第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2021年6月24日)現在における当社グル

ープの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの

要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。

 

(1) 当社グループの現状認識

市場競争の激化や市場構造の変化、原材料市況や為替の変動等、かつてないスピードで起こる変革の時代において、社会や顧客の要望はますます複雑化・多様化しており、その変化への対応が強く要求されております。さらに、事業がグローバルに拡大し、さまざまな分野で変革が進む中、事業環境を取り巻くリスクにも対応していく必要があります。このような中、当社グループは、以下のような課題に対し適切に対処してまいります。

 

①自動車部品事業

新型コロナウイルス感染症の拡大防止策が講じられつつありますが、長期化に伴う世界経済の活動の停滞は依然として続いており、感染拡大前の水準に戻るには相応の時間を要するものと予測されます。加えて、世界的な半導体や原材料の供給不足と価格の高騰等により当社グループ事業にも多大な影響が及んでおります。

 

②セキュリティ機器事業

セキュリティ機器事業の主力市場である住宅市場においては、従来からの人口減少や低い経済成長率により長期的な住宅着工戸数のダウントレンドは変わらないものの、新型コロナウイルス感染症の拡大により、非接触、抗ウイルス、在宅等に関連した新たなニーズや市場が顕在化してきました。また、近年、家事支援・福祉等のサービス事業者やIoT機器との連携による居住者への新たな価値提供が求められてきております。

 

(2) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」の経営理念のもと、「Innovation for Access」を企業メッセージとして掲げております。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、更なる企業価値の向上を測る尺度として、2019年度~2022年度の中期経営計画において、成長・安定をキーワードに「新事業・新商品開発」、「収益基盤の強化」、そして「人材育成」を3つの基本方針に掲げ、計画目標を達成させるべく推進してまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

2021年は、2019~22年中期経営計画の3年目となります。ALPHA WAYに掲げる経営理念「個々の質を高め、お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」をグループ全員で共有し実践してまいります。また、当社グループに携わるすべての関係者のコンプライアンス意識を向上させることに努め、企業としての社会的責任を果たしてまいります。さらに人の暮らしに関わるアクセスをもっと安心で便利にという意味を込めた企業メッセージ「Innovation for Access」を実現すべく、グループ一丸となって更なる努力と精進を重ね、お客様から信頼される『アルファブランド』の確立を目指します。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①自動車部品事業

当社グループの自動車部品事業では、当社グループとして総力を挙げた合理化活動を徹底し、事業への影響を極小化していくとともに、将来に向けた投資の継続により中期経営計画に基づく成長戦略の具現化に全力を挙げてまいります。

 

②セキュリティ機器事業

住設機器部門では、付加価値を向上させた電気錠の新商品開発を継続し、今後も成長が見込まれる電気錠市場において国内シェアを拡大させてまいります。更には、過去に販売した電気錠の代替需要に基づくストックビジネスの成長を目指します。海外市場においてはアルファブランドの浸透を図り、中国、タイの営業拠点で引き続き拡販活動を行ってまいります。

ロッカーシステム部門では、引き続き製品のIoT化を積極的に進め旧機種から入替促進を図ると共に、省人・省力化に加え、非対面でモノの受け渡しができるロッカーの開発を行ってまいります。

 

 

③財務上の課題

当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等があります。当社グループの資金に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。

当連結会計年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営環境の急激な変化を踏まえ、守りの財務を前提として手許資金の確保を優先いたしましたが、財務健全性を向上させる施策を推進してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の皆様の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスクを十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をしてまいります。下記事項のうち将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。

(1) 当社グループの各事業のリスク

当社グループは、総合ロックメーカーとして、グローバルな事業展開を行っております。各事業セグメントにおけるリスクは以下のとおりです。

① 自動車部品事業(日本・北米・アジア・欧州)について

a.主要な販売先について

当社グループ連結売上高に占める自動車部品事業の比率は、前連結会計年度で83.4%、当連結会計年度で80.8%となっております。また、連結売上高に占める日産自動車株式会社グループに対する販売比率は、前連結会計年度で41.8%、当連結会計年度で38.5%となっております。

今後は、同社グループ以外の自動車メーカーとの取引や自動車部品事業以外の売上高も拡大していく方針ですが、主要販売先をはじめとした自動車メーカーの生産動向、当社グループ製品の装着率及び製品納入価格等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

b.自動車部品の品質について

当社グループは製品の不具合の発生防止には万全を期しておりますが、リコールやサービスキャンペーン等の重大不具合が発生した場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

② セキュリティ機器事業(日本・海外)について

a.住宅関連事業における住宅新築着工件数の影響について

住宅用ロックについては、住宅の新築着工の動向により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。当社グループは住宅の新築着工の動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、生産・販売計画の修正等の検討を適時に行っております。

b.ロッカーシステム分野における市場動向について

ロッカーシステムは、国内外の旅行者の増減による駅・空港関連施設の利用状況、レジャー関連施設の新設数やレジャー・観光市場の動向などにより、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。

当社グループは市場動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、生産・販売計画の修正等の検討を適時に行っております。

(2) 全社的リスク

① 世界経済の急激な変動

当社グループでは、主要な事業分野であります自動車部品関連の製品をグローバルに供給していることから、世界的な景気の変動に強く影響されます。日本、アジア、北米および欧州など世界の主要市場での、予測を超える急激な景気後退と需要の縮小は、当社グループの経営成績および財政状態に多大な影響を与える可能性があります。

当社グループは世界経済全般のみならず、海外の特定地域に固有の経済動向に加え、近年の急速な技術革新等による産業構造等の変化が、当社グループにおける既存のビジネスモデルや将来の財政状態、業績にどのように影響するかをモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において検討を行っております。

② 為替および金利変動の影響

当社グループの連結売上高に占める海外拠点売上高は、前連結会計年度で73.8%、当連結会計年度で71.7%となっております。

従いまして、当社グループの収益は、外国為替相場の変動に影響を受けます。当社の連結財務諸表は、日本円で表示されているため、換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。当社グループは、為替相場および金利の変動リスクを軽減するために、現地調達や現地生産を拡大し為替リスクの低減を図るとともに、円建契約の推進やタイムリーな為替予約の実施等によるリスクヘッジに取り組んでおります。

③ 原材料価格の上昇

当社グループは、製品製造に使用する原材料、部品等を外部より調達しております。市況の変化による原材料価格の大幅な変動については、購入部品代や製造コストの上昇につながり、これらのコストを製品の販売価格に転嫁できない、あるいは仕入先がこれらのコストを十分に吸収できない結果、将来の収益性に悪影響を与える可能性があります。当社グループでは、市況動向をモニタリングし、取締役会を含む各種会議体において、その影響度の確認を適時に行っております。

 

④ 海外事業展開のリスクについて

当社グループは、グローバルに事業を展開しているため様々なカントリーリスクにさらされています。これらのリスクとは、自然災害、事故などによるインフラの障害や、戦争、テロ、ストライキ、操業の中断などがあげられます。当社が製品を製造するための材料・部品・資材などを調達し、または当社の製品が製造・流通・販売される主な市場において、これらの事態が生じた場合は、事業運営に障害または遅延をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは世界各国の動向について各拠点から情報を入手し、モニタリングした上で適時に必要な措置を取れる体制を整えております。

⑤ 法的規制・訴訟

当社グループは国内外において、各種法令・規制に則り、事業活動を行っております。グループ全体として法令遵守の徹底を図っておりますが、新たな法規制の導入や法規制の想定外の変更により、事業活動に対する制約、コストの増加等を通じ、当社グループ業績に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合には、当社グループが課徴金等の行政処分、刑事処分、訴訟等の対象となり、当社グループの社会的評価が低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 知的財産権

当社グループは、知的財産を重要な経営資源と位置づけ、第三者の知的財産権に対する侵害の予防と当社グループが保有する知的財産権の保護に努めております。しかし、見解の相違等の理由により、第三者からの特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償等を提起された場合、第三者による知的財産権侵害により当社グループの競争優位性が侵害を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 環境規制

当社グループは、国内外において、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、省エネルギー・地球温暖化対策等に関し、様々な環境関連法規制の適用を受け、これに対応しております。将来、新たな環境に関する規制が導入された場合や既存の規制が厳格化された場合、当社グループがこれらの法規制に抵触したと当局が判断した場合等には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 新型コロナウイルス感染症について

当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対して下記の基本方針を定め、感染予防対策に取り組んでおります。具体的な対応として、個室での10名以上の会議、国内外の出張、イベント等の開催を原則禁止とし、在宅勤務、時差通勤の促進等の安全対策を施しております。また、海外拠点においても在宅勤務を推進し、適宜、各国の状況に合わせた対応を行っております。

1.従業員の安全確保

2.Cashの確保

3.サプライチェーン・得意先対応

今後有効な治療薬・ワクチンの開発・普及により状況が改善することが期待されますが、ワクチン接種の遅れや変異種の蔓延等により、コロナ禍の影響が悪化・長期化する場合には、当社グループ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 固定資産に関する減損リスク

当社グループが保有する有形固定資産、のれん及び無形資産等の固定資産は、減損リスクにさらされております。現時点において必要な減損等の処理を実施し、適時適切な各拠点の業績管理及び経営指導・助言を行っておりますが、今後各種市況の悪化、需要の減退及び開発計画の変更等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には、更に必要な減損処理を実施することになります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の概況

当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染の影響により、上期においては、都市封鎖(ロックダウン)が各国随所で実施され経済活動が停止し、その結果、個人消費、企業業績ともに国内消費の急減、輸出の大幅な減少や海外生産の急速な低下の影響により著しく低迷しました。下期に入るに従いワクチンの開発・治験も進み、接種を開始してからは一部の地域で日常生活に落ち着きを取り戻してきた結果、企業業績を回復する産業も見られ、通期での業績見通しを見直す業界も出てくるようになりました。

わが国経済においても、世界における状況と概ね同様に推移し、上期は経済活動が大きく停滞しましたが、下期は経済活動の本格的な再開の動きから緩やかながらも回復途上の状況となりました。しかしながら、その回復のスピードはウイルス変異種の出現もあり、非常に不透明な状況であります。

当社グループの属する自動車市場は、国内外ともに上期において新型コロナウイルス感染症拡大の影響を強く受け、生産拠点の閉鎖・休業を余儀なくされ、生産、販売ともに前期に比べ大きく減少いたしました。しかしながら、生産拠点の再開により、生産、販売ともに回復する動きとなりました。

また、セキュリティ機器事業の主力市場において、2020年度の住宅着工戸数は前年度を約8%(約7万戸)下回る結果となりました。これは賃貸住宅に関して、前年度から継続している金融庁による融資の監視強化に伴う着工数の減少が大きく影響しました。戸建住宅については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による営業自粛などが見られ、結果として前年度を下回りました。

コインロッカーのオペレーション収入は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛・インバウンド減の影響を受け、大幅な減収となりました。

この他、太陽光発電事業において、2016年12月より2基での稼働となった南アルプス太陽光発電所・群馬太陽光発電所の発電量は堅調に推移いたしました。なお、この太陽光発電は、当社の使用電力の約35%に相当します。

 

② 定性的成果

このような経営環境の中、当社グループは100年企業を目指し、2019年度からの4ヶ年中期経営計画の2年目を迎えました。基本方針である「新事業・新商品開発」 「収益基盤の強化」 「人材育成」を、当社グループ一丸となって着実に取り組みました。具体的な成果は下記のとおりであります。

「新事業・新商品開発」については、自動車部品事業では、北米/メキシコで VW SUV向けのインサイドハンドルを投入、また当社製品を採用したホンダ新型SUV、日産新型SUVが立ち上がりました。セキュリティ機器事業では、商品を非対面で受け渡しするロッカーSTLシリーズを発売いたしました。ウイルス等への感染リスクを抑制して受け渡しができることから、複数の処方箋薬局で採用されています。また、賃貸住宅向けに開発された日本初テンキー内蔵プッシュプル電気錠ePPHが、その高いセキュリティ性とデザイン性によりハイクラスの賃貸物件に納入され、新たな市場を開拓しました。さらに、ePPHは大手賃貸住宅メーカーへの採用も決まり、今後、納入が開始される予定です。

「収益基盤の強化」では、スケールメリットによる利益獲得を目指す方針から、利益の質を重視した方針への転換を徹底し、各地域で徹底した工程ロス削減、自動化、在庫削減等を積極的に進めました。また、同時に、固定費と変動費の抜本的な見直しを行い、昨年度実施いたしました自動車部品事業(日本)の固定資産減損処理、その他固定費の削減・抑制を実施した結果、2019年度の売上高水準から約20%低下しても利益が出る水準まで損益分岐点売上高を下げることができました。

「人材育成」では、次世代のリーダーを育成するべく、選抜型のトップマネジメント研修を継続して実施いたしました。

 

 

③ 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ625百万円減少し、55,741百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、長期借入金が前連結会計年度末に比べ1,489百万円増加したものの、短期借入金が1,087百万円減少、支払手形及び買掛金が294百万円減少、社債の償還により450百万円減少、リース債務が341百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ829百万円減少し、29,138百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ203百万円増加し、26,602百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は47,612百万円と前年同期に比べ12,582百万円(20.9%)の減収となりました。利益につきましては、営業利益は867百万円と前年同期に比べ944百万円(52.1%)の減益となりました。経常利益は1,050百万円と前年同期に比べ649百万円(38.2%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は224百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,210百万円)となりました。

 

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

自動車部品事業(日本)

自動車部品事業(日本)は、下期から回復基調に転じたものの、上期における主要得意先での生産台数の減少により売上高は7,351百万円と前年同期に比べ1,869百万円(20.3%)の減収営業損失は220百万円(前年同期は営業損失260百万円)となりました。

 

自動車部品事業(北米)

自動車部品事業(北米)は、主要得意先での一定期間の生産停止等の影響により、売上高は9,157百万円と前年同期に比べ4,556百万円(33.2%)の減収となりました。また、原材料費の増加等により、営業利益は258百万円と前年同期に比べ348百万円(57.4%)の減益となりました。

 

自動車部品事業(アジア)

自動車部品事業(アジア)は、中国での生産販売の回復は早かったものの、ASEANでの回復の遅れ等の影響により、売上高は15,191百万円と前年同期に比べ4,315百万円(22.1%)の減収営業利益は584百万円と前年同期に比べ272百万円(31.8%)の減益となりました。

 

自動車部品事業(欧州)

自動車部品事業(欧州)は、3月から4月にかけての主要得意先での一定期間の生産停止、また、その後の生産調整が続いたこと等の影響により、売上高は9,509百万円と前年同期に比べ2,118百万円(18.2%)の減収となり、営業損失は198百万円(前年同期は営業損失153百万円)となりました。

 

セキュリティ機器事業(日本)

セキュリティ機器事業(日本)は、年度を通して旅行者減少・外出規制等によりコインロッカー関係の売上が減少したこと等により、売上高は8,058百万円と前年同期に比べ958百万円(10.6%)の減収営業利益は753百万円と前年同期に比べ463百万円(38.1%)の減益となりました。

 

セキュリティ機器事業(海外)

セキュリティ機器事業(海外)は、売上高は4,550百万円と前年同期に比べ80百万円(1.7%)の減収営業利益は389百万円と前年同期に比べ0百万円(0.1%)の減益となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,820百万円(前期比3.8%減)となり、前連結会計年度末に比べ310百万円減少しました。また、当連結会計年度における「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」との差額であるフリー・キャッシュ・フローは1,097百万円の収入となり、前年同期の61百万円の収入に対して1,035百万円の増加となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは3,060百万円の収入(前期と比べて406百万円収入が減少)となりました。主な収入要因は、減価償却費であり、主な支出要因は、売上債権の増加額です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,962百万円の支出(前期と比べて1,441百万円支出が減少)となりました。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1,343百万円の支出(前期は412百万円の収入)となりました。主な支出要因は、長期借入金の返済による支出です。

⑤ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)(百万円)

5,441

80.6

自動車部品事業(北米)(百万円)

9,013

66.7

自動車部品事業(アジア)(百万円)

14,762

78.8

自動車部品事業(欧州)(百万円)

9,141

80.9

セキュリティ機器事業(日本)(百万円)

7,983

88.9

セキュリティ機器事業(海外)(百万円)

1,093

111.3

合計(百万円)

47,436

78.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)

5,752

93.0

1,277

132.7

自動車部品事業(北米)

9,531

77.0

2,919

120.6

自動車部品事業(アジア)

15,064

83.4

4,287

107.6

自動車部品事業(欧州)

8,905

77.0

2,661

88.3

セキュリティ機器事業(日本)

8,254

91.5

2,122

111.5

セキュリティ機器事業(海外)

1,144

115.6

297

123.1

合計

48,651

83.6

13,564

108.3

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

自動車部品事業(日本)(百万円)

5,437

80.4

自動車部品事業(北米)(百万円)

9,032

67.1

自動車部品事業(アジア)(百万円)

14,763

78.7

自動車部品事業(欧州)(百万円)

9,256

82.5

セキュリティ機器事業(日本)(百万円)

8,035

89.4

セキュリティ機器事業(海外)(百万円)

1,088

110.6

合計(百万円)

47,612

79.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日産自動車株式会社グループ

25,153

41.8

18,307

38.5

The Volkswagen Group

8,963

14.9

6,802

14.3

※ 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先

につきましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

Ⅰ. 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めておりますが、近年のビジネス環境の変化に鑑みるに、国内外の企業とのグローバル競争が今後も予想されることから、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、グローバル市場の急激な変化に的確に対応するため、安定した収益基盤の確立とお客さまの価値観とニーズに対応した新事業・新商品開発により、競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。今後、当社グループの想定を超えてグローバル市場が悪化した場合や、お客さまのニーズに対応する製品を開発・提供できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

a.財政状態及び経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末における総資産は、55,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ625百万円減少しました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ498百万円減少し、17,548百万円となりました。

各項目別の主な要因は次のとおりであります。

(資産の部)

流動資産は、受取手形及び売掛金が887百万円増加しましたが、現金及び預金が463百万円減少、原材料及び貯蔵品が758百万円減少、商品及び製品が133百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ568百万円減少し、28,708百万円となりました。

固定資産は、証券市場における株価の上昇により投資有価証券が1,009百万円増加しましたが、有形固定資産が627百万円減少、無形固定資産も362百万円減少しました。これは設備投資の増加に比べ、減価償却が進んだことによるものであります。以上の結果、前連結会計年度末に比べ51百万円減少し、27,021百万円となりました。

なお、設備投資につきましては厳しい経営環境の中でも、メキシコ・中国において今後の技術革新に対応した新規設備の戦略的な導入を進めております。

(負債の部)

流動負債は、短期借入金が1,087百万円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ1,726百万円減少し、16,921百万円となりました。

固定負債は、リース債務が399百万円減少した一方、長期借入金が1,489百万円増加したことにより前連結会計年度末に比べ897百万円増加し、12,217百万円となりました。

(純資産の部)

純資産は、為替換算調整勘定が543百万円減少した一方、その他有価証券評価差額金が837百万円増加したことにより前連結会計年度末に比べ203百万円増加し、26,602百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の44.8%から0.9ポイント改善し45.7%となりました。

 

2)経営成績

(売 上 高)

当連結会計年度の売上高は、市場の減速並びに主要得意先の減産等により、前連結会計年度に比べ12,582百万円減少し、47,612百万円となりました。

 

 

(売 上 原 価)

当連結会計年度の売上原価は、原材料費等の減少により、前連結会計年度に比べ10,692百万円減少し、40,150百万円となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ945百万円減少し、6,594百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ944百万円減少し、867百万円となりました。

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ232百万円増加し、657百万円となりました。

当連結会計年度の営業外費用は、支払利息及び社債利息を238百万円計上したことから前連結会計年度に比べ62百万円減少し、474百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ649百万円減少し、1,050百万円となりました。

(特 別 損 益)

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ302百万円増加し、333百万円となりました。

当連結会計年度の特別損失は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を背景とした各国政府等の要請に基づき、各拠点の操業停止を実施した期間及び操業時間を短縮化した期間に該当する固定費部分を臨時損失として814百万円計上したこと等により、前連結会計年度に比べ735百万円減少し、860百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,435百万円増加し、224百万円となりました。

 

 

 

b.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

① 自動車部品事業(日本)

自動車部品事業(日本)は、下期から回復基調に転じたものの、上期における主要得意先での生産台数の減少により売上高は7,351百万円と前年同期に比べ1,869百万円(20.3%)の減収営業損失は220百万円(前年同期は営業損失260百万円)となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ349百万円減少の7,625百万円となりました。

 

② 自動車部品事業(北米)

自動車部品事業(北米)は、主要得意先での一定期間の生産停止等の影響により、売上高は9,157百万円と前年同期に比べ4,556百万円(33.2%)の減収となりました。また、原材料費の増加等により、営業利益は258百万円と前年同期に比べ348百万円(57.4%)の減益となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ998百万円減少の10,691百万円となりました。

 

③ 自動車部品事業(アジア)

自動車部品事業(アジア)は、中国での生産販売の回復は早かったものの、ASEANでの回復の遅れ等の影響により、売上高は15,191百万円と前年同期に比べ4,315百万円(22.1%)の減収営業利益は584百万円と前年同期に比べ272百万円(31.8%)の減益となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ879百万円減少の17,834百万円となりました。

 

④ 自動車部品事業(欧州)

自動車部品事業(欧州)は、3月から4月にかけての主要得意先での一定期間の生産停止、また、その後の生産調整が続いたこと等の影響により、売上高は9,509百万円と前年同期に比べ2,118百万円(18.2%)の減収となり、営業損失は198百万円(前年同期は営業損失153百万円)となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ50百万円増加の8,382百万円となりました。

 

⑤ セキュリティ機器事業(日本)

セキュリティ機器事業(日本)は、年度を通して旅行者減少・外出規制等によりコインロッカー関係の売上が減少したこと等により、売上高は8,058百万円と前年同期に比べ958百万円(10.6%)の減収営業利益は753百万円と前年同期に比べ463百万円(38.1%)の減益となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ205百万円減少の6,558百万円となりました。

 

⑥ セキュリティ機器事業(海外)

セキュリティ機器事業(海外)は、売上高は4,550百万円と前年同期に比べ80百万円(1.7%)の減収営業利益は389百万円と前年同期に比べ0百万円(0.1%)の減益となりました。

資産は前連結会計年度末に比べ131百万円増加の2,837百万円となりました。

 

Ⅱ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキ

ャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」の項目をご

参照ください。

キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本比率

49.5%

44.8%

45.7%

時価ベースの自己資本比率

22.7%

15.5%

21.1%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

3.14年

5.20年

5.73

インタレスト・カバレッジ・レシオ

27.2倍

14.4倍

12.6

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの自動車部品事業とセキュリテ

ィ機器事業に係わる製造原価、販売費及び一般管理費になります。また、設備資金需要としては、生産能

力増強の為の新規設備購入、既存設備の償却に伴う更新に加え、情報処理に使用されるソフトウェアを始め

とする無形固定資産投資等があります。

財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保する為、内部資金の活用及び金融機関か

らの借入と社債の発行により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、国内、海外子

会社のものを含め当社において一元管理しております。

当社グループでは、当社グループ全体での有利子負債の削減を図り財務安定性を高め、また、資金調達コ

ストの低減に努める一方、資金効率化の見地からコミットメントラインの弾力的な利用による機動的な資金

調達での流動性確保も行っております。当期末の有利子負債残高は17,548百万円となりました。

また、グローバルな事業展開による為替変動リスクの影響を極小化すべく、地産地消型ビジネスの推進や

外貨建資産・負債に対し、必要に応じて為替予約の活用も行っております。

 

Cash(手元流動性)の確保

当社グループでは、連結ベースにおける年間売上高の概ね1.5ヶ月分に相当する金額を手元資金として保有

する方針の下で、2021年3月期末時点において約79億円(2.0ヶ月分)の現預金を保有しております。また、

単体では複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約 10億円を未使用額としているほ

か、短期借入枠として57億円、合計で66億円を備え、手元流動性を確保しております。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、着実な企業価値の向上を測る尺度として、2019~22年度中期経営計画の連結売上高、同営

業利益率、新商品売上高比率、自己資本比率、ROEを重要な指標と位置づけております。

当連結会計年度における各指標はそれぞれ「連結売上高」は47,612百万円、「同営業利益率」は1.8%、「新商品売上高比率」は17.4%、「自己資本比率」は45.7%、「ROE」は0.9%となりました。

Ⅰ. 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容に詳細は記載いたしましたが、主要

得意先の減産、新型コロナウイルス感染症の影響など中期経営計画策定時に予想し得なかった外部環境の変化

の影響を受け中期経営計画スタート2年目としては厳しい結果となりました。しかしながら、最終年度2022年

達成できるよう、基本方針である「新事業・新商品開発」 「収益基盤の強化」 「人材育成」を強力に推

進してまいります。

 

Ⅲ. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産及び負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。ただし、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 

・有形固定資産、のれん、無形資産に係る減損判定において測定される回収可能価額

有形固定資産、のれん、無形資産に係る減損判定において、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、のれん、無形資産に係る減損損失額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・引当金の測定

各引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

・法人税等の見積り

法人税等の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人税等と、実際に納付する法人税等の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人税等の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

自動車部品事業

合弁契約

契約会社名

締結年月

契約の名称

相手先

契約期間

契約の概要

株式会社アルファ

2004年9月

合弁契約書

丸紅オートモーティブ株式会社

自2004年4月
至営業許可取得後50年間

ALPHA (GUANGZHOU) AUTMOTIVE
PARTS Co.,LTD. の設立のための合弁契約

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、経営理念にある「お客様に喜ばれる価値を創造・提供します」を中心に考え、製品開発・技術開発・工法開発を促進しております。そして、お客様価値は「良品廉価」にあると受け止め、これを実現する新事業・新商品を開発するため、研究開発活動に注力しております。

具体的には、メカニカルな認証技術を深耕するのみならず、生体認証技術を含む非接触認証技術を用いた新商品開発を行うとともに、新しいビジネスモデルの創出活動を行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、1,637百万円となっております。

(1) 自動車部品事業(日本・北米・アジア・欧州)

当社製品開発はグローバルで迅速に対応するとともに、コア技術を基盤とした継続的な新製品開発に取り組んでおります。

製品開発においては、各得意先様要求に基き新デザイン・加飾を施した10車種14製品に及ぶハンドル類とキーセット製品を市場に投入いたしました。また、一昨年(19年)に20年ぶりに新製品を市場投入した二輪車向けバーロック製品においても、ユーザー様の携帯性向上を狙い防盗性を維持し更なる軽量化を実現しました。この開発は、自動車で培った防盗性能をコア技術(開発技術・評価技術・製造技術)として非自動車への適用拡大を実現した成果のひとつとなります。

先行開発では、自動車メーカー各社の車両電動化動向を見据え、EV車関連部品の樹脂化及び電動化開発に着手いたしました。これはハンドル、キーセットの樹脂製品/電気部品開発力を活かした新たな取り組みであります。

実用化研究の取組みとしては、昨年同様に従来の中長期的案件から更なる先を見据えた視点で長期的案件を捉え、自動車産業に関わらず市場そして技術トレンドを予測した他社優位となる技術蓄積と準備を継続して行っております。近未来に必要となる認証技術・加飾技術における市中の技術レベル進化を監視すると共に、必要な要素技術は自社内開発による深耕を図る一方で、企業連携による社外技術の導入や共同開発を行ってまいります。

開発体制面では、中国トラックOEMとの連携強化を目的に中国開発拠点のエンジニアの補強を行いました。これにより、中国トラックビジネス(リモートキーレスエンジン始動システム)の開発体制はチェコR&D:主開発、中国R&D:アプリケーション、日本R&D:統括の体制が整い、拡販に向けた活動を開始しています。

またドアハンドルの欧州受注製品も、今年度市場投入を開始しており、次なる受注に向けた取り組みをチェコR&D中心に開始しております。今後も継続してグローバル開発体制の定着におけるシナジー効果の創出を目指し、開発5拠点(日本、アメリカ、中国、タイ、チェコ)の成長を図ると共に、その専門性を生かすことでより高い様々な外部の影響を受けにくい性質とコスト競争力を加え、安定した高品質な製品の提供と新たな付加価値の創造をグローバルに実践してまいります。

今後も、上述した新製品の市場投入に向けて、多様なアクセス製品を開発し、”Innovation for Access”を具現化してまいります。

なお、自動車部品事業の当連結会計年度研究開発費は、1,280百万円となっております。

 

(2) セキュリティ機器事業(日本・海外)

① 住宅・産業用ロック部門

「鍵=識別」を基本コンセプトに、技術を更に高めたメカ錠及びエレクトロニクスによる識別技術を組み込んだメカトロニクス製品の開発を継続しております。

2020年度の新製品開発としては『edロックPLUS-OTP(ワンタイムパスワード)』が上げられます。好評頂いている住戸玄関用電池錠『edロックPLUS』の追加機種となります。従来からのICカード認証とタッチパネル式テンキー認証に加え、ワンタイムパスワード(一定時間/期間中だけ有効になる暗証番号)機能を付加することで、賃貸住宅管理の省人化ニーズに対応いたします。

12月には株式会社ビットキー様と同社のデジタルプラットフォームである「bitkey platform」と連携した次世代型スマートロック(『edロックPLUS-BT』及び『ePPH-BT』)を開発し、両社で販売することに合意しました。スマートフォンや専用のリモコンキーによる施解錠、デジタルキーの発行・削除、入退去履歴の取得、スマート家電や住宅設備メーカー・暮らしのサービス事業者との連携が可能となります。現在開発を進めており、2021年9月の発売を予定しております。

また、インターネット環境の発展に伴いネットワーク接続のセキュリティ性確保も重要な案件となっています。重要生活機器連携セキュリティ協議会(略称 CCDS)に加入し、ユーザー・サービス視点を踏まえたセキュリティ確保のための基準作りに参画いたしました。今後も継続してセキュリティ性向上の取組みに注力してまいります。

YKKAP株式会社様の主力玄関ドアに2012年から標準採用頂いた電気錠(スマートコントロールキー)は、ICカード仕様とパッシブ仕様との統合機種、乾電池駆動機種、特殊塗料を用いた高級意匠機種、スライディングドア(引戸)用機種、さらには『戸締り安心システム「ミモット」(YKKAP様商品名)』対応電気錠操作盤ユニットでスマートフォンとの連動と、着実に製品ラインナップを拡充してまいりました。これからも常に時代をリードする製品の開発を継続して取り組む計画であります。

今後もさらに多くの国内外の方々のニーズに応えられるよう、IoT対応、生体認証実用化などを視野に入れ、これまでに培った各種認証・低消費電流回路技術と信頼性の高いメカ機構とを融合させることで、安全・安心・利便性をより向上させる新製品開発を進めてまいります。

 

② ロッカーシステム部門

「安心空間の創造」を基本コンセプトにロッカー製品に求められる安全性と利便性を「鍵」で培った技術を生かし、メカニカルなコア要素とエレクトロニクス・ネットワーク処理技術の相乗効果を用いて認証技術、ロックアクセス制御技術を応用し、ロッカー製品の開発を展開しております。

2020年度の取り組みとして、ロッカー製品の特長である非対面での効果を活かした、受け渡しロッカー「STL シリーズ」を開発いたしました。本製品は、オンラインで注文した商品を店舗で受け取るBOPIS(Buy Online Pickup In Store)を目的に、ロッカーシステムのプラットフォームであるIoTシステムとお客様のシステムを連動させることで実現し、処方箋医薬品等をQRコード認証を用いて非対面・非接触で店頭受け渡しするロッカーとして採用されました。今後においても、業務の効率化を含めて、店舗で安全・安心・スピーディーに受け取りができる商品として期待されます。

先を見据えた対応として、環境への対応を配慮し、当社の強みであるロックアクセス制御の優位性を維持し、今後予測できる付加価値機能実現に向けたロッカーシステムのプラットフォームを更に構築し、ニューノーマル時代を意識した上で潜在的な荷物預かりニーズを掘り起こす新たなサービスや多様な決済方法等の拡充を実現してまいります。

なお、セキュリティ機器事業の当連結会計年度研究開発費は、357百万円となっております。