当社は、2026年4月16日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)1,290,250株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする2026年5月15日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
当社が2026年2月6日に公表した「マザーサングローバルインベストメンツビーブイ(Motherson Global Investments B.V.)による当社株式に対する公開買付けの開始に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、Motherson Global Investments B.V.(以下「公開買付者」といい、公開買付者、及び公開買付者の最終親会社であるSamvardhana Motherson International Limited(以下「マザーサン」といいます。)が資本関係を有する全ての会社で構成される企業集団を総称して「マザーサン・グループ」といいます。)は、2026年2月6日、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社の所有する自己株式及び本田技研工業株式会社(以下「本田技研工業」といいます。)が所有する当社株式の全て(所有株式数10,322,000株、所有割合(注1):69.66%、以下「本不応募株式」といいます。)を除きます。)を取得することを目的として、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を同月9日から開始することを決定しております。
(注1) 「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2026年2月6日に提出した2026年3月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年12月31日現在の発行済株式総数(14,820,000株)から、(ⅱ)当社決算短信に記載された2025年12月31日現在の当社が所有する自己株式数(1,949株)を控除した数(14,818,051株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
そして、当社が2026年3月11日に公表した「マザーサングローバルインベストメンツビーブイ(Motherson Global Investments B.V.)による当社株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ」(以下「本公開買付け結果プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、公開買付者は、2026年2月9日から2026年3月10日までを買付け等の期間とする本公開買付けを実施した結果、2026年3月17日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株券等1,408,867株(所有割合:9.51%)を所有するに至りました。
公開買付者が、当社及び当社の親会社である本田技研工業との間で締結したFramework Agreement of Business Reorganization(以下「本基本契約」といいます。)に定める前提条件(注2。以下「本前提条件」といいます。)が充足(又は公開買付者により放棄)されることを条件に、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社株式を取得することにより、当社を非公開化の上、連結子会社化することを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしたとおりですが、以下に改めてその概要を記載いたします。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。また、本株式併合の実施後に、公開買付者による当社株式の全て(ただし、当社の所有する自己株式及び本不応募株式を除きます。)の取得後に、当社の財務状況を踏まえ必要な場合には、本基本契約に基づき、当社によって実施される本田技研工業が所有する当社株式の一部の取得を実行するための資金の確保が必要となる場合には、公開買付者が当社に対し、本自己株式取得(以下に定義されます。)に係る対価に充てる資金を提供すること(当社に対する貸付けによることを予定しています。)、及び当社において、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第447条第1項及び第448条第1項に基づく当社の資本金、資本準備金及び利益準備金の額の減少(以下「本減資等」といいます。)(注4)の完了を条件として、本田技研工業の所有する当社株式の一部の自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)を実施することにより、公開買付者の当社に対する議決権保有割合を81.00%、本田技研工業の当社に対する議決権保有割合を19.00%とし、当社を公開買付者の連結子会社化することを予定しているとのことです(注5)(注6)。
(注2) 本基本契約において、公開買付者による本公開買付けの開始は、(a)当社の取締役会が、利害関係のない取締役全員の一致をもって、本公開買付けに関して賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議し、当該決議が公開買付けの開始日の前営業日(以下「本決定日」といいます。)までに修正又は撤回されていないこと、(b)当社が、本基本契約の締結日及び本決定日において、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではない旨の、特別委員全員の一致による、森田幸光氏(当社独立社外取締役)、内田優子氏(当社独立社外取締役)、鈴木祐介氏(当社独立社外監査役)、仁科秀隆氏(弁護士、中村・角田・松本法律事務所)及び長谷川臣介氏(公認会計士兼税理士、長谷川公認会計士事務所)の5名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の意見を入手しており、当該意見に変更はないこと、(c)本基本契約の締結日及び本決定日において、本田技研工業の表明保証(ただし、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「①本基本契約」の(注3)に記載の本田技研工業による表明保証のうち(a)から(g)に掲げる事項)及び当社の表明保証(ただし、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「①本基本契約」の(注3)に記載の当社による表明保証のうち(a)から(j)に掲げる事項)が全ての重要な点において真実かつ正確であること、(d)本田技研工業及び当社は、本基本契約に基づき履行又は遵守が必要な全ての義務を、全ての重要な点において、本決定日までに履行又は遵守していること、(e)各国の規制当局の届出許可等が得られること(注3)、(f)本取引の実行を制限又は禁止する法令又は関係当局の判断が存在しないこと、(g)本基本契約の締結日又は本決定日において、当社グループに係る業務等に関する重要事実(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第166条第2項に定めるものをいいます。)並びに当社の株券等の公開買付け等の実施に関する事実及び公開買付け等の中止に関する事実(法第167条第2項に定めるものをいいます。)で未公表のもの(以下「インサイダー情報」といいます。)は存在しないこと、(h)公開買付者が当社からインサイダー情報の不存在に関する差入書を受領していること、(i)公開買付者と本田技研工業との間で、本取引後における対象者の運営等について定めるShareholders Agreement(以下「本株主間契約」といいます。)が有効に存続していること、並びに、(j)本基本契約の締結日以降、公開買付者が公開買付けを開始した場合に、法第27条の11第1項但書の定めに従い、本公開買付けの撤回等が認められるべき事情に相当する事象が当社又はその子会社において生じていないことの各条件が充足されていること(又は公開買付者により放棄されていること)が前提条件となっているとのことです。なお、本基本契約の詳細については、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「①本基本契約」をご参照ください。
(注3) 具体的には、公開買付者による各国(日本、中国、アメリカ、ブラジル、メキシコ)の競争当局の企業結合に関する届出許可(以下「本競争法許認可等」といいます。)とのことです。なお、公開買付者は、本基本契約の締結後に実施した調査も踏まえ、本競争法許認可等の取得以外に、本公開買付けを適法に完了させるために必要な各国の規制当局の届出許可等は存在しないと認識しているとのことです。
(注4) 本減資等を行う場合においては、当社の資本金、資本準備金及び利益準備金の額を減少し、その他資本剰余金又はその他利益剰余金へ振り替える予定とのことです。
(注5) 本自己株式取得においては、公開買付者は、本田技研工業において、法人税法(昭和40年法律第34号。その後の改正を含みます。)に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮し、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、本自己株式取得を実施することにしたとのことです。なお、本公開買付価格及び本自己株式取得における自己株式の取得の対価(株式併合前1株当たり。以下「本自己株式取得価格」といいます。)の算出においては、(ⅰ)本自己株式取得価格にて本自己株式取得が行われた場合の本田技研工業の税引後手取り額として計算される金額が、(ⅱ)仮に本田技研工業が本公開買付価格で本公開買付けに応じた場合に得られる手取り金額を上回らない金額となることを基準としているとのことです。そのため、本田技研工業が、当社の少数株主の皆様に比して利益を得るものではないとのことです。
(注6) 本自己株式取得は、本株式併合後、有価証券報告書義務免除承認前に実施する可能性がありますが、当社株式の上場廃止後に実施するものであり、上場廃止後の株式は自社株公開買付け(法第27条の22の2)の対象となる「上場株券等」(法第24条の6第1項、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)第4条の3)に該当しないため、本自己株式取得に際し自社株公開買付けは実施しない予定とのことです。
当社は、2024年11月12日、本田技研工業より、マザーサンが2024年11月8日付で本田技研工業に対して提出した、当社株式の取得に関心がある旨、想定する取引ストラクチャー、デュー・ディリジェンスの概要及び想定スケジュールを内容とする法的拘束力を持たない「Letter of Intent」(以下「2024年11月8日付意向表明書」といいます。)の写し、及び本田技研工業がこれを受けて作成した本取引に関する検討を依頼する書簡を受領したため、当社の企業価値向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、本田技研工業よりマザーサンが本取引を前向きに検討する意思を有している旨の伝達を受けた2024年11月19日から2026年2月6日現在に至るまで、公開買付者を含むマザーサン・グループは当社株式を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当いたしませんが、(ア)本田技研工業は、2026年2月6日現在に至るまで、当社株式を10,322,000株(所有割合:69.66%)所有していること、並びに(イ)2024年11月8日付意向表明書によれば、その提出時点では、本取引の取引対象の範囲及びストラクチャーについて、追って本田技研工業や当社と協力の上で検討するものとされていたこと等から、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当する潜在的な可能性があることに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保する観点から、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年11月13日開催の取締役会決議により、(ⅰ)本取引の目的が当社の企業価値向上に資するものとして合理的かつ正当であるか否か、(ⅱ)本公開買付けにおける公開買付価格その他の本取引の条件の妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、(ⅳ)(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益でないか否か、並びに(ⅴ)((ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえた結論として)本公開買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することが妥当か否かについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を目的として、本特別委員会を設置いたしました(本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容については、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、委員である仁科秀隆氏及び長谷川臣介氏は、当社の取締役ではありませんが、両氏の専門性及び過去の同種事案における経験等を勘案の上、本特別委員会の委員への就任を打診いたしました。
また、当社は、マザーサン・グループ、本田技研工業及び当社並びに本取引から独立したフィナンシャル・アドバイザーとして株式会社三菱UFJ銀行(以下「MUFG」といいます。)、リーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所、第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)をそれぞれ2024年11月21日、同年10月31日、2025年3月28日に選任し、本特別委員会において、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。なお、当社は、MUFGについて、従前より銀行取引を行っている中で、この度フィナンシャル・アドバイザーへの就任を打診し、また、長島・大野・常松法律事務所及びプルータスについては、MUFGの紹介により、リーガル・アドバイザー又は第三者算定機関への就任をそれぞれ打診いたしました。また、本取引に係るMUFGに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりMUFGを当社の独立したフィナンシャル・アドバイザーとして選任しております。
その上で、当社は、プルータスから当社株式の価値算定結果に関する報告、MUFGからマザーサンとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、長島・大野・常松法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、当社グループを取り巻く事業環境及び当社グループの事業の状況、本取引の意義・目的、本取引が当社に与える影響並びに本取引後の経営方針の内容等を踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
具体的には、当社は、2025年3月3日、マザーサンから、公開買付価格を2,500円として本取引を実施する意向を有していること、マザーサン・グループの概要、当社の事業及び財務状況に係るマザーサンとしての理解、本取引のスキーム、2025年3月3日時点で提案する本公開買付価格、当社の成長戦略、資金調達手段の想定、並びに、デュー・ディリジェンスへの協力の要請を内容に含む法的拘束力のない意向表明書(以下「2025年3月3日付意向表明書」といいます。)を受領いたしました。2025年3月3日付意向表明書において提案された本公開買付価格である2,500円は、当該提案がなされた2025年3月3日の前営業日である2025年2月28日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,970円に対して26.90%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,012円に対して24.25%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,997円に対して25.19%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,914円に対して30.62%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。当社は、一次意向表明書の記載内容の詳細や背景等について確認するためマザーサンとの間で書面でのやりとりを行うとともに、当該提案価格を含む一次意向表明書の内容について、MUFG及び長島・大野・常松法律事務所からの助言並びに本特別委員会の意見も踏まえながら、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から慎重に検討を行いました。かかる検討の結果、当該提案価格は、当社の収益力に基づく本源的価値が十分に反映されておらず、また、2025年3月3日付意向表明書を受領以降に上昇した当社の足下の市場株価を下回るものであることを踏まえると、当社の少数株主に対し本公開買付けに応募を推奨できる水準ではないと判断し、2025年7月10日付で、マザーサンに対して公開買付価格の再検討及び再提示を要請いたしました。これに対し、同月18日、マザーサンから、当社の事業規模及び利益水準が前年度よりも低下しているにもかかわらず当社株式の市場株価は2025年3月3日付意向表明書の提出時から約30%上昇しており、これ以上交渉が長期化した場合の更なる株価の上昇により、本取引の実行が困難となることを避けるため、本取引の検討を加速化する必要があること、及び、当社が想定している公開買付価格が不明確である旨の回答及び本取引に関する検討やマザーサンによるデュー・ディリジェンスへの更なる協力の要請がありました。これを受けて、本取引を早期に実現するため合理的な限度で検討を加速化する必要性は当社としても同意するところであり、そのためには当社側から具体的な価格を提示することが有益と考えたことから、2025年3月3日付意向表明書の受領以降、継続して検討していた当社の本源的価値、現時点の経済状況、市場動向、及び当社を取り巻くその他の経営環境を踏まえて適正価格について検討し、同月28日、マザーサンに対して、本公開買付価格を3,250円に増額するよう要請いたしました。そして、当社は、2025年8月12日、マザーサンから、本田技研工業が当社に対して実施したベンダーデュー・ディリジェンス及びマザーサンが当社に対して実施した一連のデュー・ディリジェンスの結果を踏まえた2025年8月12日付意向表明書を受領いたしました。2025年8月12日付意向表明書において提案された本公開買付価格である2,875円は、当該提案がなされた2025年8月12日の前営業日である2025年8月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,640円に対して8.90%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,639円に対して8.94%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,608円に対して10.24%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,362円に対して21.72%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。これに対し、当社は、同月13日、マザーサンに対し、より多くの一般株主から本公開買付けへの賛同を得るために、本公開買付価格を3,150円に増額するよう要請いたしました。当社は、同月14日、マザーサンから、当社からの上記の要請を踏まえ、本公開買付価格を2,925円とする提案を受領しました。当該書簡において提案された本公開買付価格である2,925円は、当該提案がなされた2025年8月14日の前営業日である2025年8月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,771円に対して5.56%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,656円に対して10.13%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,624円に対して11.47%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,376円に対して23.11%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。これに対し、当社は、同月15日、マザーサンに対し、より多くの一般株主から本公開買付けへの賛同を得るために、本公開買付価格を3,100円に増額するよう要請いたしました。そして、当社は、同月18日、マザーサンから、当社からの上記の要請を踏まえ、本公開買付価格を2,975円とする書簡を受領いたしました。当該書簡において提案された本公開買付価格である2,975円は、当該提案がなされた2025年8月18日の前営業日である2025年8月15日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,759円に対して7.83%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,669円に対して11.46%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,635円に対して12.90%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,385円に対して24.74%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。これに対し、当社は、同月20日、マザーサンに対し、より多くの一般株主から本公開買付けへの賛同を得るために、本公開買付価格を3,075円に増額するよう要請いたしました。そして、当社は、同月22日、マザーサンから、当社からの上記の要請を踏まえ、本公開買付価格を3,000円とする書簡を受領いたしました。当該書簡において提案された本公開買付価格である3,000円は、当該提案がなされた2025年8月22日の前営業日である2025年8月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,810円に対して6.76%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,702円に対して11.03%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,657円に対して12.91%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,415円に対して24.22%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。これに対し、当社は、同月25日、マザーサンに対し、より多くの一般株主から本公開買付けへの賛同を得るために、本公開買付価格を3,050円に増額するよう要請いたしました。そして、当社は、同月26日、マザーサンから、当社からの上記の要請を踏まえ、最終提案として、本公開買付価格を3,024円とする書簡を受領いたしました。当該書簡において提案された本公開買付価格である3,024円は、当該提案がなされた2025年8月26日の前営業日である2025年8月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,865円に対して5.55%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,733円に対して10.65%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,667円に対して13.39%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,426円に対して24.65%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。これに対し、当社は、同月27日、同日現在の当社の経営環境、市場動向、その他の経済状況を踏まえると、当該最終提案における本公開買付価格は、当社株式の株価を下回らない限り、当社の少数株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するに足りる公正かつ合理的なものであり、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提の下、本公開買付価格を3,024円とする旨の提案を受諾する旨を回答いたしました。
以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、随時、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社がマザーサンに対して提示し、プルータスが当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるMUFGは、マザーサンとの交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、マザーサンから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、マザーサンとの交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年8月29日付で、本特別委員会から、答申書(以下「2025年8月29日付答申書」といいます。)の提出を受けております(2025年8月29日付答申書の概要については、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下、当社は、2025年8月29日開催の当社取締役会において、2025年8月28日付でプルータスから提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)、MUFGから受けた財務的見地からの助言及び長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言の内容を踏まえつつ、2025年8月29日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
世界的な脱炭素化の潮流により今後も内燃機関自動車からハイブリッド自動車及び電気自動車への急速なシフトが進行し、内燃機関製品の需要が減少することが見込まれており、こうした事業環境の変化に対応するため、当社においては、更なる経営の機動性・柔軟性を確保するとともに、事業の統合や拠点の集約によるオペレーションの合理化、電気自動車向けの新製品の開発、自動車以外の事業向けの製品の開発、及びこれらを実現するための大型の研究開発投資拠点の合理化、新製品の開発、新規事業領域への展開、及び大型の研究開発投資等が急務であると認識しております。もっとも、このような抜本的な改革を推進することにより、中・長期的にみれば当社の企業価値向上が期待できるものの、継続的・長期的な投資が必要となることに加え、特に新たなビジネスを創造する上では、事業遂行上の不確定リスクも存在するため、短期的には当社グループの収益及びキャッシュフローに悪影響を与える可能性があると考えております。こうした改革を当社が上場を維持したまま実施すれば、短期的には資本市場からの十分な評価が得られず、株価の下落といったマイナスの影響が生じ、当社の少数株主に不利益を与える可能性を否定できないと考えております。本取引により当社が非公開化することで、短期的な業績にとらわれない中・長期的な視点での取り組みが可能になるとともに、経営資源の活用や意思決定の柔軟性及びスピードの迅速化を実現することができると考えております。
当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
① 取引顧客拡大の実現
当社グループは、排気/制動部品と新しい事業である電動車部品を事業の柱とすることを目指しております。将来戦略として、排気/制動部品の収益性の追求と販路拡大を実現することで、電動車部品事業への投資を加速して新しい市場を開拓、電動化時代をリードする事を掲げております。
その中で当社は本田技研工業との長期的な取引を背景に高い技術力及び高い品質を保有していると自負している一方で、販売先について本田技研工業への依存度が高く、以下の対応が重要課題と認識しております。
(ⅰ)将来的な自動車市場の電動化への転換に伴い排気部品及び駆動部品といった内燃機関部品の需要が減少する中で新規顧客獲得により収益力を維持拡大すること
(ⅱ)新規事業である電動車部品において本田技研工業との取引で培った排気/駆動/制動部品及び自動車モーター部品の開発/製造技術を活用し新しい市場を開拓すること
マザーサン・グループは、世界44か国に400以上の拠点を有しており、自動車部品業界におけるバックミラー、ワイヤーハーネス(注1)、成型プラスチック部品、バンパー、燃料タンク、ダッシュボード、ドアトリム(注2)、HVACシステム(注3)、サンルーフなどを含む完全モジュール、自動車及び産業用途向けゴム部品、高精度加工金属部品、並びにインジェクション成型ツールなどの製品分野において、世界各国のOEMとの取引を保有しているとのことです。このようなマザーサン・グループが保有する世界的な顧客ネットワークの活用、さらに現在当社グループが参入していない欧州市場への新規参入により当社が目指している排気/制動部品、また電動車部品の販路拡大及び収益力の拡大を実現し当社グループの企業価値の向上を実現することが可能と考えております。
(注1) 「ワイヤーハーネス」とは、電源供給や信号通信のために用いられる複数の電線を束にして集合部品としたものをいいます。
(注2) 「ドアトリム」とは、車両のドアの内側に取り付けられる内装パネルをいいます。
(注3) 「HVACシステム」とは、暖房(Heating)、換気(Ventilation)、空調(Air Conditioning)といった車内の空調を制御するコンポーネントをいいます。
② 新価値商品創造の多角化
当社は、自動車部品製造で培った製品開発技術、プレス技術、接合技術、機械加工技術や熱処理技術を活用してBELT POWER X(注4)、M-BASE(注5)や風力発熱システム(注6)など既存事業にとらわれない新価値商品の創造を目指しております。
マザーサン・グループは、新興事業部門を保有し、照明・エレクトロニクス、精密金属などの自動車業界、また航空宇宙、物流ソリューション、ヘルスケア・医療などの非自動車業界の事業をサポートしているとのことです。本取引により当社が保有する開発力及び技術力をマザーサン・グループが保有する新興事業と融合することで新たな新価値商品の可能性を見出すことができると考えております。
(注4) 「BELT POWER X」とは、当社が開発した作業アシスト装具をいいます。
(注5) 「M-BASE」とは、当社が開発した次世代小型モビリティ向け汎用フレームをいいます。
(注6) 「風力発熱システム」とは、当社が現在研究開発中の再生可能エネルギーである「風力」を直接熱に変換し、住宅に設置して暖房や給湯に利用することができる創エネ製品をいいます。
なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、①資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、②知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、①については、本取引によって、マザーサンの信用力を背景として適宜最適な資金調達手段が活用可能となること、②については、当社は長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることに加え、本取引の実行後はマザーサン・グループのネットワークを活用した人材採用も可能となることから、上場廃止による影響は限定的であると考えられ、非公開化により期待されるメリットは、非公開化を行うことによるデメリットを上回るものと判断いたしました。また、本取引後も、本意見表明プレスリリースの「4.公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「② 本株主間契約」の「(ⅰ)当社株式譲渡後の当社の運営」に記載のとおり、本田技研工業と当社の間の資本関係は引き続き存続すること、及び主要顧客である本田技研工業と当社の間の取引関係についても取引額の大幅な縮減その他の悪影響が生じることはないものと見込まれることから、当社がマザーサン・グループに包含されることによるデメリットとして重大なものは見当たりません。
また、(ⅰ)本公開買付価格(3,024円)が、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ア)算定の概要」に記載のとおり、プル―タスから取得した本株式価値算定書において、市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回っており、かつDCF法による算定結果のレンジの中央値を上回る金額であること、(ⅱ)経済産業省が策定した「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)の公表日である2019年6月28日以降に公開買付けが公表され成立した同種事例(第三者による他社子会社への公開買付けの事例。ただし、自己株式の公開買付け、ディスカウントの公開買付け及びMBOを除く。)35件におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して28.71%、直近1ヶ月間の平均終値に対して30.65%、直近3ヶ月間の平均終値に対して37.31%、直近6ヶ月間の平均終値に対して39.28%)と比して、必ずしも高い水準にあるとまでは言えないものの、当社株式の終値は前営業日の直近6ヶ月において1,997円から2,843円まで42.36%上昇しており、当社株式の株価が上昇局面にあることを考慮すると当社株式の直近の株価のみで検討するよりもより長期間の平均値を考慮して検討することは不合理とは言えず、直近6ヶ月間の平均終値に照らした本公開買付価格のプレミアム水準について、合理性が認められると判断できること、(ⅲ)本公開買付価格は、2008年1月4日以降の期間における終値の最高値を上回っており、当社の一般株主が一定の利益を享受できる水準のプレミアムが付されていること、(ⅳ)本公開買付価格の決定に際しては、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が取られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅴ)上記利益相反を回避するための措置が取られた上で、当社とマザーサンとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が行われたこと、(ⅵ)下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨のフェアネス・オピニオンを取得していること等を踏まえ、当社は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2025年6月30日現在の簿価純資産である101,021百万円を、自己株式控除後の発行済株式総数(14,818,051株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である6,817円(小数点以下を四捨五入しております。本公開買付価格は当該金額との比較で55.64%(小数点以下第三位を四捨五入しております。)のディスカウント)を下回っておりますが、当社グループが日本のみならず海外8か国に10拠点を有し、各地において棚卸資産、機械設備、工場用の不動産等を所有しており、また2025年3月31日時点で4,726人の従業員を擁していることから、資産売却等の困難性や清算に伴う資産処分費用や退職金等の相当な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれます(ただし、当社は清算を予定しているわけではないため、見積書の取得や具体的な試算等は行っておりません。)。また、純資産額は、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2025年8月29日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしておりました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2025年12月17日、当社は、公開買付者から、本競争法許認可等の取得時期の見込みを踏まえて、本前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2026年1月末頃から開始することを予定している旨の連絡を受け、2026年1月7日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して提出した2025年8月29日付答申書に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そして、その後、2026年1月30日、当社は、公開買付者から、2026年1月29日をもって、本競争法許認可等の取得が全て完了した旨及び2026年1月30日時点において、2026年2月上旬を目途に、本公開買付けを開始することを見込んで準備を進めている旨の連絡を受け、本特別委員会に共有いたしました。本特別委員会は、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「B.2026年2月5日付追加答申書」の「(ⅱ)判断内容」に記載のとおり、2025年8月29日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年8月29日以後、2026年2月5日までの事情を勘案しても2025年8月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2026年2月5日に、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、上記の答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2026年2月5日付追加答申書を提出しました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2026年2月5日付追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2026年2月6日現在においても、2025年8月29日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2026年2月6日開催の取締役会において、当社の取締役(合計8名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記の各当社取締役会における決議の方法は、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び本不応募株式を除きます。)を取得することができなかったことから、当社に対して、当社の株主を公開買付者及び本田技研工業のみとするため、本基本契約に基づき、本株式併合の実施を要請いたしました。そのため、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、2026年4月16日付の当社取締役会決議により、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、公開買付者及び本田技研工業が当社株式の全て(ただし、当社の所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、当社株式1,290,250株を1株に併合する本株式併合を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。本株式併合により、公開買付者及び本田技研工業以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本取引の経緯の詳細につきましては、本意見表明プレスリリース及び本公開買付け結果プレスリリースも併せてご参照ください。
当社株式1,290,250株を1株に併合いたします。
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的及び理由」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が当社株式を非公開化することを目的とした本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2026年6月10日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て当社又は公開買付者に売却することを予定しております。
この場合の売却額につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2026年6月11日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,024円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
株式会社ユタカ技研(当社)又はMotherson Global Investments B.V.(公開買付者)
③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
当社は、本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を自己資金により賄うことを予定しており、当社において十分な資金を確保しております。また、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識しておりません。
また、公開買付者は、本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を自己資金により賄うことを予定しているとのことです。
当社は、公開買付者が2026年2月9日に提出した公開買付届出書及び同書に添付された残高証明書を確認することによって、公開買付者における資金が確保されていることを確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことです。
したがって、当社は、当社又は公開買付者による本株式併合の結果生じる1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2026年6月下旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2026年7月下旬を目途に当該当社株式を当社又は公開買付者に売却し、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2026年9月頃を目途に当該売却代金を株主の皆様に対して交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合においては、上記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、本株式併合の効力発生日の前日である2026年6月11日時点の当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である3,024円を乗じた金額となる予定です。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
(ⅰ)本公開買付価格(3,024円)が、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ア)算定の概要」に記載のとおり、プルータスから取得した本株式価値算定書において、市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回っており、かつDCF法による算定結果のレンジの中央値を上回る金額であること、(ⅱ)経済産業省が策定したM&A指針の公表日である2019年6月28日以降に公開買付けが公表され成立した同種事例(第三者による他社子会社への公開買付けの事例。ただし、自己株式の公開買付け、ディスカウントの公開買付け及びMBOを除く。)35件におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して28.71%、直近1ヶ月間の平均終値に対して30.65%、直近3ヶ月間の平均終値に対して37.31%、直近6ヶ月間の平均終値に対して39.28%)と比して、必ずしも高い水準にあるとまでは言えないものの、当社株式の終値は前営業日の直近6ヶ月において1,997円から2,843円まで42.36%上昇しており、当社株式の株価が上昇局面にあることを考慮すると当社株式の直近の株価のみで検討するよりもより長期間の平均値を考慮して検討することは不合理とは言えず、直近6ヶ月間の平均終値に照らした本公開買付価格のプレミアム水準について、合理性が認められると判断できること、(ⅲ)本公開買付価格は、2008年1月4日以降の期間における終値の最高値を上回っており、当社の一般株主が一定の利益を享受できる水準のプレミアムが付されていること、(ⅳ)本公開買付価格の決定に際しては、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が取られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅴ)上記利益相反を回避するための措置が取られた上で、当社とマザーサンとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が行われたこと、(ⅵ)下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨のフェアネス・オピニオンを取得していること等を踏まえ、当社は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2025年6月30日現在の簿価純資産である101,021百万円を、自己株式控除後の発行済株式総数(14,818,051株)で割ることにより算出した1株当たり純資産額である6,817円(小数点以下を四捨五入しております。本公開買付価格は当該金額との比較で55.64%(小数点以下第三位を四捨五入しております。)のディスカウント)を下回っておりますが、当社グループが日本のみならず海外8か国に10拠点を有し、各地において棚卸資産、機械設備、工場用の不動産等を所有しており、また2025年3月31日時点で4,726人の従業員を擁していることから、資産売却等の困難性や清算に伴う資産処分費用や退職金等の相当な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれます(ただし、当社は清算を予定しているわけではないため、見積書の取得や具体的な試算等は行っておりません。)。また、純資産額は、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
以上より、当社は、2025年8月29日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしておりました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2025年12月17日、当社は、公開買付者から、本競争法許認可等の取得時期の見込みを踏まえて、本前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2026年1月末頃から開始することを予定している旨の連絡を受け、2026年1月7日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して提出した2025年8月29日付答申書に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そして、その後、2026年1月30日、当社は、公開買付者から、2026年1月29日をもって、本競争法許認可等の取得が全て完了した旨及び2026年1月30日時点において、2026年2月上旬を目途に、本公開買付けを開始することを見込んで準備を進めている旨の連絡を受け、本特別委員会に共有いたしました。本特別委員会は、下記「3.会社法第234条の規定により一に満たない端数の処理が生じる場合の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「B.2026年2月5日付追加答申書」の「(ⅱ)判断内容」に記載のとおり、2025年8月29日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年8月29日以後、2026年2月5日までの事情を勘案しても2025年8月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2026年2月5日に、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、上記の答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2026年2月5日付追加答申書を提出しました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2026年2月5日付追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2026年2月6日現在においても、2025年8月29日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2026年2月6日開催の取締役会において、当社の取締役(合計8名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、当社は、2025年7月28日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議した後、本臨時株主総会の招集を決定した2026年4月16日開催の取締役会に至るまでに、本取引に関する判断を変更すべき要因が生じていないことを確認しております。
以上のことから、本株式併合により生じる端数の処理により株主の皆様に交付されることが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
公開買付者が本公開買付けの実施を決定した2025年8月29日現在及び2026年2月6日現在のいずれにおいても、公開買付者を含むマザーサン・グループは当社株式を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者を含むマザーサン・グループに直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメントバイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、マザーサンは、2025年8月29日付で、当社を連結子会社とする主要株主兼筆頭株主である本田技研工業(2026年2月6日現在において、当社株式10,322,000株(所有割合:69.66%)を所有)との間で本基本契約を締結することを鑑み、本田技研工業と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避する観点から、以下の①から④までの措置を実施いたしました。
なお、マザーサンは、本田技研工業が当社株式10,322,000株(所有割合:69.66%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりませんが、以下の①から④までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
当社は、マザーサン・グループ、本田技研工業及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータスに対して、当社株式の株式価値の算定及び本公開買付価格が当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見書の提出を依頼し、2025年8月28日付で、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンをそれぞれ取得しました。
プルータスは、マザーサン・グループ及び本田技研工業の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータスの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
本特別委員会は、当社が選任した第三者算定機関につき、独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを、本特別委員会において確認しております。
(ア)算定の概要
プルータスは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を、算定手法として用いて当社の株式価値の算定を行い、本特別委員会は2025年8月28日付でプルータスから本株式価値算定書を取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:2,448円から2,843円
DCF法:2,445円から3,228円
市場株価法では、直前日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値2,843円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,756円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,680円、直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,448円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,448円から2,843円までと算定しております。
DCF法では当社がプルータスに提供した当社の2026年3月期から2028年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)、直近までの業績の動向に基づき、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,445円から3,228円までと算定しております。
なお、プルータスがDCF法に用いた本事業計画には、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、営業利益について、内燃機関部品の販売数の減少により、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な減益を見込んでおります。また、フリー・キャッシュ・フローについては、売上高が減少に転じたことによる運転資本の減少により、2027年3月期においては対2026年3月期比で大幅な増加を見込んでおります。
なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。
(注) プルータスは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の役職員(ただし、マザーサン・グループから独立した者に限ります。)による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、プルータスは、算定の基礎とした本事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、下記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本事業計画については、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
(イ)本フェアネス・オピニオンの概要
本特別委員会は、2025年8月28日付で、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり3,024円は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。本フェアネス・オピニオンは、当社が作成した本事業計画に基づく株式価値算定の結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり3,024円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータスが、当社から、当社の事業の現状、本事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社の株式価値算定の結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております(注)。
(注) プルータスは、本フェアネス・オピニオンを作成するにあたって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としており、また、その正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではないため、これらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負わないとのことです。
プルータスは、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた本事業計画その他の資料が、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、その実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではないとのことです。
プルータスは、法律、会計又は税務の専門機関ではないため、本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもないとのことです。
プルータスは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けていないため、当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っていないとのことです。
本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものであるため、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではないとのことです。
本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではないため、プルータスは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負わないとのことです。
プルータスは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有していないため、本フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものではないとのことです。
本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオンの提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータスに供され又はプルータスが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものであり、今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータスはその意見を修正、変更又は補足する義務を負わないとのことです。
本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではないとのことです。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、マザーサン・グループ、本田技研工業及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、長島・大野・常松法律事務所は、マザーサン・グループ、本田技研工業及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、長島・大野・常松法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬(いわゆるタイムチャージ)のみであり、本取引の成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。本特別委員会は、当社が選任したリーガル・アドバイザーにつき、独立性に問題がないことを、本特別委員会において確認しております。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
A.2025年8月29日付答申書
(ⅰ)設置等の経緯
上記「1.本株式併合の目的及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年11月13日に開催された取締役会における決議により、当社、本田技研工業及びマザーサン・グループから独立した森田幸光氏(当社独立社外取締役)、内田優子氏(当社独立社外取締役)、鈴木祐介氏(当社独立社外監査役)、仁科秀隆氏(弁護士、中村・角田・松本法律事務所)及び長谷川臣介氏(公認会計士兼税理士、長谷川公認会計士事務所)の5名から構成される本特別委員会を設置いたしました。なお、当社の社外監査役の一宮勇治氏については、当社の親会社である本田技研工業出身であり、当社の特別委員会規程において特別委員会を構成する委員の要件として定めている独立社外取締役及び社外監査役(親会社出身者を除く。)に該当しないため、本特別委員会の委員として選出しておりません。また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として鈴木祐介氏が選定されております。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、仁科秀隆氏及び長谷川臣介氏は、当社の取締役又は監査役ではございませんが、当社は、仁科秀隆氏及び長谷川臣介氏が、多数のM&A案件に関与した経験を有することを理由として、社外有識者として特別委員に就任することを依頼しております。
その上で、当社は、取締役会における決議により、本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。
また、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、(ⅰ)本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の答申を最大限尊重しなければならないこと及び、(ⅱ)本取引の条件のうち妥当でないと評価される可能性のある事項がある場合には、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引の条件に関する交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して指示や要請を行うことを決議しております。
(ⅱ)検討等の経緯
本特別委員会は、2024年11月26日から2025年8月29日までの間に全24回の日程で開催され、全ての委員会について委員全員が参加(分割開催となった会合を含みます。)した上で、本諮問事項に関する審議を行いました。
具体的には、本特別委員会は、(ⅰ)MUFGの作成に係る、本公開買付けを含む本取引全体の検討状況に関する資料、(ⅱ)本事業計画、本事業計画の策定の前提となる考え方に関する説明資料及び本事業計画の検証のための参考となる資料、(ⅲ)本株式価値算定書その他の当社株式の価値算定に関する資料及び本フェアネス・オピニオン、(ⅳ)本取引の実施や本公開買付価格の交渉に関する一連の資料、(ⅴ)当社が2025年8月29日に公表した「マザーサングローバルインベストメンツビーブイ(Motherson Global Investments B.V.)による当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「2025年8月29日付当社プレスリリース」といいます。)及び公開買付者による本公開買付けの開始予定に関する開示資料、(ⅵ)本基本契約、(ⅶ)本公開買付価格に係るプレミアムに関する検討資料並びにその他の本特別委員会において配布された各種資料を検討いたしました。
また、本特別委員会は、本諮問事項につき検討するため、本取引に関し、当社から、当社における当社の事業に関する現状認識や、本事業計画の内容(アップデートがされた場合におけるアップデートの必要性及び合理性を含みます。)、本取引が当社に与える影響についての説明を聴取いたしました。さらに、本特別委員会は、本取引の目的の合理性を検討するため、本田技研工業から本取引の目的についての説明を聴取したほか、公開買付者に対しても質問書を送付し、これに対する回答を得ております。加えて、本特別委員会は、本取引の取引条件の妥当性を検討するため、プルータスに対してヒアリングを実施し、当社株式の株式価値算定の方法及び評価プロセス並びに株式価値算定に関する考察過程について詳細な説明を受けております。
さらに、本特別委員会は、本取引に係る手続の公正性を検討するため当社のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、本取引のスキーム、本基本契約の内容、当社において採用されている利益相反回避措置の内容その他の手続の公正性に関する助言を得ました。
このほか、本公開買付価格を含む本公開買付けの買付条件に関する交渉経緯については、当社、本田技研工業及び公開買付者の交渉状況を含め、MUFG及び当社から本特別委員会に対して詳細な説明が行われました。本特別委員会からも当該説明の都度、交渉に関して意見を述べることで、公開買付者との交渉に主体的に関与しております。
また、本特別委員会は、本取引についての公正性を担保するため、本取引に係る当社のアドバイザーの独立性についても検証し、確認をおこなっております。まず、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所については、同法律事務所が当社、マザーサン・グループ及び本田技研工業の関連当事者に該当せず、本取引に重要な利害関係を有していないこと、専門性が認められること、並びにその報酬に成功報酬制が採用されていないことを確認し、アドバイザーとして承認いたしました。次に、第三者算定機関であるプルータスについては、同社が当社、マザーサン・グループ及び本田技研工業の関連当事者に該当せず、本取引に重要な利害関係を有していないこと、専門性が認められること、並びにその報酬に成功報酬制が採用されていないことを確認し、アドバイザーとして承認いたしました。続いて、フィナンシャル・アドバイザーであるMUFGについては、(ⅰ)同社が当社、マザーサン・グループ及び本田技研工業に対して通常の銀行取引を行っている旨、(ⅱ)本取引に関しては本取引に関与する部署と銀行取引を行っている部署とで情報遮断措置を講じている旨、並びに(ⅲ)同社の報酬については成功報酬が含まれる旨の説明(成功報酬の割合の説明を含みます。)を聴取いたしました。その上で、(ⅰ)については、MUFGが銀行業を営む会社であることからすれば不自然なことではなく、また同社の企業規模からみると、これらは重要な利害関係に該当しないと判断いたしました。さらに(ⅲ)についても、一般的に成功報酬の割合が増えるとM&Aの成否に関するバイアスがかかるという議論もあり得るものの、①フィナンシャル・アドバイザーに対する報酬について相応の割合での成功報酬が含まれるのは、日本における同種の取引では一般的な実務慣行であること、②MUFGからは、本取引における報酬体系(成功報酬の割合を含む。)が、同行がフィナンシャル・アドバイザーを務める他の同種のM&A案件と特段異なるところはない旨の説明を受けていること、及び③経済産業省作成の2019年6月28日付M&A指針においてもフィナンシャル・アドバイザーや第三者評価機関については成功報酬を含む報酬体系が採用されることが許容されていることにも鑑み、(ⅱ)のような措置が講じられていることも踏まえれば、当該報酬体系をもってしてもMUFGに独立性は認められるものと判断し、アドバイザーとして承認いたしました。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年8月29日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2025年8月29日付答申書を提出しております。
(a) 答申内容
1.本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理性を有する。
2.本取引の取引条件の妥当性は確保されている。
3.本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされている。
4.上記1乃至3を踏まえると、当社による本取引についての決定は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。
5.本公開買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当である。
(b) 答申の理由
Ⅰ.本取引の目的の合理性について
以下の点を考慮すれば、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理性を有すると認められる。
・当社においては、従来から、将来の全面的なEV化に伴う当社の主力製品である内燃機関部品の需要の大幅な低下と、本田技研工業に取引の大宗が依存しているという当社の事業の特徴からの脱却が大きな課題であったところ、本取引は、顧客基盤の多様化と製品群の多様化というこれらの課題の改善に資するものと考えることができる。
・本取引に関して予測されているシナジー(当社の既存製品についての新規顧客の獲得、新規製品の開発及び当社のノウハウを活用した顧客ニーズへの対応)は、定性的なストーリーに留まることなく、シナジーを発揮することが期待される製品や市場についても具体性のある説明がされており、当社側の説明と公開買付者側の説明とで、矛盾している点や大きな認識の齟齬がない。
・当社は、取締役等の幹部を中心に、生産プロセスの効率化と品質向上に積極的に取り組むことで持続的成長と競争力強化に努めてきた。また、現場の従業員も、日々の業務において小さな気づきを大切にする意識を持ち、現場での改善を通じてコスト削減・品質向上に努め、改善業務を日常業務の一部と捉え、当社の成長に寄与している。こうした人的資本が当社の大きな強みであるが、公開買付者からも、当社の人的資本を高く評価している旨や従業員の雇用条件を不利に変更することは想定していない旨の意思が繰り返し示されており、この観点からも、本取引を経て当社の更なる成長を遂げることが期待できる。
・本取引によるデメリットについては、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとして、(ⅰ)エクイティ・ファイナンスによる資金調達が困難になること、(ⅱ)上場会社であることによる知名度や社会的信用が得られなくなることが考えられるが、マザーサン・グループに入ることで当社はマザーサン・グループの信用力を背景とした資金の調達が可能であり、(ⅰ)について懸念はなく、また、当社は長らく上場企業として事業を営んでおり、取引先との関係でも既に十分な知名度や社会的信用を有していることに加え、本取引の実行後は公開買付者のネットワークを活用した人材採用も可能であるから、(ⅱ)についても非公開化のみの事実をもって信用力にネガティブな影響はない。また、本取引の結果として、当社の支配株主である本田技研工業は、当社の支配株主ではなくなるが、引き続き当社の株式の19.00%を保有する株主として存続はする。また、特に内燃機関部品については、EVへのシフトが想定される現在の状況下で今後の新規参入が相次ぐとは考えにくいこともあり、本取引に伴って、当社と本田技研工業との取引額の大幅な縮減その他の悪影響が生じる可能性が高いとは考えがたい。以上からすれば、本取引を行うことによるデメリットとして重大なものは見当たらないから、本取引により期待されるシナジーは、本取引を行うことによるデメリットを上回るものと考えることができる。
Ⅱ.本取引の取引条件の妥当性について
以下の点を考慮すれば、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると認められる。
ア.交渉状況の確保
本取引における最終合意は、本特別委員会の主体的な関与の下、独立当事者である当社と公開買付者との間における交渉の結果なされたものであり、かかる交渉に関して当社の支配株主である本田技研工業が介在するなどの、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情も認められなかった。
以上の結果として、当社は、プルータスによる株式価値算定を参照し、かつ、本特別委員会での審議も勘案して、価格交渉を複数回実施した上で最終合意に至った。また、最終的な本公開買付価格は、買付者が当初提示した価格よりも相当(約20.96%)の上積みがされた。
以上のような経過からすれば、当社として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。
イ.株式価値算定及びプレミアム等
(a) 事業計画
まず、算定の前提となった本事業計画の作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)について、疑わしい点は存在しない。
なお、本事業計画の特徴として、本田技研工業の生産台数計画を取り込んで作成されている点にある。もっとも、当社において本田技研工業に対する売上がその大半を占める以上、当社の事業計画の作成の仕方として当然のことであり、むしろ、本田技研工業の生産台数計画を無視して当社の事業計画を策定する方が、事業計画の実現可能性の観点からみて疑問がある。その上で、本田技研工業から当社への生産台数計画の情報共有は、毎年定例的に参考情報として行われているもので、本取引が提案されているが為に行われたものではないから、このような事情を踏まえても、本事業計画が本田技研工業の生産台数計画をベースに作成されていることは不合理ではない。なお、本特別委員会は、本事業計画について、生産台数計画に関して当社として入手している最新の情報とも齟齬がなく作成されていること及び2026年3月期の数値については当社が従前市場で公表していた業績予想とも合致していることを確認した(なお、当社の第15次中期経営計画は2026年3月期までを期間としていることから、2027年3月期以降に関して当社が公表している予想値は存在しない。)。
また、本事業計画の内容について、本事業計画は、本取引が行われることを前提とするシナジー等を織り込んでいない、スタンドアローン・ベースの事業計画となっている。本取引を行うに当たり、当社は公開買付者側のデュー・ディリジェンスを行うわけではないから、本取引による企業価値向上効果について、現時点において当社が定量的に数値を見込むことは難しいという事情があるし、実際に、同種の非公開化取引において、被買収者側がスタンドアローン・ベースの事業計画を作成することはごく通常のプラクティスである。このような事情からすれば、本取引においてもスタンドアローン・ベースの事業計画をもって本事業計画としたことに不合理な点は見当たらない。
このほか、本特別委員会は、事業計画の内容それ自体についても、仔細な検討を行ったが、結論として、不合理な点は見当たらなかった。
以上からすれば、本事業計画については、策定プロセス、策定方法及び内容それ自体のいずれからみても、利益相反の観点から恣意的な圧力(過度に保守的に作成する等の圧力)が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。
(b) 算定方法
本特別委員会は、プルータスに対して複数回に亘ってヒアリングを実施し、当社株式の株式価値の算定方法及び評価プロセス並びに株式価値算定に関する考察過程について詳細な説明を受け、そのいずれについても不合理な点は見当たらないことを確認し、本株式価値算定書が独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると評価した。
本株式価値算定書における各算定方法による当社株式の株式価値は下記表1のとおりである。
<表1 プルータスによる当社株式の株式価値>
上記のとおり、本公開買付価格が、(ⅰ)市場株価法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すDCF法の算定結果の中央値を超える水準にある。
以上から、本特別委員会としても、本公開買付価格は、プルータスにより算定された当社株式価値評価との比較の観点からしても、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考える。
(c) 本フェアネス・オピニオン
当社はプルータスから、本公開買付価格が当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の意見書(いわゆるフェアネス・オピニオン)も取得しており、かかる事実も本公開買付価格の公正性を裏付けるものであると評価できる。
(d) プレミアムの検討
本公開買付価格は、直前日までの当社株式の終値に対して、それぞれ下記の表2のようなプレミアムを加えた金額となっている。
<表2 本公開買付価格のプレミアム>
本特別委員会は、MUFGから、M&A指針の公表日である2019年6月28日以降に公開買付けが公表され成立した事例のうち、第三者による他社子会社への公開買付けの事例(ただし、自己株式の公開買付け、ディスカウントの公開買付け及びMBOを除く。)という条件で抽出した案件(全35件。以下「類似案件」という。)におけるプレミアム水準についてのデータの提供を受けた。提供されたデータによれば、こうした類似案件におけるプレミアムの水準の中央値及びレンジ別の件数は、下記の表3及び表4のとおりである。
<表3 類似案件のプレミアムの中央値>
<表4 類似案件のプレミアムのレンジ別の件数>
こうした他の類似案件と、上記の表2に記載された本公開買付価格のプレミアム水準の比較の観点からみると、本公開買付価格のプレミアム水準は、類似案件の平均的なプレミアム水準には満たない水準にある。
もっとも、上記の表4によれば、類似案件においても、同水準のプレミアムを採用している案件は少なからず存在していることが分かることを勘案すれば、本取引においても、一定のプレミアム水準が確保されているものと評価することは可能であると考えられる。
(e) 本田技研工業との関係
本自己株式取得は、当社の支配株主である本田技研工業がその所有する株式を売却する取引であるところ、本田技研工業は当社の支配株主(最大の出資者)としてその保有する当社株式を公正な価格で売却するインセンティブを有しているため、本特別委員会は、本公開買付価格の公正性を検討するに当たり、本自己株式取得の価格も参考にしている。
この点に関連して、本公開買付価格及び本自己株式取得価格の算出においては、(ⅰ)本自己株式取得価格にて本自己株式取得が行われた場合の本田技研工業の税引後手取り額として計算される金額が、(ⅱ)仮に本田技研工業が本公開買付価格で本公開買付けに応じた場合に得られる手取り金額を上回らない金額となることが基準とされている。
また、本基本契約においては、公開買付者、当社及び本田技研工業との間で、本取引に付随する取引が行われる可能性に言及されているが、当社が公開買付者に確認したところ、こうした付随的な取引において、本田技研工業が不当な利益を得ることも予定されていない。
そのため、本田技研工業が、本取引を通じて、当社の少数株主に比して利益を得ることはないから、本公開買付価格は、当社の支配株主である本田技研工業としても合理的と考えられる価格であるものと認められる。
以上をまとめると、本公開買付価格については、下記のような事情が認められるところである。
① 上記(b)で述べたとおり、本株式価値算定書の市場株価法による算定の上限を超えており、かつ、DCF法の算定結果の中央値を超える水準にあること。
② 上記(c)で述べたとおり、当社がプルータスから本フェアネス・オピニオンを取得していること。
③ 上記(d)で述べたとおり、本公開買付価格のプレミアム水準は、類似案件の平均的なプレミアム水準には満たない水準にあるものの、それでも一定のプレミアム水準が確保されているものと評価することは可能であると考えられること。
④ 上記(e)で述べたとおり、当社の支配株主である本田技研工業においても本公開買付価格で当社株式を売却することが合理的と考えられていること。また、当社にとって本取引を上回る条件を少数株主に提示することができるような実現可能性がある取引は存在しないこと。
⑤ 本公開買付価格は2008年1月以降の当社の株価の最高値を超える水準にあること。このことから、当社の株主のほとんどが本公開買付価格を下回る金額で当社株式を取得したことを意味するから、本公開買付価格は当社の株主のほとんどに対して利益をもたらす水準であるものといえること。
そして、M&A指針においては、(a)「M&Aを行わなくても実現可能な価値」は、少数株主を含む全ての株主がその持株数に応じて享受すべきであり、他方で、(b)「M&Aを行わなければ実現できない価値」については、M&Aによって少数株主はスクイーズアウトされることとなるものの、少数株主もその価値のしかるべき部分を享受するのが公正であると指摘されている。
このような考え方を背景にして本件をみても、上記①から⑤に掲げたような事情からすれば、本公開買付価格が、本取引を前提としないスタンドアローン・ベースの株式価値(すなわち現時点における当社株式の価値)に加えて、M&A指針のいう「M&Aを行わなければ実現できない価値」のしかるべき部分を少数株主に享受する水準であるものと認められる。
以上のとおりであるから、本特別委員会としては、本公開買付価格は、当社株式価値が十分に反映されたものと考えることができ、少数株主の利益に十分な配慮がされた水準にあるものと考える。
ウ.スキーム等の妥当性
本取引では公開買付けが想定され、株式交換は想定されていないが、このスキームは一般的なものであり、当社の少数株主に対して特に不利益を及ぼすものではない。
また、本取引の一環としてまず本公開買付け及び本株式併合を行い、その後に当社が本自己株式取得を行うという手段についても、少数株主が本公開買付け又は本株式併合のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されているし、他方で、(ⅰ)本自己株式取得価格にて本自己株式取得が行われた場合の本田技研工業の税引後手取り額として計算される金額が、(ⅱ)仮に本田技研工業が本公開買付価格で本公開買付けに応じた場合に得られる手取り金額を上回らない金額となることが基準とされていることからすれば、当社の少数株主にとって不利益なスキームではない。
このほか、2025年8月29日付当社プレスリリースにも記載されているとおり、本基本契約においては、公開買付者、当社及び本田技研工業との間で、本取引に付随する取引が行われる旨が規定されているところ、このうち公開買付者及び当社の間の取引については、少数株主が受け取る本取引の対価に影響を与えるものではないし、公開買付者及び本田技研工業の間の取引についても、本田技研工業が不当な利益を得ることも予定されていないとのことであるから、このような付随的な取引を含めて検討しても、本取引のスキームは、妥当なものといえる。
さらに、本取引は、マザーサン・グループが、本田技研工業から、当社が直面する課題を対処するための協力・検討の機会について打診を受けたことを契機に検討が開始された取引である。当社の株式の保有状況からすれば、本田技研工業の了解が得られない取引は、実現可能性に著しく劣るものと評価できると考えられるから、実現可能性の観点からも、本田技研工業との間で本基本契約が締結された上で実施される本取引以上に実現可能性を有する代替的な取引は存在しない状況であると考えられる。
このように考えると、当社が本取引を実施することは、当社にとって現実的に採用可能な選択肢のうち、少数株主に最も有利な条件を選択したものであると考えられる。
以上で述べたとおり、本取引の交渉状況に疑義はなく、株式価値算定との関係でも本公開買付価格は少数株主の利益に十分な配慮がされたものである。
また、本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本株式併合のいずれによって対価を得ても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されている。
したがって、その他の詳細検討を含め、結論として、本公開買付価格を含めた本取引全体について、当社の少数株主からみて、条件の公正性・妥当性が確保されていると認められる。
なお、本公開買付価格は当社の2025年6月30日現在の1株当たり純資産を下回る条件であるが、純資産は、会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業の評価に当たっては一般に適当ではないことに加え、そもそも保有不動産売却の実現可能性については、継続企業を前提とすれば、例えば事業継続に必須である工場底地の売却は事実上不可能であるなど、清算価値が機械的に純資産と同額になるわけでもない。さらに、後述するように、本取引においては間接的な形でマーケット・チェックが採用されており、本公開買付けの期間中に他の潜在的な買収者が公開買付者を上回る条件での対抗提案を行うことが可能な環境も構築されている。
したがって、本公開買付価格が当社の1株当たり簿価純資産を下回ることの一事をもって、本公開買付価格の公正性が失われることにはならないと考えられる。
Ⅲ.本取引に係る手続の公正性について
本取引に際して以下の措置が講じられていること、及びこれらの措置が実際に実効性をもって運用されていることを踏まえれば、本取引に係る手続の公正性は確保されており、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
ア.本特別委員会の設置
本特別委員会は、当社の独立社外取締役2名、独立社外監査役1名、外部有識者2名により構成されている。本特別委員会は、本特別委員会の委員の全員が、公開買付者及び本田技研工業から独立していること、並びにその報酬に成功報酬が含まれないことを相互に確認している。
また、本特別委員会について、下記のような配慮がされている。
(a) 本特別委員会は、本取引に係る取引条件が公開買付者と当社との間で決定される前の段階で設置されていること
(b) 本特別委員会は、当社の独立役員全員が構成員に加わっていること
(c) 上記のとおり、本特別委員会が取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況が確保されていること
(d) 特別委員会のアドバイザーを選任する権限も付与されていること。もっとも、当社のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員のうち2名が当社の取締役である。)、企業価値評価への知見(本特別委員会の委員のうち1名が公認会計士である。)、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち2名が弁護士である。)がいずれも委員により充足されていること、及び当社のアドバイザーの専門性・独立性に鑑み、特別委員会としてのアドバイザー選任は不要であると本特別委員会として判断したこと
(e) 本取引について予定されている契約や想定されるシナジーは多岐に亘り、その全ての詳細を一般に公開することは難しいところ、本特別委員会が、少数株主に代わり、本基本契約書の文案も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行ったこと
(f) 当社取締役会は、本特別委員会に対する諮問事項について決議するに際し、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、本取引の条件のうち妥当でないと評価される可能性のある事項がある場合には、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引の条件に関する交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して指示や要請を行う旨を決議していること
以上のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
イ.当社における意思決定プロセス
当社においては、本公開買付けに係る決議にあたり、取締役8名全員、及び監査役3名全員が審議及び決議に参加することが想定されている。また、当社取締役会においては、最終的に当社の取締役全員の一致により決議がされ、また全監査役から異議がない旨の意見が述べられる予定である。
以上から、当社における意思決定プロセスに関して、公正性に疑義のある点は見当たらない。
ウ.外部専門家の専門的助言等の取得
(a) 法務アドバイザーからの助言の取得
当社取締役会は、意思決定につき、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所の弁護士から助言を受けているところ、上記のとおり、同法律事務所について独立性が認められる。
したがって、当社は弁護士による独立したアドバイスを取得したと認められる。
(b) 株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関であるプルータスから、当社株式の株式価値に関する資料として、本株式価値算定書を取得しているところ、同社について独立性が認められることは、上記で述べたとおりである。
さらに当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、プルータスから本フェアネス・オピニオンを取得している。
フェアネス・オピニオンは、第三者評価機関が意見形成主体となるという点や、意見の対象が当事者間で合意された具体的な取引条件の対象会社の少数株主にとっての公正性であるという点において、株式価値算定書とは異なるものであり、対象会社の価値に関するより直接的で重要性の高い参考情報となり得るため、取引条件の形成過程において構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応する上でより有効な機能を有し得るとされている。
したがって、本特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。
エ.マーケット・チェック
(a) 公開買付期間及び取引保護条項
本公開買付けの買付期間は、法令に定められた最短期間である20営業日に設定することが予定されている。もっとも、2025年8月29日付当社プレスリリースに記載のとおり、本公開買付けはいわゆる事前公表型の公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで比較的長期間が確保される旨も記載されており、当該期間を含めて考えれば、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。
このように、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている。
また、本基本契約において、いわゆる取引保護条項は存在せず、マーケット・チェックの効果を減殺させる事情は見当たらない。
このように、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックも実施されている。
(b) 評価
M&A指針では、買収者が支配株主でない場合においては、積極的なマーケット・チェックをすることが公正性担保措置としてより積極的に評価されるという指摘もある。
ただ、積極的なマーケット・チェックについては、M&Aに対する阻害効果の懸念や情報管理の観点等からの実務上の問題も指摘されている。
さらに、そもそも本取引はマザーサンが、本田技研工業から、当社が直面する課題を対処するための協力・検討の機会について打診を受けたことを契機に検討が開始された取引である。また、本田技研工業が本基本契約を締結していることからみても、積極的なマーケット・チェックが行われたとしても本田技研工業が本取引以外の取引に応じる可能性は低いと考えられる。
本取引では、このような事情を踏まえつつ、間接的な形であれマーケット・チェックを実施するものであり、取引条件の形成過程における当社の交渉力が強化され、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることに資するものと認められる。
オ.マジョリティ・オブ・マイノリティ
本公開買付けの買付予定数の下限の設定において、マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方は採用されていない。
もっとも、マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方については、M&A指針においても、支配株主による従属会社の買収のように買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念等も指摘されている。実際、本田技研工業の当社株式の所有割合は約70%と非常に高く、マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方を採用すると、本公開買付けの買付予定数の下限を約85%に設定する必要があり、上記のような阻害効果の懸念は高まるといえる。
さらに、本公開買付けの実施に関しては、上記ア乃至エ並びに下記カ及びキの各措置が実施されることが認められ、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定以外の公正性担保措置が多く採用されていることが認められる。
したがって、本公開買付けの実施に際してマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていないこと自体が本取引の取引条件の公正さを阻害しているとまでは認められない。
カ.少数株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
M&A指針で充実した開示が期待される情報とされるもののうち、まず特別委員会に関する情報については、上記のとおり、(a)委員の独立性や専門性等の適格性に関する情報、(b)特別委員会に付与された権限の内容に関する情報、(c)特別委員会における検討経緯や、交渉過程への関与状況に関する情報、(d)特別委員会の判断の根拠・理由、答申書の内容等が本プレスリリースに記載されている。
次に株式価値算定書に関する情報については、上記のとおり、本プレスリリースにおいて、本事業計画がスタンドアローン・ベースで作成されていることや、本事業計画において対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているか否かについて開示がされるとともに、本株式価値算定書についての算定の概要が開示されている。
最後に、M&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯に関する情報についても、本プレスリリースにおいて、充実した記載がされているものと認められる。
キ.強圧性の排除
本株式併合において、株主には、会社法第182条の4及び第182条の5の規定により価格決定の申立てを行う権利が認められ、しかも、本プレスリリースにおいてその旨が明示的に開示されている。さらに、本プレスリリースでは、本株式併合は本公開買付けの決済の完了後速やかに行われる予定であること、本株式併合の際に少数株主に対して交付される金銭について、本公開買付価格に当該各株主(当社及び本田技研工業を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定である旨が開示されている。
以上からすれば、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
上記のとおり、本取引では、①独立性のある特別委員会が設置されていること、②当社における意思決定プロセスに関しても公正性に疑義がないこと、③当社が外部専門家から専門的助言等(本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンを含む。)を取得していること、④間接的マーケット・チェックが行われていること、⑤マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていないもののそのことによって本取引の公正性が阻害されているとは認められないこと、⑥2025年8月29日付当社プレスリリースによって、当社の少数株主のインフォームド・ジャッジメントに配慮がされた情報提供が実施される予定であること、⑦本株式併合は会社法上も反対株主に価格を争う権利が確保された方法(すなわち強圧性が排除された方法)で実施される予定であることが認められる。
以上からすれば、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程における独立当事者間取引と認められる状況の確保及び(ⅱ)少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点のいずれの面から見ても、本取引にとって必要十分な内容での公正性担保措置が採用されている。また、それらの公正性担保措置が、実際に実効性をもって運用されていると認められる。
したがって、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
Ⅳ.本諮問事項4.及び5.について
上記のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は合理性を有すると認められること、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると認められること、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められることから、本取引を行うことの決定は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。また、上記のとおり、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると認められ、本公開買付価格について、当社の少数株主からみて、条件の妥当性が確保されているうえ、本取引において公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められることから、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは妥当であると考えられる。
B.2026年2月5日付追加答申書
(ⅰ)検討等の経緯
当社は、2025年12月17日、公開買付者から、本競争法許認可等の取得時期の見込みを踏まえて、本前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2026年1月末頃から開始することを予定している旨の連絡を受けました。
当該連絡を受けて、当社は、2026年1月7日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して提出した2025年8月29日付答申書に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。
そして、その後、2026年1月30日、当社は、公開買付者から、2026年1月29日をもって、本競争法許認可等の取得が全て完了した旨及び2026年1月30日時点において、2026年2月上旬を目途に、本公開買付けを開始することを見込んで準備を進めている旨の連絡を受けました。
(ⅱ)判断内容
本特別委員会は、2026年2月5日開催の特別委員会において、下記のとおり、2025年8月29日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、その結果、上記諮問事項について、2025年8月29日以後、2026年2月5日までの事情を勘案しても2025年8月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2026年2月5日に、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、上記の答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2026年2月5日付追加答申書を提出しました。2026年2月5日付追加答申書の内容は以下のとおりです。
(a) 答申内容
本特別委員会が2025年8月29日付答申書で述べた意見について、2025年8月29日から2026年2月5日付追加答申書の作成日までの事情を勘案して検討しても、意見に変更はない。
(b) 答申の理由
ア.本取引の公表後の各種状況の推移
本特別委員会は2025年8月29日以降に本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化や事象等が発生しているか否かについて当社、MUFG及び長島・大野・常松法律事務所に対して事実関係の確認を依頼したところ、2025年8月29日以降に生じた事情として、下記のとおりの報告を受けた。
① 2025年8月29日以降、本公開買付け、本株式併合及び本自己株式取得を通じて公開買付者が当社を非公開化の上で連結子会社化するという本取引のストラクチャーや、本公開買付けの内容及び条件について変更は生じていない。
② 本基本契約においては、公開買付者、当社及び本田技研工業との間で、本取引に付随する取引が行われる可能性に言及されているが、こうした付随的な取引についても、2025年8月29日以降に、本取引のストラクチャーに影響するような変更は生じていない。なお、2025年8月29日以降に、当社は、本田技研工業のインド現地法人であるHonda Philippines Inc. 、P.t. Astra Honda Motor及びHonda Motorcycle and Scooter India Pvt. Ltd.(以下「HMSI」といいます。)から、当社のインド現地法人であるYutaka Autoparts India Private Ltd.(以下「YAI」といいます。)の敷地の一部を売却して欲しい旨の要望を受領し、これに基づき当該敷地の売却取引が行われる予定である。当該売却取引は、2025年8月29日以降にHMSIから要望がされたという経緯からも明らかなとおり、本自己株式取得とは独立して検討がされたものであり、また、当該売却取引の単価は、第三者機関から取得したレポートに記載の金額を基準として、HMSIとYAIの価格交渉の結果として妥結されたものであり、本田技研工業が本取引に際して当社の少数株主に比して特別な利益を得るような態様で行われるものではない。
③ 2025年8月29日以降、公開買付者による国内外における競争法に基づき必要な手続及び対応に関し、本取引の実行の障害となるような特段の問題(例えば当社が競争法の関係で一部の事業の切り離しを余儀なくされるような事態)は生じていない。
④ 本プレスリリースは、2025年8月29日付当社プレスリリースと比べて、2025年8月29日以降の推移について加筆をしているものであり、2025年8月29日時点での情報を訂正するといった、重大な変更を行っているものではない。
⑤ 2025年8月29日以降、当社について、その事業価値に関する重要な影響を与える可能性がある事象は発生していない。すなわち、本事業計画の特徴として、本田技研工業の生産台数計画を取り込んで作成されている点が挙げられるが、2025年8月29日以降、本田技研工業から新たな生産台数計画は共有されていない。また、当社の保有資産についても、2025年8月29日以降にその価値の著しい変更が生じた事象は発生していない。
⑥ 当社は、2025年11月4日付の「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」において、2026年3月期の連結業績予想を公表しているが、2025年8月29日時点で公表されていた業績予想からの修正は行っておらず、また、2026年2月5日付追加答申書の作成日時点においても、公表済の業績予想を修正する予定もない。
⑦ 当社は、上記⑤の点に鑑み、現状、本事業計画について変更しておらず、また変更をする必要もないと判断している。
⑧ 2025年8月29日以降、当社の株価は本公開買付価格を僅かに上回る状況が続き、2026年1月以降は本公開買付価格を一定程度上回る状況が続いている。
⑨ 他方で、2025年8月29日以降、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗的な提案が(法的拘束力の有無にかかわらず)当社に寄せられたことはない。また、2025年8月29日以降に新たに当社の株式について大量保有報告書が提出されたこともないため、当社の株式を5%以上買い集めた者も存在しない。
本特別委員会が認識した上記各種事情については、本特別委員会が2025年8月29日付答申書作成時に検討した情報と矛盾するところもない。また、本特別委員会の委員のうち当社の独立役員を兼ねている者は、取締役会その他の会議体の場で執行陣から業務執行に関する報告を恒常的に受けているが、そのような委員の独立役員としての認識からみても、上記の事情に不自然な内容のものは存在しない。
イ.本取引の目的の正当性
上記ア.を踏まえて、2025年8月29日付答申書における答申内容への変更の有無を検討すると、まず企業価値の向上の点では、上記ア.①及び②に記載のとおり、2025年8月29日以降、本取引のストラクチャーに変更は生じていないことが認められる。
また、上記ア.③から⑦までに記載したとおり、2025年8月29日に本取引が公表されて以降、本取引の実施に向けて各種作業が進む中で、当社の事業価値を著しく変更させるような事態が新たに生じたこともない。
以上からすれば、本取引による企業価値の向上について、2025年8月29日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。
ウ.本取引の条件の公正性・妥当性
本取引の条件の妥当性に関しては、下記の事情が認められる。
① 2025年8月29日付答申書における本特別委員会の判断の基礎となる本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンのアップデートは行われていない。
② 本取引の条件の妥当性について、当社が選定した第三者算定機関であるプルータスから、(ⅰ)プルータスにおいて本株式価値算定書におけるDCF法の前提とした本事業計画に変更が生じていないことを確認したこと(上記ア.⑦記載のとおり)、(ⅱ)プルータスとしても本事業計画をアップデートすべきであると考えられる事情を認識していないこと、及び(ⅲ)本取引の公表後のマーケット環境(割引率を含む市場全体の状況等)をみても、仮に2026年2月5日付追加答申書作成日現在において再度当社の株式価値の算定を行ったとしても、本株式価値算定書における算定結果から大幅な変更は生じないと考えられ、2026年2月5日付追加答申書作成日現在において、本株式価値算定書の内容を変更する必要はないと判断している旨の意見を聴取している。
上記の①及び②のような事情が認められるが、このことは、上記ア.③から⑦までに照らしても不合理ではないものと考えられる。
特に、上記の②は、専門的知見を有する独立性のある算定機関であるプルータスによる意見であり、本公開買付価格の妥当性を基礎づけるものである。
エ.検討
上記ウ.に対して、上記ア.⑧のとおり、2025年8月29日以降、当社の株価は本公開買付価格を僅かに上回る状況が続き、2026年1月以降は本公開買付価格を一定程度上回る状況が続いている。
このことからすると、本公開買付けに対して対抗提案がされることや本公開買付価格の上昇を期待する投資家が一部に存在する可能性がある。実際、当社の株主とみられる者から、本公開買付価格についての不満が述べられているという事象は、当社から本特別委員会に対しても報告がされている。
もっとも、他方で上記ア.⑨で認定したとおり、2025年8月29日以降、本公開買付けに対するより高い買付価格での対抗的な提案が(法的拘束力の有無にかかわらず)当社に寄せられたことはなく、また、2025年8月29日以降に新たに当社の株式について大量保有報告書が提出されたこともないため、当社の株式を5%以上買い集めた者も存在しない。このことからみれば、上記ア.⑧の事象にかかわらず、多くの株主や投資家が、本公開買付価格の妥当性について異論を有していないことが推認されるところである。
実際、2025年8月29日以降の当社の株価は、当社が本取引を公表したことで、将来的に確実に本公開買付価格をもって株式が買い取られる保証がされたという事情を基底にして形成されているものであり、そのような事情がない通常の市場株価とはその性質を大きく異にしている。
以上からすれば、上記ア.⑧の事象があるからといっても、それが本公開買付価格の妥当性に疑義を差し挟ませるような事象であるとは認められない。
上記のような検討を踏まえれば、本取引の条件の公正性・妥当性が認められるという2025年8月29日付答申書における本特別委員会の意見は、2026年2月5日付追加答申書作成日時点においても、引き続き2025年8月29日付答申書で述べたのと同様の理由で維持されるべきものと考えられる。
オ.本取引についての公正な手続を通じた一般株主利益の確保
本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保については、本特別委員会は、2025年8月29日付答申書で指摘した、(ⅰ)特別委員会の設置、(ⅱ)当社における意思決定プロセス、(ⅲ)外部専門家の専門的助言等の取得、(ⅳ)マーケット・チェック、(ⅴ)マジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていなくても、本取引の取引条件の公正さは阻害されないと考えられること、(ⅵ)少数株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上及び(ⅶ)強圧性の排除の各項目が、いずれも2026年2月5日付追加答申書作成日時点においても変更されておらず、引き続き維持されているものと判断した。
なお、上記(ⅵ)について、本特別委員会は、公表日時点の開示書類のみならず、本意見表明プレスリリースにおいても充実した開示がされる予定であることを確認している。
以上から、本取引における公正な手続を通じた一般株主の利益の確保についても、2025年8月29日付答申書における答申の内容を変更すべき事情は見当たらない。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、プルータスより取得した本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオン、長島・大野・常松法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会(本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、上記「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)から提出を受けた2025年8月29日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の諸条件について慎重に検討を行いました。
その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的及び理由」に記載のとおり、2025年8月29日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本株式価値算定書の算定結果及び本公開買付価格のプレミアム水準、マザーサンとの交渉過程並びに本公開買付価格の決定プロセス等に照らし、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを、当社の取締役(合計8名)の全員一致で決議いたしました。
また、当社は、上記取締役会において、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して提出した2025年8月29日付答申書の意見に変更がないか否か検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえて、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2025年12月17日、当社は、公開買付者から、本競争法許認可等の取得時期の見込みを踏まえて、本前提条件が充足されること(又は公開買付者により放棄されること)を前提として、本公開買付けを2026年1月末頃から開始することを予定している旨の連絡を受け、2026年1月7日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年8月29日付で当社取締役会に対して提出した2025年8月29日付答申書に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、従前の意見に変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。そして、その後、2026年1月30日、当社は、公開買付者から、2026年1月29日をもって、本競争法許認可等の取得が全て完了した旨及び2026年1月30日時点において、2026年2月上旬を目途に、本公開買付けを開始することを見込んで準備を進めている旨の連絡を受け、本特別委員会に共有いたしました。本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「B.2026年2月5日付追加答申書」の「(ⅱ)判断内容」に記載のとおり、2025年8月29日以後、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討を行った結果、2025年8月29日以後、2026年2月5日までの事情を勘案しても2025年8月29日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2026年2月5日に、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、上記の答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2026年2月5日付追加答申書を提出しました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2026年2月5日付追加答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、2026年2月6日現在においても、2025年8月29日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断いたしました。
以上より、当社は、2026年2月6日開催の取締役会において、当社の取締役(合計8名)の全員一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、上記の各当社取締役会においては、当社の監査役3名(うち社外監査役2名)全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
2026年6月12日
以 上