第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

自動車業界は堅調な成長が予想されますが、参入企業の増加、開発スピードの加速化など更なる競争激化が見込まれます。このような状況下、当社グループでは、次世代を見据えた研究開発、グローバルでの事業拡大、持続可能な成長を実現するため、以下の課題に取り組んでまいります。

(1) EV時代を見据えた新たな商品開発と新事業の創出

研究開発では、既存の技術力の強化に加え、減速機向けの高精度ギヤやこれまでの開発ノウハウを活かしたユニット商品など、EV時代を見据えた商品開発に注力します。また、IoT・AIなどの先端技術を活用した生産効率化の研究や既存事業の枠に捉われない新たなビジネスの創出にも積極的に取り組んでまいります。

(2) 既存事業の更なる拡大と経営のスピードアップ

四輪事業では、拡大する中国での需要を積極的にとらえて売上拡大をはかり、二輪事業では、インドを中心に事業拡大を目指してまいります。同時に、事業の広がりに合わせて基幹システムの刷新を通じたグローバル経営の「見える化」を進め、経営のスピードアップをはかります。

(3) サステナビリティの実現に向けた取組の強化

持続可能性の観点では、環境・品質・人権・地域社会との共生など、CSV※1・CSR※2の考え方に基づいた活動をし、これまで以上に社会と共に成長するための取組を強化してまいります。

※1=Creating Shared Value:社会と企業の双方に共通の価値を創造すること

※2=Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

市場環境の変化

長期にわたる経済の低迷、消費者の購買意欲低下は、四輪車・二輪車の需要低下につながり、その部品を製造している当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは世界各国で事業展開をしており、これらの市場の経済低迷も、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

特定の販売先等への依存

当社グループは、顧客のニーズに対応したグローバル供給体制を構築するため、13カ国30拠点で生産を行っております。海外での生産拠点拡大と共に販売先も拡大してまいりましたが、平成30年3月期における本田技研工業株式会社及び同社子会社への売上高の連結売上高に占める販売割合は52.9%(本田技研工業株式会社への割合9.1%)となっております。

従って、当社グループの業績は本田技研工業株式会社及び同社子会社の生産動向に影響を受け、その生産高が減少するような場合には業績が悪化する可能性があります。

為替変動

当社は、当社グループの海外拠点に対し、製品・半製品を輸出しております。また、当社グループの海外拠点からも、それらの製品を複数の国へ輸出しております。為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び経営成績、また競争力にも影響し、長期的に当社グループの業績に影響いたします。当社は、日本国内において多くの製造活動を行っており、日本以外の通貨による売上があるため、当社の業績は、円が他の通貨に対して円高になると悪影響を受ける可能性があります。

為替変動のリスクをヘッジしていることが引き起こす別のリスク

全ての為替リスクをヘッジすることは不可能ですが、当社グループは、為替変動リスクの影響を軽減するために、為替予約契約等を締結しております。あらゆるヘッジ契約と同様に、為替予約契約等の利用にはリスクが伴います。このようなヘッジ契約の利用は、為替の変動によるリスクをある程度軽減する一方、為替が逆方向へ変動することから生じたかもしれない利益を逸失している可能性があります。当社グループが締結してきた、また、これからも締結するであろうヘッジ契約は、取引相手を大手の国際金融機関に限定することにより、取引相手の信用リスクにさらされるリスクを最小限に抑える努力をしております。しかしながら、そのような取引相手の債務不履行があれば、当社に悪影響を及ぼす可能性があります。

環境及びその他の規制

当社グループの属する自動車部品工業は、製造工場からの汚染物質排出レベル等に関して、広範に規制されております。これらの規制は改正される可能性があり、多くの場合、規制は強化されます。これらの規制を遵守するための費用は、当社の事業活動に対して影響を及ぼす可能性があります。

特定の原材料等の外部業者への依存

当社グループは、多数の外部の取引先から原材料などを購入しておりますが、製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料については、一部の取引先に依存しております。効率的に、かつ安いコストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因の中には、取引先が継続的に原材料及び部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。とりわけ、主要な取引先を失うことは、当社グループの生産に影響を与え、コストを増加させる可能性があります。

合弁事業

当社グループは、いくつかの国において、各国の法律上及びその他の要件により合弁で事業を行っております。これらの合弁事業は、合弁先の経営方針、経営環境の変化により影響を受けることがあり、そのことが、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

地震等の自然災害

当社グループは、地震等の自然災害の発生時に人的・物的被害を最小限に抑えるための管理体制の確立に取り組んでおります。しかしながら、想定以上の地震等が発生した場合、生産活動に支障が生じたり、復旧に要する費用等の発生が財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

製品の欠陥への対応

当社グループは、厳格な品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について品質不具合がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の不具合は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。

情報セキュリティ

当社グループは、事業活動の管理・支援、及び当社製品の製造・研究開発において、第三者に委託しているものも含め、様々な情報システムや情報ネットワークサービスを利用しています。これらの情報システム・ネットワークサービスの利用においては、当社グループが保有する機密情報を保護し、外部への流出を防止するために、規程・管理体制を整備し、ハード及びソフトの両面においてセキュリティ対策を実施しています。しかし、ハッカーやコンピュータウィルスなど外部からのサイバー攻撃、当社グループが利用する情報システムや情報ネットワークサービスにアクセスすることができる者による不正使用や管理上の不備、また、自然災害に伴うインフラ障害などによって、機密情報等の改ざん・流出、あるいは重要な業務・サービスの停止等が発生する可能性があります。その場合、社会的信用の低下、影響を受けた関係者に対する損害賠償責任の発生など、当社グループの事業・財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

自動車部品業界の競争

当社グループは、当社グループが属している各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。当社グループは、常に技術革新を目指し、高品質で付加価値の高い自動車用エンジン部品・サスペンション部品・ステアリング部品等の開発、競争力の向上に努めておりますが、今後も市場シェアを維持・拡大できる保証はありません。

知的財産権保護

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してきましたが、これらの技術とノウハウの一部は、特定の地域及び国では法的制限のため知的財産権として完全な保護が不可能な状況にあり、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似した製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、将来的に第三者の知的財産権を侵害している可能性があります。

法的手続きへの対応

当社グループは、訴訟、関連法規に基づく調査、手続きを受ける可能性があります。法的手続きで不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、米国、中国を中心に堅調に推移し、緩やかに回復してきました。

自動車業界におきましては、世界最大市場の中国を中心として、市場が堅調に拡大するなか、「CASE」=Connectivity(接続性)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動化)に代表される大変革期を迎えており、新しい製品・サービスが続々と生まれています。当社グループはこの環境変化を、グローバルサプライヤーとしてのポジションを確立するチャンスと捉え、当期も既存事業の一層の強化と先端技術の開発、新事業の開拓を進めました。

事業面では、HAYグループとのシナジーを最大化するべく、HAYグループが強みとする超高速鍛造機を用いた二輪部品製造や、大型ギヤ製造技術の幅広い展開、欧州顧客を中心とした営業活動の強化を進めています。拡大する中国市場強化の一環としては、研究開発拠点の新設、及び南通拠点を中心とした能力増強を進め、現地開発・現地生産ニーズに対応しています。

研究開発面では、次世代自動車に求められる高機能部品を中心に投資を拡大しています。先端技術の取り込みについても、AIを活用した部品外観検査の自動化開発、豊橋技術科学大学との共同研究を通じた最先端技術の実装に、スピードをもって取り組み、製品/サービス両面の競争力向上につなげます。

営業面では、主力製品であるデファレンシャルの受注が全世界で好調に推移し、またEV時代において需要が拡大する高精度ギヤなど、次世代部品の引き合いが増加しています。トランスミッション部品世界トップシェアの二輪事業では、新興国を中心とした海外メーカーからの受注が増加しています。

経営プロセス面では、基幹システムの刷新、グローバルプラットフォームの拡充、世界共通の「グローバルポリシー」の制定や、決算業務の効率化など「真のグローバル企業」となるための施策を推進しています。

※=グローバルオペレーションのベースとなる統一された基幹システム

そのような中、当連結会計年度の業績は、前連結会計年度は半期分であったHAYグループの業績加算が通期分になったことや為替の円安効果に加え、アジア地域の増収により、連結売上高は237,910百万円(前連結会計年度比31.8%増)と大幅な増収となり、連結営業利益は15,767百万円(同41.2%増)、連結経常利益は15,929百万円(同54.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,351百万円(同63.9%増)と大幅な増益となりました。

セグメント別の状況は次の通りです。

(日本)

売上高は28,778百万円(同5.7%増)と増収、利益面では開発費の増加はあったもののセグメント利益は2,164百万円(同1.2%増)となりました。

(北米)

売上高は、円安の影響により43,753百万円(同3.5%増)となりました。利益面では製品構成や一時的な生産コストの上昇によりセグメント利益は1,991百万円(同16.1%減)となりました。

(欧州)

HAYグループの業績加算により、売上高は77,900百万円(同127.3%増)、セグメント利益は1,539百万円(前連結会計年度は333百万円の損失)となりました。

(アジア)

二輪を中心とした好調な業績により、売上高は79,120百万円(前連結会計年度比13.4%増)、セグメント利益は9,431百万円(同27.0%増)となりました。

(南米)

市場の回復に伴う増収及び継続的なコスト削減効果により、売上高は8,357百万円(同19.8%増)、セグメント利益は82百万円(前連結会計年度は725百万円の損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、26,813百万円(前連結会計年度比37.9%増)となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益15,723百万円、減価償却費18,564百万円です。資金の主な減少要因は、売上債権の増減額6,492百万円です。

投資活動の結果使用した資金は、14,336百万円(同60.7%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12,632百万円です。

財務活動の結果使用した資金は、20,534百万円(前連結会計年度は36,116百万円の調達)となりました。主な要因は、借入金の減少17,727百万円です。

この結果、当連結会計年度末における現金及び現金等同等物は、前連結会計年度末に比べ6,950百万円減少し、25,732百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

(ⅰ)生産実績

当連結会計年度におけるセグメント別の生産実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

28,923

104.3

北米

43,619

104.3

欧州

79,882

220.8

アジア

78,931

112.5

南米

8,126

117.5

合計

239,483

131.0

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含んでおりません。

 

(ⅱ)受注実績

当連結会計年度におけるセグメント別の受注実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

28,810

105.9

582

105.7

北米

43,794

104.1

882

104.8

欧州

77,987

229.0

1,618

105.7

アジア

79,436

114.0

2,949

112.0

南米

8,405

124.7

1,101

104.6

合計

238,434

132.6

7,133

107.9

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含んでおりません。

 

(ⅲ)販売実績

当連結会計年度におけるセグメント別の販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

日本

28,778

105.7

北米

43,753

103.5

欧州

77,900

227.3

アジア

79,120

113.4

南米

8,357

119.8

合計

237,910

131.8

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する

割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

20,757

11.5

21,556

9.1

3.金額は販売価格によっており、消費税等は含んでおりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。

なお、本項に記載した予想、見込み、方針等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、重要な見積りや仮定を行う必要があります。

重要な見積りを伴う会計方針とは、本質的に不確実性があり、次年度以降に変更する可能性がある事項、または当連結会計年度において合理的に用いうる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態及び経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものです。

次に挙げるものは、当社グループのすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。

連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。

○退職給付費用及び退職給付債務

当社グループは退職給付債務に関する会計上の見積りを「重要な会計上の見積り」と認識しております。それは仮定の変化が、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるためであります。仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は発生した連結会計年度に債務認識し、翌連結会計年度から費用処理しております。経営者は、現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変更により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

○固定資産

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会  平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号  平成15年10月31日)を適用しています。当社グループが減損を判定する際のグルーピングは各社単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、各社単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に比較可能な市場価額に基づいて行っております。

当社グループは、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

○繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産を計上する際には将来の課税所得を合理的に見積もっており、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合は、評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存する為、その見積り額が減少した場合、繰延税金資産の減額又は評価性引当額を計上することにより税金費用が増額する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの計画の達成状況は以下の通りです。

指標

平成29年度

(計画)

平成29年度

(実績)

平成29年度

(計画比)

連結売上高

213,000百万円

237,910百万円

24,910百万円増(11.7%増)

連結営業利益

13,000百万円

15,767百万円

2,767百万円増(21.3%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

7,800百万円

10,351百万円

2,551百万円増(32.7%増)

1株当たり当期純利益

250.05円

331.69円

81.64円増

当連結会計年度における連結売上高は計画比24,910百万円増(11.7%増)となりました。これは、主に為替の影響及びアジア地域での販売が好調であったことによるものです。連結営業利益は計画比2,767百万円増(21.3%増)となりました。また親会社株主に帰属する当期純利益は計画比2,551百万円増(32.7%増)、1株当たり当期純利益は計画比81.64円増となりました。これは、為替の影響の他、利益体質の高いアジア地域での販売が好調であったためです。

 

③資本の財源及び資金の流動性

(ⅰ)キャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

(ⅱ)借入金等の状況

平成30年3月31日現在の借入金等の概要は以下のとおりであります。

 

区分

年度別要支払額(百万円)

1年以内

1年超5年以内

5年超

合計

短期借入金

10,779

10,779

長期借入金

12,644

54,220

9,141

76,006

社債

10,006

10,006

上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

(ⅲ)財務政策

当社グループは、運転資金につきましては、内部資金及び短期借入金で調達しております。また設備資金につきましては、内部資金及び長期借入金並びに社債で調達しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、世界に信頼されるムサシブランド商品の創造と提供を長期ビジョン「ムサシ・グローバル・ビジョン2020」の主題として掲げ、独創的な商品開発と技術開発に取り組んでおります。各四輪車メーカー、二輪車メーカー、汎用機メーカーと緊密に連携し、PT事業、L&S事業、二輪事業において世界No.1を目標にニーズを先取り出来る提案型の開発をスピード重視で推進しております。また、昨年度よりAIによる製品検査装置の開発にも着手し、スマートファクトリーの具現化に向けた活動も積極的に進めております。研究開発活動は、主に当社および国内子会社の九州武蔵精密㈱が推進し、当連結会計年度における研究開発費は3,489百万円であり、主な成果は次のとおりであります。

(1) 商品開発

当連結会計年度においては、顧客の安全、省燃費化ニーズがますます高まり、要求機能、機構が変化する中、当社が誇る小型・軽量化技術と高い商品品質を活用したオリジナル商品を国内主要メーカーはもとより海外メーカーへも拡販し、新規顧客獲得に向けた提案力強化を図ってまいりました。また、これらを構成する材料や構成部品をグローバルに調達することで、顧客のニーズに合った地域で競争力の高い商品を提供する最適生産体制構築に注力し、今後も、更なるユニークな自社開発商品を、グローバルで拡大し続ける市場へ積極的に提案してまいります。

①PT事業 商品開発

デファレンシャルにおいては、当社の小型・高精度ベベルギヤを適用し、従来比10%ウェイトダウンとなる軽量デファレンシャルアッセンブリィの量産開発および適用拡大を図っております。自動車排気量ごとにラインナップ化しました軽量デファレンシャルアッセンブリィは日本国内の顧客はもちろんのこと、海外顧客向けについても提案・拡販活動を強化し、着実に受注へと繋げております。今後もファイナルギヤ一体構造等を適用した更なる軽量化開発および現地調達化開発を継続的に行い、新規受注に向けた拡販活動を継続してまいります。

プラネタリィギヤにおいては、日本で培ったノウハウを各海外拠点へ水平展開し、日本同等の品質を確保した競争力の高いプラネタリィアッセンブリィの量産を開始し、今後は当社の生産技術力を活かした拡販活動を展開してまいります。

②L&S事業 商品開発

最適設計による小型ボールジョイントとアルミの適用による軽量化を技術軸として、日本はもとより海外の新規顧客からもご評価頂き新規受注へと繋がっております。自動車の電動化に伴う顧客ニーズの変化も視野に入れた新技術開発に取り組むと共に、ボールジョイントだけでなく周辺部品についても軽量化設計を活かして受注活動を積極的におこない、事業の拡大を行ってまいります。

③二輪事業 商品開発

二輪車用トランスミッションシェアー世界No.1サプライヤーとして培ったモノ造りのノウハウや設計・加工技術の融合により、合理性に富み商品魅力に優れるスクーター、モーターサイクル用新商品開発を強力に推進すると共に、二輪用トランスミッションの受託設計へも積極的に展開してまいります。

 

(2) 先進技術研究

ハイブリッド車や電気自動車、電動パーソナルモビリティーに不可欠な独自電動ユニットの研究・開発を推進しております。また、CAE(コンピュータ設計支援)によるシミュレーションやラピッドプロトタイピングを活用した電動ユニットの制御モデル研究、ISO26262に基づいた要求機能分析を実施し、お客様に安心して頂ける電動ユニットの商品化を目指してまいります。

(3) 生産技術開発

①加工技術開発

加工領域においては、自社ブランド商品の現地調達化に向けた最適工程設計の確立を図り、デファレンシャルにおいては、小型軽量化への追求にて他社が追従できない差別化技術の構築を進め、地域の特性を生かした最適設計と現地設備の活用を強力に推し進めております。また、自動車の電動化によって需要の拡大が予想される高精度ギヤなど、次世代部品に対し差別化に向けた加工技術を追求しております。さらに、今後の多種少量生産を見越し、複数の加工工程を1台の機械で行う複合加工機の導入を進め、環境の変化に柔軟に対応できる生産技術を探求しております。

②塑型技術開発

塑型領域においては、ラックエンドハウジングの原価低減活動を軸に、工程削減からコスト低減を成功させ2018年度の量産開始を目指しております。開発領域では新たにサーボプレスを導入し、せん断加工の精度を追究し品質向上と廉価な作りの両立を目指してまいります。武蔵鍛造技術とグループ会社であるHAYの独自技術を融合した「世界で戦える最廉価MT DOG(MT用ギヤのドグ歯)」の鍛造共同開発に着手しております。

③二輪生産技術開発

二輪・汎用領域においては、一貫生産技術の更なる進化による生産効率化と、より付加価値の高いモジュール受注に向けた技術開発を推進しております。大量、廉価に加え、各国の環境規制強化による部品機能・性能への要求が高度化する中、当社では、精密鍛造技術による仕上げ加工の極小化や工程集約などのコスト低減活動を推進しております。一例として多機能部品の一体化および加工レスを軸とした技術開発テーマを事業プロジェクトとして推進しております。また、ムサシ初のハテバ社製の最速熱間フォーマーを今期インドネシアに導入し、更なる競争力強化に尽力しております。拡大する二輪コミューター市場を背景に、冷間及び熱間鍛造技術を更に進化させ、シェービング工程廃止、レース工程削減、歯面仕上げ工程削減等を進めております。今後もHAY、四輪技術とのシナジー効果を最大限活用し、二輪部品生産技術の更なる進化を追求してまいります。

(4) AI研究

製造ラインの設計においては、素材供給、搬送、計測、組立、一部の検査に至るまで自動化を進めてまいりました。この度、この自動化で培ったノウハウを活かし、現在目視で行っている検査についてAIを用いた自動判別の研究を進めております。実際の製造現場をテスト環境とできる強みを活かしてAIによる検査の更なる効率化を目指してまいります。