文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は平成17年9月の創立50周年を機に、経営に対する普遍的かつ基本的な方針・姿勢を経営理念として制定しました。これは、経営基本方針や事業別方針の最上位に位置づけられるものです。
当社は航空業界において、製造と整備をベースとした「技術立社」として、誠実・公正、責任感と義務感をあらわす「士魂」の精神の下に、全役職員が等しく以下の経営理念を強く意識し、その実現に向けて努力してまいります。
[経営理念]
技術のジャムコは、士魂の気概をもって
○ 夢の実現にむけて挑戦しつづけます。
○ お客様の喜びと社員の幸せを求めていきます。
○ 自然との共生をはかり、豊かな社会づくりに貢献します。
[経営基本方針]
○ 飛行安全の確保と品質の向上を図る。
○ 航空業界を基軸に、技術力を生かした付加価値の高い製品及びサービスを供給する。
○ 株主への還元、社員の幸せを目指し、社業を通じて社会に貢献する。
○ 変化に柔軟に対応した企業構造及び事業内容を追求し、顧客満足度と企業価値の向上を図る。
又、連結子会社につきましては、各事業の顧客、市場及び所在地域の優位性を考慮のうえ、子会社単独の利益追求にとらわれず、各事業の最適化と企業集団としての企業価値増大を志向した運営を行っています。
当社の事業は4つの事業分野で構成されています。製造事業として航空機の客室内を対象とした「航空機内装品等製造関連事業」と「航空機シート等製造関連事業」、客室外を対象とした「航空機器等製造関連事業」があり、整備事業として「航空機整備等関連事業」があります。
それぞれの事業ごとに、市場、顧客及び必要とされる技術等が異なることから、以下の事業別方針を定め、事業ごとの経営戦略プランを策定しています。
[事業別方針]
○ 航空機内装品等製造関連事業
当社固有の技術と戦略的提携による他社の技術を総合的に融合し、航空機客室内の全装備品を網羅した
トップメーカーを目指す。
○ 航空機シート等製造関連事業
革新性と快適性を追求し、顧客満足度の高い、安全で高品質な製品を供給する。
○ 航空機器等製造関連事業
先端技術と熟練技能を融合させた高度な設計・生産技術を追求し、付加価値の高い製品及びサービスを
顧客に提供する。
○ 航空機整備等関連事業
飛行安全を基本に、継続性の高い事業を主体にすると共に、技術力主導の高付加価値を生む業務の比重
を高める。
(2)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、中期経営計画に沿った目標値として次のとおり設定し、効率的経営に努めてまいります。
・収益性指標: 連結売上高経常利益率 7%以上
・効率性指標: 連結ROA 7%以上 (総資産経常利益率)
・配当方針 : 持続的な成長や事業リスクに備えた財務の健全性とのバランスにも配慮の上、
連結配当性向 20~30%を目安とする
(3)経営環境及び対処すべき課題
米国及びユーロ圏をはじめ、日本においても景気の回復基調は続き、世界経済は引き続き底堅く推移するものと見られています。一方で、中東・東南アジア地域における地政学的リスクの高まりにより、金融市場においては先行きの不透明感が増しています。又、年初からの円高進行により輸出関連企業などを中心に企業収益の悪化が懸念される状況となりました。
このような経営環境において当社グループでは、安定した収益確保に向けて事業基盤整備、試験研究の継続強化、生産性向上への設備投資を行ってまいります。
航空機内装品等製造関連においては、777X型機への移行の端境期による受注減少、為替の円高や受注価格の低下の影響が見込まれますが、アフターマーケットにおける受注拡大、787型機向け製品の月産14機への増産対応、777X型機向け製品の開発推進、コスト削減に向けた取組みを継続してまいります。
航空機シート等製造関連では、スタンダードシートの受注拡大、生産量増加への対応、サプライチェーンの最適化及び生産効率の改善により採算性の向上を図ってまいります。
航空機器等製造関連では、A380型機向け炭素繊維構造部材の生産量が減少するもののその他エアバス機向け炭素繊維構造部材の生産量増加、航空機エンジン部品の受注が増加する見込みです。各種製品の受注拡大に努めると共に、炭素繊維複合材成型技術を内装品及びシート関連製品へ応用するなどの施策を進めてまいります。
航空機整備等関連では、飛行安全の確保と品質向上を基本に機体整備の新規ビジネスに向けた取組みや海外顧客も視野に入れた装備品整備の受注活動を進め、MRO(Maintenance, Repair and Overhaul:航空機の整備改造者)として、新たな事業モデルづくりを目指してまいります。
当社グループは、安定した収益力のある「強い会社」を目指してまいります。その達成に向けて、グループ全社の事業戦略に基づいた諸施策を推進する一方、当社共通の課題として、グローバルな経営環境の変化への対応、内部統制体制の充実、財務体質の強化、人財育成による経営基盤の強化に取組み、事業の拡大を目指してまいります。
又、今後の経営環境の変化に備え、柔軟な対応ができる経営基盤の確立と収益拡大を図るために、技術と品質の向上に経営資源を集中させて業務改革を推し進めてまいります。
事業別の対処すべき課題は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
① 長期安定事業基盤となる次期新型機向け内装品の契約確保への取組みを強化する。
② 顧客よりのコスト、リードタイム削減要求への対応に加え、新規プロジェクトの開発プロセス改善を行
い、今後拡大する新規開発案件への対応を図る。
③ サプライチェーンを強化し、品質・コスト・リードタイムをより一層改善する。
④ 部材、外注委託費に関するベンチマークを実施し、委託業務の見直し、最適化によりコスト競争力の向上を
図る。
[航空機シート等製造関連]
① 標準化されたプラットフォームを活用したスタンダードシートの開発・販売を強化することにより、効率の
良い開発への移行と製造プロセスの改善を促進し、安定収益化を図る。
② 次世代に向けた魅力的な製品開発により受注・販売を促進する。
③ グループサプライチェーンの最適化を図り、生産効率を向上する。
[航空機器等製造関連]
① 技術的付加価値の高い製品の受注拡大を図り、競争力を強化する。
② 関連企業を含め品質及び生産効率を追求し収益性の向上を図る。
③ 炭素繊維成形などの製造技術を内装品やシートに応用する。
[航空機整備等関連]
① 飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化を図る。
② 付加価値の高い新たなビジネスへの取組みを強化する。
③ 事業領域の変更、契約条件の見直し等の合理化を進める。
④ MRO Japan株式会社への参画。
当社グループの財政状態、経営成績等につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において、当社グループが判断したものです。
① エアラインの経営基盤の悪化について
当社グループは航空業界を事業領域としており、景気悪化や国際紛争・テロの発生、感染症の流行等による旅客・貨物の空輸量の落ち込みを始め、原油価格の高騰、その他エアライン間の競争激化などによるエアラインの業績や経営基盤の悪化は、受注高や売上高の減少など、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 航空機メーカーの生産計画の大幅な変更について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業では、ボーイング社、エアバス社向けの製品を生産しています。特に航空機内装品等製造関連事業では、ボーイング社向けに777、767、747型機用ラバトリー、及び787型機用についてはラバトリーに加えてギャレー(厨房設備)などを独占的に供給しています。従いまして、これら航空機メーカーにおける新型機種の開発の遅れ、生産スケジュールの大幅な変動、労働争議による操業停止などが発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空機事故等による航空機の長期にわたる運航停止について
航空機整備等関連事業では、官公庁、航空機使用事業者、国内エアラインなどが所有する、中型・小型航空機の機体及び装備品の整備、修理、改造などを手がけています。これらの航空機等に重大な不具合や事故が発生した場合、その原因究明及び安全性の確認のため同型式航空機の運航を見合わせることがあります。又、航空機等に安全性を著しく損なう問題が発生した場合は、法令に基づき国土交通大臣から耐空性改善通報が発出され、安全性が確認されるまで同型式航空機の運航が認められない場合があります。
このような事態が発生した場合は、当該型式航空機に関連する整備作業が減少するなど、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 原材料価格の変動について
当社グループの事業では、原材料、部品等を多くの外部供給者から調達しています。航空機に使用する素材、金属、複合材料等については、その特殊性から調達先が限定されるものや調達先の切り替えが困難なものがあり、供給者における事故や品質上の問題、或いは国際情勢の悪化等により供給不足及び納入の遅延等が発生した場合は、当社グループの生産スケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。又、原材料、部品等の需要の増加や原油価格の高騰などにより調達価格が高騰した場合には、製造原価が上昇し、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 為替レートの変動について
航空機内装品等製造関連事業、航空機シート等製造関連事業及び航空機器等製造関連事業においては、海外エアライン及び海外航空機メーカーとの輸出取引のなかに主として米ドルによる外貨建て取引を多く含んでいます。
又、原材料や部品等の多くは、輸入によって調達しています。この輸出入取引により、外貨による決済を相殺することで為替変動による影響の一部をヘッジしていますが、現在の取引状態においては輸出額が輸入額を上回るため、当社グループの経営成績は、為替相場の円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスにそれぞれ影響を受けています。なお、これらの為替変動リスクは、為替予約取引などによりヘッジしていますが、想定を超えた変動があった場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
又、海外の連結子会社及び持分法適用関連会社の現地通貨建ての決算は、連結財務諸表作成において円換算されるため、換算時の為替レートが、円換算後の決算に影響を与えています。
⑥ 金利の上昇について
現在、当社グループにおける資金調達は、低金利傾向といった金融情勢も勘案の上、金融機関からの長期及び短期借入にその多くを依存しています。特に航空機内装品等製造関連事業及び航空機シート等製造関連事業では、製品等の受注から納入までの期間が長期間にわたるものが多くを占めており、たな卸資産の回転期間は長い傾向にあります。又、増産に備えるため、工場の拡張及び設備機材等の設備投資を集中的に進めてきました。これらの理由により、現在も借入金残高は高水準で推移しており、今後、金融情勢の変化によって金利が上昇した場合には、資金調達コストが更に増大し、財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害による事業活動の阻害について
当社グループは、開発・生産・販売等の拠点を国内外に分散して設けていますが、それらの拠点において、地震等の大規模災害の発生により短期間で復旧不可能な損害を被るなどした場合、原材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動が中断又は遅延するおそれがあります。又、地震、台風、積雪等により当社グループが使用する空港・港湾が長期間閉鎖された場合は、当社グループの事業活動が制限されるおそれがあり、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制等について
当社グループは、国内及び諸外国の航空法をはじめとした関連法令等に基づき、航空機の修理、改造、及び航空機装備品の設計、製造、修理、並びに改造等の事業を行っており、又、その事業の一部については、各国関連当局の許認可を受けて実施していることなどから、様々な規制を受けています。各種法令に違反した事実が認められた場合は、許認可の取り消しなどの罰則を受ける場合があり、当社グループの財政状態、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者
の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中において将来に関する事項が含まれていますが、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在に
おいて、当社グループが判断したものです。
当連結会計年度は、米国の景気は着実に回復が進み、日本及びユーロ圏も穏やかな景気回復が続き、中国及び新興諸国も景気回復への動きが見られるなど、世界経済全体は堅調に推移しました。一方、各国の政策による金融資本市場の変動や通商問題、北朝鮮情勢等による地政学的リスクの高まりなど、先行きの不確実性が高まりました。為替相場は、第3四半期まではドルが底堅さを増していく見通しから概ね安定的に推移しましたが、当連結会計年度末にかけて金融緩和縮小観測、米国のインフレ懸念、世界連鎖株安によるリスク回避の動きなどにより円高ドル安が加速しました。
航空輸送業界では、世界的な航空需要の拡大と原油安により、エアラインの収益は改善傾向にありますが、格安航空会社(LCC)の攻勢により競争の激化が続いており、大手エアラインは需要の大きい運航路線の獲得、客室サービスの向上、LCCとの業務提携など様々な戦略を打ち出しています。航空機メーカーでは、小型旅客機、中型旅客機であるボーイング787型機やエアバスA350型機の生産が増加する一方、エアバスA380型機などの大型旅客機や新型機に移行するボーイング777型機などの機体は減産傾向にありますが、今後はその代替として777X型機の需要増加が見込まれています。
こうしたなか当社グループでは、航空機内装品等製造関連においては、生産効率改善とコスト削減の取組みを進めると共に、777X型機向けラバトリーやA350型機向け後部ギャレーなど新規製品の開発製造を進めました。
航空機シート等製造関連においては、生産効率改善とコスト削減の取組みを進めると共に、次世代のスタンダードシートなど新型シートの開発製造を進めました。
航空機器等製造関連においては、炭素繊維構造部材及び航空機エンジン部品の生産性改善に取り組みました。
航空機整備等関連においては、飛行安全の確保と品質向上の取組みを継続すると共に、各種サービスの充実と収益改善の取組みに加え、新規品目の受注を進めました。
当連結会計年度の業績は、ボーイングが開発中の777X型機への移行の端境期を迎えた現行の777型機向けギャレー及びラバトリーの出荷減少の影響が大きく、売上高は前期に対して減少しました。一方、採算性の良いスペアパーツ販売や顧客仕様変更に伴う追加売上などが増加したことから、利益は前期に対して増加しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高 77,791百万円(前期比 4,042百万円減)、営業利益 4,466百万円(前期比 2,334百万円増)、経常利益 3,504百万円(前期比 2,218百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益 1,681百万円(前期比 667百万円増)となりました。
なお、当連結会計年度末に次期以降の完成工事に対する工事損失引当金を 2,066百万円計上しております。この工事損失引当金による期間損益への影響は、第4四半期連結会計期間において売上原価 638百万円の減少(第3四半期連結会計期間末の工事損失引当金は 2,705百万円)、又、当連結会計年度においては売上原価 1,367百万円の減少(前連結会計年度末の工事損失引当金は 3,434百万円)となりました。
グループ全体の販売費及び一般管理費、営業外損益、特別損益の状況は次のとおりです。
販売費及び一般管理費は、人件費、販売手数料、保証工事費の減少等により 8,687百万円(前期比 182百万円減)となりました。
営業外損益は、急激な円高の影響を受けた前期よりも為替差損益が改善しましたが、顧客との契約の中途解約に伴う支払補償費 416百万円の計上などにより 962百万円の損(前期は、846百万円の損)となりました。なお、第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~平成29年12月31日)において為替差益 12百万円を計上しておりましたが、為替相場の変動等により、第4四半期連結会計期間(平成30年1月1日~平成30年3月31日)において、 429百万円の為替差損が発生したため、当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)においては、 416百万円の為替差損を営業外費用に計上しております。
特別損益は、固定資産処分損等により、49百万円の損(前期は、23百万円の損)となりました。
法人税等合計は、米国において平成29年12月22日(現地日付)に連邦法人税率が35%から21%に引き下げられることを含む税制改革法が成立し、米国子会社の繰延税金資産再計算による修正の影響 421百万円を計上したことなどにより 1,690百万円となりました。(前期比 1,491百万円増)
セグメント別の業績は次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当事業では、客室内装備の一括供給メーカー(トータル・インテリア・インテグレーター)を目指した事業戦略に沿い、新規品目及びアフターマーケットの受注拡大に向けた種々の施策を継続する一方、新造機向け内装品の開発製造、生産体制の効率化に努めてまいりました。
当期は、A350型機向け後部ギャレーの出荷を開始いたしました。
当期の売上高は、ボーイングが開発中の777X型機への移行の端境期を迎えたことで現行の777型機向けギャレー及びラバトリーの出荷数の減少などで、前期に比べ減少しました。
一方、経常利益については、売上高減少の影響がありましたが、スペアパーツ販売の増加、顧客仕様変更に伴う追加売上、コストダウン施策による原価低減及び工事損失引当金繰入額の減少などにより、前期に比べ増加しました。
この結果、航空機内装品等製造関連は、売上高 50,992百万円(前期比 4,319百万円減)、経常利益 6,793百万円(前期比 2,117百万円増)となりました。
[航空機シート等製造関連]
当事業では、魅力的な製品開発による販売を促進する一方、安定した事業基盤と生産性向上の実現に向けて、コストマネジメントとサプライチェーンの強化に努めてまいりました。
当期は、シンガポール航空のA380型機向けビジネスクラスシートの納入を開始いたしました。また、787型機向けのプレミアムシートを発表するなど次世代のスタンダードシートの開発と販売を進めました。
当期の売上高は、新規プログラムの製品出荷やシートのスペアパーツ販売の増加がありましたが、一部プログラムの納期変更があり、前期に比べて減少しました。
経常損益については、生産効率の改善に努めたものの、新規プログラムの開発・製造工程における初期コストの増加などから経常損失となりました。
この結果、航空機シート等製造関連は、売上高 12,484百万円(前期比 71百万円減)、経常損失 3,641百万円(前期は、経常損失 3,547百万円)となりました。
[航空機器等製造関連]
当事業では、防衛関連を中心とした熱交換器などの受注拡大に取り組むと共に、炭素繊維構造部材及び航空機エンジン部品等の生産体制の効率化に努めてまいりました。
当期は、航空機エンジン部品の生産は増加しましたが、A380型機の生産減少の影響等により炭素繊維構造部材の出荷が減少しており、前期に比べ売上高は減少しました。
一方、経常利益はA350型機向け炭素繊維構造部材の採算性改善や、航空機エンジン部品の生産効率改善などにより、前期に比べ増加しました。
この結果、航空機器等製造関連は、売上高 6,312百万円(前期比 36百万円減)、経常利益 216百万円(前期比 119百万円増)となりました。
[航空機整備等関連]
当事業では、飛行安全の確保と品質保証体制のたゆまぬ強化、付加価値の高い新たなビジネスへの取組みの強化に努めてまいりました。
当期は、リージョナル機整備の協定締結などエアラインビジネスへの取組みを推進すると共に、装備品整備で新規品目の整備ビジネスを開始するなど、新たなビジネス展開へ向けた活動を進めました。
当期の売上高は、航空局飛行検査機の日常点検及び整備の契約終了や官公庁関連の一部機体整備の納期変更など完成工事が減少したことから機体整備では低調でしたが、装備品整備の生産は好調に推移したことから、前期に比べ増加しました。
経常利益については、既存の装備品整備の契約見直しの施策や新規品目の受注活動などを推進した結果、前期に比べ増加しました。
この結果、航空機整備等関連は、売上高 8,002百万円(前期比 385百万円増)、経常利益 139百万円(前期比 75百万円増)となりました。
[その他]
その他の区分には、連結子会社の㈱オレンジジャムコの事業を含んでおり、航空機内装品等製造関連の補助作業等セグ
メント間の内部取引が中心で、順調に進めることができました。
この結果、その他の区分では、売上高 0百万円(前期比 0百万円減)、経常損失 4百万円(前期は経常損失 4百万
円)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
55,223,671 |
1.1 |
|
航空機シート等製造関連 |
13,085,342 |
△2.9 |
|
航空機器等製造関連 |
6,107,839 |
△1.8 |
|
航空機整備等関連 |
8,217,722 |
6.3 |
|
その他 |
17 |
△76.4 |
|
合計 |
82,634,592 |
0.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で記載しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
62,500,855 |
17.8 |
70,535,975 |
19.5 |
|
航空機シート等製造関連 |
8,629,100 |
△77.6 |
29,856,691 |
△11.4 |
|
航空機器等製造関連 |
4,608,677 |
△0.9 |
5,464,352 |
△23.8 |
|
航空機整備等関連 |
9,025,840 |
41.1 |
2,999,680 |
51.8 |
|
その他 |
17 |
△76.4 |
- |
- |
|
合計 |
84,764,490 |
△17.4 |
108,856,699 |
6.8 |
(注) 1 金額は、販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
航空機内装品等製造関連 |
50,992,198 |
△7.8 |
|
航空機シート等製造関連 |
12,484,309 |
△0.6 |
|
航空機器等製造関連 |
6,312,464 |
△0.6 |
|
航空機整備等関連 |
8,002,851 |
5.1 |
|
その他 |
17 |
△76.4 |
|
合計 |
77,791,842 |
△4.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
MITSUBISHI |
29,653,558 |
36.2 |
28,553,725 |
36.7 |
|
ITOCHU |
12,948,335 |
15.8 |
13,948,052 |
17.9 |
当連結会計年度末の資産合計は 94,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,897百万円増加しました。内、流動資産については、受取手形及び売掛金の減少(前期比 706百万円減)、原材料及び貯蔵品の減少(前期比 2,726百万円減少)等がありましたが、現金及び預金の増加(前期比 1,556百万円増)、仕掛品の増加(前期比 3,911百万円増)等により流動資産合計で前連結会計年度末に比べ 2,203百万円増加しました。又、固定資産については、当連結会計年度の投資案件が比較的少なかったことから固定資産合計で前連結会計年度末に比べて 306百万円減少しました。
負債合計は 64,903百万円となり、前連結会計年度末に比べ 346百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少(前期比 2,089百万円減)、借入金の減少(前期比 502百万円減)、工事損失引当金の減少(前期比 1,367百万円減)等がありましたが、電子記録債務の増加(前期比 1,090百万円増)、前受金の増加(前期比 2,346百万円増)等によるものです。
純資産合計は 29,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ 1,550百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加(前期比 1,413百万円増)等によるものです。この結果、自己資本比率は30.4%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
[航空機内装品等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて1,345百万円増加し、56,631百万円となりま
した。当事業では、A350型機向け後部ギャレー等の仕掛品増加などにより前期比増加しました。
[航空機シート等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて316百万円減少し、18,577百万円となりました。当事業では、新規プログラム等で仕掛品は増加しましたが、売掛金が減少したことなどから前期比減少しました。
[航空機器等製造関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて320百万円増加し、10,418百万円となりまし
た。当事業では、年度末にかけて製品出荷が急増し売掛金が増加したことなどから前期比増加しました。
[航空機整備等関連]
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末と比べて509百万円増加し、8,778百万円となりまし
た。当事業では、ITシステムの強化に伴い固定資産が増加したことなどから前期比増加しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の増減は、以下に記載のキャッシュ・フローにより、前連結会計年度末に比べ 626百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,971百万円のキャッシュ・インフローとなり、前連結会計年度に比べ 1,842百万円収入が増加しました。これは、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少による収入の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,810百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 365百万円支出が減少しました。これは、費用節減のために不急な設備投資案件の実施を見合わせたことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、460百万円のキャッシュ・アウトフローとなり、前連結会計年度に比べ 126百万円支出が減少しました。これは、金融機関からの借入金による収入に比べて、配当金の支払い及び金融機関への借入金の返済による支出等が上回ったことなどによるものです。
当社グループは、「安定した収益を上げることができる『強い会社』の実現」をビジョンに掲げ、経営指標を売上高経常利益率 7%以上、総資産経常利益率 7%以上と設定し、毎期継続してこの目標を達成するために種々の施策に取組んでまいります。又、自己資本比率など安全性指標についても、中期的な視野に立ち、その改善に向けて取組んでまいります。
当連結会計年度は、売上高経常利益率 4.5%、総資産経常利益率 3.7%、自己資本比率 30.4%、自己資本利益率 6.0%となりました。これらの経営指標の最近の推移は次のとおりです。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
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売上高経常利益率 |
9.0% |
1.6% |
4.5% |
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総資産経常利益率(ROA) |
9.2% |
1.4% |
3.7% |
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自己資本比率 |
29.7% |
29.4% |
30.4% |
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自己資本利益率(ROE) |
20.2% |
3.7% |
6.0% |
※売上高経常利益率:経常利益/売上高、総資産経常利益率(ROA):経常利益/総資産、自己資本比率:自己資本/総資本、自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.総資産経常利益率の算定における総資産は(期首総資産+期末総資産)/2で計算しています。
3.自己資本利益率の算定における自己資本は(期首自己資本+期末自己資本)/2で計算しています。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約締結日 |
契約の対象 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社 |
エアバス |
独国 |
平成12年6月20日 |
エアバス機各シリーズ (A300/A310/A320/A330/ |
垂直尾翼に使用する一次構造部材の独占供給 |
平成12年6月20日から垂直尾翼の工法に大幅な変更がない限り継続 |
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株式会社 |
プレミアム |
独国 |
平成21年8月27日 |
エアバスA380 |
2階席フロアビームに使用する一次構造部材の独占供給 |
当社製品が搭載されている機体が最低5機運航されている期間 |
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株式会社 |
ボーイング社 |
米国 |
平成16年10月14日 |
B747・B767・B777用、ラバトリー・モジュール |
左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成17年1月1日から |
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株式会社 |
ボーイング社(注)1 |
米国 |
平成30年3月2日 |
B787用、ラバトリー・モジュール及びギャレー・モジュール(厨房設備) |
左欄のラバトリー・モジュール及びギャレー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成23年就航予定の初号機搭載分から |
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株式会社 |
ボーイング社 (注)2 |
米国 |
平成26年2月24日 |
B777用フロアーパネル |
B777用フロアーパネルを相手先図面に従い生産する |
機数契約につき、415機をボーイング機体生産予測に従い平成28年から平成32年を予測する |
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株式会社 |
ボーイング社 |
米国 |
平成26年8月29日 |
B777-X用、ラバトリー・モジュール |
左欄のラバトリー・モジュールをボーイング社の生産計画に従って生産する |
平成32年就航予定の初号機搭載分から |
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株式会社 |
エアバス社 |
仏国 |
平成27年5月20日 |
A350用ギャレー及びラバトリー・モジュール(客室後部に搭載される) |
左欄のギャレー及びラバトリー・モジュールをエアバス社の生産計画に従って生産する |
当社製品が搭載されている機体が最低1機運航されている期間 |
(注)1. ボーイング社との契約において、当初は平成17年3月にラバトリー・モジュール、平成17年11月にギャ
レー・モジュールの契約を個別に締結しておりましたが、平成26年8月に一部内容を変更し、平成30年
3月に両契約を統合しております。
2. 平成30年3月1日付けでB777用フロアーパネル供給契約の終了に関する契約を締結致しました。
当社グループの研究開発活動は、技術力を生かした付加価値の高い製品の開発を基本方針としています。当連結会計年度においては、航空機シート等製造関連において新型スタンダードシートの開発、航空機内装品等製造関連において次世代軽量材料の研究、次世代キャビンの研究、先端技術を適用するための基礎研究などを進めると共に、航空機器等製造関連では、炭素繊維構造部材の新たな成形方法の研究等を進めました。
この結果、当期の試験研究費は、航空機内装品等製造関連において 212百万円、航空機シート等製造関連において316百万円、航空機器等製造関連において 46百万円をそれぞれ計上し、合計で575百万円(前期比 3百万円減)となりました。