【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社ユタカ技研(以下、当社)は、日本に所在する企業であります。その登記されている本社及び主要な事務所・工場の住所はウェブサイト(https://www.yutakagiken.co.jp)で開示しております。当社の連結財務諸表は2024年3月31日を期末日としております。当社及び連結子会社(以下、当社グループ)は、主に自動車部品である駆動系・排気系・制動系製品の製造及び販売を行っております。また、当社の親会社は本田技研工業株式会社(以下、「親会社」という。)であります。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
連結財務諸表は、2024年6月21日に当社代表取締役社長 青島 隆男によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、単位を百万円としております。また、百万円未満の端数は四捨五入にて表示しております。
(4) 新IFRS適用の影響
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準を採用しております。
上記の基準書については、当連結会計年度において重要な影響はありません。
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表において適用する重要な会計方針は以下のとおりであります。
(1) 連結の基礎
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有していることをいいます。子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配を喪失する日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っております。当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。子会社の決算日が連結決算日と異なる場合、当該子会社について連結決算日に仮決算を行い、連結しております。
親会社の子会社に対する所有持分の変動のうち、親会社の子会社に対する支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。当社グループは、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。
親会社を含む連結の範囲は、当連結会計年度は13社、前連結会計年度は13社から構成されております。当連結会計年度末及び前連結会計年度末において、全ての子会社は連結されております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨として、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。
各企業が個別財務諸表を作成する際、その企業の機能通貨以外の通貨での取引の換算については、取引日の為替レート、又は取引日の為替レートに近似するレートを使用しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しております。
換算又は決済により生じる為替差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートで、収益及び費用は、連結会計期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表から発生した為替換算差額は連結包括利益計算書の「その他の包括利益」で認識し、為替換算差額の累計額は連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」として計上しております。
在外営業活動体の為替換算差額の累計額は、支配の喪失をした場合には、処分した期間に純損益として認識しております。
(3) 金融商品
① 金融資産
金融資産は当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類しております。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引費用を加算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産に分類されずに公正価値で測定することとされた金融資産のうち、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に公正価値の事後的な変動をその他の包括利益を通じて測定することを選択しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得時に直接起因する取引費用を加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えておりません。なお、配当については純損益として認識しております。
② 金融負債
金融負債はその当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債及び償却原価で測定する金融負債に分類しております。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外の金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引費用を減算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づき償却原価で測定しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値により測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
③ デリバティブ
デリバティブは公正価値で当初測定しております。また、当初測定後は公正価値で測定し、その事後的な変動は純損益として認識しております。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計は適用しておりません。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い価額で測定しております。棚卸資産の取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しております。
正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積り販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は原価法を適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。取得原価には、資産に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用及び資産計上すべき借入費用が含まれています。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 3~50年
機械装置及び運搬具 2~20年
工具、器具及び備品 2~20年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は年度毎に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7) 無形資産
① 研究開発
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しております。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能で、技術的かつ商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資質を有している場合にのみ、無形資産として資産計上しております。
償却費は、見積耐用年数にわたり定額法で計上しております。見積耐用年数は、当社グループの製品が搭載される特定の二輪車及び四輪車製品が製造・販売される期間の見積ライフサイクル(主に5年)を採用しております。見積耐用年数、償却方法は、年度毎に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
② ソフトウエア
内部利用のソフトウエアは、当初認識時に取得原価で測定しております。準備段階において発生した内部及び外部費用は発生時の費用とし、開発段階において発生した内部及び外部費用は無形資産に計上しております。導入後に発生するメンテナンスなどの費用は発生時の費用としております。
償却費は、見積耐用年数(主に5年)にわたり定額法で計上しております。見積耐用年数、償却方法は、年度毎に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) リース
リースはIFRS第16号におけるリースの定義に基づいて契約がリース又はリースを含んでいるか否かを判定しております。
借手としてのリース取引について、使用権資産は、リース開始日にリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っており、リース期間にわたって定額法により減価償却しております。
リース負債は、残存リース料を借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、リース料は、利息法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料をリース期間にわたり、定額法により費用として認識しております。
貸手としてのリース取引について、重要なものはありません。
(9) 減損
① 金融資産
償却原価で測定する金融資産については、報告日ごとに減損していることを示す客観的な証拠が存在するかについての評価を行っています。当該金融資産については、資産の当初認識後に発生した1つ以上の事象(以下、「損失事象」)の結果として、減損の客観的な証拠がある場合で、かつ、その損失事象によってその金融資産の見積将来キャッシュ・フローに影響を及ぼすことが合理的に予測できる場合に減損していると判定しております。
償却原価で測定される金融資産が減損していることを示す客観的な証拠には、債務者による支払不履行又は滞納、債権の回収期限の延長、債務者が破産する兆候等が含まれます。
償却原価で測定される金融資産の減損の証拠を、個々の資産ごとに検討するとともに全体としても検討しております。個々に重要な金融資産は、すべて個別に減損を評価しております。個々に重要でない金融資産は、リスクの特徴が類似するものごとにグルーピングを行い、全体として減損の評価を行っております。全体としての減損の評価に際しては、債務不履行の可能性、回復の時期、発生損失額に関する過去の傾向を考慮し、現在の経済及び信用状況によって実際の損失が過去の傾向により過大又は過小となる可能性を検討しております。
償却原価で測定される金融資産の減損損失については、その帳簿価額と当該資産の当初の実効金利で割り引いた見積将来キャッシュ・フローの現在価値との差額で測定し、純損益で認識しております。減損損失認識後に、減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻入れております。
② 非金融資産
棚卸資産及び繰延税金資産を除く、当社グループの非金融資産の帳簿価額は、報告日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のいずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
過去に認識したのれん以外の資産の減損損失については、減損損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。減損損失の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れております。減損損失の戻し入れについては、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限としております。
(10) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を有しております。
(ⅰ)確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しております。
割引率は将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に応じた期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除し算定しております。確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額を当該確定給付制度の積立超過額あるいは資産上限額(アセットシーリング)のいずれか低い金額で測定しております。また、勤務費用と確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、発生した会計期間において純損益として認識しております。確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、制度資産に係る利息収益及び確定給付制度債務に係る利息費用から構成されております。利息純額は、確定給付制度債務の現在価値の測定に用いられるものと同じ割引率を乗じて算定しております。
過去勤務費用は、発生した期間の純損益にて認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期間においてその他の包括利益にて認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
なお、加盟している複数事業主制度については関連する確定給付制度債務、制度資産及び費用に対する当社の比例的な取り分を、他の確定給付制度と同様の方法で会計処理しております。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② その他の長期従業員給付
年金制度以外の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や報奨金制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、会計期間中に従業員が勤務を提供したもので、当期勤務の見返りに支払うと見込まれる給付金額を純損益として認識しております。賞与については、当社及び子会社が支払いを行う法的債務又は推定的債務を有しており、信頼性のある見積りが可能な場合に、支払見積額を負債として認識しております。
(11) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは純損益として認識しております。
(12) 自己株式
自己株式は取得原価で認識し、資本から控除しております。自己株式の購入、売却又は消却において純損益は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。
(13) 収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、製品の販売については、通常は製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、返品、リベート及び割引額を差し引いた純額で測定しております。
(14) 政府補助金
政府補助金は、補助金を受領すること、及び補助金が交付されるためのすべての付帯条件を満たされることについて合理的な保証が得られる場合にその公正価値で認識しております。
費用支出に関連する政府補助金の場合、将来の期間に対応する部分は繰延収益に計上し、補償される関連費用と対応されるために必要な期間にわたって規則的に収益として認識しております。
有形固定資産に関連する政府補助金の場合、繰延収益として計上し、それを資産の耐用年数にわたり、規則的(定額法)に純損益として認識しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金で構成されており、これらは、企業結合に関連するもの、直接資本又はその他の包括利益で認識されるものを除き、純損益で認識しております。
当期税金は、期末日において施行又は実質的に施行されている税法及び税率を使用して算定する納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前年までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものです。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
・企業結合以外の取引で、会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識にかかる一時差異
・子会社に対する投資にかかる将来減算一時差異のうち、予測可能な期間内に解消しないもの
・子会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消されない可能性が高いもの
繰延税金資産及び負債は、期末日に施行又は実質的に施行されている法律に基づいて一時差異が解消される時点に適用されると予測される税率を用いて測定しております。繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
当社及び連結子会社が採用する税務ポジションについては、税務上の解釈や過去の実績などのさまざまな要因を踏まえた総合的な判断に基づき、当該税務ポジションが税務当局により認められる可能性が高い場合に、その財務諸表における影響を反映しています。
当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定することが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの変更は、見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び判断は以下のとおりです。
(1) 非金融資産の減損
有形固定資産、及び無形資産等の非金融資産について、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、減損の兆候があるものとして、その資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積っています。
減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りは合理的であると判断しています。
ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により非金融資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で減損損失を計上する可能性があります。
当連結会計年度においては、連結財政状態計算書において有形固定資産48,184百万円、無形資産675百万円を計上しております。
詳細については、「注記3.重要性がある会計方針(9)減損」に記載しております。
(2) 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来減算一時差異、繰越欠損金及び税額控除のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しています。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積っています。
繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり実施している見積りは合理的であると判断しています。
ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により繰延税金資産の回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で繰延税金資産を減額する可能性があります。また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産が増減する可能性があります。
詳細については、「注記3.重要性がある会計方針(15)法人所得税」、「注記11.法人所得税」に記載しております。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の適用が当社グループの連結財務諸表に与える影響は検討中であります。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社及び当社の子会社においてそれぞれ独立した経営単位であり、取締役会及び取締役会から選定された取締役によって構成される経営会議において、経営の重要事項について審議し、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社では、地域毎に取締役本部長・担当取締役等が任命されており、担当地域の包括的な戦略の立案を統括し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、生産・販売を基礎とした地域別のセグメントから構成されております。
各報告セグメントの主な地域は、以下のとおりであります。
(2) セグメント収益及び業績
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の報告セグメント情報は以下のとおりであります。
各報告セグメントの会計方針は、注記3.重要性がある会計方針で記載されている当社グループの会計方針と同じであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注1) 「その他」の区分は、ブラジルの現地法人の事業活動を含んでおります。
(注2) 営業利益(△は損失)の調整額△165百万円はセグメント間取引消去△165百万円であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1) 「その他」の区分は、ブラジルの現地法人の事業活動を含んでおります。
(注2) 営業利益の調整額△223百万円はセグメント間取引消去△223百万円であります。
(3) 製品及びサービスに関する情報
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の製品及びサービスに関する外部顧客への売上収益は以下のとおりであります。
(4) 地域に関する情報
外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国ごとに分類しております。
非流動資産
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の所在地別の非流動資産は、以下のとおりであります。
(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。
(5) 主要な顧客に関する情報
当社グループは本田技研工業株式会社とそのグループ会社に対して製品の販売等を継続的に行っており、同グループに対する売上収益は連結全体の売上収益の10%以上を占めております。その売上収益は、前連結会計年度においては202,312百万円、当連結会計年度においては200,993百万円であり、日本、北米、アジア、中国、その他の各セグメントの外部顧客に対する売上収益に含まれております。
7.売上収益
(1) 顧客との契約から生じる収益の分解
顧客との契約の固有の事実及び状況を考慮した結果、報告セグメントを自動車部品四輪、自動車部品二輪、汎用部品別に売上収益を分解しています。また、地域別の収益は、販売元の所在地に基づき分解しております。
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度における、これらの分解した収益とセグメント売上高との関連は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)売上収益は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益に重要性はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)売上収益は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益に重要性はありません。
これらの収益の認識、測定及び時点については、3.重要性がある会計方針(13)収益に記載しています。
また、顧客との契約に重大な金融要素を含む契約はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループでは、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(3) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
8.有形固定資産
(1) 有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は以下のとおりであります。
減価償却費は、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に計上しております。
建設中の有形固定資産に関する金額は建設仮勘定として表示しております。
減損損失は、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて計上しております。
上記には使用権資産の帳簿価額を含んでおります。使用権資産の帳簿価額の増減については、「10.リース」に記載しております。
(2) 使用権資産
前連結会計年度及び当連結会計年度の有形固定資産の帳簿価額の中には、以下の使用権資産の帳簿価額が含まれております。
(単位:百万円)
(3) 担保提供資産
担保に供している有形固定資産はありません。
(4) 減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループは以下の資産について減損損失を計上しました。
当社の国内連結子会社(新日工業株式会社)が保有する固定資産について、収益性が低下したことに伴い減損の兆候が認められたことから将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し80百万円を減損損失として計上いたしました。
その内訳は、建物及び構築物31百万円、土地22百万円及びその他27百万円であります。
なお、当資産グループの回収可能価額は処分費用控除後の公正価値により測定しております。処分費用控除後の公正価値については、鑑定評価額等に基づき算定しております。
当該公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
9.無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減内容は以下のとおりであります。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できる資産は、その耐用年数にわたって償却しております。無形資産償却費は、連結包括利益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。また、減損損失は「販売費及び一般管理費」に含めております。
10.リース
(1)リース活動
当社グループは、主に事業所及び倉庫の不動産、運搬具等の動産について、リース契約を締結しております。
(2)使用権資産の帳簿価額
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の帳簿価額は、8.有形固定資産(2)使用権資産に記載のとおりであります。
(3)使用権資産の増加額
前連結会計年度及び当連結会計年度の使用権資産増加額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(4)リース負債
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリース負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(5)連結包括利益計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書に計上された金額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
11.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
各連結会計年度における「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の発生の主な原因別の内訳及び増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1.純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用合計との差額は、為替の変動によるものであります。
2.当社グループは、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を当連結会計年度から適用しております。本改訂は遡及適用されますが、前連結会計年度について遡及適用後の連結財務諸表に与える影響は軽微であり、前連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減については、遡及適用後の金額に基づき作成しております。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において繰延税金資産を認識した税務上の繰越欠損金の残高がありますが、本欠損金が発生した要因は再発が予期されない一過性のものであり、取締役会において承認された事業計画を基礎とした将来課税所得の予測額に基づき、税務便益が実現する可能性が高いものと判断しております。
繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計画及びタックスプランニングを考慮しております。
なお、当社に係る繰延税金資産959百万円を計上しております。
(2) 未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は、以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりであります。
(3) 未認識の繰延税金負債
繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異の金額は以下のとおりであります。これらは一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内に解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(4) 法人所得税費用
各連結会計年度の「法人所得税費用」の内訳は、以下のとおりであります。
(5) 法定実効税率の調整
各連結会計年度における法定実効税率と法人所得税費用の負担率との調整は以下のとおりであります。法人所得税費用の負担率は税引前利益に対する法人所得税費用の負担割合を表示しております。
(注1) 当社は日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、前連結会計年度の実効税率29.9%、当連結会計年度の実効税率29.9%として算出しております。ただし、在外子会社については、その所在地における法人税等が課されております。
(6) グローバル・ミニマム課税
当社が所在する日本において、第2の柱モデルルールに即したグローバル・ミニマム課税制度を導入する「所得税法等の一部を改正する法律」(2023年法律第3号)が2023年3月28日に成立しました。当該法律は、2024年4月1日以降に開始する対象会計年度から適用されます。
当社は、制度対象となる構成事業体各社の直近の税務申告書、国別報告書及び財務諸表に基づきグローバル・ミニマム課税制度適用に伴う潜在的な影響を評価した結果、一部子会社の所在する軽課税国での税負担が基準税率15%に至るまで、日本に所在する当社に対して上乗せ(トップアップ)課税が行われる可能性があるものの、その影響は軽微であると判断しています。
12.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
売上原価に認識した棚卸資産の金額は、前連結会計年度198,788百万円、当連結会計年度189,418百万円です。
棚卸資産の評価損は、「売上原価」に計上しております。評価損として売上原価に計上した金額は、前連結会計年度202百万円、当連結会計年度736百万円です。
担保に供されている棚卸資産はありません。
13.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
14.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
15.資本及びその他の資本項目
(1) 発行済株式総数及び自己株式は以下のとおりであります。
当社の発行する株式はすべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
(2) 資本剰余金
資本剰余金の主な内容は、以下のとおりであります。
① 資本準備金
会社法では、株式の発行に際しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、資本金として計上しないこととした金額は資本準備金として計上することが規定されております。
(3) 利益剰余金
利益剰余金の内容は、以下の項目に区分されます。
① 利益準備金
会社法に基づき積み立てることが定められている準備金です。会社法では、剰余金の配当をする場合に当該剰余金の配当による支出額の10分の1を、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
② その他利益剰余金
その他利益剰余金は、別途積立金、繰越利益剰余金が含まれます。それらは当社グループの稼得した利益の累積額を表します。
(4) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の内容は、以下のとおりであります。
① 確定給付負債(資産)の純額の再測定
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、数理計算上の差異並びに確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除いた制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動から構成されます。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動
認識が中止されるまでに生じたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の取得価額と公正価値との差額であります。
③ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外子会社の財務諸表を連結する際に日本円に換算したことに伴い発生した換算差額の累計額であります。
16.配当金
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
17.借入金
借入金の内訳は以下のとおりであります。
長期借入金の返済の金額は以下のとおりであります。
借入金に関し、当社グループに重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
(注) 平均利率は、当連結会計年度末時点のものであり、当連結会計年度末時点の利率、残高をもとに加重平均で算出しております。
18.財務活動から生じる負債の変動
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
19.従業員給付
当社グループは、当社及び一部の連結子会社で確定給付型制度を採用しております。また、一部の在外連結子会社では、確定拠出型の制度を設けております。
(1) 確定給付制度
当社の確定給付制度は当社独自の制度と複数事業主制度により構成されております。
(当社独自の制度)
当社は、確定給付制度として企業年金制度及び退職一時金制度を設けております。確定給付型年金制度の給付額は、勤務年数、退職時の給与支払額及びその他の要素に基づき設定されております。
また、確定給付制度への拠出は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積み立て状況、数理計算等の様々な要因を考慮の上で行っております。確定給付企業年金法の規定に伴い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に掛金の再計算を行うことが規約で規定されております。
(複数事業主制度)
当社は、上述した当社独自制度とは別に、複数事業主制度であるホンダ企業年金基金に加入しております。当該制度の運営は、当社から法的に独立した基金により行われております。当該制度はキャッシュバランスプラン類似制度であり、勤続年数や給与水準、年金換算率(指標利率)等に応じて算定された金額を退職時に一時金として受けとることができます。また、勤続年数等の一定の条件を満たした場合には、これに換えて有期又は終身年金として給付を受けることができます。当社は基金への掛金の拠出義務を負っております。また、確定給付企業年金法の規定に従い、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に掛金の再計算を行うことが規約で規定されております。なお、拠出した掛金は他の加入事業主の従業員の給付に使用される可能性があります。
制度解散時に積立金額が最低積立基準額を下回る場合には、下回る金額を掛金として一括拠出することが求められます。また、制度解散時の残余財産は全額加入者に分配される旨が規約で規定されており、当社及び他の加入事業主に対しては支払われません。制度から脱退する場合には脱退により生じると見込まれる不足額等を一括して拠出することが求められます。
確定給付債務及び制度資産と連結財政状態計算書の認識額との関係は次のとおりであります。
① 確定給付債務
(ⅰ)現在価値の増減
確定給付債務の現在価値の変動は以下のとおりであります。
(ⅱ)現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
確定給付債務の加重平均デュレーションは、2023年3月31日及び2024年3月31日現在、それぞれ9.8年及び 9.7年であります。
(ⅲ)感応度分析
重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、確定給付債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。
この分析は、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。割引率が異なる複数の計算結果をもとに、平均割引期間の概念を用いた近似式を使用する方法(対数補間方式)により、割引率が0.5パーセント増加した場合と0.5パーセント減少した場合の確定給付債務額をそれぞれ算出し、各連結会計年度末日の実際の確定給付債務額からの変動率を算出しております。
② 制度資産
制度資産の運用は、年金給付等の支払いを将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。また、掛金等の収入や給付支出の中長期的な動向とその変動を考慮するとともに、年金資産の投資収益率の不確実性の許容される程度について十分な検討を行うこととしております。この目的、検討を踏まえて、投資対象としてふさわしい資産を選択するとともに、その期待収益率・リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本資産配分を策定しております。
(ⅰ)公正価値の増減
2025年3月期における、制度資産への拠出金額は461百万円と予測しております。
(ⅱ)公正価値の資産種類別内訳
(注) 制度資産の一部を信託銀行の合同運用信託に投資しており、株式と債券の活発な市場における公表市場価格がないものに分類しております。
(ⅲ)資産上限額の影響の増減
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ205百万円及び181百万円であります。
(3) 従業員給付費用
連結包括利益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ28,516百万円及び29,516百万円であります。
20.繰延収益
繰延収益は、有形固定資産(土地、建物及び構築物、機械装置及び運搬具)の取得のために受領した政府補助金から発生したもので、流動負債・非流動負債に以下のとおり含まれております。
土地に関する政府補助金は、当該土地に建物を建築することが条件であり、繰延収益に計上し、それを義務を果たすための費用を負担する期間である建物の耐用年数にわたり規則的(定額法)かつ合理的に連結包括利益計算書に認識されております。
繰延収益として認識された政府補助金に付随する、未履行の条件もしくはその他の偶発事象はありません。
21.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
22.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
23.その他の収益
固定資産売却益を前連結会計年度において
当該収益を除いて重要な事項はありません。
24.その他の費用
固定資産売却損及び固定資産廃棄損を前連結会計年度において
また、特別退職金を前連結会計年度において430百万円計上しており、当連結会計年度においては計上しておりません。
当該費用を除いて重要な事項はありません。
25.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりであります。
26.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び算定上の基礎はそれぞれ以下のとおりであります。
なお、希薄化効果を有する潜在株式はありません。
27.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目の変動額及び税効果額は以下のとおりであります。
28.金融商品
(1) 金融商品に関するリスク管理の基本方針
当社グループでは、主に自動車部品の製造販売事業を行うための設備投資計画に照らして、必要な資金(主に銀行借入)を調達しております。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、また、短期的な運用資金を銀行借入により調達しております。
なお、当社グループでは、リスクをリスク項目毎に分類・定義した上で、リスクの性質に応じた管理を行っております。
(2) 信用リスク管理
信用リスクとは、顧客又は金融商品の取引相手が契約上の義務を果たすことができなかった場合に負う財務上の損失リスクです。
当社グループでは、現金及び現金同等物については、その取引先が信用力の高い金融機関のみであることから、信用リスクは限定的であります。
営業債権及びその他の債権は顧客の信用リスクに晒されております。営業活動から生じる債権は、その多くが本田技研工業株式会社とそのグループ会社に対するものであり同グループの信用リスクに晒されておりますが、その信用力は高く信用リスクは限定的であります。当該リスクに関しては、当社は、販売管理規程に従い債権管理部門が取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。連結子会社についても、当社の販売管理規程に準じて、同様の管理を行っております。
債務保証を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額となっております。
当社グループは、債務保証を行っており、保証先の信用リスクに晒されておりますが、保証先は当社グループの従業員に限定されています。
(3) 流動性リスク管理
流動性リスクとは、現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に直面するリスクです。
当社グループにおいては、営業債務及びその他の債務、借入金及びその他の金融負債は流動性リスクに晒されていますが、当社グループでは、適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、十分な手許資金流動性及び金融機関からの借入枠を維持することなどによりリスクを管理しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであり、契約上のキャッシュ・フローは利息支払額を含んだキャッシュ・フローを記載しております。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
上記のほか、債務保証が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ、28百万円及び26百万円あります。
(4) 市場リスク管理
市場リスクとは、経済・金融環境の変動に伴う損失リスクです。具体的には、為替変動リスク、金利変動リスク及び資本性金融商品の価格変動リスクなどに当社グループは晒されております。
① 為替変動リスク
1) 為替変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、外貨建ての輸出入取引・外国間取引などの事業活動が行われており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外貨建ての対日本円での為替リスクに晒されております。
当社グループでは、外貨建ての金銭債権債務について、通貨別の期日及び残高管理を行い早期に回収・支払いすることにより、リスクの低減を図っております。また、当社の海外子会社からの配当金について為替予約等を行い、リスク軽減を図っております。
2) 為替変動リスクの感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する金融商品について、米ドルに対し日本円が10%増減した場合の税引前利益及び資本に与える影響は以下のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
当該分析には、機能通貨建ての金融商品、在外営業活動体の換算による影響額は含まれておりません。
② 金利変動リスク
金利変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、運転資金の調達や固定資産取得等のため金融機関からの借入などを通じて資金調達を行っており、金利変動リスクに晒されております。当社グループは、その金利変動リスクを回避するために、長期借入金に対して支払利息の固定化を行っており、この結果、金利変動リスクは僅少であります。そのため、金利変動リスクに係る感応度分析の開示は省略しております。
③ 資本性金融商品の価格変動リスク
資本性金融商品の価格変動リスクの内容及び管理方針
当社グループにおける資本性金融商品は、取引先企業との業務等に関する株式であり、資本性金融商品の価格変動リスクに晒されています。
当社グループでは、取引先企業との業務等に関する株式については定期的に公正価値と発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案し、継続的に保有しております。また、保有している資本性金融商品は少額であるため、当該リスクが当社グループの純損益及びその他の包括利益に与える影響は軽微であります。そのため、資本性金融商品の価格変動リスクに係る感応度分析の開示は省略しております。
(5) 金融商品の公正価値
① 公正価値及び帳簿価額
金融商品の種類別の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりであります。
② 金融商品の公正価値算定方法
1) 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務のうち、流動項目は短期間で決済され、また、非流動項目は実勢金利であるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
2) その他の金融資産
その他の金融資産のうち、市場性のある有価証券の公正価値は市場価格を用いて見積っております。非上場会社普通株式は割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル及びその他の評価方法により、公正価値を算定しております。
3) 借入金
借入金は、将来キャッシュ・フローを新たに同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引く方法により算定しております。
4) デリバティブ
当社の海外子会社からの配当金に係る為替変動リスクに関して、先物為替予約取引等のデリバティブを利用し、リスクの低減を行っております。デリバティブは取引先金融機関から提示された為替相場等の観察可能な市場データに基づいて算定しております。
なお、デリバティブ取引は当該リスクを低減するために利用し、投機的な取引は行わない方針であります。
③ 連結財政状態計算書において認識している公正価値測定のヒエラルキー
以下は公正価値で計上される金融商品を評価方法ごとに分析したものです。以下のように定義づけられております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
公正価値により測定された金融商品
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1.2及び3間の振替はありません。
レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。これらの利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。これらの利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含まれております。
(6) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
① 銘柄ごとの公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定された資本性金融商品に対する投資の銘柄の公正価値は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
② 受取配当金
③ 期中に認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
期中に認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識中止時点の公正価値、累積利得または損失(税引前)は、次のとおりです。
④ 利益剰余金への振替額
当社グループでは、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の変動による累積利益又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることにしております。
利益剰余金へ振替えたその他の包括利益の累積利得または損失(税引後)は、前連結会計年度において、5百万円であります。
29.自己資本管理
当社グループは、持続的な成長を通じて企業価値を最大化することを目的とし自己資本を管理しております。当該目的を達成するために、機動的な事業投資を実施するための十分な自己資本を確保し、かつ、財務的に健全な資本構成を保持することを自己資本管理の基本方針としております。
自己資本管理に用いる重要な指標は自己資本比率であり、以下のとおりであります。なお、自己資本額は「親会社の所有者に帰属する持分合計」であり、自己資本比率はこれを「負債及び資本合計」で除することによって計算しております。
なお、当社グループが外部から課された重要な自己資本規制はありません。
30.子会社に対する所有持分の変動
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社は、当社の連結子会社である佛山市豊富汽配有限公司の持分の一部を売却しました。この結果、当社グループの同社に対する所有持分は84%から80%へ減少しましたが、売却後も当社は佛山市豊富汽配有限公司を支配しております。
当該持分売却に伴う非支配持分との取引の概要は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当社は、当社の連結子会社である新日工業株式会社の株式の一部を追加取得しました。この結果、当社グループの同社に対する所有持分は52%から62%へ増加しました。
当該株式取得に伴う非支配持分との取引の概要は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
31.関連当事者
(1) 子会社
2024年3月31日現在、連結子会社は、以下のとおりであります。
(注) 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
(2) 関連当事者との取引及び債権債務残高
当社グループと関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.取引条件及び取引条件の決定方針等
(1) 製品の販売における販売価格は、経済合理性に基づき市場価格及び当社の生産技術等を勘案して見積書を作成し、それを得意先に提出の上、価格交渉を行い決定しております。
(2) 原材料の仕入については、市場価格を参考の上、決定しております。
2.担保・保証取引はなく、また、債権には貸倒引当金は設定しておりません。
(3) 主要な経営幹部に対する報酬
32.コミットメント
当社グループにおいて、重要なコミットメントはありません。
33.偶発事象
当社グループにおいて、次のとおり金融機関に対して保証等を行っております。
「ホンダ住宅共済会」会員である当社の従業員の銀行借入について本田技研工業株式会社の保証に基づく求償権の履行に対する債務を負っております。
34.後発事象
該当事項はありません。