全体の概況
(1)概況
当社を取り巻く経営環境としては、国内の景気は緩やかに回復基調にありますが、国内自動車業界の概況は、消費増税・軽自動車増税の影響等により四輪車生産台数及び販売台数共に前年を下回る結果となりました。
このような情勢の中、当連結会計年度の売上高は、国内における売上高減があったものの中国・タイ子会社の新工場の本格的稼動及び米国子会社の新規取引拡大等により84,155百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。
営業利益は、中国・タイ子会社の順調な新工場の本格的稼動効果等ありましたが、国内売上高減少影響及び英国子会社の新車立上げ費用増等により3,220百万円(同0.7%減)となりました。
また、経常利益は前連結会計年度に計上した159百万円の為替差益が157百万円の為替差損となったこと等により2,875百万円(同12.4%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として英国子会社でのレジオネラ菌(※1)発生等に伴う環境対策費72百万円及び課徴金引当金繰入額201百万円、日本において製品補償損失279百万円、また法人税等として1,348百万円等を計上し、1,022百万円(同57.3%減)となりました。
※1 レジオネラ菌:土壌や河川など自然界に生息する「細菌」の一種。空調設備の冷却水、給湯器の水などに発生し人体に感染する
可能性があります。感染すると高熱、咳、頭痛、筋肉痛等の症状を引き起こします。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。(以下、「2 生産、受注及び販売の状況」及び「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」においても同じ。)
(日本)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、新規取引先への拡販等ありましたが国内四輪車生産台数及び販売台数減により、61,011百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
セグメント利益は、売上高減少に伴う利益減及び次世代高付加価値商品への先行開発費用増等により2,448百万円(同16.2%減)となりました。
(アジア)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、中国・タイ子会社の新工場の本格的稼動等により11,728百万円(前連結会計年度比47.4%増)となりました。
セグメント利益は、新工場の順調な本格的稼動等により513百万円(前連結会計年度は204百万円のセグメント損失)となりました。
(北米他)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、米国子会社のルーフレール新規参入等により11,415百万円(前連結会計年度比26.3%増)となりました。
セグメント利益は、米国子会社のルーフレール売上高増等による利益増がありましたが、英国子会社の新規取引先の新車立上げ費用増等により222百万円(同58.9%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は4,785百万円となり、前連結会計年度末比で676百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、5,642百万円(前連結会計年度比3,008百万円増)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益2,441百万円、減価償却費3,444百万円、売上債権の減少額414百万円であります。主な資金の減少は、法人税等の支払額1,030百万円、退職給付に係る負債の減少額861百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、3,081百万円(前連結会計年度比875百万円減)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出4,360百万円、有形及び無形固定資産売却による収入1,090百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,788百万円(前連結会計年度は2,082百万円の収入)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出12,617百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,180百万円、短期借入金の純減少額1,387百万円、長期借入れによる収入13,718百万円であります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
|
|
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
31,822 |
95.4 |
|
アジア |
7,236 |
140.1 |
|
北米他 |
7,086 |
128.0 |
|
合計 |
46,145 |
104.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
|
|
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
20,200 |
97.0 |
|
アジア |
2,040 |
97.4 |
|
北米他 |
1,698 |
142.6 |
|
合計 |
23,940 |
99.3 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
|
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
61,011 |
97.2 |
|
アジア |
11,728 |
147.4 |
|
北米他 |
11,415 |
126.3 |
|
合計 |
84,155 |
105.5 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
|
|
日産自動車㈱ |
25,351 |
31.8 |
22,610 |
26.9 |
|
日産車体㈱ |
5,978 |
7.5 |
6,634 |
7.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「FY17中期経営計画」を策定し、対処すべき課題に対応していきます。
「FY17中期経営計画」の主な内容は以下のとおりであります。
① 中長期ビジョン
『業界トップレベルの収益力と高品質を目指す』
②中長期ビジョン達成に向けて強化する重点戦略
・グローバル事業の伸展
・売上収益構造変革
・コスト構造変革
③重点戦略に基づいた主要方策
・ファルテック標準のグローバル拠点への浸透
・グローバル最高品質の実現(技術・モノづくりのグローバルへの転写)
・グローバル人材育成とFALTEC WAYの浸透
・当社独自のビジネスモデルLCP提案(※1)の推進
・No.1を目指す商品(※2)の売上拡大
・新商品・新技術開発(他社より一歩先を行く先行開発)
・FD1/2(※3)モノづくり原価低減活動(モノづくり生産体制強化)
・源流からの原価企画活動の強化
・グローバル最適調達の強化
※1 LCP(Life Cycle Plan)提案
自動車部品事業で培った技術と自動車用品事業で培った企画・デザインを融合して、量産部品・コンバージョ
ン・アクセサリーの全てをクルマのライフサイクルプランとして一括提案するビジネスモデルです。
※2 No.1を目指す商品
当社ではお客様にとって魅力ある高付加価値商品であるコンバージョン、ルーフレール、ウインドウモール、
電装品、ミリ波レーダーカバーを「No.1を目指す商品」と設定し、リソースを集中的に投入しています。
※3 FALTEC DASH 1/2 活動
スペース半分・リードタイム半分で取り組んでいる当社グループの活動です。スペースとリードタイムを効率
的に活用することで経費削減につなげ収益力を強化します。
FD1/2活動の第2ステージとして「モノづくり原価低減活動」に全社活動として取り組んでおります。
④「FY17中期経営計画」実行の中で発生した重要な課題
英国子会社FALTEC EUROPE LIMITEDにおいて新車立上げ費用増等が発生したため、日本のモノづくり標準を展
開・浸透させることを徹底し、生産の安定化を図っております。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)事業環境に由来するリスクについて
① 国内自動車業界
当社グループは、自動車部品・用品及び関連機器の製造販売を行っており、主な取引先が国内自動車メーカーであるため、国内自動車業界の動向に強く影響を受けております。
国内自動車業界は成熟市場であり、景気動向、金利動向、為替動向等の影響を受けるとともに、少子高齢化社会による自動車利用者の減少、ライフスタイルの変化等の影響を受け、自動車の新規購入・買換え需要が鈍化していく可能性があり、国内の自動車メーカーは、国内工場の再編や大きな経済成長が期待される海外市場への事業展開を強化しております。
当社グループと致しましては、国内工場再編や固定費の削減に踏み込み、国内市場の縮小にも対応し、また国内をグローバル本社と位置づけグローバルの司令塔として「ものづくりの海外移転・グローバルアライアンスの拡大」を実行、グループの発展を目指しておりますが、国内自動車業界の動向によっては、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外自動車業界
当社グループは、自動車メーカーのグローバル化に呼応して、海外市場への進出を加速しております。現在、特に中国・タイ等の新興国に進出しており、海外需要の取り込みを図っております。今後においても海外需要の取り込みのため、生産拠点の新設・増設や子会社・合弁会社の設立等により海外市場へ進出し、事業の拡大を図る方針であります。
海外自動車業界の動向は、景気動向、金利動向、為替動向等の影響を受けるとともに、政治動向、法規制の改正、税制改正、テロ・戦争・その他要因による材料調達、生産・販売及び輸送の遅延や中止といった社会的混乱等が生じる可能性があり、当社グループの進出国の自動車生産・販売状況は、想定どおりに伸びない可能性があります。
当社グループと致しましては、迅速な情報収集に努め、柔軟な生産・販売体制を築くことでリスク軽減を図りますが、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 重要な競合の状況(製品・サービス、技術・品質、価格等)
当社グループ製品・商品の価格競争はグローバル調達の流れにより、年々厳しくなっております。
当社グループでは当社独自の同期生産活動であるFPS活動を導入し、製品・サービス、技術・品質、価格等の競争にグローバルで対応していきます。ただし、価格競争がより一層激化した場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料・部品の調達
当社グループ製品・商品は、外部から調達する原材料・部品の価格及び調達市場の需給バランスの影響を受けております。材料価格の高騰、調達市場の需要増に伴う調達難により、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 業界特有の商慣行
自動車業界では自動車のモデル期間が長いため、長期取引を前提とした原価低減活動(価格低減活動)を自動車メーカーとサプライヤー共同で進める商慣行があります。
具体的には部品量産に入ってからも製造過程に工夫を凝らし原価を下げるという活動を恒久的に実施し、効果が出る製品については、納入価格の引き下げを実施致します。
当社グループでは継続的原価低減を実施しており顧客と相互に持続的な成長関係を築いていると考えております。ただし、自動車メーカーの要請によっては、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 製造物責任
当社グループは、品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、欠陥や品質不良等により、リコール、苦情又はクレーム等が発生する場合には、当社グループに対する顧客の信頼が低下し、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、製品製造物責任による損害賠償に備えるPL保険に加入しておりますが、同保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容に由来するリスクについて
① 特定の取引先への依存
日産自動車㈱及び同社と資本関係・密接な取引関係を有する会社(以下、「日産自動車㈱等」という。)は当社グループの有力な取引先であります。特に平成28年3月期において、日産自動車㈱等への売上高のうち、日産自動車㈱及び同社の連結子会社である日産車体㈱に対する売上高は、当社グループの売上高の34.8%を占めております。当社グループは、日産自動車㈱等に限らず、各取引先との良好な取引関係を維持・継続していく方針でありますが、米国、欧州及び中国を含むアジアの各主要市場において、製造もしくは販売の拠点を設置し、主要な自動車メーカー各社に対して営業を行うことにより、特定の取引先への依存度合いを低減させるよう努めております。
しかしながら、日産自動車㈱等の経営方針の変更あるいは何らかの事情により、当社グループ製品の購入量が増減した場合や取引条件の変更等が生じた場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 借入金の金利変動に伴うリスク
当社グループでは、一部の借入金については、金利スワップ取引によりリスクヘッジを行っておりますが、市場金利の動向により、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替レートの変動
現在の当社グループ売上に占める輸出入の割合は少なく、売買による為替リスクは軽微であると認識しておりますが、子会社貸付金についてはデリバティブを利用し、リスクヘッジを行っております。
ただし、今後、グローバル展開の推進に伴い、海外売上高が増加し、為替差損・差益の影響等により、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 資本提携について
自動車メーカーのグローバル化に対応するため、米国及び中国メーカーと資本提携し市場拡大、顧客拡充、技術力強化を推し進めておりますが、提携先との関係によっては、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他
① 親会社グループとの関係について
当社の親会社はTPR㈱であり、本書提出日現在で当社発行済株式総数における議決権の55.5%を所有しております。
同社は、ワールドワイドな生産・販売体制によりグローバルな事業展開をしているエンジン機能部品メーカ
ーであり、想定しているグローバルな自動車業界の変革と市場拡大に対応し、中長期での経営体質強化を課題としております。
同社は、同じ自動車業界に属するものの同社グループの主力事業としてはカバーしていなかった事業領域を担う当社が、相互に経営の独立性を維持しながら同社グループに加わることにより、グローバルな自動車業界で同社グループの存在感を高め、企業価値が向上すると判断し、平成24年4月5日付で、従前の筆頭株主であったMH Capital PartnersⅡ,L.P.より当社株式を取得致しました。
現状において、当社グループは同社グループ内において競合となりうる状況は発生しておらず、その見込みもありません。
しかしながら、将来的に親会社の経営方針に変更が生じた場合等には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ)親会社グループにおける当社の位置付け
当社グループを除く親会社グループは、主としてピストンリング、シリンダライナ並びにバルブシート等の焼結合金の製造販売を行っているエンジン機能部品を中心としたメーカーであり、当社グループは、自動車メーカー向けに樹脂外装部品、モールディング、サッシュ、純正用品を設計開発、生産、販売している自動車部品・用品のメーカーであります。当社グループの事業領域は、同じ自動車業界に属するものの同社グループの主力事業としてはカバーしていなかった事業領域であり、明確な棲み分けがなされております。
ⅱ)親会社グループとの資本関係
TPR㈱は、本書提出日現在で当社発行済株式総数の55.5%(5,173,500株)を所有しており、今後においても、連結関係を維持するために必要となる当社株式数は継続的に所有する方針であります。
ⅲ)親会社グループとの人的関係
上場会社として必要となる円滑な情報連携体制を維持することを目的とし、親会社の役員を兼任しております。兼任している役員は以下のとおりであります。
|
当社における役職 |
氏 名 |
TPR㈱における役職 |
|
代表取締役副社長 |
宮坂 佳介 |
執行役員経営企画室長 |
|
非常勤取締役 |
富田 健一 |
代表取締役会長 |
|
非常勤取締役 |
山田 正四郎 |
顧問 |
|
非常勤監査役 |
林 孝光 |
執行役員経理部長 |
ⅳ)親会社グループとのその他特別な関係
当社グループを除く親会社グループとの間において上記の他に特別な関係はありません。
② 法的規制等
当社グループでは日本国内のみならず、事業展開する各国において、様々な法的規制を受けております。
当社グループは、これらの法的規制等の遵守に努めておりますが、当該法的規制等が改正された場合や何らかの理由により当社グループがこれらの法的規制等を遵守できない場合には、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用の前提条件変更に伴うリスク
当社グループは、従業員の退職給付費用及び退職給付債務につき、数理計算に使用される一定の前提条件に基づき計算を行っております。これらの前提条件には割引率・死亡率等重要な見積もりが含まれており、実際の結果が、前提条件と異なるあるいは前提条件に変更がなされた場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産の保護または侵害に伴うリスク
当社グループは、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図るほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう弁理士の協力を得ながらリスク管理に取り組んで参りました。
しかしながら、当社グループが現在販売している製品、或いは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確・適切に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権等が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 地震等の災害
当社グループは、国内外に生産拠点があり、大地震、台風等の自然災害や事故、火災等により、生産の停止、設備の損壊や電力供給不足等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障が生ずる可能性があり、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。
経営上の重要な契約はありません。
当社グループは「FY17中期経営計画」達成に向けて、先行開発のスピードアップとOnly-one商品の創出をテーマに研究開発活動に取り組んでおります。新商品の開発に当たっては、5つのコア技術(成形・加飾表面処理・金属加工・電装・通信)を3つの開発方針(コスト競争力・環境対応・ITS)に沿って強化・発展させています。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は2,167百万円となっております。
セグメント別の研究開発費は、その99.8%が「日本」のものでありますが、「アジア」では、FY16に中国開発センターを開設致しました。「日本」の研究開発活動の状況については、以下のとおりであります。
(1)自動外装部品事業、純正用品事業
自動車外装部品と用品のお客様のニーズや市場調査から、『魅力のある商品』/『新機能商品』を継続的に創出し提案することを目指し、次のような具体的な開発に取り組んでおります。
① 高付加表面加飾技術開発、樹脂めっきによる新光輝意匠開発、真空蒸着技術による新光輝意匠開発、立体感塗装技術開発
② 車両機能向上のための、電子電装制御の外装部品開発
③ 軽量化技術開発として、高剛性構造化および薄肉化の成形技術開発と発泡技術開発の部品への適用、超薄板射出成形による軽量部品開発
④ 多材質樹脂成形による部品統合一体化で、コスト競争力のある部品開発
⑤ 従来の金属加工技術をさらに拡大し、アルミ、SUS材のプレス、曲げ絞りに関する新技術開発
⑥ ルーフレールやクロスバー開発、及びそれらに関わる光輝高耐食表面処理技術の開発
⑦ LEDを応用した自動車室内イルミネーション・イルミキッキングなどの新機能部品開発、カメラを応用した視認性向上部品の開発、CAN通信を利用したリモコンエンジンスターター、セキュリティー、通信モジュールの開発
⑧ より美しく加飾したエアロ・マッドガード外装品開発、ラゲッジアンダートレイなどの内装部品開発
⑨ オプションマット等をグローバルに開発生産し、コスト競争力のある部品開発
⑩ 企画・デザインから、設計・実験・生産・品質保証までの一環体制によるコンバージョンの企画提案
上記研究開発を促進する体制として、社内の開発プロセスやシステムの革新、異業種との共同開発、大学への委託研究を実施しております。活動成果として、電子デバイス制御グリルシャッター、スパッタ工法による電波透過グリル(RADOM)、LEDフォグランプ、イルミインフォメーション、エアロ各種用品等の商品化実績に貢献しております。また、より機能性を向上した商品を提供するために、加飾性と耐食性に優れるめっき商品開発、フロントフィニッシャ/デイタイムランニングランプ/LEDフォグランプのコモデティー開発、無線を利用した利便性向上製品の開発、車の周囲の視認性能をアップするカメラ商品開発、車とインターネットを結ぶコネクテッドカーの頭脳であるTCU開発等を推進しております。
また、CO2排出削減に向けた部品製造技術及び商品開発を行い、次のような地球環境保全への寄与にも取り組んでおり、活動成果を出しております。
① 樹脂着色材料によるポスト塗装部品開発、塗装廃止によるCO2排出削減
② 低温度焼付塗装によるCO2排出削減
③ 塗装排気ガスの回収利用によるCO2排出削減
④ 樹脂廃材を利用したリサイクル部品の拡大
⑤ 自動車空力抵抗を下げる部品開発(外気の取入れを制御するグリルシャッターの開発)
<研究開発体制>
グローバル開発部:80名、 C&A商品部:49名 合計:129名
<研究開発費>
1,862百万円
(2)自動車関連機器事業
市場競争力強化及び顧客からの要望に応じ、高効率化・省力化・原価低減を念頭に置き、主に次のような開発アイテムに取り組んでおります。
① 産業用エンジン分野における高効率化ガスコージェネパッケージの新規開発
② 自動車メーカー向け生産ライン機器分野にて、顧客要望に応えるべくアライメントテスターの改良やタイヤ組立装置の省力化装置の開発
③ 機械工具分野での柱型リフトの能力増強機種の開発、及び車検機器と連動した整備支援システムの開発
<研究開発体制>
機械工具分野
製造部 設計技術課 10名
機工営業部 技術サービス課 7名
機器分野
機器・パワー技術部 17名
<研究開発費>
301百万円
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について」に記載のとおりであります。
(2)財政状態に関する分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、59,714百万円となり前連結会計年度末比で980百万円の減少となりました。流動資産は31,493百万円となり、現預金の増加等があったものの、売掛金、商品及び製品の減少等により456百万円減少しました。固定資産は28,220百万円となり、投資有価証券の減少等により524百万円減少しました。
負債は、40,486百万円となり前連結会計年度末比で1,798百万円の減少となりました。流動負債は25,652百万円となり、短期借入金の減少等により2,145百万円減少しました。固定負債は14,833百万円となり、退職給付に係る負債の減少等があったものの、長期借入金の増加等により346百万円増加しました。
純資産は、19,228百万円となり前連結会計年度末比で818百万円の増加となりました。株主資本は、剰余金の配当400百万円による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,022百万円の計上等により、701百万円増加しました。その他の包括利益累計額は、144百万円増加しました。
② キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当グループのキャッシュ・フローの指標のトレンドは以下のとおりです。
|
|
平成24年 3月期 |
平成25年 3月期 |
平成26年 3月期 |
平成27年 3月期 |
平成28年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
16.2 |
25.6 |
26.7 |
27.6 |
29.5 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
- |
27.9 |
21.9 |
24.2 |
21.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.8 |
5.8 |
2.7 |
5.0 |
2.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
23.2 |
7.3 |
13.1 |
10.9 |
19.8 |
自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は、期末における株価終値×自己株式を除く発行済株式数により算出しております。
3. 平成24年3月期につきましては当社は非上場のため、時価ベースの自己資本比率は記載しておりません。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)概況」に記載しております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの業績は、販売先である自動車メーカーの自動車生産台数、販売台数、販売車種等の変動の影響を受けております。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、当社グループが達成すべき目標等を含む「FY17中期経営計画」を平成27年5月に策定しております。概要は以下の通りです。
「FY17中期経営計画」の主な内容は以下のとおりであります。
① 中長期ビジョン
『業界トップレベルの収益力と高品質を目指す』
②中長期ビジョン達成に向けて強化する重点戦略
・グローバル事業の伸展
・売上収益構造変革
・コスト構造変革
③重点戦略に基づいた主要方策
・ファルテック標準のグローバル拠点への浸透
・グローバル最高品質の実現(技術・モノづくりのグローバルへの転写)
・グローバル人材育成とFALTEC WAYの浸透
・当社独自のビジネスモデルLCP提案(※1)の推進
・No.1を目指す商品(※2)の売上拡大
・新商品・新技術開発(他社より一歩先を行く先行開発)
・FD1/2(※3)モノづくり原価低減活動(モノづくり生産体制強化)
・源流からの原価企画活動の強化
・グローバル最適調達の強化
※1 LCP(Life Cycle Plan)提案
自動車部品事業で培った技術と自動車用品事業で培った企画・デザインを融合して、量産部品・コンバージョ
ン・アクセサリーの全てをクルマのライフサイクルプランとして一括提案するビジネスモデルです。
※2 No.1を目指す商品
当社ではお客様にとって魅力ある高付加価値商品であるコンバージョン、ルーフレール、ウインドウモール、
電装品、ミリ波レーダーカバーを「No.1を目指す商品」と設定し、リソースを集中的に投入しています。
※3 FALTEC DASH 1/2 活動
スペース半分・リードタイム半分で取り組んでいる当社グループの活動です。スペースとリードタイムを効率
的に活用することで経費削減につなげ収益力を強化します。
FD1/2活動の第2ステージとして「モノづくり原価低減活動」に全社活動として取り組んでおります。
④「FY17中期経営計画」実行の中で発生した重要な課題
英国子会社FALTEC EUROPE LIMITEDにおいて新車立上げ費用増等が発生したため、日本のモノづくり標準を展
開・浸透させることを徹底し、生産の安定化を図っております。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、5,642百万円(前連結会計年度比3,008百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,441百万円、減価償却費3,444百万円、売上債権の減少額414百万円等の増加要因と、法人税等の支払額1,030百万円、退職給付に係る負債の減少額861百万円等の減少要因によるものであります。一方、有形及び無形固定資産の取得による支出4,360百万円、売却による収入1,090百万円等により投資活動によるキャッシュ・フローは3,081百万円の支出超過となり、また、長期借入金の返済による支出12,617百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,180百万円、短期借入金の純減少額1,387百万円、長期借入れによる収入13,718百万円等により財務活動によるキャッシュ・フローは1,788百万円の支出超過となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比して676百万円増加しております。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。
当社グループは、新興国に負けないコスト競争力の強化・国内自動車市場の縮小への対応・自動車メーカーのグローバル化への対応等の課題を抱えています。
このような環境の中で当社グループは、長期ビジョンとして『業界トップレベルの収益力と高品質を目指す』を掲げ、将来の成長に向けて3つの重点戦略、グローバル事業の伸展・売上収益構造変革・コスト構造変革に取り組んでおります。
グローバル事業の伸展においては、海外への積極的な進出を実行しております。マザー工場制を導入し、生産に関わるモノづくりの仕組がグローバル拠点で全て同じである事、「同一設備、同一工程、同一品質、同一改善、同一管理」を徹底、グローバル供給体制を更に充実させてしていきます。
売上収益構造変革においては、当社独自のLCP提案の推進、No.1を目指す商品の更なる内製化の拡大、新商品・新技術開発によりお客様にとって付加価値の高い製品の売上比率を高めて参ります。
コスト構造変革においてはFD1/2モノづくり原価低減活動を中心に省人化・新工法を確立し、変動費削減につなげていきます。