当連結会計年度は、中国及びアジア新興諸国等の経済成長に減速が見られたものの、米国の景気動向は底堅く、日本及びユーロ圏でも緩やかな景気回復が続いたことから、世界経済は概ね堅調に推移しました。一方、英国のEU離脱問題や米国大統領選挙の結果などにより為替相場が大きく変動するなど、金融情勢については不安定な状況が続きました。
航空輸送業界では、世界的な航空需要の拡大と原油安により、エアラインの業績は総じて好調に推移しましたが、格安航空会社(LCC)の台頭により競争の激化が続いています。航空機メーカーでは、航空機需要の高まりに応じて新型機種の生産体制の拡充を進め、エアラインへの納入機数は高水準を維持しています。受注機数については、LCCの増加に伴い小型旅客機が増加する一方、大型旅客機は近年に比べて減少しており、エアバスA380型機やボーイング777型機は減産の方針が発表されました。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連においては、787関連内装品の生産数量増加に対応しつつ、生産効率改善に向けた取組みを進めると共に、コスト削減をはじめとした諸施策を推し進めました。又、ボーイング777型機の後継機となるボーイング777X型機向けラバトリーやエアバスA350型機向け後部ギャレーの開発を進めました。
航空機シート等製造関連においては、平成27年12月に稼働を開始したシート関連の生産工場である㈱宮崎ジャムコにおいて、本格的に量産が始まり、生産性向上とサプライチェーンの強化を進めました。
航空機器等製造関連においては、炭素繊維構造部材の新規品目であるエアバスA350型機向け貨物室床下構造部材のコスト削減策を進めると共に、航空機エンジン部品の生産増加に取り組みました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、受注回復に努め生産性改善に向けた取組みを進めました。
当連結会計年度の業績は、前期に対して為替相場が円高で推移したことによりドル建て売上高が目減りし、又、エアラインから直接受注するギャレー(厨房設備)の売上高の大幅な減少、スペアパーツ販売の減少、航空機整備等関連の受注減少などにより、前期に比べて減収減益となりました。
なお、当連結会計年度末に次期以降の完成工事に対する工事損失引当金を3,434百万円計上しております。工事損失引当金の計上による平成29年3月期第4四半期会計期間における原価への影響額は、1,363百万円増(平成29年3月期 第3四半期累計期間末の工事損失引当金は、2,070百万円)、当連結会計年度における原価への影響額は、1,606百万円増(平成28年3月期末の工事損失引当金は、1,827百万円)となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 81,834百万円(前期比 9,726百万円減)、営業利益 2,132百万円(前期比 6,661百万円減)、経常利益 1,285百万円(前期比 6,959百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益 1,014百万円(前期比 4,155百万円減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 航空機内装品等製造関連及び航空機シート等製造関連
当事業では、客室内装備の一括供給メーカー(トータル・インテリア・インテグレーター)を目指した事業戦略に沿い、新規品目及びアフターマーケットの受注拡大に向けた種々の施策を継続する一方、新造機向け内装品の生産体制の効率化に努めてまいりました。又、航空機シート事業を航空機内装品関連事業の第4の柱に成長させるべく、生産拠点の確立とサプライチェーンの強化に取り組んでいます。
平成28年6月28日付の組織再編に伴い、航空機シート等製造関連セグメントを新たに設け、これまで航空機シート等製造関連を含んでいた航空機内装品等製造関連セグメントを2つに分離しました。
当期は、航空機用シートの出荷は増加しましたが、前期に対して為替相場が円高で推移したことによる外貨建て売上高の目減り、ボーイングが開発中の777X型機への移行の端境期を迎えたことなどによる777型機向けギャレーの売上高の減少、スペアパーツ販売の減少などに加えて、次期以降損失が見込まれる工事に対する工事損失引当金による原価増及び為替差損の発生などにより、前期に比べて売上高、経常利益共に減少しました。
この結果、航空機内装品等製造関連に航空機シート等製造関連を含んだ、組織再編前の航空機内装品等製造関連セグメントの区分による業績は、売上高 67,867百万円(前期比 9,155百万円減)、経常利益 1,129百万円(前期比 6,736百万円減)となりました。なお、各セグメントの内訳は、航空機内装品等製造関連は、売上高 55,311百万円、経常利益 4,676百万円、又、航空機シート等製造関連は、売上高 12,556百万円、経常損失 3,547百万円となりました。
② 航空機器等製造関連
当事業では、防衛関連を中心とした熱交換器などのコア製品の受注拡大に取り組むと共に、炭素繊維構造部材及び航空機エンジン部品等の生産体制の定着と効率化に努めてまいりました。
当期は、航空機エンジン部品の受注が堅調で生産量も増加しましたが、前期に対して為替相場が円高で推移したことによる外貨建て売上高の目減り、エアバスA380型機向けの炭素繊維構造部材の生産量の減少などにより売上高が減少しました。又、新規品目のA350型機向け炭素繊維構造部材の原価低減を推し進めましたが、上期の損失の影響が残り、経常利益も減少しました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 6,349百万円(前期比 17百万円減)、経常利益 96百万円(前期比 118百万円減)となりました。
③ 航空機整備等関連
当事業では、飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化、付加価値の高い新たなビジネスへの取組みの強化に努めてまいりました。
当期は、特別作業の受注や完成工事が比較的好調に推移した前期に対し、完成工事が減少するなどにより売上高が減少しました。又、売上高の減少に伴い事業全体の採算性が低下したことから経常利益も減少しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 7,617百万円(前期比 553百万円減)、経常利益 64百万円(前期比 102百万円減)となりました。
④ その他
その他の区分には、連結子会社の㈱オレンジジャムコ及び㈱ジャムコテクニカルセンターの事業を含んでいます。なお、㈱ジャムコテクニカルセンターは、平成28年3月31日付で解散し平成28年8月22日付で同社の清算は結了しました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円増)、経常損失 4百万円(前期は経常損失 2百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ1,706百万円減少し、1,772百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,128百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 2,560百万円収入が減少しました。これは、税金等調整前当期純利益の減少、売上債権の増加や前受金の減少による収入の減少等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,176百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 681百万円支出が減少しました。これは、費用節減のために不急な設備投資案件の実施を見合わせたことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、587百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ345百万円支出が増加しました。これは、金融機関からの借入金による収入に比べて、配当金の支払い及び金融機関への借入金の返済による支出等が上回ったことによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
54,615,874 |
- |
|
航空機シート等製造関連 |
13,478,772 |
- |
|
航空機器等製造関連 |
6,221,855 |
△7.0 |
|
航空機整備等関連 |
7,729,375 |
△5.2 |
|
その他 |
72 |
7.1 |
|
合計 |
82,045,951 |
△14.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較が困難である航空機内装品等製造関連と航空機シート等製造関連の前年同期比は記載しておりませんが、両セグメントを合算した生産実績は、前年同期比△15.8%となっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
53,048,974 |
- |
59,027,319 |
- |
|
航空機シート等製造関連 |
38,526,357 |
- |
33,711,900 |
- |
|
航空機器等製造関連 |
4,652,718 |
△38.8 |
7,168,139 |
△19.1 |
|
航空機整備等関連 |
6,396,694 |
△26.3 |
1,976,692 |
△38.2 |
|
その他 |
72 |
7.1 |
- |
- |
|
合計 |
102,624,817 |
9.3 |
101,884,051 |
25.6 |
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較が困難である航空機内装品等製造関連と航空機シート等製造関連の前年同期比は記載しておりませんが、両セグメントを合算した受注高は、前年同期比18.1%、受注残高は、前年同期比34.3%となっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
55,311,603 |
- |
|
航空機シート等製造関連 |
12,556,148 |
- |
|
航空機器等製造関連 |
6,349,189 |
△0.3 |
|
航空機整備等関連 |
7,617,480 |
△6.8 |
|
その他 |
72 |
7.1 |
|
合計 |
81,834,495 |
△10.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較が困難である航空機内
装品等製造関連と航空機シート等製造関連の前年同期比は記載しておりませんが、両セグメントを合算した
販売実績は、前年同期比△11.9%となっております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
MITSUBISHI |
30,470,836 |
33.3 |
29,653,558 |
36.2 |
|
ITOCHU |
10,583,593 |
11.6 |
12,948,335 |
15.8 |
文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成29年6月28日)現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は平成17年9月の創立50周年を機に、経営に対する普遍的かつ基本的な方針・姿勢を経営理念として制定しました。これは、経営基本方針や事業別方針の最上位に位置づけられるものです。
当社は航空業界において、製造と整備をベースとした「技術立社」として、誠実・公正、責任感と義務感をあらわす「士魂」の精神の下に、全役職員が等しく以下の経営理念を強く意識し、その実現に向けて努力してまいります。
[経営理念]
技術のジャムコは、士魂の気概をもって
○ 夢の実現にむけて挑戦しつづけます。
○ お客様の喜びと社員の幸せを求めていきます。
○ 自然との共生をはかり、豊かな社会づくりに貢献します。
[経営基本方針]
○ 飛行安全の確保と品質の向上を図る。
○ 航空業界を基軸に、技術力を生かした付加価値の高い製品及びサービスを供給する。
○ 株主への還元、社員の幸せを目指し、社業を通じて社会に貢献する。
○ 変化に柔軟に対応した企業構造及び事業内容を追求し、顧客満足度と企業価値の向上を図る。
又、連結子会社につきましては、各事業の顧客、市場及び所在地域の優位性を考慮のうえ、子会社単独の利益追求にとらわれず、各事業の最適化と企業集団としての企業価値増大を志向した運営を行っています。
従来当社の事業は3つの事業分野で構成しており、このうち、製造事業としては、航空機の客室内を対象とした「航空機内装品等製造関連事業」、機体構造部材、航空機エンジン部品及び熱交換器等を対象とした「航空機器等製造関連事業」の2つがあり、他方、航空機の整備事業として「航空機整備等関連事業」があります。平成28年6月28日付で、「航空機内装品等製造関連事業」からシート事業を分離して「航空機シート等製造関連事業」を新設し、又、組織上は、従来の3社内カンパニー制を廃止すると共に、製造事業全体を統合した航空機内装品・機器事業本部を設置することにより、1事業本部・4事業部制へ移行しました。これにより、増大する内装品需要に応えるべく、製造事業間のシナジー効果を更に高めると共に、シート事業の基盤整備を進めて早期に収益性を改善してまいります。
それぞれの事業では事業別方針を定め、経営戦略を策定するとともに、共通する分野においてはシナジー効果を発揮して、One-JAMCOのスローガンのもと、グループ全体の強みを活かした事業展開を推し進めてまいります。
[事業別方針]
○ 航空機内装品等製造関連事業
当社固有の技術と戦略的提携による他社の技術を総合的に融合し、航空機客室内の全装備品を網羅した
トップメーカーを目指す。
○ 航空機シート等製造関連事業
革新性と快適性を追求し、顧客満足度の高い、安全で高品質な製品を供給する。
○ 航空機器等製造関連事業
先端技術と熟練技能を融合させた高度な設計・生産技術を追求し、付加価値の高い製品及びサービスを
顧客に提供する。
○ 航空機整備等関連事業
飛行安全を基本に、継続性の高い事業を主体にすると共に、技術力主導の高付加価値を生む業務の比重
を高める。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、中期経営計画に沿った目標値として次のとおり設定し、効率的経営に努めてまいります。
・収益性指標: 連結売上高経常利益率 7%以上
・効率性指標: 連結ROA 7%以上 (総資産経常利益率)
・配当方針 : 持続的な成長や事業リスクに備えた財務の健全性とのバランスにも配慮の上、
連結配当性向 20~30%を目安とする
(3)経営環境及び対処すべき課題
中国及びアジア新興諸国等の経済成長の減速が懸念されますが、米国をはじめ、日本及びユーロ圏においても景気の回復基調が続き、世界経済は引き続き底堅く推移するものと見られています。一方で地政学的リスクの高まりにより、為替相場が急激に変動する可能性があるなど、金融市場においては先行き不透明な状況も見込まれます。このような経営環境において、先物予約取引の戦略的活用を通じた為替変動リスクのヘッジや海外拠点を活用した外貨建て仕入れなど、業績への影響を低減するための施策について引き続き検討してまいります。
航空機内装品等製造関連においては、現在ボーイングが開発中の777X型機への移行に伴う在来777型機向け製品の受注が端境期を迎えていることによる受注減少の影響、受注価格の低下などによる売上高及び利益の減少が見込まれることから、製品の設計段階からの改善を含めてコスト削減に向けた取組みを継続してまいります。
航空機シート等製造関連では、製品出荷の増加による売上高の増加に加えて、生産効率の改善により採算性の向上を図ってまいります。
航空機器等製造関連では、航空機エンジン部品の受注が増加するものの、エアバスA380型機向け炭素繊維構造部材の生産量の減少、熱交換器等防衛関連の受注が減少する見込みです。各種製品の受注拡大に努めると共に、炭素繊維複合材成型技術を内装品及びシート関連製品へ応用するなどの施策を進めてまいります。
航空機整備等関連では、飛行安全の確保と品質向上を基本に機体整備の新規ビジネスに向けた取組みや海外顧客も視野に入れた装備品整備の受注活動を進め、MRO(Maintenance, Repair and Overhaul:航空機の整備改造業)として、新たな事業モデルづくりを目指してまいります。次期は防衛関連の受注が増加する見込みであり、高付加価値のサービス展開など受注活動と収益向上に取り組んでまいります。
当社グループは、安定した収益力のある「強い会社」を目指してまいります。その達成に向けて、それぞれの事業分野において事業戦略に基づいた諸施策を推進する一方、当社共通の課題として、内部統制体制の充実、財務体質の強化、人財育成により経営基盤の強化に取組み、事業の拡大を目指してまいります。
又、平成26年3月期から執行役員制度を導入しており、意思決定機能と業務執行機能の区分を明確化することで、迅速な意思決定と経営基盤の強化を図ってまいります。。
事業別の対処すべき課題は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
① 生産技術の革新を加速し、生産性の飛躍的な向上を図り、コスト競争力を一段と強化する。
② サプライチェーンを強化し、品質・コスト・リードタイムをより一層改善する。
③ 革新的な技術と製品により競争力を強化し、顧客との協力関係を更に確固たるものにして、世界シェアNO.1
を確保し続ける。
[航空機シート等製造関連]
① 設計、開発、調達、生産すべてにおけるコストダウンを加速する。
② 魅力的な製品開発により受注・販売を促進する。
③ グループサプライチェーンの最適化を図り、生産効率を向上する。
[航空機器等製造関連]
① 関連企業を含め品質及び生産効率を追求し収益性の向上を図る。
② 国内外の新たな顧客開拓を促進し、受注拡大を図る。
③ 新たな開発プロジェクトへの参画等を通じて新製品の受注を目指す。
④ 炭素繊維成型などの製造技術を内装品やシートに応用する。
[航空機整備等関連]
① 飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化を図る。
② 付加価値の高い新たなビジネスへの取組みを強化する。
③ 海外市場への展開や海外メーカーとの協業を強化する。
④ MRO Japan株式会社(沖縄に展開予定の航空機整備改造業者)参画への準備を推進する。
当社グループの財政状態、経営成績等につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成29年6月28日)現在において、当社グループが判断したものです。
① 航空会社の経営基盤の悪化について
当社グループは航空業界を事業領域としており、景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客・貨物の空輸量の落ち込みを始め、原油価格の高騰、その他航空会社間の競争激化などによる航空会社の業績や経営基盤の悪化は、受注高や売上高の減少など、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 航空機メーカーの生産計画の大幅な変更について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業では、ボーイング社、エアバス社向けの製品を生産しています。特に航空機内装品等製造関連事業では、ボーイング社向けに777、767、747型機用ラバトリー、及び787型機用についてはラバトリーに加えてギャレー(厨房設備)などを独占的に供給しています。従いまして、これら航空機メーカーにおける新型機種の開発の遅れ、生産スケジュールの大幅な変動、労働争議による操業停止などが発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空機事故等による航空機の長期にわたる運航停止について
航空機整備等関連事業では、官公庁、航空機使用事業者、国内エアラインなどが所有する、中型・小型航空機の機体及び装備品の整備、修理、改造などを手がけています。これらの航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることがあります。又、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報が発出され、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。
このような事態が発生した場合は、当該型式航空機に関連する整備作業が減少するなど、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料価格の変動について
当社グループの事業では、原材料、部品等を多くの外部供給者から調達しています。航空機に使用する素材、金属、複合材料等については、その特殊性から調達先が限定されるものや調達先の切り替えが困難なものがあり、供給者における事故や品質上の問題、或いは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、当社グループの生産スケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。又、原材料、部品等の需要の増加や原油価格の高騰などにより調達価格が高騰した場合には、製造原価が上昇し、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替レートの変動について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業においては、海外航空会社及び海外航空機メーカーとの輸出取引のなかに主として米ドルによる外貨建て取引を多く含んでいます。又、原材料や部品等の多くは、輸入によって調達しています。この輸出入取引により、外貨による決済を相殺することで為替変動による影響の一部をヘッジしていますが、現在の取引状態においては輸出額が輸入額を上回るため、当社グループの経営成績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受けています。なお、これらの為替変動リスクは、為替予約取引などによりヘッジしていますが、想定を超えた変動があった場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
又、海外の連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての決算は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートが、円換算後の決算に影響を与えています。
⑥ 金利の上昇について
現在、当社グループにおける資金調達は、低金利傾向といった金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期及び短期借入にその多くを依存しています。特に航空機内装品等製造関連事業及び航空機シート等製造関連事業では、製品等の受注から納入までの期間が長期間にわたるものが多くを占めており、たな卸資産の回転期間は長い傾向にあります。又、増産に備えるため、工場の拡張及び設備機材等の設備投資を集中的に進めてきました。これらの理由により、現在も借入金残高は高水準で推移しており、今後、金融情勢の変化によって金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害による事業活動の阻害について
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を国内外に分散して設けていますが、それらの拠点において、地震等の大規模災害の発生により短期間で復旧不可能な損害を被るなどした場合、原材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動が中断又は遅延するおそれがあります。又、地震、台風、積雪等により当社グループが使用する空港・港湾が長期間閉鎖された場合は、当社グループの事業活動が制限されるおそれがあり、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制等について
当社グループは、国内及び諸外国の航空法をはじめとした関連法令等に基づき、航空機の修理、改造、及び航空機装備品の設計、製造、修理、並びに改造等の事業を行っており、又、その事業の一部については、各国関連当局の許認可を受けて実施していることなどから、様々な規制を受けています。各種法令に違反した事実が認められた場合は、許認可の取り消しなどの罰則を受ける場合があり、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約締結日 |
契約の対象 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社 |
エアバス |
独国 |
平成12年6月20日 |
エアバス機各シリーズ (A300/A310/A320/A330/ |
垂直尾翼に使用する一次構造部材の独占供給 |
平成12年6月20日から垂直尾翼の工法に大幅な変更がない限り継続 |
|
株式会社 |
プレミアム |
独国 |
平成21年8月27日 |
エアバスA380 |
2階席フロアビームに使用する一次構造部材の独占供給 |
当社製品が搭載されている機体が最低5機運航されている期間 |
|
株式会社 |
ボーイング社 |
米国 |
平成16年10月14日 |
B747・B767・B777用、ラバトリー・モジュール |
左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成17年1月1日から |
|
株式会社 |
ボーイング社(注) |
米国 |
平成17年3月4日 |
B787用、ラバトリー・モジュール |
左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成23年就航予定の初号機搭載分から |
|
株式会社 |
ボーイング社(注) |
米国 |
平成17年11月18日 |
B787用、ギャレー・モジュール(厨房設備) |
左欄のギャレー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成23年就航予定の初号機搭載分から |
|
株式会社 |
ボーイング社 |
米国 |
平成26年2月24日 |
B777用フロアーパネル |
B777用フロアーパネルを相手先図面に従い生産する |
機数契約につき、415機をボーイング機体生産予測に従い平成28年から平成32年を予測する |
|
株式会社 |
ボーイング社 |
米国 |
平成26年8月29日 |
B777-X用、ラバトリー・モジュール |
左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成32年就航予定の初号機搭載分から |
|
株式会社 |
エアバス社 |
仏国 |
平成27年5月20日 |
A350用ギャレー及びラバトリー・モジュール(客室後部に搭載される) |
左欄のギャレー及びラバトリー・モジュールをエアバス社の生産計画に従って生産する |
当社製品が搭載されている機体が最低1機運航されている期間 |
(注) ボーイング社との契約において、平成26年8月に一部内容変更を致しました。
当社グループの研究開発活動は、技術力を生かした付加価値の高い製品の開発を基本方針としています。当連結会計年度においては、航空機シート等製造関連においてシートの基礎研究及び開発、航空機内装品等製造関連において次世代製品開発等の研究を進めると共に、航空機器等製造関連を含めて材料、素材などの基礎研究、及び既存製品の応用研究を推し進めました。
この結果、当期の試験研究費は、航空機内装品等製造関連及び航空機シート等製造関連において522百万円、航空機器等製造関連において56百万円をそれぞれ計上し、合計で579百万円(前期比 213百万円減)となりました。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度末の資産合計は 92,559百万円となり、前連結会計年度末に比べ 275百万円増加しました。内、流動資産については、現金及び預金の減少(前期比 1,201百万円減)、原材料及び貯蔵品の減少(前期比 1,031百万円減)等がありましたが、受取手形及び売掛金の増加(前期比 2,925百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 117百万円増加しました。又、固定資産については、不急な設備投資を抑制した一方で、航空機シート用試験機の導入、本社建物構築物の補強、工場関連設備の更新などの投資を進めた結果、固定資産合計で前連結会計年度末に比べ 158百万円増加しました。
負債合計は64,556百万円となり、前連結会計年度末に比べ 474百万円増加しました。主な要因は、前受金の減少(前期比 1,718百万円減)、未払法人税等の減少(前期比 632百万円減)、賞与引当金の減少(前期比 591百万円減)等がありましたが、工事損失引当金の増加(前期比 1,606百万円増)等によるものです。なお、支払手形及び買掛金が減少しているのは、当期から支払方法を電子記録債務に変更したことによるものです。
純資産合計は28,003百万円となり、前連結会計年度末に比べ 198百万円減少しました。主な要因は、利益剰余金の減少(前期比 58百万円減)、為替換算調整勘定の減少(前期比 79百万円減)、繰延ヘッジ損益の減少(前期比 72百万円減)等によるものです。
当連結会計年度における売上高は、航空機シート等製造関連におけるシートの売上の増加がありましたが、航空機内装品等製造関連におけるエアラインから直接受注するギャレーの減少、スペアパーツ販売の減少、又、為替が円高で推移したことによる外貨建て売上高の目減りなどから、当社グループ全体で81,834百万円(前期比 9,726百万円減)となりました。
売上原価は、工事損失引当金の追加計上の影響などによる増加要因がありましたが、製品出荷の減少に伴い原価も減少した結果、当社グループ全体で70,832百万円(前期比 1,812百万円減)となりました。
販売費及び一般管理費は、保証工事費の減少、試験研究費の減少等により 8,870百万円(前期比 1,252百万円減)となりました。
営業外損益は、前期に対して円・ドル為替相場が円高で推移したことによる為替差損 555百万円の発生及び支払補償費 128百万円の計上などにより、846百万円の損(前期は、547百万円の損)となりました。
特別損益は、固定資産処分損、本社移転費用等により、23百万円の損(前期は、14百万円の損)となりました。
これらの結果、営業利益2,132百万円(前期比 6,661百万円減)、経常利益1,285百万円(前期比 6,959百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,014百万円(前期比 4,155百万円減)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少、売上債権の増加、前受金の減少等により前連結会計年度対比2,560百万円収入が減少し、2,128百万円のキャッシュ・インフローとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、不急な設備投資を抑制したことにより、前連結会計年度対比681百万円支出が減少し、3,176百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び金融機関への借入金返済等により、前連結会計年度対比345百万円支出が増加し、587百万円のキャッシュ・アウトフローとなりました。
当社グループは、「安定した収益を上げることができる『強い会社』の実現」をビジョンに掲げ、経営指標を売上高経常利益率7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けて取組んでまいります。
当連結会計年度は、売上高経常利益率1.6%、総資産経常利益率1.4%、自己資本比率29.4%、自己資本利益率3.7%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
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平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
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売上高経常利益率 |
10.2 % |
9.0% |
1.6% |
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総資産経常利益率(ROA) |
9.8 % |
9.2% |
1.4% |
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自己資本比率 |
27.0 % |
29.7% |
29.4% |
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自己資本利益率(ROE) |
22.6 % |
20.2% |
3.7% |
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率(ROA):経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。
4.平成27年3月期の総資産経常利益率、自己資本利益率の算定における期首総資産、期首自己資本の額は、会
計方針の変更による累積的影響額を反映しております。