(1)業績
当連結会計年度における経済情勢は、わが国においては、企業収益の改善や設備投資の増加による緩やかな回復傾向から、個人消費の低迷もあり停滞感がみられるようになりました。海外においては、米国経済が堅調に推移する一方で、原油価格の下落や中国の経済成長の鈍化が鮮明となり、世界的な景気への悪影響が懸念されております。また、自動車業界においては、中国をはじめとする新興国市場の需要の減速感があるものの、世界規模では緩やかな拡大基調を継続しております。
このような環境の中、新車用部品市場においては、中国や欧州拠点からの販売を増加することができましたが、第3四半期に入り中国国内需要の停滞を主要因とする顧客の生産調整の影響を受けました。補修用部品市場においては、順調に推移した日本からの海外市場への輸出も下半期は減速傾向となり、競争の厳しい米国市場では苦戦が続きました。収益面では、第3四半期における販売減少の影響が大きく、新拠点の立ち上げコストに加え、海外拠点の人件費や減価償却費などの固定費増加や、日本における輸入コストの上昇や外貨建て資産・負債の評価による為替変動の影響も受けました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が68,536百万円(前期比5.7%増)、営業利益は448百万円(同71.9%減)となり、経常損失は17百万円(前期は1,518百万円の利益)となりました。さらに、当社の保有する固定資産について減損損失900百万円を特別損失として計上したことや、主に収益悪化が続く拠点における繰延税金資産の取り崩し等の税効果会計の影響による税金費用の増加などにより、親会社株主に帰属する当期純損失は1,697百万円(前期は364百万円の利益)となりました。
主要な品目分類別の販売状況を説明しますと、次のとおりであります。
駆動・伝達及び操縦装置部品部門は、新車用部品市場において中国でのバルブスプールや韓国での等速ジョイントの販売が増加したことなどにより、売上高は39,659百万円(前期比6.4%増)となりました。
エンジン部品部門は、欧州の新車用部品市場におけるウォーターポンプの販売が増加したことなどにより、売上高は16,573百万円(同11.3%増)となりました。
ベアリング部門は、海外補修用部品市場におけるテンショナー・アイドラー・ベアリングの販売が減少したことなどにより、売上高は12,052百万円(同2.8%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当社は、製造、販売体制を基礎とした拠点の所在地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「米国」、「韓国」、「中国」、「タイ」及び「欧州」の6つを報告セグメントとしております。各報告セグメントでは、自動車部品を製造、販売しております。
① 日本
販売が横這いで推移するなか、固定費の高止まりや円安による輸入コストの上昇などの結果、売上高13,431百万円(前期比1.0%増)、セグメント損失519百万円(前期は326百万円の損失)となりました。
② 米国
連結子会社のGMB NORTH AMERICA INC.において補修用テンショナー・アイドラー・ベアリングの販売が減少したことに加え、人件費や販売経費も増加したことなどの結果、売上高6,582百万円(前期比7.5%減)、セグメント損失467百万円(前期は93百万円の利益)となりました。
③ 韓国
連結子会社のGMB KOREA CORP.において韓国自動車メーカーや系列部品メーカー向けにバルブスプールなどの新車用部品の販売が増加しましたが、人件費や減価償却費、研究開発費などの固定費も増加した結果、売上高42,055百万円(同2.6%増)、セグメント利益1,221百万円(同28.8%減)となりました。
④ 中国
製造拠点である連結子会社3社及び調達・物流拠点の連結子会社1社において、中国新車用部品市場向けのバルブスプールの現地生産・販売が本格化したことなどの結果、売上高5,147百万円(同64.5%増)、セグメント利益340百万円(同286.4%増)となりました。
⑤ タイ
タイ国内向けウォーターポンプの販売が減少したことに加え、為替変動により輸出取引の採算が悪化するなどした結果、売上高422百万円(同4.9%減)、セグメント利益63百万円(同70.0%減)となりました。
⑥ 欧州
前連結会計年度に設立した新拠点において、欧州の新車用部品市場向けのウォーターポンプの生産・販売が開始しましたが、本格稼働前でもあり、売上高1,111百万円、セグメント損失218百万円(前期は80百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失が940百万円(前期は1,452百万円の利益)となるなど収入が減少し、たな卸資産の増加額が918百万円(前期比917.2%増)、有形固定資産の取得による支出が4,960百万円(同22.3%減)となるなどした結果、期末残高は1,201百万円減少して3,737百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,963百万円(前期比35.1%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が940百万円(前期は1,452百万円の利益)、たな卸資産の増加額が918百万円(前期比917.2%増)となったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,109百万円(同20.2%減)となりました。これは主に、設備投資による有形固定資産の取得による支出が4,960百万円(同22.3%減)となったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は2,088百万円(同31.7%減)となりました。これは主に、短期・長期借入金、社債、リースによる資金調達額が2,486百万円(同27.1%減)となったことなどによるものであります。
当社グループは自動車部品のメーカーとして、自動車部品事業以外に事業の種類がないため、投資情報の有用性の観点から拠点の所在地域別セグメントに代えて、事業の種類別に記載しております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
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事業の種類の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業(千円) |
50,609,483 |
110.7 |
|
合計(千円) |
50,609,483 |
110.7 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
事業の種類の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業(千円) |
8,371,781 |
97.7 |
|
合計(千円) |
8,371,781 |
97.7 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注状況
当連結会計年度の受注状況を事業の種類別に示すと、次のとおりであります。
|
事業の種類の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
自動車部品事業 |
67,418,802 |
103.5 |
3,145,277 |
73.8 |
|
合計 |
67,418,802 |
103.5 |
3,145,277 |
73.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントに代えて、製品の品目分類ごとに示すと、次のとおりであります。
|
品目分類の名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
駆動・伝達及び操縦装置部品(千円) |
39,659,996 |
106.4 |
|
エンジン部品(千円) |
16,573,495 |
111.3 |
|
ベアリング(千円) |
12,052,274 |
97.2 |
|
その他(千円) |
250,334 |
84.9 |
|
合計(千円) |
68,536,101 |
105.7 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
現代パワーテック株式会社 |
7,744,458 |
11.9 |
8,361,248 |
12.2 |
|
現代自動車株式会社 |
5,918,899 |
9.1 |
6,189,090 |
9.0 |
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは新車用部品供給と補修用部品供給を両輪とした営業基盤を構築しておりますが、近年の自動車業界におけるグローバルな生産・流通体制、新興国需要の高まり、環境対応製品の広がりなどの外部環境に対して、当社グループとして対処すべき重点課題は、次のとおりであります。
・ 需要変動・環境変化に柔軟に対応できる生産・調達体制
・ 海外拠点の品質・生産性向上と安定的な調達先の確保によるコスト競争力強化
・ 新車用部品市場における新規顧客の開拓
・ 環境対応などの製品需要に対応した研究開発力と加工技術力の強化
・ 高付加価値製品分野への取組強化
・ 補修用部品市場への迅速で幅広い製品投入
・ グローバルに活躍できる人材の育成
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 海外市場への事業展開について
当社グループは、日本、米国、韓国、中国、タイ、欧州に会社を設立してグローバルに事業展開を行っております。各国の市場において特徴があり、経済情勢、諸法令、慣行、慣例等により事業計画の大幅な変更や遅延が生じる可能性があります。
①韓国市場での事業展開について
当社は、昭和54年2月に韓国GMB工業株式会社(現GMB KOREA CORP.以下、韓国GMBという。)を設立し、その後当社が平成3年12月に81.7%出資・設立しておりました韓国ベアリング株式会社を、韓国GMBが吸収合併することで、当社の韓国GMBに対する持分比率が53.9%となりました。さらに平成20年6月の株式追加取得、平成24年11月の韓国証券取引所への株式上場と公募増資、平成25年8月の株式追加取得を経て持分比率は54.4%に至りました。今後も韓国の法規則・慣行等により、当社グループの事業計画に影響を受ける可能性があります。
また、韓国GMBは現代自動車グループへテンショナー・アイドラー・ベアリング、ウォーターポンプ、バルブスプール等の自動車部品のOEM供給を行っており、現代自動車グループへの販売比率は平成28年3月期連結売上高に対して、36.6%となっております。現代自動車グループは近年海外生産・販売を拡大しており、当社グループにおいても、現代自動車の海外展開とともに、海外投資を検討する案件が増加してまいります。今後の現代自動車グループの事業動向により、業績に影響を受ける可能性があります。
②中国市場での事業展開について
中国では、青島吉明美机械制造有限公司、青島吉明美汽車配件有限公司、吉明美(杭州)汽配有限公司、吉明美汽配(南通)有限公司の4社を有しております。経済成長を続ける中国経済では、人件費の上昇などによる生産コストアップが懸念されています。さらに、外資企業に対する優遇税制の改正などの政策変更によって影響を受ける可能性もあります。そのような環境の中でも、自動車産業が発展中の中国で事業活動を維持・拡大することは、グループとしての事業拡大と価格競争力強化にとって効果のあるものと判断しておりますので、引き続き中国子会社の効率的運営と販売・調達先の開拓に取り組んでまいります。このような状況が進展した場合、当社グループの事業展開、業績に影響を受ける可能性があります。
③米国市場での事業展開について
米国には販売子会社GMB NORTH AMERICA INC.を有しており、重要な市場と位置付けております。近年、米国では中国製の自動車部品等が、低価格を武器とした価格引下げ競争を激化させており、低価格製品を大規模に供給できる業者による寡占化が進んでおります。当社グループとして、生産拠点を中国やタイへ移管したり、当社の品質基準を満たす製品・部品供給先を中国内に求めたりしながら、品質と価格の水準における最適なバランスを追及しつつ対応しておりますが、低価格競争の激化や寡占化が進む業界内の競合状況の進展により、今後の業績に影響を受ける可能性があります。
米国では、最終ユーザー自身で部品交換をするDIY方式が一般的であります。最終ユーザーが取り付けを円滑にできない場合、クレームと称し部品の返品をしてくる事態が多く発生いたします。米国では、大手小売業者においては一旦販売者が買取る慣行にあります。これに対応するため、製品の品質の向上に努めておりますが、大手小売業者との取引高が増加して返品数量が増加する場合には、業績に影響を受ける可能性があります。
④海外における生産体制について
当社グループの生産部門は、生産コストを低減できる国での製造及び技術・品質面で日本の技術指導に応えられる国での生産を前提にしております。そのため、韓国、中国、タイ、欧州に生産拠点の一部を移管してまいりました。今後、中国やタイでの生産移管を進めていく中で、当社及び韓国GMBからの十分な技術支援が出来ない場合や優秀な技術者が確保できない場合には、事業計画に影響を受ける可能性があります。
当社グループは一貫生産体制を原則としており、グループ内での生産によりコスト競争力と品質の均一化を図る方針であります。そのため海外子会社への支援・指導を強化しておりますが、機械故障などの不測の事態が発生した場合には生産遅延や納期遅延等により、業績に影響を受ける可能性があります。
一貫生産体制の原則を保つ一方で、コスト競争力に劣ると判断する場合には、当社グループ以外から一部の製品や部品を調達することも推進しており、当社グループが認める品質水準を維持できる海外調達先を開拓しつつあります。この計画の推進状況により、業績に影響を受ける可能性があります。
⑤海外での商標権の管理について
当社グループは特許権や商標権等の世界各国の知的財産権を当社で原則管理しており、68の国または地域において商標権の登録をしております。しかし、アジア地域などではGMBの偽ブランドの自動車部品等も出回っております。今後も商標権保護を積極的に実施してまいります。
⑥為替変動について
当社グループの平成28年3月期連結売上高に占める海外売上高の比率は90.5%となっております。当社におきましても、直接輸出による売上高は61.3%と高い比率であります。当社は、為替変動への対策として、円建て取引の増加、海外調達の拡大、生産の海外移転の推進や為替予約等により、総体的な為替リスクの軽減を図っておりますが、急激な為替変動により、業績に影響を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社の技術部門の設計技術部10名、生産技術部9名及び技術開発支援部2名の合計21名と、連結子会社のGMB KOREA CORP.の技術研究所に所属する40名が取り組んでおります。
当社におきましては、主に素材・工法・製品に関する研究開発課題に取り組んでおり、GMB KOREA CORP.においては、韓国国内自動車メーカーの新車種・新エンジンに対応した新製品の開発と、既存量産品の改良・応用に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は679,201千円であります。この内、日本のセグメント発生額は、473千円であり、韓国のセグメント発生額は、678,727千円であります。
主な研究開発の課題及び成果
( 日本 )
①新工法(ハードターニング)によるユニバーサルジョイント以外の部品への展開に関する研究開発
②自動車の電動化、軽量化に伴う日本市場の動向をリサーチし、新規開発案件の発掘
( 韓国 )
①無公害自動車用の高効率熱放出及び供給のための電動式ウォーターポンプの開発
②自動車エンジン交流発電機用オーバーランニングオルタネータプーリーの開発
③ハイブリッド車両用電動式流量制御マルチバルブモジュールの開発
(1)財政状態
① 資産の部
当連結会計年度末の資産合計は65,327百万円と前連結会計年度に比べ2,898百万円の減少となりました。これは主に、在外子会社の資産を円換算する為替相場が円高方向となったこと、債務の支払いなどで現金及び預金が1,239百万円減少したこと、減損損失の計上などにより有形固定資産が1,838百万円減少したことなどによるものであります。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債合計は37,727百万円と前連結会計年度に比べ636百万円の増加となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が823百万円減少するなどしたものの、社債の発行により社債が977百万円増加したこと、退職給付に係る負債が352百万円増加したことなどによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産合計は27,599百万円と前連結会計年度に比べ3,535百万円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失が1,697百万円となったことや、為替換算調整勘定が997百万円減少したこと、非支配株主持分が502百万円減少したことなどによるものであります。
(2)経営成績
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、68,536百万円と前連結会計年度に比べ3,672百万円の増加となりました。これは主に、新車用部品市場において、中国でのバルブスプールや韓国での等速ジョイントの販売が増加したことなどによるものであります。
② 営業利益
当連結会計年度の営業利益は448百万円と前連結会計年度に比べ1,150百万円の減少となりました。これは主に、海外拠点の人件費や減価償却費などの固定費の増加、日本における輸入コストが上昇したことなどによるものであります。
③ 経常利益
当連結会計年度は17百万円の経常損失(前連結会計年度は1,518百万円の経常利益)となりました。これは主に、営業利益が前連結会計年度に比べ1,150百万円減少したことに加え、為替差損が125百万円(前連結会計年度は274百万円の為替差益)となったことなどによるものであります。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度は1,697百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は364百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。これは主に、経常利益の減少に加え、減損損失が900百万円となったことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。