第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度の世界経済は、米国を中心に先進国で緩やかな成長が継続し、中国では各種政策効果もあり景気は持ち直しの動きがみられました。一方で、英国のEU離脱問題の混乱や、保護主義的な政策の拡大懸念等、先行きに対する不透明感が増しております。

 日本経済は、政府や日本銀行による各種政策効果等により、企業収益や輸出が持ち直すとともに、設備投資の増加や雇用環境の改善もあり、緩やかな回復基調がみられました。

 当社グループの属する自動車市場は、北米や欧州を中心に前年に比べ生産台数は増加し、国内でも新型車効果等により、生産台数・販売台数ともに増加しました。セキュリティ機器部門の主力市場では、住宅ローン金利の低下や相続税対策に伴う賃貸住宅増などが追い風となり、国内の住宅着工戸数が増加する等、個人消費に底堅い動きがみられました。また年度後半には、配送会社による再配達が社会問題になる等、荷物の受け渡しサービスの需要増加が見込まれています。

 この様な状況の中、当社グループは100年企業を目指し、中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)の基本方針である、「収益基盤の強化」 「新事業・新商品開発」 「人材育成」に着実に取り組み活動してまいりました。

 自動車部品事業では、拡充した海外拠点を活用した収益の確保及び向上を目指し、各地域での合理化活動を昨年に引き続き実施しました。

 セキュリティ機器事業の住宅機器部門では、サステナブルな成長に向けて、将来的な国内市場の縮小に備え、成長が期待できる中国・アジア地域での市場獲得を目指し、タイ・中国の販売拠点の人員強化を行いました。また、ロッカーシステム部門では、昨年実施した荷物の受け渡しサービスの実証実験を踏まえ、製品開発の準備を進めました。

 太陽光発電事業では、昨年12月に当社2ヶ所目となる太陽光発電所を、群馬工場敷地内に建設し売電を開始しました。

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は51,066百万円と前年同期に比べ1,042百万円(2.1%)の増収となりました。利益につきましては、営業利益は3,016百万円と前年同期に比べ1,681百万円(126.0%)の増益となりました。経常利益は2,119百万円と前年同期に比べ2,023百万円(2,104.1%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は377百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失397百万円)となりました。

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度において、第2四半期連結会計期間より、ASSA ABLOY ABからの事業譲受のために株式取

得したAlpha Vehicle Security Solutions Czech s. r. o.、ALPHA INDUSTRY PUEBLA, S. A. DE C.V.及びALPHA

(SUZHOU) VEHICLE SECURITY SOLUTIONS CO., LTD.を連結子会社として連結範囲に含めました。これにより、報

告セグメントのうち自動車部品事業について従来の「日本」、「北米」及び「アジア」の3区分から、「日

本」、「北米」、「アジア」及び「欧州」の4区分に変更しております。そのため「欧州」については前期比較

を行っておりません。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」においても同じ。)

 

 ① 自動車部品事業(日本)

自動車部品事業(日本)は、主要得意先の好調な新車販売に伴う生産台数の増加により、売上高は12,787百万円と前年同期に比べ1,769百万円(16.1%)の増収、営業損失は345百万円(前年同期は営業損失1,208百万円)となりました。

 

 ② 自動車部品事業(北米)

自動車部品事業(北米)は、主要得意先での自動車生産台数が増加しましたが円高の影響により、売上高は13,583百万円と前年同期に比べ630百万円(△4.4%)の減収、営業利益は818百万円と前年同期に比べ244百万円(42.6%)の増益となりました。

 

 ③ 自動車部品事業(アジア)

自動車部品事業(アジア)は、新たにPT.ALPHA AUTOMOTIVE INDONESIAを連結しましたが円高の影響により、売上高は18,686百万円と前年同期に比べ2,539百万円(△12.0%)の減収、営業利益は1,381百万円と前年同期に比べ148百万円(12.0%)の増益となりました。

 

④ 自動車部品事業(欧州)

自動車部品事業(欧州)は、売上高は1,903百万円、営業利益は21百万円となりました。

 

 ⑤ セキュリティ機器事業(日本)

セキュリティ機器事業(日本)は、ターミナルロッカーの販売とロッカーオペレーション事業が好調に推移し、また賃貸・戸建住宅向け電気錠の販売が順調に推移したことに伴い、売上高は8,383百万円と前年同期に比べ1,212百万円(16.9%)の増収、営業利益は、977百万円と前年同期に比べ422百万円(76.1%)の増益となりました。

 

 ⑥ セキュリティ機器事業(海外)

セキュリティ機器事業(海外)は、売上高は3,236百万円と前年同期に比べ、399百万円(14.1%)の増収、営業利益は101百万円と前年同期に比べ2百万円(△2.3%)の減益となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,665百万円(前期比6.8%増)となり、前連結会計年度末に比べ491百万円増加しました。また、当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」との差額であるフリー・キャッシュ・フローは889百万円の収入となり、前年同期の2,176百万円の収入に対して1,286百万円の支出の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは4,910百万円の収入(同36.0%増)となりました。主な収入要因は、減価償却費の計上であり、主な支出要因は、売上債権の増加額によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは4,020百万円の支出(前年同期は1,434百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは242百万円の支出(前年同期は1,244百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出によるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)(百万円)

9,900

119.4

自動車部品事業(北米)(百万円)

13,183

93.4

自動車部品事業(アジア)(百万円)

17,190

86.6

自動車部品事業(欧州)(百万円)

1,935

セキュリティ機器事業(日本)(百万円)

2,414

109.2

セキュリティ機器事業(海外)(百万円)

368

60.8

合計(百万円)

44,992

99.8

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)

9,984

119.1

2,088

100.4

自動車部品事業(北米)

13,296

93.3

3,550

100.5

自動車部品事業(アジア)

17,060

90.0

4,540

99.9

自動車部品事業(欧州)

2,270

1,746

セキュリティ機器事業(日本)

7,922

103.1

1,196

75.2

セキュリティ機器事業(海外)

401

74.8

151

126.9

合計

50,935

102.3

13,273

111.8

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)(百万円)

9,976

120.3

自動車部品事業(北米)(百万円)

13,279

93.6

自動車部品事業(アジア)(百万円)

17,236

87.0

自動車部品事業(欧州)(百万円)

1,886

セキュリティ機器事業(日本)(百万円)

8,316

116.6

セキュリティ機器事業(海外)(百万円)

369

60.6

合計(百万円)

51,066

102.1

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2017年6月23日)現在における当社グル

ープの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの

要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。

 

(1) 当社グループの現状認識

 社会・経済状況の変化や技術革新がかつてないスピードで起こる変革の時代において、社会や顧客の要望はますます複雑化・多様化しており、その変化への対応が強く要求されております。

 

①自動車部品事業

 自動車市場は、欧州及びASEANでは販売台数の緩やかな増加が見込まれ、中国では減税策の延長により引き続き拡大が見込まれます。一方、米国の買い替え需要に落ち着きがみられ、日本ではエコカー減税の適用基準厳格化の影響により、前年を下回る見通しです。

 

②セキュリティ機器事業

 セキュリティ機器部門の主力市場は、2019年10月の消費増税まで現状が継続されることが予測され、住宅ローン金利の低下や相続税対策に伴う賃貸住宅増などが追い風となり、国内の住宅着工戸数が増加する一方、配送会社による再配達の社会問題については、関連する業界で色々な動きが予測されます。

 

(2) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」の経営理念のもと、「Innovation for Access」を企業メッセージとして掲げております。

 

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、着実な企業価値の向上を測る尺度として、2016年度~2018年度の中期経営計画について、安定・成長をキーワードに「収益基盤の強化」、「新事業・新商品開発」、そして「人材育成」を3つの基本方針に掲げ、計画目標を達成させるべく推進しております。具体的には中期経営計画の最終年度となる2018年度において、連結売上高600億円、同営業利益率5%以上、新商品売上高比率25%以上、自己資本比率50%以上の達成を目標としております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、経営理念を経営の方針として、お客様の喜びをアルファグループの喜びと受け止め、その結果として収益を安定的に確保できる企業体質を確立いたします。そのために、既存拠点の収益向上と海外拠点の充実を図り、お客様基盤の維持・拡大と、新商品・新拠点に対する積極的な設備投資を継続します。今後も、全ての人が安全・安心に快適な暮らしを享受できるよう、事業活動を通じて地球環境にやさしく、お客様から信頼される『アルファブランド』の確立を目指します。

 

(5) 会社の対処すべき課題

①自動車部品事業

 当社グループの自動車部品事業では、2016年9月末にASSA ABLOY ABより事業取得した欧州拠点のシナジーを生み出し、今後も引き続き、グローバルでの安定的な収益基盤の強化に努めて取り組んでまいります。

 

②セキュリティ機器事業

 当社グループの住宅機器部門では、電気錠を中心に国内シェアをさらに拡大し、海外では中国市場や東南アジア市場を獲得すべく、中国、タイに営業拠点を置いて拡販活動を行っております。

 当社グループのロッカーシステム部門では、鉄道駅などで配送物を受け取れるコインロッカーの実証実験に参画しており、本格的な稼動に向け準備を進めております。

 

③法令の厳守とガバナンスの強化

 当社は、2016年9月に米国司法省との間で、特定顧客向けの自動車部品(ドアハンドル、キーセット及びステアリングコラムロック) の一部の取引に関し、米国反トラスト法に違反したとして、罰金900万米ドルを支払うこと等を内容とする司法取引に合意いたしました。このような事態に至りましたことを、株主の皆様に深くお詫び申し上げます。当社は、この度の事態を厳粛に受け止め、同法をはじめとした関連法令の教育および競合他社との接触に関する社内規程の制定など再発防止策を徹底し、社内のコンプライアンス体制をより一層強化してまいります。全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、今後も引き続きコンプライアンスを徹底し、信頼回復に努めてまいります。

 

(6) 会社の支配に関する基本方針

 当社は、2010年8月6日開催の取締役会において、下記のとおり、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を決議いたしました。

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

 当社は、自動車や住宅、そして産業用機器等の様々な分野にキーとキーレス商品を提供する総合ロックメーカーとして、「日々新たに、自らを変えていく」という企業理念のもと、時代に合わせて自らを変え、お客様のニーズにあった製品を提供し、お客様に「安全・安心・利便性」をお届けすることで社会に貢献しております。そして安定した財務体質を維持し、事業環境の変化があっても収益を創造し確保する磐石な企業体質を有するグローバルな企業を目指しております。

 上記の企業理念と目指す姿を実現するため「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」という経営理念のもと、世界各国からのお客様のニーズにお応えできる新製品の開発と生産・供給体制の構築改善を継続的に行っております。この活動を支えるのは、当社グループのすべての役員及び従業員の一人ひとりが責任を果たし、全員で企業価値向上に取り組むという、長年の企業文化を共有する人材であると考えております。

 また、株主還元につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを方針としております。

 当社は、当社の株式の大量取得を目的とする買付が行われる場合、それに応じるか否かは、最終的には株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えており、経営支配権の異動を通じた企業活動の活性化の意義や効果を否定するものではありません。

 従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念の実現のため、上記の経営方針の実行と企業価値向上に中長期に継続して取り組む者であるべきと考えております。

② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針が支配されることを防止するための取組み

 現在のところ、当社は、当社の株式の大量取得を行う者に対し、これを防止する具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めておりませんが、当社の株式の大量取得を企図する者が出現した場合には、当社は社外の専門家を交えて当該取得者の提案内容を上記の基本方針や株主共同の利益に照らして、慎重に判断いたします。

 当該大量取得が不適切な者によると判断した場合には、下記の要件の充足を前提として、具体的な対抗措置の内容等を速やかに決定し、実行いたします。

イ.当該措置が基本方針に沿うものであること。

ロ.当該措置が当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと。

ハ.当該措置が当社の役員の地位の維持を目的とするものではないこと。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の皆様の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。下記事項のうち将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。

(1) 当社グループの各事業のリスク

 当社グループは、総合ロックメーカーとして、グローバルな事業展開を行っております。各事業セグメントにおけるリスクは以下のとおりです。

① 自動車部品事業(日本・北米・アジア・欧州)について

a.主要な販売先について

 当社グループ連結売上高に占める自動車部品事業の比率は、前連結会計年度で84.5%、当連結会計年度で83.0%となっております。また、連結売上高に占める日産自動車株式会社グループに対する販売比率は、前連結会計年度で62.5%、当連結会計年度で57.6%となっております。

 今後は、同社グループ以外の自動車メーカーとの取引や自動車部品事業以外の売上高も拡大していく方針ですが、主要販売先をはじめとした自動車メーカーの生産動向、当社グループ製品の装着率及び製品納入価格等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

b.自動車部品の品質について

 当社グループは製品の不具合の発生防止には万全を期しておりますが、リコールやサービスキャンペーン等の重大不具合が発生した場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

② セキュリティ機器事業(日本・海外)について

a.住宅関連事業における住宅新築着工件数の影響について

 住宅用ロックについては、住宅の新築着工の動向により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

b.産業用ロック分野における市場動向について

 産業用ロックは、「自動販売機用ロック」を主としており、自動販売機の生産台数に影響を受けております。自動販売機の生産台数は設置場所の飽和化やメーカーによる製品寿命の延長化を主な要因として減少傾向が続いており、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

c.ロッカーシステム分野における市場動向について

 ロッカーシステムは、レジャー関連施設の新設数やレジャー・観光市場の動向などにより、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

(2) 全社的リスク

① 為替変動の影響について

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高は、前連結会計年度で69.2%、当連結会計年度で64.2%となっております。
 従いまして、当社グループの連結財務諸表については円換算相場が大幅な円高となった場合には、当社グループの業績及び財政状態にマイナスの影響を与える可能性があります。

② 海外事業展開のリスクについて

 当社グループは、北米、アジア及び欧州地域に現地法人を設立し事業展開をしております。それぞれの国や地域において、環境の違いに基づく労働争議、電力・水・輸送等インフラ部分での障害、戦争・テロ及び治安の悪化、伝染病等衛生上の問題の発生があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 知的財産・製造物責任・法規制等のリスクについて

 当社グループでは、他社の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらの開発等の成果が他社の知的財産権を侵害しているとして、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。また、製品の欠陥に起因して損害賠償に繋がるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じる可能性、及び、法規制により事業活動が制限される可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

④ 有価証券投資のリスクについて

 当社は、取引先や取引金融機関の株式を中心に長期保有目的での有価証券投資を行っております。当社保有株式の価格変動が、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

自動車部品事業

1.合弁契約

締結年月

契約の名称

相手先

契約期間

契約の概要

2004年9月

合弁契約書

丸紅オートモーティブ㈱

自2004年4月

至営業許可取得後50年間

ALPHA (GUANGZHOU) AUTOMOTIVE
PARTS Co.,LTD.の設立のための合弁契約

 

2.ASSA ABLOY ABのカーアクセス・セキュリティ事業の譲受について

 当社は、2016年3月2日開催の取締役会において、ASSA ABLOY ABの手掛けるカーアクセス・セキュリティ事業を取得することについて決議し、2016年9月30日付で事業譲受を完了いたしました。

 本件に関する詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

  当社グループは、経営理念にある「お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」のため、製品開発・技術開発・工法開発を促進しております。そして、お客様価値は「良品廉価」にあると受け止め、これを実現する新事業・新商品を開発するため、研究開発活動に注力しております。

  具体的には、メカニカルな認証技術を深耕するのみならず、生体認証技術を含む非接触認証技術を用いた新商品開発を行うとともに、新しいビジネスモデルの創出活動を行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,546百万円となっております。

(1) 自動車部品事業(日本・北米・アジア・欧州)

 当社製品開発はグローバルで迅速に対応するとともに、コア技術を基盤とした継続的な新製品開発に取り組んでおります。

 2016年9月に「ASSA ABLOY AB のカーアクセス・セキュリティ事業の譲受」により開発拠点においては、ヨーロッパ(スイス、チェコ)との連携が可能となり、さらに、東南アジア・インド市場において、現地カーメーカーのニーズに対応した製品開発と更なる価格競争力の強化を目的にタイに開発拠点の開設を決定し、2017年6月に開設予定です。これにより、開発拠点は日本、アメリカ、中国、タイ、スイス、チェコの6拠点となりグローバルで迅速に対応する環境が整備されました。

 また、これにより、両者の強みを生かし幅広い顧客に競争力ある製品を提供する開発体制と具体的な製品開発、先行開発に着手いたしました。

 先行開発・実用化研究においては、2015年度同様にドアアクセスのためのセンサー応用製品に加え、アシスト制御の研究にも着手いたしました。加えて、車両レイアウトの自由度向上のために、さらなる小型・軽量化ステアリングロックの構想を完了し製品化を目指しています。

 製品開発においては、エンジン始動・停止にかかわる重要部品であるイグニッションスイッチでは、ヒューマンエラーを完全に排除した全自動工程に取り組み量産を開始いたしました。

 2017年は、日本国内の開発とモノ造りの連携に加え、開発6拠点の効率的な運用と、その専門性を生かすことで、よりロバスト性が高く、安価で高品質な製品を提供してまいります。

 今後も、上述した新製品の市場投入に向けて、多様なアクセス製品を開発し、”Innovation for Access”を実践してまいります。

 

 なお、自動車部品事業の当連結会計年度研究開発費は、1,242百万円となっております。

(2) セキュリティ機器事業(日本・海外)

① 住宅・産業用ロック部門

 「鍵=識別」を基本コンセプトに、技術を更に高めたメカ・シリンダー開発 及び エレクトロニクスによる識別技術を組み込んだメカトロニクス製品の開発継続に取り組んでおります。

 YKK AP株式会社様の主力玄関ドアに標準採用された電気錠は、2012年4月にカード仕様(YKK AP様『ピタットkeyキー』)、6月にはパッシブ仕様(YKK AP様『ポケットkey』)と相次いで発売し、また2014年にはカード仕様とパッシブ仕様との統合機種、2015年にはAC100V電源配線を不要とした乾電池での駆動機種と特殊塗料を用いた高級意匠機種、2016年にはスライディングドア(引戸)で使用できる機種、と着実に製品ラインナップの拡充と販売数量の拡大を行ってきました。

 アルファブランド製品としては、暗証番号式電池錠『edロック』のフルモデルチェンジ製品として開発した、暗証番号+カード認証電池錠『edロックPLUS』を2014年から発売し、ご採用頂けるハウスメーカ様、管理会社様を伸ばしております。また、海外 特に東南アジアを中心とした住宅デベロッパー様、代理店様のご採用も順調に増えています。

 これまで国内で培った認証技術、超低消費電流回路技術と信頼性の高いメカ機構とを融合させた高セキュリティ製品開発の継続に加え、スマートフォンと電気錠とのネットワーク化など国内外のニーズをとらえた利便性の高い製品開発を加速し、良品廉価な製品を提供してまいります。

② ロッカーシステム部門

 「安心空間の創造」を基本コンセプトにロッカー製品に求められる安全性と利便性を「鍵」で培った技術などを生かし、メカニカルなコア要素とエレクトロニクス技術の相乗効果を用いて認証技術、ロックアクセス制御技術を応用し、商品開発を展開しております。
 新たな取り組みとして、物流業界に於ける宅配物の再配達に伴う社会的問題に対する解決策の一つとして、当社が鉄道駅に展開しているロッカーの空き状態を有効活用し、受け取りを可能とする製品を鉄道関連会社、物流会社と開発し、荷物の受け渡しサービスの実証実験を2016年2月から京王線(2017年5月現在17駅)にて行いました。今後、物流のラストワンマイル対応に当社ロッカーメカトロ技術の強みを活かし、より効果を発揮できるシステムプラットフォームを構築し、新たなビジネスモデルに展開できるように努めてまいります。

 

 なお、セキュリティ機器事業の当連結会計年度研究開発費は、304百万円となっております。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 当社の連結財務諸表の作成において、損益又は財産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 なお、当社が行っている会計上の見積りのうち、特に重要なものとしては、次のものがあります。

① 製品保証引当金

 当社グループは、販売済製品に対して、将来の発生が見込まれる補修費用に備えるため、発生見積額を計上しております。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、開発・製造から販売・サービスまで最善の努力を傾けておりますが、実際の製品の欠陥等により発生した補修費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

② 繰延税金資産

 実現可能性のある継続的な税務計画を考慮した将来の課税所得の見積額を基礎に、回収可能性を検討したうえで計上しております。将来の課税所得が経済環境の変化や収益性の低下により、予想された額よりも低い場合には、繰延税金資産の金額は調整される可能性があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は、54,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,997百万円増加いたしました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ810百万円増加し、14,248百万円となりました。各項目別の主な要因は次のとおりであります。

(資産の部)

 流動資産は、受取手形及び売掛金が2,152百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ3,603百万円増加し、30,101百万円となりました。

 固定資産は、有形固定資産が269百万円、投資その他の資産が856百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ605百万円減少し、24,406百万円となりました。

(負債の部)

 流動負債は、支払手形及び買掛金が1,933百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ4,176百万円増加し、18,168百万円となりました。

 固定負債は、長期未払金が316百万円増加したこと等により前連結会計年度末に比べ183百万円増加し、10,416百万円となりました。

(純資産の部)

 純資産は、利益剰余金が122百万円、為替換算調整勘定が1,290百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ1,363百万円減少し、25,931百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.3%から5.2ポイント減少し46.1%となりました。

 

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,042百万円増加し、51,066百万円となりました。この主な増加要因は、北米の自動車部品事業の主要得意先の生産台数が増加した事によります。

(売上原価)

 当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ907百万円減少し、41,459百万円となりました。この主な増加要因は、売上高の増加に伴うものです。

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ267百万円増加し、6,590百万円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ1,681百万円増加し、3,016百万円となりました。

(営業外損益)

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ89百万円増加し、447百万円となりました。

 当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ251百万円減少し、1,344百万円となりました。これは、当連結会計年度に為替差損を1,061百万円計上したこと等によります。

 以上の結果当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2,023百万円増加し2,119百万円となりました。

(特別損益)

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ254百万円増加し、362百万円となりました。

 当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べ1,221百万円増加し、1,269百万円となりました。

 以上の結果当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ775百万円増加し377百万円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フロー)

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」の項目をご参照ください。

 キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

2015年3月期

2016年3月期

2017年3月期

自己資本比率

52.1%

51.3%

46.1%

時価ベースの自己資本比率

23.2%

20.3%

35.1%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

3.84年

3.72年

2.90年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

18.5倍

16.4倍

25.9倍

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針

 当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努め

ておりますが、近年の自動車部品関連事業のビジネス環境の変化に鑑みると、当社グループを取り巻く事業環

境は、楽観視できるものではありません。

 かかる問題意識の中、当社グループの経営陣は、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で示された課題を着実にこなし、財務体質の一層の改善等を図り、安定した収益基盤の確立のために、積極果敢な挑戦を続けてまいる所存です。