推進しています。

当社グループは気候変動への対応を重要な経営課題と考え、気候変動が事業にもたらす影響を分析しています。

①.ガバナンス

当社グループは、全ての事業領域において地球環境を保全するべく、環境活動の指針となる「環境宣言」と具体的な「基本方針」のもと、ISO14001に基づいた環境マネジメントシステムを構築し、グループ全体の環境マネジメントサイクルに拠点ごとの環境マネジメントサイクルを連動させることで全社員参加の環境活動を展開しています。

また、3ヶ年毎の「中期環境計画」を策定し、重要な課題の設定、モニタリング、対応策の推進に取り組んでいます。

②.戦略

世界規模で大きな問題となっている気候変動に関連し、自動車メーカーを中心に電動化が加速し、カーボンニュートラルに向けた取り組み姿勢が大きな関心事項となっております。このような中で主要顧客である本田技研工業株式会社が2040年電動化100%を宣言いたしました。当社としてはその取り組みに追従し受注機会を確保するとともに社会から信頼される企業を目指していきます。

当社では中期事業計画における戦略テーマの中に「SDGs/Carbon Neutralへの挑戦」、「サステナビリティ活動の浸透」という重点テーマを定め、中長期CO2排出量削減目標を策定し、低炭素な資源活用・製造法や輸送効率の改善を進めております。また、ロス・ムダ・資源の削減として設備の不要時の停止や業務効率のアップ、仕損削減に取り組んでいます。製品開発領域としては環境新製品(モーター事業)にも取り組んでいます。それらの活動内容は定期的にモニタリングし、PDCAを着実に回すことにより、目標の達成に歩みを進めていきます。

③.リスク管理

当社は、リスク管理の統括機関として「リスク管理委員会」を設置しております。

気候変動のリスクに関しては、安全環境推進部門が具体的リスクを洗い出したうえで、「発生頻度」・「事業への影響度」を評価基準にその重要性を定期的に評価し、対応策の検討・立案及び目標の設定をし、リスク管理委員会に報告しています。対応策の取組状況及び設定した目標の進捗状況に関しては、リスクマネジメントオフィサーが監視、監督しています。

 

④.指標及び目標

当社では、気候変動への対応として以下の中長期CO2排出量目標を策定し、具体的な行動計画に落とし込んで取り組みを進めています。2022年は、各拠点にてコンプレッサー等の設備の更新や、工場・事務所照明のLED化等の省エネ施策の積極的な実行により、Scope1・2で2019年比25.4%のCO2排出量を削減いたしました。

なお、2023年以降は当社初となるオンサイトPPAを活用した太陽光発電設備の設置を計画し、またカーボンフリー電気の採用を検討しています。省エネ施策継続とあわせることで、カーボンニュートラル達成に向け、さらなるCO2削減への取り組みを進めていきます。

<中長期CO2排出量目標>

2030年目標 Scope1・2 46%削減(2019年比)

2050年目標 Scope1・2 ネット・ゼロ(カーボンニュートラル)

 

<CO2排出量実績(単位:t-CO2)>

 

Scope1

Scope2

合計

2019年(基準年)

1,012

10,182

11,194

2020年

1,094

9,977

11,071

2021年

959

9,193

10,152

2022年

790

8,431

9,221

 

 

(2) 人的資本に関する取り組み

①.戦略

当社における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、基本理念である”人間尊重”をベースに、ありたい人材像を「活き活きと日々行動し、グローバルに活躍できる人財」と定義したうえで、採用活動や人材育成を進めることとしています。年齢や国籍を問わない採用活動を行うと共に、自律的キャリア形成の一環として、全従業員は期初に「自己申告書」を用いて上位資格チャレンジや海外拠点を含めた異動について意思表示を行い、上司との2Wayを経て目標設定を行う仕組みを運用しています。これらの取り組みの深化により事業変革を支える人材の育成を強力に進めていきます。

 

②.指標及び目標

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

<中期人材戦略目標>

 

女性従業員採用率

当社で働く総合満足度

(従業員意識調査)

37期末(第14時中期末)

20%以上(期毎)

肯定回答率50%以上

38期末

39期末

40期末(第15次中期末)

肯定回答率60%以上

 

 

<中期人材戦略実績>

 

女性従業員採用率

当社で働く総合満足度

(従業員意識調査)

37期末(第14時中期末)

-%

肯定回答率47%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。これらのリスクは予測不可能な不確実性を内包しており、当社グループの将来の事業、業績並びに財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらのリスクの回避、あるいはその影響の低減の為の適切なリスク管理に努めておりますが、これらすべてのリスクを完全に回避するものではありません。なお、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、当社グループが将来にわたり影響を受けうるリスクはこれらに限定されるものではありません。

 

(1) 市場環境の変化

当社グループは日本、北米、南米、中国、アジア地域を含む世界各国・地域で広範に事業を展開しており、これらの国々における景気後退や消費者の価値観の変化等に伴う四輪車、二輪車等の需要の減少が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの売上はその多くを本田技研工業株式会社グループに依存しており、その販売状況の変化が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、市場環境の変化を適宜把握し、柔軟に対応して参ります。さらに、顧客の拡大によりリスクの軽減に努めて参ります。

 

(2) 製品の価格変動

当社グループは常に独自の技術を用い、高い付加価値や世界トップレベルの競争力を持つ製品の開発と生産に努めておりますが、国内外の市場において多くのメーカーとの熾烈な競争に晒されており、強い価格変動圧力等が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替の変動

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で生産・販売活動等の事業を行い、加えて複数国の拠点間で四輪車、二輪車等の部品を輸出入している為、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、外貨建取引において、当社グループが販売する部品及び製品の価格設定や購入する原材料の為替レート変動に起因する価格変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の資産・負債等が現地通貨から日本円に換算され連結財務諸表に反映される過程において、為替レートの変動が当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、為替予約等により為替相場の変動リスク軽減に努めております。

 

(4) 貿易リスク

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で生産・販売活動等の事業を展開し、加えて複数国の拠点間で四輪車、二輪車等の部品を輸出入している為、関税率の変動、新たな輸出入規制、規制対象の変更等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、現地調達化の促進や調達方法の見直し等の検討により、リスク軽減に努めております。

 

(5) 金利の変動

当社グループは財務に関わり発生が見込まれる様々なリスクの回避に努めておりますが、金利の変動は支払利息や受取利息あるいは金融資産及び負債の価値等の変動に繋がり、当社グループの業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社としてはグループ全体の財政状態を把握し、長期借入金に対して支払利息の固定化等の適切な対応をすることによりリスクの軽減に努めております。

 

(6) 法規制リスク

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域に生産拠点を有している為、各国や地域が制定する環境保護、四輪車、二輪車等、工場や生産工程等に関わる法規制等の変化や当局との見解の相違等が発生した場合、関連法規制や訴訟に関する様々な調査や法的手続き等を受ける可能性があります。その結果として当社グループが意図しない不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループとしては地域ごとの、関連法規制や訴訟に関する様々な調査や法的手続き等を把握する体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。

 

(7) 知的財産の保護

当社グループは製造する製品に関連する広範な知的財産権を有しており、これは当社グループ事業の成長にとって重要なものであります。しかしながら、これらの知的財産権が広範囲にわたって違法に侵害されることにより、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、他社により当社グループの知的財産権が侵害されないよう体制整備を行い、製品・技術の開発に当たっております。

 

(8) 特定の原材料及び部品への依存

当社グループは、多数の外部事業者から原材料及び部品を購入しておりますが、購入している原材料及び部品の一部は、その供給を特定の事業者に依存している場合があります。これらの部品について、何らかの原因にて外部事業者から安定的に、あるいは効率的かつ競争力あるコストでの供給が受けられない場合、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、調達体制の整備により、リスク軽減に努めております。

 

(9)他社との業務提携・合弁

当社グループは、一層の競争力強化を狙い、あるいは事業を展開している国の要件に従い、企業買収や他社事業者との業務提携等を実施することがあります。事業の状況によっては業務提携等を解消することもあり、この様な場合当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)戦争・テロ・政情不安・ストライキ、自然災害等の影響

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域で事業を展開している為、いずれかの国及び地域において戦争、テロ、政情不安、ストライキ、大規模な自然災害、事故、感染症等の事象が発生した場合、原材料や部品の購入、生産活動及び物流などの遅延や停止が生じ、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、従業員の安全確保を第一と考え、地域ごとの情報収集及び状況に応じた体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。

 

(11)情報セキュリティ

当社グループは事業展開を行うにあたり、情報通信システムを利用しています。これらは日々高度化・複雑化しており、当社としてもそのセキュリティや信頼性の向上の為、最大限の努力を行っておりますが、自然災害やテロ、コンピューターウイルスやハッキングなどの外部要因、人為的ミスや機器の不具合、故障等による内部要因などでシステムの停止や機密データの漏えい、重要データの消失、改ざんなどが発生し、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、当社グループでは、セキュリティのさらなる強化、データのバックアップ、システムのクラウド化を含め、不測の事態による事業停止からの早期復旧に関しての対策を講じております。また、基幹システム及びグループインフラの情報セキュリティに対する内部評価を実施し、リスクの軽減に努めております。

 

(12)品質・ブランドイメージ

当社グループはお客様と社会双方から存在を期待される企業であり続ける為に、当社グループが製造した製品の品質が人命に直結するものであるとの認識のもと、開発、生産をはじめとした当社グループが行う事業活動全てにおいて世界トップレベルの品質の追求をするため、品質管理体制の整備・運用を行っております。

しかしながら、予期せぬ重大な品質問題が発生する可能性は皆無ではなく、そうした重大な事態が発生した場合にリコールなどの対応が必要となる場合があります。この様な時、当社グループのブランドイメージが失墜し、結果として当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、製品の不良等による万が一の重大なトラブルの発生に備え、賠償責任保険へ加入しリスクの低減を図っております。

 

(13)事業環境の変化

当社グループは日本をはじめとした世界各国・地域において、主要顧客である本田技研工業株式会社グループ各社との連携のもとに主要事業を展開している為、本田技研工業株式会社グループの生産体制等の変更が、当社グループの事業、業績並びに財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。

その対応として、本田技研工業株式会社グループの生産体制等の変更・変化を適宜把握し、柔軟に対応して参ります。さらに、顧客の拡大によりリスクの軽減に努めて参ります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

第14次中期事業計画では、「主幹部品の収益性向上」「事業基盤の強靭化」「環境変化への適応力向上」「CSR活動の強化」を戦略テーマとして設定し、グループ全体の事業基盤をさらに強固にすると共に、電動化を見据え新たな成長の創出を目指し事業を展開して参りました。

1.「主幹部品の収益性向上

各部品の戦略チームが中心となり各領域、各地域での戦略を見直し、課題抽出及び改善施策立案を確実に実行して参りました。主幹部品のライン最適化により収益確保に向けた体質づくりを推進展開し、主幹部品の足固めを図ることができました

2.「事業基盤の強靭化」

主幹事業の将来を見据え、事業の「選択と集中」を進めるために、グローバルな視点で経営資源の最適化、将来に向けた企業基盤の強化を目的とした事業戦略機能を設置し、展開して参りました。主には、生産の最適化及び経営判断スピードアップを目指し、北米地域等の子会社再編を実施しました。また、国内子会社の黒字化に向けた事業再編及び収益体質強化に取り組んでおります。

3.「環境変化への適応力向上」

人材領域においては、従来の人材育成プログラムに加え、グローバル人材を目的とした教育プログラムの展開、採用適正化、活性化施策等を実施して参りました。

デジタルツールを活用した次世代工場確立を目指し、IoT化モデル工場を定め運用を開始し、拡大展開をしております。また、新時代をリードできる柱づくりとして保有技術を活かした新製品の探索及び検討を進め、体制を構築し新製品展開を強力に進めております。

4.「CSR活動の強化」

安全、環境、内部統制、リスクマネジメントなどの主要施策を推進しております。また、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大リスク対応については、従業員の健康と安全を第一に配慮した取り組みを実施して参りました。

さらに、脱炭素社会に向けた取り組みを強化しステークホルダーにとって安心・信頼できる企業を引き続き目指して参ります。

 

また個別優先課題への対応状況としては、

①モーター部品の安定生産・収益性向上

生産及び品質安定化については、目標達成することができました。収益性向上についても、生産体質の足固めを図ることができました。

引き続き、施策の継続推進を確実に進めるとともに、将来の事業性向上に向けた取り組み、さらにビジネス拡大に向け強化展開して参ります。

②生産体質強化による国内黒字化

国内生産体質強化への取り組みとして各部品戦略チームによる各領域の戦略の見直し、課題抽出及び改善施策を実行して参りました。目標に向けた確実な施策実行により、生産体質強化へ繋がりました。

しかしながら、生産体質強化に伴う効果に加え、経費削減、円安効果はあったものの、半導体供給不足に伴う減収及びインフラ高騰が大きく影響し、当社個別業績は営業赤字となりました。

また、当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得の見込み及び利益計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。この会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積を伴う判断」に記載しております。

今後においては、引き続き施策を確実に実行し継続した国内黒字化に向けた取り組みを推進して参ります。

 

③北米地域の再建、安定化

北米地域では、地域の再建に向けた活動を着実に進め、収益改善を行って参りました。

北米収益強化に向けて、統合による経営のスリム化、収益改善のスピードアップ及び財務体質向上施策を行い、収益面での安定化を進めて参りました。半導体供給不足による減産影響やインフラ高騰等の影響はあったものの、生産体質強化に伴う効果に加え、経費削減、原材料や輸送費高騰分等の価格転嫁により営業黒字を確保することができました。今後においては、引き続き黒字化継続に向けた取り組みを推進して参ります。

なお、税務課題として認識していた日米移転価格については、リスクを回避する目的で、日米APA(事前確認制度)の再申請をいたしました。

④英国子会社工場閉鎖

英国における、生産子会社であるユーワイエス・リミテッドは2021年7月に生産を終了し、最終清算完了に向けて推進して参ります。

⑤新型コロナウイルス感染症等の状況

世界的に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大影響を受け、特に中国においては主要都市ロックダウン等の活動制限による生産及び収益面に影響が出たものの、段階的な緩和政策により改善が図られてきております。

また、新型コロナウイルス感染症に加え、世界的な半導体供給不足等による減産や生産停止等の影響が生じており、今後もそのリスクは不安視されております。さらに資源エネルギー価格の上昇や物価高騰が懸念される状況ではありますが、収益面、資金課題等については、北米・日本を始めとした資源エネルギー価格上昇等の価格転嫁等による改善も図られており、引き続き当社グループ全体で対応を推進して参ります。

⑥環境課題への取り組み強化

全社戦略テーマであるCSR活動強化の一環として、気候変動への対応に取り組んできました。中長期CO2排出量削減目標を策定し、具体的な行動計画に落とし込んでの取り組みを進めております。各拠点での設備の更新や工場・事務所照明のLED化等の省エネ施策を積極的に実行してきました。

世界では脱炭素社会に向けた取り組みがさらに加速する状況を認識し、当社グループとしてカーボンニュートラル達成に向けた対応をより一層強化して参ります。

 

当連結会計年度の売上収益は、2,180億4百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益38億5千3百万円(前年同期比56.5%減)、税引前利益49億3千3百万円(前年同期比56.6%減)、当期利益16億3千9百万円(前年同期比76.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益14億4千4百万円(前年同期比67.7%減)となりました。

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

(日本)

売上収益は半導体供給不足に伴う受注減により減少、利益面においては受注減影響に加え、原材料や輸送費等の高騰はあったものの、前期での日米APAの合意に伴う価格調整金の引当影響がなくなったことに加え、当期において中国子会社の出資持分一部譲渡による関係会社出資金売却益により、売上収益362億3千5百万円(前年同期比4.6%減)、営業損失17億7千3百万円(前年同期は営業損失83億3千9百万円)となりました。

(北米)

売上収益は半導体供給不足による受注減はあったものの、主に為替変動により増加、利益面においては、一部において原材料や輸送費高騰分等の価格転嫁があったものの、前期での日米APAの合意に伴う価格調整金の収入計上がなくなったことにより、売上収益575億2千7百万円(前年同期比66.3%増)、営業利益2億8千7百万円(前年同期比94.3%減)となりました。

(アジア)

売上収益は主にインドネシアにおいて自動車部品二輪が好調に推移したことに加えて為替変動により増加、利益面においては原材料や輸送費等の高騰により、売上収益289億1千6百万円(前年同期比25.8%増)、営業利益13億2千万円(前年同期比3.5%減)となりました。

(中国)

新型コロナウイルス感染症再拡大や半導体供給不足に伴う受注減に加えて原材料や輸送費等の高騰により、売上収益1,074億3千8百万円(前年同期比18.6%減)、営業利益40億3千9百万円(前年同期比63.2%減)となりました。

(その他)

イギリスの工場閉鎖に伴う売上収益の減少はあったものの、ブラジルの利益体質改善により、売上収益11億2千5百万円(前年同期比62.2%減)、営業利益1億4千5百万円(前年同期比57.7%増)となりました。

 

(注) 上記に記載しているセグメント別の売上収益は、外部顧客への売上収益とセグメント間の内部売上収益の合計であります。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

  1.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

30,584

24.3

北米

60,605

55.7

アジア

28,027

30.0

中国

100,196

△30.9

その他

1,077

△61.4

合計

220,488

△5.3

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。

 

  2.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期末比(%)

日本

25,324

△0.9

1,966

△20.8

北米

57,235

76.1

4,021

3.5

アジア

27,348

31.0

1,684

△13.9

中国

97,918

△24.0

8,245

△50.5

その他

1,137

△60.5

88

15.4

合計

208,962

△0.8

16,004

△36.1

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.当連結会計年度において、受注高及び受注残高に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況」に記載しております。

 

 

  3.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

25,841

4.2

北米

57,099

65.5

アジア

27,619

31.8

中国

106,320

△18.4

その他

1,125

△60.6

合計

218,004

2.2

 

(注) 1.金額は販売価額によっております。 

2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、「第2「事業の状況」3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績の状況に記載しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東風本田汽車有限公司

94,219

44.2

80,119

36.8

ホンダオブアメリカマニュファクチュアリング・インコーポレーテッド

7,260

3.4

29,700

13.6

本田技研工業株式会社

21,352

10.0

22,352

10.3

 

 

(3) 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産につきましては、営業債権及びその他の債権の増加はありましたが、現金及び現金同
等物や棚卸資産、有形固定資産の減少により、前連結会計年度末に比べ87億円減少し、1,996億3千3百万円となりました。

負債につきましては、主にその他の流動負債の増加はありましたが、営業債務及びその他の債務の減少により、前連結会計年度末に比べ111億4千7百万円減少し、1,022億1千3百万円となりました。

資本につきましては、非支配持分の減少はありましたが、その他の資本の構成要素及び資本剰余金の増加によ
り、前連結会計年度末に比べ24億4千7百万円増加し、974億2千1百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

①資金需要の動向

当社グループの財務戦略の基本的な考え方は、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを基本方針としております。

強固な財務体質の維持に関しては、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に厳格な財務規律の下で負債の活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めて参ります。

当社グループの2023年3月期の資本コストは、加重平均資本コスト(WACC)で算出すると4.7%であります。今後も、利益の向上に努め資本コストを上回る高い付加価値を生み出し、企業価値の向上を目指します。

収益計画の基本的な方針については、事業環境の変化に対し、部門及び案件ごとの正確な収益分析を行い、主幹部品の収益性の向上、事業の選択と集中で事業性の向上を図り、利益を確保することとしております。

当社グループとしての、利益配分の基本方針としては、「成長投資への支出」「株主還元の充実」「有利子負債の返済」をバランスよく配分することを目標としております。

成長投資への支出としては利益成長への資本活用として、新機種投資、次世代製品投資、改善合理化、開発投資及びモーター事業拡大、販路拡大に向けた投資を行い収益拡大を図るとともに、将来に向けた人的資本投資を行って参ります。

株主還元の充実としては安定的及び持続的な配当額の向上を基本方針とし株主還元の充実を図って参ります。

有利子負債の返済については、事業活動により得られた資金のうち、投資と株主還元を差し引いたフリーキャッシュフローにより有利子負債の返済を進め、無借金経営を目指して参ります。

②資金調達の方法

当社グループは事業活動維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。

設備投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、安定的な資金調達手段としては、金融機関からの借入等を一部活用しております。

また、緊急時の対応として国内金融機関において、アンコミットメントラインを設定しており、柔軟な対応ができる流動性を確保しております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、323億5千2百万円(前年同期末比19.6%減)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は40億6千3百万円(前連結会計年度比66.5%減)となりました。これは主に営
業債務及びその他の債務の減少や営業債権及びその他の債権の増加による支出がありましたが、預り金の増加
や減価償却費及び償却費、棚卸資産の減少による収入が上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は28億1千3百万円(前連結会計年度比28.7%減)となりました。これは主に新
機種投資等に伴う有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は76億8千1百万円(前連結会計年度比175.1%増)となりました。これは主に借
入金の返済や配当金の支払によるものであります。

 

4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、地球環境を最優先に配慮した豊かなクルマ社会の創造を目指して、世界的な視野に立ち広範囲な顧客ニーズに応え、常にお客様に満足して頂ける魅力ある商品を、的確かつタイミング良く提供することを基本方針としております。

現在当社は、栃木開発センターが主体となり、日本を含めた世界各拠点で生産する製品の研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。北米では連結子会社であるカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドが主体となり、主に北米市場向け製品の研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費は2,351百万円となっております。

当連結会計年度における報告セグメントごとの研究目的、課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(1) 日本

当連結会計年度におきましては、日本を含めた世界各拠点で生産する製品のうち、主に「自動車部品四輪」(排気系部品、熱マネジメント系部品、駆動系部品、モーター系部品)及び「自動車部品二輪」に関する研究開発及び生産技術開発に関する活動を展開しております。なお、日本における研究開発費は2,269百万円であります。

(自動車部品四輪)

排気系部品は、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発、生産技術開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、キャタリティックコンバーターでは「新型CIVIC e-HEV」「新型CIVIC Type-R」用、及び「新型Step-WGN」用の開発を完了し国内の嵐山製作所にて生産を開始、「新型CR-V」用、「新型Accord」用、「新型Pilot」用の開発を完了してカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドにて生産を開始しました。排気サイレンサーについても「新型Step-WGN」用の開発を完了して国内の嵐山製作所にて生産を開始、「新型Fit」用の開発を完了して国内の三重製作所にて生産を開始、「新型CR-V」用の開発を完了してカーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドにて生産を開始しました。

熱マネジメント系部品は、燃費性能、環境技術を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

駆動系部品は、さらなる小型軽量化、燃費向上及び生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

モーター系部品は、電動化が進む次世代の自動車に向けて、高性能モーター部品の研究開発・生産技術開発を行っております。

(自動車部品二輪)

自動車部品二輪事業の主要部品であるブレーキディスクは、軽量化、高性能化技術に加え機能進化や生産性向上など製品競争力を高める研究開発、生産技術開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、インドネシア生産の「PCX160」用のパルサーリング一体FRディスクの開発を完了し、ピー・ティー・ユタカ・マニファクチャリング・インドネシアにて量産を開始しました。

その他、ソリッド及びフローティングのブレーキディスクの開発を完了し、国内子会社のスミレックス、インドネシアのピー・ティー・ユタカ・マニファクチャリング・インドネシア、インドのユタカ・オートパーツ・インディア・プライベート・リミテッドにて合計4機種の生産を開始しました。

 

(2) 北米

当連結会計年度におきましては、主に北米市場向け製品のうち、「自動車部品四輪」(排気系部品)に関する研究開発を行っております。なお、北米における研究開発費は82百万円であります。

(自動車部品四輪)

排気系部品は、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドの研究開発部門において、排気ガス浄化性能、燃費、静粛性向上等の環境対応技術をより進化させ、生産性向上と併せ製品競争力を高める排気システムの研究開発を行っております。

当連結会計年度の主な成果としては、北米生産の「新型Pilot」用の排気サイレンサーの開発を完了し、カーディントン・ユタカ・テクノロジーズ・インコーポレーテッドにて量産を開始しました