当連結会計年度は、中国経済の減速や新興諸国における景気の後退懸念を抱えながらも、米国及び日本の景気回復基調に加えて、ユーロ圏でも穏やかながら景気回復が進むなど、世界経済は概ね堅調に推移しました。
航空輸送業界では、世界的な航空需要の増加と原油安が追い風となり、エアラインの業績は総じて好調に推移しました。航空機メーカーでは、近年航空機の需要が急激に増加していることを受けて、新型機種の開発及び増産の取り組みを進めてきた結果、2015年のエアラインへの納入機数は、ボーイング社、エアバス社共に過去最高を記録しました。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連においては、ギャレー、ラバトリーの増産及びコストダウンを推進すべく、昨年2月に竣工した資材物流施設を本格的に稼働して物流の効率化を図ると共に、昨年10月には、6月に設立した連結子会社㈱中条ジャムコの操業を開始してギャレー用パネルの製造・組立能力を強化しました。旅客用座席(シート)事業では、㈱宮崎ジャムコに第二工場を取得してシートの主要構成部品を生産移管するなどのコストダウンを推し進める一方、新たにエアバスA350型機用カタログシート「Journey™」を中南米のLATAMエアラインズグループ向けに、又、同じくA350型機用の新型ビジネスクラスシートをシンガポール航空向けに、それぞれ納入を開始しました。当社製シートの出荷は当期末までに累計1,800席余りに達し、新たな事業の柱へと着実に成長しつつあります。又、JAMCO PHILIPPINES, INC.では、平成26年2月に受注したボーイング777型機向けフロアパネル(客室床板)の生産に備えて昨年5月にパネル製造工場を竣工し、12月よりボーイング社へ納入を開始しました。
航空機器等製造関連においては、熱交換器等の防衛関連部品の販売回復に努め、炭素繊維構造部材及び民間航空機エンジン部品の生産性の改善に取り組みました。又、新規品の受注拡大に取組み、本年3月にA350型機向け貨物室床下構造部材を受注しました。今回の契約締結によりA350型機を含めたエアバス全機種への炭素繊維構造部材の供給が実現しました。
航空機整備等関連においては、当期は防衛関連機の定期整備が端境期となる厳しい状況でしたが、積極的な受注活動を行うと共に、生産効率の向上及び人員の適正配置を進めました。又、機体整備の新規ビジネスの実現に向けて、ANAホールディングス㈱、三菱重工業㈱、他5社と、沖縄県が那覇空港に建設する航空機整備施設において航空機整備事業を行うMRO Japan㈱への参画を決定するなど、中長期的な課題に対する施策を進めました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 91,561百万円(前期比 14,616百万円増)、営業利益 8,793百万円(前期比 2,009百万円増)、経常利益 8,245百万円(前期比 417百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,169百万円(前期比 374百万円増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 航空機内装品等製造関連
当事業では、客室内装備の一括供給メーカー(トータル・インテリア・インテグレーター)を目指した事業戦略に沿い、新規品目及びアフターマーケットの受注拡大に向けた種々の施策を継続する一方、新造機向け内装品の増産に向けた体制づくりに注力しています。又、シート事業を航空機内装品等製造関連の第4の柱に成長させるべく、生産拠点の確立とサプライチェーンの整備に取り組んでいます。
当期は、内装品の価格引き下げによる影響がありましたが、787型機向け製品の出荷増加、シートの出荷増加、スペアパーツ販売の増加、及び為替相場が円安で推移したことによる外貨建て売上高の増加などにより、売上高は前期に比べて増加しました。一方、経常利益については、エアライン向けギャレーやスペアパーツ販売の増加に加えて円安による増収などがあったものの、シート関連コストの増加、内装品価格引き下げに対するコスト削減の遅れ、2月以降の急激な円高による為替差損などにより、前期に比べて減少しました。
この結果、当連結会計年度の航空機内装品等製造関連は、売上高 77,023百万円(前期比 13,918百万円増)、経常利益 7,866百万円(前期比 138百万円減)となりました。
② 航空機器等製造関連
当事業では、防衛関連を中心とした熱交換器などのコア製品の受注拡大に取り組むと共に、炭素繊維構造部材及び民間航空機エンジン部品等の生産体制の定着と効率化に努めてまいりました。
当期は、前期に大幅な落ち込みが生じた防衛関連製品等の売上高の回復、エンジン部品及び炭素繊維構造部材の売上高の増加、及び為替相場が円安で推移したことによる外貨建て売上高の増加などにより、売上高は前期に比べて増加しました。又、利益面において前期は経常損失を計上しましたが、主力製品である防衛関連製品等の売上高の回復などにより、経常利益を確保しました。
この結果、当連結会計年度の航空機器等製造関連は、売上高 6,366百万円(前期比 1,365百万円増)、経常利益 215百万円(前期は経常損失 424百万円)となりました。
③ 航空機整備等関連
当事業では、積極的な受注活動に努めましたが、定期整備が端境期となった防衛関連機の整備作業減少などにより、売上高は前期に比べて減少しました。又、経常利益については、効率化に努めたものの売上高の減少に伴い減益となりました。
この結果、当連結会計年度の航空機整備等関連は、売上高 8,170百万円(前期比 667百万円減)、経常利益 166百万円(前期比 85百万円減)となりました。
④ その他
その他の区分には、連結子会社の㈱オレンジジャムコ及び㈱ジャムコテクニカルセンターの事業を含んでおり、いずれもセグメント間の内部取引が中心で、当初の予定どおり順調に事業を進めることができました。一方、全社に係る海外語学研修費用 9百万円を計上したことから当期は経常損失となりました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円増)、経常損失 2百万円(前期は経常損失 3百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ428百万円増加し、3,479百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,689百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 1,742百万円の収入増加となりました。これは、たな卸資産の増加、及び法人税等の支払額の増加等の支出に比べて、税金等調整前当期純利益、減価償却費、及び仕入債務の増加等による収入が上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,857百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 190百万円の支出増加となりました。これは、内装品製造に係る金型、㈱宮崎ジャムコ第二工場、777型機向けフロアパネル製造工場等の有形固定資産の取得による支出、及び㈱中条ジャムコの事業譲受による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、242百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。主に配当金の支払い及び金融機関への借入金返済による支出等によるものです。(前期は、2,180百万円のキャッシュ・インフロー)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
航空機内装品等製造関連 | 80,839,041 | 19.7 |
航空機器等製造関連 | 6,691,474 | 28.8 |
航空機整備等関連 | 8,154,356 | △6.1 |
その他 | 67 | 114.9 |
合計 | 95,684,939 | 17.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
航空機内装品等製造関連 | 77,568,422 | 3.8 | 69,031,640 | 0.8 |
航空機器等製造関連 | 7,601,698 | 1.2 | 8,864,610 | 16.2 |
航空機整備等関連 | 8,680,467 | 0.7 | 3,197,477 | 19.0 |
その他 | 67 | 114.9 | ― | ― |
合計 | 93,850,656 | 3.3 | 81,093,729 | 2.9 |
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
航空機内装品等製造関連 | 77,023,733 | 22.1 |
航空機器等製造関連 | 6,366,359 | 27.3 |
航空機整備等関連 | 8,170,915 | △7.5 |
その他 | 67 | 114.9 |
合計 | 91,561,076 | 19.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
MITSUBISHI | 26,387,610 | 34.3 | 30,470,836 | 33.3 |
ITOCHU | 3,873,763 | 5.0 | 10,583,593 | 11.6 |
当社グループは、安定した収益力のある「強い会社」を目指してまいります。その達成に向けて、それぞれの事業分野において事業戦略に基づいた諸施策を推進する一方、当社共通の課題として、内部統制体制の充実、財務体質の強化、人財育成により経営基盤の強化に取組み、事業の拡大を目指してまいります。
又、平成26年3月期から執行役員制度を導入しており、意思決定機能と業務執行機能の区分を明確化することで、迅速な意思決定と経営基盤の強化を図ってまいります。
事業別の対処すべき課題は次のとおりです。
航空機内装品等製造関連事業では、新造機向け製品の増産対応と為替の円高への対応を含めたコスト削減を推し進めると共に、エアラインや機体メーカーのニーズを的確に捉えた革新的な製品開発によって市場競争力を高めてまいります。又、シート事業を含めた応需能力確保のため、グループのグローバル・サプライチェーンの整備に取組んでまいります。
航空機器等製造関連事業では、炭素繊維構造部材やエンジン部品の開発、受注への積極的な取組み、防衛関連製品における海外も視野に入れた受注拡大と更なる生産効率の向上、又、炭素繊維複合材成型や生産技術の内装品製造への活用を図るなど、事業全体の収益拡大を目指してまいります。
航空機整備等関連事業では、飛行安全の確保と品質向上を最優先に、機体整備の受注拡大と人的リソースの効率的運用を図り、又、装備品整備については、海外顧客も視野に入れて受注拡大を目指すと共に、選択と集中により収益性を高めてまいります。
当社グループの経営成績、財政状態等につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成28年6月28日)現在において、当社グループが判断したものです。
① 航空会社の経営基盤の悪化について
当社グループは航空業界を事業領域としており、景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客・貨物の空輸量の落ち込みを始め、原油価格の高騰、その他航空会社間の競争激化などによる航空会社の業績や経営基盤の悪化は、受注量や売上高の減少など、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 航空機メーカーの生産計画の大幅な変更について
航空機内装品等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業では、ボーイング社、エアバス社向けの製品を生産しています。特に航空機内装品等製造関連事業では、ボーイング社向けに777、767、747型機用ラバトリー、及び787型機用についてはラバトリーに加えてギャレー(厨房設備)などを独占的に供給しています。従いまして、これら航空機メーカーにおける新型機種の開発の遅れ、生産スケジュールの大幅な変動、労働争議による操業停止などが発生した場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空機事故等による航空機の長期にわたる運航停止について
航空機整備等関連事業では、官公庁、航空機使用事業者、国内エアラインなどが所有する、中型・小型航空機の機体及び装備品の整備、修理、改造などを手がけています。これらの航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることがあります。又、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報が発出され、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。
このような事態が発生した場合は、当該型式航空機に関連する整備作業が減少するなど、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料価格の変動について
当社グループの事業では、原材料、部品等を多くの外部供給者から調達しています。航空機に使用する素材、金属、複合材料等については、その特殊性から調達先が限定されるものや調達先の切り替えが困難なものがあり、供給者における事故や品質上の問題、或いは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、当社グループの生産スケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。又、原材料、部品等の需要の増加や原油価格の高騰などにより調達価格が高騰した場合には、製造原価が上昇し、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替レートの変動について
航空機内装品等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業においては、海外航空会社及び海外航空機メーカーとの輸出取引のなかに主として米ドルによる外貨建て取引を多く含んでいます。又、原材料や部品等の多くは、輸入によって調達しています。この輸出入取引により、外貨による決済を相殺することで為替変動による影響の一部をヘッジしていますが、現在の取引状態においては輸出額が輸入額を上回るため、当社グループの経営成績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受けています。なお、これらの為替変動リスクは、為替予約取引などによりヘッジしていますが、想定を超えた変動があった場合は、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
又、海外の連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての決算は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートが、円換算後の決算に影響を与えています。
⑥ 金利の上昇について
現在、当社グループにおける資金調達は、低金利傾向といった金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期及び短期借入にその多くを依存しています。特に航空機内装品等製造関連事業では、製品等の受注から納入までの期間が長期間にわたるものが多くを占めており、たな卸資産の回転期間は長い傾向にあります。又、増産に備えるため、工場の拡張及び設備機材等の設備投資を集中的に進めてきました。これらの理由により、現在も借入金残高は高水準で推移しており、今後、金融情勢の変化によって金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害による事業活動の阻害について
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を国内外に分散して設けていますが、それらの拠点において、地震等の大規模災害の発生により短期間で復旧不可能な損害を被るなどした場合、材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動が中断又は遅延するおそれがあります。又、地震、台風、積雪等により当社グループが使用する空港・港湾が長期間閉鎖された場合は、当社グループの事業活動が制限されるおそれがあり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制等について
当社グループは、国内及び諸外国の航空法をはじめとした関連法令等に基づき、航空機の修理、改造、及び航空機装備品の設計、製造、修理、並びに改造等の事業を行っており、又、その事業の一部については、各国関連当局の許認可を受けて実施していることなどから、様々な規制を受けています。各種法令に違反した事実が認められた場合は、許認可の取り消しなどの罰則を受ける場合があり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
契約会社名 | 相手方の名称 | 国名 | 契約締結日 | 契約の対象 | 契約内容 | 契約期間 |
株式会社 | エアバス | 独国 | 平成12年6月20日 | エアバス機各シリーズ (A300/A310/A320/A330/ | 垂直尾翼に使用する一次構造部材の独占供給 | 平成12年6月20日から垂直尾翼の工法に大幅な変更がない限り継続 |
株式会社 | プレミアム | 独国 | 平成21年8月27日 | エアバスA380 | 2階席フロアビームに使用する一次構造部材の独占供給 | 当社製品が搭載されている機体が最低5機運航されている期間 |
株式会社 | ボーイング社 | 米国 | 平成16年10月14日 | B747・B767・B777用、ラバトリー・モジュール | 左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する | 平成17年1月1日から |
株式会社 | ボーイング社(注) | 米国 | 平成17年3月4日 | B787用、ラバトリー・モジュール | 左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する | 平成23年就航予定の初号機搭載分から |
株式会社 | ボーイング社(注) | 米国 | 平成17年11月18日 | B787用、ギャレー・モジュール(厨房設備) | 左欄のギャレー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する | 平成23年就航予定の初号機搭載分から |
株式会社 | ボーイング社 | 米国 | 平成26年2月24日 | B777用フロアーパネル | B777用フロアーパネルを相手先図面に従い生産する | 機数契約につき、415機をボーイング機体生産予測に従い平成28年から平成32年を予測する |
株式会社 | ボーイング社 | 米国 | 平成26年8月29日 | B777-X用、ラバトリー・モジュール | 左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する | 平成32年就航予定の初号機搭載分から |
株式会社 | エアバス社 | 仏国 | 平成27年5月20日 | A350用ギャレー及びラバトリー・モジュール(客室後部に搭載される) | 左欄のギャレー及びラバトリー・モジュールをエアバス社の生産計画に従って生産する | 当社製品が搭載されている機体が最低1機運航されている期間 |
(注) ボーイング社との契約において、平成26年8月に一部内容変更を致しました。
当社グループの研究開発活動は、技術力を生かした付加価値の高い製品の開発を基本方針としています。当連結会計年度においては、航空機内装品等製造関連においてシート及びフロアパネルの製品開発等の研究を進めると共に、航空機器等製造関連を含めて材料、素材などの基礎研究、及び既存製品の応用研究を推し進めました。
この結果、当期の試験研究費は、航空機内装品等製造関連において739百万円、航空機器等製造関連において53百万円をそれぞれ計上し、合計で792百万円(前期比 518百万円減)となりました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度末の流動資産合計は、現金及び預金の増加(前期比 428百万円増)、仕掛品の増加(前期比 3,749万円増)、原材料及び貯蔵品の増加(前期比 1,552百万円増)等により、3,899百万円増加し、72,631百万円となりました。
固定資産合計は、ギャレー、ラバトリー、シート製造に係る金型、㈱宮崎ジャムコ第二工場、IT関連システム等、業容拡大に伴う投資を積極的に進めたことにより、前連結会計年度に比べ463百万円増加し、19,652百万円となりました。
これらの結果、資産合計は、前連結会計年度に比べ4,362百万円増加し、92,284百万円となりました。
負債合計は、借入金の減少(前期比 130百万円減)、未払法人税等の減少(前期比 766百万円減)、その他負債の減少(前期比 1,322百万円減)等がありましたが、支払手形及び買掛金の増加(前期比 1,113百万円増)、前受金の増加(前期比 886百万円増)、工事損失引当金の増加(前期比 769百万円増)、退職給付に係る負債の増加(前期比 305百万円増)等により、前連結会計年度に比べ657百万円増加し、64,082百万円となりました。
純資産合計は、利益剰余金の増加(前期比 4,230百万円増)等により、前連結会計年度に比べ3,704百万円増加し、28,202百万円となりました。
当連結会計年度における売上高は、航空機内装品等製造関連における787関連製品、シートの出荷増加、及びスペアパーツ販売の増加、航空機器等製造関連における防衛関連製品の売上の増加、又、為替が円安で推移したことにより外貨建て売上高が増加したことなどから、当社グループ全体で91,561百万円(前期比 14,616百万円増)となりました。
売上原価は、製品出荷の増加による売上高の増加に伴い、当社グループ全体で72,644百万円(前期比 11,290百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、業容拡大による人件費、販売手数料、保証工事費等の増加により10,123百万円(前期比 1,316百万円増)となりました。
営業外収益は、為替差益を計上した前期に対して、当期においては為替差損を計上したことなどから206百万円(前期比 1,146百万円減)となりました。
営業外費用は、為替差損の計上などにより753百万円(前期比 445百万円増)となりました。
特別利益は、子会社等の資本構成の見直しに伴い生じた段階取得に係る差益及び投資有価証券売却益を前期において計上したことから、当期は減少して1百万円(前期比 397百万円減)となりました。
特別損失は、工場移転費用を前期において計上したことから、当期は減少して16百万円(前期比 57百万円減)となりました。
これらの結果、営業利益8,793百万円(前期比 2,009百万円増)、経常利益8,245百万円(前期比 417百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,169百万円(前期比 374百万円増)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の増加、法人税等の支払額の増加などがありましたが、税金等調整前当期純利益の増加、減価償却費の増加、仕入債務の増加、前受金の増加等により前連結会計年度対比1,742百万円収入が増加し、4,689百万円のキャッシュ・インフローとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、航空機内装品等製造関連事業のギャレー、ラバトリー、シート製造に係る金型、㈱宮崎ジャムコ第二工場、JAMCO PHILIPPINES,INCのフロアパネル製造工場等の有形固定資産の取得、㈱中条ジャムコの事業譲受により、前連結会計年度対比190百万円支出が増加し、3,857百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び金融機関への借入金返済等により、242百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。(前期は、2,180百万円のキャッシュ・インフロー)
当社グループは、「安定した収益を上げることができる『強い会社』の実現」をビジョンに掲げ、経営指標を売上高経常利益率7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けた設定を検討してまいります。
当連結会計年度末は、売上高経常利益率9.0%、総資産経常利益率9.2%、自己資本比率29.7%、自己資本利益率20.2%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
| 平成26年3月期 | 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
売上高経常利益率 | 7.0 % | 10.2 % | 9.0% |
総資産経常利益率(ROA) | 6.7 % | 9.8 % | 9.2% |
自己資本比率 | 27.0 % | 27.0 % | 29.7% |
自己資本利益率(ROE) | 15.0 % | 22.6 % | 20.2% |
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率:経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。
4.平成27年3月期の総資産経常利益率、自己資本利益率の算定における期首総資産、期首自己資本の額は、会
計方針の変更による累積的影響額を反映しております。
世界経済の成長と共に、中長期的に航空需要と新造機市場は拡大していくものと見られています。こうした経営環境を背景に、それぞれの事業分野では次のような取組みを強化してまいります。
航空機内装品等製造関連では、ボーイング社との長期契約による787プログラムをはじめとした新造機向け製品の増産対応とコスト削減を推し進めると共に、エアラインや機体メーカーのニーズを的確に捉えた革新的な製品開発によって市場競争力を高めてまいります。又、既存機の改修事業にも注力し、トータル・インテリア・インテグレーターとして航空機客室内の全装備品を網羅する世界のトップメーカーを目指してまいります。平成26年4月に本格的に参入したシート事業では、新たな事業の柱へと成長させるべく、事業基盤の確立とコスト削減を加速して早期に収益性の向上を図ると共に、顧客ニーズを捉えた革新的な製品開発に取り組んでまいります。
航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材やエンジン部品の開発、受注への積極的な取り組みや防衛関連製品における受注拡大と更なる生産効率の向上により収益性を高めてまいります。又、炭素繊維複合材成型や生産技術を活用して内装品製造とのシナジーを追求し、特殊工程技術と炭素繊維複合材成型技術の分野においてリーディングカンパニーを目指してまいります。
航空機整備等関連では、飛行安全の確保と品質保証体制の強化を基本に、機体整備においてはリージョナル機を含めた整備、改造の応需能力を高め、装備品整備については、受注品目の選択と集中と並行して海外も視野に入れた受注拡大に取組み、国内最大の独立系航空機整備・改造専門会社を目指してまいります。
翌連結会計年度については、次のように見通しています。
米国、欧州では緩やかな景気回復が続くものと見込まれるものの、中国における経済成長の鈍化、米国の金融政策の動向、原油価格の変動、欧州及び中東・東アジア地域における地政学的リスクなど、世界経済の先行きは不透明感が増しています。又、国内においては、急激な円高進行により輸出関連企業などを中心に企業収益の悪化が懸念される状況となりました。
航空業界では、航空輸送需要の増加や原油価格の下落などを背景に、エアラインの収益性は総じて改善が進むものと見込まれ、又、LCCの台頭などにより経営環境が変化してゆくなか、運航性能に優れる新型航空機への代替、機内サービスの拡充などが進み、航空機の需要は引き続き拡大基調にあるものと予想されます。
このような経営環境において当社グループでは、航空機内装品等製造関連においては、生産量は当期対比、概ね横ばいで推移する見込みではあるものの、為替の円高や製品価格の引き下げによる売上高の減少、現在ボーイング社が開発中の777X型機への移行に伴う在来777型機向け製品の受注が端境期を迎えていることによる受注減少の影響などにより、大幅な利益の減少を見込んでいます。これらに対して、ギャレー、ラバトリー等の主力製品のコスト削減と共に、シート事業を早期に利益体質にするための施策を推進し、利益の減少を最小限に留めるべく対応してまいります。
航空機器等製造関連では、熱交換器等防衛関連の受注は当期回復に転じたものの、その反動もあって次期は減少する見込みですが、生産効率改善などにより利益率の向上を図ります。又、民間航空機エンジン部品、及び炭素繊維構造部材の受注拡大に努めると共に、炭素繊維複合材成型技術を内装品関連製品へ応用するなどの施策を進めてまいります。
航空機整備等関連では、飛行安全の確保と品質向上を基本に、機体整備の新規ビジネスに向けた取組みや海外顧客も視野に入れた装備品整備の受注活動を進め、MRO(Maintenance, Repair and Overhaul:航空機の整備改造業者)として、新たな事業モデルづくりを目指してまいります。次期は防衛関連の受注が回復する見込みであり、効率化を目指した適正な人員配置を継続して収益向上に努めてまいります。
航空輸送需要は増大しており、当社グループを取り巻く市場は中期的に拡大基調にあるものと予測されますが、今後の更なる事業の拡大には、革新的製品投入による競争力強化とシート事業をはじめとしたコスト削減の加速化が課題と認識しております。
各セグメントの諸施策は次のとおりです。
① 航空機内装品等製造関連
(1)生産技術の革新を加速し、コスト競争力を一段と強化する。
(2)サプライチェーンを強化し、品質・コスト・リードタイムをより一層改善する。
(3)革新的な技術と製品により競争力を強化し、顧客との協力関係を更に確固たるものにして、高い世界
シェアを確保し続ける。
(4)シート事業の設計、開発、調達、生産すべてにおけるコストダウンを加速する。
② 航空機器等製造関連
(1)関連企業を含め品質及び生産効率向上を追求し収益性向上を図る。
(2)国内外の新たな顧客開拓を促進し、受注の拡大を図る。
(3)新たな開発プロジェクトへの参画等を通じて新製品の受注を目指す。
(4)炭素繊維複合材成型などの製造技術を内装品に応用する。
③ 航空機整備等関連
(1)飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化を図る。
(2)付加価値の高い新たなビジネスへの取組みを強化する。
(3)海外市場への展開やメーカーとの協業を図る。
(4)沖縄MRO-Japan事業参画への準備を推進する。